JP7161837B2 - 排出部材 - Google Patents
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Description
容器本体1は、矩形状の底部11と、この底部11の外周縁から上方に延びる胴体部12と、胴体部12の上部から上方にいくにしたがって外形が小さくなるように傾斜する肩部13と、肩部13の上縁から上方に延びる首部14と、を備えており、これらが一体的に形成されている。そして、これらの部位11~14によって囲まれる内部空間に、薬液が収容されている。
次に、排出部材2について、図2~図5を参照しつつ説明する。図2はキャップが開位置にあるときの排出部材の断面図、図3は図2の平面図、図4はキャップが仮閉位置にあるときの排出部材の断面図、図5はキャップが閉位置にあるときの排出部材の断面図である。図2~図5に示すように、この排出部材2は、容器本体1の首部14に螺合する取付部3と、この取付部3から突出する排出部4と、取付部3にヒンジ部5を介して取り付けられたキャップ6と、を備えており、これらが一体的に形成されている。以下、各部について、詳細に説明する。
取付部3は、円筒状の取付本体31を備えている。この取付本体31は、下端部が開放し、上端部が板状の基面部32によって閉じられている。また、この取付本体31の内壁面は、容器本体1の首部14の雄ネジに螺合する雌ネジ(図示省略)が形成されている。そして、基面部32の中央には貫通孔33が形成されており、この貫通孔33は、取付本体31の内部空間、首部14を介して容器本体1の内部空間に通じている。
排出部4は、円筒状の本体部41を備えており、この本体部41の下端は基面部32の貫通孔33の周縁に連結され、上端は半球面状の蓋部42によって閉じられている。そして、この蓋部42の内壁面も半球状に形成されている。また、本体部41の上端付近、つまり蓋部42よりも下側には円形状の排出孔43が形成されている。この排出孔43は、本体部41の外周面に対して垂直に延びており、本体部41の内部空間と外部とを連通するようになっている。したがって、容器本体1の内部空間の液体は、首部14、基面部32の貫通孔33、排出部4の本体部41を介して排出孔43から排出される。
次に、キャップ6について説明する。キャップ6は、ヒンジ部5を介して取付部3に連結される円形状の支持部61と、この支持部61の下面に取り付けられる円筒状の閉鎖部62とを備えている。
ヒンジ部5は、中央片51と、その両側に配される一対の端部片52,53と、で構成されている。端部片52,53は、帯状に形成され、支持部61の周縁部612の下端と、取付部3の基面部32の周縁とを連結するものであり、基面部32の周縁において、周方向に所定間隔をおいて配置されている。そして、端部片52,53の中央付近には薄肉部521,531がそれぞれ形成され、この薄肉部521,531が折れ曲がることで、キャップ6を取付部3に連結した状態で、開位置から閉位置へと変位させることができる。なお、図2に示すように、開位置では、キャップ6は、取付部3の基面部32に対し、約120度の角度まで開いた状態となる。
排出部材2を形成する材料は特には限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料で形成することができる。
次に、仮閉位置と閉位置との間のキャップ6の変位について説明する。上記のようにキャップ6は中間位置から仮閉位置まではヒンジ部5の中央片51の弾性変形により、自動的に変位する。そして、仮閉位置では、図4に示すように、閉鎖部62の下端部が排出部4の蓋部42に接触する。より詳細には、閉鎖部62の下端部のうち、ヒンジ部5とは反対側の縁部が、蓋部42の上面における排出孔43側の傾斜面に接する。そして、この状態からキャップ6の支持部61を上方から押圧すると、ヒンジ部5が弾性変形することにより、支持部61が排出孔43側へ概ね水平方向に移動する。これにより、閉鎖部62の下端部が蓋部42の傾斜面を滑り、排出孔43を経て、排出部4の下端付近まで達する。その結果、閉鎖部62が排出部4の外周面を覆い、排出孔43が閉鎖され、キャップ6は閉位置に配置される。
まず、キャップ6を閉位置から開位置まで変位させ、排出部4を露出させる。次に、容器本体1の外周面を手で把持し、排出部4の排出孔43が下向きになる程度まで、容器を傾ける。これにより、容器本体1内の薬液が首部14、排出部4を介して排出孔43から排出される。
以上のように、本実施形態によれば、排出部4において、排出孔43よりも上方に蓋部42の内壁面が設けられているため、容器を傾けたとき、薬液は容器本体1から排出部4に流入する。そして、薬液の大半は、図7に示すように、薬液の流れの勢いで、一旦、流れ方向の延長にある蓋部42の内壁面に衝突した後、下向きとなった排出孔43から排出させる。そのため、例えば、排出部の先端に排出孔が設けられているのと比べ、薬液が勢いよく排出されるのを防止することができる。したがって、薬液の排出方向をコントロールすることができる。特に、蓋部42の内壁面は半球状に形成されているため、蓋部42に衝突した薬液を排出孔43側にスムーズに戻るような流れを形成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組合せ可能である。
排出孔43の位置は特には限定されず、例えば、少なくとも蓋部42の内壁面の頂部よりも貫通孔側に配置することができる。したがって、図8に示すように、蓋部42に設けられていてもよい。すなわち、薬液を排出するときに、一旦、蓋部42の内壁面に薬液が衝突した後、排出孔43から排出できるようになっていればよいが、これに限定されるものではなく、蓋部42のさらに先端側に設けることもできる。なお、図8のような場合、排出孔43の周縁は閉鎖部62に接触しないが、少なくとも閉鎖部62は、排出部4の本体部41の外周面に強固に接触するため、排出孔43は、閉鎖部62の内部に密閉された状態となる。したがって、薬液の漏れを防止することができる。
蓋部42は、球面でなくてもよく、平坦状、円錐状、角錐状など種々の形態にすることができる。但し、蓋部42の外面に傾斜面を形成すると、上記のように、閉鎖部62が蓋部42の外面を滑りやすくなり、仮閉位置から閉位置までスムーズに変位させることができる。また、排出部4の本体部41も円筒状ではなく、角筒状にすることもできる。
閉鎖部62の形状は特には限定されず、例えば、図9に示すように、排出孔43側で、排出部4の本体部41の外周面に接するように、断面円弧状に形成することもできる。すなわち、閉鎖部62は、少なくとも、ヒンジ部5とは反対側で排出孔43を覆うように形成されていればよい。
ヒンジ部5の構成は特には限定されず、上記実施形態以外の態様であってもよい。すなち、少なくともキャップ6と取付部3とを連結し、キャップ6が閉位置及び開位置との間を変位できるように構成されていればよい。また、ヒンジ部5、キャップ6を取付部とは別部材で構成することもできる。
また、上記実施形態では、キャップ6が仮閉位置から閉位置へ変位するとき、主としてヒンジ部5の弾性変形により、閉鎖部62が排出部4を覆うように形成されているが、ヒンジ部5以外の閉鎖部62や排出部4の弾性変形によっても、仮閉位置から閉位置へ変位させることができる。したがって、閉鎖部62、排出部4、及びヒンジ部5の少なくとも1つが弾性変形可能であればよい。
キャップ6の形状も特には限定されず、少なくとも支持部61と閉鎖部62が設けられていればよい。例えば、支持部61は必ずしも取付部3の基面部32を覆うような構造でなくてもよく、閉鎖部62が取り付けられるような構造であればよい。
容器本体1の形状は特には限定されず、少なくとも取付部3が取り付けられるような開口15が形成されていればよい。したがって、取付部3の取付方法も特には限定されない。上記実施形態では、ネジ嵌合により、取付部3と首部14とを固定しているが、例えば、首部14の内周面に雌ネジを形成するとともに、取付部3の外周面に雄ネジを形成し、これらをネジ嵌合することもできる。あるいは、取付部3を首部14の内壁面に加締めによって固定することもできる。
容器本体1の内部に収容されるものは、薬液に限定されるものではなく、種々の種類の液体を収容することができる。また、液体の粘度の高低も特には限定されず、25℃で流動性を有していればよい。
2 排出部材
3 取付部
4 排出部
41 本体部
42 蓋部
43 排出孔
5 ヒンジ部
6 キャップ
62 閉鎖部
Claims (5)
- 開口が形成され液体が収容される容器本体に取り付けられる排出部材であって、
前記開口に取り付けられ、外部に露出する基面部が形成されており、前記基面部に、前記容器の内部と連通する連通孔が形成されている、取付部と、
前記取付部の基面部から突出し、前記容器本体内の液体を排出する排出孔が形成された排出部と、
前記取付部に取り付けられ、前記排出孔を開閉自在に閉じる、キャップと、
を備え、
前記排出部は、
一端部が前記連通孔と連通する筒状の本体部と、
前記本体部の他端部を閉じる蓋部と、
を備え、
前記キャップは、前記取付部にヒンジ部を介して接続され、
前記基面部を覆う支持部と、
前記支持部に取り付けられ、前記排出部の排出孔を覆う、閉鎖部と、
を備え、
前記支持部は、前記ヒンジ部を中心として、前記閉鎖部が前記排出孔を覆う第1の位置と、前記排出孔が開放された第2の位置との間を旋回するように構成され、
前記支持部が、前記第2の位置から第1の位置へ移動する過程で、前記閉鎖部が前記排出部の前記蓋部の外面に当接する第3の位置を通過するように構成され、
外力によって、前記支持部が、前記第3の位置から第1の位置への移動するように構成されている、排出部材。 - 前記閉鎖部は、前記支持部が前記第1の位置にあるときに、前記排出部が嵌まるような筒状に形成されている、請求項1に記載の排出部材。
- 前記排出孔は前記本体部に形成されている、請求項1または2に記載の排出部材。
- 前記排出部の蓋部の外面は、球面状に形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の排出部材。
- 容器本体と、
前記容器本体の開口に取り付けられている、請求項1から4のいずれかに記載の排出部材と、
を備えている、容器。
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