JP2015179722A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】スピンチャック11により保持された基板W上にリン酸水溶液が供給され、基板W上に液膜が形成される。基板W上の液膜が加熱装置200により加熱される。加熱装置200は、石英ガラス製のケーシング210内に第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が設けられた構成を有する。第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から発生される赤外線がケーシング210の底部BMを透過して基板W上のリン酸水溶液に照射される。底部BMは、第1の板状部材224と第1の板状部材224の下方に設けられる第2の板状部材213とにより構成される。第1の板状部材224と第2の板状部材213との間の気体通路GS0に窒素ガスが供給される。気体通路GS0を流れる窒素ガスは、排出開口291から基板Wの外周部の外方に向かって排出される。
【選択図】図11
【解決手段】スピンチャック11により保持された基板W上にリン酸水溶液が供給され、基板W上に液膜が形成される。基板W上の液膜が加熱装置200により加熱される。加熱装置200は、石英ガラス製のケーシング210内に第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が設けられた構成を有する。第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から発生される赤外線がケーシング210の底部BMを透過して基板W上のリン酸水溶液に照射される。底部BMは、第1の板状部材224と第1の板状部材224の下方に設けられる第2の板状部材213とにより構成される。第1の板状部材224と第2の板状部材213との間の気体通路GS0に窒素ガスが供給される。気体通路GS0を流れる窒素ガスは、排出開口291から基板Wの外周部の外方に向かって排出される。
【選択図】図11
Description
本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置に関する。
従来より、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等の基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
特許文献1に記載された基板処理装置においては、レジスト膜を有する基板が基板回転機構により保持され、基板の上面にレジスト剥離液としてSPM(Sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)が供給される。SPMは、硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H2O2)との混合液である。
レジストとSPMとの反応性を高めるために、基板回転機構により保持される基板の上面に対向するようにランプヒータ(赤外線ランプ)が配置される。基板上にSPMの液膜が形成された状態でランプヒータから基板に赤外線が放射される。それにより、SPMの液膜がランプヒータにより加熱される。
高温の薬液を用いる枚葉式の基板処理装置においては、基板上の薬液の温度にばらつきが生じると、基板に均一な処理を行うことができない。また、基板上の薬液の加熱の効率が低くなると、薬液による基板の処理効率が低下する。
本発明の目的は、加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能な基板処理装置を提供することである。
(1)本発明に係る基板処理装置は、基板を水平姿勢で保持するとともに基板を上下方向の軸の周りで回転させる基板保持装置と、基板保持装置により保持された基板に薬液を供給する薬液供給系と、薬液供給系により基板上に供給された薬液を加熱するための加熱装置と、加熱装置に気体を供給する気体供給系とを備え、加熱装置は、赤外線を発生する赤外線発生器と、赤外線発生器と基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第1の板状部材と、第1の板状部材と基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第2の板状部材とを含み、第1の板状部材と第2の板状部材との間に気体供給系により気体が供給される気体通路が形成されるとともに、基板保持装置により保持される基板の外周部よりも外方に向けて気体通路の気体が排出されるように第1の排出開口が設けられる。
この基板処理装置においては、基板保持装置により水平姿勢で保持された基板上に薬液供給系により薬液が供給される。また、加熱装置の赤外線発生器により赤外線が発生される。赤外線は第1および第2の板状部材を透過して基板上の薬液に照射される。それにより、薬液が加熱される。
このとき、第1の板状部材と第2の板状部材との間の気体通路に気体供給系により気体が供給される。気体は気体通路内を流動して第1の排出開口から排出される。それにより、赤外線発生器の輻射熱により加熱された第1の板状部材から第2の板状部材への熱伝導が阻止または低減される。したがって、第2の板状部材に基板上の薬液または薬液の飛沫が付着した場合でも、第2の板状部材と薬液との反応が抑制される。そのため、第2の板状部材に曇りが生じることが防止され、基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。また、気体通路の気体が第1の排出開口から基板の外周部よりも外方に向けて排出される。そのため、気体により基板上の薬液が局所的に冷却されることが防止される。その結果、加熱された薬液による均一かつ効率的な処理が可能となる。
(2)第1の排出開口は、基板の外周部よりも基板の半径方向外側位置から基板の外方に向けて気体通路の気体を排出してもよい。
この場合、第1の排出開口から排出される気体が、基板の半径方向における基板の外周部よりも外側の位置から基板のさらに外方に向かうので、その気体が基板上に供給された薬液の液膜上を流れることが防止される。したがって、気体が基板上に供給された薬液の液膜上を流れることによる薬液の温度低下が防止される。
(3)加熱装置が基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、基板保持装置により保持された基板の中心から外周部までの半径方向の領域に赤外線が照射されるように赤外線発生器が設けられてもよい。
この場合、赤外線が基板の中心から外周部までの半径方向の領域に同時に照射されるので、基板が回転することにより基板上の薬液の全体がより均一に加熱される。
(4)赤外線発生器は、基板保持装置により保持される基板の外周部に沿うように円弧状に形成されてもよい。
この場合、基板の周方向において基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。それにより、基板上の薬液が周方向においてより均一に加熱される。
(5)赤外線発生器は、基板保持装置により保持される基板の中心部から外周部へ向う方向に並ぶように複数設けられてもよい。
この場合、基板の半径方向の領域において基板上の薬液を効率的に加熱することができる。
(6)基板処理装置は、赤外線発生器を収容するケーシングをさらに備え、ケーシングは、底部を有するとともに、第1、第2、第3および第4の側壁部を有し、第1の板状部材および第2の板状部材は、ケーシングの底部を構成し、第4の側壁部は、基板保持装置により保持された基板の外周部の上方に位置するように設けられ、第1の側壁部は、第4の側壁部に対向するように設けられ、第2および第3の側壁部は、第1の側壁部の両端と第4の側壁部の両端とをつなぐように設けられ、第1の側壁部は、赤外線を透過する板状の第1の内側部材と、第1の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第1の外側部材とにより構成され、第1の内側部材と第1の外側部材との間に気体通路に連通する第1の側部通路が形成され、第2の側壁部は、赤外線を透過する板状の第2の内側部材と、第2の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第2の外側部材とにより構成され、第2の内側部材と第2の外側部材との間に気体通路に連通する第2の側部通路が形成されるとともに、第2の側部通路の気体を基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第2の排出開口が設けられ、第3の側壁部は、赤外線を透過する板状の第3の内側部材と、第3の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第3の外側部材とにより構成され、第3の内側部材と第3の外側部材との間に気体通路に連通する第3の側部通路が形成されるとともに、第3の側部通路の気体を基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第3の排出開口が設けられてもよい。
この場合、赤外線発生器により発生された赤外線は、第1の側壁部の第1の内側部材および第1の外側部材を透過して基板上の薬液に照射される。また、第2の側壁部の第2の内側部材および第2の外側部材を透過して基板上の薬液に照射され、第3の側壁部の第3の内側部材および第3の外側部材を透過して基板上の薬液に照射される。それにより、薬液の加熱効率が向上する。
このとき、第1、第2および第3の側部通路に気体が供給される。気体は、第1、第2および第3の側部通路内を流動して第2および第3の排出開口から排出される。それにより、赤外線発生器の輻射熱により加熱された第1、第2および第3の内側部材からそれぞれ第1、第2および第3の外側部材への熱伝導が阻止または低減される。したがって、第1、第2または第3の外側部材に基板上の薬液または薬液の飛沫が付着した場合でも、第1、第2または第3の外側部材と薬液との反応が抑制される。そのため、第1、第2または第3の外側部材に曇りが生じることが防止され、基板上の薬液に均一に赤外線が照射される。また、第2および第3の側部通路の気体がそれぞれ第2および第3の排出開口から基板の外周部よりも外方に排出される。そのため、気体により基板上の薬液が局所的に冷却されることが防止される。その結果、加熱された薬液による基板の均一かつ効率的な処理が可能となる。
(7)第2および第3の側壁部材は、基板保持装置により保持される基板の略半径方向に延びるように設けられてもよい。
この場合、基板上の薬液を均一に加熱することができるとともに加熱装置をコンパクト化および軽量化することができる。
(8)第1および第2の板状部材はガラスにより形成されてもよい。
この場合、第1および第2の板状部材が赤外線に対して高い透過率を有するので、基板上の薬液を効率的に加熱することができる。
本発明によれば、加熱された薬液による均一かつ効率的な基板の処理が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、基板とは、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等をいう。
本実施の形態に係る基板処理装置は、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。その基板処理装置においては、酸化ケイ素(SiO2)からなるシリコン酸化膜および窒化ケイ素(Si3N4)からなるシリコン窒化膜が形成された基板に、高温の薬液としてシロキサンを含む高温のリン酸水溶液(H3PO4+H2O)が供給される。この場合、リン酸水溶液がシロキサンを含むことによりシリコン酸化膜のエッチングレートが低下する。それにより、シリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
シロキサンは、ケイ素、酸素および水素からなる化合物のうちSi−O−Si結合を含むものの総称であり、一般式(H3SiO−(H2SiO)n−SiH3)で表される。
以下の説明においては、アンモニア水と過酸化水素水との混合溶液をSC1と呼ぶ。また、脱イオン水(Deionized Water)をDIWと呼ぶ。
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、基板処理装置100は、主として処理部1、SC1供給装置2、リンス液供給装置3、リン酸水溶液供給装置4、DIW供給装置5、窒素ガス供給装置6および制御部9を含む。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、基板処理装置100は、主として処理部1、SC1供給装置2、リンス液供給装置3、リン酸水溶液供給装置4、DIW供給装置5、窒素ガス供給装置6および制御部9を含む。
処理部1はチャンバ90を有する。チャンバ90は、4つの側面部、天井部および底部を有する。チャンバ90の1つの側面部には、チャンバ90の外部とチャンバ90の内部との間で基板Wを搬送するための搬送用開口91が形成されている。その1つの側面部には、搬送用開口91を開閉するためのシャッタ92が設けられる。また、チャンバ90の天井には、チャンバ90内にダウンフロー(下降気流)を発生させるFFU(ファンフィルタユニット)93が設けられる。
チャンバ90の内部に、スピンチャック11、カップ12、SC1ノズル13、リンスノズル14、リン酸ノズル15、支持アーム16、アーム駆動装置17、チャンバ90および加熱装置200が設けられる。
スピンチャック11は、スピンモータ11a、スピンベース11bおよび複数のチャックピン11cを有する。スピンモータ11aは、回転軸が鉛直方向と平行になるように設けられる。スピンベース11bは、円板形状を有し、スピンモータ11aの回転軸の上端部に水平姿勢で取り付けられる。複数のチャックピン11cは、スピンベース11bの上面上に設けられ、基板Wの周縁部を保持する。複数のチャックピン11cが基板Wを保持する状態でスピンモータ11aが動作する。それにより、基板Wが鉛直軸の周りで回転する。
上記のように、本例では、基板Wの周縁部を保持する機械式のスピンチャック11が用いられる。これに限らず、機械式のスピンチャックに代えて、基板Wの下面を吸着保持する吸着式のスピンチャックが用いられてもよい。
SC1ノズル13およびリンスノズル14は、それぞれスピンチャック11により保持される基板Wの上方の処理位置と基板Wの側方の待機位置との間で移動可能に設けられる。
SC1供給装置2とSC1ノズル13とをつなぐようにSC1供給系P1が設けられる。SC1ノズル13は、SC1供給装置2から供給されるSC1をスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。
リンス液供給装置3とリンスノズル14とをつなぐようにリンス液供給系P2が設けられる。リンスノズル14は、リンス液供給装置3から供給されるリンス液をスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。本例では、リンス液としてDIWが用いられる。リンス液としては、DIWに代えて、炭酸水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)もしくはイオン水、またはIPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤を用いることもできる。
チャンバ90内には、スピンチャック11の側方の位置に、底部から上方に向かって延びるアーム駆動装置17が設けられる。アーム駆動装置17の上端部には、水平方向に延びるように棒状の支持アーム16が取り付けられる。支持アーム16の先端に加熱装置200が取り付けられる。さらに、加熱装置200の一部にリン酸ノズル15が固定される。
アーム駆動装置17は、例えばモータを含み、支持アーム16の先端をそのモータの回転軸を中心として回転させる。それにより、リン酸ノズル15および加熱装置200は、スピンチャック11により保持される基板Wの上方の処理位置と基板Wの側方の待機位置との間で移動可能に設けられる。
加熱装置200は電磁波を発生する複数のランプヒータHT1〜HT4(図2参照)を含み、基板Wの上方から輻射熱により基板Wおよびその基板W上に供給されるリン酸水溶液を加熱する。複数のランプヒータHT1〜HT4から発生される電磁波は、主として赤外線を含み、紫外線以上遠赤外線以下の波長を有する。本例では、ランプヒータHT1〜HT4としてタングステンハロゲンランプが用いられる。ランプヒータHT1〜HT4として、タングステンハロゲンランプに代えて、キセノンアークランプまたはグラファイトヒータ等を用いることもできる。
リン酸水溶液供給装置4とリン酸ノズル15とをつなぐようにリン酸供給系P3が設けられる。DIW供給装置5とリン酸ノズル15とをつなぐようにDIW供給系P4が設けられる。リン酸ノズル15は、リン酸水溶液供給装置4から供給されるリン酸水溶液およびDIW供給装置5から供給されるDIWをスピンチャック11により回転される基板Wに供給する。
ここで、リン酸水溶液供給装置4からリン酸ノズル15に供給されるリン酸水溶液は、そのリン酸濃度における沸点(例えば、140℃以上160℃以下)まで加熱される。また、リン酸ノズル15に供給されるリン酸水溶液にはシロキサンが含まれる。
窒素ガス供給装置6と加熱装置200とをつなぐように窒素ガス供給系P5が設けられる。それにより、窒素ガス供給装置6から加熱装置200に窒素ガスが供給される。加熱装置200に供給される窒素ガスの機能については後述する。
SC1供給系P1、リンス液供給系P2、リン酸供給系P3、DIW供給系P4および窒素ガス供給系P5の各々は、バルブ、ヒータ、フィルタおよびポンプ等が介挿された配管により構成される。
さらに、チャンバ90内には、スピンチャック11を取り囲むようにカップ12が設けられている。カップ12は、スピンチャック11への基板Wの搬入時およびスピンチャック11からの基板Wの搬出時に下降し、基板Wへの処理液(本例では、SC1、DIWおよびリン酸水溶液)の供給時に上昇する。
回転する基板Wへの処理液の供給時に、カップ12の上端部は基板Wよりも上方に位置する。それにより、基板Wから振り切られる処理液がカップ12により受け止められる。カップ12により受け止められる処理液は、廃液管を通して廃棄される。なお、カップ12により受け止められる処理液の一部または全てが再利用されてもよい。
なお、カップ12の底部には図示しない排気ダクトが連結されている。カップ12の内部の雰囲気はこの排気ダクトを介してチャンバ90の外部に排出される。
制御部9は、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータ等からなる。制御部9のメモリにはシステムプログラムが記憶される。制御部9は、基板処理装置100の各構成要素の動作を制御する。
(2)基板処理装置の動作の概略
制御部9が基板処理装置100の各構成要素の動作を制御することにより、以下に示す一連の処理が行われる。まず、チャンバ90内に基板Wが搬入され、搬入された基板Wがスピンチャック11により保持される。搬入された基板Wの表面(本例では上面)には、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜が形成されているものとする。
制御部9が基板処理装置100の各構成要素の動作を制御することにより、以下に示す一連の処理が行われる。まず、チャンバ90内に基板Wが搬入され、搬入された基板Wがスピンチャック11により保持される。搬入された基板Wの表面(本例では上面)には、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜が形成されているものとする。
次に、スピンチャック11により保持される基板Wが回転される。また、図1のアーム駆動装置17が動作することにより、リン酸ノズル15がスピンチャック11により保持される基板Wの中心の上方の位置まで移動される。
リン酸ノズル15の先端部が基板Wの中心に対向する位置で、リン酸水溶液供給装置4からリン酸ノズル15に、シロキサンを含むリン酸水溶液が供給される。それにより、回転する基板Wの上面上にリン酸水溶液の液膜が形成され、基板W上のシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜のうちシリコン窒化膜が選択的にエッチングされる。
このとき、リン酸水溶液の液膜が形成された状態で、加熱装置200が基板Wの上面の一部に対向し、ランプヒータに電流が流れる。それにより、ランプヒータから赤外線が発生され、加熱装置200に対向する基板Wの部分およびリン酸水溶液の液膜が輻射熱により加熱される。この場合、回転する基板W上に形成されるリン酸水溶液がそのリン酸濃度の沸点に近い温度で維持される。それにより、シリコン窒化膜のエッチングレートを高く維持することができる。
ここで、基板W上のリン酸水溶液の水分が蒸発すると、リン酸水溶液中にピロリン酸(H4P2O7)が生成される。ピロリン酸は、シリコン酸化膜をエッチングする。そのため、リン酸水溶液がその沸点まで加熱されると、シリコン酸化膜のエッチング量に対するシリコン窒化膜のエッチング量の比率(以下、エッチング選択比と呼ぶ。)が低くなる。
そこで、本例では、シリコン酸化膜がピロリン酸によりエッチングされることを抑制するために、リン酸水溶液の液膜の加熱中にDIW供給装置5からリン酸ノズル15に適宜DIWが供給される。それにより、リン酸水溶液の液膜に蒸発した水と同量のDIWが供給されるので、ピロリン酸の発生が低減される。その結果、エッチング選択比を高く維持することができる。
その後、所定時間の経過とともに、基板Wへのリン酸水溶液およびDIWの供給が停止される。また、リン酸ノズル15および加熱装置200が基板Wの側方の待機位置まで移動される。さらに、基板W上のリン酸水溶液が振り切られる。
続いて、基板Wの上方の処理位置にリンスノズル14が移動され、回転する基板Wにリンス液が供給される。それにより、基板W上に残留するリン酸水溶液がリンス液により洗い流される。
次に、基板Wへのリンス液の供給が停止され、リンスノズル14が待機位置に移動される。また、SC1ノズル13が処理位置に移動され、基板W上にSC1が供給される。その後、基板WへのSC1の供給が停止され、基板W上にリンス液が供給される。最後に、基板Wへのリンス液の供給が停止され、基板W上のリンス液が振り切られ、乾燥される。乾燥された処理後の基板Wがチャンバ90から搬出される。
(3)加熱装置の構造
図2は図1の加熱装置200の平面図である。図2では、リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置200の状態が示される。図2に示すように、加熱装置200は、ケーシング210、蓋部材250および複数(本例では4つ)のランプヒータHT1〜HT4を含む。ランプヒータHT1〜HT4は、ケーシング210内に収容される。蓋部材250は、ケーシング210の上部を覆うように設けられる。加熱装置200は略扇形の平面外形を有する。
図2は図1の加熱装置200の平面図である。図2では、リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置200の状態が示される。図2に示すように、加熱装置200は、ケーシング210、蓋部材250および複数(本例では4つ)のランプヒータHT1〜HT4を含む。ランプヒータHT1〜HT4は、ケーシング210内に収容される。蓋部材250は、ケーシング210の上部を覆うように設けられる。加熱装置200は略扇形の平面外形を有する。
図3は図2のケーシング210から蓋部材250が取り外された状態を示す平面図であり、図4は図2の加熱装置200を図3の矢印Qの方向に見た一方側面図であり、図5は図2の加熱装置200を図3の矢印Rの方向に見た他方側面図である。図6は図2のA−A線断面図であり、図7は図2のB−B線断面図であり、図8は図4のC−C線断面図である。
図3に示すように、ケーシング210内には、4つのランプヒータHT1〜HT4が一方向に並ぶように配置されている。各ランプヒータHT1〜HT4は、石英管内にフィラメントが配置された構成を有する。また、各ランプヒータHT1〜HT4は、円弧状に形成された曲線部HTaと曲線部HTaの両端部から上方に延びる直線部HTb(後述する図6参照)とを有する。各直線部HTbの上端部に端子が設けられている。
各ランプヒータHT1〜HT4の2つの端子にそれぞれ配線(図示せず)が接続される。各ランプヒータHT1〜HT4に接続された配線は、蓋部材250に形成された貫通孔(図示せず)を通してケーシング210の外部に引き出され、電源装置に接続される。各配線を通してランプヒータHT1〜HT4に電流が流れることにより、主として曲線部HTaから赤外線が発生される。
以下、4つのランプヒータHT1〜HT4を、それぞれ第1ランプヒータHT1、第2ランプヒータHT2、第3ランプヒータHT3および第4ランプヒータHT4と呼ぶ。
第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、基板Wの回転中心から半径方向外側に向けて、第1ランプヒータHT1、第2ランプヒータHT2、第3ランプヒータHT3および第4ランプヒータHT4の順番に配置されている。
加熱装置200が処理位置にある状態で、一番内側の第1ランプヒータHT1が基板Wの回転中心に近接する位置に配置されるように、かつ、一番外側の第4ランプヒータHT4が基板Wの外周部の直上よりも基板Wの回転中心側にわずかに偏った位置に位置するように、加熱装置200が支持アーム16により支持される。したがって、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、基板Wの中心部から外周部に至る扇形の領域を一括して加熱することができる。
また、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の基板W上面における加熱プロファイルは、基板W上のリン酸水溶液の液膜を基板Wの半径方向に関して一定速度で昇温することができるように設定されている。例えば、基板Wの外周部およびその近傍の領域は、基板Wが回転することによる風切りにより冷却されるため昇温させにくい。これを補償するため、本実施形態では、一番内側の第3ランプヒータHT3を等間隔位置よりも、基板Wの外周側に若干偏った位置に配置している。すなわち、第3ランプヒータHT3および第4ランプヒータHT4間の間隔は、第1ランプヒータHT1および第2ランプヒータHT2間の間隔に比べて小さくなるように設定される。これにより、基板Wの外周部およびその近傍の領域を基板Wの回転中心領域よりも相対的に高い熱量で加熱できるようにしている。
また、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の上面視での曲率は、基板Wの外周部の曲率とほぼ等しくなっている。
後述するように、基板Wのエッチングは、加熱装置200を処理位置に固定した状態で基板Wを回転させながら行う。加熱装置200の第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、基板Wの中心部から外周部に至る扇形の領域を一括して加熱することが可能である。また、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4による加熱プロファイルはリン酸水溶液の液膜が基板Wの半径方向に関して一定速度で昇温するように設定されている。さらに、第1〜第4ランプヒータのHT1〜HT4の曲率は基板Wの外周部の曲率とほぼ等しくなっている。このため、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4は、リン酸水溶液の液膜を基板Wの半径方向だけでなく周方向についても一定の速度で昇温させることができる。これにより、基板Wのエッチングレートの面内均一性を高くすることができる。
本例の第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から主として発生される赤外線は、近赤外線、中間赤外線および遠赤外線を含み、約750nm以上約1000μm以下の波長を有する。
ケーシング210の上端部に石英ガラスからなるフランジ板211が設けられている。フランジ板211には、略一定の間隔で複数の貫通孔211hが形成されている。
図2の蓋部材250には、フランジ板211の複数の貫通孔211hに対応する複数のねじ孔が形成されている。複数のねじSCがフランジ板211の複数の貫通孔211hを通して蓋部材250の複数のねじ孔に取り付けられる。それにより、ケーシング210に蓋部材250がフランジ板211を介して取り付けられる。
蓋部材250は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる。蓋部材250の材料としては、PTFEの他、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等の樹脂材料を用いることもできる。
図6および図7に示すように、蓋部材250の下面の中央部には第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から上方に放射される赤外線を下方に向かって反射するための反射板RFが設けられている。
図8に示すように、ケーシング210は、第1の側壁部SW1、第2の側壁部SW2、第3の側壁部SW3および第4の側壁部SW4を有する。第1の側壁部SW1は、第4の側壁部SW4に対向する。第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、第1の側壁部SW1の両端と第4の側壁部SW4の両端とをつなぐように設けられる。
第1の側壁部SW1は、板状の第1の内側部材222aと、第1の内側部材222aの外側に位置する板状の第1の外側部材212aとにより構成される。第1の内側部材222aと第1の外側部材212aとの間に第1の側部通路GS1が形成されている。
第2の側壁部SW2は、板状の第2の内側部材222bと、第2の内側部材222bの外側に位置する板状の第2の外側部材212bとにより構成される。第2の内側部材222bと第2の外側部材212bとの間に、第1の側部通路GS1と連通するように第2の側部通路GS2が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の一方の側辺に沿うように上下方向に延びる排出開口292が設けられている。
第3の側壁部SW3は、板状の第3の内側部材222cと、第3の内側部材222cの外側に位置する板状の第3の外側部材212cとにより構成される。第3の内側部材222cと第3の外側部材212cとの間に、第1の側部通路GS1と連通するように第3の側部通路GS3が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の他方の側辺に沿うように上下方向に延びる排出開口293が設けられている。
第4の側壁部SW4は、板状部材223により構成される。板状部材223は、円弧状に湾曲した矩形の長板形状を有する。板状部材223の曲率は、基板Wの外周部の曲率と一致していることが望ましい。
図7に示すように、第1の側壁部SW1および第4の側壁部SW4は、フランジ板211の下面に溶接により接合される。また、図6に示すように、第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、フランジ板211の下面に溶接により接合される。
第1〜第3の内側部材222a〜222c、第1〜第3の外側部材212a〜212cおよび板状部材223は、それぞれ赤外線を透過する石英ガラスからなる。第1〜第3の内側部材222a〜222cは一体的に形成されてもよく、別体として形成されてもよい。また、第1〜第3の外側部材212a〜212cは、一体的に形成されてもよく、別体として形成されてもよい。
図6および図7に示すように、ケーシング210は、底部BMをさらに有する。底部BMは、第1の板状部材224と、第1の板状部材224の下方に位置する第2の板状部材213とにより構成される。第1の板状部材224および第2の板状部材213は、赤外線を透過する石英ガラスからなる。第1の板状部材224は、第1〜第3の内側部材222a〜222cの下端および板状部材223の下端に溶接により接合される。第2の板状部材は、第1〜第3の外側部材212a〜212cの下端に溶接により接合される。
第1の板状部材224と第2の板状部材213との間に、上記の第1の側部通路GS1、第2の側部通路GS2および第3の側部通路GS3に連通する気体通路GS0が形成されるとともに、第4の側壁部SW4の下辺に沿うように水平方向に延びる排出開口291が設けられている。
図5に示すように、排出開口292,293,291は、第4の側壁部SW4の両側辺および下辺に沿って延びる。
図3および図4に示すように、第2の外側部材212bの上端部近傍にガス導入管214が溶接により接合される。ガス導入管214は、石英ガラスからなり、第3の外側部材212cと第3の内側部材222cとの間の第3の側部通路GS3とケーシング210の外部の空間とを連通するように設けられる。
図2に示すように、加熱装置200は、回転する基板W上のリン酸水溶液の加熱時に、第4の側壁部SW4が基板Wの外周部のほぼ直上に位置しかつ第1の側壁部SW1が基板Wの中心の近傍に位置する状態で静止するように、図1の支持アーム16により支持される。このとき、図5の底部BMを構成する第1の板状部材224および第2の板状部材213は、基板Wの上面に平行に配置される。第2の側壁部SW2および第3の側壁部SW3は、基板Wの半径方向に延びる。また、図5の排出開口292,293,291は、基板Wの外周部のほぼ直上に位置する。なお、排出開口292,293,291が、基板Wの外周部よりも外側の上方に位置してもよい。いずれにしても、排出開口292,293,291は、基板Wの外周部、すなわち基板Wの上面に形成されるリン酸水溶液の液膜の外周部よりも基板Wの半径方向外側位置から、基板Wの半径方向外側に向けて窒素ガスを吐出可能な位置に配置されている。
(4)加熱装置に供給される窒素ガスの機能および効果
上記の構成を有する加熱装置200においては、図3および図4のガス導入管214に図1の窒素ガス供給系P5が接続される。図1の窒素ガス供給装置6から窒素ガス供給系P5およびガス導入管214を通してケーシング210内の第3の側部通路GS3に室温の窒素ガスが供給される。
上記の構成を有する加熱装置200においては、図3および図4のガス導入管214に図1の窒素ガス供給系P5が接続される。図1の窒素ガス供給装置6から窒素ガス供給系P5およびガス導入管214を通してケーシング210内の第3の側部通路GS3に室温の窒素ガスが供給される。
図9は加熱装置200における窒素ガスの流れを示す水平断面図であり、図10は加熱装置200における窒素ガスの流れを示す垂直断面図である。
ガス導入管214から第3の側部通路GS3に供給された室温の窒素ガスは、図9および図10に太い実線で示すように、第3の側部通路GS3、第1の側部通路GS1、第2の側部通路GS2および気体通路GS0を流動し、排出開口291,292,293から排出される。
図11は、リン酸水溶液の液膜が加熱される際の加熱装置200の側面図である。図11に示すように、スピンチャック11により保持される基板Wにリン酸ノズル15からリン酸水溶液が供給され、回転される基板W上にリン酸水溶液の液膜が形成される。
このとき、基板Wの回転数は例えば1rpm〜500rpm程度に保たれる。また、加熱装置200の下面(第2の板状部材213の下面)とスピンチャック11により保持される基板Wの上面との間の距離D1は、例えば5mmに設定される。さらに、カップ12の上端部とスピンチャック11により保持される基板Wの上面との間の距離D2は、例えば22mmに設定される。
この状態で、加熱装置200の第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4にそれぞれ電流が流れることにより第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から赤外線が発生される。発生された赤外線の一部は、第1の板状部材224および第2の板状部材213を透過して基板W上のリン酸水溶液の液膜に向かって照射される。また、発生された赤外線の残りは、第1〜第3の内側部材222a〜222c(図9参照)および第1〜第3の外側部材212a〜212c(図9参照)を透過して基板W上のリン酸水溶液の液膜に向かって照射される。それにより、リン酸水溶液の液膜が加熱される。
この場合、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4からの輻射熱および第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4との接触部から伝達される熱により第1の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cの温度も上昇する。さらに、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4からの輻射熱等により、第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの温度も上昇する。
加熱装置200は、基板Wの上面に近接しているため、リン酸水溶液の液膜等からリン酸水溶液の飛沫が飛散して第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cに付着することがある。また、図11の距離D1の大きさやリン酸水溶液の液膜の厚みによっては、第2の板状部材213の下面がリン酸水溶液に直接に接触することがある。
第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cに高温のリン酸水溶液が付着すると、当該部材中の石英ガラスがリン酸水溶液と腐食反応等をおこし表面に曇りが生じるおそれがある。
本実施の形態に係る加熱装置200では、図11に太い点線で示すように、室温の窒素ガスが第1〜第3の側部通路GS1〜GS3(図9参照)および気体通路GS0を流動して排出開口291,292,293(図9および図10参照)から排出される。
室温の窒素ガスが流動するため、第1〜第3の側部通路GS1〜GS3(図9参照)および気体通路GS0が冷却される。これにより、第1の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cならびに第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの熱上昇が抑制される。このため、仮に第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cにリン酸水溶液の飛沫が付着したとしても、当該部材がリン酸水溶液と反応して表面に曇りが生じることはない。
このように、第1の板状部材224および第1〜第3の内側部材222a〜222cならびに第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cには曇りが生じず、透明が維持される。そのため、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4から発せられた赤外線は、これらの部材に妨げられることなく透過して、基板W上のリン酸水溶液の液膜に均一に照射される。
また、加熱装置200の排出開口291〜293は上面視において基板W(およびその上面に形成されるリン酸水溶液の液膜)の外周部よりも基板Wの半径方向外側に位置している。したがって、排出開口291〜293から排出される窒素ガスはリン酸水溶液の液膜の上方を通過することなく、カップ12の底部のダクト(不図示)からチャンバ90の外部に排出される。したがって、排出開口291〜293から排出される窒素ガスがリン酸水溶液の液膜を局所的に冷却することが防止できている。
なお、基板W上のシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜のリン酸水溶液によるエッチングレートは、リン酸水溶液の温度に大きく依存している。例えばリン酸水溶液の液温が高い箇所ではエッチングレートが高くなるが、低い箇所ではエッチングレートが低くなる。したがって、基板W上のリン酸水溶液の液膜が局所的に冷却されると、リン酸水溶液による基板Wのエッチングレートの面内均一性が損なわれるおそれがある。
本加熱装置200では、排出開口291,292,293から排出される窒素ガスが基板W上のリン酸水溶液を局所的に冷却することが防止される。このため、加熱装置200から排出される窒素ガスに起因してエッチングレートの面内均一性が損なわれることがない。この結果、加熱されたリン酸水溶液によるシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の均一なエッチング処理が可能となる。
本実施の形態においては、第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの温度が例えば室温(23℃程度)以上100℃以下に維持されるように、加熱装置200に供給される窒素ガスの温度および流量の少なくとも一方を調整することが好ましい。この場合、第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cにリン酸水溶液が付着しても、第2の板状部材213および第1〜第3の外側部材212a〜212cの表面に曇りが生じることが防止される。
本実施の形態では、加熱装置200が基板Wの上方の処理位置で支持された状態で、基板Wの中心から外周部までの半径方向の領域に赤外線が照射されるように第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が基板Wの半径方向に並ぶ。それにより、リン酸水溶液の加熱時に赤外線が基板Wの中心から外周部までの半径方向の領域に同時に照射される。したがって、基板Wが回転することにより基板W上のリン酸水溶液の全体が均一に加熱される。
また、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4の各々は、基板Wの外周部に沿うように円弧状に形成されている。それにより、基板Wの周方向において基板W上のリン酸水溶液に均一に赤外線が照射される。それにより、基板W上のリン酸水溶液が周方向においてより均一に加熱される。
(5)他の実施の形態
上記の実施の形体では、加熱装置200が処理位置にある状態で、排出開口291〜293が、上面視において基板W(およびその上面に形成されるリン酸水溶液の液膜)の外周部よりも基板Wの半径方向外側に位置する。しかしながら、排出開口291〜293の位置は、基板Wの外周部よりも若干量、基板Wの半径方向内側に位置していてもよい。
上記の実施の形体では、加熱装置200が処理位置にある状態で、排出開口291〜293が、上面視において基板W(およびその上面に形成されるリン酸水溶液の液膜)の外周部よりも基板Wの半径方向外側に位置する。しかしながら、排出開口291〜293の位置は、基板Wの外周部よりも若干量、基板Wの半径方向内側に位置していてもよい。
上記の実施の形態では、ケーシング210の第1〜第4の側壁部SW1〜SW4および底部BMを構成する材料として、赤外線を透過する石英ガラスが用いられる。これに限らず、第1〜第4の側壁部SW1〜SW4および底部BMを構成する材料としては、石英ガラスに代えて赤外線を透過する他のガラス等の無機物(サファイアガラス等)、または樹脂が用いられてもよい。
上記の実施の形態では、加熱装置200に供給される気体として窒素ガスが用いられる。これに限らず、加熱装置200に供給される気体としては、窒素ガスに代えてアルゴン等の他の不活性ガスが用いられてもよい。
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、基板Wが基板の例であり、スピンチャック11が基板保持装置の例であり、リン酸水溶液供給装置4およびリン酸供給系P3が薬液供給系の例であり、加熱装置200が加熱装置の例であり、窒素ガス供給装置6および窒素ガス供給系P5が気体供給系の例であり、第1〜第4ランプヒータHT1〜HT4が赤外線発生器の例であり、第1の板状部材224が第1の板状部材の例であり、第2の板状部材213が第2の板状部材の例であり、気体通路GS0が気体通路の例であり、排出開口291が第1の排出開口の例である。
また、ケーシング210がケーシングの例であり、底部BMが底部の例であり、第1の側壁部SW1が第1の側壁部の例であり、第2の側壁部SW2が第2の側壁部の例であり、第3の側壁部SW3が第3の側壁部の例であり、第4の側壁部SW4が第4の側壁部の例であり、第1の内側部材222aが第1の内側部材の例であり、第1の外側部材212aが第1の外側部材の例であり、第1の側部通路GS1が第1の側部通路の例であり、第2の内側部材222bが第2の内側部材の例であり、第2の外側部材212bが第2の外側部材の例であり、第2の側部通路GS2が第2の側部通路の例であり、排出開口292が第2の排出開口の例であり、第3の内側部材222cが第3の内側部材の例であり、第3の外側部材212cが第3の外側部材の例であり、第3の側部通路GS3が第3の側部通路の例であり、排出開口293が第3の排出開口の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、基板の処理に有効に利用することができる。
1 処理部
2 SC1供給装置
3 リンス液供給装置
4 リン酸水溶液供給装置
5 DIW供給装置
6 窒素ガス供給装置
11 スピンチャック
12 カップ
13 SC1ノズル
14 リンスノズル
15 リン酸ノズル
16 支持アーム
17 アーム駆動装置
90 チャンバ
91 搬送用開口
92 シャッタ
93 FFU
100 基板処理装置
200 加熱装置
210 ケーシング
211 フランジ板
211h 貫通孔
212a 第1の外側部材
212b 第2の外側部材
212c 第3の外側部材
213 第2の板状部材
214 ガス導入管
222a 第1の内側部材
222b 第2の内側部材
222c 第3の内側部材
223 板状部材
224 第1の板状部材
291,292,293 排出開口
BM 底部
GS0 気体通路
GS1 第1の側部通路
GS2 第2の側部通路
GS3 第3の側部通路
HT1 第1ランプヒータ
HT2 第2ランプヒータ
HT3 第3ランプヒータ
HT4 第4ランプヒータ
HTa 曲線部
HTb 直線部
P1 SC1供給系
P2 リンス液供給系
P3 リン酸供給系
P4 DIW供給系
P5 窒素ガス供給系
RF 反射板
SC ねじ
SW1 第1の側壁部
SW2 第2の側壁部
SW3 第3の側壁部
SW4 第4の側壁部
W 基板
2 SC1供給装置
3 リンス液供給装置
4 リン酸水溶液供給装置
5 DIW供給装置
6 窒素ガス供給装置
11 スピンチャック
12 カップ
13 SC1ノズル
14 リンスノズル
15 リン酸ノズル
16 支持アーム
17 アーム駆動装置
90 チャンバ
91 搬送用開口
92 シャッタ
93 FFU
100 基板処理装置
200 加熱装置
210 ケーシング
211 フランジ板
211h 貫通孔
212a 第1の外側部材
212b 第2の外側部材
212c 第3の外側部材
213 第2の板状部材
214 ガス導入管
222a 第1の内側部材
222b 第2の内側部材
222c 第3の内側部材
223 板状部材
224 第1の板状部材
291,292,293 排出開口
BM 底部
GS0 気体通路
GS1 第1の側部通路
GS2 第2の側部通路
GS3 第3の側部通路
HT1 第1ランプヒータ
HT2 第2ランプヒータ
HT3 第3ランプヒータ
HT4 第4ランプヒータ
HTa 曲線部
HTb 直線部
P1 SC1供給系
P2 リンス液供給系
P3 リン酸供給系
P4 DIW供給系
P5 窒素ガス供給系
RF 反射板
SC ねじ
SW1 第1の側壁部
SW2 第2の側壁部
SW3 第3の側壁部
SW4 第4の側壁部
W 基板
チャンバ90の内部に、スピンチャック11、カップ12、SC1ノズル13、リンスノズル14、リン酸ノズル15、支持アーム16、アーム駆動装置17および加熱装置200が設けられる。
図6および図7に示すように、ケーシング210は、底部BMをさらに有する。底部BMは、第1の板状部材224と、第1の板状部材224の下方に位置する第2の板状部材213とにより構成される。第1の板状部材224および第2の板状部材213は、赤外線を透過する石英ガラスからなる。第1の板状部材224は、第1〜第3の内側部材222a〜222cの下端および板状部材223の下端に溶接により接合される。第2の板状部材213は、第1〜第3の外側部材212a〜212cの下端に溶接により接合される。
図3および図4に示すように、第3の外側部材212cの上端部近傍にガス導入管214が溶接により接合される。ガス導入管214は、石英ガラスからなり、第3の外側部材212cと第3の内側部材222cとの間の第3の側部通路GS3とケーシング210の外部の空間とを連通するように設けられる。
ガス導入管214から第3の側部通路GS3に供給された室温の窒素ガスは、図9および図10に太い矢印で示すように、第3の側部通路GS3、第1の側部通路GS1、第2の側部通路GS2および気体通路GS0を流動し、排出開口291,292,293から排出される。
本実施の形態に係る加熱装置200では、図11に太い矢印で示すように、室温の窒素ガスが第1〜第3の側部通路GS1〜GS3(図9参照)および気体通路GS0を流動して排出開口291,292,293(図9および図10参照)から排出される。
Claims (8)
- 基板を水平姿勢で保持するとともに基板を上下方向の軸の周りで回転させる基板保持装置と、
前記基板保持装置により保持された基板に薬液を供給する薬液供給系と、
前記薬液供給系により基板上に供給された薬液を加熱するための加熱装置と、
前記加熱装置に気体を供給する気体供給系とを備え、
前記加熱装置は、
赤外線を発生する赤外線発生器と、
前記赤外線発生器と前記基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第1の板状部材と、
前記第1の板状部材と前記基板保持装置により保持される基板との間に配置され、赤外線を透過する第2の板状部材とを含み、
前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との間に前記気体供給系により気体が供給される気体通路が形成されるとともに、前記基板保持装置により保持される基板の外周部よりも外方に向けて前記気体通路の気体が排出されるように第1の排出開口が設けられる、基板処理装置。 - 前記第1の排出開口は、前記基板の外周部よりも基板の半径方向外側位置から基板の外方に向けて前記気体通路の気体を排出する、請求項1記載の基板処理装置。
- 前記加熱装置が前記基板保持装置により保持された基板の上方において静止した状態で、前記基板保持装置により保持された基板の中心から外周部までの半径方向の領域に赤外線が照射されるように前記赤外線発生器が設けられる、請求項1または2記載の基板処理装置。
- 前記赤外線発生器は、前記基板保持装置により保持される基板の外周部に沿うように円弧状に形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記赤外線発生器は、前記基板保持装置により保持される基板の中心部から外周部へ向う方向に並ぶように複数設けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記赤外線発生器を収容するケーシングをさらに備え、
前記ケーシングは、底部を有するとともに、第1、第2、第3および第4の側壁部を有し、
前記第1の板状部材および前記第2の板状部材は、前記ケーシングの底部を構成し、
前記第4の側壁部は、前記基板保持装置により保持された基板の外周部の上方に位置するように設けられ、前記第1の側壁部は、前記第4の側壁部に対向するように設けられ、前記第2および第3の側壁部は、前記第1の側壁部の両端と前記第4の側壁部の両端とをつなぐように設けられ、
前記第1の側壁部は、赤外線を透過する板状の第1の内側部材と、前記第1の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第1の外側部材とにより構成され、
前記第1の内側部材と前記第1の外側部材との間に前記気体通路に連通する第1の側部通路が形成され、
前記第2の側壁部は、赤外線を透過する板状の第2の内側部材と、前記第2の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第2の外側部材とにより構成され、
前記第2の内側部材と前記第2の外側部材との間に前記気体通路に連通する第2の側部通路が形成されるとともに、前記第2の側部通路の気体を前記基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第2の排出開口が設けられ、
前記第3の側壁部は、赤外線を透過する板状の第3の内側部材と、前記第3の内側部材の外側に位置しかつ赤外線を透過する板状の第3の外側部材とにより構成され、
前記第3の内側部材と前記第3の外側部材との間に前記気体通路に連通する第3の側部通路が形成されるとともに、前記第3の側部通路の気体を前記基板保持装置により保持された基板の外周部よりも外方に排出する第3の排出開口が設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第2および第3の側壁部材は、前記基板保持装置により保持される基板の略半径方向に延びるように設けられる、請求項1〜6のいずれか一項にに記載の基板処理装置。
- 前記第1および第2の板状部材はガラスにより形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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