JP2016123639A - 使い捨ての着用物品およびその包装体 - Google Patents

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敬智 向井
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信 石神
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Yoshinori Tanaka
嘉則 田中
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Abstract

【課題】フィット性が高く、連続生産性に優れた使い捨ての着用物品およびその包装体の提供。【解決手段】おむつ本体14と、第1ウエスト域と第2ウエスト域11とを連結するための連結手段とを備える使い捨ての着用物品10において、前記連結手段は、縦方向Yに沿って取り付けられた、一対の第1連結部材30と一対の第2連結部材40とを含み、前記一対の第1連結部材は、前記第1ウエスト域に固定された第1基端部と、第1自由部とをそれぞれ有し、少なくとも一方の第1連結部材の前記第1自由部には第1係止部が位置しており、前記一対の第2連結部材は、前記第2ウエスト域に固定された第2基端部と、第2係止部が位置する第2自由部とをそれぞれ有する。【選択図】図1

Description

この発明は、使い捨ての着用物品およびその包装体に関する。
従来、連結手段を介して前ウエスト域と後ウエスト域とを連結することによってパンツ型の形態をなす使い捨て着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、おむつ本体の後ウエスト域に取り付けられた、一対の帯状の連結部材と、おむつ本体の前ウエスト域に位置する一対の係止部とからなる連結手段を有する使い捨て着用物品が開示されている。一対の連結部材は、おむつ本体の横方向(幅方向)に沿って取り付けられ、横方向の外方へ延出している。
特許第5460704号公報
特許文献1に記載の着用物品では、一対の連結部材がおむつ本体の幅方向(横方向)へ沿って取り付けられており、おむつ本体の長さ方向(縦方向)と、連結部材の長さ方向(横方向)とが一致していないため、着用物品の製造ライン上において、おむつ本体と連結部材とを同一の機械方向へ連続して搬送しながら製造することができず、連続生産性に欠けるという問題がある。さらに、一対の係止部がおむつ本体の前ウエスト域に位置しているため、前ウエスト域を幅方向に拡げて広い面積で身体にフィットさせ難く、身体とおむつ本体の前ウエスト域との間に隙間が形成されて漏れが生じやすくなっていた。
そこで、本発明の目的は、従来の技術の改良であって、フィット性が高く、連続生産性に優れた使い捨ての着用物品およびその包装体の提供にある。
上記課題を達成するために、本願の第1発明が対象とするのは、縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを有するおむつ本体と、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを連結するための連結手段とを備える使い捨ての着用物品である。
本願の第1発明は、上記着用物品において、前記連結手段は、前記縦方向に沿って取り付けられた、一対の第1連結部材と一対の第2連結部材とを含み、前記一対の第1連結部材は、前記第1ウエスト域に固定された第1基端部と、前記第1基端部から延出する第1自由部とをそれぞれ有し、前記一対の第1連結部材のうち、少なくとも一方の第1連結部材の前記自由部には第1係止部が位置しており、前記一対の第2連結部材は、前記第2ウエスト域に固定された第2基端部と、前記第2基端部から延出し、第2係止部が位置する第2自由部とをそれぞれ有することを特徴とする。
上記課題を達成するために、本願の第2発明が対象とするのは、前記着用物品を収容する包装体である。
本願の第2発明は、上記包装体において、前記着用物品は、前記おむつ本体を折曲した包装状態において、前記第1係止部と前記第2係止部とが、繊維不織布からなる被覆シートによって覆われていることを特徴とする。
本願の第1発明に係る使い捨ての着用物品の一つ以上の実施形態によれば、連結手段は、縦方向に沿って取り付けられた、一対の第1連結部材と一対の第2連結部材とが縦方向に沿って取り付けられているため、おむつ本体の長さ方向(縦方向)と、各連結部材の長さ方向とが一致しており、連続生産性に優れる。また、一対の第1連結部材と一対の第2連結部材とによって、おむつ本体の第1及び第2ウエスト域を幅方向に拡げながら、着用物品を装着することができるため、第1及び第2ウエスト域(前後ウエスト域)のフィット性を高めて、漏れを防止することができる。
本願の第2発明に係る使い捨ての着用物品の包装体の一つ以上の実施形態によれば、着用物品は、おむつ本体を折曲した包装状態において、第1係止部と第2係止部とが、繊維不織布からなる被覆シートによって覆われているため、第1発明に係る着用物品を収容袋から取出した際に、各係止部が不用意に係止するのを防止することができる。
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本開示に係る使い捨ての着用物品の一例として示すおむつの斜視図。 図1に示すおむつを肌対向面側から視た平面図。 図1に示すおむつを非肌対向面側から視た平面図。 図2のIV−IV線に沿う模式的断面図。 図2のV−V線に沿う模式的断面図。 (a):図3のVI部位における第1連結部材を展開した状態の拡大平面図。(b):図3のVII部位における第2連結部材を展開した状態の拡大平面図。 (a)〜(d):おむつの着用操作の様子を示す図。 おむつの第2実施形態を示す図3と同様の図。 (a)〜(d):おむつを折り畳む様子を示す図 おむつの変形例を示す図であって、おむつを側面側から視た斜視図。
下記の実施の形態は、本発明の使い捨ての着用物品一例である図1〜10に示す使い捨てのおむつに関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。図2、図3及び図8において、後述する各弾性体は、その収縮力に抗して、横方向X及び縦方向Yへの収縮力により、各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。なお、図3、図6及び図8において、後述する各連結部材とおむつ本体との接合領域にはドットを付している。
図1〜3を参照すると、本発明に係る使い捨ての着用物品の一例であるおむつ10は、おむつ本体14と、連結手段15とを有し、おむつ本体14は、縦方向Y及びそれに直交する横方向Xと、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、横方向Xの長さ寸法を2等分する縦中心線Pと、縦方向Yの長さ寸法を2等分する横中心線Qと、前ウエスト域(第1ウエスト域又は第2ウエスト域)11と、後ウエスト域(第2ウエスト域又は第1ウエスト域)12と、前ウエスト域11および後ウエスト域12の間に位置するクロッチ域13とを有する。連結手段15は、後ウエスト域12に取り付けられる一対の第1連結部材30と前ウエスト域11に取り付けられる一対の第2連結部材40とを含む。おむつ10は縦中心線Pに関してほぼ対称であって、おむつ本体14の前ウエスト域11と後ウエスト域12とを連結手段15によって連結することによって、ウエスト開口16と一対のレッグ開口17が画定されて、おむつ10はパンツ型の形状を呈する。
<おむつ本体>
おむつ本体14は、横方向Xへ延びて縦方向Yへ互いに対向する前後端縁14a,14bと、前端縁14aと後端縁14bとの間に位置して縦方向Yへ延びる両側縁14c,14dとによって画定された略長方形状を有する。おむつ本体14は、肌対向面側に位置する透液性の表面シート21と、非肌対向面側に位置する不透液性の裏面シート22と、表面シート21と裏面シート22との間に介在された吸収体23と、吸収体23と裏面シート22との間に位置する難透液性又は不透液性の防漏シート24と、表面シート21の肌対向面側に横方向Xにおいて互いに対向して配置された一対のバリアカフシート25とを含む。
表面シート21は、スパンボンド繊維不織布、エアスルー繊維不織布等の各種公知の繊維不織布、多孔性プラスチックフィルム又は繊維不織布とプラスチックフィルムとのラミネートシートから形成される。裏面シート22は、おむつ10の外形をなすものであって、透湿性プラスチックフィルム、各種公知の繊維不織布又はそれらのラミネートシート等から形成される。
吸収体23は、曲状の前後端縁23a,23bと、前後端縁23a,23bの間において凹曲状に縦方向Yへ延びる両側縁23c,23dと、前後端部20A,20Bと、前後端部20A,20B間に位置する中央部20Cとを有し、クロッチ域13を中心として前後ウエスト域11,12まで延出している。吸収体23は、フラッフ木材パルプと超吸収性ポリマー(SAP)粒子との混合等から形成され、所要の形状に賦型された吸収性コアと、吸収性コアを包被する液拡散性のティッシュペーパ等から形成されたコアラップシートとを有する。吸収性コアは熱可塑性繊維を含んでいてもよい。木材パルプの質量は、100〜800g/mであり、SAP粒子の質量は0〜800g/mであることが好ましく、本実施形態では、木材パルプが約300g/m、SAP粒子が約150g/mであり、吸収性コアの厚さ寸法は約30mmである。
防漏シート24は、少なくとも吸収体23の非肌対向面(底面)の全体を覆っており、吸収体23のコアラップシートと裏面シート22との間において、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合することができる。本実施形態において防漏シート24は裏面シート22とほぼ同形同大のシートである。防漏シート24としては、例えば、通気性又は非通気性であって、難透液性、好ましくは、不透液性のプラスチックフィルムを用いることができる。
おむつ本体14は、吸収体23の前後端縁23a,23bから縦方向Yの外側へ延出する表面シート21、裏面シート22、防漏シート24及びバリアカフシート25が互いに重ね合わされて接合されることによって形成された、横方向Xへ延びる一対のエンドフラップと、吸収体の両側縁から横方向Xの外側へ延出する表面シート21と、裏面シート22、防漏シート24及びバリアカフシート25とが互いに重ね合わされて接合されることによって形成された、縦方向Yへ延びる一対のサイドフラップとを有する。
一対のバリアカフシート25は、不透液性の繊維不織布から形成されており、縦中心線Pに関して対称であって互いに横方向Xへ離間対向して位置しており、それぞれ、サイドフラップの一部を形成する近位縁部26Aと、前後ウエスト域11,12において表面シート21の肌対向面に固定された前後固定端部27A,27Bと、前後固定端部27A,27B間において縦方向Yへ延びる、バリアカフシート25の内側縁部を内方へ折り返すことによって形成された遠位縁部26Bとを有する。バリアカフシート25の外側縁(近位縁部26A側の側縁)は防漏シート24と接合される。バリアカフシート25と防漏シート24との間には、縦方向Yへ延びる複数条のストリング状又はストランド状のレッグ弾性体28が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。また、遠位縁部26Bには、縦方向Yへ延びる一条以上のストランド状又はストリング状のカフ弾性体29が収縮可能に配設されている。遠位縁部26Bは、おむつ10の着用状態において、カフ弾性体29の収縮作用によって表面シート21の肌対向面から離間し、排泄物の横漏れを防止するための一対のバリアカフが形成される。
図2及び図4を参照すると、後ウエスト域12の後端縁14bの近傍には、横方向Xへ延びるウエスト弾性部60が位置する。ウエスト弾性部60は、吸収体23の縦方向Yの外側において表面シート21と防漏シート24との間に配置された、横方向Xへ弾性的に伸縮可能な帯状の弾性シートからなる。この弾性シートは、肌対向面側に位置する内層シートと、非肌対向面側に位置する外層シートと、内外層シートの間に配置された、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状のウエスト弾性体63とを含む。本実施形態において、ウエスト弾性部60は、横方向Xの中央部であって一対の第1連結部材30の間に配置されている。このように、後端縁14bの近傍にウエスト弾性部60を形成することで、後ウエスト域12のフィット性を高めて、後端縁14bからの漏れを効果的に防止しうる。
図2及び図5を参照すると、前ウエスト域11の肌対向面側には、中央係止部18が位置する。中央係止部18は、後ウエスト域12に取り付けられた第1連結部材30に、前ウエスト域11の一部を係合するためのものであり、前端縁14aに近接して位置することが好ましい。本実施形態において中央係止部18は矩形状であって、横方向Xの寸法が40mm、縦方向Yの寸法が20mmである。後述するおむつ10の着用状態において、中央係止部18を第1連結部材30に係止することにより、前ウエスト域11の身体に対するフィット性を高めるとともに、前ウエスト域11がずれ落ちるのを防止することができる。
<連結手段>
図3を参照すると、連結手段15は、おむつ10の展開状態において、おむつ本体14の両側部において後ウエスト域12から前ウエスト域11へ向かって縦方向Yへ延びる一対の第1連結部材30と、おむつ本体14の両側部において前ウエスト域11から後ウエスト域12へ向かって縦方向Yへ延びる一対の第2連結部材40とを含む。
第1連結部材30は、帯状であって、互いに離間対向し横方向Xへ延びる第1基端縁30a及び第1先端縁30bと、互いに離間対向し縦方向Yへ延びる内側縁30c及び外側縁30dとを有するとともに、おむつ本体14の後ウエスト域12に固定された第1基端部31と、第1基端部31からクロッチ域13側へ延出する第1自由部32とを有する。第1基端部31は、本実施形態において、後ウエスト域12の非肌対向面側に位置する裏面シート22に固定されているところ、後記の本願発明の効果を奏する限りにおいて、肌対向面側に位置するバリアカフシート25の後端固定部27B又は表面シート21に固定されていてもよい。また、本実施形態において、第1連結部材30は後ウエスト域12に位置し、第2連結部材40は前ウエスト域11に位置しているところ、第1連結部材30が前ウエスト域11、第2連結部材40が後ウエスト域12に位置していてもよい。一対の第1連結部材30のうち、少なくとも一方の第1連結部材30の先端部33には、少なくともおむつ本体14の外面又は他方の第1連結部材30に係止可能な第1係止部34が位置している。
第2連結部材40は、帯状であって互いに離間対向し横方向Xへ延びる第2基端縁40a及び第2先端縁40bと、互いに離間対向し縦方向Yへ延びる内側縁40c及び外側縁40dとを有するとともに、おむつ本体14の前ウエスト域11に固定された第2基端部41と、第2基端部41からクロッチ域13側へ延出する第2自由部42とを有する。第2基端部41は、本実施形態において、前ウエスト域11の非肌対向面側に位置する裏面シート22に固定されているところ、後記の本願発明の効果を奏する限りにおいて、肌対向面側に位置するバリアカフシート25の前端固定部27A又は表面シート21に固定されていてもよい。第2連結部材30の先端部43には、少なくともおむつ本体14の外面又は第1連結部材30に係止可能な第2係止部44が位置している。
図3〜図5を参照すると、第1及び第2連結部材30,40は、それぞれ、肌対向面側に位置する第1シート35,45と、非肌対向面側に位置する第2シート36,46とを有する。第1及び第2シート35,36,45,46は、ほぼ同形同大であって、質量が約10〜30g/mであって、好ましくは疎水性を有する、スパンボンド繊維不織布、エアスルー繊維不織布、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)繊維不織布等の公知の繊維不織布のほかに、伸縮性繊維不織布から形成される。第2シート36,46は、おむつ10の着用状態において着用者の肌対向面側に位置する部位であり、柔軟性を高めるために滑剤を添加することが好ましい。第1シート35,45と第2シート36,46とは、ホットメルト接着剤による固定とともに、またはそれに代えて、ソニックシールによる溶着手段を施すことによって互いに接合される。
第1及び第2連結部材30,40において、第1基端縁30aは、おむつ本体14の後端縁14bに一致し、第2基端縁40aはおむつ本体14の前端縁14aに一致している。第1及び第2連結部材30,40の外側縁30d,40dは、おむつ本体14の両側縁14c,14dの内側に位置しており、両側縁14c,14dから約10mm内側に位置することが好ましい。おむつ本体14の縦方向Yの寸法(長さ寸法)L1は、約500〜1200mmであり、本実施形態では約840mmである。第1連結部材30の縦方向Yの寸法(長さ寸法)L2及び第2連結部材40の縦方向Yの寸法(長さ寸法)L3は、それぞれ、約100〜1200mmであり、約400〜1000mmであることが好ましい。本実施形態では寸法L2が約530mmであり、寸法L3が約310mmである。
本実施形態において、第1自由部32と第2自由部42とは、第1先端縁30b及び第2先端縁40bにおいて、互いを分離可能なミシン目51を介して連結されており、一対の第1及び第2連結部材30,40は、ミシン目51を介して縦方向Yに連続した一対の連続ベルト50を形成している。一対の連続ベルト50において、ミシン目51は、縦方向Yにおいて第2連結部材40が取り付けられる前ウエスト域11側に位置している。ミシン目51は、第1及び第2連結部材30,40の幅方向(横方向X)に延びており、本実施形態では、貫通部(カット部)の横方向Xの長さ寸法が約2mm、非貫通部の長さ寸法が約3mmとなるように設定されているが、貫通部の形状及び寸法、並びに非貫通部の寸法は、おむつ10の製造時に第1及び第2連結部材30,40がミシン目51に沿って分離されることなく、かつ、おむつ10の使用時に分離しやすくなるように適宜設定することができる。
一対の連続ベルト50は、それぞれ、横方向Xに離間して配置されるとともに、縦中心線Pに関して対称となるように配置される。既述のとおりミシン目51は前ウエスト域11側に位置しており、第1連結部材30の縦方向Yにおける寸法L2は、第2連結部材40の縦方向Yにおける寸法L3よりも大きい。また、第1連結部材30の長さ寸法L2と第2連結部材40の長さ寸法L3との和は、おむつ本体14の長さ寸法L1とほぼ等しい。このように、第1及び第2連結部材30,40が縦方向Yに連続した連続ベルト50の形態を有し、連続ベルト50とおむつ本体14との長さ方向を一致させることによって、おむつ10の生産ライン上においておむつ本体14と連続ベルト50とを機械方向へ連続して搬送して製造することができ、連続生産性に優れる。なお、おむつ10は、ミシン目51に代えて、製造工程において、このミシン目51が形成される位置において連続ベルト50を切断し、第1連結部材30と、第2連結部材40とが分離した状態としてもよい。なお、図示していないが、第1シート35,45と第2シート36,46との間において、縦方向Yに延び、伸長状態で収縮可能に固定された複数条のストリング状又はストランド状のベルト弾性体を配置してもよい。かかる場合であっても、ベルト弾性体を機械方向へ連続的に搬送することができ、長さ方向(縦方向Y)に伸縮性を有する第1及び第2連結部材を容易に製造することができる。ベルト弾性体は、第1及び第2係止部34,44から離間した位置において弾性を有するように配設されることが好ましく、第1連結部材30の第1自由部32において、第1基端部31側に配設されることがより好ましい。
また、連続ベルト50は、仮止め部57を介しておむつ本体14の裏面シート22と剥離可能に仮止めされる。仮止め部57では、連続ベルト50と裏面シート22とが、ソニックシールや接着剤等の接合手段によって互いに仮止めされている。仮止め部57は、連続ベルト50の両側縁部において、縦方向Yに一定間隔をあけて断続的に形成される。連続ベルト50を長さ方向(縦方向Y)に沿っておむつ本体14に仮止めすることにより、第1及び第2自由部32,42がおむつ本体14の側縁14c,14dから外側へ延出するように展開されて、おむつ10の運搬時や収容袋に収容する際に、不要な折り癖がついたり、製造工程においてトラブルの原因となったりするのを防止することができる。
第1及び第2係止部34,44は、フック要素が配置されたフックシートと、点状、ライン状又はスパイラル状に塗布されたホットメルト接着剤を介してフックシートと接合された基材シートとから構成される。基材シートは、質量約30〜120g/m、好ましくは、40〜90g/mの合計目付となるように、スパンボンド繊維不織布等の公知の繊維不織布を単数又は複数積層して形成される。基材シートとして比較的に嵩高の繊維不織布を使用した場合には、基材シートの表面にエンボス加工を施して毛羽立ちを防止してもよい。基材シートは、ホットメルト接着剤やヒートシール等の公知の接合手段によって第2シート36,46に接合されており、基材シートの単位面積当たりの質量を第2シート36,46のそれよりも大きく、剛性の高いシートとすることによって、第2シート36,46に対する接合強度を高めることができる。フックシートの周縁部と基材シート及び第2シート36,46とは、ソニックシール等による公知の溶着手段によって剥離を防止することが好ましい。第1及び第2係止部34,44の横方向Xの寸法及び縦方向Yの寸法は、それぞれ、第1及び第2自由部32,42の寸法に合わせて適宜設定することができ、本実施形態では、横方向Xの寸法が約50mm、縦方向Yの寸法が約30mmである。本実施形態では、第1及び第2係止部34,44におけるフック要素が、おむつ本体14の内外面を形成する繊維不織布や第1及び第2連結部材30,40を形成する繊維不織布(第1及び第2シート35,36,45,46)に係止可能な構成となっている。
なお、本発明において、第1及び第2係止部34,44の一例として、メカニカルファスナのフック要素を用いたが、第1及び第2係止部34,44は、フック要素とループ要素との両方を有するものであってもよいし、おむつ本体14側や第1連結部材30に配置されたフック要素に係止可能なループ要素であってもよく(その意味では、被係止部)、第1及び第2連結部材30,40の一部がおむつ10の所定部位と係脱可能に係止されうる部分を意味し、フック要素のみを意味する一般的な係止部よりも、粘着剤等を含めたより広い概念を意味するものである。また、中央係止部18も同様に、第1連結部材30と係脱可能に係合される限りにおいて、フック要素、ループ要素又は粘着剤等の係合又は止着可能な要素のいずれであってもよい。
第1係止部34は、第1連結部材30の先端部33ではなく、第1自由部32のうちのいずれかの部分に配置されていてもよいし、複数配置してもよい。また、第2係止部44は、第2連結部材40の先端部43ではなく、第2自由部42のうちのいずれかの部分に配置されていてもよいし、複数配置してもよい。第1及び第2自由部32,42に第1及び第2係止部34,44が複数配置されている場合には、先端部33,43を含めて第1及び第2自由部32,42の長さ方向における中央域等も第1連結部材30やおむつ本体14に係止することができ、係止状態をより安定させることができる。一方の第1連結部材30に取り付けられた第1係止部34と、他方の第1連結部材30の第1シート35との係合力、及び、第2係止部44と、第1連結部材30の第1シート35との係合力は、それぞれ、0.1〜2.5N/20mmであることが好ましい。
<係合力の測定方法>
係合力は、島津製作所株式会社製のオートグラフ試験機(AG−X10plus)を用いて測定した。まず、おむつ10から第1連結部材30の第1係止部34を幅20mmで切り出するとともに、第1連結部材30の第1シート35(第2シート36と積層状態にあるもの)を第1係止部34よりも外形寸法の大きな寸法で切り出して、第1係止部34の係合力を測定するサンプルとした。次いで、第1係止部34のサンプルにおいて、第1係止部34のフック要素と第1シート35のループ要素とが対向するようにサンプルを積層させた状態として、その上から重量700gのローラー(直径85mm、幅45mm)を300mm/分の速度で移動させて荷重を掛けた。両サンプルをオートグラフ試験機にセットして、引張速度300mm/分、両サンプル間の傾斜角度135°の条件で測定し、両サンプルの係合力を測定した(単位:N/20mm)(ただし、第1係止部34を20mm幅の大きさに切りだすことができない場合には、測定値を20mm幅に換算して算出)。第2係止部44の係合力も同様の方法によって測定した。第2係止部44の係合力の測定では、おむつ10から第2連結部材40の第2係止部44を幅20mmで切り出するとともに、第1連結部材30の第1シート35(第2シート36と積層状態にあるもの)を第1係止部34よりも外形寸法の大きな寸法で切り出して、第2係止部44の係合力を測定するサンプルとした。
図6を参照すると、第1及び第2基端部31,41は、ホットメルト接着剤等の接着剤を塗布してなる接合域を介しておむつ本体14に固定されており、縦方向Yへ延びる内側縁31a,41aと、縦方向Yへ延び、かつ、内側縁31a,41aよりも縦方向Yの寸法が大きい外側縁31b,41bと、クロッチ域13側において内側縁31a,41aと外側縁31b,41bとをつなぐ傾斜縁31c,41cと、横方向Xへ延び、かつ、基端縁30a,40a側において内側縁31a,41aと外側縁31b,41bとをつなぐ外端縁31d,41dとを有し、略三角形状を有する。第1基端部31の傾斜縁31cと横断線62(横中心線Qと平行な線)との交角である第1交角θ1は、約35〜55度の範囲であって、約45度であることが好ましい。また、第2基端部41の傾斜縁41cと横断線62との交角である第2交角θ2は、約10〜45度の範囲であり、45度未満であることが好ましい。
第1及び第2基端部31,41がかかる形状を有することから、傾斜縁31c,41cを起点として第1及び第2連結部材30,40を横方向Xへ向かって展開し易くなり、ウエスト周り方向へ沿って引っ張り易くなる。また、第1及び第2基端部31,41が傾斜縁31c,41cを有さずに、横方向Xへ直線状に延びる場合に比して、第1及び第2自由部32,42との境界近傍の部分の寸法が長くなり、第1及び第2基端部31,41におけるシート部材の所要の剥離強度を維持しつつ、第1及び第2自由部32,42の長さ寸法をできるだけ長くして身体に対するフィット性を向上させることができる。また、各基端部31,41における各自由部32,42との境界近傍において、他の領域に比して単位面積当たりの質量が高くなるようにホットメルト接着剤を塗布したり、ホットメルト接着剤による固定とともに、またはそれに代えて、ソニックシールによる溶着手段を施すことによって、各自由部32,42を後方へ向かって引っ張ったときに、該部分を起点としてシートが破れないように剥離強度を向上させることができる。
第1及び第2基端部31,41は、第1及び第2連結部材30,40を引っ張りながら連結操作をする際に、その一部が剥離しない程度の剥離強度を有することが必要である。具体的には、第1及び第2基端部31,41は、それぞれ、25mm幅当たり15N以上の剥離強度、好ましくは、20N/25mmの剥離強度を有することが好ましく、各連結部材30,40の最大引張強度が60N以上であることが好ましい。
<各連結部材の剥離強度>
第1及び第2連結部材30,40の剥離強度の測定は、それぞれ、島津製作所株式会社製のオートグラフ試験機(AG−X10plus)を用いて測定した。各連結部材30,40について、連結部材30,40の基端部31,41と自由部32,42の境界部分において、おむつ10から基端部31,41側と自由部32,42側に位置する連結部材30,40をそれに厚さ方向Zにおいて重なるおむつ本体14を含めて前記境界部分(傾斜縁31c,41c)のラインに沿って固定された領域が25mm幅となるように、前記ラインの垂直方向に切りだして、それぞれ、サンプルとした。各サンプルにおいて、連結部材30,40の自由部32,42を一方のチャックで把持し、この自由部32,42と厚さ方向Zにおいて重なるおむつ本体14を他方のチャックで把持した状態で、サンプルをオートグラフ試験機にセットし、引っ張り速度300mm/分におけるサンプルの剥離強度(最大強度)を求めた(なお、該領域について25mm幅で切り出すことができない場合には、測定結果に基づいて25mm幅に換算して算出する)。
図3〜図5を参照すると、第1連結部材30の第1自由部32の外面側であって、第1基端部31側には、後方第3係止部(第3係止部)37が位置する。また、第2連結部材40の第2基端部41の外面側には、前方第3係止部(第3係止部)47が位置する。後方第3係止部37は、おむつ10の着用状態において、第1連結部材30の第1自由部32を横方向X外側へ展開した際に第1自由部32をおむつ10の後ウエスト域12に係止するものであり、第1連結部材30の折返しの基点となる傾斜縁31cの近傍に位置している。後方第3係止部37は、後ウエスト域12の非肌対向面を形成している、おむつ本体14の裏面シート22及び第1連結部材30の第2シート36に係止可能である。前方第3係止部47は、おむつ10の着用状態において、第2連結部材40の第2自由部42を横方向X外側へ展開した際に第2自由部42をおむつ10の前ウエスト域11に係止するものであり、第2連結部材40の折返しの基点となる傾斜縁41cの近傍に位置している。前方第3係止部47は、前ウエスト域11の非肌対向面を形成している、おむつ本体14の裏面シート22及び第2連結部材30の第2シート46に係止可能である。なお、本実施形態において後方第3係止部37及び前方第3係止部47は、おむつ本体14の内面及び外面を形成する繊維不織布、並びに第1及び第2連結部材を形成する繊維不織布と係合可能である。
図7は、起立状態の着用者に対して、おむつ10を装着するときの操作手順を示したものである。まず、図7(a)に示すとおり、連続ベルト50をミシン目51に沿って切断し、第1連結部材30と第2連結部材40とを分離し、第1連結部材30を展開した状態で、おむつ10の後ウエスト域12を着用者の背側に対向させるようにして配置する。かかる展開状態において、第1連結部材30の後方第3係止部37は、後ウエスト域12において該後方第3係止部37と対向する第1連結部材30の第1基端部31に係止される(図6(a)参照)。このように、後方第3係止部37を係止することによって、第1自由部32の第1基端部31側を固定して位置ずれを防ぐことができ、さらに、第1連結部材30を横方向Xに延出した状態に維持しやすくすることができる。次に、図7(b)に示すとおり、一対の第1連結部材30を第2シート36が着用者の身体と対向するようにして着用者の腰部70に巻き付けて、一方の第1連結部材71の第1係止部34を他方の第1連結部材72に係止する。おむつ10の後ウエスト域12は帯状の第1連結部材30によって着用者の身体に固定された状態となる。なお、図示していないが、第1係止部34が一対の第1連結部材30の各々に配置されている場合、それぞれの第1連結部材30によって互いに連結し合うことができ、内側に位置する第1連結部材72と外側に位置する第1連結部材71との両方を強固にウエスト周りに固定することができる。
図7(c)に示すとおり、前ウエスト域11又は第2連結部材40を引き寄せて、前ウエスト域11を着用者の腹側に対向させるようにして配置し、前ウエスト域11の中央係止部18を第1連結部材30に係止する。第2連結部材40の前方第3係止部47は、第2連結部材40を横方向X外側へ展開する際に、前ウエスト域11において該前方第3係止部47と対向する第2連結部材40の第2自由部42に係止される(図6(b)参照)。次に図7(d)に示すとおり、前ウエスト域11を横方向Xへ拡げながら一対の第2連結部材40の第2係止部44をそれぞれ第1連結部材30に係止する。なお、第2係止部44は後ウエスト域11の外面に係止してもよい。
着用状態において、対となる連結部材どうしを係止するようなベルト状の第1連結部材30を有するおむつ10では、ベルト状の第1連結部材30を着用者の腰部70に巻き付けておむつ10の位置を安定させた状態で、前ウエスト域11を引き上げたり、第2連結部材40を操作したりすることができる。かかるおむつ10では、長さ寸法が比較的小さいテープ状の連結部材のみを有するおむつに比して、着用者が寝臥状態の場合に、着用者の身体を大きく移動させたり、回転させたりする頻度を低減することができ、操作者(介護者等の着用補助者)の負担を軽減することができる。また、第1連結部材30を着用者の腰部70に巻き付けて固定した後に、前ウエスト域11を身体にフィットさせることができるので、着用者が起立した状態であっても操作者(着用者又は着用補助者)がおむつ10を装着することができる。また、第1連結部材30によって後ウエスト域12を横方向Xに拡げながら着用者の背側にフィットさせることができるとともに、第2連結部材40によって前ウエスト域11を横方向Xに拡げながら着用者の腹側にフィットさせることができるため、フィット性が高く、排泄物の漏れを確実に防止することができる。
おむつ本体14の横方向Xの寸法(幅寸法)W1は、約150〜450mmであり、本実施形態では約340mmである。第1及び第2連結部材30,40の横方向Xの寸法(幅寸法)W2,W3は、それぞれ、約50〜200mmで、本実施形態では約90mmである。第1及び第2連結部材30,40の幅寸法W2,W3が50mm未満である場合、おむつ10の着用状態において各連結部材30,40の位置が安定しないおそれがある。また、第1連結部材30に第2連結部材40の第2係止部44を係合する際に、係止する領域が小さくなって操作し難くなったり、係合力が小さくなって第2係止部44が外れやすくなったりするおそれがある。また、幅寸法W2,W3が200mm超えである場合、製造コストが高くなり、着用状態において着用者の脚の動きを妨げるおそれがある。
図6を参照すると、おむつ本体14の縦方向Yにおける端縁(後端縁14b)から第1基端部31と第1自由部32との境界部(すなわち、傾斜縁31c)までの距離R1は、おむつ本体14の縦方向Yにおける端縁(前端縁14a)から第2基端部41と第2自由部42との境界部(すなわち、傾斜縁41c)までの距離R2よりも小さい。かかるおむつ10では、先に着用者の腰部70に巻き付ける第1連結部材30において、境界部までの距離R1を小さくして後ウエスト域12の端縁(後端縁14b)に近接させることにより、後ウエスト域12の端部のウエスト周りにおけるフィット性を向上させることができる。また、後に第1連結部材30又は後ウエスト域12に係止させる第2連結部材40では、境界部までの距離R2を大きくして、おむつ本体14のクロッチ域13を着用者の腰部70へ引っ張り上げやすくし、着用者の脚周りにおいて、おむつ10と身体との間に隙間が形成されるのを防止して、フィット性を高めることができる。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係るおむつ10の図3と同様の平面図である。本実施形態に係るおむつ10は、第1実施形態に係るそれと基本的構成が同一であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
第2実施形態のおむつ10では、一対の第1及び第2連結部材30,40を形成する一対の連続ベルト50がおむつ本体14の横方向Xの中央寄りに配置される。一対の連続ベルト50は、縦中心線Pに関して対称となるように配置されており、横方向Xにおいて互いに隣接しており、本実施形態では縦方向Yに延びる第1ミシン目52を介して分離可能に連結されている。
連続ベルト50は、前後端部に位置する前後端接合部と、前後端接合部の間に位置する中間接合部54とにおいて、ホットメルト接着剤やソニックシール等の公知の接合手段によって裏面シート22に接合されており、後端接合部は、第1連結部材30の第1基端部31に一致し、前端接合部は、第2連結部材40の第2基端部42に一致する。また、連続ベルト50の両側部は縦方向Yに断続的に配置された仮止め部57を介して裏面シート22と剥離可能に仮止めされる。中間接合部54は、横中心線Qよりも前ウエスト域11側(第2連結部材40が配置されるウエスト域側)に形成されており、縦方向Yにおける両端縁の外側には、該両側縁に近接して横方向Xに延びる第2ミシン目53が形成される。連続ベルト50は、第2ミシン目53を介して縦方向Yに分離可能となっており、第2ミシン目53のうち、後ウエスト域12側に位置するミシン目53aは、第1連結部材30の第1先端縁30bに一致し、前ウエスト域11側に位置するミシン目53bは、第2連結部材40の第2先端縁40bに一致する。
かかるおむつ10では、製造工程において一対の連続ベルト50を横方向Xに離間させることなく、一体的に形成することができるため、生産性を一層向上させることができる。なお、おむつ10は、製造工程において、第1ミシン目52が形成される位置において一対の連続ベルト50を縦方向Yに切断し、横方向Xに隣接する一対の第1連結部材30と一対の第2連結部材40とが互いに分離した状態であってもよい。また、連続ベルト50において中間接合部54を設けることによって、第1及び第2連結部材30,40の連続生産性を向上させながら、各連結部材30,40の長さ寸法L2,L3を個別に調整することが可能となる。
後ウエスト域12の外面(非肌対向面)において、おむつ10の両側縁14c,14dと第1連結部材30の内側縁30cとの間には、それぞれ、後方第3係止部(第3係止部)55が配置される。また、前ウエスト域11の外面(非肌対向面)において、おむつ10の両側縁14c,14dと第2連結部材40の内側縁40cとの間には、それぞれ、前方第3係止部(第3係止部)56が配置される。ここで、第1連結部材30の内側縁30c及び第2連結部材40の内側縁40cとは、各連結部材30,40が非展開状態(図8において実線で示す状態)にある場合の内側縁30c,40cの位置を示している。後方第3係止部55は、後ウエスト域12の非肌対向面を形成している、おむつ本体14の裏面シート22及び第1連結部材30の第2シート36に係止可能であり、前方第3係止部56は、前ウエスト域11の非肌対向面を形成している、おむつ本体14の裏面シート22及び第2連結部材40の第2シート46に係止可能である。なお、本実施形態において後方第3係止部55及び前方第3係止部56は、おむつ本体14の内面及び外面を形成する繊維不織布、並びに第1及び第2連結部材30,40を形成する繊維不織布と係合可能である。
後方第3係止部55は、おむつ10の着用状態において、第1連結部材30の第1自由部32を横方向X外側へ展開した際に第1自由部32の外面をおむつ10の後ウエスト域12に係止するものであり、縦方向Yにおいて第1基端部31が位置する範囲に配置される。前方第3係止部56は、おむつ10の着用状態において、第2連結部材40の第2自由部42を横方向X外側へ展開した際に第2自由部42の外面をおむつ10の前ウエスト域11に係止するものであり、縦方向Yにおいて第2基端部41が位置する範囲に配置される。後方第3係止部55は、図8において実線で示す第1及び第2連結部材30,40の非展開状態において、第1連結部材30の内側縁30cとおむつ10の両側縁14c、14dとの間に位置しており、前方第3係止部56は、第2連結部材40の内側縁40cとおむつ10の両側縁14c、14dとの間に位置している。このように、前方及び後方第3係止部55,56を配置することによって、各連結部材30,40の自由部32,42の基端部31,41側を固定して位置ずれを防ぐことができるとともに、各連結部材30,40を横方向Xに延出した状態に維持しやすくすることができる。
図9は、おむつ10を折り畳む様子の一例を示す。まず、図9(a)に示すとおり、おむつ10の両側部を縦方向Yに延びる一対の縦折曲ライン64を介して内面側に折り曲げる。一対の縦折曲ライン64は、一対の第1連結部材30及び一対の第2連結部材40の両外側に位置することが好ましい。次に、図9(b)に示すとおり、前ウエスト域11を横方向Xに延びる第1横折曲ライン65を介しておむつ10の内面側に折り曲げてクロッチ域13に積層する。前ウエスト域11に位置する中央係止部18は、折曲状態において対向する、おむつ本体14の表面シート21に係止され、前方第3係止部56は、おむつ10の両側部の裏面シート22に係止される。次に、図9(c)に示すとおり、後ウエスト域12を横方向Xに延びる第2横折曲ライン66を介しておむつ10の内面側に折り曲げて、前ウエスト域11に積層する。図9に示す例では、第2連結部材40の第2係止部44がクロッチ域13に積層された前ウエスト域11の外面に露出しており、第2係止部44は、積層された後ウエスト域12の表面シート21及び/裏面シート22に係止される。図9(d)は、折曲状態にあるおむつ10をクロッチ域13側から視た斜視図である。折曲状態にあるおむつ10において、第1連結部材30の第1係止部34には繊維不織布からなる被覆シート67によって覆われている。折曲状態にあるおむつ10は、図示しない収容袋に単数又は複数収容されることにより、包装体の形態を呈する。
このように、各連結部材30,40をおむつ本体14の長さ方向(縦方向Y)に沿って取り付けたおむつ10では、おむつ10の折曲状態において、連結部材をおむつ本体14の幅方向に沿って取り付けたものに比して、各連結部材30,40の自由部32,42の折り曲げ回数を少なくして、自由部32,42に形成される皺や折り癖を低減することができ、これにより、展開状態における各連結部材30,40の操作性を向上することができる。
さらに、折曲状態にあるおむつ10において、第1及び第2連結部材30,40は、一対の縦折曲ライン64の内側に位置することによって、縦折曲ライン64による折り癖が付いたり、皺がよったりすることなく各連結部材30,40をコンパクトに折り曲げることができ、携帯性に優れる。また、折曲状態において第1係止部34は、露出することなく被覆シート67に覆われた状態にあるため、露出した第1係止部34に塵屑が付着して係止強度が低下してしまったり、おむつ10の運搬時や収容袋に収容する際に、他の物品に係止されてしまったりするのを防止することができる。なお、第1係止部34は、被覆シート67に代えて、おむつ10を構成する繊維不織布によって被覆されていてもよい。さらに、他の係止部18,44,55,56もおむつ10を構成する繊維不織布からなるシート(被覆シート)に覆われた状態にあるため、係止部が露出することによるトラブルを回避することができる。なお、折曲状態のおむつ10において、他の係止部18,44,55,56は、おむつ10とは別体の被覆シートによって覆う構成であってもよいが、図9に示す例にように、各係止部18,34,44,55,56によっておむつ10の折曲状態を維持することにより、携帯性を向上することができる。
<変形例>
図10は、第2実施形態におけるおむつ10の変形例を示す図であって、おむつ10を側面側から視た斜視図である。変形例のおむつ10では、一対の第1連結部材30及び一対の第2連結部材40がおむつ本体14の両側部に離間して配置されており、さらに、第2連結部材40の第2基端縁40aがおむつ本体14の前端縁14aから離間している。第1及び第2連結部材30,40において、第1基端縁30aは、おむつ本体14の後端縁14bに一致し、第2基端縁40aはおむつ本体14の前端縁14aから離間している。前端縁14aと第2基端縁40aとの縦方向Yにおける離間寸法は、第1連結部材30の幅寸法W2よりも大きい。一対の第1連結部材30の先端部33には、それぞれ、第1係止部34が位置しており、第1連結部材30の第1係止部34は、前ウエスト域11の外面に係止され、第2連結部材40の第2係止部44は、後ウエスト域12の外面に係止される。なお、図示していないが、第1基端縁30aが後端縁14bから離間していてもよいし、また、第2基端縁40aがおむつ本体14の前端縁14aに一致していてもよい。図示例のように、前端縁14aと第2連結部材40との離間寸法を第1連結部材30の幅寸法W2よりも大きくすることで、前後ウエスト域11,12を縦方向Yの広い範囲で身体に引き寄せることができ、フィット性が向上する。変形例のおむつ10では、各連結部材30,40が縦方向Yに沿って取り付けられているため、連続生産性に優れる。また、各連結部材30,40によって前後ウエスト域11,12を幅方向へ拡げながら装着することができるため、フィット性を高めて、漏れを防止することができる。
本発明のおむつ10を構成する各構成部材には、明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、明細書及び特許請求の範囲において、「第1」及び「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられる。
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記の事項に整理することができる。
縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを有するおむつ本体と、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを連結するための連結手段とを備える使い捨ての着用物品において、前記連結手段は、前記縦方向に沿って取り付けられた、一対の第1連結部材と一対の第2連結部材とを含み、前記一対の第1連結部材は、前記第1ウエスト域に固定された第1基端部と、前記第1基端部から延出する第1自由部とをそれぞれ有し、前記一対の第1連結部材のうち、少なくとも一方の第1連結部材の前記第1自由部には第1係止部が位置しており、前記一対の第2連結部材は、前記第2ウエスト域に固定された第2基端部と、前記第2基端部から延出し、第2係止部が位置する第2自由部とをそれぞれ有する。
上記段落0057に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の態様を含むことができる。
(1)前記第1連結部材の前記縦方向の寸法は、前記第2連結部材の前記縦方向の寸法より大きい。
(2)前記一対の第1及び第2連結部材は、それぞれ、前記おむつ本体の前記横方向の寸法を2等分する縦中心線に関して対称となるように配置されており、前記おむつ本体の前記縦方向における端縁から、前記第1基端部と前記第1自由部との境界部までの距離は、前記端縁から、前記第2基端部と前記第2自由部との境界部までの距離よりも小さい。
(3)前記おむつ本体の前記縦方向の寸法は、前記第1連結部材と前記第2連結部材の前記縦方向の寸法の和に等しい。
(4)前記第1自由部と前記第2自由部とは、互いを分離可能なミシン目を介して連結されている。
(5)前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連続部材の基端部は、前記縦方向へ延びる内側縁と、前記縦方向へ延び、かつ、前記内側縁よりも前記縦方向の寸法が大きい外側縁と、前記クロッチ域側において前記内側縁と前記外側縁とをつなぐ傾斜縁とを有する。
(6)前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、前記おむつ本体と対向する内面及びその反対側に位置する外面を有する帯状のシート部材からなるとともに、前記おむつ本体の両側縁よりも内側に配置されており、前記一方の連結部材が取り付けられるウエスト域において、前記おむつ本体の両側縁と前記一方の連結部材の内側縁との間には、前記一方の連結部材の自由部の前記外面に係止可能な第3係止部が配置される。
(7)前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、前記おむつ本体と対向する内面及びその反対側に位置する外面を有する帯状のシート部材からなるとともに、前記おむつ本体の両側縁よりも内側に配置されており、前記一方の連結部材の自由部の前記外面側であって、前記一方の連結部材の基端部側には、前記一方の連結部材が取り付けられるウエスト域に係止可能な第3係止部が配置される。
(8)前記おむつ本体は、前記縦方向へ延びる両側部を折曲するための前記縦方向に延びる一対の縦折曲ラインを有し、前記第1及び第2連結部材は、前記一対の縦折曲ラインの内側に位置する。
(9)前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、対をなす連結部材が前記横方向において互いに隣接しており、前記縦方向に沿って延びるミシン目を介して互いに分離可能に連結されている。
(10)前記一対の第1連結部材を着用者の腰部に巻き付けて前記第1係止部を前記他方の第1連結部材に係止した後、前記おむつ本体の前記第2ウエスト域を前記第1連結部に引き寄せて、前記一対の第2連結部材の前記第2係止部を前記一対の第1連結部材又は前記おむつ本体にそれぞれ係止する。
(11)前記着用物品を収容する包装体において、前記着用物品は、前記おむつ本体を折曲した包装状態において、前記第1係止部と前記第2係止部とが、繊維不織布からなる被覆シートによって覆われている。
10 おむつ
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
14 おむつ本体
30 第1連結部材
31 第1基端部
32 第1自由部
34 第1係止部
37,55 後方第3係止部
40 第2連結部材
41 第2基端部
42 第2自由部
44 第2係止部
47,56 前方第3係止部
P 縦中心線
X 横方向
Y 縦方向

Claims (12)

  1. 縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域の一方である第1ウエスト域と、前記前後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを有するおむつ本体と、前記第1ウエスト域と前記第2ウエスト域とを連結するための連結手段とを備える使い捨ての着用物品において、
    前記連結手段は、前記縦方向に沿って取り付けられた、一対の第1連結部材と一対の第2連結部材とを含み、
    前記一対の第1連結部材は、前記第1ウエスト域に固定された第1基端部と、前記第1基端部から延出する第1自由部とをそれぞれ有し、前記一対の第1連結部材のうち、少なくとも一方の第1連結部材の前記第1自由部には、第1係止部が位置しており、
    前記一対の第2連結部材は、前記第2ウエスト域に固定された第2基端部と、前記第2基端部から延出し、第2係止部が位置する第2自由部とをそれぞれ有することを特徴とする前記着用物品。
  2. 前記第1連結部材の前記縦方向の寸法は、前記第2連結部材の前記縦方向の寸法より大きい請求項1に記載の着用物品。
  3. 前記一対の第1及び第2連結部材は、それぞれ、前記おむつ本体の前記横方向の寸法を2等分する縦中心線に関して対称となるように配置されており、
    前記おむつ本体の前記縦方向における端縁から、前記第1基端部と前記第1自由部との境界部までの距離は、前記端縁から、前記第2基端部と前記第2自由部との境界部までの距離よりも小さい請求項2に記載の着用物品。
  4. 前記おむつ本体の前記縦方向の寸法は、前記第1連結部材と前記第2連結部材の前記縦方向の寸法の和に等しい請求項1〜3のいずれかに記載の着用物品。
  5. 前記第1自由部と前記第2自由部とは、互いを分離可能なミシン目を介して連結されている請求項1〜4のいずれかに記載の着用物品。
  6. 前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連続部材の基端部は、前記縦方向へ延びる内側縁と、前記縦方向へ延び、かつ、前記内側縁よりも前記縦方向の寸法が大きい外側縁と、前記クロッチ域側において前記内側縁と前記外側縁とをつなぐ傾斜縁とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の着用物品。
  7. 前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、前記おむつ本体と対向する内面及びその反対側に位置する外面を有する帯状のシート部材からなるとともに、前記おむつ本体の両側縁よりも内側に配置されており、
    前記一方の連結部材が取り付けられるウエスト域において、前記おむつ本体の両側縁と前記一方の連結部材の内側縁との間には、前記一方の連結部材の自由部の前記外面に係止可能な第3係止部が配置される請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
  8. 前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、前記おむつ本体と対向する内面及びその反対側に位置する外面を有する帯状のシート部材からなるとともに、前記おむつ本体の両側縁よりも内側に配置されており、
    前記一方の連結部材の自由部の前記外面側であって、前記一方の連結部材の基端部側には、前記一方の連結部材が取り付けられるウエスト域に係止可能な第3係止部が配置される請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
  9. 前記おむつ本体は、前記縦方向へ延びる両側部を折曲するための前記縦方向に延びる一対の縦折曲ラインを有し、前記第1及び第2連結部材は、前記一対の縦折曲ラインの内側に位置する請求項1〜8のいずれかに記載の着用物品。
  10. 前記第1及び第2連結部材のうち、少なくとも一方の連結部材は、対をなす連結部材が前記横方向において互いに隣接しており、前記縦方向に沿って延びるミシン目を介して互いに分離可能に連結されている請求項1〜9のいずれかに記載の着用物品。
  11. 前記一対の第1連結部材を着用者の腰部に巻き付けて前記第1係止部を前記他方の第1連結部材に係止した後、前記おむつ本体の前記第2ウエスト域を前記第1連結部に引き寄せて、前記一対の第2連結部材の前記第2係止部を前記一対の第1連結部材又は前記おむつ本体にそれぞれ係止する請求項1に記載の着用物品。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の着用物品を収容する包装体において、
    前記着用物品は、前記おむつ本体を折曲した包装状態において、前記第1係止部と前記第2係止部とが、繊維不織布からなる被覆シートによって覆われていることを特徴とする前記包装体。
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