JP2016125892A - 廃液処理装置、廃液処理方法および廃液処理プログラム - Google Patents

廃液処理装置、廃液処理方法および廃液処理プログラム Download PDF

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Tatsuya Ogawa
達也 小川
高田 孝夫
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孝夫 高田
関 秀司
Hideji Seki
秀司 関
新一 牧野
Shinichi Makino
新一 牧野
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Abstract

【課題】放射性核種を吸着した吸着剤の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤を自燃可能にすることができる廃液処理装置、廃液処理方法および廃液処理プログラムを提供する。
【解決手段】廃液処理装置10は、放射性核種および油脂成分を含む廃液11に放射性核種および油脂成分を吸着する吸着剤12を添加する吸着剤添加部20と、廃液11および廃液中で油脂成分を吸着した吸着剤12の混合液11a(11)を移送する移送管Hと、移送管Hに接続されて混合液11aから浄化液14を分離する分離部16と、分離された浄化液14の流量Qを計測する計測部36と、計測部36に接続されて計測された流量Qに基づいて連続的または断続的に供給される廃液11の供給量を調整する調整部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、原子力発電所で発生した廃液を処理するための廃液処理技術に関する。
地震などの自然災害に原子力発電所が被災すると、被災の規模によっては炉心が溶融することがありえる。
この場合、溶融した炉心の冷却には、大量の海水を原子炉建屋に撒布する方法がある。
この方法を用いると、機械油などの油脂成分および放射性核種を含む大量の海水が原子炉建屋の地下に溜まることになる。
このようにして原子力発電所の内部に溜まった廃液を自然環境へ排出するには、これら油脂成分などの不純物および放射性核種を所定の基準値以下にする必要がある。
放射性核種を含まない廃液に対する不純物の除去方法は、様々なものが提案されている。
また、放射性核種の除去については、ゼオライトなどの吸着剤を充填した吸着塔に汚染水を通水させる方法が効果的である。
特開平05−68965号公報 特開平10−249170号公報 特開平06−296993号公報 特開2002−428795号公報 特開2005−34742号公報
上述したように、浄化された廃液は自然環境に排出されるため、一度の吸着処理で確実に廃液中の放射性核種を除去する必要がある。
同時に、処理効率を向上させるため、処理工程をできる限り連続処理にする必要がある。
処理工程をバッチ処理にすると、一度の吸着処理ごとに各々の部材を相互に同期させながら動作を変更させなければならず、動作が複雑化して故障を誘引することにもなる。
一方、これら吸着剤として使用された粉末活性炭などは放射性廃棄物となるという課題もあった。
放射性廃棄物となった粉末活性炭は、放射性核種を含まない一般的な活性炭と異なり、再利用や容易な処分ができない。
例えば、吸着剤として使用された粉末活性炭は、放射性核種を含んだままではコークスの代替とすることはできない。
また、例えば、この粉末活性炭を濃縮・減容する場合も、放射線が有機物を劣化させてしまうため、有機物からなる中空糸膜などを用いることができない。
よって、廃液から放射性核種を除去する場合、除去に用いた吸着剤などの放射性廃棄物の保存方法および処理方法についても考慮する必要がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、放射性核種を吸着した吸着剤の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤を自燃可能にすることができる廃液処理装置、廃液処理方法および廃液処理プログラムを提供することを目的とする。
本実施形態にかかる廃液処理装置は、放射性核種および油脂成分を含む廃液に前記放射性核種および前記油脂成分を吸着する吸着剤を添加する吸着剤添加部と、前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送管と、前記移送管に接続されて前記混合液から浄化液を分離する分離部と、分離された前記浄化液の流量を計測する計測部と、前記計測部に接続されて計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整部と、を備えるものである。
また、本実施形態にかかる廃液処理方法は、放射性核種および油脂成分を含む廃液に吸着剤を投入する投入ステップと、前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送ステップと、前記混合液から浄化液を分離部で分離する分離ステップと、分離された前記浄化液の流量を計測する計測ステップと、計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整ステップと、を含むものである。
また、本実施形態にかかる廃液処理プログラムは、コンピュータに放射性核種および油脂成分を含む廃液に吸着剤を投入する投入ステップ、前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送ステップ、前記混合液から浄化液を分離する分離ステップ、分離された前記浄化液の流量を計測する計測ステップ、計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整ステップ、を実行させるものである。
本発明により、放射性核種を吸着した吸着剤の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤を自燃可能にすることができる廃液処理装置、廃液処理方法および廃液処理プログラムが提供される。
第1実施形態にかかる廃液処理装置の概略構成図。 第1実施形態にかかる廃液処理装置の分離部の周辺の概略拡大図。 クロスフローろ過器の概略断面図。 (A)はクロスフローろ過器を構成するクロスフローフィルタの一例を示す断面斜視図、(B)は(A)で示されるクロスフローフィルタの変形例を示す断面斜視図。 第1実施形態にかかる廃液処理装置の分離部の変形例。 第1実施形態にかかる廃液処理装置の分離部の変形例。 第1実施形態にかかる廃液処理方法を示すフローチャート。 吸着剤処理サブルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態にかかる廃液処理装置の概略構成図。 実施例1の試験条件および試験結果を示す図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる廃液処理装置10の概略構成図である。
第1実施形態にかかる廃液処理装置10は、図1に示されるように、放射性核種および油脂成分を含む廃液11に放射性核種および油脂成分を吸着する吸着剤12を添加する吸着剤添加部20と、廃液11および廃液中で油脂成分を吸着した吸着剤12の混合液11a(11)を移送する移送管Hと、移送管Hに接続されて混合液11aから浄化液14を分離する分離部16と、分離された浄化液14の流量Qを計測する計測部36と、計測部36に接続されて計測された流量Qに基づいて連続的または断続的に供給される廃液11の供給量を調整する調整部39(図2)と、を備える。
また、廃液処理装置10は、移送管Hに設置されて混合液11aを一定時間貯留する吸着槽13を備える。
さらに、廃液処理装置10は、放射性核種を吸着して排出された吸着剤12を融解した助燃固化剤17とともに混練して混練体18を生成する混練部19と、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する成型部21と、を備える。
廃液処理装置10は、浄化処理部100と、吸着剤処理部200と、から構成される。
浄化処理部100は、例えば、吸着剤添加部20、移送管H、分離部16、計測部36、調整部39(図2)および吸着槽13を備える。
吸着剤処理部200は、例えば、混練部19および成型部21を備える。
まず、浄化処理部100について説明する。
原子炉建屋の地下などに溜まった廃液11は、図1に示されるように、廃液収集管hから廃液処理装置10に収集される。
廃液収集管hは、廃液11の流量を調整する廃液収集弁Vを備えて、廃液処理装置10の吸着槽13に接続される。
吸着槽13は、廃液11および廃液中で油脂成分を吸着した吸着剤12の混合液11a(11)を分離部16へ移送する移送管H(h,h)の途中に設置されている。
移送管Hは、例えば、図1に示されるように、分離部16の流入口および流出口に環状に接続されて廃液11および吸着剤12を循環させる。
吸着槽13には、吸着剤12を収容する吸着剤添加部20が第1供給弁Vを備える供給管hを介して接続されている。
廃液11が吸着槽13に供給されると、第1供給弁Vが開放されて吸着剤添加部20から吸着槽13に吸着剤12が添加される。
吸着剤12は、例えば粉末活性炭またはゼオライトなど、廃液11から放射性核種および油脂成分を吸着させるものである。
特に、廃液処理装置10で生成された固化体29は焼却によって最終処分されることを予定しているので、吸着剤12には、より燃焼が容易な粉末活性炭を用いるのがよい。
なお、吸着剤12は、一種類のみで油脂成分および放射性核種のいずれも吸着する必要はない。
油脂成分のみを吸着するものと放射性核種のみを吸着させるものとを組み合わせて吸着剤として使用してもよい。
ただし、廃液処理装置10の稼働開始時に一定時間貯蔵すれば、その後は少量ずつ廃液11を供給すれば分離部16に到達するまでに十分な吸着時間が得られる。
吸着剤12が添加された廃液11は、吸着槽13において、数分〜数十分程度の一定時間貯留される。
貯留時間は、廃液11における油脂成分および放射性核種の濃度が5000ppm程度以下となるように設定される。
なお、吸着槽13に撹拌部34を設けて、貯留の間撹拌してもよい。
後述する実施例1では、撹拌時間を15分とすることで、油脂成分が十分吸着されることが確認された。
また、吸着槽13には、分離部16が接続されている。
分離部16は、移送管Hから流入してくる混合液11aから浄化液14を分離する。
分離部16には、フィルタ、クラッドセパレータ、フィルタプレスまたは遠心分離器などが用いられる。
分離部16としてクロスフローろ過器16aを用いる場合、図1の例示のように、往路弁Vが設けられた往路管h(H)がクロスフローろ過器16aの流入口に接続される。
一方、クロスフローろ過器16aの流出口と吸着槽13とは、復路弁Vが設けられた復路管h(H)によって接続される。
このようにクロスフローろ過器16aの流入口および流出口の両方が吸着槽13に接続されて、廃液11が吸着槽13およびクロスフローろ過器16aを循環する経路が形成される。
分離部16で浄化された浄化液14は、浄水弁Vを設けた浄水管hから一時的に浄水槽24に収容される。
そして、浄水槽24において水質分析で安全性が確認されてから、放出弁Vが開放されて放出管hから自然環境に放出される。
浄水管hには、分離された浄化液14の流量Qを計測する計測部36が設けられている。
ここで、図2は、第1実施形態にかかる廃液処理装置10の分離部16の周辺の概略拡大図である。
計測部36で計測された浄化液14の流量Qに関する情報は、調整部39に送信される。
なお、計測部36の設置位置は、浄水管hに限られず、例えば、往路管hおよび復路管hのそれぞれに設置されて、これらの移送管H(h,h)を流動する混合液11aの流量の差分として浄化液14の流量Qを導いてもよい。
さらに、計測部36は、浄水槽24に設置された水位計などであってもよく、浄化液14の流量Qを計測することができれば上述したものに限定されない。
調整部39は、例えば廃液収集弁Vに接続されて、計測部36からの浄化液14の流量Qに関する情報を受信する。
吸着槽13への廃液11の供給量がこの流量Qと同量となるように、廃液収集弁Vの開閉を調整する。
これら計測部36および調整部39によって、移送管Hを循環する混合液11aにおける吸着剤12の濃度は、吸着処理中は一定に維持されることになる。
吸着剤12は、浄水管hへ排出されずに移送管Hを循環し、放射性核種を基準値になるまで吸着する。
以上、浄化処理部100について説明した。
上述した浄化処理部100の実施形態では、移送管Hの途中に吸着槽13を設けたが、吸着槽13は移送管Hの形態によっては省略することができる。
例えば、移送管Hの経路が十分長い場合、移送管Hを循環して分離部16に到達するまでに混合液11aは撹拌されて、吸着剤12が放射性核種を十分吸着することもある。
この場合、移送管Hに直接廃液11および吸着剤12を投入して、吸着槽13を省略することもできる。
次に、吸着剤処理部200について説明する。
吸着槽13には、混練部19が、回収弁Vが設けられた回収管hによって接続されている。
吸着剤12が移送管Hを繰り返し循環して放射性核種を基準値まで吸着した場合、移送管Hに設置されたろ過ポンプ32は停止される。
分離部16および吸着槽13にそれぞれ残留した吸着剤12は、混合液11aごと回収管hから混練部19に回収される。
混練部19には、第3供給弁Vを備える第3供給管hによって、融解した助燃固化剤17を投入する助燃剤投入部25が接続される。
そして、助燃剤投入部25から、吸着剤12に対する助燃固化剤17の体積比が0.7〜2.0となるように助燃固化剤17が混練部19に添加される。
混練部19は、吸着剤12をこの融解した助燃固化剤17とともに混練して、混練体18を生成する。
助燃固化剤17は、例えば、石油ワックス、木蝋および白蝋から選ばれる燃焼促進剤である。
これらの助燃固化剤17は、いずれも炭素数が12〜30の直鎖脂肪族系の炭素化合物で、65〜70℃の融点を有するものである。
よって、これらの助燃固化剤17は、加熱によって融解するとともに常温で固化する性質を有する。
上記の性質を有する助燃固化剤17を添加することで、混練体18は後に固化して運搬や保管が容易な形態となる。
特に、入手の容易性の観点から、助燃固化剤17として、パラフィンワックスが好適に用いられる。
なお、助燃固化剤17として、助燃作用のある助燃剤と固化作用のある固化剤とで別個のものをそれぞれ添加してもよい。
また、油脂成分がリン酸エステルの場合は、ステアリン酸カルシウムなどの炭素数が12〜30でCa元素を含む長鎖脂肪酸を用いるのがよい。
リン酸エステルが吸着された吸着剤12を焼却すると、リンがリン酸となって揮発して、焼却炉33の内部に拡散してしまうからである。
拡散したリン酸は、焼却炉33の内部の金属や耐火物を腐食させる。
そこで、上述のCa元素を含む長鎖脂肪酸を助燃固化剤17として用い、リンとカルシウムを反応させてリンによる腐食を防止する。
同様の効果は、助燃固化剤17とは別個に、消石灰などのCa含有物54を吸着剤12に投与しても得られる。
この場合、混練部19は、第4供給弁V12が設けられた第4供給管h12でCa投与部53に接続されて、このCa投与部53からCa含有物54の供給を受ける。
また、混練部19には加熱部23および撹拌モータ35に接続された混練機28が備えられている。
吸着剤12および助燃固化剤17は、加熱部23で加熱されながら混練機28で混練される。
混練された吸着剤12および助燃固化剤17は、エマルジョン状の混練体18となる。
なお、このときの混練体18の含水量が高いと、その分最終処分の際の焼却が困難となる。
そこで、必要に応じて、混練部19に吸水剤投与部26を設置して、吸着剤12に吸水剤27を投与する。
吸水剤27としては、例えばアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物などの高分子ポリマーが好適に使用できる。
なお、吸水剤27は、シリカゲル系または石灰系の乾燥剤および塩化カルシウムなど、原子力発電所での使用が認められていれば、種類は限定されない。
吸水剤27は、水分量、粒子径または混合時間など混練体18の状態に合わせて適宜選択すればよい。
混練部19の下部には、例えば鋳型などの成型部21が配置される。
成型部21は、助燃固化剤17を固化させて混練体18を成型する。
エマルジョン状の混練体18は、この鋳型の成型部21に流し込まれて一定の期間常温で静置される。
静置された混練体18は、助燃固化剤17が固化するとともに水分が蒸発して、固化体29となる。
この固化体29は、吸水剤27によって乾燥されているとともに助燃固化剤17が混合されているので、単体での焼却が可能である。
また、この固化体29は、積み上げが可能であるので、すぐに焼却しない場合でも、例えば、ドラム缶31などに積み上げて収容して貯蔵することもできる。
なお、混練体18を混練部19である程度固化させて粘土状にして、押出し成型や圧縮成型をすることも可能である。
押出し成型の場合、成型部21は、例えば、混練部19に設けられる口金、口金から連続的に排出される角材状の混練体18を載せるベルトコンベアおよび混練体18を切断する切断刃などである。
以上、吸着剤処理部200について説明した。
このように、第1実施形態にかかる廃液処理装置10によれば、放射性核種を吸着した吸着剤12の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤12を自燃可能にすることができる。
次に、図3、図4(A)および図4(B)を用いて、廃液処理装置10で好適に用いられる分離部16について詳述する。
図3は、クロスフローろ過器16aの概略断面図である。
また、図4(A)はクロスフローろ過器16aを構成するクロスフローフィルタ16aの一例を示す断面斜視図、図4(B)は図4(A)で示されるクロスフローフィルタ16aの変形例を示す断面斜視図である。
クロスフローフィルタ16aとして、図4(A)に示されるチューブラ型、図4(B)に示されるモノリス型などがろ過対象などに合わせて適宜選択される。
クロスフローろ過器16aは、内部に、これらのクロスフローフィルタ16aが数本〜数百本並置されて構成される。
クロスフローフィルタ16aは、セラミック、カーボンまたはプラスチックなどの素材からなり、数μm程度の無数の微細孔を有する。
また、クロスフローフィルタ16aには、その長手方向に沿って流水路30が設けられている。
この流水路30に、吸着剤12を含む廃液11を通流させて、微細粒子のみを壁面の微細孔に浸透させることで、浄化液14を外部へ湧出させる。
廃液収集管hからの廃液11の供給を停止した場合、廃液11は、ろ過ポンプ32の動力でクロスフローろ過器16aおよび吸着槽13を連続的に循環する。
なお、第1実施形態では、上述したように吸着槽13に連続的または断続的に廃液11が供給される。
よって、浄化液14が排出されても、混合液11aにおける吸着剤12の濃度は一定に維持される。
従って、分離部16がクロスフローろ過器16aである場合、吸着剤12の添加量は、廃液11の8〜70wt%に調節される。
吸着剤12は、この濃度を維持したまま混練部19に排出されるので、8wt%以下の場合、生成される固化体29が、水分が多く燃焼の困難なものとなるからである。
また、濃度の上限の70wt%は、現在の市販のクロスフローろ過器16aのろ過率の上限による。
クロスフローろ過器16aを用いることで、最初に投入した吸着剤12が放射性核種を十分に吸着するまで使用し続けることができる。
つまり、発生する放射性廃棄物を最小限にすることができる。
また、このように吸着剤12を濃縮させないで使用することで、吸着剤12の濃縮の度に必要となる吸着剤処理サブルーチンS18(図8)の実施の頻度を抑制することができる。
すなわち、一度の吸着処理ごとに各々の部材を相互に同期させながら動作を変更させなければならないバッチ処理の頻度を抑制することができる。
また、図5は、廃液処理装置10の分離部16の変形例である。
分離部16は、図5に示されるように、デッドエンド系のろ過器であるロータリろ過器16b(16)であってもよい。
分離部16がロータリろ過器16b(16)である場合、吸着剤12の添加量は、廃液11の300〜5000ppmに調節される。
ロータリろ過器16bを用いる場合、クロスフローろ過器16aを用いる場合と異なり、混合液11aは循環しない。
よって、ロータリろ過器16bを通過できない吸着剤12は、ロータリろ過器16bに蓄積されて10〜30wt%にまで濃縮させることができる。
従って、吸着槽13への吸着剤12の添加量は、クロスフローろ過器16aと比較して1/100程度の濃度となるようにすれば十分である。
吸着剤12の添加量が多くなると、その分放射性廃棄物の量が増加することになる。
よって、吸着剤12の添加量は、廃液11における吸着剤12の濃度が5000ppm以下となるようにするのが望ましい。
一方、吸着剤12が粉末活性炭である場合、粉末活性炭の添加量がより多い方が分離部16のろ過比抵抗を軽減することができる。
よって、吸着剤12の添加量は廃液11における吸着剤12の濃度が300ppm以上であることが必要である。
これらの条件を考慮すると、吸着剤12の添加量は、廃液11における吸着剤12の濃度が1000ppm程度とするのが望ましい。
また、ロータリろ過器16bを用いる場合、吸着剤12は循環しないため、分離部16での分離が進行するにつれて、吸着槽13の吸着剤12の分量は減少する。
そこで、調整部39は、計測された浄化液14の流量Qに基づいて、廃液収集弁Vに加えて、第1供給弁Vの開閉も調整して、吸着槽13へ吸着剤12を微量ずつ供給する。
ロータリろ過器16bのろ過効率が閾値以下になるまで、吸着剤12の濃度を一定に維持しつつ連続的に浄化処理を実施することができる。
以上、分離部16について説明した。
次に、第1実施形態にかかる廃液処理方法を図7のフローチャートを用いて説明する(適宜図1を参照)。
まず、廃液収集弁Vを開放して廃液11を吸着槽13に収集して、この廃液11に第1供給弁Vを開放して吸着剤12を投入する(投入ステップS11)。
次に、これら廃液11および吸着剤12の混合液11aを撹拌部34で攪拌して貯蔵する(S12)。
そして、ろ過ポンプ32を稼働して、往路弁Vおよび復路弁Vを開放して、混合液11aの循環を開始する(S13)。
さらに、廃液収集弁Vを微小に開放して、廃液11の連続供給を開始する(S14)。
クロスフローろ過器16aを用いる場合、移送管Hを環状にして、混合液11aを分離部16と吸着槽13との間で循環させる。
混合液11aは、分離部16において、その一部が浄化液14として分離される(分離ステップS15)。
浄化液14の流量Qは、計測部36で計測される(計測ステップS16)。
計測された流量Qの情報は、調整部39に送信される。
調整部39は、受信した流量Qの情報に基づいて廃液収集弁Vの開閉を調整して、廃液11の供給量を調整する(調整ステップS17)。
このように、浄化液14の流量Qを吸着槽13へ供給される廃液11へフィードバックさせることで、移送管Hを流動する混合液11aの流量を一定に維持することができる。
よって、吸着剤12は、濃縮されることなく、放射性核種を基準値を超えて十分に吸着するまで(S18:NO)、濃度を一定に維持して循環を続ける(分離ステップS15へ)。
なお、吸着剤12の濃度の多少の変動による分離部16の浄化効率への影響は無視することができる。
よって、廃液収集管hから吸着槽13への供給は、浄化効率を低下させない程度に吸着剤12の濃度が維持されていれば、断続的であってもよい。
ろ過によって生成された浄化液14は、一度浄水槽24に回収される。
回収された浄化液14は、水質分析によって安全が確認されてから、例えば、自然環境へ放出される。
吸着剤12が放射性核種を十分吸着したとき(S18:YES)、ろ過ポンプ32を停止して、往路弁Vおよび復路弁Vを閉止する。
そして、吸着剤処理サブルーチンS19が実施されて、廃液処理が終了する。
次に、図8を用いて図7の吸着剤処理サブルーチンS19について説明する(適宜、図1参照)。
吸着剤12は、混合液11aごと回収管hに設けられた回収弁Vを開放して混練部19へ流下させる(S21)。
このとき、第2供給管hおよび第3供給管hの第2供給弁Vおよび第3供給弁Vをそれぞれ開放して、混練部19に吸水剤27および助燃固化剤17を投入する。
このとき、添加される吸水剤27は、吸着剤12の質量に対して0.01〜0.05程度が望ましい。
また、油脂成分がリン酸エステルである場合は、Ca投与部53からCa含有物54を投入する。
そして、助燃固化剤17などが添加された吸着剤12は、エマルジョン状の混練体18になるまで混練される(混練ステップS22)。
次に、混練部19の底部に接続された排出管h10に設けられた排出弁V10を開放して、混練体18を成型部21の鋳型に流し込み成型する(成型ステップS23)。
混練体18は、一定時間静置されて冷却され、固化して、固化体29となる(S24)。
そして、固化体29は、焼却炉33で焼却されて最終処分がなされる(S25)。
以上のように、第1実施形態にかかる廃液処理装置10によれば、放射性核種を吸着した吸着剤12の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤12を自燃可能にすることができる。
また、発生した放射性廃棄物を固化体29にすることで、吸着した吸着剤12を焼却による最終処分までの間に取り扱いやすい形態にすることができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態にかかる廃液処理装置10の概略構成図である。
なお、図9において混練部19以外の図1で示した吸着剤処理部200の各構成部材は省略している。
第2実施形態にかかる廃液処理装置10は、吸着槽13の供給口に接続されて油脂層11b(11)および水層11c(11)が形成された廃液11から油脂層11bを除去する除去部42を備える。
廃液11は、機械油などの油脂成分11dを多く含む場合、油脂層11bおよび水層11cに分離していることが多い。
また、廃液11に界面活性剤が混入しているなどで層を形成していなくても、不溶性シクロデキストリンなどを添加して界面活性剤を取り除くことで容易に層にすることができる。
廃液11に油脂成分11dが多く含まれる場合、油脂成分11dが吸着剤12の表面に付着して吸着剤12の寿命を低下させる。
また、分離部16の微細孔に油脂成分11dが残留して分離部16の寿命をも低下させる。
よって、廃液11が油脂成分11dを多く含有する場合、吸着ステップS12(図7)が実施される前段で油脂成分11dを除去することが望ましい。
そこで、第2実施形態においては、吸着槽13の前段に除去部42を接続して、廃液11から油脂層11bを除去する。
除去部42の流入口には、さらに廃液11を一時貯留する貯留槽43が接続される。
貯留槽43には循環管h13が貯留槽43の流入口と排出口とを環状に接続するように、設置される。
循環管h13に設置された循環ポンプ44で廃液11を循環させることで、貯留槽43において油脂層11bおよび水層11cに分離することを防止している。
循環管h13を循環する廃液11は、均一性を維持したまま除去部42に流入する。
除去部42には、廃液11の流路が形成する水層フィルタ46が設けられている。
水層フィルタ46によって、水層フィルタ46を通過する水層11cと水層フィルタ46を通過することができずに液表に浮上する油脂層11bとが分離される。
分離した油脂層11bおよび水層11cは、仕切板47で仕切られて、再度混じり合うことなく、除去部42から排出される。
排出された水層11cは吸着槽13へ供給されて第1実施形態と同様の処理がされる。
排出された油脂層11bは、油脂保管部52に一時保管される。
油脂保管部52は、油脂回収弁V11を備えた油脂回収管h11によって混練部19に接続される。
そして、吸着剤12の混練の際、油脂層11bは、混練部19へ供給されて、吸着剤12とともに混練されて固化される。
また、除去部42には、廃液11に含まれて除去部42の底部に沈殿するごみ48を収集する収集部49が設けられている。
収集部49に収集されたごみ48も、除去弁V15が備えられた除去管h15から、混練部19へ排出されて、油脂層11bと同様に固化される。
なお、除去部42において油脂成分11dが完全に除去されなくてもよい。
つまり、水層11cの油脂成分11dの濃度が5000ppm程度以下となれば、油脂層11bが僅かに残留し、または油脂成分11dが水層11cに溶け込んでいてもよい。
水層11cを排出する除去部42の排出口は、水層弁Vを備える水層管hによって吸着槽13に接続される。
廃液11に残留した微量の油脂層11bおよび溶け込んだ油脂成分11dの全体の油脂成分11dの濃度は、5000ppm程度以下とするのが望ましい。
なお、除去部42を設けて吸着ステップS12(図7)の前段で油脂層11bを除去すること以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
このように第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、廃液11の油脂成分による吸着剤12および分離部16の寿命の低下を防止することができる。
以下、上記実施形態の廃液処理方法を用いて行った試験結果を説明する。
(実施例1)
図10は、実施例1の試験条件および試験結果を示す図である。
実施例1では、まず、第1の水槽に油脂成分を5500ppmの濃度で含む廃液を収容してよく撹拌した。
撹拌の後、第1の水槽を15分間静置した。
油脂成分が浮上分離して、廃液は油脂層および水層の層を形成した。
そこで、水層を第2の水槽に引き抜くことで廃液から油脂層を除去した。
このとき、第2の水槽に引き抜かれた水槽成分における油脂成分の濃度は、284ppmとなった。
次に、水層が収容された第2の水槽に粉末活性炭を300ppm添加し、よく撹拌した。
水層から粉末活性炭を除去後、水層の油脂成分濃度を測定した。
測定の結果、油脂成分濃度は0ppmとなり、油脂成分が完全に除去されたことが確認された。
なお、油脂成分の濃度測定には、HORIBA(登録商標)製のOCMA305を使用した。
(実施例2)
粉末活性炭10gに対してパラフィンを15g添加し、混練して混練体を作製した。
作製した混練体について、JIS規格のZ7302−2の規定に準じて発熱量を測定した。
測定の結果、混練体の発熱量は9000kcal/kg以上となり、自燃可能な熱量となることが確認された。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の廃液処理装置10によれば、放射性核種を吸着した吸着剤12の処分頻度を低減させるとともに、この吸着剤12を自燃可能にすることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…廃液処理装置、11(11a,11b,11c,11d)…廃液(混合液,油脂成分,水層,油脂成分)、12…吸着剤、13…吸着槽、14…浄化液、16(16a,16b)…分離部(クロスフローろ過器,ロータリろ過器)、16a(16a)…クロスフローフィルタ、17…助燃固化剤、18…混練体、19…混練部、20…吸着剤添加部、21…成型部、23…加熱部、24…浄水槽、25…助燃剤投入部、26…吸水剤投与部、27…吸水剤、28…混練機、29…固化体、30…流水路、31…ドラム缶、32…ろ過ポンプ、33…焼却炉、34…撹拌部、35…撹拌モータ、36…計測部、39…調整部、42…除去部、43…貯留槽、44…循環ポンプ、46…水層フィルタ、47…仕切板、49…収集部、52…油脂保管部、53…Ca投与部、54…Ca含有物、100…浄化処理部、200…吸着剤処理部、H(h,h)…移送管(往路管,復路管)、Q…流量、V…廃液収集弁、V…水層弁、V…第1供給弁、V…回収弁、V…往路弁、V…復路弁、V…浄水弁、V…放出弁、V…第2供給弁、V…第3供給弁、V10…排出弁、V11…油脂回収弁、V12…第4供給弁、V15…除去弁、h…廃液収集管、h…水層管、h…供給管、h…回収管、h…浄水管、h…放出管、h…第2供給管、h…第3供給管、h10…排出管、h11…油脂回収管、h12…第4供給管、h13…循環管、h15…除去管。

Claims (14)

  1. 放射性核種および油脂成分を含む廃液に前記放射性核種および前記油脂成分を吸着する吸着剤を添加する吸着剤添加部と、
    前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送管と、
    前記移送管に接続されて前記混合液から浄化液を分離する分離部と、
    分離された前記浄化液の流量を計測する計測部と、
    前記計測部に接続されて計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整部と、を備えることを特徴とする廃液処理装置。
  2. 前記移送管に設置されて前記混合液を一定時間貯留する吸着槽を備える請求項1に記載の廃液処理装置。
  3. 前記計測部は、前記分離部における前記浄化液の排出部に接続される請求項1または請求項2に記載の廃液処理装置。
  4. 前記放射性核種を吸着して排出された前記吸着剤を融解した助燃固化剤とともに混練して混練体を生成する混練部と、
    前記助燃固化剤を固化させて前記混練体を成型する成型部と、を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
  5. 前記移送管は、前記分離部の流入口および流出口に環状に接続されて前記廃液および前記吸着剤を循環させる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
  6. 前記移送管の供給口に接続されて油脂層および水層が形成された前記廃液から前記油脂層を除去する除去部を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
  7. 前記助燃固化剤は、炭素数が12〜30の直鎖脂肪族系の炭素化合物である請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
  8. 前記吸着剤にCa元素を含む物質を投与するCa投与部を備える請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
  9. 前記分離部は、クロスフローろ過器およびロータリろ過器のいずれかから選択される請求項1から請求項8に記載の廃液処理装置。
  10. 前記分離部が前記クロスフローろ過器である場合、前記吸着剤の添加量は、前記廃液の8〜70wt%に調節される請求項9に記載の廃液処理装置。
  11. 前記分離部が前記ロータリろ過器である場合、前記吸着剤の添加量は、前記廃液の300〜5000ppmに調節される請求項9に記載の廃液処理装置。
  12. 放射性核種および油脂成分を含む廃液に吸着剤を投入する投入ステップと、
    前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送ステップと、
    前記混合液から浄化液を分離部で分離する分離ステップと、
    分離された前記浄化液の流量を計測する計測ステップと、
    計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整ステップと、を含むことを特徴とする廃液処理方法。
  13. 前記吸着剤は、前記廃液中の濃度が一定に維持される請求項12に記載の廃液処理方法。
  14. コンピュータに、
    放射性核種および油脂成分を含む廃液に吸着剤を投入する投入ステップ、
    前記廃液および前記廃液中で前記油脂成分を吸着した前記吸着剤の混合液を移送する移送ステップ、
    前記混合液から浄化液を分離する分離ステップ、
    分離された前記浄化液の流量を計測する計測ステップ、
    計測された前記流量に基づいて連続的または断続的に供給される前記廃液の供給量を調整する調整ステップ、を実行させることを特徴とする廃液処理プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116344090A (zh) * 2023-03-27 2023-06-27 江苏核电有限公司 一种核电站放射性废液一体化收集装置

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