JP2016125627A - レンジ切り換え装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータおよびモータ制御部それぞれの発熱が抑制されたレンジ切り換え装置を提供する。
【解決手段】モータ制御部はモータの温度が閾値以上の場合、ディテントレバー63の当接面69に当接する位置決め部材の当接部位68が第1谷部70の底部から山部73と第2谷部71の底部とをつなぐ斜面へと滑るまでモータを回転駆動させることでディテントレバーを回転する。この後、斜面に作用する位置決め部材の復元力によってディテントレバーを回転させ、当接部位を第2谷部の底部へと滑らせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、モータの回転によって駆動するレンジ切り換え機構を有するレンジ切り換え装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、モータを駆動源としてシフトレンジを切り換えるレンジ切換機構の制御装置が知られている。このレンジ切換機構の制御装置は、運転者の要求するシフトレンジ(要求シフトレンジ)に応じてモータを駆動制御することで、レンジ切換機構のシフトレンジを要求シフトレンジに切り換える。レンジ切換機構の制御装置は複数のスイッチを含むモータ駆動回路を有しており、このスイッチをデューティ制御することでモータの通電量を低減し、モータの発熱を抑えている。
特開2008−32176号公報
上記したように特許文献1に示されるレンジ切換機構の制御装置は、モータ駆動回路(モータ制御部)に含まれるスイッチをデューティ制御している。これによればモータの発熱が抑制されるが、スイッチのスイッチング動作のためにモータ制御部が発熱する懸念がある。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、モータおよびモータ制御部それぞれの発熱が抑制されたレンジ切り換え装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するための第1発明は、モータ(30)と、
ユーザーのレンジの切り換え要求に応じてモータを駆動するモータ制御部(14,15)と、
モータの回転によって駆動するレンジ切り換え機構(60)と、
モータの温度を検出する温度検出部(13)と、
モータの回転角度を検出する回転角度検出部(40,50)と、を有し、
レンジ切り換え機構は、モータによって回転されるディテントレバー(63)と、ディテントレバーの回転角度を復元力によって定める位置決め部材(66,67)と、を有し、
ディテントレバーにおける位置決め部材との当接面(69)は、複数の谷部(70,71)と隣接する谷部の間に形成された山部(73)とがディテントレバーの回転方向に並んで成る波形形状を成し、
複数の谷部それぞれはユーザーのレンジの切り換え要求に対応付けられており、
モータ制御部はユーザーのレンジの切り換え要求に応じてモータを回転駆動することでディテントレバーを回転させ、位置決め部材における当接面との当接部位(68)を対応する谷部の底部へと滑らせ、位置決め部材の復元力を谷部の底部に作用させており、
複数の谷部の内、1つの山部を介して隣接する2つの谷部を第1谷部(70)および第2谷部(71)とし、第1谷部の底部に当接部位が位置しているとすると、
モータ制御部は、
温度検出部によって検出されたモータの温度が閾値よりも低い場合、回転角度検出部によって検出されたモータの回転角度に基づいて、当接部位が第1谷部の底部から第2谷部の底部へと滑るまでモータを回転駆動することで、当接部位を第2谷部の底部へと滑らせる第1制御と、
モータの温度が閾値以上の場合、モータの回転角度に基づいて、当接部位が第1谷部の底部から山部と第2谷部の底部とをつなぐ斜面へと滑るまでモータを回転駆動し、位置決め部材の復元力によってディテントレバーを回転させることで当接部位を第2谷部の底部へと滑らせる第2制御と、を行うことを特徴とする。
このように本発明では第2制御においてモータ(30)の回転駆動によって当接部位(68)を斜面に当接させた後にモータ(30)の回転駆動を停止する。そして位置決め部材(66,67)の復元力によってディテントレバー(63)を回転させ、当接部位(68)を目標とする第2谷部(71)の底部へと滑らせる。これによればモータの回転駆動をデューティ制御する構成とは異なり、モータ(30)の発熱だけではなく、モータ制御部(14,15)の発熱も抑制される。
なお、特許請求の範囲に記載の請求項、および、課題を解決するための手段それぞれに記載の要素に括弧付きで符号をつけている。この括弧付きの符号は実施形態に記載の各構成要素との対応関係を簡易的に示すためのものであり、実施形態に記載の要素そのものを必ずしも示しているわけではない。括弧付きの符号の記載は、いたずらに特許請求の範囲を狭めるものではない。
第1実施形態に係るレンジ切り換え装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すAで囲んだ領域の詳細構成を示す回路図である。 通電相とロータの回転角度との関係を示す図表である。 モータを示す上面図である。 レンジ切り換え機構とモータを示す斜視図である。 ディテントレバーの回転角度と当接部位との関係を示す模式図である。 通常制御におけるディテントレバーの回転を説明するための模式図である。 発熱抑制制御におけるディテントレバーの回転を説明するための模式図である。 発熱抑制制御におけるディテントレバーの回転を説明するための模式図である。 通常制御を説明するためのタイミングチャートである。 発熱抑制制御を説明するためのタイミングチャートである。 モータの発熱によって、通常制御から発熱抑制制御へと移り変わることを示すタイミングチャートである。 モータ制御を示すフローチャートである。 通常制御を示すフローチャートである。 発熱抑制制御を示すフローチャートである。 発熱抑制時の停止制御を示すフローチャートである。 発熱抑制時の停止時における通電相の履歴と今回停止時の通電相との関係を示す図表である。 発熱抑制制御時におけるモータ回転角度を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図17に基づいて本実施形態に係るレンジ切り換え装置を説明する。以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、z方向と示す。
なお、図4ではU相ステータコイル33u、V相ステータコイル33v、W相ステータコイル33wそれぞれの配置を明りょうとするため、U,V,Wという記号を対応するステータコイルに付与している。そして図10および図11ではモータ制御時におけるディテントレバー63の回転角度を明りょうとするため、タイミングチャートにディテントレバー63を図示している。
図1に示すようにレンジ切り換え装置100は、制御部10、モータ30、エンコーダ40、回転角センサ50、および、レンジ切り換え機構60を有する。制御部10には車両に搭乗したユーザーによって操作されるPレンジスイッチ110とシフトレバー120それぞれからレンジ切り換え信号が入力される。また制御部10にはエンコーダ40と回転角センサ50からモータ30の回転信号が入力される。制御部10は入力されたレンジ切り換え信号に基づいて目標レンジを算出し、モータ30の回転情報に基づいて現在のレンジ(以下、現在レンジと示す)を算出する。そして制御部10は目標レンジと現在レンジとが相違する場合にモータ30を回転駆動し、それによってレンジ切り換え機構60を駆動する。エンコーダ40と回転角センサ50が特許請求の範囲に記載の回転角度検出部に相当する。
制御部10は目標レンジがパーキングレンジ(Pレンジ)の場合と、Pレンジ以外のレンジ(以下、NotPレンジと示す)の場合とでモータ30の回転方向を変化させる。このNotPレンジとしては、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、および、ドライブレンジ(Dレンジ)などがある。
後で詳説するがレンジ切り換え機構60はモータ30の回転駆動によってパーキングギヤ62をロック状態、若しくは、アンロック状態にする機械機構である。制御部10は現在レンジがNotPレンジであり、目標レンジがPレンジの場合にモータ30を時計回りに回転駆動してレンジ切り換え機構60を駆動し、パーキングギヤ62をロック状態にする。また制御部10は現在レンジがPレンジであり、目標レンジがNotPレンジの場合にモータ30を反時計回りに回転駆動してレンジ切り換え機構60を駆動し、パーキングギヤ62をアンロック状態にする。以上示したようにレンジ切り換え装置100は目標レンジがPレンジの場合にパーキングギヤ62をロック状態にし、NotPレンジの場合にパーキングギヤ62をアンロック状態にする。以下、レンジ切り換え装置100の構成要素について個別に説明する。
図1に示すように制御部10は、目標レンジ算出部11、現在レンジ算出部12、温度検出部13、電子制御部14、および、ドライバー15を有する。目標レンジ算出部11には上記したシフト切り換え信号が入力される。目標レンジ算出部11はシフト切り換え信号がPレンジを示すか、それともNotPレンジを示すかを算出する。そしてその算出結果(PレンジかNotPレンジであるか否か)を電子制御部14に出力する。電子制御部14とドライバー15が特許請求の範囲に記載のモータ制御部に相当する。
現在レンジ算出部12には上記したモータ30の回転信号が入力される。現在レンジ算出部12はモータ30の出力軸34の回転角度θと、図5に示すディテントレバー63とディテントバネ66との当接位置の関係を記憶している。ディテントバネ66は当接部位68にてディテントレバー63に当接しており、ディテントレバー63にはモータ30の出力軸34が連結されている。したがってモータ30の回転に伴ってディテントレバー63が回転するとディテントレバー63と当接部位68との当接位置が変化する。ディテントレバー63の回転角度は出力軸34の回転角度θと等しくなっており、現在レンジ算出部12は回転角度θと当接位置との関係を記憶している。例えば図6に示すように回転角度θがθ1〜θ3の場合、現在レンジ算出部12は当接部位68がディテントレバー63の第1谷部70に位置していると判定する。そして現在レンジ算出部12は回転角度がθ4〜θ6の場合、当接部位68がディテントレバー63の第2谷部71に位置していると判定する。第1谷部70はPレンジに対応し、第2谷部71はNotPレンジに対応している。したがって現在レンジ算出部12は回転角度がθ1〜θ3の時に現在レンジはPレンジであり、回転角度がθ4〜θ6の時には現在レンジはNotPレンジであると判定する。現在レンジ算出部12はその判定結果(PレンジかNotPレンジであるか否か)を電子制御部14に出力する。
なお現在レンジ算出部12は図4に示すモータ30のロータ32が3.75°回転する毎にエンコーダ40から出力される回転信号をカウントするカウンターを有する。本実施形態では図6に示す回転角度θ2の時のカウント数をゼロとしており、回転角度が3.75°だけ反時計回りに回転する毎にカウント値が1ずつ増大する。その反対に、回転角度が3.75°だけ時計回りに回転する度にカウント値が1ずつ減少する。このカウント値が現在レンジ算出部12から電子制御部14に出力される。
温度検出部13はドライバー15からモータ30へと流れている電流の通電時間および非通電時間に基づいてモータ30の温度(以下、モータ温度と示す)を推定するものである。後述するようにモータ30は3つのステータコイル33u,33v,33wを有し、これら3つのステータコイル33u,33v,33wの内の少なくとも1つに通電することでモータ30を回転させる。モータ30は通電によって発熱するが、その発熱量は通電時間に応じて上昇する。これとは反対にモータ30に電流が流れない場合放熱されるが、その放熱量は非通電時間に応じて下降する。したがって温度検出部13はモータ30の通電時間と非通電時間とに基づいてモータ温度を推定し、その推定結果を電子制御部14に出力する。
電子制御部14は目標レンジ算出部11、現在レンジ算出部12、および、温度検出部13それぞれの出力信号に基づいてドライバー15を制御するものである。電子制御部14はモータ30の発熱を判定するための閾値を有しており、この閾値をモータ温度が上回るか下回るかに応じてモータ30の制御を切り換える。電子制御部14はモータ30を制御する際、先ず目標レンジと現在レンジとが相違するか否かを判定する。そして両者が相違する場合、電子制御部14はモータ温度が閾値よりも下回るかそれとも上回るか否かを判定する。電子制御部14はモータ温度が閾値よりも下の場合にモータ30は通常状態であると判定し、後述の通常制御を行う。これとは異なり電子制御部14はモータ温度が閾値以上の場合にモータ30は発熱状態であると判定し、後述の発熱抑制制御を行う。通常制御、発熱抑制制御については後で詳説する。通常制御が特許請求の範囲に記載の第1制御に相当し、発熱抑制制御が特許請求の範囲に記載の第2制御に相当する。
ドライバー15は図2に示すように電源のプラス端子とマイナス端子(グランド)との間に並列接続された3つのスイッチ15u,15v,15wを有する。プラス端子とマイナス端子との間において、U相スイッチ15uはU相ステータコイル33uと直列接続され、V相スイッチ15vはV相ステータコイル33vと直列接続され、W相スイッチ15wはW相ステータコイル33wと直列接続されている。これにより例えばU相スイッチ15uのみをオン状態とし、他のスイッチ15v,15wそれぞれをオフ状態とすると、U相ステータコイル33uに電流が流れる。これによってU相ステータコイル33uから磁束が発生され、この磁束が後述するロータ32に作用し、ロータ32に回転トルクが発生する。これによってロータ32が回転する。
図3に示すように電子制御部14は、モータ30のロータ32が7.5°回転する毎に(上記したカウント数が2だけ増減する毎に)通電するステータコイル(通電相)を切り換える。例えばロータ32を基準角度(0.0°)から7.5°反時計回りに回転させる場合、電子制御部14はU相スイッチ15uをオン状態としてU相ステータコイル33uに電流を流す。そして電子制御部14はロータ32を7.5°から15.0°まで反時計回りに回転させる場合、スイッチ15u,15wをオン状態としてステータコイル33u,33wに電流を流す。以下同様にして電子制御部14は、ロータ32を15.0°から22.5°まで回転させる場合にW相スイッチ15wをオン状態としてW相ステータコイル33wに電流を流す。そして電子制御部14はロータ32を22.5°から30.0°まで回転させる場合にスイッチ15v,15wをオン状態としてステータコイル33v,33wに電流を流す。また電子制御部14はロータ32を30.0°から37.5°まで回転させる場合にV相スイッチ15vをオン状態としてV相ステータコイル33vに電流を流す。最後に電子制御部14はロータ32を37.5°から45.0°まで回転させる場合にスイッチ15u,15vをオン状態としてステータコイル33u,33vに電流を流す。以上示したように電子制御部14はロータ32の回転角度が7.5°反時計回りに回転する毎に(上記したカウント数が2だけ上昇する毎に)、通電相を順次切り換える。なおロータ32を逆回転させる(時計回りに回転させる)場合、上記した通電するステータコイル(通電相)の順番を逆転させる。
モータ30は、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)である。モータ30はステータ31とロータ32とを有するが、これらには共に突極が形成されている。図4に示すようにステータ31は円筒形状を成し、その内面の周方向に等間隔で12個の突極31aが形成されている。そしてロータ32は円形を成し、その外周面の周方向に等間隔で8個の突極32aが形成されている。突極31aと突極32aとの間には微小な隙間が構成されており、ロータ32が回転することで、12個の突極31aと8個の突極32aとが順次対向する。12個の突極31aには、U相ステータコイル33u、V相ステータコイル33v、W相ステータコイル33wが順次巻き回され、それぞれが4つの突極31aに巻き回されている。図2に示すようにステータコイル33u,33v,33wがY結線され、その結線部位(中性点)がグランドに接続されている。
エンコーダ40はロータ32の回転角度を検出するものである。図示しないがエンコーダ40は、円環状を成すロータリマグネットと、2つの磁電変換素子と、を有する。ロータリマグネットはロータ32に設けられ、ロータ32とともに回転する。ロータリマグネットはN極とS極とが交互に周方向に等間隔で着磁されており、そのN極とS極の着磁ピッチは7.5°に設定されている。このロータリマグネットの上面に微小な間隔を空けて上記した2つの磁電変換素子が配置される。したがってこれら2つの磁電変換素子を透過する磁束は、ロータ32が7.5°回転する毎に変化する。磁電変換素子はN極と対向した時にHiレベルの信号を出力し、S極と対向した時にLoレベルの信号を出力する。したがって回転角度が7.5°だけ進む毎に磁電変換素子から出力されるセンサ信号の電圧レベルがHiレベルからLoレベル、若しくは、LoレベルからHiレベルに変化する。上記した2つの磁電変換素子はロータリマグネット上において、Nを0以上の自然数とすると、ロータ32の回転角度に換算して3.75°±7.5°×Nだけ離れている。そのため一方の磁電変換素子から出力されるセンサ信号(以下、A信号と示す)と他方の磁電変換素子から出力されるセンサ信号(以下、B信号と示す)とは3.75°だけ位相がずれている。例えばロータ32が0°から3.75°進む間A信号の出力レベルがHiレベルの場合、B信号の出力レベルはロータ32が0°から7.5°進む間Hiレベルとなる。これにより、A信号およびB信号のHiレベルからLoレベルへの立ち下がりエッジと、LoレベルからHiレベルへの立ち上がりエッジとが、ロータ32が3.75°進む毎にあらわれる。現在レンジ算出部12はこのA信号およびB信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を検出し、1つのエッジをカウントする毎に上記したカウント数を1だけ増減する。
なお現在レンジ算出部12はA信号とB信号の発生順序に基づいてロータ32の回転方向(時計回りか反時計回りか)を検出している。現在レンジ算出部12はロータ32が反時計回りの場合にエッジをカウントするとカウント数を増大し、ロータ32が時計回りの場合にエッジをカウントするとカウント数を減少する。
回転角センサ50は、モータ30の出力軸34の回転角度θを検出するものである。図示しないがモータ30は減速機構を有しており、この減速機構を介して出力軸34がロータ32とともに回転する。回転角センサ50はこの出力軸34の回転角度θを検出する。なお減速機構による減速率を現在レンジ算出部12は保有している。したがって現在レンジ算出部12は上記の減速率とエンコーダ40によって検出されたロータ32の回転角度とに基づいて出力軸34の回転角度θを算出することができる。
レンジ切り換え機構60は、自動変速機61のパーキングギヤ62のロックとアンロックとを機械的に制御するものである。図5に示すようにレンジ切り換え機構60は、ディテントレバー63、パーキングロッド64、ロックレバー65、ディテントバネ66、および、支持ベース67を有する。ディテントレバー63の下端部にモータ30の出力軸34が連結され、その上部にL字形状のパーキングロッド64が連結されている。そしてパーキングロッド64におけるディテントレバー63との連結端とは反対側の端部64aは、ディテントレバー63から離れるにしたがって厚さが徐々に薄くなる円錐形状を成している。この円錐形状を成す端部64aの側面にロックレバー65が当接しており、このロックレバー65の上方にパーキングギヤ62が位置している。
図5に実線矢印で示すようにモータ30の回転によってディテントレバー63が反時計周りに回転すると、それによってパーキングロッド64がy軸方向に沿ってディテントレバー63へと近づく方向に移動する。すると端部64aもy方向に沿ってディテントレバー63へと近づく方向に移動し、ロックレバー65が端部64aの側面を滑って、パーキングギヤ62から離れるようにz方向に変位する。この結果ロックレバー65とパーキングギヤ62との噛み合いが解消され、パーキングギヤ62がアンロック状態になる。これとは反対に、モータ30の回転によって図5に破線矢印で示すようにモータ30によってディテントレバー63が時計周りに回転すると、それによってパーキングロッド64がy軸方向に沿ってディテントレバー63から離れる方向に移動する。すると端部64aもy方向に沿ってディテントレバー63から離れる方向に移動し、ロックレバー65が端部64aの側面を滑って、パーキングギヤ62へと近づくようにz方向に変位する。この結果ロックレバー65がパーキングギヤ62に噛み合い、パーキングギヤ62がロック状態になる。
図5に示すようにディテントレバー63の上端面69は波形形状を成しており、この上端面69にディテントバネ66が当接される。ディテントバネ66は支持ベース67に片持ち支持されたバネ性を有するものであり、図5に実線矢印で示すように、z方向に沿う復元力を上端面69に常時印加している。ディテントバネ66における支持ベース67に支持された端部とは反対側の端部には空洞が形成され、枠形状を成している。この枠形状を成す部位における最も支持ベース67から離れた部位68(当接部位68)が上端面69と接触する。上記したようにディテントレバー63が回転すると、当接部位68はディテントレバー63に復元力を印加しつつ、上端面69を滑る。これにより当接部位68と上端面69との当接位置が変化する。ディテントバネ66と支持ベース67が特許請求の範囲に記載の位置決め部材に相当し、上端面69が特許請求の範囲に記載の当接面に相当する。
図6に示すようにディテントレバー63の上端面69はディテントレバー63の回転方向に沿って複数の山部と谷部とが交互に形成されて波打っている。本実施形態では上端面69に2つの谷部70,71が形成され、これら2つの谷部70,71を構成する3つの山部72〜74が形成されている。第1谷部70は上端面69におけるθ1〜θ3の範囲に相当し、第2谷部71は上端面69におけるθ4〜θ6の範囲に相当する。そしてこれら2つの谷部70,71の間に位置する第2山部73は上端面69におけるθ3〜θ4の範囲に相当する。回転角度がθ1〜θ3の範囲にある場合、当接部位68は第1谷部70に位置し、その復元力をディテントレバー63に印加する。こうすることでディテントレバー63の回転を抑制し、パーキングギヤ62のロック状態を一定に保つ。これに対して回転角度がθ4〜θ6の範囲にある場合、当接部位68は第2谷部71に位置し、その復元力をディテントレバー63に印加する。こうすることでディテントレバー63の回転を抑制し、パーキングギヤ62のアンロック状態を一定に保つ。
なお、基準となる角度θ1はディテントレバー63をモータ30によって時計回りに回転させて、第1谷部70を構成する第1山部72側の壁面に当接部位68を当て、この当たった際にエンコーダ40および回転角センサ50にて検出される値によって求められる。また角度θ6はディテントレバー63をモータ30によって反時計回りに回転させて、第2谷部70を構成する第3山部74側の壁面に当接部位68を当て、この当たった際にエンコーダ40および回転角センサ50にて検出される値によって求められる。
モータ30の回転駆動によってディテントレバー63が回転し、それによって当接部位68が第1谷部70に当接すると、ディテントバネ66の復元力のためにディテントレバー63が微小ながら回転し、当接部位68が第1谷部70の底部に位置する。この時のディテントレバー63の回転角度がθ2になる。これに対してモータ30の回転駆動によって当接部位68が第2谷部71に当接すると、ディテントバネ66の復元力のためにディテントレバー63が微小ながら回転し、当接部位68が第2谷部71の底部に位置する。この時のディテントレバー63の回転角度がθ5になる。したがってロック状態ではディテントレバー63の回転角度がθ2になり、アンロック状態ではディテントレバー63の回転角度がθ5となる。
以下、図7〜図17に基づいて通常制御、発熱抑制制御を詳説する。先ず図7〜図9に基づいて、上記した2つの制御におけるモータ30の回転駆動によるディテントレバー63の回転と、ディテントバネ66の復元力によるディテントレバー63の回転とを説明する。次いで図10〜図12に基づいて、上記した2つの制御におけるレンジ切り換え装置100の動作を説明する。最後に図13〜図17に基づいて上記した2つの制御における電子制御部14の処理を説明する。
上記したようにモータ温度が閾値を下回る場合、電子制御部14は通常制御を行う。この通常制御においてレンジをPレンジからNotPレンジへと変化させる場合、電子制御部14は図7に示すようにモータ30によって回転角度がθ2からθ5へと変わるようにディテントレバー63を反時計回りに回転させる。こうすることで当接部位68を第1谷部70の底部(以下、第1底部と示す)から第2谷部71の底部(以下、第2底部と示す)へと滑らせ、第2底部に当接させる。これとは反対にレンジをNotPレンジからPレンジへと変化させる場合、電子制御部14は図7に示すようにモータ30によって回転角度がθ5からθ2へと変わるようにディテントレバー63を時計回りに回転させる。こうすることで当接部位68を第2底部から第1底部へと滑らせ、第1底部に当接させる。
また電子制御部14はモータ温度が閾値以上の場合、発熱抑制制御を行う。この発熱抑制制御においてレンジをPレンジからNotPレンジへと変化させる場合、電子制御部14は図8に示すようにモータ30によって回転角度がθ2からθ4へと変わるようにディテントレバー63を反時計回りに回転させる。こうすることで当接部位68を第2谷部71の斜面に当接させる。この後、ディテントバネ66の復元力によってディテントレバー63を回転させ、図8に破線矢印で示すように当接部位68を第2谷部71の斜面を滑らせて第2底部に当接させる。これにより回転角度がθ5に落ち着く。これとは反対にレンジをNotPレンジからPレンジへと変化させる場合、電子制御部14は図9に示すようにモータ30によって回転角度がθ5からθ3へと変わるようにディテントレバー63を時計回りに回転させる。こうすることで当接部位68を第1谷部70の斜面に当接させる。この後、ディテントバネ66の復元力によってディテントレバー63を回転させ、図9に破線矢印で示すように当接部位68を第1谷部70の斜面を滑らせて第1底部に当接させる。これにより回転角度がθ2に落ち着く。以上示したように発熱抑制制御では通常制御と比べてモータ30の回転駆動によるディテントレバー63の回転量を減少する。こうすることでモータ30の発熱を抑制する。なお、図7〜図9ではディテントバネ66が移動しているように図示しているが、ディテントバネ66は支持ベース67に支持されているため、x方向およびy方向によって規定されるx−y平面において不動である。上記した制御によって実際に動く(回転する)のはディテントレバー63である。
次に図10に基づいて通常制御を説明する。初期状態においてディテントレバー63の回転角度θはθ2になっており、当接部位68が第1底部に位置している。したがってこの場合レンジはPレンジになっており、パーキングギヤ62がロック状態となっている。そして初期状態においてモータ30は待機状態で電流が流れておらず、モータ30は発熱していない。したがってモータ温度は閾値を下回っている。
しかしながら時間t1においてユーザーによって目標レンジがPレンジからNotPレンジに切り換えられると、電子制御部14はスイッチ15u,15v,15wの内の1つ若しくは2つをオン状態としてステータコイル33u,33v,33wの内の1つ若しくは2つに電流を流す。そして電子制御部14は電流の流れるステータコイル(通電相)を図3に示す関係に基づいて順次切り換える。こうすることで電子制御部14はモータ30を回転させる。このモータ30の回転によってディテントレバー63が反時計回りに回転する。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ2からθ5へと変化したと判定すると、モータ30の回転を停止するように通電相を固定する。この後にモータ30への通電が止められ、モータ30が待機状態となる。なお、このモータ30への通電にしたがってモータ温度が徐々に増大するが、その後の通電の停止によってモータ30が放熱され、モータ温度が減少する。
次いで時間t2においてユーザーによって目標レンジがNotPレンジからPレンジに切り換えられると、電子制御部14は通電相を順次切り換えることでモータ30を回転させ、ディテントレバー63を時計回りに回転させる。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ5からθ2へと変化したと判定すると、モータ30の回転を停止するように通電相を固定する。この後にモータ30への通電が止められ、モータ30が待機状態となる。この場合においてもモータ30への通電にしたがってモータ温度が徐々に増大するが、その後の通電の停止によってモータ温度が減少する。
次に図11に基づいて発熱抑制制御を説明する。図11では初期状態においてモータ30が発熱しており、モータ温度が閾値を超えている。このようにモータ温度が閾値を超えるほどに増大するのは、図12に示すようにユーザーによって目標レンジが頻繁に切り換えられることでモータ30が頻繁に駆動し、それによってモータ温度が上昇するためである。図12でははじめ通常制御していたが、モータ温度が閾値を超えた結果、発熱抑制制御に切り換ったことを示している。
図11に示す時間t3においてユーザーによって目標レンジがPレンジからNotPレンジに切り換えられると、電子制御部14は通電相を順次切り換えることでモータ30を回転させ、ディテントレバー63を反時計回りに回転させる。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ2からθ4へと変化したと判定すると、モータ30への通電を止める。図8に基づいて説明したように、ディテントレバー63が回転角度θ4まで回転すると当接部位68が第2谷部71の斜面に当接する。この際にディテントバネ66の復元力が斜面に作用し、それによってディテントレバー63が回転される。この結果当接部位68が第2谷部71の斜面を滑って第2底部に当接し、回転角度がθ5になる。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ5に至ったと判定すると、ディテントレバー63の回転を止めるべく、通電相を固定する。その後に電子制御部14はモータ30への通電を止め、モータ30を待機状態とする。
次いで時間t4においてユーザーによって目標レンジがNotPレンジからPレンジに切り換えられると、電子制御部14は通電相を順次切り換えることでモータ30を回転させ、ディテントレバー63を時計回りに回転させる。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ5からθ3へと変化したと判定すると、モータ30への通電を止める。図9に基づいて説明したように、ディテントレバー63が回転角度θ3まで回転すると当接部位68が第1谷部70の斜面に当接する。この際にディテントバネ66の復元力が斜面に作用し、それによってディテントレバー63が回転される。この結果当接部位68が第1谷部70の斜面を滑って第1底部に当接し、回転角度がθ2になる。電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ2に至ったと判定すると、ディテントレバー63の回転を止めるべく、通電相を固定する。その後に電子制御部14はモータ30への通電を止め、モータ30を待機状態とする。
次に図13〜図17に基づいて電子制御部14によるモータ制御を説明する。図13に示すようにステップS10において電子制御部14は目標レンジが変化したか否かを判定する。目標レンジが変化していないと判定すると電子制御部14はステップS10へと戻り、目標レンジが変化したか否かを再び判定する。すなわち電子制御部14は目標レンジの変化を監視する。これとは異なり目標レンジが変化していると判定すると電子制御部14はステップS20へと進む。
ステップS20へ進むと電子制御部14はモータ温度が閾値以上か否かを判定する。モータ温度が閾値よりも低いと判定すると電子制御部14はステップS30へと進み、図14に示す通常制御を行う。これとは異なりモータ温度が閾値以上であると判定すると電子制御部14はステップS40へと進み、図15および図16に示す発熱抑制制御を行う。
図14に示すようにステップS31において電子制御部14はモータ30に通電をし、モータ30を回転させる。そして電子制御部14はステップS32へと進む。
ステップS32へ進むと電子制御部14は当接部位68が目標レンジ位置に到達したか否かを判定する。換言すれば、電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ2若しくはθ5に達したか否かを判定する。当接部位68が目標レンジ位置に到達していないと判定すると電子制御部14はステップS33へと進み、目標レンジ位置に到達したと判定すると電子制御部14はステップS34へと進む。
ステップS33へ進むと電子制御部14は図3に示す関係に基づいて通電相を切り換え、モータ30をさらに回転させる。このステップS32、S33を順次繰り返すことでモータ30が順次回転し、当接部位68が現在レンジから目標レンジ位置に到達するようにディテントレバー63が回転する。
ステップS34へ進むと電子制御部14は通電相を固定することでロータ32の回転を停止する、停止制御を行う。この後に電子制御部14はステップS10へと戻り、目標レンジの変化を監視する。
フローを遡り、ステップS20においてモータ温度が閾値以上であると判定すると電子制御部14は図15に示すステップS41を行う。電子制御部14はステップS41においてモータ30に通電をし、モータ30を回転させる。そして電子制御部14はステップS42へと進む。
ステップS42へ進むと電子制御部14は、モータ30への通電を切り換える切換角度位置に当接部位68が到達したか否かを判定する。換言すれば、電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ3若しくはθ4に達したか否かを判定する。当接部位68が切換角度位置に到達していないと判定すると電子制御部14はステップS43へと進み、切換角度位置に到達したと判定すると電子制御部14はステップS44へと進む。
ステップS43へ進むと電子制御部14は図3に示す関係に基づいて通電相を切り換え、モータ30をさらに回転させる。このステップS42、S43を順次繰り返すことでモータ30が順次回転し、当接部位68が現在レンジから切換角度位置に到達するようにディテントレバー63が回転する。
ステップS44へ進むと電子制御部14はモータ30への通電を止めて、ディテントレバー63をディテントバネ66の復元力によって回転させる。そして電子制御部14はステップS45へと進む。
ステップS45へ進むと電子制御部14は当接部位68が目標レンジ位置に到達したか否かを判定する。換言すれば、電子制御部14はディテントレバー63の回転角度がθ2若しくはθ5に達したか否かを判定する。当接部位68が目標レンジ位置に到達していないと判定すると電子制御部14はステップS45を繰り返し、ディテントバネ66の復元力によって当接部位68が目標レンジ位置に到達するのを待つ。これとは異なり当接部位68が目標レンジ位置に到達したと判定すると電子制御部14はステップS46へと進み、図16に示す発熱抑制時の停止制御を行う。
図16に示すステップS47へ進むと電子制御部14は発熱抑制時の停止制御履歴を保有しているか否かを判定する。この履歴を保有していないと判定すると電子制御部14はステップS48へと進み、この履歴を保有していると判定すると電子制御部14はステップS49へと進む。
ステップS48へ進むと電子制御部14は3つある通電相U,V,Wの内の任意の2つを選択し、選択された2つの通電相を固定することでモータ30の回転を停止する。例えば図17に示すようにUVを通電相として選択して、モータ30の回転を停止する。この後に電子制御部14はステップS50へと進む。なお、通電相の固定によるモータ30の回転の停止は、通常制御においても同様にして3つの通電相U,V,Wの内の任意の2つを選択することで成される。
ステップS50へ進むと電子制御部14はステップS48において選択した通電相を記憶する。こうすることで発熱抑制時の停止制御履歴を更新する。この後に電子制御部14はステップS10へと戻り、目標レンジの変化を監視する。
ステップS47において停止制御履歴を保有していると判定してステップS49へ進むと電子制御部14は、停止制御履歴に記憶されている通電相が、現在の通電相と同一か否かを判定する。記憶されている通電相と現在の通電相とが等しくないと判定すると電子制御部14はステップS48へと進み、両者が等しいと判定すると電子制御部14はステップS51へと進む。
ステップS51へ進むと電子制御部14は現在の通電相とは異なる通電相を選択する。例えば図17に示すように記憶されている通電相がUVであればWUを選択し、VWであればUVを選択し、WUであればUVを選択する。
以上のステップを経ることで、パーキングギヤ62のロックとアンロックとが電子制御部14によって制御される。
次に、本実施形態に係るレンジ切り換え装置100の作用効果を説明する。上記したように発熱抑制制御においてモータ30の回転駆動によって当接部位68を斜面まで滑らせた後にモータ30の回転駆動を停止する。そしてディテントバネ66の復元力によってディテントレバー63を回転して当接部位68を目標とする上端面69の底部へと滑らせる。これによれば発熱抑制制御時においてドライバーのスイッチをデューティ制御することでモータを回転駆動する構成とは異なり、モータ30の発熱だけではなく、ドライバー15の発熱も抑制される。
現在レンジ算出部12はエンコーダ40および回転角センサ50それぞれによってモータ30の出力軸34(ディテントレバー63)の回転角度θを算出できる。これによればエンコーダ40および回転角センサ50の内のいずれか一方に故障、若しくは、これらと現在レンジ算出部12とを接続する2種類の配線の内の一方に断線などが生じたとしても、回転角度θを算出することができる。
温度検出部13はドライバー15からモータ30へと流れている電流の通電時間および非通電時間に基づいてモータ30の発熱量を推定する。これによればモータ30の近傍に温度センサを配置させる必要がなくなる。ただし、レンジ切り換え装置100は温度センサを有していてもよい。この場合、モータ温度を推定するのではなく、モータ温度そのものを検出するので、その検出精度が向上される。
発熱抑制制御における停止制御において、停止制御履歴に記憶されている通電相とは異なる通電相に電流を流す。これにより、連続して全く同一の通電相が選択されることが抑止され、同一の通電相において発熱することが抑制される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態の電子制御部14は発熱抑制制御において、目標レンジをPレンジからNotPレンジに切り換える際、モータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ2からθ4へと変化させる例を示した。しかしながらこの発熱抑制制御においてモータ30によってディテントレバー63を回転させる角度は、上記のθ4に限定されない。例えば図18に示すように、第2山部73の登頂部位に当接部位68が当接する際のディテントレバー63の回転角度をθ7とする。すると、目標レンジをPレンジからNotPレンジに切り換える際、モータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度がθ7より大きくθ5未満の範囲に収まるように回転させればよい。換言すれば、モータ30の回転駆動によって当接部位68を第2山部73の登頂部と第2谷部71の底部(第2底部)との間の斜面に当接させればよい。これによってもディテントバネ66の復元力によってディテントレバー63がθ5まで回転する。
また本実施形態の電子制御部14は発熱抑制制御において、目標レンジをNotPレンジからPレンジに切り換える際、モータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ5からθ3へと変化させる例を示した。しかしながらこの発熱抑制制御においてモータ30によってディテントレバー63を回転させる角度は、上記のθ3に限定されない。例えば図18に示すように、目標レンジをNotPレンジからPレンジに切り換える際、モータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度がθ2より大きくθ7未満の範囲に収まるように回転させればよい。換言すれば、モータ30の回転駆動によって当接部位68を第2山部73の登頂部と第1谷部70の底部(第1底部)との間の斜面に当接させればよい。これによってもディテントバネ66の復元力によってディテントレバー63がθ2まで回転する。
本実施形態では発熱抑制制御においてモータ30の回転駆動によってディテントレバー63をどこまで回転させるのかを、ディテントレバー63の回転速度(モータ30の出力軸34の回転速度)を考慮せずに説明した。しかしながら例えばディテントレバー63の回転速度が所定値よりも速い場合、目標レンジをPレンジからNotPレンジに切り換える際にモータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ4の手前まで変化させてもよい。これとは反対にディテントレバー63の回転速度が所定値よりも遅い場合、目標レンジをPレンジからNotPレンジに切り換える際にモータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ4を超えた角度まで変化させてもよい。同様にしてディテントレバー63の回転速度が所定値よりも速い場合、目標レンジをNotPレンジからPレンジに切り換える際にモータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ3の手前まで変化させてもよい。これとは反対にディテントレバー63の回転速度が所定値よりも遅い場合、目標レンジをNotPレンジからPレンジに切り換える際にモータ30の回転駆動によってディテントレバー63の回転角度をθ3を超えた角度まで変化させてもよい。なおこの変形例の場合、電子制御部14が回転角センサ50およびエンコーダ40から出力されるセンサ信号に基づいてモータ30の出力軸34(ディテントレバー63)の回転速度を算出する。この変形例の電子制御部14が特許請求の範囲に記載の回転速度検出部の機能を担う。
本実施形態の電子制御部14は発熱抑制制御において、モータ30に通電してディテントレバー63の回転角度をθ2からθ4へと変化させ、モータ30への通電を止める。その際にディテントバネ66の復元力を第2谷部71の斜面に作用させ、それによってディテントレバー63を回転角度θ5まで回転させる例を示した。このディテントレバー63の回転角度をθ4に変化させた際に、その回転方向が逆転する、若しくは、停止する場合、換言すれば当接部位68が第1谷部70へと逆向きに滑る、若しくは、当接部位68が停止した場合、電子制御部14はモータ30を再び回転駆動する。こうすることディテントレバー63を反時計回りに回転させ、ディテントレバー63の回転角度をθ5にして当接部位68を第2底部に当接させる。同様にしてディテントレバー63の回転角度をθ5からθ3に変化させた際に、その回転角度が減少する、若しくは、停止する場合、電子制御部14はモータ30を再び回転駆動する。こうすることディテントレバー63を時計回りに回転させ、ディテントレバー63の回転角度をθ2にして当接部位68を第1底部に当接させる。以上示したように発熱抑制制御においてモータ30への通電を停止した際にディテントレバー63の回転方向が逆転する、若しくは、回転が停止する場合、モータ30を再び回転駆動させてディテントレバー63を所望の回転角度に回転させてもよい。
上記したように通常制御ではモータ30の回転駆動のみによってPレンジとNotPレンジとを切り換えるが、発熱抑制制御ではモータ30の回転駆動とディテントバネ66の復元力によってPレンジとNotPレンジとを切り換える。したがって発熱抑制制御は通常制御に比べてレンジの切り換え応答性が遅くなる虞がある。そこで発熱抑制制御を行う際、そのことをユーザーに通知してもよい。この通知は、車両に搭載されたスピーカーやディスプレイによって音声や画像によって行われる。このスピーカーやディスプレイが特許請求の範囲に記載の通知部に相当する。
本実施形態ではディテントレバー63の上端面69にPレンジに対応する第1谷部70とNotPレンジに対応する第2谷部71とが形成された構成を示した。しかしながら上記例に限定されず、例えばPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、および、Dレンジに対応する4つの谷部が上端面69に形成された構成を採用することもできる。この変形例の場合、当接部位68がPレンジに対応する谷部に位置する場合にパーキングギヤ62がロック状態、当接部位68がRレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジに対応する谷部に位置する場合にパーキングギヤ62がアンロック状態になる。またディテントレバー63には自動変速機61のマニュアルバルブのスプール弁が連結され、ディテントレバー63の回転によってスプール弁の位置が切り換えられる。これにより自動変速機61のレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、若しくは、Dレンジに切り換えられる。
13…温度検出部、14…電子制御部、15…ドライバー、30…モータ、40…エンコーダ、50…回転角センサ、60…レンジ切り換え機構、63…ディテントレバー、66…ディテントバネ、67…支持ベース、68…当接部位、69…当接面、70…第1谷部、71…第2谷部、73…第2山部、100…レンジ切り換え装置

Claims (8)

  1. モータ(30)と、
    ユーザーのレンジの切り換え要求に応じて前記モータを駆動するモータ制御部(14,15)と、
    前記モータの回転によって駆動するレンジ切り換え機構(60)と、
    前記モータの温度を検出する温度検出部(13)と、
    前記モータの回転角度を検出する回転角度検出部(40,50)と、を有し、
    前記レンジ切り換え機構は、前記モータによって回転されるディテントレバー(63)と、前記ディテントレバーの回転角度を復元力によって定める位置決め部材(66,67)と、を有し、
    前記ディテントレバーにおける前記位置決め部材との当接面(69)は、複数の谷部(70,71)と隣接する前記谷部の間に形成された山部(73)とが前記ディテントレバーの回転方向に並んで成る波形形状を成し、
    複数の前記谷部それぞれは前記ユーザーのレンジの切り換え要求に対応付けられており、
    前記モータ制御部は前記ユーザーのレンジの切り換え要求に応じて前記モータを回転駆動することで前記ディテントレバーを回転させ、前記位置決め部材における前記当接面との当接部位(68)を対応する前記谷部の底部へと滑らせ、前記位置決め部材の復元力を前記谷部の底部に作用させており、
    複数の前記谷部の内、1つの前記山部を介して隣接する2つの前記谷部を第1谷部(70)および第2谷部(71)とし、前記第1谷部の底部に前記当接部位が位置しているとすると、
    前記モータ制御部は、
    前記温度検出部によって検出された前記モータの温度が閾値よりも低い場合、前記回転角度検出部によって検出された前記モータの回転角度に基づいて、前記当接部位が前記第1谷部の底部から前記第2谷部の底部へと滑るまで前記モータを回転駆動することで、前記当接部位を前記第2谷部の底部へと滑らせる第1制御と、
    前記モータの温度が前記閾値以上の場合、前記モータの回転角度に基づいて、前記当接部位が前記第1谷部の底部から前記山部と前記第2谷部の底部とをつなぐ斜面へと滑るまで前記モータを回転駆動し、前記位置決め部材の復元力によって前記ディテントレバーを回転させることで前記当接部位を前記第2谷部の底部へと滑らせる第2制御と、を行うことを特徴とするレンジ切り換え装置。
  2. 前記回転角度検出部は、前記当接面に形成された複数の前記谷部の内、前記ディテントレバーの回転方向において最も端に位置する2つの前記谷部(70,71)の内の少なくとも一方を構成する壁面に前記当接部位が当たるまで前記モータを前記モータ制御部によって回転させた際に検出された値を基準値として記憶していることを特徴とする請求項1に記載のレンジ切り換え装置。
  3. 前記回転角度検出部は、前記モータのロータの回転角度を検出するエンコーダ(40)、および、前記モータの出力軸の回転角度を検出する回転角センサ(50)の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンジ切り換え装置。
  4. 前記温度検出部は、前記モータへの通電時間に基づいて前記モータの温度を検出することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  5. 前記温度検出部は、前記モータの温度を検出する温度センサを有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  6. 前記モータ制御部は、前記第2制御において、前記当接部位が前記第1谷部の底部から前記斜面へと滑るまで前記モータによって前記ディテントレバーを回転した後に前記位置決め部材の復元力によって前記ディテントレバーを回転させようとした際、前記ディテントレバーが逆回転する、若しくは、停止したことを前記回転角度検出部によって検出した場合、前記モータを再び回転駆動して前記ディテントレバーを回転させて、前記当接部位を前記第2谷部の底部へと滑らせることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  7. 前記モータの回転速度を検出する回転速度検出部を有し、
    前記モータ制御部は、前記第2制御において、前記回転角度検出部によって検出された前記モータの回転角度だけではなく、前記回転速度検出部によって検出された前記モータの回転速度に基づいて、前記モータの回転駆動によって前記当接部位を前記斜面のいずこまで滑らせるのかを決定することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
  8. 前記モータ制御部が前記第2制御を行っている際、前記第2制御を行っていることを前記ユーザーに通知する通知部を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のレンジ切り換え装置。
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