最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置であって、電力消費の抑制対象とすべき上記負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記対象負荷情報の示す上記対象負荷を制御することにより、上記対象負荷の電力消費を抑制する制御部とを備える。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した対象負荷情報の示す対象負荷を制御する構成により、アグリゲータ側の装置は、需要家の電力需要施設における対象負荷を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況をより確実に回避することができる。また、需要家装置は対象負荷情報に従って対象負荷を制御する構成であればよいので、需要家装置の構成を簡素化することができる。
(2)好ましくは、上記受信部は、さらに、上記対象負荷の制御内容を示す制御情報を受信し、上記制御部は、上記制御情報の示す上記制御内容に従って上記対象負荷を制御する。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した制御情報の示す内容の制御を対象負荷に対して行う構成により、アグリゲータ側の装置は、電力需要施設における対象負荷の制御内容を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。また、需要家装置は制御情報に従って対象負荷を制御する構成であればよいので、需要家装置の構成を簡素化することができる。また、たとえば、アグリゲータ側の装置において対象負荷に対する制御のバリエーションを増やすことができる。これにより、対象負荷の制御を繊細に行うことができるので、電力消費の抑制量をより細かく調整することができる。また、対象負荷の種類に応じた制御を行うことができるので、需要家の電力需要施設における節電の弊害を緩和することができる。具体的には、たとえば空調装置に対しては、オフする制御の代わりに設定値を変更する制御を行うことで、電力消費を抑制しながら居住環境の不快さの程度を緩和することができる。
(3)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、1または複数の上記負荷との通信方法に関する情報を記憶する記憶部を備え、上記制御部は、上記対象負荷との通信方法に関する情報を上記記憶部から取得し、取得した上記通信方法を用いて上記対象負荷を制御する。
このような構成により、たとえば、アグリゲータ側の装置が対象負荷と直接通信することができない場合においても、アグリゲータ側の装置は、需要家装置を介して対象負荷と通信を行うことができるので、当該対象負荷を容易に制御することができる。
(4)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記電力需要施設において新たに登録すべき負荷である新規負荷、に関する負荷情報を送信する送信部を備え、上記受信部は、さらに、上記新規負荷が登録された旨を示す応答情報を受信する。
このような構成により、需要家装置における処理によってたとえばアグリゲータ側の装置に新規負荷を登録することができるので、アグリゲータ側の装置を操作して新規負荷を登録するというオペレータの負担を軽減し、かつ新規負荷の登録を迅速に行うことができる。また、登録情報を含むテーブルのメンテナンス処理の負荷を軽減することができる。
(5)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記電力需要施設において新たに登録すべき負荷である新規負荷、に関する負荷情報を送信する送信部を備え、上記受信部は、さらに、上記新規負荷が登録された旨を示す応答情報を受信し、上記需要家装置は、さらに、1または複数の上記負荷との通信方法に関する情報を記憶する記憶部と、上記受信部によって受信された上記応答情報に対応する上記新規負荷との通信方法に関する情報を上記記憶部に保存する更新部とを備える。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置に新規負荷が登録されたことに応答して新規負荷との通信方法に関する情報を記憶部に保存する構成により、アグリゲータ側の装置における登録内容と記憶部における保存内容との同期をとることができる。
(6)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記電力需要施設において登録を抹消すべき負荷である抹消対象負荷、に関する負荷情報を送信する送信部を備え、上記受信部は、さらに、上記抹消対象負荷の登録が抹消された旨を示す応答情報を受信する。
このような構成により、需要家装置における処理によってたとえばアグリゲータ側の装置から抹消対象負荷を抹消することができるので、アグリゲータ側の装置を操作して抹消対象負荷を抹消するというオペレータの負担を軽減し、かつ抹消対象負荷の抹消を迅速に行うことができる。また、登録情報を含むテーブルのメンテナンス処理の負荷を軽減することができる。
(7)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記電力需要施設において登録を抹消すべき負荷である抹消対象負荷、に関する負荷情報を送信する送信部を備え、上記受信部は、さらに、上記抹消対象負荷の登録が抹消された旨を示す応答情報を受信し、上記需要家装置は、さらに、1または複数の上記負荷との通信方法に関する情報を記憶する記憶部と、上記受信部によって受信された上記応答情報に対応する上記抹消対象負荷との通信方法に関する情報を上記記憶部から削除する更新部とを備える。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から抹消対象負荷が抹消されたことに応答して抹消対象負荷との通信方法に関する情報を記憶部から削除する構成により、アグリゲータ側の装置における登録内容と記憶部における保存内容との同期をとることができる。
(8)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記対象負荷の動作状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、上記状態情報取得部によって取得された上記状態情報を送信する送信部とを備える。
このような構成により、需要家装置の動作状態をたとえばアグリゲータ側の装置へ通知することができるので、アグリゲータ側の装置は、需要家装置の動作状態に基づいて、たとえば対象負荷の電力消費を抑制する制御に対してフィードバックをかけることができる。
(9)好ましくは、上記需要家装置は、さらに、上記電力需要施設における電力消費量を示す電力消費情報を取得する消費情報取得部と、上記消費情報取得部によって取得された上記電力消費情報を送信する送信部とを備える。
このような構成により、需要家装置の電力消費量をたとえばアグリゲータ側の装置へ通知することができるので、アグリゲータ側の装置は、電力消費量に基づいて、対象負荷の電力消費を抑制する制御に対してフィードバックをかけることができる。
(10)好ましくは、上記制御部は、電力消費の抑制の対象期間の開始タイミングにおいて上記対象負荷の制御を開始し、上記制御部は、上記対象期間の終了タイミングにおいて上記対象負荷の制御を終了するか、または上記対象期間の終了に関する情報を出力する。
このような構成により、対象負荷の制御を対象期間の開始タイミングより前の状態に自動で戻すことができるので、需要家の負担を軽減することができる。また、対象負荷の電力消費を抑制する制御が終了したことを通知することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る電力消費管理装置は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置であって、電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得する管理情報取得部と、上記管理情報取得部によって取得された上記電力管理情報に基づいて、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を決定する負荷決定部と、上記負荷決定部によって決定された上記対象負荷を示す対象負荷情報を需要家装置へ送信する送信部とを備える。
このような構成により、需要家の電力需要施設における対象負荷を電力消費管理装置において指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。
(12)好ましくは、上記電力消費管理装置は、さらに、上記対象負荷の候補に関する情報を記憶する記憶部を備え、上記負荷決定部は、上記電力管理情報に基づいて上記記憶部における上記対象負荷の候補の中から上記対象負荷を決定する。
このような構成により、たとえば複数の電力需要施設における対象負荷の候補の中から対象負荷をそれぞれ指定することができるので、電力消費管理システム全体として最適な電力消費の抑制を行うことができる。また、対象負荷の候補をたとえば需要家により電力消費管理装置に設定することができるので、対象負荷の候補を、電力消費を抑制する制御を需要家が容認できる負荷に限定することができる。これにより、節電要請の対象期間における需要家の電力需要施設における不便さを軽減することができる。
(13)好ましくは、上記負荷決定部は、さらに、上記電力管理情報に基づいて、上記対象負荷の制御内容を決定し、上記送信部は、さらに、上記負荷決定部によって決定された上記制御内容を示す制御情報を上記需要家装置へ送信する。
このような構成により、電力需要施設における対象負荷の制御内容を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。また、たとえば複数の電力需要施設における対象負荷の制御内容をそれぞれ指定することができるので、電力消費管理システム全体としてより最適な電力消費の抑制を行うことができる。また、たとえば、アグリゲータ側の装置において対象負荷に対する制御のバリエーションを増やすことができる。これにより、対象負荷の制御を繊細に行うことができるので、電力消費の抑制量をより細かく調整することができる。また、対象負荷の種類に応じた制御を行うことができるので、需要家の電力需要施設における節電の弊害を緩和することができる。具体的には、たとえば空調装置に対しては、オフする制御の代わりに設定値を変更する制御を行うことで、電力消費を抑制しながら居住環境の不快さの程度を緩和することができる。
(14)好ましくは、上記電力消費管理装置は、さらに、上記対象負荷の動作状態を示す状態情報を上記需要家装置から受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記状態情報に基づいて、上記対象負荷に対する上記需要家装置の制御を評価する評価部とを備える。
このような構成により、対象負荷に対する需要家装置の制御の評価結果に基づいて、たとえば現在の需要家装置の動作状態に応じた内容の制御へ変更することができる。
(15)好ましくは、上記電力消費管理装置は、さらに、上記電力需要施設における電力消費量を示す電力消費情報を上記需要家装置から受信する受信部と、上記受信部によって受信された電力消費情報の示す上記電力消費量、および上記電力管理情報の示す電力消費の目標を比較し、比較した結果に基づいて上記対象負荷に対する上記需要家装置の制御を評価する評価部とを備える。
このような構成により、対象負荷に対する需要家装置の制御の、需要家装置の電力消費量に基づく適切な評価結果を用いて、たとえば需要家装置の電力消費量を電力管理情報の示す電力消費の目標により近づける制御を行うことができる。
(16)より好ましくは、上記電力消費管理装置は、さらに、上記対象負荷の候補に関する情報を記憶する記憶部と、上記評価部による上記制御の評価結果に基づいて、上記記憶部における上記対象負荷の候補の中から抹消すべき上記対象負荷を決定し、決定した上記対象負荷に関する情報を上記記憶部から削除する削除部とを備える。
このような構成により、たとえば制御性が悪い対象負荷の候補を記憶部から削除することができるので、記憶部における対象負荷の候補において制御性が良い対象負荷の候補の割合を増やすことができる。また、たとえば電力消費の抑制能力が低い対象負荷の候補を記憶部から削除することができるので、記憶部における対象負荷の候補において電力消費の抑制能力が高い対象負荷の候補の割合を増やすことができる。
(17)本発明の実施の形態に係る電力消費管理システムは、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置と、上記電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置とを備え、上記電力消費管理装置は、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を上記需要家装置へ送信し、上記需要家装置は、上記対象負荷情報を上記電力消費管理装置から受信し、受信した上記対象負荷情報の示す上記対象負荷を制御することにより、上記対象負荷の電力消費を抑制する。
このように、電力消費管理装置から送信される対象負荷情報の示す対象負荷を需要家装置が制御する構成により、電力消費管理装置は、需要家の電力需要施設における対象負荷を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。また、需要家装置は対象負荷情報に従って対象負荷を制御する構成であればよいので、需要家装置の構成を簡素化することができる。
(18)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置における電力消費管理方法であって、電力消費の抑制対象とすべき上記負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を受信するステップと、受信した上記対象負荷情報の示す上記対象負荷を制御することにより、上記対象負荷の電力消費を抑制するステップとを含む。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した対象負荷情報の示す対象負荷を制御する構成により、アグリゲータ側の装置は、需要家の電力需要施設における対象負荷を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況をより確実に回避することができる。また、需要家装置は対象負荷情報に従って対象負荷を制御する構成であればよいので、需要家装置の構成を簡素化することができる。
(19)本発明の実施の形態に係る電力消費管理方法は、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置における電力消費管理方法であって、電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得するステップと、取得した上記電力管理情報に基づいて、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を決定するステップと、決定した上記対象負荷を示す対象負荷情報を需要家装置へ送信するステップとを含む。
このような構成により、需要家の電力需要施設における対象負荷を電力消費管理装置において指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。
(20)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力消費の抑制対象とすべき上記負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を受信するステップと、受信した上記対象負荷情報の示す上記対象負荷を制御することにより、上記対象負荷の電力消費を抑制するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した対象負荷情報の示す対象負荷を制御する構成により、アグリゲータ側の装置は、需要家の電力需要施設における対象負荷を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況をより確実に回避することができる。また、需要家装置は対象負荷情報に従って対象負荷を制御する構成であればよいので、需要家装置の構成を簡素化することができる。
(21)本発明の実施の形態に係る電力消費管理プログラムは、電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置において用いられる電力消費管理プログラムであって、コンピュータに、電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得するステップと、取得した上記電力管理情報に基づいて、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を決定するステップと、決定した上記対象負荷を示す対象負荷情報を需要家装置へ送信するステップとを実行させるためのプログラムである。
このような構成により、需要家の電力需要施設における対象負荷を電力消費管理装置において指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、電力消費管理システム301は、系統側管理装置151と、電力消費管理装置101と、需要家装置202A,202B,202Cと、高負荷203A,203B,203Cと、低負荷204A,204B,204Cとを備える。
以下、需要家装置202A,202B,202Cの各々を、需要家装置202とも称する。高負荷203A,203B,203Cの各々を、高負荷203とも称する。低負荷204A,204B,204Cの各々を、低負荷204とも称する。高負荷203および低負荷204の各々を、負荷205とも称する。
図1では、3つの需要家装置202を代表的に示しているが、さらに多数または少数の需要家装置202が設けられてもよい。また、需要家装置202に対応して1つの高負荷203を代表的に示しているが、さらに多数または少数の高負荷203が需要家装置202に対応して設けられてもよい。また、需要家装置202に対応して1つの低負荷204を代表的に示しているが、さらに多数または少数の低負荷204が需要家装置202に対応して設けられてもよい。
系統側管理装置151は、電力系統側である電力会社または系統運用会社等によって運用され、電力消費に関する電力管理情報を含むDR(Demand Response)要請信号を電力消費管理装置101へ送信する。電力管理情報は、たとえば、電力消費の抑制の対象期間(以下、DR期間とも称する。)の開始タイミングであるDR開始タイミングおよびDR期間の長さ、ならびに依頼電力量、電力消費の削減依頼量または削減レベルの少なくともいずれか一つを含む。なお、電力管理情報には、DR期間の長さの代わりにDR期間の終了タイミングであるDR終了タイミングが含まれていてもよい。
需要家装置202は、電力会社から電力の供給を受けるビル、工場または一般家庭等の電力需要施設において用いられる。需要家装置202は、電力需要施設ごとに1つ設けられてもよいし、電力需要施設ごとに複数設けられてもよい。電力会社は、たとえば発電事業者または電力小売り事業者である。
需要家装置202は、電力需要施設における1または複数の負荷205を制御可能である。負荷205は、二次電池をエネルギー源とする二次電池式電気自動車およびプラグインハイブリッドカー、ならびに照明、テレビおよび空調装置等の電気機器である。
より詳細には、需要家装置202は、電気機器の動作を制御することによって消費電力の削減を図るためのBEMS(Building Energy Management System)またはHEMS(Home Energy Management System)等のシステムにおいて用いられる装置であり、たとえばアグリゲータによって導入される。
電力消費管理装置101は、たとえばアグリゲータによって運用され、1または複数の需要家装置202と通信を行なうことにより、1または複数の電力需要施設における電力消費を管理する。電力消費管理装置101は、たとえば、需要家装置202が設けられる電力需要施設から遠隔の場所に設置されることが多い。
[課題]
たとえば、電力消費管理装置101は、系統側管理装置151からDR要請信号を受信すると、受信したDR要請信号に含まれる電力管理情報に基づいて、電力消費に関する指示情報を1または複数の需要家装置202に通知する指示処理を行なう。
より詳細には、電力消費管理装置101は、たとえば、電力管理情報に基づいて、電力消費を抑制すべき節電期間、および抑制すべき電力量である抑制量を節電目標として示す指示情報を1または複数の需要家装置202へ通知する。なお、節電目標は、抑制すべき電力量に限らず、たとえば削減率または削減割合であってもよい。
需要家装置202は、電力消費管理装置101から指示情報を受信すると、受信した指示情報に基づいて、自己が制御可能な1または複数の負荷205に対して節電のための制御を行うか否かの判断を行う。この判断は、たとえば需要家装置202の節電ポリシーに従って行われる。すなわち、需要家装置202が主体的に負荷205を制御する。そして、需要家装置202は、節電のための制御対象とすべきと判断した負荷205に、節電を行わせるための制御指示を出力する。
具体的には、需要家装置202Aは、たとえば、自己の節電ポリシーに従って、高負荷203Aの制御を行うと判断して高負荷203Aに制御指示を出力する一方、低負荷204Aの制御を行わないと判断する。
また、需要家装置202Bは、たとえば、自己の節電ポリシーに従って、高負荷203Bの制御を行わないと判断する一方、低負荷204Bの制御を行うと判断して低負荷204Bに制御指示を出力する。
また、需要家装置202Cは、たとえば、自己の節電ポリシーに従って、高負荷203Cおよび低負荷204Cの両方の制御を行わないと判断する。
すなわち、この例では、負荷205に対する節電のための制御に関する判断が需要家装置202において行われることから、電力消費管理装置101からの指示情報に対する電力需要施設における節電は、需要家装置202に大きく依存することになる。
そこで、本発明の実施の形態に係る電力消費管理システム301における電力消費管理装置101および需要家装置202では、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[電力消費管理システムの適用例]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの適用例を示す図である。
図2を参照して、電力会社の施設には、たとえばサーバである系統側管理装置151が設けられている。アグリゲータの施設には、たとえばDRAS(Demand Response Automation Server)である電力消費管理装置101が設けられている。各需要家のうちの1つである需要家AAAの施設には、たとえば計測装置および制御装置の機能を有する需要家装置202と、LAN(Local Area Network)接点変換器207と、前述の負荷205である負荷205A〜205Eとが設けられている。以下、負荷205A,205B,205C,205D,205Eの識別子すなわちIDは、それぞれAAA−1,AAA−2,AAA−3,AAA−4,AAA−5である。また、「需要家AAA」における「AAA」は、需要家AAAのIDを示すものとする。
たとえば、負荷205A,205B,205C,205Eは、二次電池式電気自動車、プラグインハイブリッドカー、照明、およびテレビ等、オンまたはオフの制御を受け付け可能な負荷である。また、たとえば、負荷205Dは、空調装置等、設定値の受け付けおよびオンまたはオフの制御を受け付け可能な負荷である。
系統側管理装置151は、たとえば、卸電力価格が高騰または電力需給が逼迫した場合において、電力管理情報を含むDR要請信号をたとえばインターネット10経由で電力消費管理装置101へ送信する。
[電力消費管理装置]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図3を参照して、電力消費管理装置101は、受信部22と、送信部23と、管理情報取得部24と、負荷決定部25と、記憶部26とを備える。
管理情報取得部24は、電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得する。より詳細には、受信部22は、系統側管理装置151からDR要請信号をインターネット10経由で受信すると、受信したDR要請信号を管理情報取得部24へ出力する。
管理情報取得部24は、受信部22からDR要請信号を受けると、受けたDR要請信号から電力管理情報を取得し、取得した電力管理情報を負荷決定部25へ出力する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置における記憶部が保持するDLC(Direct Load Control)マッピングテーブルの一例を示す図である。
図4を参照して、記憶部26は、電力消費の抑制対象とすべき負荷205(以下、対象負荷205とも称する。)の候補に関する情報を含むDLCマッピングテーブルTbl1を記憶する。
具体的には、DLCマッピングテーブルTbl1には、1または複数の節電パターンが、節電指示を与えるべき需要家の候補である需要家候補のIDに対応付けられている。たとえば、図4に示すように、DLCマッピングテーブルTbl1には、1または複数の節電パターンが、節電指示を与えるべき需要家の候補である需要家候補のIDごとにまとめられている。節電パターンは、対象負荷205の候補である対象負荷候補のID(以下、対象負荷候補IDとも称する。)と、当該対象負荷候補が抑制可能な電力量を示す抑制可能量と、当該対象負荷候補に与えるべき制御内容とを含む。
DLCマッピングテーブルTbl1の内容は、たとえば、アグリゲータにおけるオペレータにより入力される。
また、記憶部26は、たとえば需要家のIDと当該需要家の需要家装置202のアドレスとの対応関係を示すアドレス表を保持している。
[需要家の選択]
負荷決定部25は、たとえば、管理情報取得部24から電力管理情報を受けると、記憶部26からDLCマッピングテーブルTbl1を取得し、取得したDLCマッピングテーブルTbl1の内容に基づいて需要家を選択する。
具体的には、負荷決定部25は、以下のいずれかの方法を用いて、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる需要家候補の中から節電対象の需要家である対象需要家を選択する。なお、DLCマッピングテーブルTbl1は、複数の需要家候補を含む内容に限らず、1人の需要家候補を含む内容であってもよい。この場合、負荷決定部25は、たとえば当該1人の需要家候補を対象需要家として決定する。
たとえば、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1における需要家候補のすべてを対象需要家として選択する。
また、たとえば、各需要家候補に優先度が付与されている場合、負荷決定部25は、当該優先度に応じて需要家候補の中から対象需要家を選択する。このような優先度は、たとえば、電力需要施設ごとの契約等に基づいて各需要家候補に付与される。
また、たとえば、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1における需要家候補の中から輪番で対象需要家を選択する。
また、たとえば、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1における需要家候補の中からランダムに対象需要家を選択する。
また、たとえば、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1における需要家候補の中から、各需要家候補の住所情報を用いること等により、郵便番号単位、市町村および番地単位、変電所単位、トランス単位、天気予報の地域エリア単位、又は仮想的な任意のグループ単位で対象需要家を選択する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費の抑制の一例を示す図である。
図5を参照して、たとえば、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1における需要家候補の中から、各需要家候補の電力需要施設における過去の抑制量の実績値に基づいて対象需要家を選択する。
より詳細には、たとえば、系統側管理装置151は、電力需給の逼迫が予想される場合、節電期間B、および節電期間Bにおける消費電力量の上限値である依頼電力量Aを決定する。そして、系統側管理装置151は、節電期間Bの開始タイミング、節電期間Bの長さ、および依頼電力量Aを含む電力管理情報をDR要請信号に含めて電力消費管理装置101へ送信する。
管理情報取得部24は、系統側管理装置151から受信部22経由でDR要請信号を受信すると、受信したDR要請信号から電力管理情報を取得し、取得した電力管理情報を負荷決定部25へ出力する。
負荷決定部25は、たとえば、管理情報取得部24から電力管理情報を受けると、受けた電力管理情報から節電期間Bの開始タイミング、節電期間Bの長さ、および依頼電力量Aを取得する。
負荷決定部25は、たとえば、各電力需要施設における消費電力量の想定値の総和である想定総電力量Cを系統側管理装置151から受信部22および管理情報取得部24経由で受信するか、または保持している。想定総電力量Cは、たとえば、ベースラインと呼ばれる、電力消費を抑制しなかった場合の電力消費量であり、過去の電力消費データ等に基づいて算出される。
想定総電力量Cから依頼電力量Aを減算した結果が、電力消費管理装置101が配下の各需要家装置202に要請すべき総依頼抑制量Dすなわち削減依頼量である。
以下、電力需要施設の選択および想定総抑制量の算出の具体例について詳細に説明する。
負荷決定部25は、たとえば以下の(A1)〜(A3)および(B)のいずれかの方法を用いる。
方法(A1)〜(A3)では、負荷決定部25は、複数の需要家候補の各電力需要施設における過去の抑制量の実績値に基づいて、電力需要施設の選択すなわち対象需要家の選択を行なう。
より詳細には、負荷決定部25は、各電力需要施設において過去に実際に行われた抑制量を所定時間たとえば30分単位で集計し、この単位時間ごとに抑制量の平均値、分散値または最大値を算出する。
(A1)節電期間Bの時間帯、たとえば13:00〜16:00の時間帯における単位時間当たりの抑制量の平均値の総和(以下、平均総和とも称する。)を求め、平均総和が大きい電力需要施設から順に選択していき、選択したN件(Nは1以上の整数)の電力需要施設の平均総和の合計が総依頼抑制量Dを超えるまで電力需要施設を選択する。このように、平均総和が大きい電力需要施設から順に選択することにより、電力需要施設の選択の妥当性を高めることができる。
(A2)節電期間Bの時間帯、たとえば13:00〜16:00の時間帯における単位時間当たりの抑制量の分散値の総和を求め、当該総和が小さい電力需要施設から順に選択していき、選択したN件(Nは1以上の整数)の電力需要施設の平均総和の合計が総依頼抑制量Dを超えるまで電力需要施設を選択する。このように、分散値の総和が小さい電力需要施設から順に選択することにより、抑制量のばらつきにより各電力需要施設における抑制量の総和が総依頼抑制量Dを超えなくなる事態の発生を抑制することができる。
(A3)節電期間Bの時間帯、たとえば13:00〜16:00の時間帯における単位時間当たりの抑制量の最大値の総和を求め、当該総和が大きい電力需要施設から順に選択していき、選択したN件(Nは1以上の整数)の電力需要施設の平均総和の合計が総依頼抑制量Dを超えるまで電力需要施設を選択する。このように、最大値が大きい電力需要施設から順に選択することにより、選択される電力需要施設の数をより少なくすることができる。
方法(B)では、負荷決定部25は、予測に基づいて、電力需要施設の選択すなわち対象需要家の選択を行なう。
より詳細には、負荷決定部25は、たとえば、電力消費の非抑制依頼時における過去の消費電力量の実績、当該実績の得られたときの気象情報、および節電期間Bにおける気象予報情報に基づいて、節電期間Bにおける電力需要施設ごとの想定電力量Mを算出する。
具体的には、負荷決定部25は、たとえば、気象予報情報から電力需要施設における負荷205の制御内容を予測することにより、節電期間Bにおける電力需要施設の想定電力量Mを算出する。各電力需要施設の想定電力量Mの総和を算出することにより、想定総電力量Cが得られる。
次に、負荷決定部25は、たとえば、節電期間Bにおいて想定される負荷205に対する制御内容と電力需要施設における気象予報情報とに基づいて電力需要施設ごとの想定抑制量Kを算出する。上記制御内容は、たとえば、需要家装置202から取得した抑制依頼時における負荷205に対する制御内容から得られる。
[対象負荷および制御内容の決定]
以下、負荷決定部25が、上記方法を用いて需要家候補の中から対象需要家を選択した結果、選択した対象需要家の中にたとえば需要家AAAが含まれている状況を想定する。そして、負荷決定部25が需要家AAAにおける対象負荷および制御内容の決定を行う場合について説明する。
負荷決定部25は、管理情報取得部24によって取得された電力管理情報に基づいて、対象負荷205を決定する。
具体的には、負荷決定部25は、たとえば、電力管理情報に基づいて、記憶部26において記憶されている対象負荷候補の中から対象負荷205を決定する。また、負荷決定部25は、たとえば、電力管理情報に基づいて、対象負荷205の制御内容を決定する。
より詳細には、負荷決定部25は、DLCマッピングテーブルTbl1を用いて以下の処理を行う。すなわち、負荷決定部25は、たとえば、電力管理情報に含まれる依頼電力量、電力消費の削減依頼量または削減レベルを満たすように対象負荷205を決定するとともに、当該対象負荷205に与えるべき制御内容を決定する。
以下、負荷決定部25が、電力消費の削減依頼量を満たすように対象負荷205を決定するとともに、当該対象負荷205に与えるべき制御内容を決定する場合について説明する。
なお、依頼電力量、電力消費の削減依頼量または削減レベルは、予め契約により定められていてもよい。
具体的には、負荷決定部25は、たとえば、DLCマッピングテーブルTbl1を用いて、選択した需要家AAAに対応する1または複数の節電パターンの中から、削減依頼量を満たすような節電パターン(以下、対象節電パターンとも称する。)を選択する。
なお、DLCマッピングテーブルTbl1には、需要家AAAに対応して1つの節電パターンが含まれていてもよい。この場合、負荷決定部25は、たとえば当該1つの節電パターンを対象節電パターンとして選択する。
たとえば、負荷決定部25は、以下のいずれかの方法を用いて、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンの中から対象節電パターンを選択する。
すなわち、負荷決定部25は、たとえば需要家AAAに対応する節電パターンのすべてを対象節電パターンとして選択する。
また、たとえば、各節電パターンに予め優先度が付与されている場合、負荷決定部25は、当該優先度に応じて節電パターンを決定する。具体的には、負荷決定部25は、たとえば、優先度が高い節電パターンから順に選択していき、選択した節電パターンに含まれる抑制可能量の合計が削減依頼量を超えるまで節電パターンを選択する。そして、負荷決定部25は、選択した節電パターンを対象節電パターンとして決定する。このような優先度は、たとえば需要家により付与される。
また、たとえば、負荷決定部25は、抑制可能量の大きさに応じて節電パターンを決定する。具体的には、負荷決定部25は、抑制可能量が大きい節電パターンから順に選択していき、選択した節電パターンに含まれる抑制可能量の合計が削減依頼量を超えるまで節電パターンを選択する。そして、負荷決定部25は、選択した節電パターンを対象節電パターンとして決定する。
また、負荷決定部25は、たとえば節電パターンの中から輪番で節電パターンを選択し、選択した節電パターンを対象節電パターンとして決定する。
また、負荷決定部25は、たとえば節電パターンの中からランダムに節電パターンを選択し、選択した節電パターンを対象節電パターンとして決定する。
たとえば、負荷決定部25は、上記の方法のうちいずれかの方法を用いて「対象負荷候補ID:AAA−1,抑制可能量:100W,制御内容:オフ」および「対象負荷候補ID:AAA−4,抑制可能量:300W,制御内容:設定値を3℃上げる」を対象節電パターンとして決定する。
負荷決定部25は、決定した対象負荷205を示す対象負荷情報、および決定した制御内容を示す制御情報を生成する。具体的には、負荷決定部25は、決定した対象節電パターンから対象負荷候補IDおよび制御内容を取得し、取得した対象負荷候補IDを示す対象負荷情報と当該対象負荷候補に対する制御内容を示す制御情報とを含む対象負荷制御情報を生成する。
対象負荷制御情報の内容は、たとえば「対象負荷ID:AAA−1,制御内容:オフ」および「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」である。
また、負荷決定部25は、電力管理情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さを含むDR期間情報を生成する。
負荷決定部25は、たとえば記憶部26におけるアドレス表を参照し、需要家AAAの需要家装置202のアドレスを取得する。負荷決定部25は、生成した対象負荷制御情報およびDR期間情報ならびに需要家AAAの需要家装置202のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、負荷決定部25から対象負荷制御情報およびDR期間情報ならびに需要家AAAの需要家装置202のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、対象負荷制御情報およびDR期間情報を含むDLC信号を需要家AAAの需要家装置202へインターネット10経由で送信する。
[需要家装置]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図6を参照して、需要家装置202は、受信部42と、送信部43と、制御部44と、記憶部45と、カウンタ46と、表示部47とを備える。
需要家装置202におけるカウンタ46は、たとえば、水晶振動子を用いた発振回路等により生成されるクロックパルスをカウントし、カウントした値を保持する。表示部47は、たとえばディスプレイであり、制御部44による制御に従って、需要家に伝達すべき情報を表示する。送信部43は、LAN11を介して負荷205と通信を行うことが可能である。
受信部42は、たとえば、電力消費の抑制対象とすべき負荷205である対象負荷205を示す対象負荷情報を受信する。また、受信部42は、たとえば、対象負荷205の制御内容を示す制御情報を受信する。
具体的には、受信部42は、たとえば、電力消費管理装置101からDLC信号をインターネット10経由で受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得し、取得した対象負荷制御情報およびDR期間情報を制御部44へ出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置における記憶部が保持する負荷制御テーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、記憶部45は、1または複数の負荷205との通信方法に関する情報を含む負荷制御テーブルTbl2を記憶する。
具体的には、負荷制御テーブルTbl2には、対象負荷205との通信方法である接続I/F(インタフェース)および当該対象負荷205の制御方法が、対象負荷205のID(以下、対象負荷IDとも称する。)ごとにまとめられている。
「接続I/F」は、たとえば物理的なインタフェースを示している。接続I/Fには、たとえば「接点」、「Ethernet(登録商標)」および「WiFi(登録商標)」がある。
「接点」は、たとえば接点信号制御を行うための接続I/Fである。「Ethernet」は、たとえばイーサネット(登録商標)規格に従ってLAN11を介して有線のネットワーク制御を行うための接続I/Fである。「WiFi」は、たとえばWiFi規格に従って無線LANを介して無線のネットワーク制御を行うための接続I/Fである。
「制御方法」は、たとえば接続I/Fの示す物理的なインタフェースを用いて信号または情報を負荷205へ送信するための信号伝達方法または情報伝達方法を示している。制御方法には、たとえば「接点信号のOn/Off」、「標準プロトコル」および「メーカ独自プロトコル」がある。
「接点信号のOn/Off」は、たとえば対象負荷205である電気機器のスイッチをオンまたはオフするための接点信号を負荷205へ送信するための信号伝達方法である。
「標準プロトコル」は、たとえば、対象負荷205を制御するための情報である制御命令を当該対象負荷205へ送信するための情報伝達方法であり、具体的にはECHONETLite(登録商標)規格に従う通信プロトコル(以下、エコネットプロトコルとも称する。)である。なお、「標準プロトコル」は、エコネットプロトコルに限らず、標準規格として用いられているプロトコルであればよい。
「メーカ独自プロトコル」は、たとえば、対象負荷205をオンまたはオフする制御を行うための情報である制御命令を、当該対象負荷205に対して接点信号制御を行うLAN接点変換器207へ送信するための情報伝達方法であり、具体的にはLAN接点変換器207を製造したメーカが独自に作成した規格に従う通信プロトコルである。
接点信号制御は、たとえば「接点信号のOn/Off」の示す信号伝達方法を用いる制御である。ネットワーク制御は、たとえば、「標準プロトコル」または「メーカ独自プロトコル」の示す情報伝達方法を用いる制御である。なお、接点信号制御は、たとえば制御を行う装置と制御を受ける装置とが同じ施設に位置する場合に可能となる。
LAN接点変換器207は、たとえば、需要家装置202から制御命令を受信すると、受信した制御命令に基づいて、接点信号制御を行うことにより対象負荷205をオンまたはオフする。
制御部44は、受信部42によって受信された対象負荷情報の示す対象負荷205を制御することにより、対象負荷205の電力消費を抑制する。また、制御部44は、制御情報の示す制御内容に従って対象負荷205を制御する。
具体的には、制御部44は、受信部42から対象負荷制御情報およびDR期間情報を受けると、以下の処理を行う。
すなわち、制御部44は、DR期間情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さに基づいてDR終了タイミングを演算する。
そして、制御部44は、たとえば、カウンタ46のカウント値を監視し、DR開始タイミングが到来するまで待機する。制御部44は、たとえば、カウンタ46のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識すると、DR期間であることを示す画面を表示部47に表示させる。
また、制御部44は、DR開始タイミングにおいて対象負荷205の制御を開始する。より詳細には、制御部44は、対象負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45から取得し、取得した通信方法を用いて対象負荷205を制御する。
具体的には、制御部44は、たとえば、受信部42から受けた対象負荷制御情報から対象負荷IDおよび対応の制御内容を取得する。より詳細には、制御部44は、たとえば「対象負荷ID:AAA−1,制御内容:オフ」および「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」を取得する。
また、制御部44は、たとえば、記憶部45における負荷制御テーブルTbl2を参照する。そして、制御部44は、たとえば、対象負荷制御情報に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法の情報を負荷制御テーブルTbl2から取得する。
具体的には、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−1,制御内容:オフ」に対応する接続I/Fおよび制御方法としてそれぞれ「接点」および「接点信号のOn/Off」を取得する。
また、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」に対応する接続I/Fおよび制御方法としてそれぞれ「Ethernet」および「標準プロトコル」を取得する。
そして、制御部44は、たとえば、DR開始タイミングにおいて、対象負荷IDおよび対応の制御内容、ならびに対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法に基づいて、接点信号または制御命令を負荷205へ送信する。
具体的には、制御部44は、たとえば対象負荷IDに対応する対象負荷205のアドレスを保持している。なお、対象負荷IDが対象負荷205のアドレス自体であってもよい。
制御部44は、たとえば、DR開始タイミングにおいて、「対象負荷ID:AAA−1,制御内容:オフ」と対応の「接点」および「接点信号のOn/Off」とに基づいて、スイッチをオフするための接点信号を「AAA−1」の負荷205Aへ送信する。これにより、負荷205Aのスイッチがオフされる制御が制御部44により開始される。
また、制御部44は、たとえば、DR開始タイミングにおいて、「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」と対応の「Ethernet」および「標準プロトコル」とに基づいて、「設定値を3℃上げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、「AAA−4」の負荷205Dへ送信部43およびLAN11経由で送信する。これにより、負荷205Dの設定温度が3℃上げられる制御が制御部44により開始される。
制御部44は、たとえば、対象負荷制御情報に基づく対象負荷205の制御を行った後、たとえば、カウンタ46のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識すると以下の処理を行う。
すなわち、制御部44は、たとえば、DR終了タイミングにおいて対象負荷205の制御を終了する。
具体的には、制御部44は、たとえば、負荷205Aの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、「対象負荷ID:AAA−1,制御内容:オフ」と対応の「接点」および「接点信号のOn/Off」とに基づいて、スイッチをオンするための接点信号を「AAA−1」の負荷205Aへ送信する。
また、制御部44は、たとえば、負荷205Dの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」と対応の「Ethernet」および「標準プロトコル」とに基づいて、「設定値を3℃下げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、「AAA−4」の負荷205Dへ送信部43およびLAN11経由で送信する。
ここで、たとえば、対象負荷205が電熱器等の熱を発生する機器である場合において、DR開始タイミングにおいて制御部44により電熱器のスイッチがオフされた後、電熱器が転倒してしまった状況を想定する。
このような状況において、DR終了タイミングにおいて制御部44により電熱器のスイッチがオンされると、電熱器は転倒した状態において熱を発生してしまうことがある。
したがって、DR終了タイミングにおいて負荷205の制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻す処理は、制御部44により行われる構成に限らず、需要家等の人手により行われる構成であってもよい。
また、制御部44は、たとえば、DR期間の終了に関する情報を出力する。具体的には、制御部44は、たとえば、DR期間が終了したことを示す画面を表示部47に表示させる。
[動作]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費抑制処理のシーケンスの一例を示す図である。
電力消費管理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図8を参照して、まず、系統側管理装置151は、電力需要を予測し、電力需給が逼迫する可能性が高い場合、電力消費の抑制を行なうべきであると判断し、電力管理情報を含むDR要請信号を電力消費管理装置101へ送信する(ステップS102)。
次に、電力消費管理装置101は、受信したDR要請信号に含まれる電力管理情報に基づいて、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンの中から対象節電パターンを決定する(ステップS104)。
次に、電力消費管理装置101は、決定した対象節電パターンに含まれる対象負荷候補IDおよび対応の制御内容を含む対象負荷制御情報を生成するとともに、電力管理情報からDR期間情報を生成する。そして、電力消費管理装置101は、生成した対象負荷制御情報およびDR期間情報を含むDLC信号を需要家装置202へ送信する(ステップS106)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101からDLC信号を受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。そして、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、および負荷制御テーブルTbl2の内容に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する(ステップS108)。
次に、需要家装置202は、DR期間情報からDR開始タイミングを取得し、DR開始タイミングまで待機する(ステップS110)。
次に、需要家装置202は、カウンタ46のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS112)。
次に、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS114)。
また、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、「設定値を3℃上げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS116)。
次に、需要家装置202は、カウンタ46のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識する(ステップS118)。
次に、需要家装置202は、負荷205Aの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオンするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS120)。
また、需要家装置202は、負荷205Dの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、「設定値を3℃下げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS122)。
このように、需要家装置202がDR期間を管理する構成により、DR期間の管理処理の負担を需要家装置202に分散することができる。
[変形例1]
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の変形例の構成を示す図である。
図9を参照して、電力消費管理装置101の変形例である電力消費管理装置111は、図3に示す電力消費管理装置101と比べて、さらに、カウンタ27を備える。
電力消費管理装置111における受信部22、送信部23、管理情報取得部24、負荷決定部25および記憶部26の動作は、図3に示す電力消費管理装置101における受信部22、送信部23、管理情報取得部24、負荷決定部25および記憶部26とそれぞれ同様である。カウンタ27の動作は、図6に示す需要家装置202におけるカウンタ46と同様である。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の変形例の構成を示す図である。
図10を参照して、需要家装置202の変形例である需要家装置212は、図6に示す需要家装置202と比べて、カウンタ46を備えない。
需要家装置212における受信部42、送信部43、制御部44、記憶部45および表示部47の動作は、図6に示す需要家装置202における受信部42、送信部43、制御部44、記憶部45および表示部47とそれぞれ同様である。
再び図9を参照して、負荷決定部25は、たとえば、管理情報取得部24から電力管理情報を受けると、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンの中から対象節電パターンを決定する。
負荷決定部25は、決定した対象節電パターンから対象負荷候補IDおよび制御内容を取得し、取得した対象負荷候補を示す対象負荷情報と当該対象負荷候補に対する制御内容を示す制御情報とを含む対象負荷制御情報を生成する。
また、負荷決定部25は、電力管理情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さに基づいてDR終了タイミングを演算する。そして、負荷決定部25は、たとえば、カウンタ27のカウント値を監視し、DR開始タイミングが到来するまで待機する。
負荷決定部25は、たとえば、カウンタ27のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識すると、生成した対象負荷制御情報、および需要家AAAの需要家装置202のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、負荷決定部25から対象負荷制御情報および需要家AAAの需要家装置202のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、対象負荷制御情報を含むDLC信号を需要家AAAの需要家装置212へインターネット10経由で送信する。
また、負荷決定部25は、たとえば、対象負荷制御情報およびアドレスを送信部23へ出力した後、カウンタ27のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識すると、節電の解除を示す解除命令および需要家AAAの需要家装置212のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、負荷決定部25から解除命令および需要家AAAの需要家装置212のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、解除命令を含む解除信号を需要家AAAの需要家装置212へインターネット10経由で送信する。
再び図10を参照して、需要家装置212は、たとえば、電力消費管理装置111からDLC信号をインターネット10経由で受信するまで待機している。
受信部42は、たとえば、電力消費管理装置111からDLC信号をインターネット10経由で受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報を取得し、取得した対象負荷制御情報を制御部44へ出力する。
制御部44は、たとえば、受信部42から対象負荷制御情報を受けると、DR期間であることを示す画面を表示部47に表示させる。
そして、制御部44は、たとえば、受信部42から受けた対象負荷制御情報から対象負荷IDおよび対応の制御内容を取得する。
また、制御部44は、たとえば、記憶部45における負荷制御テーブルTbl2を参照する。そして、制御部44は、たとえば、対象負荷制御情報に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する。
そして、制御部44は、たとえば、対象負荷IDおよび対応の制御内容、ならびに対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法に基づいて、接点信号または制御命令を負荷205へ送信する。
また、受信部42は、たとえば、電力消費管理装置111から解除信号をインターネット10経由で受信すると、受信した解除信号から解除命令を取得し、取得した解除命令を制御部44へ出力する。
制御部44は、たとえば、受信部42から解除命令を受けると、対象負荷205の制御を終了する。また、制御部44は、たとえばDR期間の終了に関する情報を出力する、具体的には、DR期間が終了したことを示す画面を表示部47に表示させる。
なお、DR終了タイミングにおいて負荷205の制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻す処理は、制御部44により行われる構成に限らず、需要家等の人手により行われる構成であってもよい。
[変形例1の動作]
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費抑制処理のシーケンスの他の例を示す図である。
図11を参照して、まず、系統側管理装置151は、電力需要を予測し、電力需給が逼迫する可能性が高い場合、電力消費の抑制を行なうべきであると判断し、電力管理情報を含むDR要請信号を電力消費管理装置111へ送信する(ステップS152)。
次に、電力消費管理装置111は、受信したDR要請信号に含まれる電力管理情報に基づいて、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンの中から対象節電パターンを決定する(ステップS154)。
次に、電力消費管理装置111は、決定した対象節電パターンに含まれる対象負荷候補IDおよび対応の制御内容を含む対象負荷制御情報を生成するとともに、以下の処理を行う。すなわち、電力消費管理装置111は、電力管理情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さに基づいてDR終了タイミングを演算する。そして、電力消費管理装置111は、DR開始タイミングまで待機する(ステップS156)。
次に、電力消費管理装置111は、カウンタ27のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS158)。
次に、電力消費管理装置111は、生成した対象負荷制御情報を含むDLC信号を需要家装置212へ送信する(ステップS160)。
次に、需要家装置212は、電力消費管理装置111からDLC信号を受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報を取得する。そして、需要家装置212は、取得した対象負荷制御情報、および負荷制御テーブルTbl2の内容に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する(ステップS162)。
次に、需要家装置212は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS164)。
また、需要家装置212は、取得した対象負荷制御情報、接続I/Fおよび制御方法に基づいて、「設定値を3℃上げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS166)。
次に、電力消費管理装置111は、カウンタ27のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識する(ステップS168)。
次に、電力消費管理装置111は、解除命令を含む解除信号を需要家装置212へ送信する(ステップS170)。
次に、需要家装置212は、電力消費管理装置111から解除信号を受信すると、受信した解除信号から解除命令を取得し、取得した解除命令に基づいて以下の処理を行う。すなわち、需要家装置212は、負荷205Aの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオンするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS172)。
また、需要家装置212は、負荷205Dの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、「設定値を3℃下げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS174)。
このように、電力消費管理装置111がDR期間を管理する構成により、需要家装置212におけるカウンタ46等のDR期間を管理するための構成を不要にすることができるので、需要家装置212のコストダウンを図ることができる。また、DLC信号に含める情報量を削減することができるので、通信回線における情報伝送の負担を軽減することができる。
[変形例2]
本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの変形例2は、図3に示す電力消費管理装置101と、図6に示す需要家装置202の変形例である需要家装置222とを備える。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの変形例における需要家装置の変形例の構成を示す図である。
図12を参照して、変形例2に係る電力消費管理システムでは、需要家装置222は、図6に示す需要家装置202と比べて、カウンタ46を備えない。
需要家装置212における受信部42、送信部43、制御部44、記憶部45および表示部47の動作は、図6に示す需要家装置202における受信部42、送信部43、制御部44、記憶部45および表示部47とそれぞれ同様である。
需要家装置222における制御部44は、受信部42によって受信された対象負荷情報の示す対象負荷205を制御することにより、対象負荷205の電力消費を抑制する。また、制御部44は、制御情報の示す制御内容に従って対象負荷205を制御する。
また、制御部44は、対象負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45から取得し、取得した通信方法を用いて対象負荷205を制御する。
具体的には、制御部44は、受信部42から対象負荷制御情報およびDR期間情報を受けると、以下の処理を行う。
すなわち、制御部44は、たとえば、対象負荷制御情報から対象負荷IDおよび対応の制御内容を取得する。ここでは、制御部44は、たとえば「対象負荷ID:AAA−2,制御内容:オフ」および「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」を取得する。
また、制御部44は、たとえば、記憶部45における負荷制御テーブルTbl2を参照する。そして、制御部44は、たとえば、対象負荷制御情報に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法の情報を負荷制御テーブルTbl2から取得する。
具体的には、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−2,制御内容:オフ」に対応する接続I/Fおよび制御方法としてそれぞれ「Ethernet」および「メーカ独自プロトコル」を取得する。
また、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」に対応する接続I/Fおよび制御方法としてそれぞれ「Ethernet」および「標準プロトコル」を取得する。
そして、制御部44は、たとえば、対象負荷IDおよび対応の制御内容、ならびに対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法に基づいて、制御命令を負荷205へ送信する。
具体的には、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−2」に対応する対象負荷制御情報である「対象負荷ID:AAA−2,制御内容:オフ」、およびDR期間情報を含む情報を制御命令A2として生成する。
そして、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−2」に対応する「Ethernet」および「メーカ独自プロトコル」に基づいて、生成した制御命令A2をイーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Bに対して接点信号制御を行うLAN接点変換器207へ送信する。
また、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−4」に対応する対象負荷制御情報である「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」、およびDR期間情報を含む情報を制御命令A4として生成する。
そして、制御部44は、たとえば、「対象負荷ID:AAA−4」に対応する「Ethernet」および「標準プロトコル」に基づいて、生成した制御命令A4をイーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する。
[LAN接点変換器207]
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの変形例におけるLAN接点変換器の構成を示す図である。
図13を参照して、変形例2に係る電力消費管理システムでは、LAN接点変換器207は、カウンタ61と、制御部62と、受信部63とを含む。カウンタ61の動作は、図6に示す需要家装置202におけるカウンタ46と同様である。
LAN接点変換器207における受信部63は、需要家装置222から制御命令A2を受信すると、受信した制御命令A2を制御部62へ出力する。
制御部62は、受信部63から制御命令A2を受けると、受けた制御命令A2から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。
制御部62は、DR期間情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さに基づいてDR終了タイミングを演算する。
そして、制御部62は、たとえば、カウンタ61のカウント値を監視し、DR開始タイミングが到来するまで待機する。制御部62は、たとえば、カウンタ61のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識すると、対象負荷205の制御を開始する。
より詳細には、制御部62は、対象負荷制御情報が示す「対象負荷ID:AAA−2,制御内容:オフ」に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Bへ送信する。これにより、負荷205Bのスイッチをオフする制御が制御部62により開始される。
制御部62は、たとえば、対象負荷制御情報に基づく対象負荷205Bの制御を行った後、たとえば、カウンタ61のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識すると以下の処理を行う。
すなわち、制御部62は、たとえば、DR終了タイミングにおいて対象負荷205Bの制御を終了する。
具体的には、制御部62は、たとえば、負荷205Bの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報が示す「対象負荷ID:AAA−2,制御内容:オフ」に基づいて、スイッチをオンするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Bへ送信する。
[負荷205D]
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムの変形例における負荷の構成を示す図である。
図14を参照して、変形例2に係る電力消費管理システムでは、負荷205Dは、カウンタ71と、制御部72、受信部73とを含む。カウンタ71の動作は、図6に示す需要家装置202におけるカウンタ46と同様である。
負荷205Dにおける受信部73は、需要家装置222から制御命令A4を受信すると、受信した制御命令A4を制御部72へ出力する。
制御部72は、受信部73から制御命令A4を受けると、受けた制御命令A4から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。
制御部72は、DR期間情報からDR開始タイミングおよびDR期間の長さを取得し、取得したDR開始タイミングおよびDR期間の長さに基づいてDR終了タイミングを演算する。
そして、制御部72は、たとえば、カウンタ71のカウント値を監視し、DR開始タイミングが到来するまで待機する。制御部72は、たとえば、カウンタ71のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識すると、自己の負荷205Dの制御を開始する。
より詳細には、制御部72は、対象負荷制御情報が示す「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」に基づいて、自己の負荷205Dの設定値を3℃上げる処理を行うことで、自己の電力消費を抑制する制御を開始する。
制御部72は、たとえば、対象負荷制御情報に基づく自己の負荷205Dの制御を行った後、たとえば、カウンタ71のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識すると以下の処理を行う。
すなわち、制御部72は、たとえば、DR終了タイミングにおいて自己の負荷205Dの制御を終了する。
具体的には、制御部72は、たとえば、自己の負荷205Dの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報が示す「対象負荷ID:AAA−4,制御内容:設定値を3℃上げる」に基づいて、自己の負荷205Dの設定値を3℃下げる処理を行うことで、自己の電力消費を抑制する制御を終了する。
[変形例2の動作]
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費抑制処理のシーケンスの他の例を示す図である。
図15を参照して、まず、系統側管理装置151は、電力需要を予測し、電力需給が逼迫する可能性が高い場合、電力消費の抑制を行なうべきであると判断し、電力管理情報を含むDR要請信号を電力消費管理装置101へ送信する(ステップS502)。
次に、電力消費管理装置101は、受信したDR要請信号に含まれる電力管理情報に基づいて、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンの中から対象節電パターンを決定する(ステップS504)。
次に、電力消費管理装置101は、決定した対象節電パターンに含まれる対象負荷候補IDおよび対応の制御内容を含む対象負荷制御情報を生成するとともに、電力管理情報からDR期間情報を生成する。そして、電力消費管理装置101は、生成した対象負荷制御情報およびDR期間情報を含むDLC信号を需要家装置222へ送信する(ステップS506)。
次に、需要家装置222は、電力消費管理装置101からDLC信号を受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。そして、需要家装置222は、取得した対象負荷制御情報、および負荷制御テーブルTbl2の内容に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する(ステップS508)。
次に、需要家装置222は、対象負荷制御情報およびDR期間情報から制御命令A2を生成し、「対象負荷ID:AAA−2」に対応する接続I/Fおよび制御方法に基づいて、生成した制御命令A2をイーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Bに対して接点信号制御を行うLAN接点変換器207へ送信する(ステップS510)。
また、需要家装置222は、対象負荷制御情報およびDR期間情報から制御命令A4を生成し、「対象負荷ID:AAA−4」に対応する接続I/Fおよび制御方法に基づいて、生成した制御命令A4をイーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS512)。
次に、LAN接点変換器207は、需要家装置222から制御命令A2を受信すると、受信した制御命令A2から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。そして、LAN接点変換器207は、DR期間情報からDR開始タイミングを取得し、DR開始タイミングまで待機する(ステップS514)。
また、負荷205Dは、需要家装置222から制御命令A4を受信すると、受信した制御命令A4から対象負荷制御情報およびDR期間情報を取得する。そして、負荷205Dは、DR期間情報からDR開始タイミングを取得し、DR開始タイミングまで待機する(ステップS516)。
次に、LAN接点変換器207は、カウンタ61のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS518)。
また、負荷205Dは、カウンタ71のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS520)。
次に、LAN接点変換器207は、取得した対象負荷制御情報に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Bへ送信する(ステップS522)。
また、負荷205Dは、取得した対象負荷制御情報に基づいて、自己の設定値を3℃上げる処理を行うことで、自己の電力消費を抑制する制御を開始する(ステップS524)。
次に、LAN接点変換器207は、カウンタ61のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識する(ステップS526)。
また、負荷205Dは、カウンタ71のカウント値からDR終了タイミングが到来したことを認識する(ステップS528)。
次に、LAN接点変換器207は、負荷205Bの制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報に基づいて、スイッチをオンするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Bへ送信する(ステップS530)。
また、負荷205Dは、自己の制御状態をDR開始タイミングより前の状態に戻すために、対象負荷制御情報に基づいて、自己の設定値を3℃下げる処理を行うことで、自己の電力消費を抑制する制御を終了する(ステップS532)。
このように、対象負荷205がDR期間を管理する構成により、DR期間の管理処理の負担を対象負荷205に分散することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置は、対象負荷情報および制御情報を需要家装置202へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力消費管理装置101は、制御情報を需要家装置202へ送信しない構成であってもよい。この場合、対象負荷205の制御内容は、たとえば需要家装置202により決定される。
ところで、節電要請の対象期間において当該節電要請に従った電力消費の抑制が需要家の電力需要施設において行われない場合がある。このような場合、十分な節電が行われなくなり、電力需給が逼迫してしまうことがある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置は、電力需要施設における1または複数の負荷205を制御可能である。受信部42は、電力消費の抑制対象とすべき負荷205である対象負荷205を示す対象負荷情報を受信する。制御部44は、受信部42によって受信された対象負荷情報の示す対象負荷205を制御することにより、対象負荷205の電力消費を抑制する。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した対象負荷情報の示す対象負荷205を制御する構成により、アグリゲータ側の装置は、需要家の電力需要施設における対象負荷205を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況をより確実に回避することができる。また、需要家装置202は対象負荷情報に従って対象負荷205を制御する構成であればよいので、需要家装置202の構成を簡素化することができる。
ここで、需要家装置202が主体的に負荷205を制御する代わりに、たとえば、電力消費管理装置101が、遠隔から主体的に負荷205を制御する場合、負荷205が電力消費管理装置101と通信可能な構成である必要がある。
具体的には、負荷205を制御する方法として、たとえば、接点信号制御、ネットワーク制御およびリモコン制御を用いる方法が考えられる。
より詳細には、接点信号制御は、制御を行う装置と制御を受ける装置とが同じ電力需要施設に位置する場合に可能となる。したがって、たとえば、電力需要施設から遠隔の場所に設置された電力消費管理装置101が、接点信号を用いて当該電力需要施設に設けられている負荷205を主体的に制御することは困難である。
また、電力需要施設における負荷205はエコネットプロトコルをサポートしている場合が多いので、エコネットプロトコルは、電力需要施設における需要家装置202および負荷205間における通信に用いられる。
一方、電力消費管理装置101がサポートしている通信プロトコルは、エコネットプロトコルと異なる通信プロトコルである場合が多い。すなわち、電力消費管理装置101と負荷205とが通信を行うための標準のプロトコルが存在しないため、電力消費管理装置101が、ネットワーク制御により遠隔から主体的に負荷205を制御することは困難である。
また、リモコン制御は、たとえば、赤外線または電波を用いる制御である。たとえば、電力需要施設から遠隔の場所に設置された電力消費管理装置101が赤外線または電波を送信しても、送信された赤外線または電波を当該電力需要施設に設けられている負荷205まで到達させることが困難である場合が多い。したがって、電力消費管理装置101がリモコン制御により遠隔から主体的に負荷205を制御することは困難である。
すなわち、接点信号制御、ネットワーク制御およびリモコン制御は、電力需要施設の近傍の限定された領域において負荷205を制御可能な方法であるため、電力消費管理装置101がリモコン制御により遠隔から主体的に負荷205を制御することは困難である。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、アグリゲータ側の装置から受信した対象負荷情報の示す対象負荷205を制御する構成により、電力消費管理装置101が遠隔から主体的に負荷205を制御することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、受信部42は、さらに、対象負荷205の制御内容を示す制御情報を受信する。制御部44は、制御情報の示す制御内容に従って対象負荷205を制御する。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から受信した制御情報の示す内容の制御を対象負荷205に対して行う構成により、アグリゲータ側の装置は、電力需要施設における対象負荷205の制御内容を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。また、需要家装置202は制御情報に従って対象負荷205を制御する構成であればよいので、需要家装置202の構成を簡素化することができる。また、たとえば、アグリゲータ側の装置において対象負荷205に対する制御のバリエーションを増やすことができる。これにより、対象負荷205の制御を繊細に行うことができるので、電力消費の抑制量をより細かく調整することができる。また、対象負荷205の種類に応じた制御を行うことができるので、需要家の電力需要施設における節電の弊害を緩和することができる。具体的には、たとえば空調装置に対しては、オフする制御の代わりに設定値を変更する制御を行うことで、電力消費を抑制しながら居住環境の不快さの程度を緩和することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、記憶部45は、1または複数の負荷205との通信方法に関する情報を記憶する。制御部44は、対象負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45から取得し、取得した通信方法を用いて対象負荷205を制御する。
このような構成により、たとえば、アグリゲータ側の装置が対象負荷205と直接通信することができない場合においても、アグリゲータ側の装置は、需要家装置202を介して対象負荷205と通信を行うことができるので、当該対象負荷205を容易に制御することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置では、制御部44は、電力消費の抑制の対象期間であるDR期間の開始タイミングにおいて対象負荷205の制御を開始する。そして、制御部44は、DR期間の終了タイミングにおいて対象負荷205の制御を終了するか、またはDR期間の終了に関する情報を出力する。
このような構成により、対象負荷205の制御をDR期間の開始タイミングより前の状態に自動で戻すことができるので、需要家の負担を軽減することができる。また、対象負荷205の電力消費を抑制する制御が終了したことを通知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置は、電力需要施設における電力消費を管理する。管理情報取得部24は、電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得する。負荷決定部25は、管理情報取得部24によって取得された電力管理情報に基づいて、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷205を決定する。そして、送信部23は、負荷決定部25によって決定された対象負荷205を示す対象負荷情報を需要家装置202へ送信する。
このような構成により、需要家の電力需要施設における対象負荷205を電力消費管理装置101において指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置では、記憶部26は、対象負荷205の候補に関する情報を記憶する。そして、負荷決定部25は、電力管理情報に基づいて記憶部26における対象負荷205の候補の中から対象負荷205を決定する。
このような構成により、たとえば複数の電力需要施設における対象負荷205の候補の中から対象負荷205をそれぞれ指定することができるので、電力消費管理システム301全体として最適な電力消費の抑制を行うことができる。また、対象負荷205の候補をたとえば需要家により電力消費管理装置101に設定することができるので、対象負荷205の候補を、電力消費を抑制する制御を需要家が容認できる負荷205に限定することができる。これにより、節電要請の対象期間における需要家の電力需要施設における不便さを軽減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置では、負荷決定部25は、さらに、電力管理情報に基づいて、対象負荷205の制御内容を決定する。そして、送信部23は、さらに、負荷決定部25によって決定された制御内容を示す制御情報を需要家装置202へ送信する。
このような構成により、電力需要施設における対象負荷205の制御内容を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。また、たとえば複数の電力需要施設における対象負荷205の制御内容をそれぞれ指定することができるので、電力消費管理システム301全体としてより最適な電力消費の抑制を行うことができる。また、たとえば、アグリゲータ側の装置において対象負荷205に対する制御のバリエーションを増やすことができる。これにより、対象負荷205の制御を繊細に行うことができるので、電力消費の抑制量をより細かく調整することができる。また、対象負荷205の種類に応じた制御を行うことができるので、需要家の電力需要施設における節電の弊害を緩和することができる。具体的には、たとえば空調装置に対しては、オフする制御の代わりに設定値を変更する制御を行うことで、電力消費を抑制しながら居住環境の不快さの程度を緩和することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムでは、電力消費管理装置101は、電力消費の抑制対象とすべき負荷205である対象負荷205を示す対象負荷情報を需要家装置202へ送信する。そして、需要家装置202は、対象負荷情報を電力消費管理装置101から受信し、受信した対象負荷情報の示す対象負荷205を制御することにより、対象負荷の電力消費を抑制する。
このように、電力消費管理装置101から送信される対象負荷情報の示す対象負荷205を需要家装置202が制御する構成により、電力消費管理装置101は、需要家の電力需要施設における対象負荷205を指定することができるので、需要家の電力需要施設における電力消費の抑制をより確実に行わせることができる。これにより、電力需給が逼迫してしまう状況を回避することができる。また、需要家装置202は対象負荷情報に従って対象負荷205を制御する構成であればよいので、需要家装置202の構成を簡素化することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて負荷に関する情報を更新する電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図16を参照して、需要家装置202は、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置と比べて、さらに、更新部48と、負荷情報受け付け部49とを備える。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図17を参照して、電力消費管理装置101は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置と比べて、さらに、更新部28を備える。
[新たな負荷205の登録]
再び図16を参照して、需要家装置202における負荷情報受け付け部49は、たとえばディスプレイの表示画面に組合せて設けられるタッチパネル、またはキーボードであり、需要家の操作を受け付ける。
需要家は、たとえば、電力需要施設において節電制御の対象にしようとする新たな負荷205があるときは、当該新たな負荷205について、以下の内容を登録する。
すなわち、需要家は、たとえば、負荷情報受け付け部49を操作して当該新たな負荷205のID(以下、新規負荷IDとも称する。)、抑制可能量、制御内容、制御I/Fおよび制御方法を入力する。
負荷情報受け付け部49は、たとえば、需要家の操作を受け付け、受け付けた操作の内容に基づく入力情報を作成し、作成した入力情報を更新部48へ出力する。
更新部48は、たとえば自己の需要家装置202のアドレスおよび電力消費管理装置101のアドレスを保持している。
更新部48は、負荷情報受け付け部49から入力情報を受けると、以下の処理を行う。すなわち、更新部48は、たとえば、入力情報のうち新規負荷ID、抑制可能量および制御内容を含む新規負荷情報を生成する。新規負荷情報は、このような内容に限らず、電力需要施設において新たに登録すべき負荷205である新規負荷205、に関する負荷情報であればよい。
また、更新部48は、たとえば、入力情報のうち新規負荷ID、制御I/Fおよび制御方法を一時的に保持しておく。
更新部48は、たとえば、自己の需要家装置202のアドレス、新規負荷情報および電力消費管理装置101のアドレスを送信部43へ出力する。
たとえば、送信部43は、更新部48から需要家装置202のアドレス、新規負荷情報および電力消費管理装置101のアドレスを受けると、電力消費管理装置101のアドレスを宛先として、需要家装置202のアドレスおよび新規負荷情報を含む登録信号を電力消費管理装置101へインターネット10経由で送信する。
再び図17を参照して、電力消費管理装置101における受信部22は、需要家装置202から登録信号をインターネット10経由で受信すると、受信した登録信号を更新部28へ出力する。
更新部28は、受信部22から登録信号を受けると、受けた登録信号から送信元の需要家装置202のアドレスおよび新規負荷情報を取得し、取得した新規負荷情報から新規負荷ID、抑制可能量および制御内容を取得する。
更新部28は、たとえば記憶部26におけるアドレス表を参照し、受信部22から受けた送信元の需要家装置202のアドレスに対応する需要家のIDを取得する。
そして、更新部28は、取得した需要家のIDと新規負荷ID、抑制可能量および制御内容とを対応付けて記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1に書き込み、新規負荷205を登録する。
そして、更新部28は、新規負荷205が登録された旨を示す応答情報、および送信元の需要家装置202のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、更新部28から応答情報および送信元の需要家装置202のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、応答情報を含む応答信号を新規負荷情報の送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する。
再び図16を参照して、需要家装置202における受信部42は、たとえば、電力消費管理装置101から応答信号をインターネット10経由で受信すると、受信した応答信号から応答情報を取得し、取得した応答情報を更新部48へ出力する。
更新部48は、受信部42から応答情報を受けると、受けた応答情報に対応する新規負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45に保存する。
具体的には、更新部48は、たとえば、一時的に保持しておいた新規負荷ID、制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2に書き込む。
[新たな負荷205を登録する際の動作]
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける新規負荷登録処理のシーケンスの一例を示す図である。
図18を参照して、まず、需要家装置202は、電力需要施設において節電制御の対象にしようとする新たな負荷205の新規負荷ID、抑制可能量、制御内容、制御I/Fおよび制御方法を需要家から受け付ける(ステップS202)。
次に、需要家装置202は、新規負荷ID、抑制可能量、制御内容、制御I/Fおよび制御方法を受け付けて、以下の処理を行う。すなわち、需要家装置202は、新規負荷ID、抑制可能量および制御内容を含む新規負荷情報を作成し、作成した新規負荷情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む登録信号を電力消費管理装置101へ送信する。また、需要家装置202は、新規負荷ID、制御I/Fおよび制御方法を一時的に保持しておく(ステップS204)。
次に、電力消費管理装置101は、需要家装置202から登録信号を受信すると、受信した登録信号から新規負荷情報、および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。電力消費管理装置101は、送信元の需要家装置202のアドレスに基づいて対応の需要家のIDを取得する。そして、電力消費管理装置101は、取得した需要家のIDと新規負荷情報とを対応付けて記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1に書き込む(ステップS206)。
次に、電力消費管理装置101は、応答情報を含む応答信号を送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する(ステップS208)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101から応答情報を含む応答信号を受信すると、一時的に保持しておいた新規負荷ID、制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2に書き込む(ステップS210)。
[負荷205の抹消]
再び図16を参照して、需要家は、たとえば、電力需要施設において節電制御の対象から除外したい負荷205があるときは、当該負荷205について、以下の内容を登録する。
具体的には、需要家は、たとえば、負荷情報受け付け部49を操作して、当該除外したい負荷205のID(以下、抹消対象負荷IDとも称する。)を入力する。
負荷情報受け付け部49は、たとえば、需要家の操作を受け付け、受け付けた操作の内容に基づく入力情報を作成し、作成した入力情報を更新部48へ出力する。
更新部48は、負荷情報受け付け部49から入力情報を受けると、受けた入力情報から抹消対象負荷IDを抹消対象負荷情報として取得する。抹消対象負荷情報は、抹消対象負荷IDに限らず、電力需要施設において登録を抹消すべき負荷205である抹消対象負荷205、に関する負荷情報であればよい。また、更新部48は、たとえば、抹消対象負荷情報を一時的に保持しておく。
更新部48は、たとえば、自己の需要家装置202のアドレス、抹消対象負荷情報および電力消費管理装置101のアドレスを送信部43へ出力する。
たとえば、送信部43は、更新部48から需要家装置202のアドレス、抹消対象負荷情報および電力消費管理装置101のアドレスを受けると、電力消費管理装置101のアドレスを宛先として、需要家装置202のアドレスおよび抹消対象負荷情報を含む登録信号を電力消費管理装置101へインターネット10経由で送信する。
再び図17を参照して、電力消費管理装置101における受信部22は、需要家装置202から登録信号をインターネット10経由で受信すると、受信した登録信号を更新部28へ出力する。
更新部28は、受信部22から登録信号を受けると、受けた登録信号から送信元の需要家装置202のアドレスおよび抹消対象負荷情報を取得する。
そして、更新部28は、取得した抹消対象負荷情報すなわち抹消対象負荷IDを用いて、当該抹消対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1から削除する。
そして、更新部28は、抹消対象負荷205の登録が抹消された旨を示す応答情報、および送信元の需要家装置202のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、更新部28から応答情報および送信元の需要家装置202のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、応答情報を含む応答信号を抹消対象負荷情報の送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する。
再び図16を参照して、需要家装置202における受信部42は、たとえば、電力消費管理装置101から応答信号をインターネット10経由で受信すると、受信した応答信号から応答情報を取得し、取得した応答情報を更新部48へ出力する。
更新部48は、受信部42から応答情報を受けると、受けた応答情報に対応する抹消対象負荷205との通信方法を記憶部45から削除する。
具体的には、更新部48は、たとえば、一時的に保持しておいた抹消対象負荷情報すなわち抹消対象負荷IDを用いて、当該抹消対象負荷IDに対応する制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2から削除する。
[負荷205を抹消する際の動作]
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける負荷抹消処理のシーケンスの一例を示す図である。
図19を参照して、まず、需要家装置202は、電力需要施設において節電制御の対象から除外したい負荷205の抹消対象負荷IDを需要家から受け付ける(ステップS252)。
次に、需要家装置202は、抹消対象負荷IDを受け付けて、受け付けた抹消対象負荷IDを示す抹消対象負荷情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む登録信号を電力消費管理装置101へ送信する。また、需要家装置202は、抹消対象負荷情報を一時的に保持しておく(ステップS254)。
次に、電力消費管理装置101は、需要家装置202から登録信号を受信すると、受信した登録信号から抹消対象負荷情報の示す抹消対象負荷ID、および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。そして、電力消費管理装置101は、取得した抹消対象負荷IDを用いて、当該抹消対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1から削除する(ステップS256)。
次に、電力消費管理装置101は、応答情報を含む応答信号を送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する(ステップS258)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101から応答情報を含む応答信号を受信すると、一時的に保持しておいた抹消対象負荷情報の示す抹消対象負荷IDを用いて、当該抹消対象負荷IDに対応する制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2から削除する(ステップS260)。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る需要家装置では、送信部43は、電力需要施設において新たに登録すべき負荷205である新規負荷205、に関する新規負荷情報を送信する。受信部42は、新規負荷205が登録された旨を示す応答情報を受信する。
このような構成により、需要家装置202における処理によってたとえばアグリゲータ側の装置に新規負荷205を登録することができるので、アグリゲータ側の装置を操作して新規負荷205を登録するというオペレータの負担を軽減し、かつ新規負荷205の登録を迅速に行うことができる。また、登録情報を含むテーブルのメンテナンス処理の負荷を軽減することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る需要家装置では、記憶部45は、1または複数の負荷205との通信方法に関する情報を記憶する。更新部48は、受信部42によって受信された応答情報に対応する新規負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45に保存する。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置に新規負荷205が登録されたことに応答して新規負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45に保存する構成により、アグリゲータ側の装置における登録内容と記憶部45における保存内容との同期をとることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る需要家装置では、送信部43は、電力需要施設において登録を抹消すべき負荷205である抹消対象負荷205、に関する抹消対象負荷情報を送信する。受信部42は、抹消対象負荷205の登録が抹消された旨を示す応答情報を受信する。
このような構成により、需要家装置202における処理によってたとえばアグリゲータ側の装置から抹消対象負荷205を抹消することができるので、アグリゲータ側の装置を操作して抹消対象負荷205を抹消するというオペレータの負担を軽減し、かつ抹消対象負荷205の抹消を迅速に行うことができる。また、登録情報を含むテーブルのメンテナンス処理の負荷を軽減することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る需要家装置では、記憶部45は、1または複数の負荷との通信方法に関する情報を記憶する。更新部48は、受信部42によって受信された応答情報に対応する抹消対象負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45から削除する。
このように、たとえば、アグリゲータ側の装置から抹消対象負荷205が抹消されたことに応答して抹消対象負荷205との通信方法に関する情報を記憶部45から削除する構成により、アグリゲータ側の装置における登録内容と記憶部45における保存内容との同期をとることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて負荷の状態に基づく制御を行う電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図20は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図20を参照して、需要家装置202は、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置と比べて、さらに、状態情報取得部50と、削除部51とを備える。
図21は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図21を参照して、電力消費管理装置101は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置と比べて、さらに、削除部30と、評価部31とを備える。
[制御状態の取得]
再び図20を参照して、需要家装置202における状態情報取得部50は、対象負荷205の動作状態を示す状態情報をたとえば定期的に取得する。
具体的には、状態情報取得部50は、たとえば、制御部44による接点信号制御を受ける対象負荷205のスイッチの状態を動作状態として取得する。状態情報取得部50は、当該スイッチの状態を対象負荷205から直接取得してもよいし、接点信号制御の制御結果を制御部44から受けることにより取得してもよい。
また、状態情報取得部50は、たとえば、制御部44によるネットワーク制御を受ける対象負荷205のスイッチの状態および設定値を動作状態として取得する。状態情報取得部50は、当該スイッチの状態および当該設定値を対象負荷205からLAN11経由で取得してもよいし、ネットワーク制御の制御結果を制御部44から受けることにより取得してもよい。
状態情報取得部50は、対象負荷205のスイッチの状態および設定値と対応の対象負荷ID(以下、評価対象負荷IDとも称する。)とを含む状態情報を生成し、生成した状態情報、自己の需要家装置202のアドレスおよび電力消費管理装置101のアドレスを送信部43へ出力する。
たとえば、送信部43は、状態情報取得部50から状態情報、需要家装置202のアドレスおよび電力消費管理装置101のアドレスを受けると、電力消費管理装置101のアドレスを宛先として、状態情報および需要家装置202のアドレスを含む状態信号を電力消費管理装置101へインターネット10経由で送信する。
[制御状態の評価]
再び図21を参照して、電力消費管理装置101における受信部22は、需要家装置202から状態信号をインターネット10経由で受信すると、受信した状態信号を評価部31へ出力する。
評価部31は、受信部22から状態信号を受けると、受けた状態信号から状態情報および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。評価部31は、状態情報から対象負荷205のスイッチの状態および設定値と評価対象負荷IDとを取得する。
評価部31は、取得した状態情報に基づいて、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する。
具体的には、評価部31は、たとえば、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205に対して負荷決定部25が与えた制御内容を負荷決定部25から取得し、取得した制御内容と対象負荷205のスイッチの状態および設定値とを比較することにより、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する。
評価部31は、たとえば、上記比較を行う際に、DR開始タイミング前の状態情報とDR開始タイミング後の状態情報とを参考に用いる。
たとえば、評価部31は、制御内容と対象負荷205のスイッチの状態および設定値とが一致している場合、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「良好」と評価する。
一方、たとえば、評価部31は、制御内容と対象負荷205のスイッチの状態および設定値とが一致していない場合、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」と評価する。
評価部31は、たとえば、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」と評価した場合、評価結果を負荷決定部25へ通知し、また、評価対象負荷IDおよび送信元の需要家装置202のアドレスを削除部30へ出力する。
なお、評価部31は、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」であると複数回評価した場合に、評価結果を負荷決定部25へ通知し、また、評価対象負荷IDおよび送信元の需要家装置202のアドレスを削除部30へ出力してもよい。
[対象負荷205の追加]
負荷決定部25は、評価部31から評価結果の通知を受けると、以下の処理を行う。すなわち、負荷決定部25は、たとえば、図4に示すDLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンのうち、現在節電制御の対象となっている対象節電パターンを除いた節電パターンの中から新たに節電の対象とすべき1または複数の対象節電パターンを決定する。
負荷決定部25は、決定した対象節電パターンに基づいて対象負荷制御情報を生成し、生成した対象負荷制御情報を送信部23経由で需要家装置202へ送信する。
[評価不良の対象負荷205の削除]
削除部30は、評価部31による制御の評価結果に基づいて、記憶部26が記憶する対象負荷205の候補の中から抹消すべき対象負荷205を決定し、決定した対象負荷205に関する情報を記憶部26から削除する。
具体的には、削除部30は、たとえば、評価部31から評価対象負荷IDおよび送信元の需要家装置202のアドレスを受けると、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205を抹消すべき対象負荷205であると認識する。
そして、削除部30は、たとえば、記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1において、評価対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を削除する。
そして、削除部30は、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205の登録が抹消された旨を示す応答情報、および送信元の需要家装置202のアドレスを送信部23へ出力する。
たとえば、送信部23は、削除部30から応答情報および送信元の需要家装置202のアドレスを受けると、受けたアドレスを宛先として、応答情報を含む応答信号を状態情報の送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する。
再び図20を参照して、需要家装置202における受信部42は、たとえば、電力消費管理装置101から応答信号をインターネット10経由で受信すると、受信した応答信号から応答情報を取得し、取得した応答情報を削除部51へ出力する。
削除部51は、受信部42から応答情報を受けると、受けた応答情報に基づいて、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205の登録が抹消されたことを認識する。そして、削除部51は、評価対象負荷IDに対応する制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2から削除する。
なお、削除部30は、評価部31から評価対象負荷IDを受けると、受けた評価対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容をDLCマッピングテーブルTbl1から削除する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
削除部30は、たとえば、エコネットプロトコルを用いて評価対象負荷IDに対応する対象負荷205と通信を行うことが可能である場合、当該対象負荷205の動作状態を自ら取得し、取得した動作状態を自ら確認した後、確認結果に基づいて、対応の情報をDLCマッピングテーブルTbl1から削除する構成であってもよい。
[制御状態を評価する際の動作]
図22は、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費抑制処理のシーケンスの一例を示す図である。
図22を参照して、ステップS302〜S310の動作は、図8に示すステップS102〜S110の動作と同様である。
次に、需要家装置202は、たとえば、負荷205A,205B,205Dにおけるスイッチの状態および設定値を示す動作状態を、負荷205A、LAN接点変換器207および負荷205Dからそれぞれ定期的に取得する(ステップS312、S314およびS316)。
次に、需要家装置202は、取得した動作状態を示す状態情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む状態信号を電力消費管理装置101へ送信する(ステップS318)。
次に、需要家装置202は、カウンタ46のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS320)。
次に、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS322)。
また、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフすることを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Bに対して接点信号制御を行うLAN接点変換器207へ送信する(ステップS324)。
次に、LAN接点変換器207は、需要家装置202から制御命令を受信すると、受信した制御命令に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を負荷205Bへ送信する(ステップS325)。
次に、需要家装置202は、たとえば、負荷205A,205B,205Dにおけるスイッチの状態および設定値を示す動作状態を、負荷205A、LAN接点変換器207および負荷205Dからそれぞれ定期的に取得する(ステップS326、S328およびS330)。
次に、需要家装置202は、取得した動作状態を示す状態情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む状態信号を電力消費管理装置101へ送信する(ステップS332)。
次に、電力消費管理装置101は、需要家装置202から状態信号を受信すると、受信した状態信号から状態情報および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。そして、電力消費管理装置101は、取得した状態情報に基づいて、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する(ステップS334)。
電力消費管理装置101は、たとえば対象負荷205Bの評価結果が「不良」であった場合、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンのうち、現在節電の対象となっている対象節電パターンを除いた節電パターンの中から対象負荷205Dに対応する節電パターンを新たな対象節電パターンとして決定する(ステップS336)。
次に、電力消費管理装置101は、決定した対象節電パターンに含まれる対象負荷候補IDおよび対応の制御内容を含む対象負荷制御情報を生成し、生成した対象負荷制御情報を含むDLC信号を需要家装置202へ送信する(ステップS338)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101からDLC信号を受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報を取得し、取得した対象負荷制御情報、および負荷制御テーブルTbl2の内容に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する(ステップS340)。
次に、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、「設定値を3℃上げる」ことを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Dへ送信する(ステップS342)。
次に、電力消費管理装置101は、取得した状態情報に含まれる評価対象負荷IDを用いて、当該評価対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1から削除する(ステップS344)。
次に、電力消費管理装置101は、応答情報を含む応答信号を送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する(ステップS346)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101から応答情報を含む応答信号を受信すると、受信した応答情報に基づいて、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205の登録が抹消されたことを認識する。そして、需要家装置202は、評価対象負荷IDに対応する制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2から削除する(ステップS348)。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る需要家装置では、状態情報取得部50は、対象負荷205の動作状態を示す状態情報を取得する。送信部43は、状態情報取得部50によって取得された状態情報を送信する。
このような構成により、需要家装置202の動作状態をたとえばアグリゲータ側の装置へ通知することができるので、アグリゲータ側の装置は、需要家装置202の動作状態に基づいて、たとえば対象負荷205の電力消費を抑制する制御に対してフィードバックをかけることができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理装置では、受信部22は、対象負荷205の動作状態を示す状態情報を需要家装置202から受信する。評価部31は、受信部22によって受信された状態情報に基づいて、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する。
このような構成により、対象負荷205に対する需要家装置202の制御の評価結果に基づいて、たとえば現在の需要家装置202の動作状態に応じた内容の制御へ変更することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力消費管理装置では、記憶部26は、対象負荷の候補に関する情報を記憶する。削除部30は、評価部31による制御の評価結果に基づいて、記憶部26における対象負荷205の候補の中から抹消すべき対象負荷205を決定し、決定した対象負荷205に関する情報を記憶部26から削除する。
このような構成により、たとえば制御性が悪い対象負荷205の候補を記憶部26から削除することができるので、記憶部26における対象負荷205の候補において制御性が良い対象負荷205の候補の割合を増やすことができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて電力消費量に基づく制御を行う電力消費管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様である。
図23は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムの適用例を示す図である。
図23を参照して、電力消費管理システム301は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと比べて、さらに、電力メータ206を備える。
電力メータ206は、たとえば、需要家AAAの電力需要施設における電力消費量を測定し、測定した電力消費量を需要家装置202へ定期的に出力する。
図24は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける需要家装置の構成を示す図である。
図24を参照して、需要家装置202は、本発明の第1の実施の形態に係る需要家装置と比べて、さらに、削除部51と、消費情報取得部52とを備える。需要家装置202における削除部51の動作は、図20に示す需要家装置202における削除部51と同様である。
図25は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費管理装置の構成を示す図である。
図25を参照して、電力消費管理装置101は、本発明の第1の実施の形態に係る電力消費管理装置と比べて、さらに、削除部30と、評価部32とを備える。電力消費管理装置101における削除部30の動作は、図21に示す電力消費管理装置101における削除部30と同様である。
[電力消費量の取得]
再び図24を参照して、需要家装置202における消費情報取得部52は、電力需要施設における電力消費量を示す電力消費情報をたとえば定期的に取得する。具体的には、消費情報取得部52は、電力メータ206から電力消費量を定期的に受信する。消費情報取得部52は、受信した電力消費量を含む電力消費情報を生成し、生成した電力消費情報、自己の需要家装置202のアドレスおよび電力消費管理装置101のアドレスを送信部43へ出力する。
たとえば、送信部43は、消費情報取得部52から電力消費情報、需要家装置202のアドレスおよび電力消費管理装置101のアドレスを受けると、電力消費管理装置101のアドレスを宛先として、電力消費情報および需要家装置202のアドレスを含む電力消費信号を電力消費管理装置101へインターネット10経由で送信する。
[制御状態の評価]
再び図25を参照して、電力消費管理装置101における受信部22は、需要家装置202から電力消費信号をインターネット10経由で受信すると、受信した電力消費信号を負荷決定部25および評価部32へ出力する。
負荷決定部25は、受信部22から電力消費信号を受けると、受けた電力消費信号から電力消費情報および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。
負荷決定部25は、たとえば、取得した電力消費情報が示す電力需要施設における電力消費量に基づいて、本発明の第1の実施の形態において説明した過去の抑制量の実績値を算出する。
また、負荷決定部25は、たとえば、電力管理情報の示す電力消費の目標である電力消費目標を算出する。
具体的には、負荷決定部25は、たとえば、各電力需要施設における消費電力量の想定値を系統側管理装置151から受信部22および管理情報取得部24経由で受信するか、または保持している。消費電力量の想定値は、たとえば電力消費を抑制しなかった場合の電力消費量であり、過去の電力消費データ等に基づいて算出される。
負荷決定部25は、たとえば、消費電力量の想定値から上述の方法(A1)により算出される平均総和を差し引いた値を電力消費目標として算出する。負荷決定部25は、算出した電力消費目標を評価部32へ出力する。
なお、負荷決定部25は、たとえば、上述の方法(B)により算出される想定電力量Mから想定抑制量Kを差し引いた値を電力消費目標として算出してもよい。
評価部32は、受信部22によって受信された電力消費情報の示す電力消費量、および電力管理情報の示す電力消費の目標を比較し、比較した結果に基づいて対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する。
具体的には、評価部32は、受信部22から電力消費信号を受けると、受けた電力消費信号から電力消費情報を取得する。
評価部32は、取得した電力消費情報の示す電力消費量、および負荷決定部25から受ける電力消費目標を比較する。
評価部32は、たとえば、電力消費量が電力消費目標以下である場合、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「良好」と評価する。
一方、評価部32は、たとえば、電力消費量が電力消費目標を超える場合、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」と評価する。
評価部31は、たとえば、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」と評価した場合、制御不良通知を負荷決定部25へ出力する。
なお、評価部31は、対象負荷205に対する需要家装置202の制御を「不良」であると複数回評価した場合に、制御不良通知を負荷決定部25へ出力してもよい。
[対象負荷205の削除]
負荷決定部25は、評価部31から制御不良通知を受けると、たとえば、以下のいずれかの方法を用いて、現在制御を行っている対象負荷205の中から削除対象の対象負荷205を決定する。
すなわち、負荷決定部25は、現在制御を行っている対象負荷205の中からすべての対象負荷205を削除対象の対象負荷205として決定する。
また、たとえば、各節電パターンに予め優先度が付与されている場合、負荷決定部25は、当該優先度に応じて削除対象の対象負荷205を決定する。
また、たとえば、負荷決定部25は、抑制可能量の大きさに応じて削除対象の対象負荷205を決定する。
また、負荷決定部25は、たとえば現在制御を行っている対象負荷205の中から輪番で対象負荷205を選択し、選択した対象負荷205を削除対象の対象負荷205として決定する。
また、負荷決定部25は、たとえば現在制御を行っている対象負荷205の中からランダムに対象負荷205を選択し、選択した対象負荷205を削除対象の対象負荷205として決定する。
また、負荷決定部25は、たとえば、現在制御を行っている対象負荷205の個別の電力削減量を取得し、取得した電力削減量に基づいて削除対象の対象負荷205を決定する。
より詳細には、負荷決定部25は、たとえば、現在制御を行っている対象負荷205のうちの1つの対象負荷205に対する制御内容をDR開始タイミングより前の制御内容に一時的に戻す。
そして、負荷決定部25は、たとえば、制御内容を戻した後における電力需要施設における電力消費量から制御内容を戻す前における電力需要施設における電力消費量を差し引くことにより個別の電力削減量を取得する。
そして、負荷決定部25は、現在制御を行っている対象負荷205のすべてについての個別の電力削減量を取得する。
負荷決定部25は、たとえば、電力削減量が小さい対象負荷205を削除対象の対象負荷205として決定する。
負荷決定部25は、削除対象の対象負荷205を決定すると、決定した対象負荷205のID(以下、削除対象負荷IDとも称する。)を記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1から取得し、取得した削除対象負荷IDおよび送信元の需要家装置202のアドレスを削除部30へ出力する。
削除部30は、評価部32による制御の評価結果に基づいて、記憶部26が記憶する対象負荷205の候補の中から抹消すべき対象負荷205を決定し、決定した対象負荷205に関する情報を記憶部26から削除する。
具体的には、削除部30は、たとえば、負荷決定部25から削除対象負荷IDおよび送信元の需要家装置202のアドレスを受けると、記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1において、削除対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を削除する。
そして、削除部30は、評価対象負荷IDに対応する対象負荷205の登録が抹消された旨を示す応答情報を、送信元の需要家装置202へ送信部23経由で送信する。
[対象負荷205の追加]
また、負荷決定部25は、評価部31から制御不良通知を受けると、以下の処理を行う。すなわち、負荷決定部25は、たとえば、図4に示すDLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンのうち、現在節電の対象となっている対象節電パターンを除いた節電パターンの中から新たに節電の対象とすべき1または複数の対象節電パターンを決定する。
負荷決定部25は、決定した対象節電パターンに基づいて対象負荷制御情報を生成し、生成した対象負荷制御情報を送信部23経由で需要家装置202へ送信する。
[制御状態を評価する際の動作]
図26は、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理システムにおける電力消費抑制処理のシーケンスの一例を示す図である。
図26を参照して、ステップS402〜S410の動作は、図8に示すステップS102〜S110の動作と同様である。
次に、需要家装置202は、電力需要施設における電力消費量をたとえば定期的に電力メータ206から取得する(ステップS412)。
次に、需要家装置202は、取得した電力消費量を含む電力消費情報を生成し、生成した電力消費情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む電力消費信号をたとえば定期的に電力消費管理装置101へ送信する(ステップS414)。
次に、需要家装置202は、カウンタ46のカウント値からDR開始タイミングが到来したことを認識する(ステップS416)。
次に、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフすることを示す制御命令を、イーサネット規格に従って、対象負荷IDに対応する負荷205Bに対して接点信号制御を行うLAN接点変換器207へ送信する(ステップS418)。
次に、LAN接点変換器207は、需要家装置202から制御命令を受信すると、受信した制御命令に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を負荷205Bへ送信する(ステップS419)。
次に、需要家装置202は、電力需要施設における電力消費量をたとえば定期的に電力メータ206から取得する(ステップS420)。
次に、需要家装置202は、取得した電力消費量を含む電力消費情報を生成し、生成した電力消費情報、および自己の需要家装置202のアドレスを含む電力消費信号をたとえば定期的に電力消費管理装置101へ送信する(ステップS422)。
次に、電力消費管理装置101は、需要家装置202から電力消費信号を受信すると、受信した電力消費信号から電力消費情報および送信元の需要家装置202のアドレスを取得する。そして、電力消費管理装置101は、取得した電力消費情報の示す電力消費量、および電力消費目標を比較し、比較した結果に基づいて対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する(ステップS424)。
電力消費管理装置101は、たとえば評価結果が「不良」であった場合、DLCマッピングテーブルTbl1に含まれる節電パターンのうち、現在節電の対象となっている対象節電パターンを除いた節電パターンの中から対象負荷205Aに対応する節電パターンを新たな対象節電パターンとして決定する(ステップS426)。
次に、電力消費管理装置101は、決定した対象節電パターンに含まれる対象負荷候補IDおよび対応の制御内容を含む対象負荷制御情報を生成し、生成した対象負荷制御情報を含むDLC信号を需要家装置202へ送信する(ステップS428)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101からDLC信号を受信すると、受信したDLC信号から対象負荷制御情報を取得し、取得した対象負荷制御情報、および負荷制御テーブルTbl2の内容に基づいて、対象負荷IDに対応する接続I/Fおよび制御方法を取得する(ステップS430)。
次に、需要家装置202は、取得した対象負荷制御情報、ならびに接続I/Fおよび制御方法に基づいて、スイッチをオフするための接点信号を対象負荷IDに対応する負荷205Aへ送信する(ステップS432)。
次に、電力消費管理装置101は、現在制御を行っている対象負荷205の中から削除対象の対象負荷205を決定し、決定した対象負荷205の対象負荷IDを用いて、当該対象負荷IDに対応する抑制可能量および制御内容を記憶部26におけるDLCマッピングテーブルTbl1から削除する(ステップS434)。
次に、電力消費管理装置101は、応答情報を含む応答信号を送信元の需要家装置202へインターネット10経由で送信する(ステップS436)。
次に、需要家装置202は、電力消費管理装置101から応答情報を含む応答信号を受信すると、受信した応答情報に基づいて、上記対象負荷IDに対応する対象負荷205の登録が抹消されたことを認識する。そして、需要家装置202は、対応の制御I/Fおよび制御方法を記憶部45における負荷制御テーブルTbl2から削除する(ステップS438)。
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る需要家装置では、消費情報取得部52は、電力需要施設における電力消費量を示す電力消費情報を取得する。送信部43は、消費情報取得部52によって取得された電力消費情報を送信する。
このような構成により、需要家装置202の電力消費量をたとえばアグリゲータ側の装置へ通知することができるので、アグリゲータ側の装置は、電力消費量に基づいて、対象負荷205の電力消費を抑制する制御に対してフィードバックをかけることができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理装置では、受信部22は、電力需要施設における電力消費量を示す電力消費情報を需要家装置202から受信する。評価部32は、受信部22によって受信された電力消費情報の示す電力消費量、および電力管理情報の示す電力消費の目標を比較し、比較した結果に基づいて対象負荷205に対する需要家装置202の制御を評価する。
このような構成により、対象負荷205に対する需要家装置202の制御の、需要家装置202の電力消費量に基づく適切な評価結果を用いて、たとえば需要家装置202の電力消費量を電力管理情報の示す電力消費の目標により近づける制御を行うことができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る電力消費管理装置では、記憶部26は、対象負荷の候補に関する情報を記憶する。削除部30は、評価部32による制御の評価結果に基づいて、記憶部26における対象負荷205の候補の中から抹消すべき対象負荷205を決定し、決定した対象負荷205に関する情報を記憶部26から削除する。
このような構成により、たとえば電力消費の抑制能力が低い対象負荷205の候補を記憶部26から削除することができるので、記憶部26における対象負荷205の候補において電力消費の抑制能力が高い対象負荷205の候補の割合を増やすことができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力消費管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置であって、
電力消費の抑制対象とすべき前記負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記対象負荷情報の示す前記対象負荷を制御することにより、前記対象負荷の電力消費を抑制する制御部とを備え、
前記電力需要施設は、ビル、工場または一般家庭であり、
前記需要家装置は、計測装置および制御装置の機能を有し、
前記負荷は、二次電池式電気自動車、プラグインハイブリッドカー、照明、テレビおよび空調装置の少なくともいずれか1つであり、
前記対象負荷情報は、前記対象負荷のIDであり、
前記制御部は、前記対象負荷のスイッチのオフおよび設定値の変更の少なくともいずれか一方を行う、需要家装置。
[付記2]
電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置であって、
電力系統側から電力消費に関する電力管理情報を取得する管理情報取得部と、
前記管理情報取得部によって取得された前記電力管理情報に基づいて、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を決定する負荷決定部と、
前記負荷決定部によって決定された前記対象負荷を示す対象負荷情報を需要家装置へ送信する送信部とを備え、
前記電力需要施設は、ビル、工場または一般家庭であり、
前記電力消費管理装置は、DRAS(Demand Response Automation Server)であり、
前記電力管理情報は、電力消費の抑制の対象期間の開始タイミングおよび前記対象期間の長さ、ならびに依頼電力量、電力消費の削減依頼量または削減レベルの少なくともいずれか一つを含み、
前記負荷は、二次電池式電気自動車、プラグインハイブリッドカー、照明、テレビおよび空調装置の少なくともいずれか1つであり、
前記対象負荷情報は、前記対象負荷のIDであり、
前記需要家装置は、計測装置および制御装置の機能を有する、電力消費管理装置。
[付記3]
電力需要施設における電力消費を管理する電力消費管理装置と、
前記電力需要施設における1または複数の負荷を制御可能な需要家装置とを備え、
前記電力消費管理装置は、電力消費の抑制対象とすべき負荷である対象負荷を示す対象負荷情報を前記需要家装置へ送信し、
前記需要家装置は、前記対象負荷情報を前記電力消費管理装置から受信し、受信した前記対象負荷情報の示す前記対象負荷を制御することにより、前記対象負荷の電力消費を抑制し、
前記電力需要施設は、ビル、工場または一般家庭であり、
前記電力消費管理装置は、DRAS(Demand Response Automation Server)であり、
前記負荷は、二次電池式電気自動車、プラグインハイブリッドカー、照明、テレビおよび空調装置の少なくともいずれか1つであり、
前記需要家装置は、計測装置および制御装置の機能を有し、
前記対象負荷情報は、前記対象負荷のIDであり、
前記需要家装置は、前記対象負荷のスイッチのオフおよび設定値の変更の少なくともいずれか一方を行う、電力消費管理システム。