JP2016123559A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】 ディンプルの効果を増大させて、優れた空気力学的性能を発揮することができる構造を備えたゴルフボールを提供する。【解決手段】 ゴルフボール1は、その表面に複数のディンプル5を備えており、少なくとも1つのディンプル5Aの外周には、複数の凹部または凸部10が断続的に配置されており、これら凹部または凸部はそれぞれ、ディンプルの輪郭と略相似形状の輪郭を、その一部として備え、凹部または凸部のそれぞれの長さは、ディンプルの外周の1/10以上から1/2未満までの範囲の長さである。【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴルフボールに関し、詳しくは、ディンプルの外周に所定の構成を設けたゴルフボールに関する。
ゴルフボールの設計において、ゴルフボールを打った際に大きな飛距離を得るためには、ゴルフボール自体に備わる高反発性と、ゴルフボール表面に配置されたディンプルによる飛行時の空気抵抗の低減が重要であることがよく知られている。
例えば、特表2002−531232号公報には、いわゆる二重ディンプルが記載されており、中央の窪みと環状の窪みを所定の条件とすることが記載されている。
特表2002−531232号公報
ゴルフボールの飛距離を向上させるためには、空気力学的性能の向上が不可欠である。ディンプルの内部に空気の流れが効果的に入り込むことにより、ディンプル効果のバラツキが減り、空力性能が向上すると考えられる。
本発明は、ディンプルの効果を増大させて、優れた空気力学的性能を発揮することができる構造を備えたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、前記複数のディンプルのうちの少なくとも1つの外周に、複数の凹部または凸部が断続的に配置されており、前記複数の凹部または凸部はそれぞれ、当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルの輪郭と略相似形状の輪郭を、その一部として備え、前記複数の凹部または凸部のそれぞれの長さは、当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルの外周の1/10以上から1/2未満までの範囲の長さである。
前記凹部または凸部と当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルとの間の距離は、1mm以下であってもよい。前記凹部の深さ又は前記凸部の高さは、0.5mm以下であってもよい。
前記凹部または凸部のディンプルに隣接する輪郭部分と、それと反対側の輪郭部分とは、同心円の弧の形状であってもよい。また、前記凹部または凸部のディンプルに隣接する輪郭部分は直線形状とし、それと反対側の輪郭部分は曲線の形状としてもよい。さらに、前記複数の凹部または凸部は、前記ディンプルの外周に二重以上に配置してもよい。
このように本発明によれば、ディンプルの外周に、ディンプルの輪郭と略相似形状の輪郭の一部を備えた複数の凹部または凸部を断続的に配置することによって、ディンプルに流れる前の空気を意図的に乱すことによって、ディンプルの効果を増大させ、空気力学的性能を向上させることができる。
本発明に係るゴルフボールの一実施の形態を示す斜視図である。 図1に示すゴルフボールの一つのディンプルを拡大した平面図である。 図2に示すディンプルの縁部分を拡大した平面図である。 図2に示すディンプルのA−A’線に沿った一例の断面図である。 図2に示すディンプルのA−A’線に沿った他の例の断面図である。る。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 本発明に係るゴルフボールのディンプルの他の実施形態を示す平面図である。 図1に示すゴルフボールを示す正面図である。 図1に示すゴルフボールを示す側面図である。の形態を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るゴルフボールの一実施の形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態のゴルフボール1の表面には、複数のディンプル5が形成されている。また、ゴルフボール1の表面のうち、ディンプル10間の部分を、通常、陸部3と呼んでいる。陸部3は、ゴルフボール1の球状の表面を構成するものであり、よって、陸部3は、どの部分においても一定の曲率表面を有するものである。
ゴルフボール1の表面に形成されるディンプル5の平面形状(すなわち、ディンプル5と陸部3との境界線をそのディンプルの垂直方向から見た形状)は、1つ又は複数の種類の形状であってよいが、本実施の形態では、その少なくとも1つの種類は、円形である。この円形に加えて、四角形、六角形、八角形などの多角形や、1つ又は複数の曲線と1つ又は複数の直線とを組み合わせた非円形といった形状のディンプルがあってもよい。また、円形や多角形などの形状が同じでも、大きさが異なるディンプルがあってもよい。
そして、これらディンプル5のうち、少なくとも1つのディンプル5Aの外周には、陸部3を介して、複数の凹部または凸部10が、断続的にディンプル5を取り囲むように配置されている。このように凹部または凸部で囲まれるディンプル5Aの外周は、その下限として、7.7mm以上が好ましく、8.0mm以上がより好ましく、8.3mm以上が更に好ましい。また、ディンプル5Aの上限は、17.1mm以下が好ましく、16.8mm以下がより好ましく、16.5mm以下が更に好ましい。
以下、複数の凹部または凸部10のうちの一つの凹部または凸部10Aの構成について詳細に説明するが、他の凹部または凸部10B〜10Eも同様の構成を有する。
一つの凹部または凸部10Aは、図3に示すように、これらが外周に配置されたディンプル5Aに隣接する側(すなわち、内側)の輪郭部分12と、その反対側(すなわち、外側)の輪郭部分14と、これら内側輪郭部分12と外側輪郭部分14とをつなぐ接続輪郭部分16とを有している。なお、本明細書において、「隣接」とは、直接的に接触していることを必要とせず、「近接」や「隣りの」と言い換えることもできる。この内側輪郭部分12は、ディンプル5Aに隣接する部分の輪郭と、略相似形状である。例えば、ディンプル5Aが円形の場合、内側輪郭部分12は、それと同心円の弧の形状となる。この略相似形状の輪郭は、内側輪郭部分12だけでなく、外側輪郭部分14も同様にしてもよく、例えば、ディンプル5Aが円形の場合、外側輪郭部分14も、それと同心円の弧の形状となる。
一つの凹部または凸部10Aの長さaは、その内側輪郭部分12の長さaでもあり、図3に示すように、略相似形状の輪郭の両端13間の輪郭に沿った長さである。この輪郭の端13は、略相似形状の曲率から輪郭の形状が変化する変曲点である。凹部または凸部10Aの長さaは、ディンプル5Aの外周の1/10以上から1/2未満までの範囲の長さを有し、1/8以上から1/3未満までの範囲の長さが好ましく、1/6以上から1/4未満までの範囲の長さがより好ましい。換言すれば、ディンプル5Aの外周を取り囲む凹部または凸部の数は、2〜10個が好ましく、3〜8個がより好ましく、4〜6個が更に好ましい。
一つの凹部または凸部10Aの幅bは、内側輪郭部分12と外側輪郭部分14との間の最も遠い距離である。凹部または凸部10Aの幅bの下限は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。幅bを0.1mm以上とすることで、ディンプル5A内に流れる空気を十分に乱すことができる。また、この幅bの上限は、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましい。
凹部または凸部10のディンプル5Aからの距離cは、ディンプル5Aの輪郭と、その略相似形状を有する内側輪郭部分12との距離である。ディンプル5Aからの距離cの上限は、1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましい。ディンプル5Aと凹部または凸部10との間の距離cを1mm以下とすることで、後述するディンプルの表面占有率を十分に確保することができる。この距離cの下限は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
一つの凹部または凸部10Aとそれに隣接する凹部または凸部10Bとの間の距離dは、内側輪郭部分12の端13Aと、それと隣接する内側輪郭部分12の端13Bとの間の直線距離である。凹部または凸部10間の距離dの下限は、0.1mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましい。また、この距離dの上限は、1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。このように、凹部または凸部10間の距離dを0.1mm以上とすることで、ディンプル5Aに流れる空気を十分に乱すことができる。一方、この距離dが1.0mmを超えると、ディンプル5Aに流れる乱れた空気の絶対量が減るため、好ましくない。
凹部または凸部10の接続輪郭部分16の形状は、特に限定されないが、内側輪郭部分12の端13と外側輪郭部分14の端15とを曲線で結ぶ形状が好ましい。
凹部または凸部10が凹部10Vの場合について、ディンプル5Aの直径に沿ったディンプル5A及び凹部10Vの断面を図4に示す。ディンプル5Aは、図4に示すように、ディンプル底面7を有するとともに、深さDPを有している。この深さDPは、ディンプル5Aと陸部3との2つの境界点6(すなわち、ディンプルの輪郭)を結ぶ線Sを基準として、ディンプル底面7の最も深い点8までの距離である。ディンプル5Aの深さDPの下限は、0.05mm以上が好ましく、0.10mm以上がより好ましい。また、ディンプル5Aの深さDPの上限は、0.50mm以下が好ましく、0.35mm以下がより好ましい。
ディンプル直径に沿った断面でのディンプル底面7の形状は、なだらかな曲線を有することが好ましい。特に、ディンプル底面7の曲線形状は、そのエッジ角αの下限が、5°以上であることが好ましく、8°以上であることが好ましい。また、エッジ角αの上限は、17°以下が好ましく、13°以下がより好ましい。エッジ角αは、その底面曲線上のディンプル深さDPのうちの10%の点を通る接線Eと、上記線Sとのなす角である。
凹部10Vは、図4に示すように、凹部底面17Vを有するとともに、深さGPを有している。この深さGPは、凹部10Vと陸部3との2つの境界点12V、14V(すなわち、凹部の内側および外側の輪郭)を結ぶ線Sを基準として、凹部底面17Vの最も深い点18Vまでの距離である。凹部10Vの深さGPの下限は、0.100mm以上が好ましく、0.105mm以上がより好ましい。また、凹部10Vの深さGPの上限は、0.500mm以下が好ましく、0.450mm以下がより好ましい。
ディンプル直径に沿った断面での凹部底面17Vの形状は、なだらかな曲線を有することが好ましい。特に、凹部底面17Vの曲線形状は、そのエッジ角βの下限が、5°以上であることが好ましく、10°以上であることが好ましい。また、エッジ角βの上限は、90°以下が好ましく、60°以下がより好ましい。エッジ角βは、その底面曲線上の凹部深さGPのうちの10%の点を通る接線Eと、上記線Sとのなす角である。
また、凹部または凸部10が凸部10Xの場合について、ディンプル5Aの直径に沿ったディンプル5A及び凸部10Xの断面を図5に示す。凸部10Xは、図5に示すように、凸部表面17Xを有するとともに、高さCPを有している。この高さCPは、凸部10Xと陸部3との2つの境界点12X、14X(すなわち、凸部の内側および外側の輪郭)を結ぶ線Sを基準として、凸部表面17Xの最も高い点18Xまでの距離である。凸部10Xの高さCPの下限は、0.100mm以上が好ましく、0.105mm以上がより好ましい。また、凸部10Xの高さCPの上限は、0.500mm以下が好ましく、0.450mm以下がより好ましい。
ディンプル直径に沿った断面での凸部表面17Xの形状は、なだらかな曲線を有することが好ましい。特に、凸部底面17Xの曲線形状は、上述した凹部の場合と同様に、エッジ角βの下限が、5°以上であることが好ましく、10°以上であることが好ましい。また、エッジ角βの上限は、90°以下が好ましく、60°以下がより好ましい。凸部の場合のエッジ角βは、その表面曲線上の凸部高さCPのうちの10%の点を通る接線Eと、上記線Sとのなす角である。
ディンプル5Aおよび凹部または凸部10の形状および配置について、図1及び2に示すように、円形のディンプル5Aの外周に、5つの均等幅の凹部または凸部10A〜10Eが一列に取り囲む態様について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6〜図11に示すように、各種の態様の形状および配置を採用することができる。
例えば、図6に示すように、円形のディンプル5Aの外周に、複数の凹部または凸部20で二重に取り囲むように配置することができる。二重のうちの内側の凹部または凸部20Aは、その長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図2の一重の場合と同様である。外側の凹部または凸部20Bは、その長さa、幅b、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、内側の凹部または凸部20Aの場合と同様である。
ディンプル5Aの輪郭からの外側の凹部または凸部20Bまでの距離c’の下限としては、0.3mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。また、この距離c’の上限は、3mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましい。外側の凹部または凸部20B間の距離d’の下限は、0.2mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましい。また、この距離d’の上限は、2mm以下が好ましく、1.7mm以下がより好ましい。
また、図7に示すように、略六角形のディンプル5Bの外周に、複数の凹部または凸部30を断続的に配置することができる。この場合、凹部または凸部30は、多角形の辺の部分にのみ合わせて配置しても、角の部分を含めて配置してもよい。辺の部分のみに合わせて配置する場合、凹部または凸部30の内側輪郭部分および外側輪郭部分の形状はそれぞれ直線となる。凹部または凸部30の長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図2の場合と同様である。
図8に示すように、円形のディンプル5Aの外周に、複数の滴形状の凹部または凸部40を断続的に配置することができる。この場合、凹部または凸部40の内側輪郭部分のみが、円形ディンプル5Aと略相似形状を有するものとなる。凹部または凸部40の長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図2の場合と同様である。なお、エッジ角βは、内側輪郭部分の両端のうち、幅が広い方の端の位置で測定したものである。
図9に示すように、略六角形のディンプル5Bの外周に、複数の滴形状の凹部または凸部50を断続的に配置することもできる。凹部または凸部50は、多角形の辺の部分にのみ合わせて配置することが好ましい。辺の部分のみに合わせて配置する場合、凹部または凸部50の内側輪郭部分の形状は直線となる。凹部または凸部50は、その長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図7の場合と同様である。エッジ角βの測定条件は、上述した図8の場合と同様である。
図10に示すように、略六角形のディンプル5Bの外周に、複数の円弧形状の凹部または凸部60を断続的に配置することができる。この場合、凹部または凸部60は、多角形の辺の部分にのみ合わせて配置しても、角の部分を含めて配置してもよい。辺の部分のみに合わせて配置する場合、凹部または凸部50の内側輪郭部分の形状は直線となり、外側輪郭部分の形状は、弧の形状となる。特に、複数の凹部または凸部60の外側輪郭部分の形状が組み合わさって、断続的ながら1つの円の形状となることが好ましい。凹部または凸部50の長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図7の場合と同様である。エッジ角βの測定条件は、内側輪郭部分の中央の位置で測定したものである。
図11に示すように、円形のディンプル5Aの外周に、複数の円弧形状の凹部または凸部60を断続的に配置することができる。凹部または凸部60の内側輪郭部分は、円形ディンプルと同心円の弧の形状となり、外側輪郭部分の形状は、この弧の形状よりも曲率半径が小さい円の弧の形状となる。凹部または凸部60の長さa、幅b、ディンプルからの距離c、凹部または凸部間の距離d、深さGP若しくは高さCP、エッジ角βの好ましい範囲は、上述した図2の場合と同様である。エッジ角βの測定条件は、上述した図10の場合と同様である。
図1、図2、図6〜図11では、凹部または凸部の数が5つ又は6つの場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのディンプル5A、5Bに対して、一重の場合、2個から10個を配置することが好ましい。また、複数の凹部または凸部を、二重や三重等の複数に取り囲むこともでき、それぞれ、2個から10個を配置することが好ましい。
ゴルフボール1の表面上の全てのディンプル5の外周に上記の凹部または凸部10〜70を配置することが求められるものではなく、凹部または凸部は、少なくとも1つのディンプルの外周に配置することは当然ながら、ディンプルの総数に対して、5%以上のディンプルに配置することが好ましく、15%以上がより好ましい。また、凹部または凸部は、全てのディンプルの外周に配置してもよく、ディンプルの総数に対して、70%以下のディンプルに配置することがより好ましい。更に、凹部または凸部が外周に配置されるディンプル5Aは、より優れた空力等方性および空気抵抗を発揮する観点から、ゴルフボール1全体に均等に配置することが好ましい。さらに、図1に示すように、このような凹部または凸部に囲まれた複数のディンプル5Aで、凹部または凸部に囲まれていないディンプル5の外周を更に取り囲むようにも配置してもよい。
なお、ディンプルの総数の上限は、これに限定されないが、500個以下が好ましく、450個以下がより好ましい。また、ディンプルの総数の下限は、これに限定されないが、200個以上が好ましく、250個以上がより好ましい。
さらに、本発明は、その特徴の1つとして、ディンプルの表面占有率(すなわち、ディンプルがないとしたゴルフボールの仮想球面の全表面積に対して、ディンプルが占める面積の総和が占める比率)を、65%以上とする。なお、このディンプルの表面占有率は、ディンプル5、5Aの面積を対象とし、凹部または凸部10の面積はディンプルの面積に含まれない。ディンプルの表面占有率SRは、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。ディンプルの表面占有率SRの上限は、特に限定されないが、99%以下が好ましい。特に、大きさが異なる少なくとも3種類のディンプルを配置することが好ましく、これによって、ゴルフボールの球状表面上に隙間なく均一にディンプルを配置することができる。
本発明に係るゴルフボールは金型により製造することができる。このような金型の作成には、3DCAD又はCAMを使用し、反転用マスター型に、全表面形状を直接3次元で削りだす手法や、又は成型用金型のキャビティ部を直接3次元で削りだす手法を用いることができる。金型のパーティングラインがゴルフボール表面の陸部を通るように金型を設計することによって、仕上げ加工(トリミング)を容易にすることができる。また、ゴルフボールの球面にディンプルを偏りなく展開するには、20面体、12面体、8面体などの多面体の他、3回転対称、5回転対称などの回転対称といった配置手法を利用することが好ましい。
ゴルフボール表面に形成するディンプルおよびその外周の凹部の配置について、図2、6、7に示すパターン1、2、3を採用した。各パターンの具体的な寸法および角度について表1に示す。また、凸部を配置する場合の各寸法および角度について表2に示す。
Figure 2016123559
Figure 2016123559
表1に示すディンプルおよび凹部の各パターンを用いて、ゴルフボールの表面にディンプルの配置を行った(実施例1〜6)。また、比較例として、凹部も凸部も配置しなかった場合のゴルフボールのディンプル配置も行った(比較例1、2)。それらの条件を表3に示す。なお、実施例2のディンプルの配置について、その斜視図を図1に、正面図を図12に、側面図を図13に示す。
Figure 2016123559
この実施例および比較例の各ゴルフボールについて、飛距離および速度維持率をシュミレーションした。その結果を表3に示す。
飛距離についての評価は、ゴルフ打撃ロボットにドライバーW#1を装着して、ヘッドスピード45m/s、打ち出し角10°、スピン量2800rpmでサンプルを打撃した時のボールの飛距離(キャリー)を算出した。
速度維持率についての評価は、上記の飛距離評価の条件において、打出し時点とその1秒後のゴルフボールの速度をそれぞれ算出し、打出し時点に対して1秒後のゴルフボールが速度を維持する割合を求めた。
表3に示すように、比較例1、2のゴルフボールよりも、ディンプルに所定の凹部を配置した実施例1〜6のゴルフボールは、いずれも、飛距離および速度維持率が向上した結果を得ることができた。
1 ゴルフボール
3 陸部
5 ディンプル
10、20、30、40、50、60、70 凹部または凸部
12 内側輪郭部分
14 外側輪郭部分
16 接続輪郭部分
17V 凹部の底面
17X 凸部の表面

Claims (6)

  1. 表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、前記複数のディンプルのうちの少なくとも1つの外周に、複数の凹部または凸部が断続的に配置されており、前記複数の凹部または凸部はそれぞれ、当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルの輪郭と略相似形状の輪郭を、その一部として備え、前記複数の凹部または凸部のそれぞれの長さは、当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルの外周の1/10以上から1/2未満までの範囲の長さであるゴルフボール。
  2. 前記凹部または凸部と当該凹部または凸部が外周に配置されたディンプルとの間の距離は、1mm以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記凹部または凸部のディンプルに隣接する輪郭部分と、それと反対側の輪郭部分とが、同心円の弧の形状である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 前記凹部または凸部のディンプルに隣接する輪郭部分が直線形状であり、それと反対側の輪郭部分が曲線の形状である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  5. 前記複数の凹部または凸部が、前記ディンプルの外周に二重以上に配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが、0.5mm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
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