JP2016125354A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム切換部材がカムキャリアから過大な荷重を受けることを防止して、カム切換部材の耐久性が悪化することを防止できる内燃機関の可変動弁装置を提供すること。
【解決手段】可変動弁装置2によれば、カムキャリア4が、高速カム41および低速カム42に対してカムキャリア4の軸線方向外方に設けられた第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bを有する。第1のアーム部52および第2のアーム部53の幅方向一側面に、カムキャリア4が第1の位置に移動したときに、第1のストッパ部64Aに接触してカムキャリア4を位置決めする接触部52B、53Bが形成され、第1のアーム部52および第2のアーム部53の幅方向他側面に、カムキャリア4が第2の位置に移動したときに、第2のストッパ部64Bに接触してカムキャリア4を位置決めする接触部53Cが形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、バルブ作動特性の互いに異なる複数個のカムを備えるカムキャリアをカム軸の軸線方向に移動させる内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、内燃機関の可変動弁装置としては、バルブ作動特性の異なる複数のカムを外周に備えるカムキャリアを、カム軸の軸線方向に移動させることにより、バルブを作動させるカムを切換える可変動弁装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この可変動弁装置は、被係入部を備えており、被係入部は、カムキャリアの外周面に設けられるとともに、回転方向の反対方向に進むに従い軸線方向の一方にずれる第一螺旋溝と、軸線方向の他方にずれる第二螺旋溝とを有する。
この可変動弁装置は、間隙をおいてカムキャリアを挟むようにV字状に形成された係入部材を備えており、係入部材は、そのV字の両先端部の内側に、周方向への回転により第一螺旋溝または第二螺旋溝に択一的に挿入される切換ピンからなる第一係入部および第二係入部を有する。
この可変動弁装置は、バルブ側に設けられた回転装置を備えており、回転装置の油圧に基づいて係入部材をその周方向の両側に回転させる。
このような構成により、従来の可変動弁装置は、切換ピンからなる第一係入部および第二係入部を、第一係入部および第二係入部の外径よりも幅が僅かに大きい第一螺旋溝または第二螺旋溝に挿入することで、第一係入部および第二係入部によりカムキャリアの軸線方向への移動を規制することができる。
特開2013−133809号公報
しかしながら、上記従来の可変動弁装置にあっては、切換ピンからなる第一係入部および第二係入部の一方が第一係入部または第二係入部のいずれか一方に接触する構成となっているので、切換ピンがカムキャリアからカム軸の軸線方向に過大な荷重を受けてしまう。このため、V字状に形成された係入部材に捩れが発生してしまい、係入部材の耐久性が悪化してしまう。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、カム切換部材がカムキャリアから過大な荷重を受けることを防止して、カム切換部材の耐久性が悪化することを防止できる内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、シリンダヘッドに回転自在に支持されたカム軸と、カム軸に対して同軸となるように設けられ、カム軸と一体に回転し、かつカム軸の軸線方向に移動自在であり、外周面にバルブの作動特性が異なるように形成された第1のカムおよび第2のカムが隣接して設置されたカムキャリアと、カムキャリアの外周面に形成され、カム軸の軸線方向に幅が変化するようにカム軸の軸線方向に対向する第1の側壁および第2の側壁を有する凹形状部と、カムキャリアを挟んで対向する第1のアーム部および第2のアーム部を有するカム切換部材と、カムキャリアに対向する第1のアーム部の先端部の内側に設けられ、第1の側壁に接触したときに、カムキャリアをカム軸の軸線方向一方側に移動させる第1の切換部と、カムキャリアに対向する第2のアーム部の先端部の内側に設けられ、第2の側壁に接触したときに、カムキャリアをカム軸の軸線方向他方側に移動させる第2の切換部と、カム軸と平行に延びる回転中心軸を有し、カム切換部材を回転中心軸周りに揺動させる制御軸とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、カムキャリアが、第1の側壁および第2の側壁に対してカムキャリアの軸線方向外方に設けられた第1の規制部および第2の規制部を有し、第1のアーム部および第2のアーム部の幅方向一側面に、カムキャリアがカム軸の軸線方向一方側に移動したときに、第1の側壁に接触してカムキャリアを位置決めする第1の接触部が設けられ、第1のアーム部および第2のアーム部の幅方向他側面に、カムキャリアがカム軸の軸線方向他方側に移動したときに、第2の側壁に接触してカムキャリアを位置決めする第2の接触部が設けられるものから構成されている。
このように上記の本発明によれば、カムキャリアが、第1の側壁および第2の側壁に対してカムキャリアの軸線方向外方に設けられた第1の規制部および第2の規制部を有し、第1のアーム部および第2のアーム部の幅方向一側面に、カムキャリアがカム軸の軸線方向一方側に移動したときに、第1の側壁に接触してカムキャリアを位置決めする第1の接触部が設けられ、第1のアーム部および第2のアーム部の幅方向他側面に、カムキャリアがカム軸の軸線方向他方側に移動したときに、第2の側壁に接触してカムキャリアを位置決めする第2の接触部が設けられる。
これにより、カムキャリアがカム軸の軸線方向一方側に移動する場合に、第1のアーム部の第1の接触部および第2のアーム部の第1の接触部が第1の規制部に接触する。また、カムキャリアがカム軸の軸線方向他方側に移動する場合に、第2のアーム部の第2の接触部または第2のアーム部の第2の接触部が第2の規制部に接触する。
このため、カム切換部材が第1の規制部または第2の規制部に接触したときの面圧を2方向に分散できる。したがって、第1のカムと第2のカムとが切換えられる場合に、カム切換部材がカムキャリアから過大な荷重を受けることを防止でき、カム切換部材が捩れることを抑制できる。この結果、カム切換部材の耐久性が悪化することを防止できる。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置を備えたシリンダヘッドを示す図であり、車両の前後方向で切ったシリンダヘッドの断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置の分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアを示す斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第1の位置に切換えられた状態を示す下面図である。 図5は、図1のV−V方向矢視断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第1の位置に切換えられた状態を示す上面図である。 図7は、図6のVII−VII方向矢視断面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカム切換部材の回転中の状態を示す上面図である。 図9は、図8のIX−IX方向矢視断面図である。 図10は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカム切換部材の回転完了時の状態を示す上面図である。 図11は、図10のXI−XI方向矢視断面図である。 図12は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第2の位置に切換えられた状態を示す上面図である。 図13は、図12のXIII−XIII方向矢視断面図である。 図14は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカムキャリアが第2の位置に切換えられた状態を示す上面図であり、図1のV−V方向矢視断面図に相当する。 図15は、本発明の実施形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるカム切換部材が第2の位置から第1の位置に回転中の状態を示す断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置の実施形態について、図面を用いて説明する。図1〜図15は、本発明に係る実施形態の内燃機関の可変動弁装置を示す図である。
まず、構成を説明する。
(可変動弁装置の概略構成)
図1に示すように、内燃機関10の可変動弁装置2は、シリンダヘッド1およびヘッドカバー1Aに内蔵されている。シリンダヘッド1は、内燃機関10を構成する図示しないシリンダブロックの上部に取付けられており、シリンダヘッド1の上部にはヘッドカバー1Aが取付けられている。
図1〜図3に示すように、可変動弁装置2は、カム軸3と、カムキャリア4と、カムキャリア4の上方に設置されたカム切換機構5とを備えており、可変動弁装置2は、吸気バルブ13のリフト状態を変化させるためにカムの切換えを行う。
シリンダヘッド1は、排気バルブ側のカム軸30、排気カム40および排気バルブ39等を備えている。ここで、可変動弁装置2は、吸気側のカム軸3に設けられている。吸気バルブ13は本発明のバルブを構成する。
(ロッカアーム)
図1、図2に示すように、本実施形態の可変動弁装置2は、カムキャリア4の回転に伴い揺動するタイプのロッカアーム11が用いられる。ロッカアーム11は、アーム基端部11Cの下面に凹部が形成されており、ロッカアーム11は、ハイドロリックラッシュアジャスタ(HLA)12のピボット12Aの上に接触するように設置されている。ロッカアーム11の中央には、ローラとしての円状の被押し付けローラ11Aがピン11Bで支持されている。
被押し付けローラ11Aは、ロッカアーム11の上面から突出しており、被押し付けローラ11Aは、カムキャリア4の高速カム41と低速カム42との何れかに接触する。したがって、ロッカアーム11および被押し付けローラ11Aは、カムキャリア4と吸気バルブ13との間に配置されて吸気バルブ13の作動に寄与している。ここで、高速カム41は、本発明の第1のカムを構成し、低速カム42は、本発明の第2のカムを構成する。
ロッカアーム11の他端部側のアーム先端部11Dの下面は、吸気バルブ13の上端に接触する。なお、吸気バルブ13は、シリンダヘッド1に対して軸線方向に進退可能に設けられており、吸気バルブ13は、バルブスプリング14により吸気ポート15と燃焼室16とを閉じる方向に付勢されている。
ロッカアーム11がカムキャリア4により押されたときは、吸気バルブ13がバルブスプリング14の付勢力に抗して押し下げられ(リフトされ)、吸気ポート15と燃焼室16とが開通する(吸気バルブ開状態)。ここで、付勢とは、勢いを付けること、あるいは、勢いを増すことを意味する。
(カム軸)
図1、図2において、カム軸3は、シリンダヘッド1の上部に設置された不図示の軸受部とカムハウジング71とに回転自在に支持されている。カム軸3の一端部には図示しないカムスプロケットが設けられており、このカムスプロケットには図示しないタイミングチェーンが巻き掛けられている。
タイミングチェーンは、図示しないクランクシャフトの図示しないクランクスプロットに巻き掛けられており、タイミングチェーンは、クランクシャフトの回転をカム軸3に伝達する。カム軸3の回転数は、クランクシャフトの回転数の1/2となるように設定されている。
本実施形態の可変動弁装置2において、カム軸3は、内燃機関10の一部を構成するシリンダヘッド1を有する内燃機関10の前後方向(図1の紙面上の前後方向)に沿って延びるように設置されている。
カムハウジング71は、ヘッドカバー1Aで覆われてシリンダヘッド1内に内蔵されている。吸気バルブ13は、2本1組で1つの燃焼室16毎に設けられている。本実施形態の内燃機関10は直列4気筒エンジンからなり、吸気バルブ13は、4組で8本設けられる。カム軸3における長さ方向の所定領域の外周面には、軸線方向に所定の幅寸法を持つスプライン外歯31が周回して形成されている。
図5に示すように、カム軸3におけるスプライン外歯31が形成された領域の軸線方向に隣接する近傍の領域には位置決め部材32が設けられている。
位置決め部材32は、カム軸3の外周面に形成されるカム軸3に対して半径方向に沿って凹むように形成された収納凹部33と、収納凹部33内に収納されるスプリング34と、収納凹部33内に収納されて、スプリング34によってカム軸3の半径方向外側に付勢されるように設置されたボール35と、カムキャリア4の内周面に形成される第1の位置決め用溝46と、第2の位置決め用溝47とから構成される。
ボール35は、カムキャリア4に設けられた第1の位置決め用溝46と第2の位置決め用溝47の何れかに嵌合される。
(カムキャリア)
図2、図3、図4において、カム軸3にはカムキャリア4が設けられている。カムキャリア4は、カム軸3を取り囲むように円筒状に形成されており、カムキャリア4の内周面にはカム軸3のスプライン外歯31と噛み合うスプライン内歯45が形成されている。このため、カムキャリア4は、カム軸3と一体に回転するとともに、カム軸3に対して軸線方向に移動自在となる。
カムキャリア4の外周面にはバルブ作動特性の異なる高速カム41および低速カム42が軸線方向に並んで一体に設けられている。なお、高速カム41と低速カム42との一体構成体は、1つのカムキャリア4に所定間隔を隔てて一対(2つ)設けられている。
一対の高速カム41が選択される場合は、それぞれの高速カム41が、被押し付けローラ11Aと接触し、一対の低速カム42が選択される場合は、それぞれの低速カム42が、被押し付けローラ11Aと接触する。
すなわち、高速カム41同士の間隔、低速カム42同士の間隔、および吸気バルブ13同士の間隔は、同一に設定されている。そして、カムキャリア4は、カム軸3上を、高速カム41によって吸気バルブ13を作動させる第1の位置P1(図4参照)と、低速カム42によって吸気バルブ13を作動させる第2の位置P2(図4参照)とに移動自在である。なお、図4中、カムキャリア4の第1の位置P1および第2の位置P2は、後述する第2のストッパ部64Bの位置で表している。
高速カム41は、基礎となるベース円部41Aと、ベース円部41Aよりも半径方向外側に突出したノーズ部41Bとを備える。低速カム42は、基礎となる高速カム41のベース円部41Aと同じ半径のベース円部42Aと、ベース円部42Aより半径方向外側に向けて高速カム41のノーズ部41Bよりも半径方向への突出寸法が小さく形成されたノーズ部42Bとを備えている。
カムキャリア4が回転したとき、ベース円部41A、42Aは、被押し付けローラ11Aを押し下げない、すなわち、吸気バルブ13を押し下げない。ノーズ部41B、42Bは、被押し付けローラ11Aを押し下げる、すなわち、吸気バルブ13をリフトする。
すなわち、本実施形態の高速カム41のノーズ部41Bは、低速カム42のノーズ部42Bよりも大きく形成されており、高速カム41のノーズ部41Bの突出寸法は、低速カム42のノーズ部42Bの突出寸法よりも大きい。ノーズ部41Bおよびノーズ部42Bは、本発明のカム山部を構成している。
このように、高速カム41および低速カム42は、それぞれ、相対的にリフト量の大きい大リフトカムおよび相対的にリフト量が小さい小リフトカムからなる。このため、高速カム41によって吸気バルブ13を作動する場合には、低速カム42によって吸気バルブ13を作動する場合に比べて吸気バルブ13のリフト量を大きくすることができ、燃焼室16により多くの吸入空気を吸気できる。また、高速カム41の作用角を低速カム42より大きくすることで、吸気バルブ13の開放時間を長くできる。
したがって、低速カム42によって吸気バルブ13を作動させる第2の位置P2よりも、高速カム41によって吸気バルブ13を作動させる第1の位置P1の方が、内燃機関10の出力が増大する。
可変動弁装置2は、運転状況に応じてカムキャリア4を移動させることによって、被押し付けローラ11Aに接触するカムを高速カム41、または低速カム42の何れかから選択し、吸気バルブ13のリフト状態を変化させる。
これら高速カム41および低速カム42は、軸線方向に沿って隣接して設置されており、高速カム41および低速カム42のベース円部41A、42Aは、軸線方向に面一に形成された連続面となっている。
また、高速カム41と低速カム42のノーズ部41B、42Bは、ほぼ同位相となる方向に設置されている。これら高速カム41と低速カム42は、カム軸3に対する設置状態により、吸気バルブ13のリフトタイミングが規定される。
図5に示すように、第1の位置決め用溝46と第2の位置決め用溝47は、カムキャリア4の内周面におけるスプライン内歯45(図2参照)が形成された領域に隣接する領域(スプライン内歯45が形成されていない領域)を周回するように形成されている。
これらの第1の位置決め用溝46および第2の位置決め用溝47は、カム軸3側に設けられた位置決め部材32のボール35がカムキャリア4の移動に応じていずれかに嵌合されることで、カムキャリア4を第1の位置P1、若しくは、第2の位置P2に位置決めさせる。
なお、低速カム42においてノーズ部42Bの半径は、ベース円部42Aと同じに形成してもよい。このようにすれば、カムキャリア4を第2の位置P2に切換えたとき、吸気バルブ13が作動せず、気筒休止状態にできる。
図2、図3、図4に示すように、カムキャリア4の外周面には、単一のガイド溝43がカムキャリア4を周回して連続するように形成されている。このガイド溝43において、互いに対向する一対の側壁のうち一方は、カムキャリア4を第1の位置P1に移動させる第1の切換カム43Aであり、一対の側壁のうちの他方は、カムキャリア4を第2の位置P2に移動させる第2の切換カム43Bである。本実施の形態において、第1の切換カム43Aは、本発明の第1の側壁を構成し、第2の切換カム43Bは、本発明の第2の側壁を構成する。
第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bのそれぞれは、カム軸3の軸線方向の幅が最小となる最小カム山部43Cを備えており、最小カム山部43Cは、フラット面である。
また、第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bのそれぞれは、カム軸3の軸線方向の幅が最大となる最大カム山部43Dと、最小カム山部43Cと最大カム山部43Dとの間を連絡する傾斜カム山部43Eとを備えている。
また、第1の切換カム43Aの最小カム山部43C、最大カム山部43Dおよび傾斜カム山部43Eと、第2の切換カム43Bの最小カム山部43C、最大カム山部43Dおよび傾斜カム山部43Eとの位相は、カム軸3の円周方向において、例えば、180°ずれている。なお、このずれ角は、これに限定されるものではない。このように本実施形態のガイド溝43は、カム軸3の軸線方向に幅が変化するよう構成される。ここで、本実施の形態のガイド溝43は、本発明の凹形状部を構成する。
(カム切換機構)
図1、図2、図4、図5において、カム切換機構5は、カム切換部材51を備えており、カム切換部材51は、カムキャリア4を挟んで対向する第1のアーム部52および第2のアーム部53を有する。
カム切換部材51は、カム軸3の軸線方向視においてV字形状に形成されており、カム切換部材51を構成する第1のアーム部52および第2のアーム部53の基端54は、連続している。
第1のアーム部52および第2のアーム部53の基端54は、制御軸55に取付けられている。制御軸55は、カム軸3の回転中心軸3A(図2参照)と平行に延びる回転中心軸55Aを有し、カム切換部材51を回転中心軸55A周りに揺動させる。制御軸55は、カムハウジング71の上部に形成された制御軸支持穴71A(図2参照)により回転自在に支持されている。
図2において、制御軸55の外周部にはスペーサ74が装着されており、このスペーサ74は、カム切換部材51とカムハウジング71の間に設けられている。スペーサ74は、カム軸3の軸線方向におけるカム切換部材51の位置を保持している。
ヘッドカバー1Aにはアクチュエータ61が取付けられており、アクチュエータ61は、カム切換部材51の第1のアーム部52に対向して配置されている。アクチュエータ61は、往復運動するプランジャ61Aを有しており、このプランジャ61Aは、第1のアーム部52の先端部の外側に形成された連結部52D(図5、図6参照)に連結されている。
アクチュエータ61は、プランジャ61Aの前進および後退によって第1のアーム部52を介してカム切換部材51を一方および他方向に揺動させる。カム切換部材51が揺動すると、制御軸55が一体で揺動する。
図1において、ヘッドカバー1Aの上部にはハウジング62が取付けられており、ハウジング62は、カム軸3の一端部から他端部に向かって延びている。ハウジング62の内部にはオイルセパレータ室63が形成されており、オイルセパレータ室63は、ハウジング62の内周面とヘッドカバー1Aの上面とによって囲まれる空間から構成される。
オイルセパレータ室63には、例えば、図示しない衝突壁がカム軸3の一端部から他端部に向かって交互に配置されている。ヘッドカバー1Aからオイルセパレータ室63に導入されるブローバイガスは、衝突壁に衝突することでブローバイガスに含まれるオイルが分離される。
オイルが分離されたブローバイガスは、オイルセパレータ室63から図示しないブローバイガス排出管を通して図示しない吸気管に導入された後、吸気管から燃焼室16に導入され、燃焼室16で燃焼される。
ここで、ブローバイガスは、燃焼室16から内燃機関10の図示しないクランクケース内に漏出した未燃焼の混合気や燃焼ガスであり、ブローバイガスは、クランクケースから図示しないブローバイガス導入管を通してオイルセパレータ室63に導入される。
ヘッドカバー1Aの上壁は、オイルセパレータ室63側に膨れ出ており、制御軸55は、この膨れ出た部分よりもカム軸3側に設置される。これにより、制御軸55は、ヘッドカバー1Aおよびハウジング62によって二重に覆われる。
図1、図2、図4、図5において、カムキャリア4に対向する第1のアーム部52の先端部の内側には第1の切換ピン52Aが設けられており、この第1の切換ピン52Aは、制御軸55の揺動に伴ってカム切換部材51が一方向に揺動したときに、ガイド溝43に挿入可能、かつ、第1の切換カム43Aに当接可能となっている。
一方、カムキャリア4に対向する第2のアーム部53の先端部の内側には第2の切換ピン53Aが設けられており、この第2の切換ピン53Aは、制御軸55の揺動に伴ってカム切換部材51が他方向に揺動したときに、ガイド溝43に挿入可能、かつ、第2の切換カム43Bに当接可能となっている。ここで、本実施の形態の第1の切換ピン52Aは、本発明の第1の切換部を構成し、第2の切換ピン53Aは、本発明の第2の切換部を構成する。
第2の切換ピン53Aは、第1の切換ピン52Aに対してカム軸3の軸線方向に離隔している。カム軸3の軸線方向における第1の切換ピン52Aの中心軸と第2の切換ピン53Aの中心軸との距離は、高速カム41の幅方向中心軸と低速カム42の幅方向中心軸との距離と同じである。
すなわち、第1の切換ピン52Aと第2の切換ピン53Aは、高速カム41と低速カム42とのカムピッチtと等しい量だけカム軸3の軸線方向にオフセットされている。
カムキャリア4の外周部には第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bが設けられている。第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、第1の切換カム43Aおよび第2の切換カム43Bに対してカムキャリア4の軸線方向外方に設けられている。第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、カムキャリア4の半径方向外方に拡大するようにフランジ状に形成される。
具体的には、第1のストッパ部64Aは、第2の切換カム43Bに対して第1の切換カム43Aと反対側に位置するとともに、カムキャリア4の外周面4Aから径方向外側に向かって立ち上がっている。
また、第2のストッパ部64Bは、第1の切換カム43Aに対して第2の切換カム43Bと反対側に位置するとともにカムキャリア4の外周面4Aから径方向外側に向かって立ち上がっている。第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、本発明のおける第1の規制部および第2の規制部をそれぞれ構成する。
なお、第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、同一形状に形成されており、第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bの半径方向外端の高さは、同一である。
ここで、第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、鋳造等によりカムキャリア4と一体成形してもよい。このようにすれば、カムキャリア4の生産性を向上できる。また、第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、カムキャリア4と別体成形してカムキャリア4に後付けしたものでもよい。
第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bは、第1のアーム部52または第2のアーム部53と接触することによって、カムキャリア4が所定の位置を超えてカム軸3の軸線方向に移動し過ぎることを規制する機能を有する。
具体的には、第1のアーム部52は、第1のアーム部52の幅方向一側面に接触部52Bを有し、この接触部52Bは、第1のストッパ部64Aに対向するとともに第1のストッパ部64Aに接触可能となっている。
第1のアーム部52は、第1のアーム部52の幅方向他側面に接触部52Cを有し、この接触部52Cは、第2のストッパ部64Bに対向するとともに第2のストッパ部64Bに接触可能となっている。
接触部52Bは、第1のストッパ部64Aに対向する第1のアーム部52の幅方向一側面から第1のストッパ部64A側に突出しているとともに、接触部52Cは、第2のストッパ部64Bに対向する第1のアーム部52の幅方向他側面から第2のストッパ部64B側に突出しており、第1のアーム部52の先端部は基端部よりも幅広に形成される。そして、第1の切換ピン52Aは、カム軸3の軸線方向おいて接触部52Bと接触部52Cの間に設置される。
第2のアーム部53は、第2のアーム部53の幅方向一側面に接触部53Bを有し、この接触部53Bは、第1のストッパ部64Aに対向するとともに第1のストッパ部64Aに接触可能となっている。
第2のアーム部53は、第2のアーム部53の幅方向他側面に接触部53Cを有し、この接触部53Cは、第2のストッパ部64Bに対向するとともに第2のストッパ部64Bに接触可能となっている。
接触部53Bは、第1のストッパ部64Aに対向する第2のアーム部53の幅方向一側面から第1のストッパ部64A側に突出しているとともに、接触部52Cは、第2のストッパ部64Bに対向する第2のアーム部53の幅方向他側面から第2のストッパ部64B側に突出しており、第2のアーム部53の先端部は基端部よりも幅広に形成される。そして、第2の切換ピン53Aは、カム軸3の軸線方向おいて接触部53Bと接触部53Cの間に設置される。
ここで、接触部52B、53Bは、本発明の第1の接触部を構成し、接触部52C、53Cは、本発明の第2の接触部を構成する。
また、接触部52B、53Bは、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向一方に移動してカムハウジング71の側面71aに接触する前に、第1のストッパ部64Aに接触する(図5参照)。さらに、接触部52C、53Cは、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向他方に移動してカムハウジング71の側面71bに接触する前に、第2のストッパ部64Bに接触する(図14参照)。なお、本実施の形態のカムハウジング71は、シリンダヘッド1に含まれるものであり、本発明のシリンダヘッド1の一部を構成する。
カム切換部材51は、制御軸55と一体で制御軸55の回転中心軸55A周りに一方側に揺動したときに、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aがガイド溝43に挿入され、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aがガイド溝43から離脱される。
また、カム切換部材51は、制御軸55と一体で制御軸55の回転中心軸55A周りに他方に揺動したときに、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aがガイド溝43に挿入され、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aがガイド溝43から離脱される。
第1のアーム部52が制御軸55の回転中心軸55A周りに揺動して、第1の切換ピン52Aがガイド溝43に挿入されたとき、または、ガイド溝43から離脱するときには、第1のアーム部52の接触部52Bと第2のアーム部53の接触部53Bとが第1のストッパ部64Aに接触可能となる。
第2のアーム部53が制御軸55の回転中心軸55A周りに揺動して、第2の切換ピン53Aがガイド溝43に挿入されたとき、または、ガイド溝43から離脱するときには、第1のアーム部52の接触部52Cと第2のアーム部53の接触部53Cとが第2のストッパ部64Bに接触可能となる。
したがって、本実施の形態の第1のアーム部52および第2のアーム部53の幅は、カム軸3の軸線方向において同一の幅であり、接触部52Bおよび接触部53Bは、カム軸3の軸線方向と直交する平面と重なり、接触部52Cおよび接触部53Cは、カム軸3の軸線方向と直交する平面と重なる。
一方、位置決め部材32において、カムキャリア4がカム軸3に対して高速カム41が選択された第1の位置P1に移動したときには、すなわち、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向一方側に移動したときに、ボール35が第1の位置決め用溝46に嵌合されてスプリング34によって付勢される。
これにより、カムキャリア4は、高速カム41が選択される第1の位置P1に位置決めされる。
また、カムキャリア4がカム軸3に対して低速カム42が選択された第2の位置P2に移動したときには、すなわち、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向他方側に移動したときに、ボール35が第2の位置決め用溝47に嵌合されてスプリング34によって付勢される。
これにより、カムキャリア4は、低速カム42が選択される第2の位置P2に位置決めされる。本実施の形態の位置決め部材32は、本発明の位置決め部材を構成する。また、第1の位置P1が本発明の第1の位置を構成し、第2の位置P2が本発明の第2の位置を構成する。
次に、作用を説明する。
以下、図6〜図15に基づいて本実施形態に係る可変動弁装置2における、高速カム41と低速カム42への切換えの動作について説明する。図6〜図15のいずれかにおいて、矢印R1が方向がカム軸3の回転方向である。
(高速カム41による運転)
高速カム41による運転時には、図6、図7に示すように、アクチュエータ61(図2参照)のプランジャ61Aの前進により、カム切換部材51を制御軸55と一体で一方向に揺動させることで、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aがガイド溝43に挿入される。
カムキャリア4の第1の切換カム43Aは、最大カム山部43Dと最小カム山部43Cとの間を連絡してカム軸3の軸線方向に膨れ出る傾斜カム山部43Eを備えている。これにより、カムキャリア4が第2の位置P2にあるときに第1の切換ピン52Aがガイド溝43に挿入されると、第1の切換ピン52Aが第1の切換カム43Aの最小カム山部43Cに接触した後、傾斜カム山部43Eに接触してカムキャリア4に軸線方向右方の力が作用する。
このため、カムキャリア4は、第1の切換ピン52Aにより第1の切換カム43Aが押し付けられることで第1の位置P1まで移動する。このとき、低速カム42のベース円部42Aおよび高速カム41のベース円部41Aがロッカアーム11の被押し付けローラ11Aに対して接触している区間内にカムキャリア4の移動が完了する。
このように第1の切換ピン52Aをカム軸3の軸線方向に移動させることにより、第1の切換ピン52Aが第1の切換カム43Aの最小カム山部43Cから傾斜カム山部43Eを通して最大カム山部43Dに接触してカムキャリア4を第1の位置P1に移動させる。
また、このようにカムキャリア4がカム軸3に対して第1の位置P1に移動するときに、カム軸3側のボール35が図5に示す第2の位置決め用溝47から外れて、第1の位置決め用溝46に移動して嵌合した状態となる。この結果、カムキャリア4は、カム軸3に対して高速カム41が選択された第1の位置P1に固定される。
図5において、カムキャリア4が第1の位置P1に移動したときには、カムキャリア4がカムハウジング71の側面71aに接触する前に、接触部52Bが第1のストッパ部64Aに接触する。
このとき、スプリング34およびボール35からカムキャリア4が受けるカム軸3の軸線方向の成分である付勢荷重F1と、第1のアーム部52の接触部52Bからカムキャリア4が受けるカム軸3の軸線方向荷重である接触荷重F2が釣り合う(すなわち、F1=F2となる)ことで、カムキャリア4が第1の位置P1に位置決めされる。
これにより、カムキャリア4が慣性力により第1の位置P1を超えてカム軸3の軸線方向に移動し過ぎることが規制される。
このように高速カム41が選択されてカムキャリア4が第1の位置P1にある場合において、図12、図13に示すように低速カム42への切換えを行うまでの間は、第1の切換ピン52Aは、図6、図7に示すように、ガイド溝43の最大カム山部43Dに対向して高速カム41の位置が保たれ、高速カム41が作動し続ける。
(低速カム42による運転)
一方、低速カム42による運転時には、図8、図9に示すように、アクチュエータ61のプランジャ61Aの後退により、カム切換部材51を制御軸55と一体で他方向に揺動させる。
これにより、制御軸55の揺動に伴って、第1のアーム部52が制御軸55の揺動方向でガイド溝43から離脱する方向に移動するとともに、第2のアーム部53が制御軸55の揺動方向でガイド溝43に近づく方向に移動し、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aの挿入方向先端部がガイド溝43に挿入される。
この後に、図10、図11に示すように、アクチュエータ61のプランジャ61Aがさらに後退して、カム切換部材51を制御軸55と一体で他方向にさらに揺動させることで、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aがガイド溝43に挿入され、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aがガイド溝43から離脱する。
カムキャリア4の第2の切換カム43Bは、最大カム山部43Dと最小カム山部43Cとの間を連絡してカム軸3の軸線方向に膨れ出る傾斜カム山部43Eを備えている。これにより、カムキャリア4が第1の位置P1にあるときに第2の切換ピン53Aがガイド溝43に挿入されると、カムキャリア4の回転に伴って、第2の切換ピン53Aが第1の切換カム43Aの最小カム山部43Cに接触した後、傾斜カム山部43Eに接触してカムキャリア4に軸線方向の力が作用する。
このため、図12、図13に示すように、カムキャリア4は、第2の切換ピン53Aにより、第2の切換カム43Bが押し付けられることで第2の位置P2まで移動する。このとき、低速カム42のベース円部42Aおよび高速カム41のベース円部41Aがロッカアーム11の被押し付けローラ11Aに対して接触している区間内にカムキャリア4の移動が完了する。
このように第2の切換ピン53Aをカム軸3の軸線方向に移動させることにより、第2の切換ピン53Aが第2の切換カム43Bの最小カム山部43Cから傾斜カム山部43Eを通して最大カム山部43Dに接触してカムキャリア4を第2の位置P2に移動させる。
また、このようにカムキャリア4がカム軸3に対して第2の位置P2に移動するときに、カム軸3側のボール35が、図14に示す第1の位置決め用溝46から外れて、第2の位置決め用溝47に移動して嵌合した状態となる。
カムキャリア4が第2の位置P2に移動したときには、カムキャリア4がカムハウジング71の側面71bに接触する前に、接触部53Cが第2のストッパ部64Bに接触する。
このとき、スプリング34およびボール35からカムキャリア4が受けるカム軸3の軸線方向の成分である付勢荷重F3と、第2のアーム部53の接触部53Bからカムキャリア4が受けるカム軸3の軸線方向荷重である接触荷重F4が釣り合う(すなわち、F3=F4となる)ことで、カムキャリア4が第2の位置P2に位置決めされる。
これにより、カムキャリア4が慣性力により第2の位置P2を超えてカム軸3の軸線方向に移動し過ぎることが規制される。この結果、カムキャリア4は、カム軸3に対して低速カム42が選択された第2の位置P2に固定される。
また、このように低速カム42が選択されてカムキャリア4が第2の位置P2にある場合において、高速カム41への切換えを行うまでの間は、第2の切換ピン53Aは、ガイド溝43の最大カム山部43Dに対向して低速カム42の位置が保たれ、低速カム42が作動し続ける。
一方、本実施形態では、カムキャリア4が第1の位置P1から第2の位置P2に切換えられるときに、図9に示すように、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aの挿入方向先端部がガイド溝43に挿入される直前で、かつ、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aの挿入方向先端部がガイド溝43から離脱する直後に、第1の切換ピン52Aおよび第2の切換ピン53Aがガイド溝43と非接触となる。
これにより、接触部52B、53Bと第1のストッパ部64Aとが非接触となるおそれがある。接触部52B、53Bと第1のストッパ部64Aとが非接触となると、接触荷重F2が無くなり、付勢荷重F1のみがカムキャリア4に作用し、スプリング34およびボール35の付勢荷重F1によってカムキャリア4が第1の位置P1に押し戻される力が作用する可能性がある。
これに対して、本実施の形態の可変動弁装置2によれば、カムキャリア4が、高速カム41および低速カム42に対してカムキャリア4の軸線方向外方に設けられた第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bを有し、第1のアーム部52および第2のアーム部53の幅方向一側面に、カムキャリア4が第1の位置P1に移動したときに、第1のストッパ部64Aに接触してカムキャリア4を位置決めする接触部52B、53Bが形成される。
これにより、カムキャリア4が第2の位置P2に移動する場合に、カム切換部材51の揺動範囲内において、第1のアーム部52の第1の接触部52Bがガイド溝43から離脱する状態で接触部52Bか第1のストッパ部64Aに接触し、第2のアーム部53の接触部53Bがガイド溝43に挿入される状態で接触部53Bが第1のストッパ部64Aに接触する。
すなわち、カム切換部材51の揺動範囲内において、接触部52Bおよび接触部53Bを第1のストッパ部64Aに接触させることができる。このため、カム切換部材51が第1のストッパ部64Aに接触したときの面圧を2方向に分散でき、カムキャリア4が高速カム41から低速カム42に切換えられる場合に、カム切換部材51がカムキャリア4から過大な荷重を受けることを防止できる。このため、カム切換部材51が捩れることを抑制でき、カム切換部材51の耐久性が悪化することを防止できる。
また、カム切換部材51の揺動範囲内において、接触部52Bおよび接触部53Bを第1のストッパ部64Aに接触させることができるので、接触荷重F2が消失することを防止でき、カムキャリア4が第1の位置P1に押し戻される力が作用することを防止でき、カムキャリア4を第1の位置P1から第2の位置P2に円滑に移動できる。
ここで、カム切換部材51がカムキャリア4から過大な荷重を受けることを防止するために、第1のアーム部52の幅方向のいずれかの側面のみに接触部を設けた場合には、第1のアーム部材52の幅方向のいずれかの側面の板厚を大きくして、第1のストッパ部64Aに接触する接触部の面積を大きくする必要がある。
このようにした場合には、カム切換部材51の重量が増大するため、制御軸55の回転させたときの慣性モーメントが大きくなる。
これに対して、本実施の形態の可変動弁装置2によれば、カム切換部材51の揺動範囲内において、接触部52Bおよび接触部53Bを第1のストッパ部64Aに接触させることができるため、接触部52Bおよび接触部53Bの板厚を大きくすることを不要にできる。これにより、カム切換部材51の重量が増大することを防止でき、制御軸55の回転させたときの慣性モーメントを小さくできる。
(低速カム42から高速カム41への切換時)
カムキャリア4が第2の位置P2から第1の位置P1に切換えられるときに、図15に示すように、第1のアーム部52の第1の切換ピン52Aの挿入方向先端部がガイド溝43に挿入される直前で、かつ、第2のアーム部53の第2の切換ピン53Aの挿入方向先端部がガイド溝43から離脱する直後に、第1の切換ピン52Aおよび第2の切換ピン53Aがガイド溝43と非接触となる。
これにより、接触部52C、53Cと第2のストッパ部64Bとが非接触となるおそれがある。接触部52C、53Cと第2のストッパ部64Bとが非接触となると、接触荷重F4が無くなり、付勢荷重F3のみがカムキャリア4に作用し、スプリング34およびボール35の付勢荷重F3によってカムキャリア4が第2の位置P2に押し戻される力が作用する可能性がある。
これに対して、本実施の形態の可変動弁装置2によれば、第1のアーム部52および第2のアーム部53の幅方向他側面にカムキャリア4が第2の位置P2に移動したときに、第2のストッパ部64Bに接触してカムキャリア4を位置決めする接触部52C、53Cが形成される。
これにより、カムキャリア4が第1の位置P1に移動する場合に、カム切換部材51の揺動範囲内において、第1のアーム部52の第1の接触部52Bがガイド溝43に挿入される状態で接触部52Cが第2のストッパ部64Bに接触し、第2のアーム部53の接触部53Cがガイド溝43から離脱される状態で接触部53Cが第2のストッパ部64Bに接触する。
すなわち、カム切換部材51の揺動範囲内において、接触部52Cおよび接触部53Cを第2のストッパ部64Bに接触させることができる。このため、カム切換部材51が第2のストッパ部64Bに接触したときの面圧を2方向に分散でき、カムキャリア4が低速カム42から高速カム41に切換えられる場合に、カム切換部材51がカムキャリア4から過大な荷重を受けることを防止できる。このため、カム切換部材51が捩れることを抑制でき、カム切換部材51の耐久性が悪化することを防止できる。
また、カム切換部材51の揺動範囲内において、接触部52Cおよび接触部53Cを第2のストッパ部64Bに接触させることができるので、接触荷重F4が消失することを防止でき、カムキャリア4が第2の位置P2に押し戻される力が作用することを防止でき、カムキャリア4を第2の位置P2から第1の位置P1に円滑に移動できる。
また、本実施の形態の可変動弁装置2によれば、接触部52B、53Bは、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向一方に移動してカムハウジング71の側面71aに接触する前に、第1のストッパ部64Aに接触し、接触部52C、53Cは、カムキャリア4がカム軸3の軸線方向他方に移動してカムハウジング71の側面71bに接触する前に、第2のストッパ部64Bに接触する。
これにより、シリンダヘッド1側に、カム軸3の軸線方向に対してカムキャリア4の移動を規制するストッパを設けるのを不要にできる。このため、カム切換部材51にカム切換機構5とストッパ機構とを集約でき、可変動弁装置2の構造の簡素化を図ることができるとともに、可変動弁装置2の設置スペースの低減を図ることができる。
また、本実施の形態の可変動弁装置2によれば、第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bを、カムキャリア4の半径方向外方に広がるようにフランジ状に形成した。これにより、カムキャリア4に第1のストッパ部64Aおよび第2のストッパ部64Bを容易に形成できる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...シリンダヘッド、2...可変動弁装置、3,30...カム軸、4...カムキャリア、13...吸気バルブ(バルブ)、32...位置決め部材、39...排気バルブ(バルブ)、41...高速カム(第1のカム)、42...低速カム(第2のカム)、43...ガイド溝(凹形状部)、43A...第1の切換カム(第1の側壁)、43B...第2の切換カム(第2の側壁)、51...カム切換部材、52...第1のアーム部、52A...第1の切換ピン(第1の切換部)、52B,53B...接触部(第1の接触部)、52C,53C...接触部(第2の接触部)、53...第2のアーム部、53A...第2の切換ピン(第2の切換部)、55...制御軸、55A...回転中心軸(制御軸の回転中心軸)、64A...第1のストッパ部(第1の規制部)、64B...第2のストッパ部(第2の規制部)、P1...第1の位置、P2...第2の位置

Claims (4)

  1. シリンダヘッドに回転自在に支持されたカム軸と、
    前記カム軸に対して同軸となるように設けられ、前記カム軸と一体に回転し、かつ前記カム軸の軸線方向に移動自在であり、外周面にバルブの作動特性が異なるように形成された第1のカムおよび第2のカムが隣接して設置されたカムキャリアと、
    前記カムキャリアの外周面に形成され、前記カム軸の軸線方向に幅が変化するように前記カム軸の軸線方向に対向する第1の側壁および第2の側壁を有する凹形状部と、
    前記カムキャリアを挟んで対向する第1のアーム部および第2のアーム部を有するカム切換部材と、
    前記カムキャリアに対向する前記第1のアーム部の先端部の内側に設けられ、前記第1の側壁に接触したときに、前記カムキャリアを前記カム軸の軸線方向一方側に移動させる第1の切換部と、
    前記カムキャリアに対向する前記第2のアーム部の先端部の内側に設けられ、前記第2の側壁に接触したときに、前記カムキャリアを前記カム軸の軸線方向他方側に移動させる第2の切換部と、
    前記カム軸と平行に延びる回転中心軸を有し、前記カム切換部材を前記回転中心軸周りに揺動させる制御軸とを備えた内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記カムキャリアが、前記第1の側壁および前記第2の側壁に対して前記カムキャリアの軸線方向外方に設けられた第1の規制部および第2の規制部を有し、
    前記第1のアーム部および前記第2のアーム部の幅方向一側面に、前記カムキャリアが前記カム軸の軸線方向一方側に移動したときに、前記第1の側壁に接触して前記カムキャリアを位置決めする第1の接触部が設けられ、
    前記第1のアーム部および前記第2のアーム部の幅方向他側面に、前記カムキャリアが前記カム軸の軸線方向他方側に移動したときに、前記第2の側壁に接触して前記カムキャリアを位置決めする第2の接触部が設けられることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記カムキャリアが前記カム軸の軸線方向一方側に移動したときに、前記軸線方向一方側の第1の位置に位置決めするように前記カムキャリアを付勢し、前記カムキャリアが前記カム軸の軸線方向他方側に移動したときに、前記軸線方向他方側の第2の位置に位置決めするように前記カムキャリアを付勢する位置決め部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記第1の接触部および前記第2の接触部は、前記カムキャリアが前記カム軸の軸線方向に移動して前記シリンダヘッドに接触する前に、前記第1の側壁または前記第2の側壁に接触することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記第1の規制部および前記第2の規制部が、前記カムキャリアの半径方向外方に広がるようにフランジ状に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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