JP2016122703A - 基板処理装置 - Google Patents

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大輝 日野出
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Abstract

【課題】加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能な基板処理装置を提供する。【解決手段】水平姿勢で回転する基板W上に薬液が供給される。加熱装置200が基板の上方において静止した状態で、複数のランプヒータHT1〜HT4から基板Wの中央部から外周部までの領域に赤外線が照射され、基板W上の薬液が加熱される。基板Wの外周部側のランプヒータHT3,HT4から放射される赤外線のエネルギー束密度は、基板Wの中心部側のランプヒータHT1,HT2から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高い。複数のランプヒータHT1〜HT4はケーシング210内に収容される。ケーシング210内では、複数のランプヒータHT1〜HT4に窒素ガスが供給される。外周部側のランプヒータHT3,HT4に導かれる気体の流量は、基板Wの中心部側のランプヒータHT1,HT2に導かれる気体の流量よりも大きく設定される。【選択図】図20

Description

本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置に関する。
従来より、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
特許文献1に記載された基板処理装置においては、レジスト膜を有する基板が基板回転機構により保持され、基板の上面にレジスト剥離液としてSPM(Sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)が供給される。SPMは、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)との混合液である。
レジストとSPMとの反応性を高めるために、基板回転機構により保持される基板の上面に対向するようにランプヒータ(赤外線ランプ)が配置される。基板上にSPMの液膜が形成された状態でランプヒータから基板に赤外線が放射される。それにより、SPMの液膜がランプヒータにより加熱される。
特開2013−197114号公報
高温の薬液を用いる枚葉式の基板処理装置においては、基板上の薬液の温度にばらつきが生じると、基板に均一な処理を行うことができない。また、基板上の薬液の加熱の効率が低くなると、薬液による基板の処理効率が低下する。
本発明の目的は、加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能な基板処理装置を提供することである。
(1)本発明に係る基板処理装置は、基板を水平姿勢で保持するとともに基板を上下方向の軸の周りで回転させる基板保持装置と、基板保持装置により保持された基板に薬液を供給する薬液供給系と、薬液供給系により基板上に供給された薬液を加熱するための加熱装置と、加熱装置に気体を供給する第1の気体供給系とを備え、加熱装置は、赤外線を発生する赤外線発生器と、赤外線発生器と基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第1の板状部材と、第1の気体供給系から供給される気体を赤外線発生器に導くことにより赤外線発生器を冷却する冷却機構とを含み、赤外線発生器は、加熱装置が基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、基板の中心部に最も近い第1の部分と基板の外周部に最も近い第2の部分とを有し、基板の中心部から外周部までの半径方向の領域に赤外線を照射し、第2の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度が第1の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなるように構成され、冷却機構は、加熱装置が基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、第2の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量が第1の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量よりも大きくなるように構成されたものである。
その基板処理装置においては、水平姿勢で回転する基板上に薬液が供給される。加熱装置が基板の上方において静止した状態で、赤外線発生器から赤外線が発生される。一部の波長領域の赤外線は第1の板状部材を透過して基板上の薬液に照射される。それにより、薬液が加熱される。
この場合、回転する基板の外周部上の薬液は、基板の外周部近傍に発生する気流により冷却されやすい。そのため、基板の外周部上の薬液の温度は基板の中心部上の薬液の温度に比べて低下しやすい。上記の赤外線発生器によれば、第2の部分から基板の外周部に照射される赤外線のエネルギー束密度が、第1の部分から基板の中心部に照射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなる。それにより、基板の外周部上の薬液の温度が基板の中心部上の薬液の温度に比べて低くなることが抑制される。したがって、基板の中心部および外周部における薬液の温度を均一化することができる。
一方、赤外線発生器の第2の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度が第1の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高いので、第2の部分の温度は第1の部分の温度よりも上昇しやすい。それにより、第1の板状部材の温度は局部的に高くなりやすい。上記の冷却機構によれば、第2の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量が第1の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量よりも大きく設定される。それにより、第1および第2の部分の温度が均一化される。したがって、第1の板状部材の温度が局部的に高くなることが防止される。
そのため、第1の板状部材に基板上の薬液または薬液の飛沫が付着した場合でも、第1の板状部材と薬液との反応が抑制される。それにより、第1の板状部材に曇りが生じることが防止され、基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。これらの結果、加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能になる。
(2)冷却機構は、第1の気体供給系から供給される気体を赤外線発生器に向かって噴射するための噴射部を有し、噴射部は、赤外線発生器の上方に設けられ、加熱装置は、赤外線発生器から上方に放射される赤外線を下方に反射する反射板をさらに含み、反射板は、噴射部と赤外線発生器との間に配置され、噴射部から噴射される気体を赤外線発生器に導く孔部を有してもよい。
この場合、赤外線発生器から下方に放射される赤外線に加えて反射板により下方に反射される赤外線が基板上の薬液の加熱に用いられる。また、冷却機構の噴射部から噴射される気体が、反射板の孔部を通して赤外線発生器に導かれる。それにより、薬液を効率的に加熱するとともに赤外線発生器を冷却することが可能になる。
(3)赤外線発生器は、基板保持装置により保持される基板の中心部から外周部へ向う方向に並ぶように設けられる3以上の複数の発熱体を含み、複数の発熱体は、基板の中心部に最も近い第1の発熱体と基板の外周部に最も近い第2の発熱体とを含み、第2の発熱体と当該第2の発熱体の隣の発熱体との間隔は、第1の発熱体と当該第1の発熱体の隣の発熱体との間隔に比べて小さくてもよい。
この場合、第2の発熱体とその隣の発熱体の少なくとも一部とを含む領域における赤外線のエネルギー束密度が、第1の発熱体とその隣の発熱体の少なくとも一部とを含む領域における赤外線のエネルギー束密度よりも高くなる。それにより、第2の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度が第1の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなる。このように、複数の発熱体の間隔を調整することにより、第2の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度を第1の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも容易に高くすることができる。
(4)赤外線発生器の第2の部分は、基板保持装置により保持される基板の外周部に沿うように円弧状に形成された発熱体を含んでもよい。
この場合、赤外線発生器の第2の部分の発熱体が基板の外周部に沿って円弧状に形成されるので、基板の外周部のより広い範囲にわたって赤外線を照射することができる。それにより、基板の外周部上の薬液の温度低下を抑制することができる。
(5)赤外線発生器は、1または複数のハロゲンランプヒータを含んでもよい。
ハロゲンランプヒータは、主として波長約1μmの赤外線を発生する。この場合、波長約1μmの赤外線により基板上の薬液を効率的に加熱することができる。
(6)基板処理装置は、赤外線発生器および冷却機構を収容するケーシングと、ケーシング内の気体を基板処理装置の外部に排出する排気系とをさらに備え、ケーシングは、底部を有し、第1の板状部材は、ケーシングの底部を構成してもよい。
この場合、第1の気体供給系から赤外線発生器に供給される気体が基板上の薬液に接触しない。それにより、気体の接触による薬液の温度の低下が防止されるので、基板の処理不良の発生が防止される。
(7)基板処理装置は、加熱装置に気体を供給する第2の気体供給系をさらに備え、加熱装置は、赤外線を透過する第2の板状部材をさらに含み、第1の板状部材は、第2の板状部材と基板保持装置により保持される基板との間に配置され、第1の板状部材と第2の板状部材との間に第2の気体供給系から供給される気体の一部が流れる気体通路が形成されるとともに、基板保持装置により保持される基板の外周部よりも外方に向けて気体通路の気体が排出されるように第1の排出開口が設けられてもよい。
この場合、赤外線発生器から発生された赤外線は第1および第2の板状部材を透過して基板上の薬液に照射される。それにより、薬液が加熱される。このとき、第1の板状部材と第2の板状部材との間の気体通路に第2の気体供給系から供給される気体の一部が流れる。気体通路内を流れる気体は、第1の排出開口から排出される。それにより、赤外線発生器から発生された赤外線により第2の板状部材が加熱される場合に、第2の板状部材から第1の板状部材への熱伝導が阻止または低減される。したがって、第1の板状部材に基板上の薬液または薬液の飛沫が付着した場合でも、第1の板状部材と薬液との反応が抑制される。そのため、第1の板状部材に曇りが生じることが防止され、基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。
また、気体通路の気体が第1の排出開口から基板の外周部よりも外方に向けて排出される。そのため、気体により基板上の薬液が局所的に冷却されることが防止される。その結果、加熱された薬液によるより均一かつより効率的な処理が可能となる。
(8)第1の排出開口は、基板の外周部よりも基板の半径方向外側位置から基板の外方に向けて気体通路の気体を排出してもよい。
この場合、第1の排出開口から排出される気体が、基板の半径方向における基板の外周部よりも外側の位置から基板のさらに外方に向かうので、その気体が基板上に供給された薬液の液膜上を流れることが防止される。したがって、気体が基板上に供給された薬液の液膜上を流れることによる薬液の温度低下が防止される。
(9)基板処理装置は、赤外線発生器を収容するケーシングをさらに備え、ケーシングは、底部を有するとともに、第1、第2、第3および第4の側壁部を有し、第1の板状部材および第2の板状部材は、ケーシングの底部を構成し、第4の側壁部は、基板保持装置により保持された基板の外周部の上方に位置するように設けられ、第1の側壁部は、第4の側壁部に対向するように設けられ、第2および第3の側壁部は、第1の側壁部の両端と第4の側壁部の両端とをつなぐように設けられ、第1の側壁部は、赤外線を透過する板状の第1の内側部材と、第1の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第1の外側部材とにより構成され、第1の内側部材と第1の外側部材との間に気体通路に連通する第1の側部通路が形成され、第2の側壁部は、赤外線を透過する板状の第2の内側部材と、第2の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第2の外側部材とにより構成され、第2の内側部材と第2の外側部材との間に気体通路に連通する第2の側部通路が形成されるとともに、第2の側部通路の気体を基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第2の排出開口が設けられ、第3の側壁部は、赤外線を透過する板状の第3の内側部材と、第3の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第3の外側部材とにより構成され、第3の内側部材と第3の外側部材との間に気体通路に連通する第3の側部通路が形成されるとともに、第3の側部通路の気体を基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第3の排出開口が設けられてもよい。
この場合、赤外線発生器により発生された赤外線は、第1の側壁部の第1の内側部材および第1の外側部材を透過して基板上の薬液に照射される。また、第2の側壁部の第2の内側部材および第2の外側部材を透過して基板上の薬液に照射され、第3の側壁部の第3の内側部材および第3の外側部材を透過して基板上の薬液に照射される。それにより、薬液の加熱効率が向上する。
このとき、第1、第2および第3の側部通路に気体が供給される。気体は、第1、第2および第3の側部通路内を流動して第2および第3の排出開口から排出される。それにより、赤外線発生器から発生される赤外線により加熱された第1、第2および第3の内側部材からそれぞれ第1、第2および第3の外側部材への熱伝導が阻止または低減される。したがって、第1、第2または第3の外側部材に基板上の薬液または薬液の飛沫が付着した場合でも、第1、第2または第3の外側部材と薬液との反応が抑制される。そのため、第1、第2または第3の外側部材に曇りが生じることが防止され、基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。また、第2および第3の側部通路の気体がそれぞれ第2および第3の排出開口から基板の外周部よりも外方に排出される。そのため、気体により基板上の薬液が局所的に冷却されることが防止される。その結果、加熱された薬液による基板の均一かつ効率的な処理が可能となる。
本発明によれば、加熱された薬液による均一かつ効率的な基板の処理が可能となる。
本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。 図1の加熱装置の平面図である。 図2のケーシングから蓋部材が取り外された状態を示す加熱装置の平面図である。 図3の気体噴射ボックスおよび反射板が取り外された状態を示す加熱装置の平面図である。 図2の加熱装置を図3の矢印Qの方向に見た一方側面図である。 図2の加熱装置を図3の矢印Rの方向に見た他方側面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 図2のD−D線断面図である。 図5のE−E線断面図である。 図11の気体噴射ボックスが取り外された状態を示す図5のE−E線断面図である。 気体噴射ボックスおよびその周辺の窒素ガスの流れを示す断面図である。 気体噴射ボックスおよびその周辺の窒素ガスの流れを示す断面図である。 加熱装置の第1、第2および第3の側部通路における窒素ガスの流れを示す水平断面図である。 加熱装置の第1の側部通路および気体通路における窒素ガスの流れを示す垂直断面図である。 第1〜第4ランプヒータのフィラメントから発生される電磁波の分光放射発散度を示す図である。 第1の赤外線による基板上のリン酸水溶液の加熱のメカニズムを説明するための加熱装置の一部拡大断面図である。 第2の赤外線によるケーシングの加熱のメカニズムを説明するための加熱装置の一部拡大断面図である。 リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置の側面図である。 他の実施の形態に係る加熱装置の水平断面図である。 さらに他の実施の形態に係る加熱装置の水平断面図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、基板とは、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等をいう。
本実施の形態に係る基板処理装置は、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。その基板処理装置においては、酸化ケイ素(SiO)からなるシリコン酸化膜および窒化ケイ素(Si)からなるシリコン窒化膜が形成された基板に、高温の薬液としてシロキサンを含む高温のリン酸水溶液(HPO+HO)が供給される。この場合、リン酸水溶液がシロキサンを含むことによりシリコン酸化膜のエッチングレートが低下する。それにより、シリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
シロキサンは、ケイ素、酸素および水素からなる化合物のうちSi−O−Si結合を含むものの総称であり、一般式(HSiO−(HSiO)−SiH)で表される。
以下の説明においては、アンモニア水と過酸化水素水との混合溶液をSC1と呼ぶ。また、脱イオン水(Deionized Water)をDIWと呼ぶ。
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、基板処理装置100は、主として処理部1、SC1供給装置2、リンス液供給装置3、リン酸水溶液供給装置4、DIW供給装置5、窒素ガス供給装置6、排気装置7および制御部9を含む。
処理部1はチャンバ90を有する。チャンバ90は、4つの側面部、天井部および底部を有する。チャンバ90の1つの側面部には、チャンバ90の外部とチャンバ90の内部との間で基板Wを搬送するための搬送用開口91が形成されている。その1つの側面部には、搬送用開口91を開閉するためのシャッタ92が設けられる。また、チャンバ90の天井には、チャンバ90内にダウンフロー(下降気流)を発生させるFFU(ファンフィルタユニット)93が設けられる。
チャンバ90の内部に、スピンチャック11、カップ12、SC1ノズル13、リンスノズル14、リン酸ノズル15、支持アーム16、アーム駆動装置17および加熱装置200が設けられる。
スピンチャック11は、スピンモータ11a、スピンベース11bおよび複数のチャックピン11cを有する。スピンモータ11aは、回転軸が鉛直方向と平行になるように設けられる。スピンベース11bは、円板形状を有し、スピンモータ11aの回転軸の上端部に水平姿勢で取り付けられる。複数のチャックピン11cは、スピンベース11bの上面上に設けられ、基板Wの周縁部を保持する。複数のチャックピン11cが基板Wを保持する状態でスピンモータ11aが動作する。それにより、基板Wが鉛直軸の周りで回転する。
上記のように、本例では、基板Wの周縁部を保持する機械式のスピンチャック11が用いられる。これに限らず、機械式のスピンチャックに代えて、基板Wの下面を吸着保持する吸着式のスピンチャックが用いられてもよい。
SC1ノズル13およびリンスノズル14は、それぞれスピンチャック11により保持される基板Wの上方の処理位置と基板Wの側方の待機位置との間で移動可能に設けられる。
SC1供給装置2とSC1ノズル13とをつなぐようにSC1供給系P1が設けられる。SC1ノズル13は、SC1供給装置2から供給されるSC1をスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。
リンス液供給装置3とリンスノズル14とをつなぐようにリンス液供給系P2が設けられる。リンスノズル14は、リンス液供給装置3から供給されるリンス液をスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。本例では、リンス液としてDIWが用いられる。リンス液としては、DIWに代えて、炭酸水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)もしくはイオン水、またはIPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤を用いることもできる。
スピンチャック11の側方の位置に、底部から上方に向かって延びるアーム駆動装置17が設けられる。アーム駆動装置17の上端部には、水平方向に延びるように棒状の支持アーム16が取り付けられる。支持アーム16の先端に加熱装置200が取り付けられる。さらに、加熱装置200の一部にリン酸ノズル15が固定される。
アーム駆動装置17は、例えばモータを含み、支持アーム16の先端をそのモータの回転軸を中心として回転させる。それにより、リン酸ノズル15および加熱装置200は、スピンチャック11により保持される基板Wの上方の処理位置と基板Wの側方の待機位置との間で移動可能に設けられる。
加熱装置200は電磁波を発生する複数のランプヒータHT1〜HT4(図2参照)を含み、基板Wの上方の処理位置で電磁波を発生することにより基板Wおよびその基板W上に供給されるリン酸水溶液を加熱する。複数のランプヒータHT1〜HT4から発生される電磁波は、主として赤外線を含み、紫外線以上遠赤外線以下の波長を有する。本例では、ランプヒータHT1〜HT4としてハロゲンランプヒータが用いられる。ランプヒータHT1〜HT4として、ハロゲンランプヒータに代えて、キセノンアークランプヒータまたはグラファイトヒータ等を用いることもできる。
リン酸水溶液供給装置4とリン酸ノズル15とをつなぐようにリン酸供給系P3が設けられる。DIW供給装置5とリン酸ノズル15とをつなぐようにDIW供給系P4が設けられる。リン酸ノズル15は、リン酸水溶液供給装置4から供給されるリン酸水溶液およびDIW供給装置5から供給されるDIWをスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。
ここで、リン酸水溶液供給装置4からリン酸ノズル15に供給されるリン酸水溶液は、そのリン酸濃度における沸点(例えば、140℃以上160℃以下)まで加熱される。また、リン酸ノズル15に供給されるリン酸水溶液にはシロキサンが含まれる。
窒素ガス供給装置6と加熱装置200とをつなぐように窒素ガス供給系P5が設けられる。それにより、窒素ガス供給装置6から加熱装置200に窒素ガスが供給される。加熱装置200に供給される窒素ガスの機能については後述する。
排気装置7と加熱装置200とをつなぐように排気系P6が設けられる。加熱装置200はケーシング210(図2参照)を含む。排気装置7は、ケーシング210内の雰囲気を排気系P6を通して吸引し、工場内の排気系用力設備に導く。
SC1供給系P1、リンス液供給系P2、リン酸供給系P3、DIW供給系P4、窒素ガス供給系P5および排気系P6の各々は、バルブ、ヒータ、フィルタおよびポンプ等が介挿された1または複数の配管等により構成される。
スピンチャック11を取り囲むようにカップ12が設けられている。カップ12は、スピンチャック11への基板Wの搬入時およびスピンチャック11からの基板Wの搬出時に下降し、基板Wへの処理液(本例では、SC1、DIWおよびリン酸水溶液)の供給時に上昇する。
回転する基板Wへの処理液の供給時に、カップ12の上端部は基板Wよりも上方に位置する。それにより、基板Wから振り切られる処理液がカップ12により受け止められる。カップ12により受け止められる処理液は、廃液管を通して廃棄される。なお、カップ12により受け止められる処理液の一部または全てが再利用されてもよい。
なお、カップ12の底部には図示しない排気ダクトが連結されている。排気ダクトは、上記の排気装置7に接続されている。カップ12の内部の雰囲気はこの排気ダクトを介して排気装置7により基板処理装置100の外部に排出される。
制御部9は、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータ等からなる。制御部9のメモリにはシステムプログラムが記憶される。制御部9は、基板処理装置100の各構成要素の動作を制御する。
(2)基板処理装置の動作の概略
制御部9が基板処理装置100の各構成要素の動作を制御することにより、以下に示す一連の処理が行われる。まず、チャンバ90内に基板Wが搬入され、搬入された基板Wがスピンチャック11により保持される。搬入された基板Wの表面(本例では上面)には、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜が形成されているものとする。
次に、スピンチャック11により保持される基板Wが回転される。また、図1のアーム駆動装置17が動作することにより、リン酸ノズル15がスピンチャック11により保持される基板Wの中心の上方の位置まで移動される。
リン酸ノズル15の先端部が基板Wの中心に対向する位置で、リン酸水溶液供給装置4からリン酸ノズル15に、シロキサンを含むリン酸水溶液が供給される。それにより、回転する基板Wの上面上にリン酸水溶液の液膜が形成され、基板W上のシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜のうちシリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
このとき、リン酸水溶液の液膜が形成された状態で、加熱装置200が基板Wの上面の一部に対向し、ランプヒータHT1〜HT4(図2参照)に電流が流れる。それにより、ランプヒータHT1〜HT4から赤外線が発生され、加熱装置200に対向する基板Wの部分およびリン酸水溶液の液膜が赤外線により加熱される。この場合、回転する基板W上に形成されるリン酸水溶液がそのリン酸濃度の沸点に近い温度で維持される。それにより、シリコン窒化膜のエッチングレートを高く維持することができる。
基板W上のリン酸水溶液の水分が蒸発すると、リン酸水溶液中にピロリン酸(H)が生成される。ピロリン酸は、シリコン酸化膜をエッチングする。そのため、リン酸水溶液がその沸点まで加熱されると、シリコン酸化膜のエッチング量に対するシリコン窒化膜のエッチング量の比率(以下、エッチング選択比と呼ぶ。)が低くなる。
そこで、本例では、シリコン酸化膜がピロリン酸によりエッチングされることを抑制するために、リン酸水溶液の液膜の加熱中にDIW供給装置5からリン酸ノズル15に適宜DIWが供給される。それにより、リン酸水溶液の液膜に蒸発した水と同量のDIWが供給されるので、ピロリン酸の発生が低減される。したがって、エッチング選択比を高く維持することができる。
その後、所定時間の経過とともに、基板Wへのリン酸水溶液およびDIWの供給が停止される。また、リン酸ノズル15および加熱装置200が基板Wの側方の待機位置まで移動される。さらに、基板W上のリン酸水溶液が振り切られる。
続いて、基板Wの上方の処理位置にリンスノズル14が移動され、回転する基板W上にリンス液が供給される。それにより、基板W上に残留するリン酸水溶液がリンス液により洗い流される。
次に、基板Wへのリンス液の供給が停止され、リンスノズル14が待機位置に移動される。また、SC1ノズル13が処理位置に移動され、基板W上にSC1が供給される。その後、基板WへのSC1の供給が停止され、SC1ノズル13が待機位置に移動される。
続いて、リンスノズル14が再び処理位置に移動され、基板W上にリンス液が供給される。最後に、基板Wへのリンス液の供給が停止され、リンスノズル14が待機位置に移動される。また、基板W上のリンス液が振り切られ、基板Wが乾燥される。乾燥された基板Wがチャンバ90から搬出される。
(3)加熱装置の構造
図2は図1の加熱装置200の平面図である。図2では、リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置200の状態が示される。図2に示すように、加熱装置200は、上方から見た場合に略扇形状を有する。また、加熱装置200は、ケーシング210、蓋部材250、気体噴射ボックス300、反射板400および複数(本例では4つ)のランプヒータHT1〜HT4を含む。
気体噴射ボックス300、反射板400およびランプヒータHT1〜HT4は、ケーシング210内に収容される。図2では、気体噴射ボックス300を太い一点鎖線で表し、反射板400を太い二点鎖線で表す。また、ランプヒータHT1〜HT4を点線で表す。ケーシング210内で、気体噴射ボックス300はランプヒータHT1〜HT4の上方に位置する。反射板400は、気体噴射ボックス300とランプヒータHT1〜HT4との間に位置する。蓋部材250は、略扇形状を有するとともに一定の厚みを有する板状部材であり、ケーシング210の上部を覆うように設けられる。
図3は図2のケーシング210から蓋部材250が取り外された状態を示す加熱装置200の平面図であり、図4は図3の気体噴射ボックス300および反射板400が取り外された状態を示す加熱装置200の平面図である。図5は図2の加熱装置200を図3の矢印Qの方向に見た一方側面図であり、図6は図2の加熱装置200を図3の矢印Rの方向に見た他方側面図である。図7は図2のA−A線断面図であり、図8は図2のB−B線断面図であり、図9は図2のC−C線断面図であり、図10は図2のD−D線断面図である。図11は図5のE−E線断面図であり、図12は図11の気体噴射ボックス300が取り外された状態を示す図5のE−E線断面図である。
図4に示すように、ケーシング210内には、4つのランプヒータHT1〜HT4が一方向に並ぶように配置されている。各ランプヒータHT1〜HT4は、石英ガラス管492(図8参照)内にタングステンのフィラメント491(図8参照)が配置された構成を有する。また、各ランプヒータHT1〜HT4は、円弧状に形成された曲線部HTaと曲線部HTaの両端部から上方に延びる直線部HTb(図7参照)とを有する。各直線部HTbの上端部に端子TEが設けられている。
各ランプヒータHT1〜HT4の2つの端子TEにそれぞれ配線(図示せず)が接続される。各ランプヒータHT1〜HT4に接続された配線は、蓋部材250に形成された第1の連通路PA1(図5参照)を通してケーシング210の外部に引き出され、電源装置に接続される。第1の連通路PA1については後述する。各配線を通してランプヒータHT1〜HT4に電流が流れることにより、主として曲線部HTaから赤外線が発生される。
図3に示すように、ランプヒータHT1〜HT4の曲線部HTaの上方でかつ各ランプヒータHT1〜HT4の2つの直線部HTbの間に位置するように気体噴射ボックス300および反射板400が設けられる。気体噴射ボックス300および反射板400の詳細は後述する。
以下、4つのランプヒータHT1〜HT4を、それぞれ第1ランプヒータHT1、第2ランプヒータHT2、第3ランプヒータHT3および第4ランプヒータHT4と呼ぶ。
図4に示すように、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、基板Wの回転中心から半径方向外側に向けて、第1ランプヒータHT1、第2ランプヒータHT2、第3ランプヒータHT3および第4ランプヒータHT4の順番に配置されている。
加熱装置200が処理位置にある状態で、一番内側の第1ランプヒータHT1が基板Wの回転中心に近接する位置に配置されるように、かつ、一番外側の第4ランプヒータHT4が基板Wの外周部の直上よりも基板Wの回転中心側にわずかに偏った位置に位置するように、加熱装置200が支持アーム16(図2参照)により支持される。第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、基板Wの中心部から外周部に至る扇形状の領域を加熱する。
加熱装置200が処理位置にある状態で、スピンチャック11により回転される基板Wに対してエッチングが行われる。回転する基板Wの外周部上のリン酸水溶液は、基板Wの外周部近傍に発生する気流により冷却されやすい。そのため、基板Wの外周部上のリン酸水溶液の温度は基板Wの中心部上のリン酸水溶液の温度に比べて低下しやすい。
基板W上のシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜のリン酸水溶液によるエッチングレートは、リン酸水溶液の温度に大きく依存する。例えばリン酸水溶液の液膜の温度が高い箇所ではエッチングレートが高くなるが、液膜の温度が低い箇所ではエッチングレートが低くなる。したがって、基板W上のリン酸水溶液の液膜の温度が局所的に低くなると、リン酸水溶液によるシリコン窒化膜のエッチングレートが基板の上面上で均一にならない可能性がある。
そこで、加熱装置200は、基板Wの外周部およびその近傍に照射される赤外線のエネルギー束密度が基板Wの中心部およびその近傍に照射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなるように構成される。エネルギー束密度は、単位面積を単位時間当たりに通過するエネルギーの流れの密度である。
本実施の形態では、基板Wの外周部に近い第3および第4ランプヒータHT3,HT4間の間隔が、基板Wの中心部に近い第1および第2ランプヒータHT1,HT2間の間隔に比べて小さくなるように設定される。この場合、第3および第4ランプヒータHT3,HT4を含む領域における赤外線のエネルギー束密度が、第1および第2ランプヒータHT1,HT2を含む領域における赤外線のエネルギー束密度よりも高くなる。それにより、基板Wの外周部上のリン酸水溶液の温度が基板Wの中心部上のリン酸水溶液の温度に比べて低下することが抑制される。したがって、基板W上のリン酸水溶液の液膜の温度を均一化することができる。その結果、基板Wの中心部から外周部にかけてリン酸水溶液によるシリコン窒化膜のエッチングレートが均一化される。
また、本実施の形態では、第4ランプヒータHT4が基板の外周部に沿って円弧状に形成されるので、基板Wの外周部のより広い範囲にわたって赤外線を照射することができる。それにより、基板Wの回転時に、基板Wの外周部上のリン酸水溶液の温度低下を抑制することができる。
図4に示すように、ケーシング210の上端部に石英ガラスからなるフランジ板211が設けられている。フランジ板211には、略一定の間隔で複数の貫通孔211hが形成されている。図2の蓋部材250には、フランジ板211の複数の貫通孔211hに対応する複数のねじ孔が形成されている。蓋部材250は、複数のねじSC(図5および図6参照)を用いてケーシング210の上端部に取り付けられる。
図2に示すように、蓋部材250の側部には、支持アーム16が取り付けられている。支持アーム16は中空の棒状部材により構成される。図5に示すように、蓋部材250には、ケーシング210の内部空間と支持アーム16の内部空間とを連通させる第1の連通路PA1が形成されている。第1の連通路PA1および支持アーム16の内部には、ランプヒータHT1〜HT4に接続された配線(図示せず)およびチューブP6a等が挿入される。チューブP6aは、例えば樹脂により形成され、図1の排気系P6の一部を構成する。
また、蓋部材250には、図9に示すように、ケーシング210の内部空間とケーシング210の外部空間とを連通させる第2の連通路PA2が形成されている。第2の連通路PA2にはチューブP5aが挿入される。チューブP5aは、例えば樹脂により形成され、図1の窒素ガス供給系P5の一部を構成する。チューブP5aの先端は、気体噴射ボックス300に接続される。
さらに、蓋部材250には、図10に示すように、ケーシング210の内部空間とケーシング210の外部空間とを連通させる第3の連通路PA3が形成されている。第3の連通路PA3にはチューブP6bが挿入される。チューブP6bは、例えば樹脂により形成され、図1の排気系P6の一部を構成する。
蓋部材250は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる。蓋部材250の材料としては、PTFEの他、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等の樹脂材料を用いることもできる。
図7に示すように、気体噴射ボックス300は、上面板311、下面板312および複数の側面板313から構成される。上面板311は、図3に示すように、略扇形状を有する。下面板312は、図11に示すように、上面板311と同じ略扇形状を有する。より具体的には、上面板311および下面板312の各々は、直線状の内縁および円弧状の外縁を有するとともに内縁の両端部と外縁の両端部とをつなぐ2つの側縁を有する。
図7に示すように、上面板311の内縁、外縁および2つの側縁と下面板312の内縁、外縁および2つの側縁とをつなぐように複数の側面板313が設けられる。図3に示すように、上面板311の略中央部に接続孔300hが形成されている。図7に示すように、上面板311の接続孔300hにチューブP5aが接続される。
図11に示すように、下面板312には、複数の噴射孔h1が形成されている。複数の噴射孔h1は、互いに同じ内径を有し、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の曲線部HTaに対向する。
図8に示すように、気体噴射ボックス300の複数の側面板313には、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の直線部HTbの上端部に対向するようにそれぞれ噴射孔h2が形成されている。複数の噴射孔h2は、互いに同じ内径を有する。
図11に示すように、反射板400は、下面板312とほぼ同じ形状を有し、下面板312よりもわずかに大きい。反射板400は、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から上方に放射される赤外線を下方に向かって反射する。それにより、リン酸水溶液の液膜を効率よく加熱することができる。反射板400には、図12に示すように、気体噴射ボックス300の下面板312の複数の噴射孔h1(図11参照)に重なるように複数の貫通孔h3が形成されている。複数の貫通孔h3は、互いに同じ内径を有する。貫通孔h3の内径は、噴射孔h1の内径よりも大きい。
図11に示すように、ケーシング210は、第1の側壁部SW1、第2の側壁部SW2、第3の側壁部SW3および第4の側壁部SW4を有する。第1の側壁部SW1は、第4の側壁部SW4に対向する。第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、第1の側壁部SW1の両端と第4の側壁部SW4の両端とをつなぐように設けられる。
第1の側壁部SW1は、板状の第1の内側部材222aと、第1の内側部材222aの外側に位置する板状の第1の外側部材212aとにより構成される。第1の内側部材222aと第1の外側部材212aとの間に第1の側部通路GS1が形成されている。
第2の側壁部SW2は、板状の第2の内側部材222bと、第2の内側部材222bの外側に位置する板状の第2の外側部材212bとにより構成される。第2の内側部材222bと第2の外側部材212bとの間に、第1の側部通路GS1と連通するように第2の側部通路GS2が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の一方の側辺に沿うように上下方向に延びる排出開口292が設けられている。
第3の側壁部SW3は、板状の第3の内側部材222cと、第3の内側部材222cの外側に位置する板状の第3の外側部材212cとにより構成される。第3の内側部材222cと第3の外側部材212cとの間に、第1の側部通路GS1と連通するように第3の側部通路GS3が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の他方の側辺に沿うように上下方向に延びる排出開口293が設けられている。
第4の側壁部SW4は、板状部材223により構成される。板状部材223は、円弧状に湾曲した矩形の長板形状を有する。板状部材223の曲率は、基板Wの外周部の曲率と一致していることが望ましい。
図9に示すように、第1の側壁部SW1および第4の側壁部SW4は、フランジ板211の下面に溶接により接合される。また、図7に示すように、第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、フランジ板211の下面に溶接により接合される。
第1〜第3の内側部材222a〜222c、第1〜第3の外側部材212a〜212cおよび板状部材223は、それぞれ石英ガラスからなる。第1〜第3の内側部材222a〜222cは一体的に形成されてもよく、別体として形成されてもよい。また、第1〜第3の外側部材212a〜212cは、一体的に形成されてもよく、別体として形成されてもよい。
図7および図9に示すように、ケーシング210は、底部BMをさらに有する。底部BMは、第2の板状部材224と、第2の板状部材224の下方に位置する第1の板状部材213とにより構成される。第2の板状部材224および第1の板状部材213は、石英ガラスからなる。第2の板状部材224は、第1〜第3の内側部材222a〜222cの下端および板状部材223の下端に溶接により接合される。第1の板状部材213は、第1〜第3の外側部材212a〜212cの下端に溶接により接合される。
第1の板状部材213と第2の板状部材224との間に、上記の第1の側部通路GS1、第2の側部通路GS2および第3の側部通路GS3に連通する気体通路GS0が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の下辺に沿うように水平方向に延びる排出開口291が設けられている。
図6に示すように、排出開口292,293,291は、第4の側壁部SW4の両側辺および下辺に沿って延びる。
図3および図5に示すように、第3の外側部材212cの上端部近傍にガス導入管214が溶接により接合される。ガス導入管214は、石英ガラスからなり、第3の外側部材212cと第3の内側部材222cとの間の第3の側部通路GS3とケーシング210の外部の空間とを連通するように設けられる。
図2に示すように、第3の側壁部SW3に形成されるガス導入管214にチューブP5bが接続される。チューブP5bは、例えば樹脂により形成され、図1の窒素ガス供給系P5の一部を構成する。
加熱装置200は、回転する基板W上のリン酸水溶液の加熱時に、第4の側壁部SW4が基板Wの外周部のほぼ直上に位置しかつ第1の側壁部SW1が基板Wの中心の近傍に位置する状態で静止するように、図1の支持アーム16により支持される。このとき、図6の底部BMを構成する第1の板状部材213および第2の板状部材224は、基板Wの上面に平行に配置される。第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、基板Wの半径方向に延びる。また、図6の排出開口292,293,291は、基板Wの外周部のほぼ直上に位置する。なお、排出開口292,293,291は、基板Wの外周部よりも外側の上方に位置してもよい。
このように、排出開口292,293,291は、基板Wの外周部、すなわち基板Wの上面に形成されるリン酸水溶液の液膜の外周部よりも基板Wの半径方向外側の位置から、基板Wの半径方向外側に向けて窒素ガスを吐出可能な位置に配置される。
(4)加熱装置に供給される窒素ガスの流れ
上記のように、図2の蓋部材250の第1、第2および第3の連通路PA1,PA2,PA3にそれぞれチューブP6a,P5a,P6bが挿入される。図1の窒素ガス供給装置6からチューブP5aを通してケーシング210内の気体噴射ボックス300に室温の窒素ガスが供給される。
図13は気体噴射ボックス300およびその周辺の窒素ガスの流れを示す断面図であり、図14は気体噴射ボックス300およびその周辺の窒素ガスの流れを示す断面図である。図13の断面図は図2のB−B線断面図に相当し、図14の断面図は図2のC−C線断面図に相当する。
チューブP5aには、図1の窒素ガス供給装置6から室温の窒素ガスが供給される。それにより、図13および図14に太い実線で示すように、気体噴射ボックス300内に窒素ガスが導かれる。気体噴射ボックス300内に導かれる窒素ガスの一部は、複数の噴射孔h1および複数の貫通孔h3を通して第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の曲線部HTaに噴射される。
気体噴射ボックス300内に導かれる窒素ガスの残りは、複数の噴射孔h2を通して第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の直線部HTbの端子TEの近傍に噴射される。
気体噴射ボックス300を取り囲むケーシング210内の雰囲気は、図13のチューブP6a,P6bを通して図1の排気装置7により吸引され、基板処理装置100の外部に排出される。
上記の加熱装置200においては、図1の窒素ガス供給装置6からさらに図2のチューブP5bおよびガス導入管214を通してケーシング210内の第3の側部通路GS3(図11参照)に室温の窒素ガスが供給される。
図15は加熱装置200の第1、第2および第3の側部通路GS1,GS2,GS3における窒素ガスの流れを示す水平断面図であり、図16は加熱装置200の第1の側部通路GS1および気体通路GS0における窒素ガスの流れを示す垂直断面図である。
ガス導入管214から第3の側部通路GS3に供給された室温の窒素ガスは、図15および図16に太い実線で示すように、第3の側部通路GS3、第1の側部通路GS1、第2の側部通路GS2および気体通路GS0を流動し、排出開口291,292,293から排出される。
(5)加熱装置から発生される赤外線の波長
上記のように、本実施の形態では、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4としてハロゲンランプヒータが用いられる。図17は、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4のフィラメント491から発生される電磁波の分光放射発散度を示す図である。図17に示すように、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4のフィラメント491から放射される赤外線の放射エネルギーは、波長約1.0μmで最大となり、波長約1.0μmから波長約5.0μmにかけて徐々に小さくなる。
以下の説明では、フィラメント491から放射される赤外線のうち、波長2.0μmよりも短い波長領域A1の赤外線を第1の赤外線と呼ぶ。また、フィラメント491から放射される赤外線のうち、波長2.0μm以上の波長領域A2の赤外線を第2の赤外線と呼ぶ。
図18は第1の赤外線による基板W上のリン酸水溶液の加熱のメカニズムを説明するための加熱装置200の一部拡大断面図であり、図19は第2の赤外線によるケーシング210の加熱のメカニズムを説明するための加熱装置200の一部拡大断面図である。図18および図19の一部拡大断面図は、図9の一部拡大断面図に相当する。図18および図19では、加熱装置200とともに基板Wの断面が示される。また、基板W上のリン酸水溶液の液膜がドットパターンで示される。
上記のように、本実施の形態では、ケーシング210の第1〜第4の側壁部SW1〜SW4および底部BMを構成する材料として石英ガラスが用いられる。また、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は石英ガラス管492を含む。石英ガラスは、波長2.0μmよりも短い波長領域の赤外線を透過し、波長2.0μm以上の波長領域の赤外線を吸収する。一方、基板Wおよびリン酸水溶液の液膜は、波長2.0μmよりも短い波長領域の赤外線を吸収し、波長2.0μm以上の波長領域の赤外線を透過または反射する。
この場合、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4のフィラメント491から発生される第1の赤外線は、図18に太い一点差線の矢印で示すように、石英ガラス管492および底部BMの石英ガラスを透過し、基板Wおよびリン酸水溶液の液膜に吸収される。それにより、基板Wおよびリン酸水溶液の液膜が第1の赤外線により加熱される。
一方、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4のフィラメント491から発生される第2の赤外線は、図19に太い実線の矢印で示すように、石英ガラス管492に吸収される。それにより、石英ガラス管492が第2の赤外線により加熱される。石英ガラス管492の温度が上昇すると、石英ガラス管492からさらに波長2.0μm以上の波長領域の赤外線が発生される。
石英ガラス管492から発生される赤外線は、図19に白抜きの矢印で示すように、第2の板状部材224に吸収される。第2の板状部材224が加熱されることにより第2の板状部材224の温度が上昇し、第2の板状部材224からさらに波長2.0μm以上の波長領域の赤外線が発生される。それにより、第2の板状部材224と同様に第1の板状部材213が加熱される。
第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の石英ガラス管492から発生される赤外線は、第1〜第4の側壁部SW1〜SW4にも入射する。そのため、第1の板状部材213および第2の板状部材224が加熱される際には、第1〜第3の内側部材222a〜222c(図15参照)および第1〜第3の外側部材212a〜212c(図15参照)も加熱される。
また、上記のように、石英ガラス管492の温度が上昇すると、石英ガラス管492から放散される熱が、石英ガラス管492を取り囲む空間、第2の板状部材224および気体通路GS0を通して第1の板状部材213に伝播する。それにより、第1の板状部材213が加熱される。この場合、第1の板状部材213と同様に、第1〜第3の外側部材212a〜212c(図15参照)も加熱される。
(6)加熱装置に供給される窒素ガスによる効果
図20は、リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置200の側面図である。図20に示すように、スピンチャック11により保持される基板Wにリン酸ノズル15からリン酸水溶液が供給され、回転される基板W上にリン酸水溶液の液膜が形成される。
このとき、基板Wの回転数は例えば1rpm〜500rpm程度に保たれる。また、加熱装置200の下面(第1の板状部材213の下面)とスピンチャック11により保持される基板Wの上面との間の距離D1は、例えば5mmに設定される。さらに、カップ12の上端部とスピンチャック11により保持される基板Wの上面との間の距離D2は、例えば22mmに設定される。
この状態で、加熱装置200の第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4にそれぞれ電流が流れることにより第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4のフィラメント491(図18および図19参照)から第1および第2の赤外線が発生される。発生された第1の赤外線の一部は、第1の板状部材213および第2の板状部材224を透過して基板W上のリン酸水溶液の液膜に向かって照射される。また、発生された第1の赤外線の残りは、第1〜第3の内側部材222a〜222c(図15参照)および第1〜第3の外側部材212a〜212c(図15参照)を透過して基板W上のリン酸水溶液の液膜に向かって照射される。それにより、第1の赤外線により基板Wおよびリン酸水溶液の液膜が加熱される。
一方、発生された第2の赤外線は、上記のように第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の石英ガラス管492を加熱する。各石英ガラス管492の温度が上昇することにより、第2の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cの温度が上昇し、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの温度も上昇する。
加熱装置200は、基板Wの上面に近接しているため、リン酸水溶液の液膜等からリン酸水溶液の飛沫が飛散して第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cに付着することがある。また、図11の距離D1の大きさやリン酸水溶液の液膜の厚みによっては、第1の板状部材213の下面がリン酸水溶液に直接に接触することがある。
高温のリン酸水溶液が石英ガラスに接触すると、リン酸水溶液と石英ガラスとが反応し、石英ガラスが腐食される。そのため、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの表面に高温のリン酸水溶液が付着すると、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの表面に曇りが発生する。
本実施の形態では、基板Wの外周部およびその近傍に照射される赤外線のエネルギー束密度が基板Wの中心部およびその近傍に照射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなるように加熱装置200が構成される。この場合、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の石英ガラス管492の温度は、第1および第2ランプヒータHT1,HT2の石英ガラス管492の温度よりも上昇しやすい。そのため、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの各々においては、基板Wの外周部に近接する部分の温度が局部的に高くなりやすい。したがって、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cには、局部的な曇りが発生しやすい。
そこで、本実施の形態では、図11に示すように、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の曲線部HTaに対向する領域の単位面積当たりの噴射孔h1の数が、第1および第2ランプヒータHT1,HT2の曲線部HTaに対向する領域の単位面積当たりの噴射孔h1の数に比べて多くなるように、気体噴射ボックス300が形成される。この場合、図20に白抜きの矢印で示すように、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量が、第1および第2ランプヒータHT1,HT2の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量よりも大きくなる。
それにより、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の石英ガラス管492の温度が、第1および第2ランプヒータHT1,HT2の石英ガラス管492の温度よりも上昇することが抑制される。すなわち、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の石英ガラス管492の温度が均一になるように、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が窒素ガスにより冷却される。したがって、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの局部的な温度上昇が抑制される。
上記のように、本実施の形態では、図13の複数の噴射孔h2を通して第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の直線部HTbの上端部にも窒素ガスが噴射される。それにより、直線部HTbおよび端子TEにおける局部的な温度上昇が抑制される。したがって、第1〜第3の外側部材212a〜212cの局部的な温度上昇がさらに抑制される。
また、本例の加熱装置200においては、図20に太い点線で示すように、室温の窒素ガスが第1〜第3の側部通路GS1〜GS3(図15参照)および気体通路GS0を流動して排出開口291,292,293(図15および図16参照)から排出される。
室温の窒素ガスが流動するため、第1〜第3の側部通路GS1〜GS3(図9参照)および気体通路GS0が冷却される。それにより、第2の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cならびに第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの熱上昇が抑制される。
これらの結果、仮に第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cにリン酸水溶液の飛沫が付着した場合でも、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cとリン酸水溶液との反応が抑制される。したがって、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの表面に曇りが生じることが防止される。
したがって、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から発生される第1の赤外線は、第2の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cならびに第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cを通して基板W上のリン酸水溶液の液膜に均一に照射される。
また、加熱装置200の排出開口291〜293は上面視において基板Wおよびその上面に形成されるリン酸水溶液の液膜の外周部よりも基板Wの半径方向外側に位置する。この場合、排出開口291〜293から排出される窒素ガスはリン酸水溶液の液膜の上方の空間に流れない。それにより、排出開口291〜293から排出される窒素ガスがリン酸水溶液の液膜に接触しない。したがって、リン酸水溶液の液膜の局部的な冷却が防止される。その結果、加熱されたリン酸水溶液によるシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の均一なエッチング処理が可能となる。
本実施の形態においては、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの温度が例えば室温(23℃程度)以上100℃以下に維持されるように、加熱装置200に供給される窒素ガスの温度および流量の少なくとも一方を調整することが好ましい。この場合、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cにリン酸水溶液が付着しても、第1の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの表面に曇りが生じることが防止される。
(7)他の実施の形態
(7−1)上記の実施の形体では、気体噴射ボックス300の下面板312(図11参照)において、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の曲線部HTaに対向する領域の単位面積当たりの噴射孔h1の数は第1および第2ランプヒータHT1,HT2の曲線部HTaに対向する領域の単位面積当たりの噴射孔h1の数に比べて多いが、本発明は上記の例に限られない。
図21は、他の実施の形態に係る加熱装置200の水平断面図である。図21の水平断面図は、図5のE−E線断面図に相当する。図21に示すように、本例では、気体噴射ボックス300の下面板312において、第1ランプヒータHT1に対向する領域の噴射孔h1よりも第2ランプヒータHT2に対向する領域の噴射孔h1の内径が大きい。また、第2ランプヒータHT2に対向する領域の噴射孔h1よりも第3ランプヒータHT3に対向する領域の噴射孔h1の内径が大きい。さらに、第3ランプヒータHT3に対向する領域の噴射孔h1よりも第4ランプヒータHT4に対向する領域の噴射孔h1の内径が大きい。
それにより、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の曲線部HTaに対向する領域の単位面積当たりの噴射孔h1の数がほぼ等しい場合でも、第3および第4ランプヒータHT3,HT4の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量が、第1および第2ランプヒータHT1,HT2の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量よりも大きくなる。したがって、第1および第2ランプヒータHT1,HT2に対して第3および第4ランプヒータHT3,HT4の温度が高くなることが抑制される。
(7−2)上記の実施の形体では、気体噴射ボックス300の下面板312(図11参照)において、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の各曲線部HTaに対向する領域に形成される複数の噴射孔h1はほぼ均等に配置されるが、本発明は上記の例に限られない。
図22は、さらに他の実施の形態に係る加熱装置200の水平断面図である。図22の水平断面図は、図5のE−E線断面図に相当する。第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の各々においては、フィラメント491(図18および図19参照)の形状により複数の部分で放射される赤外線のエネルギー束密度が互いに異なる場合がある。例えば、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の各曲線部HTaにおいて、中央部から放射される赤外線のエネルギー束密度が両端部から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高いと、各曲線部HTaの中央部の温度が両端部の温度よりも高くなる。この場合、各曲線部HTaの中央部に近接する第1の板状部材213の部分が局部的に加熱される可能性がある。
そこで、図22の例では、第2〜第4ランプヒータHT2〜HT4の各曲線部HTaの中央部に近いほど密度が高く、両端部に近いほど密度が低くなるように、同じ内径を有する複数の噴射孔h1が下面板312に形成される。
それにより、各曲線部HTaの中央部の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量が、各曲線部HTaの両端部の単位面積当たりに導かれる窒素ガスの流量よりも大きくなる。したがって、各曲線部HTaの両端部に対して各曲線部HTaの中央部の温度が高くなることが抑制される。
(7−3)上記の実施の形態では、赤外線の発生源として第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が用いられるが、本発明は上記の例に限られない。赤外線の発生源として3本のランプヒータが用いられてもよいし、5本のランプヒータが用いられてもよい。
また、複数のランプヒータは、加熱装置200が処理位置にある状態で、基板Wの中心から半径方向外側に向けて並ぶように配置される代わりに、基板Wの中心から外周部に向かって延びるようにかつ周方向に並ぶように配置されてもよい。
さらに、複数のランプヒータを用いる代わりに、1本のランプヒータのみを用いてもよい。この場合、1本のランプヒータは、例えば加熱装置200が処理位置にある状態で、基板Wの中心部から外周部に向かって延びるように配置される。さらに、1本のランプヒータは、フィラメントが加工されることにより、基板Wの中心部に比べて外周部から放射される赤外線のエネルギー束密度が高くなるように形成される。
(7−4)上記の実施の形体では、加熱装置200が処理位置にある状態で、排出開口291〜293が、上面視において基板W(およびその上面に形成されるリン酸水溶液の液膜)の外周部よりも基板Wの半径方向外側に位置する。しかしながら、排出開口291〜293の位置は、基板Wの外周部よりも微小距離基板Wの半径方向内側に位置してもよい。
(7−5)上記の実施の形態では、加熱装置200に供給される気体として窒素ガスが用いられる。これに限らず、加熱装置200に供給される気体としては、窒素ガスに代えてアルゴン等の他の不活性ガスが用いられてもよい。
また、加熱装置200の気体噴射ボックス300に供給される不活性ガスの種類とガス導入管214に供給される不活性ガスの種類とが互いに異なってもよい。この場合、不活性ガスの種類ごとに加熱装置200に気体を供給するための供給装置が複数設けられてもよい。
(7−6)上記の実施の形態では、リン酸水溶液の液膜の加熱中にDIW供給装置5からリン酸ノズル15に適宜DIWが供給されるが、DIWは供給されなくてもよい。
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、基板Wが基板の例であり、スピンチャック11が基板保持装置の例であり、リン酸水溶液供給装置4およびリン酸供給系P3が薬液供給系の例であり、加熱装置200が加熱装置の例であり、窒素ガス供給装置6、窒素ガス供給系P5およびチューブP5aが第1の気体供給系の例であり、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が赤外線発生器の例であり、第1の板状部材213が第1の板状部材の例である。
また、気体噴射ボックス300が冷却機構の例であり、第1および第2ランプヒータHT1,HT2が赤外線発生器の第1の部分の例であり、第3および第4ランプヒータHT3,HT4が赤外線発生器の第2の部分の例である。
また、複数の噴射孔h1が噴射部の例であり、反射板400が反射板の例であり、複数の貫通孔h3が孔部の例であり、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の各々が発熱体の例であり、第1ランプヒータHT1が第1の発熱体の例であり、第4ランプヒータHT4が第2の発熱体の例であり、ケーシング210がケーシングの例であり、排気系P6、チューブP6a,P6bおよび排気装置7が排気系の例であり、底部BMが底部の例である。
また、窒素ガス供給装置6、窒素ガス供給系P5およびチューブP5bが第2の気体供給系の例であり、第2の板状部材224が第2の板状部材の例であり、気体通路GS0が気体通路の例であり、排出開口291が第1の排出開口の例である。
また、第1の側壁部SW1が第1の側壁部の例であり、第2の側壁部SW2が第2の側壁部の例であり、第3の側壁部SW3が第3の側壁部の例であり、第4の側壁部SW4が第4の側壁部の例であり、第1の内側部材222aが第1の内側部材の例であり、第1の外側部材212aが第1の外側部材の例であり、第1の側部通路GS1が第1の側部通路の例である。
また、第2の内側部材222bが第2の内側部材の例であり、第2の外側部材212bが第2の外側部材の例であり、第2の側部通路GS2が第2の側部通路の例であり、排出開口292が第2の排出開口の例であり、第3の内側部材222cが第3の内側部材の例であり、第3の外側部材212cが第3の外側部材の例であり、第3の側部通路GS3が第3の側部通路の例であり、排出開口293が第3の排出開口の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、基板の処理に有効に利用することができる。
1 処理部
2 SC1供給装置
3 リンス液供給装置
4 リン酸水溶液供給装置
5 DIW供給装置
6 窒素ガス供給装置
7 排気装置
9 制御部
11 スピンチャック
11a スピンモータ
11b スピンベース
11c チャックピン
12 カップ
13 SC1ノズル
14 リンスノズル
15 リン酸ノズル
16 支持アーム
17 アーム駆動装置
90 チャンバ
91 搬送用開口
92 シャッタ
93 FFU
100 基板処理装置
200 加熱装置
210 ケーシング
211 フランジ板
211h,h3 貫通孔
212a 第1の外側部材
212b 第2の外側部材
212c 第3の外側部材
213 第1の板状部材
214 ガス導入管
222a 第1の内側部材
222b 第2の内側部材
222c 第3の内側部材
223 板状部材
224 第2の板状部材
250 蓋部材
291,292,293 排出開口
300 気体噴射ボックス
300h 接続孔
311 上面板
312 下面板
313 側面板
400 反射板
491 フィラメント
492 石英ガラス管
A1,A2 波長領域
BM 底部
D1,D2 距離
GS0 気体通路
GS1 第1の側部通路
GS2 第2の側部通路
GS3 第3の側部通路
HT1 第1ランプヒータ
HT2 第2ランプヒータ
HT3 第3ランプヒータ
HT4 第4ランプヒータ
HTa 曲線部
HTb 直線部
P1 SC1供給系
P2 リンス液供給系
P3 リン酸供給系
P4 DIW供給系
P5 窒素ガス供給系
P5a,P5b,P6a,P6b チューブ
P6 排気系
PA1 第1の連通路
PA2 第2の連通路
PA3 第3の連通路
SC ねじ
SW1 第1の側壁部
SW2 第2の側壁部
SW3 第3の側壁部
SW4 第4の側壁部
TE 端子
W 基板
h1,h2 噴射孔

Claims (9)

  1. 基板を水平姿勢で保持するとともに基板を上下方向の軸の周りで回転させる基板保持装置と、
    前記基板保持装置により保持された基板に薬液を供給する薬液供給系と、
    前記薬液供給系により基板上に供給された薬液を加熱するための加熱装置と、
    前記加熱装置に気体を供給する第1の気体供給系とを備え、
    前記加熱装置は、
    赤外線を発生する赤外線発生器と、
    前記赤外線発生器と前記基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第1の板状部材と、
    前記第1の気体供給系から供給される気体を前記赤外線発生器に導くことにより前記赤外線発生器を冷却する冷却機構とを含み、
    前記赤外線発生器は、前記加熱装置が前記基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、基板の中心部に最も近い第1の部分と基板の外周部に最も近い第2の部分とを有し、基板の中心部から外周部までの半径方向の領域に赤外線を照射し、前記第2の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度が前記第1の部分から放射される赤外線のエネルギー束密度よりも高くなるように構成され、
    前記冷却機構は、前記加熱装置が前記基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、前記第2の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量が前記第1の部分の単位面積当たりに導かれる気体の流量よりも大きくなるように構成された、基板処理装置。
  2. 前記冷却機構は、前記第1の気体供給系から供給される気体を前記赤外線発生器に向かって噴射するための噴射部を有し、
    前記噴射部は、前記赤外線発生器の上方に設けられ、
    前記加熱装置は、前記赤外線発生器から上方に放射される赤外線を下方に反射する反射板をさらに含み、
    前記反射板は、前記噴射部と前記赤外線発生器との間に配置され、前記噴射部から噴射される気体を前記赤外線発生器に導く孔部を有する、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記赤外線発生器は、前記基板保持装置により保持される基板の中心部から外周部へ向う方向に並ぶように設けられる3以上の複数の発熱体を含み、
    前記複数の発熱体は、基板の中心部に最も近い第1の発熱体と基板の外周部に最も近い第2の発熱体とを含み、
    前記第2の発熱体と当該第2の発熱体の隣の発熱体との間隔は、前記第1の発熱体と当該第1の発熱体の隣の発熱体との間隔に比べて小さい、請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記赤外線発生器の前記第2の部分は、前記基板保持装置により保持される基板の外周部に沿うように円弧状に形成された発熱体を含む、請求項3記載の基板処理装置。
  5. 前記赤外線発生器は、1または複数のハロゲンランプヒータを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記赤外線発生器および前記冷却機構を収容するケーシングと、
    前記ケーシング内の気体を前記基板処理装置の外部に排出する排気系とをさらに備え、
    前記ケーシングは、底部を有し、
    前記第1の板状部材は、前記ケーシングの底部を構成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記加熱装置に気体を供給する第2の気体供給系をさらに備え、
    前記加熱装置は、赤外線を透過する第2の板状部材をさらに含み、
    前記第1の板状部材は、前記第2の板状部材と前記基板保持装置により保持される基板との間に配置され、
    前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との間に前記第2の気体供給系から供給される気体の一部が流れる気体通路が形成されるとともに、前記基板保持装置により保持される基板の外周部よりも外方に向けて前記気体通路の気体が排出されるように第1の排出開口が設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記第1の排出開口は、前記基板の外周部よりも基板の半径方向外側位置から基板の外方に向けて前記気体通路の気体を排出する、請求項7記載の基板処理装置。
  9. 前記赤外線発生器を収容するケーシングをさらに備え、
    前記ケーシングは、底部を有するとともに、第1、第2、第3および第4の側壁部を有し、
    前記第1の板状部材および前記第2の板状部材は、前記ケーシングの底部を構成し、
    前記第4の側壁部は、前記基板保持装置により保持された基板の外周部の上方に位置するように設けられ、前記第1の側壁部は、前記第4の側壁部に対向するように設けられ、前記第2および第3の側壁部は、前記第1の側壁部の両端と前記第4の側壁部の両端とをつなぐように設けられ、
    前記第1の側壁部は、赤外線を透過する板状の第1の内側部材と、前記第1の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第1の外側部材とにより構成され、
    前記第1の内側部材と前記第1の外側部材との間に前記気体通路に連通する第1の側部通路が形成され、
    前記第2の側壁部は、赤外線を透過する板状の第2の内側部材と、前記第2の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第2の外側部材とにより構成され、
    前記第2の内側部材と前記第2の外側部材との間に前記気体通路に連通する第2の側部通路が形成されるとともに、前記第2の側部通路の気体を前記基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第2の排出開口が設けられ、
    前記第3の側壁部は、赤外線を透過する板状の第3の内側部材と、前記第3の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第3の外側部材とにより構成され、
    前記第3の内側部材と前記第3の外側部材との間に前記気体通路に連通する第3の側部通路が形成されるとともに、前記第3の側部通路の気体を前記基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第3の排出開口が設けられる、請求項7または8記載の基板処理装置。
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