JP2016124990A - 繊維成分入り合成樹脂組成物及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロース系繊維からなる少なくとも100μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な繊維21が、合成樹脂組成物20内に分散配合されているリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物100である。
【選択図】図1
Description
即ち、これらの紙管或いは紙管端材は合成接着剤で接着されている事が多く、リサイクルの種類が限定され、非常に手間とコストが掛かる。
また、使用済みの紙管もユーザーから返却され、一部リユースされるも最終的には処分されることになるので、当該端材だけでも各社毎に毎月平均して50t程もあり、業界全体のでは膨大な廃棄量となっている。
これまでの当該紙管或いは紙管端材等の一般的なリサイクル方法としては、例えば、固く接着された当該紙管を高いコストと手間を掛け粉砕、溶解し、主に段ボールの中芯原紙等に混ぜられ一部は再生されている
然しながら当該紙管或いは紙管端材は非常に硬い為、リサイクルし難く、当該業界でも、新しいリサイクル技術の開発が期待されている。
一方、猫砂の処理方法に関しても、粉砕工程から溶解と多段階の粉砕、溶解処理工程が要求されているために高いコストと手間が掛かると言う問題が存在している他、当該猫砂では、微粉砕で綿状になる為、量が捌けないと言う欠点も存在している。
更に、産業廃棄物として処分する際には、焼却処分による環境破壊が発生する事になるので、大量処分するには、大きな社会問題に発展する可能性が高いので、主たる処分方法とは言えないのが現状である。
即ち、産業廃棄物として、使用済み梱包材のポリプロピレン及びポリエチレン又は一般廃棄物のプラスチック容器に使用されているオレフィン系合成樹脂製品が知られており、係る使用済みのオレフィン系合成樹脂製品の再利用に関しても、必要性は認めらており、例えば、特開平2006−305802号公報(特許文献1)に示すような技術が提案されてはいるものの、コストの問題があって、効率的なリサイクル処理方法は未だ実現されていない。
然しながら、上記した何れもの再生処理技術に於いても、当該骨材が、極めて微細に、短く切断、破断されてしまうので、当該骨材が、当該使用済みの合成樹脂組成物内に仮に均一に分散配置されたとしても、当該合成樹脂と当該骨材との接合力、接合強度等の接合特性が十分ではなく、再生された当該再生合成樹脂組成物の強度は低く、使用価値や使用効果が不十分で有って実用化が制限されていた。
即ち、上記した通り、繊維入りの再生合成樹脂組成物は幾つか存在するが、グラスファイバー等のリサイクルが出来ない素材が多く、一方、紙入りの合成樹脂は紙をパウダー状に微粉砕し、混合させる技術が存在するが強度向上に必要な繊維長が微粉砕で失なわれてしまう事から、再生された合成樹脂としての強度が出にくく、低配合で紙成分を消化するだけのリサイクル樹脂となってしまっているのが実情である。
しかしセルロース分と樹脂は容易に均一混合がされないため、例えば木又はパルプ繊維の複合体との混合手段は繊維分をより細かい状態にする事が提案されている。
又、混合する繊維は近年ナノメートルの単位の大きさする事で分子レベルとは異なる混合性能や特性が得られる事で微粉砕を行う技術が注目されている。
その結果、繊維長を確保すれば引張強度等は改善されるが樹脂との親和性は著しく低下し均一混合がされない場合は引張強度等の機械的強度は低下すると言う結果となっていた。
上記した本発明に於ける基本的な技術コンセプトは、骨材として使用され、当該再生合成樹脂組成物の内部に混合配置される紙管或いは紙管端材から分離される当該微細開繊繊維を微粉砕することなく長繊維の状態で、且つ、湾曲状、折り曲げ状、折り畳み状、捻じれ状、撚り合せ状等の形状を有する状態に、積極的に形成させ、当該形状を有する当該微細開繊繊維を当該再生合成樹脂内に高配合する再生合成樹脂製品を提供する事を目的とするものである。
即ち、本発明に係る第1の態様としては、セルロース系繊維からなる少なくとも100μ、好ましくは100乃至1000μ、更に好ましくは、200乃至500μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な繊維が、合成樹脂組成物内に分散配合されていることを特徴とするリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物であり、また、本発明に係る第2の態様としては、使用済みの紙管、或いは紙管製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材と再生合成樹脂とを、当該使用済みの紙管或いは当該紙管端材にせん断作用と捻じれ作用を付与する機能を有する単一の粉砕・混合槽内に投入して、当該再生合成樹脂成分を溶融状態に構成せしめると同時に、当該使用済みの紙管或いは当該紙管端材を、少なくとも100μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態が保持されている微細な繊維に開繊することにより、当該合成樹脂組成物内に当該開繊された繊維成分が分散配合された合成樹脂組成物を製造する第1の工程と、当該第1の工程で製造された当該合成樹脂組成物を適宜の造粒装置内に投入し、当該成樹脂組成物の溶融温度よりも高い温度となる様に更に混合処理操作 を継続する第2の工程と、当該第2の工程で製造された当該合成樹脂組成物を成形金型内部に投入して、成形加工処理を行う第3の工程と、から構成されている特徴とする再生合成樹脂組成物の製造方法である。
即ち、本発明に係る当該第1の態様は、図1にその構成の概略が示されている通り、セルロース系繊維からなる少なくとも100μ、好ましくは200乃至1000μ、更に好ましくは200乃至500μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な繊維(糸条微細開繊繊維)21が、合成樹脂組成物20内に、適宜で略均一状に分散配合されていることを特徴とするリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物100が示されている。
本発明に於いては、一般の産業廃棄物として大量に出回っている使用済み合成樹脂組成物と、従来技術では、処理が困難であった紙管或いは紙管端材とを混合して、低コストで安価で、有効な特性も保持する事が出来る商品価値の高い再生合成樹脂組成物を製造し、環境に優しいリサイクル商品を提供しようとするものである。
即ち、本発明は、使用済みで回収されてきた紙管と当該紙管の製造の工程で多量に排出される紙管端材を処理してリサイクル製品として再生させようとする事が目的であり、当該紙管は0.1mm程の薄い紙を合成接着剤で積層して管を製造するため出来あがった紙管は、厚い物では2cmを超えるものまであり、一般的な紙と違い再生が困難なものである。
更に、通常の合成樹脂組成物の電気的特性と再生合成樹脂組成物との関連性を検討するならば、プラスチックの特性の1つである絶縁性を生かし、電線被膜材料など幅広く使用されているが、それゆえに摩擦などにより発生した電荷を蓄積しやすく、帯電した静電気が実使用上不具合を引き起こす。
当該プラスチックは無機質との混合の相性が良く炭酸カルシウム等の無機質を混合する事でプラスチックの帯電が下がる。
しかし帯電を防止するには大量に添加する必要がありプラスチックの機械強度を低下させる事になる。
無機質で繊維長の長い物はガラス繊維以外に特殊な物を除き存在しなので、対象範囲を有機質に広げ検討した結果、帯電を防止しプラスチックの強度が上がる混合物として紙(紙管)に着目したのである。
しかし、当該プラスチックと混合性が良い有機物はほとんどなく、その中でも木や紙を200ミクロン以下に微粉砕した物なら混合が可能である事は公知であり、又、木や紙はプラスチックと混合すれば帯電は軽減する事は分かっているがプラスチックの強度低下も懸念される。
又、各種の実験結果より、木の混合物よりも紙の混合物の方が親水性に優れ、水分による放電が行われ帯電防止効果が高い結果となった。
当該実験の結果得られた帯電防止効果(非帯電性)特性は、表面固有抵抗値で表すと106〜107で有った。
尚、上記した本発明に係る当該再生合成樹脂組成物を例えば、建材(エクステリア)として使用する場合には、当該紙管配合率を40%に設定する事が好ましく、その理由は、当該建材の特に求められる強度の耐衝撃性と耐候性を出すためである。
当該建材の種類によっても変わるが一般的な建材の耐衝撃強度目標は5.5kgf/cm2であり、耐候性については屋外商品であるため、促進暴露試験5000時間を10年の耐候性と想定し5000時間までの評価で、形状変化や質量変化が10%未満を目標とする事が望ましい。
そして、当該パレットとして成形した物に設定荷重をかけて実測するのが本来の測定方法であるが材料段階で想定値は紙管配合を30%とし、曲げ強度の目標をテストピースレベルで40MPaとすることを目標とする事が望ましい。
その他、上記した本発明に係る当該再生合成樹脂組成物を、例えば、コア芯として使用する場合には、当該コア芯の強度も当該コア芯に巻きつける材料や巻き付け量により耐圧が変るが、予定している3インチプラスチックコア芯で1000N/100mmの偏平耐圧強度を目標にする事が望ましい。
セルロース系繊維又は再生困難な紙管或いは紙管端材等の古紙を、従来技術に於いては、一般的であった、荒粉砕から微粉砕及び分級工程と言う複数段階の諸工程を通らずに、当該樹脂との混合に使われる特殊な混合機のみを使用して、当該セルロース繊維又は再生困難な紙管或いは紙管端材等の古紙を微細な糸状解繊維にして熱可塑性樹脂と混合に関するという新規な技術思想を開発したものである。
本発明に於ける当該技術思想にあっては、これら従来の問題解決として、先ずはセルロース繊維分を粉砕しないで、せん断とねじれにより、ねじれや折り畳み、曲げ、湾曲等の形状を呈する糸状微細解繊維にする技術である。
そして、本発明に於ける当該通常セルロース繊維分を細かくする手段は、これも後述する通り、粉砕機の粉砕刃やミルですり潰される様に処理する事で質量を小さくするものである。
従って、本発明に於いて使用される当該使用済み合成樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系合成樹脂、ポリオレフィン系合成樹脂、ポリスチレン系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂、ポリウレタン系合成樹脂等、従来、産業界で一般的に使用されている全ての合成樹脂が対象となる。
然しながら、本発明に於いて、当該セルロース系繊維等と相性が良い、ポリプロピレン系合成樹脂を使用する事が望ましい。
一方、上記した通り、本発明に於ける当該再生合成樹脂組成物100に於いては、当該再生合成樹脂組成物100の帯電性能が106乃至107で有る事が好ましい具体例であり、更には、本発明に於ける当該再生合成樹脂組成物100に於ける曲げ強度が30乃至60MPaである事が望ましい具体例であるが、より好ましくは、当該曲げ強度が30乃至50MPaであり、更に好ましくは、当該曲げ強度が40乃至50MPaで有る事が望ましい。
更に、上記した通り、本発明に於ける当該再生合成樹脂組成物100に於いては、曲げ弾性率が3明に於ける別の具体例においては、後述する様に、当該合成樹脂組成物100の内部で、当該合成樹脂成分と当該セルロース繊維との界面部の少なくとも一部に、シリコン系組成物23が混在せしめられている事が望ましい。
更に、本発明に於ける当該再生合成樹脂組成物100の内部には、適宜の気泡部22が全体的に分散して混在せしめられている事も特徴的な構成の一つである。
即ち、本発明に於ける具体例に示す様に、本発明で使用される当該糸状微細解繊維は、従来公知の方法によって、微細に粉砕したセルロース分に比べて表面の毛羽立ちは抑えられているが糸状微細解繊維21が長ため毛羽立ちの表面積は大きくなる。
これは界面性の問題が存在するためであり、その為の改善策は、一般的にはセルロース分を酸変性させて酸変性ポリプロピレンとする手段がある。
つまり、酸変性する事で界面特性は向上するが含浸性が低下してセルロース分の高配合は難しくなる。
更に、当該セルロースと当該使用済みの合成樹脂成分とが強固に結合しない理由としては、当該セルロース繊維21の繊維間に空気層が存在し当該合成樹脂成分との親和性を阻害するものと考えられる。
然しながら、この空気泡が細かく樹脂内に均一に分散すれば、当該空気層の利用は発泡剤として考えられる。
係る含水率を持つ当該紙管或いは紙管端材をそのまま合成樹脂内に混合された場合は、一般的には、大きな空気発泡が生じるが、先に述べたように、ある程度の細かい空気泡は発泡剤への転用が可能となる。
因みに、当該含水率の低下は、混合処理時間に比例するため、混合処理時間で含水率が想定できる。
例えば、当該混合処理時間が15分経過時には、概ね3%の含水率があると推定されており、又、当該混合処理時間が18分経過時には、概ね2.5%の含水率があると推定されている。
この含水率が3%程混和した糸状微細解繊維21が所定の混合装置1内の当該合成樹脂成分と混合すると、当該合成樹脂成分20の熔融熱により、当該水分が蒸発する。
当然糸状微細開繊繊維21間に残っていた空気泡も当該合成樹脂20内に入り込むが、水蒸気は湿気を含んだ微細な空気泡部22となり、当該合成樹脂20との混合時の加圧下で均一に分散される。
更に、本発明に於いては、通常であれば、例えば、オレフィン系合成樹脂成分が当該セルロース繊維分に対して20重量部以下の場合には、セルロース分の嵩密度が大きい場合良好な混合が出来ない。
即ち、紙のセルロースの場合、嵩密度は混合機内では40Kg/m3となり、混合するオレフィン系樹脂が700Kg/m3で嵩密度は、紙のセルロース分が当該合成樹脂成分の17.5倍に達する。
その為、当該嵩密度の大きな差により混合時に当該合成樹脂成分の熔融温度に達しても比重の軽い糸状微細解繊維21は当該混合機1の上部で回転しながら浮上し、当該合成樹脂成分が当該セルロース分を取り込める環境にない。
その結果、当該混合機1内では、当該セルロース分は温度上昇を続け炭化状態になる。
尚、その結果、当該セルロース分は毛羽立ちを減らせた質量の大きいセルロースの集合体になり混合時の炭化を防ぐことになる。
これに、更に、シリコンオイルを加える事により、一層、混合に不利な毛羽立ちを軽減させると同時にシリコンオイル分が糸状微細解繊維の被膜を形樹脂の熔融熱による炭化を防ぐ事になる。
この状態に比重の重いタルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を付着させると比重が重くなり樹脂と混合がしやすくなる。
また、カルシウム分によりセルロース分は熔融時の高温から炭化を守ることになる。
本発明に於いては、当該セルロース系繊維21は、使用済みの紙管、或いは紙管の製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材から取得されたものである。
更に、本発明に於いては、当該合成樹脂組成物100を構成する合成樹脂成分は、回収された使用済みの各種合成樹脂製品から再生された組成物である事が望ましい具体例である。
即ち、本発明に於ける当該第2の態様は、上記した通り、当該使用済みの紙管、或いは紙管の製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材等から、少なくとも100μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な開繊繊維21を製造する為の紙管分解装置10であって、基本的には、従来公知の混合装置としての機能を有する装置をベースとする装置1であって、その基本的技術思想としては、
略中空円筒型を有する固定処理槽1と、当該固定処理槽1の底部2に設けられている、所定のモーター手段4により回転される回転軸部3と、当該固定処理槽1の下端部2で、当該回転軸3に、当該回転軸線方向Pに沿って、適宜の間隔を介して、個別に固定されて回転する複数枚の回転刃部5とから構成されており、当該回転刃部5は、好ましくは、3枚の回転刃部5(5−1,5−2,5−3)で構成されており、それらの回転により、当該固定処理槽1内に、水分の存在が皆無か僅かな水分が存在するという環境下に投入された、適宜の大きさに粉砕されている当該合成樹脂成分20と回収されたままの状態にある当該紙管或いは当該紙管端材21に、矢印Fで示す様な、当該固定処理槽1の中心縦軸線Pの周りで旋回する様な旋回運動と、当該固定処理槽1の中心縦軸線Pを含む面内に沿って、矢印G1で示す様な、当該中心軸線Pに沿って下方に向かう運動と、矢印G2で示す様な、上方に向かう運動とが一体的に行われる循環運動とを与える様に構成されている紙管分解装置10が示されている。
当然のことながら、紙或いは繊維布帛或いは石膏ボード等を当該合成樹脂組成物の骨材に使用して、それらを破砕させたり、破断させたり、分離させたりする操作を行って、繊維成分をそれらから抽出して、当該合成樹脂組成物の中に混ぜ込むという技術は、既に知られている。
即ち、この大きな理由は当該合成樹脂成分と繊維成分とを混合する際、混合条件を良くするために繊維成分は出来るだけ細かい粒子にする必要があった。
係る操作を行うと、当該繊維が粉砕されて細かくなり、その結果、当該繊維成分の表皮が毛羽立ちを起こし、当該樹脂成分との混合の際、当該樹脂成分が当該繊維成分の毛羽立ちに入り込めず空隙が生じる結果、当該合成樹脂成分そのものの強度が出ないと言う結果を来していた。
しかし、上記したよう混合条件を採用したとしても、当該繊維成分を当該合成樹脂と混合する際に、当該合成樹脂成分の混合操作によって発生した内部加熱による熔融熱が当該繊維成分に加わると、当該繊維成分は炭化してしまい、骨材としての機能は、全く果たせないのが実情で有った。
一方、海外での繊維成分を骨材として再生合成樹脂組成物を製造する例を見てみると、例えば、紙のリサイクルが盛んなフィンランドにおいては、当該使用済みの合成樹脂成分と紙とを混合する際に於いて、当該混合操作に負荷の掛かる紙の毛羽立ちを回避するため紙の分離方法を、従来の粉砕方法ではなく、切断方法を採用し、当該紙から得られる繊維成分を細かくしている。
一方、強度面に対しては、繊維成分の粒子が大きいので、炭化による強度低下は起きないが当該繊維成分の粒子が大きいので、当該合成樹脂内での分散が均一では無くなり、部分的な強度が低下する結果となる。
つまり、当該繊維成分が単に細いだけであると、上記した様に、当該合成樹脂成分との混合処理時に炭化してしまう恐れがあるが、本発明では、当該繊維成分は、その長さが従来技術におけるものよりも格段に長く設定する事が可能であり、当該炭化の危険は、確実に回避する事が可能である。
処で、本発明者は、本発明に於いて、当該繊維成分の様な、ねじれを有すると共に、細く長い繊維を作る方法を更に鋭意検討した結果、粉砕機能を有する通常の混合機に、繊維成分を含む当該骨材と当該回収された合成樹脂成分とを投入し、適宜の回転刃体部を回転させて、当該骨材を破断、粉砕処理しながら、当該合成樹脂成分も撹拌処理操作が付与されている状態に於いて、当該骨材は、当該混合機内の当該回転刃体部の刃部に当たり、それによって、直接的に破断、裁断、切断されるのではなく、当該骨材は、当該混合機内で間接的に当該回転刃体部の刃部に当り、そして、当該骨材は、当該回転刃体部の回転によりねじられて細く長くなっていく事が知得出来たものである。
つまり、本発明に於いては、特に切れない刃物が回転する事により当該開繊された当該繊維成分にねじれ或いは捩れ、或いは湾曲状、折畳状、折り曲げ状等の形態が生じた結果であった。
つまり、本発明における、当該紙管分解装置10に於いては、当該繊維成分が当該紙管分解装置10内に設置された当該回転刃体部(スクリュウーの刃)に当該骨材がぶつかって上昇する工程と当該紙管分解装置10の中心軸を中心として旋回する工程とが継続的に繰り返される事によって生じるものである。
当該出力を上げれば回転刃体部(スクリュー)に掛かる抵抗値も当然上がるため、当該回転刃体部(スクリュー)の材質及び構造を再検討しなくてはならない課題が残る。
これらの課題を解決しなければ繊維有効長の目標の400μは確保できない。
即ち、本発明に於ける当該紙管分解装置10に於いては、図3に示すように、当該それぞれの回転刃部5−1、5−2及び5−3は、その回転方向は、特に特定されるものではないが、好ましくは、それらの内の少なくとも2つの当該回転刃部5は、同一方向に回転する様に構成されている事が好ましく、場合によっては、当該回転刃部5の全てが、同一方向に回転する様に構成されているものであっても良い。
つまり、本発明に於ける当該紙管分解装置10に於いては、当該3枚の回転刃部の内の少なくとも1枚の回転刃部は、その他の回転刃部の回転数とは異なる回転数で回転する様に構成されている事も好ましい具体例である。
又、本発明に於ける当該紙管分解装置10に於いては、当該3枚の回転刃部の内、当該固定処理槽1の底面部2に近接して配置されている第1の当該回転刃部5−1は、当該回転刃部5−1の長手方向軸線Lの両端縁部9が上方に向けて折り曲げられており、当該折り曲げ部90の外壁部91は、当該固定処理槽1の円筒型内壁面92に近接して配置されている事が、望ましい具体例である。
一方、本発明に於ける当該紙管分解装置10に於いては、当該3枚の回転刃部の内、当該第2の当該回転刃部5−2の上面部に近接して配置されている第3の当該回転刃部5−3は、当該回転刃部5−3の長手方向軸線Lの両端縁部9に湾曲状部が設けられており、且つ、当該回転刃部5−3に於ける中央部Cで、当該回転軸3と接合される部位の両側部分95には、所望のひねり部92が形成されている事も好ましい具体例である。
更に、本発明に於いては、当該3枚の回転刃部5−1、5−2及び5−3の一部或いは全部が、当該紙管或いは紙管端材等からなる適宜の骨材に対して、回転しながら、せん断操作とねじれ操作を繰り返し付与するように構成されているものである。
即ち、本発明に於ける当該第3の態様としては、その構成の一部が、既に上記に於いて、開示されているが、端的に説明するならば、上記した本発明に係る当該第1の態様に係る当該繊維成分入りリサイクル可能な再生合成樹脂組成物100を製造する為の方法の一具体例を示すものである。
即ち、本発明に係る当該繊維成分入りリサイクル可能な再生合成樹脂組成物100を製造する方法としては、基本的には、以下に示す様な基本的技術構成を採用しているものであり、具体的には、使用済みの紙管32、或いは紙管製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材32と使用済みで回収された合成樹脂31とを、当該使用済みの紙管或いは当該紙管端材32にせん断作用と捻じれ作用を付与する機能を有する単一の粉砕・混合槽1内に投入して、当該使用済み合成樹脂成分31を溶融状態に構成せしめると同時に、当該使用済みの紙管或いは当該紙管端材32を、少くなくとも100μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態33が保持されている微細な繊維に開繊することにより、当該合成樹脂組成物100内に当該開繊された繊維成分21が分散配合された合成樹脂組成物100を製造する第1の工程と、当該第1の工程で製造された当該合成樹脂組成物100を適宜の造粒装置(図示せず)内に投入し、当該合成樹脂組成物31の溶融温度よりも高い温度となる様に更に混合処理操作を継続する第2の工程と、当該第2の工程で製造された当該合成樹脂組成物100を成形金型内部(図示せず)に投入して、成形加工処理を行う第3の工程と、から構成されている特徴とする再生合成樹脂組成物の製造方法である。
更に、本発明に於ける当該第1の工程においては、当該繊維成分を内蔵する骨材が持つ水分の少なくとも一部を当該溶融過程にある当該合成樹脂組成物内に残留させ、それによって、当該混合工程に於いて、当該骨材から分離・開繊された繊維成分21が、高温度に上昇している当該合成樹脂組成物内で炭化する事を防止するという新規な技術構成を採用するものである。
つまり、本発明に於ける当該第1の工程に於いては、混合時の材料計量についても、本発明の技術構成を採用する事により、混合テクニックの工程を簡素化できる。
即ち、従来技術に於いては、当該樹脂と紙等の混合処理操作に際しては、通常紙などを粉砕機で粉砕するが、当該粉砕も荒粉砕、粉砕、微粉砕と工程ごとに粉砕機が異なり材料の投入と取り出しを繰り返し粉砕し最終的な粉砕物を計量し所定配合で混合機の中に投入する必要があった。
また、幾ら嵩密度が上がっても混合機内は限られた空間しかなく嵩密度が増えても圧縮され、樹脂との混合状態になる。
つまり、樹脂と混合された後は嵩密度は激減し、当該混合機内では500Kg/m3程と当初の紙のセルロースの嵩密度の40Kg/m3と比較すると1/12.5まで減少する。
この場合は混合機内の熔融時間が短縮でき造粒機で仕上げる事により混合機による混合バッチ式で有るが、造粒機との併用で混合がスパイラル式となる。
当該造粒機は2軸の高回転スクリュータイプを使用して高温の170℃でも混練時間が60秒以内で有ればセルロース分は炭化せずに混合可能となる。
即ち、本発明に於いては、上記した通り、当該第1の工程に於いて形成された、少なくとも200μ程の長繊維入り合成樹脂組成物を適宜の造粒機に投入し、当該合成樹脂組成物の当該繊維成分との混合を更に一層助長する。
当該造粒機としては、特に限定されるものではないが、例えば、2軸スクリュータイプの造粒機を使用することを予定しているが、この利点は紙繊維と樹脂との混合時間が早く繊維長が寸断されず混合可能となる。繊維長が確保されていればペレットの機械強度は向上する。
また、連続的な造粒システムにより時間当たりの造粒量の想定を150Kgとしているが、一般的な単軸スクリューによる造粒量の約2倍が期待できる。
この事はダイレクトに製品コストにつながる事になる。
当該繊維がどのくらいの長さで樹脂内に介在しているかは、強度テストにより逆算算定になるが、平均300μを下回る。
更に、当該造粒速度が早ければ繊維長が寸断する事もないが、単軸では時間が掛かるのは避けられない。
これらの目標造粒値は170℃以下で加熱エリア通過時間は1分以内で、1時間当たりの造粒量は150Kgを目標数値にしている。
即ち、本発明に係る当該再生合成樹脂組成物の製造方法に於ける当該第1の工程に於いて、当該粉砕・混合槽10内に投入される当該使用済み紙管もしくは当該紙管端材32の含水水分率が8%以下、このましくは5%以下に設定されているものを使用する事が好ましい。
更に、本発明に係る当該再生合成樹脂組成物の製造方法に於ける当該第1の工程に
於いて、当該粉砕・混合操作を継続中に、当該粉砕・混合槽内に於ける当該再生合成樹脂組成物31の溶融温度が110度(℃)から130度(℃)、好ましくは110度(℃)から120度(℃)近傍温度で、且つ当該開繊された微細開繊繊維32の炭化開始温度近傍以下の温度に到達した時点で、当該粉砕・混合操作を中止する事も好ましい具体例の一つである。
於いて、当該粉砕・混合操作を継続中に、当該溶融状態の当該再生合成樹脂組成物31と当該開繊された微細開繊繊維32との混合物内の含水率が3%以下、好ましくは2.5%以下になる様に調整される事が好ましい。
一方、本発明に係る当該再生合成樹脂組成物の製造方法に於ける当該第2の工程に於いては、当該第1の工程に於ける粉砕・混合槽内の当該再生合成樹脂組成物の溶融温度よりも高い160度(℃)〜180度(℃)、好ましくは160度(℃)〜170度(℃)の温度で、且つ嵩密度も低下した状態で混合処理操作を継続する事が望ましい。
尚、本発明に於いては、上記した様に、使用済みの紙管或いは製造工程で発生する紙管端材を主たる骨材として使用する事を前提として技術開発が行われて来たが、本発明で使用し得る当該骨材としては、従来からその処理が問題とされている、一般の紙、新聞紙、石膏ボード、ダンボール、バージン紙、離型紙、牛乳パックの様な樹脂ラミネート紙、ベーク紙等も使用出来るものである事は言うまでも無い。
続いて、以下に、本発明に係る当該繊維成分入り再生合成樹脂組成物の製造方法の一実施例を具体的に説明する。
図3に開示された3枚の相互に異なる回転刃体部5を備えた紙管分解装置10を用意した。
当該紙管分解装置1の内部容量は300Lタイプのものとし、図3で示されている3種類の回転刃体部(5−1,5−2,5−3)を図3に示す様な順番で、当該紙管分解装置10の回転軸3に、当該固定槽の下端部に取り付けた構造のものを使用した。
当該紙管分解装置10内部に紙管或いは紙管端材32と回収された使用済み合成樹脂組成物で、適宜の大きさに裁断されたチップ状の合成樹脂組成物31とを投入し、当該回転刃体部5を同時に回転させて、当該紙管或いは紙管端材32に、せん断処理操作及び捩れ処理操作を与えながら当該紙管或いは紙管端材32を解繊しながら、内部発熱効果により溶融状態となっている当該合成樹脂組成物31と混合した。
又、当該紙管32と当該合成樹脂組成物31との割合をいくつにするかにもよるが、当該紙管32は0部に近い状態から85部まで混合する事は可能である。
その為、本実施例では、当該紙管32とポリプロピレン(PP)系の合成樹脂とを使用した。
一方、本実施例で使用する当該紙管分解装置1からなる混合機内の混合物重量が、当該混合機と合成樹脂組成物31との配合率により混合機内の環境が大きく変わるので、更に検討した結果、上記事例の場合、当該投入量が100Kg以下が効率が良いとされるのは当該紙緘2と当該合成樹脂組成物31との割合が50対50が限界となり、それ以上紙管成分が多くなれば混合効率と仕上がり重量は低下する事が判明した。
この場合、投入される50Kgの紙管は粉砕前は、みかけ比重がやや大きいものの、粉砕して解繊していくにつれて当該みかけ比重は膨大になる。
通常の粉砕機で粉砕してもみかけ比重はおおきくなり、微粉砕をしていく上で何度も粉砕機を変えて粉砕するが、この際、解繊された紙成分を機械から取り出し別の粉砕機に投入する事は容易ではない。
つまり、当該混合機内で当該紙成分は、当該合成樹脂組成物31と混合処理が終了するまで、練りきる事が可能となる。
1つ目の理由としては、当該混合機内で当該合成樹脂組成物と当該繊維成分32とが完全混合する場合は、1分間に1100回転から1200回転で、約23分で完了する。
しかし、混合開始から18分で合成樹脂組成物の温度は120℃に達するので、当該紙管或いは紙管端材32から解繊された当該繊維成分にとって、120℃は炭化開始温度になる。
炭化した解繊繊維成分21は繊維長を無くし、当該合成樹脂組成物と混合しても機械強度を上げる方向にはなり得ないフィラとなる。
そのため混合機で仮混合して、かさ密度を下げてから、造粒機に投入可能なものとして造粒を行う必要が存在するのである。
本実施例に於いては、当該造粒機として、100HP以上で2軸のパラレルの75mmを採用した。
係る高出力の2軸機は、混合力があり170℃に加熱されたバレル内を通過時間60秒以内で通過造粒させる事で170℃にさらされた解繊でも炭化せずに造粒可能となる。
つまり、当該混合機内で完全熔融混合された樹脂組成物の含水率は0%となる。
当該含水率が有れば、合成樹脂製品は、成形時に発泡状態を起こし成果物の強度は低下する。
一方、当該合成樹脂組成物の重さを左右するのは、当該合成樹脂組成物固有の重量特性の他、発泡させる手段である。
即ち、本実施例の場合、当該紙管或いは紙管端材32は、含水率が5%前後ある。
このまま当該紙管或いは紙管端材32を当該合成樹脂組成物と混合させた場合、当該合成樹脂組成物の熔融熱で、当該水分は脱気される。
実際の混合機内で、当該合成樹脂組成物の温度が80℃を超えてくると、脱気状態は加速され、混合開始から15分が経過すると当該合成樹脂組成物の温度は105℃に達し、含水率は半減し2.5%程となる。
このタイミングで、シリコンオイルを投入すると糸状微細解繊は、シリコンオイルを吸収して紙縒り状態を記憶する事になる。
一方、この時点で、当該繊維成分である、糸状微細解繊の含水率は2.5%あり、その上からシリコンオイルをコーティングする事によって、120℃の高温化でも水分蒸発速度は減少させる事が可能となる。
この2%前後の水分を持つ造粒体を成形機に投入して成形を行うと、成形機のバレル内で気圧が下がった状態で水分は蒸発する。
この気圧が下がった状態での水蒸気は非常に細かい泡となり樹脂から抜け様とするが水分の抜けるところが無い金型内で、この現象が起こった場合は、当該合成樹脂組成物内に気泡として残る。
係る合成樹脂組成物の成形物は、加圧して成形されるため、成形物のスキン層は硬度が増す。
係る構成は、当該合成樹脂組成物を建材に使用する際、当該スキン層の硬度が高いため接合の際はビス止めが一般的である。
係る問題は、当該合成樹脂組成物を発泡させれば回避できる話であるが、釘の質量が逃げても引き締める力が落ちるため、引き抜き強度に問題を抱えていた。
しかし、本実施例で得られた、当該発泡部22を含む合成樹脂組成物に於いては、当該発泡部22が釘の質量が逃げて、くぎ打ちが出来る合成樹脂組成物になる事は勿論、合成樹脂組成物に介在された糸状微細解繊が釘を内部から締め付けて引き抜き強度が増す事になる。
尚、当該表1の特性値の中で、開発樹脂と指定されている製品が、本発明の上記実施例により製造された繊維成分混入合成樹脂組成物100の特性値を示すものであり、WPC樹脂と指定されている製品は、比較例として採用された、従来公知の木粉入り合成樹脂組成物の特性値を示すものである。
係る比較実験の結果から判断すると 本発明に係る当該繊維成分混入合成樹脂組成物は、従来、木質調の建材として周知となっているWPC樹脂に比べて、比重が小さく、軽量であって、且つシャルピー衝撃強さが著しく高く、合成樹脂組成物としての強度、粘り性等で優れた特性を有する事が判る。
更に、本発明に係る合成樹脂組成物は、従来のWPC樹脂に比べて曲げ強度及び荷重たわみ温度が高く、反面、線膨張率が低いという好ましい特性を有する事も明らかである。
尚、表1には記載はないが、本発明に係る当該繊維成分混入合成樹脂組成物の表面固有抵抗値は106から107であり、上記のWPC樹脂に比べて良好な帯電性特性を有するものである事は確認済みである。
当該図4乃至図7に示す通り、本発明に係る当該実施例により製造された当該繊維成分混入合成樹脂組成物では、ポリプロピレン系合成樹脂組成物からなる海成分の中に、多数の細く且つ長尺状のセルロース繊維群が略均一的に分散配置されており、然も、当該各セルロース繊維の多くは、湾曲状や折れ曲がり状、或いは捻じれ状の形態を持って配列されており、更に、個々のセルロース繊維も比較的扁平な形状を呈しつつ、部分的に捩れや捻じれ部分を有し紙縒り状態を呈している事が分かる。
ちなみに、上記実施例に従って作成された当該セルロース繊維混入合成樹脂組成物100を使用して試作したペレットをもちいて、射出成形にて一般的な円筒形の筒体及び皿状体及びキャップの成形を行った。
その結果は、通常の射出成形方法で得られる各種の合成樹脂組成物を使用して製作された製品と同一の製品が容易に製造する事が出来た。
その結果を表2に示す。
尚、下記表2中、第6番目のPE/紙管 30%(乾式繊維保存法)のものが、本発明に係る合成樹脂組成物で製作された製品の特性値を示している。
この事は、紙から分離・開繊された多くのセルロース繊維がプラスチックに強固に絡み合い、その結果、曲げた後の復元力が向上していると推測できる。
その結果を表3に示す。
その理由としては20%以下では紙成分が少なく当該合成樹脂間の通電をブロック出来ないと推測する。
最も一般的に用いられている合成樹脂の帯電方法は、界面活性剤を練り込む(内部添加)か、表面塗布する方法で、当該合成樹脂の表面に存在する親水性の高い界面活性剤に吸着した気中の水分を通して静電気を漏えいさせ、帯電防止効果を得る方法である。
一方、紙管古紙入り合成樹脂の競合商品は、木粉入り合成樹脂であるが、当該木粉入り合成樹脂も帯電防止に効果が有るとされているが、概ね混合率が30%以上で効果が出ると言われている。
つまり、107の抵抗値はほぼ静電気が起きない状態である。
しかし紙の含有量を増やしても抵抗値はさほど上がらない結果もある。恐らく紙成分の親水性に左右されていると考える。
こうして、有機質の紙成分が帯電防止材として有効である事が分かった。
上記した様に、これまでに、紙のリサイクルは確立している。
即ち、当該リサイクル方法は、通常、古紙を水が入った巨大なミキサー(パルパー)に古紙を投入し、ミキサーの底にあるスクリューの回転力によって水と混ざって繊維にほぐされる湿式リサイクル方法にてリサイクルしている。
これらのリサイクルが困難な古紙は焼却処分に回ってしまう。
本発明に係る主たる課題は、前記した通り、紙或いはセルロース入りのハイブリッド樹脂の紙成分は紙管古紙であって、当該紙管古紙は紙管原紙と呼ばれる板紙を接着剤にて積層していくため硬度が著しく高い。
従って紙管古紙は湿式リサイクル方法では容易にリサイクル出来ず、更には、積層工程で接着剤を使用する為、接着剤(樹脂成分)を除去するのも困難であった。
従って、本発明に於いては、これらのリサイクルが困難な紙を従来のリサイクル技術とは全く異なる方法で、紙管古紙を繊維状に戻し(乾式繊維保存法)樹脂と溶融混合させた当該ハイブリッド樹脂の開発が目的であった。
即ち、従来の水による湿式で繊維を作ることは普通の古紙なら簡単であるが、古紙が含水して乾燥工程も行う必要がある。
本発明に於いては、容易にほぐすことが出来ない紙管古紙を使用する事と、当該紙管古紙に樹脂成分の付着がある事から、従来の湿式方式では繊維状にする事が困難であり乾式にて長繊維に戻し、付着した樹脂も樹脂との混合で問題のない性分化させる新規性のある紙のリサイクル方法を開発したものである。
そして、本発明に於いて、当該混合されたフィラ成分は有機物で長繊維であり、それらが、当該合成樹脂組成物の内部に介在し強度がある合成樹脂組成物が形成されるのである。
処で、従来の紙成分が混合している合成樹脂は紙成分を微粉砕してパウダー状で樹脂と混合するのが通常である。
その理由は、紙と樹脂は親和性がなく互いに界面を作り阻害し合うため出来るだけ微粉体にして混合率を高めている。
しかし、微粉砕すればするほど紙粒子は細かくなり樹脂を補強する骨材としては期待できなくなり、更に粉体になった紙は樹脂との溶融混合の際、樹脂の溶融熱(175℃前後)で炭化してしまうと言う技術のリスクがある。
処で、容器リサイクル法で管理され国の助成金が付き容器リサイクルポリエチレン樹脂は市場価格の1/3程度の金額で入手できるが単体での使用は強度的に安定しない。
その弱点とはポリエチレンはHDPE(ハイデンポリエチレン)とLDPE(ロウデンポリエチレン)がある。
容器リサイクルでの回収はこの割合が特定できない。
リサイクル可能な製品を作るに当たりリサイクルされた樹脂はリサイクル後も物性が担保される必要がある。またリサイクル可能な製品を製造する材料はリサイクル品である事が望ましい。
2…底部
3…回転軸部
5(5−1,5−2,5−3…)回転刃部
6…本体ブレード部
7…側縁部
8…刃体部
9…両端縁部
10…混合機、紙管分解装置
21…紙管端材
22…発泡部
23…シリコンオイル
31…合成樹脂成分
32…使用済みの紙管、
80…端縁部
90…折り曲げ部
91…外壁部
92…円筒型内壁面
95…両側部分
100…再生合成樹脂組成物
Claims (20)
- セルロース系繊維からなる少なくとも100μ、好ましくは200乃至1000μ、更に好ましくは、200乃至500μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な繊維が、合成樹脂組成物内に分散配合されていることを特徴とするリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 当該セルロース系繊維からなる微細な繊維が、合成樹脂組成物内に20乃至60重量%、好ましくは、20乃至50重量%分散配合されていることを特徴とする請求項1に記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 帯電性能が106乃至107で、曲げ強度が30乃至60MPa、好ましくは30乃至50MPa、更に好ましくは、40乃至50MPaで、且つ曲げ弾性率が3000乃至4000MPa、好ましくは3400乃至4000MPa、更に好ましくは、3600乃至39MPaである事を特徴とする請求項1又は2に記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 当該合成樹脂組成物内部に、シリコン系組成物が混在されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 当該合成樹脂組成物内部に、気泡部が混在せしめられている事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 当該セルロース系繊維は、使用済みの紙管、或いは紙管の製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材から取得されたものである事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 当該合成樹脂組成物を構成する合成樹脂成分は、回収された使用済みの各種合成樹脂製品から再生された組成物である事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- くぎ打ち可能な請求項1乃至7の何れかに記載のリサイクル可能な繊維成分混入合成樹脂組成物。
- 請求項6に記載された使用済みの紙管、或いは紙管の製造工程から排出される製造廃棄物である紙管端材から、少なくとも100μの繊維長を有し、且つ湾曲状、折り曲げ状或いはねじれ状等の形態を保持している微細な開繊繊維を製造する為の紙管分解装置であって、当該紙管分解装置は、略中空円筒型を有する固定処理槽と、当該固定処理槽の底部に設けられている、所定のモーター手段により回転される回転軸部と、当該固定処理槽の下端部で、当該回転軸に、当該回転軸線方向に沿って、適宜の間隔を介して、個別に固定されて回転する複数枚の回転刃部とから構成されており、当該複数枚の回転刃部の回転により、当該固定処理槽内に、水分の存在が皆無か僅かな水分が存在するという環境下に投入された当該合成樹脂成分と当該紙管或いは当該紙管端材に、当該固定処理槽の中心縦軸線の周りで旋回する様な旋回運動と、当該固定処理槽の中心縦軸線を含む面内に沿って当該中心軸線に沿って下方に向かう運動と上方に向かう運動とが一体的に行われる循環運動とを与える様に構成されている事を特徴とする紙管分解装置。
- 当該それぞれの回転刃部は、同一方向に回転する様に構成されている事を特徴とする請求項9に記載の紙管分解装置。
- 当該それぞれの回転刃部は、同一回転数の下で回転する様に構成されている事を特徴とする請求項9に記載の紙管分解装置。
- 当該それぞれの回転刃部の内の少なくとも1枚の回転刃部は、その他の回転刃部の回転数とは異なる回転数で回転する様に構成されている事を特徴とする請求項11に記載の紙管分解装置。
- 当該回転刃部の枚数は3枚である事を特徴とする請求項11に記載の紙管分解装置。
- 当該3枚の回転刃部のそれぞれは、本体ブレード部に於ける中央部で、当該回転軸と接合される部位の両側部分に於いては、当該本体ブレード部が回転する方向に面した側縁部に、切れ具合を鈍化させた刃体部が設けられている事を特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の紙管分解装置。
- 当該3枚の回転刃部の内、当該固定処理槽の底面部に近接して配置されている第1の当該回転刃部は、当該回転刃部の長手方向軸線の両端縁部が上方に向けて折り曲げられており、当該折り曲げ部の外壁部は、当該固定処理槽の円筒型内壁面に近接して配置されている事を特徴とする請求項14に記載の紙管分解装置。
- 当該3枚の回転刃部の内、当該第1の当該回転刃部の上面部に近接して配置されている第2の当該回転刃部は、当該紙管に対して、主としてせん断的機能を付与するように構成されており、且つ当該刃体部の端縁部の厚みを厚くして、切れ具合を悪化させた構造を有している事を特徴とする請求項14に記載の紙管分解装置。
- 当該3枚の回転刃部の内、当該第2の当該回転刃部の上面部に近接して配置されている第3の当該回転刃部は、当該回転刃部の長手方向軸線の両端縁部に湾曲状部が設けられており、且つ、当該回転刃部に於ける中央部で、当該回転軸と接合される部位の両側部分には、所望のひねり部が形成されている事を特徴とする請求項14に記載の紙管分解装置。
- 当該ひねり部のひねり角度は5度から20度であり、且つ当該ひねり部のひねり方向は、当該刃体部の端縁部が下方に向かう様な方向である事を特徴とする請求項14に記載の紙管分解装置。
- 当該各回転刃部の回転数は、400〜1600回/分である事を特徴とする請求項7乃至16の何れかに記載の紙管分解装置。
- 紙管に対して、せん断操作とねじれ操作を繰り返し付与するように構成されている事を特徴とする請求項9乃至19の何れかに記載の紙管分解装置。
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