JP2016124639A - エレベータ用調速機ロープ振れ止め装置及びエレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した調速機ロープについても、非常止め引き上げ装置の昇降を妨げずに振れを十分に抑制でき、しかも乗りかごを安全に運行できる簡単な構造で低コストなエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置を提供する。【解決手段】ここでの非常止め引き上げ装置13に連結した調速機ロープ9の振れを抑制する振れ止め装置10は、昇降路の所定箇所に配備される複数の固定ブラケット12の一端寄り箇所にそれぞれかご側の壁面と対向する壁面が取り付け固定され、昇降路側に向かって繋がる壁面でロープ9を囲んでロープ9の振れを抑制すると共に、かご側の壁面の局部に設けられた開口部で非常止め引き上げ装置13の昇降を案内する他、装置10同士におけるかご側の壁面の開口部周囲の片部を互いにかごの昇降方向でワイヤ11により結合した構造とすることにより、ロープ9がダクトで覆われた構造と同等な機能を持たせている。【選択図】図2
Description
本発明は、建物に設備されるエレベータの昇降路内に配備されて乗りかごの昇降動作に同期して調速を行う調速機の調速機プーリを回転駆動する長尺物としてのループ状の調速機ロープの振れ止めを行うエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置及びエレベータ装置に関する。
従来、この種のエレベータの乗りかごの昇降動作に同期して調速を行う調速機の調速機プーリを回転駆動する調速機ロープについての振れ止めを行う周知技術として、例えば、地震が発生し調速機ロープが揺れると、調速機ロープが昇降路の内壁面に配設されている機器に絡まり、機器を損傷してしまう課題を解決した「エレベータの調速機ロープ振れ止め装置」(特許文献1参照)が挙げられる。
上述した特許文献1記載の技術は、調速機ロープ固定側を挿通させてその調速機ロープ固定側の振れを抑制する位置と乗りかごの昇降動作に伴う調速機ロープの取付部の通過時に取付部との干渉を回避する位置とになるように振れ止め具を駆動する振れ止め具駆動手段(バネ及びカムが協働する)を備えたものであるが、このような構成はエレベータの非常止め装置を構成する乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した調速機ロープには適用できるものの、係る調速機ロープについては、依然として地震発生等で振れると昇降路に設置した機器と干渉して機器を損傷したり、或いは機器に引っ掛かってエレベータの非常停止の要因となってしまうという虞がある他、部品点数が多くて構造が複雑であることにより昇降路での設置が煩雑となってコスト高を回避できないという問題がある。
また、通常エレベータの非常止め装置は、昇降路の頂部に設置された機械室に調速機を配置すると共に、ピット部に調速機返し車を設置し、調速機ロープを乗りかごの非常止め引き上げ装置に連結して各部を繋ぐようにして構成されるため、乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した調速機ロープの振れ止めについては、乗りかごの非常止め装置が関わることにより、通常のロープを囲うようなロープ振れ止め装置を設置することができないという事情があり、これによって係る調速機ロープが振れた際に昇降路に設置した機器と干渉し、上述したようなトラブルの発生を回避できないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した調速機ロープについても、非常止め引き上げ装置の昇降を妨げずに振れを十分に抑制でき、しかも乗りかごを安全に運行できる簡単な構造で低コストなエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置及びエレベータ装置を提供することにある。
上記技術的課題を解決するため、本発明は、建物に設備されたエレベータの昇降路内で乗りかごの昇降動作に同期して調速を行う調速機の調速機プーリを回転駆動するループ状の調速機ロープの振れ止めを行うエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置において、昇降路の所定箇所に配備されると共に、調速機ロープの乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した側に対し、当該昇降路側に向かって繋がる壁面で当該調速機ロープを囲んで当該調速機ロープの振れを抑制すると共に、当該乗りかご側の壁面の局部に設けられた開口部で当該非常止め引き上げ装置の昇降を案内する第1の振れ止め装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した調速機ロープについても、非常止め引き上げ装置の昇降を妨げずに振れを十分に抑制でき、しかも乗りかごを安全に運行できる簡単な構造で低コストなエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置を提供できるようになる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明のエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置及びエレベータ装置について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置が適用されるエレベータ装置の概略構成を斜め上方から一部破断して示した斜視図である。
図1を参照すれば、このエレベータ装置は、建物に設備された昇降路1の多階床間で乗りかご3を昇降させると共に、昇降路1の頂部の機械室2に設置された乗りかご用電動機として働く巻上機5と、機械室2に設置されて巻上機5を制御する制御盤6と、機械室2に配置されて乗りかご3の昇降動作に同期して調速を行う調速機7、及び昇降路1の底部のピット部に設置された調速機返し車8を乗りかご3の非常止め引き上げ装置13に連結された調速機ロープ9で繋いで構成される非常止め装置と、を備えている。
このうち、乗りかご3については、よく知られているように、巻上機5の乗りかご用電動機におけるモータ軸に設けられたシーブに巻き掛けられた複数本のロープを介して釣合い錘(カウンタウェイト)4と連結される。乗りかご1は、動作上において巻上機5の乗りかご用電動機の駆動によるシーブの回転に伴い、釣合い錘4と共に互いに上下反対方向に昇降する。このようなエレベータ装置において、本発明では、調速機7の調速機プーリを回転駆動するループ状の調速機ロープ9の振れ止めを行うための振れ止め装置を昇降路1内の所定箇所に設け、特に乗りかご3側の非常止め引き上げ装置13に連結した調速機ロープ9についても、非常止め引き上げ装置13の昇降動作を妨げずに振れを十分に抑制でき、乗りかご3を安全に運行できる機能を持たせるようにする。
図2は、このようなエレベータ装置に適用される実施例に係るエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置の基本構造を乗りかご3側から昇降路1向きに示した斜視図である。
図2を参照すれば、ここでの調速機ロープ振れ止め装置は、昇降路1の所定箇所に所定の間隔で配備される複数の固定ブラケット12の一端寄り箇所にそれぞれ乗りかご3側の壁面と対向する壁面が取り付け固定され、調速機ロープ9の乗りかご3側の非常止め引き上げ装置13に連結した側の振れを抑制する複数の第1の振れ止め装置10と、複数の固定ブラケット12の他端側箇所にそれぞれ取り付け固定されて調速機ロープ9の非常止め引き上げ装置13に連結されない側を拘束して振れを抑制する複数の第2の振れ止め装置10′と、を有して構成される。
このうち、第1の振れ止め装置10は、乗りかご3側の非常止め引き上げ装置13に連結した調速機ロープ9の振れ止めを行うもので、非常止め装置が関与することにより、第2の振れ止め装置10′で採用しているような通常のロープを囲う構造を適用できないことを考慮して形状を工夫しており、具体的には昇降路1側に向かって繋がる壁面で調速機ロープ9を囲んで調速機ロープ9の振れを抑制すると共に、乗りかご3側の壁面の局部に設けられた開口部で非常止め引き上げ装置13の昇降を案内する構造となっている。また、第1の振れ止め装置10同士は、乗りかご3側の壁面の開口部周囲の片部が互いに乗りかご3の昇降方向でワイヤ(鋼線)11により結合され、これによって調速機ロープ9がダクトで覆われた構造と同等な機能を持たせている。何れにしても、ここでの調速機ロープ振れ止め装置は、非常止め装置を含む周知のエレベータ装置の基本構造を対象にして容易に適用できるものとなっている。
図3は、第1の振れ止め装置10における調速機ロープ9の挙動(振れに対する抑制)を説明するために示した上方向からの図である。
図3を参照すれば、ここでは乗りかご3の昇降方向に垂直な面方向における断面が略コの字状で開口部を持つ第1の振れ止め装置10は、昇降路1側に向かって繋がる3つの壁面で調速機ロープ9を囲んで調速機ロープ9の振れを抑制し、乗りかご3側の1つの壁面の開口部から調速機ロープ9が振れによって出入りする構造であることを示している。この開口部は、非常止め引き上げ装置13の昇降を案内して妨げないようにするために必要なものであるが、開口部の寸法の目安として、長尺物である調速機ロープ9の径に対して5倍以下とすれば良く、更に好ましくは3倍以下にすれば、調速機ロープ9が開口部から抜け難くなり、調速機ロープ9の一部が開口部から出た場合でも第1の振れ止め装置10の囲み壁面中に戻り易くなる。
図4は、第1の振れ止め装置10による調速機ロープ9の振れの抑制効果の様子を説明するために乗りかご3側から昇降路1向きに示した要部の斜視図である。
図4を参照すれば、断面が略コの字状の第1の振れ止め装置10の開口部の寸法を上述した寸法に設定して昇降路1の所定箇所に設置すると、地震発生等で乗りかご3側の非常止め引き上げ装置13に連結した調速機ロープ9に振れが起きても、調速機ロープ9が昇降路1側に向かって繋がる3つの壁面で拘束されて十分な振れ止め効果が得られる様子を示している。因みに、図4中では、最下部の第1の振れ止め装置10に対してワイヤ11の一端側に結合されるワイヤ固定具14が設けられている様子を示すが、図示されない最上部の第1の振れ止め装置10に対してもワイヤ11の他端側に結合されるワイヤ固定具14が設けられる。
以上に述べた通り、実施例に係る調速機ロープ振れ止め装置(第1の振れ止め装置10)によれば、昇降路1側に向かって繋がる壁面で調速機ロープ9を囲んで調速機ロープ9の振れを抑制すると共に、乗りかご3側の壁面の局部に設けられた開口部で非常止め引き上げ装置13の昇降を案内する構造としているため、乗りかご3側の非常止め引き上げ装置13に連結した調速機ロープ9についても、非常止め引き上げ装置13の昇降を妨げずに振れを十分に抑制でき、しかも乗りかご3を安全に運行できるようになる。このように、非常止め引き上げ装置13に連結された調速機ロープ9の振れを抑制できるため、エレベータ装置が不要に非常停止となるトラブルが回避され、不要に非常停止される事態を低減させることができる他、従来では適用が困難であった風の影響を受け易い屋外用等のエレベータ装置にも採用することが可能となる。
尚、実施例に係る調速機ロープ振れ止め装置(第1の振れ止め装置10)は、乗りかご3の昇降方向に垂直な面方向における断面が略コの字状で開口部を持つ形状としたが、それ以外にも略円形又は多角形状として乗りかご3側の壁面の局部に開口部を持たせる形状にしても良い。このように、本発明の調速機ロープ振れ止め装置(第1の振れ止め装置10)は、細部構成について種々変更することが可能であるため、実施例で開示した形態に限定されない。
1 昇降路
2 機械室
3 乗りかご
4 釣合い錘(カウンタウェイト)
5 巻上機
6 制御盤
7 調速機
8 調速機返し車
9 調速機ロープ
10 第1の振れ止め装置
10′ 第2の振れ止め装置
11 ワイヤ(鋼線)
12 振れ止め装置固定ブラケット
13 非常止め引き上げ装置
14 ワイヤ固定器具
2 機械室
3 乗りかご
4 釣合い錘(カウンタウェイト)
5 巻上機
6 制御盤
7 調速機
8 調速機返し車
9 調速機ロープ
10 第1の振れ止め装置
10′ 第2の振れ止め装置
11 ワイヤ(鋼線)
12 振れ止め装置固定ブラケット
13 非常止め引き上げ装置
14 ワイヤ固定器具
Claims (5)
- 建物に設備されたエレベータの昇降路内で乗りかごの昇降動作に同期して調速を行う調速機の調速機プーリを回転駆動するループ状の調速機ロープの振れ止めを行うエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置において、
前記昇降路の所定箇所に配備されると共に、前記調速機ロープの前記乗りかご側の非常止め引き上げ装置に連結した側に対し、当該昇降路側に向かって繋がる壁面で当該調速機ロープを囲んで当該調速機ロープの振れを抑制すると共に、当該乗りかご側の壁面の局部に設けられた開口部で当該非常止め引き上げ装置の昇降を案内する第1の振れ止め装置を有することを特徴とするエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置。 - 請求項1記載のエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置において、
前記第1の振れ止め装置は、前記昇降路の所定箇所に複数配備されると共に、前記乗りかご側の壁面の前記開口部周囲の片部が互いに乗りかごの昇降方向でワイヤにより結合されたことを特徴とするエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置。 - 請求項2記載のエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置において、
前記複数の第1の振れ止め装置は、前記昇降路の所定箇所に固定して配備される複数の固定ブラケットにそれぞれ前記乗りかご側の壁面と対向する壁面が取り付け固定されたことを特徴とするエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置。 - 請求項3記載のエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置において、
前記複数の固定ブラケットにそれぞれ取り付け固定されると共に、前記調速機ロープの前記非常止め引き上げ装置に連結されない側を拘束して振れを抑制する複数の第2の振れ止め装置を有することを特徴とするエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置。 - 請求項1〜4の何れか1項記載のエレベータ用調速機ロープ振れ止め装置と、前記昇降路の頂部に設置された機械室に配置された前記調速機、及び当該昇降路のピット部に設置された調速機返し車を前記乗りかご側の前記非常止め引き上げ装置に連結された前記調速機ロープで繋いで構成される非常止め装置と、を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014264769A JP2016124639A (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | エレベータ用調速機ロープ振れ止め装置及びエレベータ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020021631A1 (ja) * | 2018-07-24 | 2020-01-30 | 三菱電機株式会社 | 健全性診断装置 |
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2014
- 2014-12-26 JP JP2014264769A patent/JP2016124639A/ja active Pending
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WO2020021631A1 (ja) * | 2018-07-24 | 2020-01-30 | 三菱電機株式会社 | 健全性診断装置 |
JPWO2020021631A1 (ja) * | 2018-07-24 | 2020-12-17 | 三菱電機株式会社 | 健全性診断装置 |
JP7019046B2 (ja) | 2018-07-24 | 2022-02-14 | 三菱電機株式会社 | 健全性診断装置 |
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