JP2009138022A - 熱可塑性複合材料組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】非石油原料由来のバイオマス度の割合が高く省資源で、焼却残渣のない環境にやさしく、品質が安定した高強度、高耐熱変形性、高寸法安定性の複合材料組成物を提供する。
【解決手段】
平均重合度が350から1000であり、結節強度が1.5〜5.0cN/dtexであるセルロース系再生繊維を1〜60質量%含有したことを特徴とする熱可塑性複合材料組成物である。
熱可塑性樹脂の融点が、100〜230℃であり、190℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが0.1〜100dg/minであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。さらに、セルロース系再生繊維の平均単繊維径が1〜30μm、平均単繊維長が、0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1、請求項2記載の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。特にセルロース系再生繊維が、不織布、織布、編み物の中から選ばれた1種またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。また、熱可塑性樹脂がバイオマス材料であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4記載の熱可塑性複合材料組成物が特に好ましい態様である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性複合材料組成物に関する。詳しくは、セルロース系再生繊維と熱可塑性樹脂からなる複合材料組成物に関する。さらに詳しくは、重合度が高く、結節強度が高いセルロース系再生繊維と、融点が100〜230℃であり、中粘度の熱可塑性樹脂からなる複合材料用組成物である。強度・剛性、耐衝撃性、耐熱変形性に優れた、サーマルリサイクルで、最終埋め立てが必要となる燃焼残渣が殆どなく、環境にやさしい複合材料組成物に関する。本発明の樹脂組成物を射出成形や圧縮成形して得られた成形品は、自動車部品、電気・電子部品、日用器具、OA機器部品、土木建築材料などに使用される。熱可塑性樹脂がバイオマスであることが好ましい態様である複合材料組成物である。本発明の複合材料組成物は、バイオマス度が高く、さらに熱可塑性樹脂がバイオマスであることが好ましい態様である複合材料組成物であり、省石油資源が達成される。
従来、主にガラス繊維や鉱物のような強化材と不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂から高性能の複合材料が製造されていた。その後、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂のようにガラス繊維と熱可塑性樹脂を組み合わせた生産性の高い複合材料が開発され、広く使用されてきた。特開2001−121571に開示されるように現在でも適正化した開発が進んでいる。また、特許3073988号公報に開示されたようにガラス繊維からビニロン繊維やポリエステルなど合成繊維への代替が研究された。しかし、強度、剛性がガラス繊維に比較して大きく劣ることや合成繊維の原料は石油資源に依存することから実用化は進まなかった。また、近年、特開2001−179716、特開2002−144329に開示されるように、ケナフやジュウトのような天然繊維の応用も開示されているが、品質の安定性に欠けることや、繊維中の使用可能分率が低く、工業的成形材料としては難題があった。近年、地球環境保護の面から生分解性材料が注目されるようになった。樹脂としては、とうもろこしやサトウキビや芋類から生産されるポリ乳酸系樹脂やポリヒドロキシアルカネートやポリブチレンサクシネート、デンプンの開発研究が進んだ。日本では、2003年頃から、石油価格高騰や枯渇問題が取り上げられ、生分解性樹脂とういう狙いから、社会的に非石油資源由来のバイオマス材に開発のターゲットがシフトされてきた。社会要請は高いが、工業部品として品質が安定して、量産可能なバイオマス系複合材料の開発は、なかなか目標達成に進まなかった。従って、品質が安定し耐久性のある高性能の複合材料組成物の開発要請が強かった。
特開2001−121571 特開2001−179716 特開2002−144329 特許第3073988号
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、非石油原料由来のバイオマス度の割合が高く省資源で、生分解性度が高く、また焼却残渣のない環境にやさしく、品質の安定した強度・剛性・耐熱変形性の高い熱可塑性複合材料組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。(1)平均重合度が350から1000であり、結節強度が1.5〜5.0cN/dtexであるセルロース系再生繊維を1〜60質量%含有したことを特徴とする熱可塑性複合材料組成物である。(2)熱可塑性樹脂の融点が、100〜230℃であり、190℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが0.1〜100dg/minであることを特徴とする(1)の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。(3)さらに、セルロース系再生繊維の平均単繊維径が1〜30μm、平均単繊維長が、0.1〜10mmであることを特徴とする(1)又は(2)の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。(4)特にセルロース系再生繊維が、平均繊維長が25mm以上からなる不織布、織布、編み物の中から選ばれた1種またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする(1)又は(2)の熱可塑性複合材料組成物が好ましい態様である。また、(5)熱可塑性樹脂がバイオマス材料であることを特徴とする(1)〜(4)の熱可塑性複合材料組成物が特に好ましい態様である。
上記構成からなる本発明の組成物は、品質が安定し、且つ高強度・高弾性率、高耐熱変形性、高い寸法安定性を有し、省石油資源の材料組成物を提供する。また、ライフサイクルの最終段階で、埋め立てした場合生分解性度が高いことや、またサーマルリサイクルした場合も、灰分は殆どなく最終埋め立て分が少なく、地球環境にやさしい複合材料を提供することができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明に使用されるセルロース系再生繊維は、天然パルプやコットンリンターなどのセルロース系天然繊維を一度銅アンモニア溶液やN−メチルモルホリンーN−オキシド溶液やアルカリと二硫化炭素などの溶媒に溶解した後、湿式紡糸をして再配列された再生繊維である。一度溶解し、変性安定化した後、工業的に紡糸されているので、均一な繊維径や繊維長を有して、品質が大変安定化しており、材料に関する信頼度が高いものである。一般の再生繊維の重合度は150〜300程度で、結節強度が1.0〜1.3程度である。本発明に使用されるセルロース系再生繊維は、平均重合度が350から1000、好ましくは、400〜900と通常の再生繊維より高く、結節強度が1.5〜5.0cN/dtex、好ましくは、2〜4.5cN/dtexと通常のセルロース系再生繊維より高い結節強度を有する。引張り強度と結節強度は必ずしも相関を有しない。一般のセルロース系再生繊維は殆どフィブリル化しないが、本発明に使用されるセルロース系再生繊維は、フィブリル化する。複合材料の強度は、引張り強度より結節強度と相関性が高いことが見出された。これは、未だ明確ではないが複合材料中で、再生繊維がフィブリル化しやすいから繊維が交差したり、織られたり、編まれた場合の実用強度が高い効果によるものと推察される。平均重合度が350未満の場合、それから得られた再生繊維の引張り強度、特に結節部を含む結節強度が低く、その複合材料は本発明に十分な強度を有しない。また平均重合度が1000を超えると、紡糸時高い押し出し圧力が必要となり、製造工程上好ましくない。
本発明に使用される熱可塑性樹脂は限定されないが、セルロース系再生繊維の耐熱性から、融点が100〜230℃、好ましくは105〜200℃である熱可塑性樹脂が好ましい態様である。100℃未満では、使用環境の制約から市場性が低く好ましくない。また、230℃を超えると溶融成形の温度が230℃以上となり、再生繊維の劣化がおこるので好ましくない。融点が、100〜230℃の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリエチレンービニールアセテート共重合体、ポリエチレンーアクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリケトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアヂペート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアルカネート類、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアミド12、ポリマミド11、ポリアミド6やこれらの共重合体等が上げられる。ポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートなどは、イソフタル酸、アジピン酸、グルタミン酸、コハク酸、セバシン酸などの酸成分やエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール成分を共重合して融点を低下したものが特に好ましい。
これらの中では、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートーブチレンアジペート共重合体、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートーバリレート共重合体、ポリヒドロキシアルカネート類が、熱可塑性樹脂のバイマス度が高いので、本発明の目的達成のために特に好ましい態様である。
本発明に使用される熱可塑性樹脂の190℃、21.2Nにおけるメルトフローレートは、0.1〜100dg/minが好ましい態様である。特に、1〜70dg/minが好ましい。0.1dg/min未満では、再生繊維と樹脂の濡れ性が低下することと溶融成形時の流動性が低く金型への充填が困難となり大きな成形品に応用出来ないので好ましくない。また、100g/minを超えると母相を形成する熱可塑性樹脂の伸びが低下して、複合材料成形品が衝撃を受けた場合、繊維間の樹脂部分でクラックが発生しやすく好ましくない。
本発明に使用されるセルロース系再生繊維の場合、ポリマー溶液濃度、紡糸時のノズル径や紡糸条件により単繊維径は、調節可能ということが特徴のひとつである。本発明には、1〜30μm、好ましくは、8〜25μmの平均単繊維径のセルロース系再生繊維が使用されることが好ましい態様である。1μm未満では、かさ高となり複合化の作業性が困難となり好ましくない。また、単繊維の径が30μmを超えると、繊維の表面積が低下して補強効率が下がることや成形品表面の平滑性が低下して好ましくない。単繊維径は、樹脂で包埋した後、ミクロトームで切片とするか研磨し、顕微鏡を使用して断面積を円として換算して算定される。本発明に使用されるセルロース系再生繊維の断面は円形、異形いずれでもよいが、円形に近いものが好ましい。
また、本発明に使用されるセルロース系再生繊維は、紡糸により連続繊維として得られる特徴を有する。この連続繊維を、トウとして巻き取り、熱可塑性樹脂を含浸して複合材料とすることや、得られた連続繊維を不織布や織布、編み物として本発明に使用されることが出来る。また、連続繊維にバインダーを付けて集束した後、1〜15mm長に裁断して熱可塑性樹脂と複合化することでも製造される。また連続繊維を1〜60mm程度に裁断したあと紡績した紡績糸とした後熱可塑性樹脂と複合化することができる。複合材料の製造工程と成形方法に最適な単繊維の長さを選択し使用される。従って、本発明に使用されるセルロース系再生繊維の平均繊維長には制限はないが、射出成形や押出成形の場合、作業性と補強効果の面から、平均繊維長は0.1〜10mmであることが好ましい態様である。平均繊維長が0.1mm未満の場合、補強効果が低下して好ましくない。平均繊維長が10mm以上の場合、射出成形時や押し出し成形時に繊維が絡み合い繊維の分散性が低下して欠陥点が発生しやすいこと、流動性が低下することや表面平滑性が低下して好ましくない。組成物中の平均繊維長は、熱可塑性樹脂を溶融してスライドグラス上でフィルム状にして顕微鏡や投影機などを使用して実測し、ヒストグラフから計算される。
セルロース系再生繊維は、木綿や麻などの天然繊維やポリエチテレンテレフタレート繊維やポリアミド繊維、ビニロン繊維などと混紡した紡績糸としても本発明に使用される。
本発明の熱可塑性複合材料組成物は、成形法は特に限定されない。圧縮成形により成形も可能である。圧縮成形の場合、セルロース系再生繊維は、連続繊維や平均単繊維長が25mm以上である紡績糸、平均繊維長が25mm以上、好ましくは35mm以上である不織布、織布、編み物に熱可塑性樹脂を含浸して複合化や成形が可能である。繊維の末端は複合材の物性上欠陥点として作用する場合があるので、成形が可能であれば繊維長は長いほど好ましく、連続繊維が最も好ましい。天然セルロース繊維では平均繊維長に制限があるが、セルロース系再生繊維はこのような形態にしやすいことが特徴のひとつである。連続繊維や紡績糸、不織布、織布、編み物に熱可塑性樹脂を含浸して複合材料は、強度、特に耐衝撃性が高いので好ましい態様である。単繊維長が25mm以下ではクラックの伝播防止効果が小さく、強度、特に耐衝撃強度が低下して好ましくない。本発明に使用される不織布や織布や編み物は、20〜500、好ましくは100〜250g/mの布を重ねて複合化することが好ましい。20g/m未満では、補強効果が低く、500g/mを超えると目が詰まり繊維間への熱可塑性樹脂の含浸がしにくくなり好ましくない。
本発明では、樹脂や組成物の融点を、示差走査熱量計を使用して、試験体を10mgアルミパンに採取して、窒素40cm/min20℃/分流動雰囲気にて250℃まで昇温したときの、走査温度―熱量曲線上の融解吸熱のピーク温度と定義する。
本発明の熱可塑性複合材料組成物を得る製造法は特に限定されないが、本発明の効果を高めるには、予めペレット状および/または粉末状の熱可塑性樹脂とセルロース系再生繊維のカット品を予備混合して、押出機やニーダーや射出押出機に供給してせん断下で溶融混練する方法で複合した成形材料を作製して、これをさらに射出成形や押出成形や圧縮成形する方法がある。また熱可塑性樹脂を予め溶融し、これをセルロース系再生繊維に含浸する方法でプリプレグを作製して、プリプレグを型内で溶融して賦形する方法がある。またセルロース系再生繊維の織布や編み物を金型内に積層して、この上に熱可塑性樹脂の粉末やペレッレトを供給して、加熱溶融して圧縮含浸する方法などで製造できる。
本発明に使用される熱可塑性複合材料組成物には、いろいろな改質樹脂や安定剤、着色剤、流動性改良剤、離型剤、結晶核剤、繊維状強化材が配合される。これらは、複合化前後に混合することができるが、予め単軸押出機、2軸押出機やニーダーなどの装置を用いて、熱可塑性樹脂に混練することにより製造することが均一分配や均一分散ができるので好ましい。配合剤をより高濃度に含む組成物を予め溶融混練して、成形時にこれをマスターバッチとして混合することもできる。
本発明の熱可塑性複合材料組成物の用途は特に限定されない。本発明の熱可塑性複合材料組成物は、使用後に焼却した場合に残渣が殆ど発生しない点、バイオマス成分由来の原料を使用するので大気中の二酸化炭素濃度の増大を抑制できる点でエコロジー的に優れている。このエコロジー的に優れており、品質が安定している本発明の熱可塑性複合材料組成物は、高度な物性信頼性が要求される自動車、電気・電子機器、OA機器、家庭用具、など工業用途に使用される。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお明細書中の物性評価は以下の方法で測定した。
・ 引張り物性
熱可塑性複合材料の融点より15〜25℃高い温度に温度調節した東芝機械社製射出成形機IS80のホッパーに投入し、金型温度40〜60℃に温度調節した金型を使用して、ISO294に準じた多目的試験片を作製した。
圧縮成形の場合、融点より約20℃高い温度調節した加熱プレスを使用して、5分間加熱、50MPa荷重下で厚さ約3mmのボードを成形した。得られた多目的試験片やボードを23℃50%RH下で24H調湿した。これから試験片を打ち抜きISO527規格に準じて試験を行い、引張り弾性率、引張り強さを測定した。
・ ノッチ付シャルピー衝撃強度
(1)と同様に射出成形して得られた多目的試験片から東洋精機社製ノッチングツールを使用して、ISO179に規定されたノッチ付試験片を得た。また圧縮成形により得られた厚さ約3mmのボードからISO179に規定された試験片を切削し、ノッチングツールを使用してノッチ加工した。23℃50%RHの調節された試験室にて東洋精機製ユニバーサルインパクトテスター試験機を使用して、ISO179規格に準じてノッチ付シャルピー衝撃試験を行い、衝撃破断に要したエネルギーを求めた。
・ 荷重たわみ温度
ISO294−1規定の多目的試験片を射出成形により(1)と同様に成形した。この試験片から10mm×4mm×80mmの試験片を切り出した。東洋精機製ヒートデストーションテスターを使用して、ISO75−2に準拠して1.82MPa荷重下における荷重たわみ温度を測定した。
・ 平均重合度
JIS L1013の8.31に規定されている平均重合度測定法に準じて、酸化銅アンモニュウム溶液を使用して得られた相対粘度から平均重合度を算出した。
・ 結節強度
JIS L1013の8.6 結節強さに準じて、試験糸の中央部に結節を作り標準時試験を行い、結節強度を測定した。
実施例1〜8、比較例1〜4
実施例および比較例に使用した材料および表に示したそれらの略号は、以下の通りである。
<熱可塑性樹脂樹脂>
・ PBS−1:GS Pla AZ91T(ポリブチレンサクシネート、ダイアケミカル(株)、融点 114℃、メルトフローレート(190℃、21.2N) 5dg/min。
・ PLA:レイシア H100(ポリ乳酸、三井化学、融点176℃、メルトフローレート(190℃、21.2N)4dg/min。
・ PHB:Enmat E200(ポリヒドロキシブチレート、Tianan社)融点172℃、メルトフローレート(190℃、21.2N)21dg/min。
・ PP:ノーブレン W101(ポリプロピレン、住友化学)、融点165℃、メルトフローレート(190℃、21.2N)8dg/min。
・ PBT:バイロペットEMC700(ポリブチレンテレフタレート、東洋紡績)、融点226℃、メルトフローレート(250℃、21.2N)32dg/min。
<セルロース系化学繊維>
・ TF−A:レーヨン糸 EX1(再生繊維、東洋紡績、試作品)、1.7dtex,平均繊維長6mm、重合度550、結節強度 3cN/dtex。
・ TF−B:レーヨン糸 EX2(再生繊維、東洋紡績、試作品)、1.7dtex,平均繊維長3.5mm、重合度420、結節強度 1.9cN/dtex。
・ TF−M:レーヨン不織布 EX11(再生繊維、東洋紡績、試作品)、1.7dtex,平均繊維長38mm、重合度550、結節強度 3cN/dtex、単位面積当たり質量132g/m
・ TF−C:レーヨン織布 EX12(再生繊維、東洋紡績、試作品)、1.7dtex,平均繊維長50mm、重合度550、結節強度 3cN/dtex、単位面積当たり質量155g/m
上記材料を表1に示す配合比にドライ状態で予備混合し、これを熱風乾燥機で100℃3時間乾燥した後、その状態で180℃〜190℃(PBTの場合240〜250℃)に温度調節した東芝機械(株)製、2軸押出機TEM35(同方向回転)のホッパーに投入して、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練した。押し出されたストランドを水槽でクエンチした後ペレタイズした。
得られたペレットを熱風乾燥機で100℃にて3時間乾燥した後、シリンダー温度をホッパー側から180−185−190℃(PBTの場合、240−245−250℃)に温度調節した東芝機械(株)製射出成形機IS80のホッパーに投入して、ISO294−1に規定された多目的試験片を射出成形し評価用試験片を得た。
190℃に温度調節されたホットプレスを使用して、鉄板上に置かれたスペーサの間にセルロース系再生繊維からなるマットや布を表2に示したように積層しセットした。その布の中央部に、繊維含有率が表2示したようになるように計量した熱可塑性樹脂ペレットをセットして、3分間加熱溶融後10MPa加圧して含浸賦型し、シート状複合材を得た。
得られた試験片を23℃、50%RHにて24時間調整して、引張り試験、ノッチ付シャルピー衝撃強度、荷重たわみ温度を評価した。その結果を表1、表2に示す。
表1,2からも明らかなように、特定セルロース系再生繊維と特定熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合材料は、再生繊維を含まないベースの熱可塑性樹脂に比較して、高い引張り強度、かつ高い衝撃強度と高い荷重たわみ温度を有している。
Figure 2009138022
Figure 2009138022
本発明により、バイオマス度が高く、高強度・高耐熱性・寸法安定性が高く、品質が安定した成形品が得られることから、自動車部品や電気・電子部品・OA機器部品として使用される。またライフサイクルの最終にサーマルリサイクルした場合、灰分が殆ど残らず埋め立て分が殆ど発生しない。ライフサイクルの入り口と出口で地球にやさしい工業部品として利用される。

Claims (5)

  1. 平均重合度が350から1000であり、結節強度が1.5〜5.0cN/dtexであるセルロース系再生繊維を1〜60質量%含有したことを特徴とする熱可塑性複合材料組成物。
  2. 熱可塑性樹脂の融点が、100〜230℃であり、190℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが0.1〜100dg/minであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性複合材料組成物。
  3. セルロース系再生繊維の平均単繊維径が1〜30μm、平均単繊維長が、0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱可塑性複合材料組成物。
  4. セルロース系再生繊維が、平均単繊維長が25mm以上からなる不織布、織布、編み物の中から選ばれた1種またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱可塑性複合材料組成物。
  5. 熱可塑性樹脂がバイオマス材料であることを特徴とする請求項1〜4記載の熱可塑性複合材料組成物。

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