JP2016122116A - 層構造体及びその製造方法 - Google Patents

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直貴 高橋
浩幸 上山
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浩幸 上山
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Abstract

【課題】少なくとも2色のパターンのコーティングにより外観が装飾され、マスクに起因したコーティング層の損傷を防止した層構造体及びその製造方法を提供する。【解決手段】層構造体10は、透明基板11と、第1層であり第1色を呈する第1発色層13と、第2色を呈する第2層18とを備える。第1発色層13は、透明基板11の第1領域R1に形成される。第2層18は、透明基板11の第2領域R2及び第1発色層13の上に形成され、第2色を呈する第2発色層16及び第2発色層16の上に設けられた光反射膜層17を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも2色のパターンにより外観が装飾される層構造体及びその製造方法に関するものである。
製品の外観の装飾はデザイン面での影響力が大きい。このため、外観を装飾するための製品外装への着色には様々な工夫がなされてきている。例えば、塗装、めっき、蒸着やスパッタリング等のコーティングにより外装表面への着色が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、外装表面に、光を反射する金属層と、複数の薄膜からなる発色層と、保護層とが順次コーティングにより形成されてなる着色の方法が開示されている。
また、特許文献1の方法を用いて、外装表面に発色層をコーティングすることにより2色の発色層をもつ装飾パターンを形成する場合には、主として、次のいずれかの方法が採られている。第1の方法は、1層目の発色層の上にマスクを形成してから、2層目の発色層をコーティングした後、マスクを除去する方法である。第2の方法は、1層目の発色層の全面に2層目の発色層を形成してから、2層目の発色層の上にマスクを形成して、2層目の発色層の一部をエッチング処理などにより除去した後、マスクを除去する方法である。
特開2010−072347号公報
しかしながら、上述のいずれの方法により複数の色の発色層をもつ装飾パターンを形成する場合にも、コーティングした層の上にマスクを形成する必要がある。そのため、マスクに起因してコーティングした層が損傷し、外観の装飾に悪影響が及ぶ可能性がある。また、マスク除去の方法によっては、さらにコーティングした層が損傷し、外観の装飾にさらなる悪影響が及ぶ可能性がある。
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、少なくとも2色のパターンのコーティングにより外観が装飾され、マスクに起因したコーティング層の損傷を防止した層構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の層構造体は、透明基材と、透明基材の一方の面の第1領域に形成され、第1色を呈する第1発色層を含む第1層と、透明基材の一方の面の第2領域及び第1層の上に形成され、第2色を呈する第2発色層及び第2発色層の上に設けられる光反射膜層を含む第2層とを備えることを特徴とする。
第1層は、第1発色層の上に設けられる中間光反射膜層を含むことが好ましい。また、第1発色層または第2発色層は、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した干渉積層膜であることが好ましい。
また、本発明は、透明基材に複数の層が形成された層構造体の製造方法において、透明基材一方の面をマスクで覆い、透明基材の一方の面の第1領域を露出させる状態を形成するマスク工程と、露出した第1領域に第1色を呈する第1発色層を含む第1層を形成する第1層形成工程と、マスクを除去することにより、透明基材の一方の面の第2領域を露出させるマスク除去工程と、露出した第2領域及び第1層の上に、第2色を呈する第2発色層及び第2発色層の上に設けられた光反射膜層を含む第2層を形成する第2層形成工程とを有することを特徴とする。
第1層形成工程は、第1発色層の上に中間光反射膜層を設ける工程を含むことが好ましい。また、第1発色層または第2発色層は、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した干渉積層膜であることが好ましい。また、マスクは磁性体マスクであり、マスク工程では、磁性体マスクとマグネットとで透明基材を挟むことにより、磁性体マスクで透明基材を覆うことが好ましい。
本発明によれば、透明基材をマスクにより直接に覆うことにより少なくとも2色のパターンの装飾を形成しているため、マスクに起因したコーティング層の損傷を防止することができる。
層構造体の平面図である。 図1のII−II線に沿う層構造体の断面図である。 第1発色層を構成する干渉積層膜の断面図である。 層構造体の製造に用いるスパッタ装置の模式図である。 層構造体の製造工程を示すフローチャートである。 マスク工程における図1のII−II線相当の断面図である。 第1層形成工程における図1のII−II線相当の断面図である。 マスク除去工程における図1のII−II線相当の断面図である。 マスク除去後の状態における図1のII−II線相当の断面図である。 第2層形成工程における図1のII−II線相当の断面図である。 層構造体の製造に用いるスパッタ装置の別の実施形態の模式図である。 磁性体マスクを用いた一例を示す断面図である。 層構造体の第4実施形態の断面図である。 層構造体の第5実施形態の平面図である。 図14のXV−XV線に沿う層構造体の第5実施形態の断面図である。 第5実施形態の層構造体の製造工程の一部を示すフローチャートである。 第5実施形態のマスク工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態の第2マスク工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態の第3層形成工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態の第2マスク除去工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態の第1層形成工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態のマスク除去工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第5実施形態のマスク除去後の状態における図14のXV−XV線相当の断面図である。 第3実施形態の第2層形成工程における図14のXV−XV線相当の断面図である。 層構造体の第6実施形態の平面図である。 図25のXXVI−XXVI線に沿う層構造体の第6実施形態の断面図である。 第6実施形態の層構造体の製造工程を示すフローチャートである。 第6実施形態のマスク工程における図25のXXVI−XXVI線相当の断面図である。
「第1実施形態」
図1において、本発明の第1実施形態である層構造体10は、第1色に着色された第1領域R1と、第2色に着色された第2領域R2とを有する装飾パターンを備える。層構造体10では、第2領域R2は、第1領域R1を除く全ての領域と一致している。なお、層構造体の平面を示す以下の各平面図では、透明基板11(図2参照)側から見た着色領域をハッチングで示しており、同じハッチングが付された領域は同じ色であり、異なるハッチングが付された領域は異なる色であることを示している。
図2において、層構造体10は、透明基板11と、第1発色層13と、第2発色層16と、光反射膜層17とを備える。なお、層構成を示す以下の各断面図では、説明のため層の厚みを誇張して描いている。透明基板11は本願の透明基材の一例であり、その両面は略平坦である。透明基板11としては、例えば、ガラス基板、石英基板、ポリカーボネート基板、透明なフィルムが好適に用いられる。なお、透明基板11は、色を帯びており、一部の光を通すものであってもよい。
第1発色層13は、本発明における第1層に相当し、透明基板11の一方の面の第1領域R1に形成されている。第1発色層13は第1色を呈し、透明基板11側から見て第1色に着色されているように視認される。
第2発色層16は、透明基板11の同じ一方の面の第2領域R2及び第1発色層13の上に形成されている。第2発色層16は第2色を呈し、透明基板11側から見て第2色に着色されているように視認される。
第1発色層13は、図3に示すように、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜13A,13Bを積層した干渉積層膜である。この干渉積層膜は、多層構成の薄膜13A,13Bによる光干渉現象により、第1色に着色されているように視認される。
また、第2発色層16も同様に、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した干渉積層膜である。この干渉積層膜は、多層構成の薄膜による光干渉現象により、第2色に着色されているように視認される。
干渉積層膜を構成する薄膜としては、例えば、酸化チタン、窒化チタン、酸化ニオブ、窒化ニオブ、酸化クロム、窒化クロム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウムなどの金属酸化物や金属窒化物の膜が好適に用いられる。
光反射膜層17は、可視光を反射させる層であり、第2発色層16の上に設けられている。第2発色層16及び光反射膜層17は、合わせて第2層18を形成している。光反射膜層17としては、例えば、チタン、ニオブ、クロム、アルミニウム、シリコン、ジルコニウム、ニッケル、銅、銀などの金属元素の膜が好適に用いられる。
層構造体10は、スパッタ装置20を用いて製造される。スパッタ装置20は、図4において、真空槽21と、真空ポンプ22と、ガス供給源23と、電源25とを備える。真空槽21の内部には、ターゲットホルダ26、基板ホルダ28、真空計(図示しない)、膜厚計(図示しない)等を有する。
真空槽21は、排気口21aと給気口21bとを有しており、排気口21aには真空ポンプ22が、給気口21bにはガス供給源23が、それぞれ接続されている。真空ポンプ22は、真空槽21を真空引きする。ガス供給源23は、アルゴン(Ar)ガスまたはアルゴン(Ar)を含む混合ガスを真空槽21に送る。ここで、真空ポンプ22及びガス供給源23により真空槽21内に形成される真空度はおよそ10−2〜1Paであることが好ましい。
ターゲットホルダ26は、真空槽21の下部に設けられている。ターゲットホルダ26は、真空槽21の上を向くターゲット装着部26aを有している。ターゲット装着部26aに装着されたターゲットは、ターゲットホルダ26により、真空槽21の上を向くように保持される。
ターゲットホルダ26は図示省略の永久磁石を有し、電源25が接続されている。電源25による電圧印加によってイオン化されたAr原子は真空中で加速され、高い運動エネルギーを持つ。この時、加速されたArイオンはターゲットの上側の表面に衝突し、Arイオンの高い運動エネルギーがターゲット原子に移動する。エネルギーを得たターゲット原子は高速に加速されてターゲットから上方に飛び出す。
基板ホルダ28は、真空槽21の上部に設けられている。基板ホルダ28は、真空槽21の下を向く基板装着部28aを有している。基板装着部28aに装着された基板は、基板ホルダ28により、真空槽21の下を向くように保持される。
ターゲットホルダ26と基板ホルダ28は、真空槽21内で互いに対向している。そのため、真空中では、ターゲットホルダ26に保持されたターゲットの上側の表面から上方に飛び出したターゲット原子は、基板ホルダ28に保持された基板の下側の表面に堆積され、成膜される。
スパッタ装置20を用いた層構造体10の製造方法について、図5〜図10を用いて説明する。図5において、層構造体10の製造方法は、マスク工程S11と、第1層形成工程S12と、マスク除去工程S13と、第2層形成工程S14とを有する。
図6に示すように、マスク工程S11には、第2領域R2と同一の平面形状をもつ平板のマスク29が用いられる。マスク29には、第1領域R1に相当する部分には貫通孔29aが設けられている。マスク工程S11は、透明基板11の一方の面にマスク29を載置することにより、第1領域R1以外の領域である第2領域R2をマスク29で覆い、透明基板11の第1領域R1が露出した状態を形成する工程である。図6は、透明基板11の一方の面の第2領域R2をマスク29で覆った状態を示している。なお、以下の工程は、透明基板11の同じ一方の面に対して全て行われ、このことは以下の実施形態についても同様である。
第1層形成工程S12では、図6の状態の基板を基板ホルダ28(図4参照)に保持させ、第1発色層13を構成する材料をスパッタリングするためのターゲットをターゲットホルダ26(図4参照)に保持させ、図4に示すスパッタ装置20によりスパッタリングが行われる。第1層形成工程S12を経ると、図7に示すように、マスク29の面及び第1領域R1に、第1発色層13が形成される。
マスク除去工程S13は、図7の状態において、第1領域R1に第1発色層13が形成された透明基板11から、第1発色層13が面上に形成されたマスク29を除去することにより、第2領域R2を露出させる工程である。この工程を経ると、図8の状態を経て、図9に示すように、第1領域R1に第1発色層13が形成され、第2領域R2が露出した透明基板11が得られる。
第2層形成工程S14は、図9の状態において、透明基板11の第2領域R2及び第1発色層13の上に、第2発色層16と光反射膜層17とを含む第2層18を形成する工程である。第2層形成工程S14は、第2発色層16を形成する第1段階と、光反射膜層17を形成する第2段階とを有する。
第1段階では、図9の状態の基板を基板ホルダ28(図4参照)に保持させ、第2発色層16を構成する材料をスパッタリングするためのターゲットをターゲットホルダ26(図4参照)に保持させ、図4に示すスパッタ装置20によりスパッタリングが行われる。第1段階を経ると、図10に示すように、第1領域R1に第1発色層13及び第2発色層16が順次形成され、第2領域R2に第2発色層16が形成された透明基板11が得られる。
第2段階では、図10の状態の基板を基板ホルダ28(図4参照)に保持させ、光反射膜層17を構成する材料をスパッタリングするためのターゲットをターゲットホルダ26(図4参照)に保持させ、図4に示すスパッタ装置20によりスパッタリングが行われる。第2段階を経ると、図2に示す層構造体10が得られる。
このように、層構造体10の製造過程では、装飾パターンを形成するために行われるマスク形成工程が、透明基板11に対して直接行われている。すなわち、透明基板11を直接マスク29で覆うことにより装飾パターンを形成しているため、第1発色層13や第2発色層16、光反射膜層17がマスク29に起因して損傷することが防止される。
なお、本実施形態では、発色層を干渉積層膜としているが、干渉積層膜以外の発色層とすることもできる。ただし、本実施形態のように、発色層を干渉積層膜とする方が、深みのある色が呈され、膜厚などの調整により色が調整されるため、好ましい。
また、第2層には、第2発色層16及び光反射膜層17に加えて、光反射膜層17の上に保護層が設けられてもよい。ただし、保護層を設けなくても、光反射膜層17は第2発色層16よりも損傷を受けにくいため、保護層を省略してもよい。
また、スパッタ装置20は層形成装置の一例であり、周知の真空成膜装置、例えば、上述以外のタイプのスパッタリング装置や、多種ある真空蒸着装置も好適に用いることができる。このことは以下の実施形態についても同様である。
「第2実施形態」
干渉積層膜は、図4に示すスパッタ装置20を用いて形成されてもよいが、図11に示すスパッタ装置30を用いて形成されることが好ましい。スパッタ装置30のスパッタ装置20との差異は、ターゲットホルダ26に代えてターゲットホルダ32を、基板ホルダ28に代えて基板ホルダ34及びホルダシフト35を備えている点である。
ターゲットホルダ32は真空槽21の下部に設けられており、真空槽21の上を向くターゲット装着部32a,32bを有している。基板ホルダ34は真空槽21の上部に設けられており、基板装着部34aを有している。ホルダシフト35は基板ホルダ34に電気的に接続されており、基板ホルダ34を真空槽21内でターゲット装着部32aの上方とターゲット装着部32aの上方との間をシフトさせる。
基板ホルダ34がターゲット装着部32aの上方にある場合には、基板にはターゲット装着部32aに装着されたターゲットに基づいたスパッタリングが行われる。一方、基板ホルダ34がターゲット装着部32bの上方にある場合には、基板にはターゲット装着部32bに装着されたターゲットに基づいたスパッタリングが行われる。
スパッタ装置30を用いると、干渉積層膜を構成する一方の薄膜13Aをスパッタリングするためのターゲットをターゲット装着部32aに装着し、干渉積層膜を構成する他方の薄膜13Bをスパッタリングするためのターゲットをターゲット装着部32bに装着して、ホルダシフト35を制御しながらスパッタリングすることにより、一度に干渉積層膜を形成することができる。
ここで、金属元素のターゲットから生じる金属元素と、ガス供給源23からArに混合されて供給される酸素や窒素とを真空槽21中で反応させることにより、金属酸化物や金属窒化物の膜が好ましく形成される。干渉積層膜が複数の酸化物からなる場合や、複数の窒化物からなる場合には、ガス供給源23からのガス供給を変更することなく、一度に干渉積層膜が形成されるため、より好ましい。
なお、第1発色層13ではなく、第2発色層16を干渉積層膜としてもよい。また、第1発色層13と第2発色層16との両方を干渉積層膜としてもよい。また、以下の実施形態における発色層についても同様に、干渉積層膜としてもよい。
「第3実施形態」
本発明の第3実施形態は、層構造体10の製造過程であるマスク工程S11において、図12に示すように、マスク29(図5参照)に代えて磁性体マスク37及びマグネット38を用いるものである。磁性体マスク37の形状はマスク29と同一であり、磁性を有する材料が用いられている点がマスク29と異なる。透明基板11の一方の面に磁性体マスク37を載置し、他方の面にマグネット38を載置して、磁性体マスク37とマグネット38とで透明基板11が挟まれる。これにより、一方の面の第2領域R2が磁性体マスク37で覆われ、マグネット38により磁性体マスク37が固定される。
このため、マスク除去工程S13において、マグネット38を透明基板11から遠ざける方向に力を加えることにより、磁性体マスク37が簡単に除去される。これにより、マスク工程S11及びマスク除去工程S13による透明基板11の損傷を抑制することができる。
なお、図12ではマグネット38は透明基板11の裏側全体に密着しているが、マグネット38は透明基板11の一部に密着する小さいサイズのものでもよい。以下の実施形態において磁性体マスク及びマグネットを用いる場合も同様である。
「第4実施形態」
本発明の第4実施形態である層構造体40は、図13に示すように、第1領域R1において第1発色層13と第2発色層16との間に中間光反射膜層41を備える。第1発色層13及び中間光反射膜層41は、本発明における第1層42を構成する。中間光反射膜層41には、光反射膜層17と同様の構成を用いることができる。その他については、第1実施形態と同様であるので、同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
層構造体40の製造過程における第1層形成工程S12は、図5の状態において、マスク29の面及び透明基板11の第1領域R1に、第1層42を構成する第1発色層13と中間光反射膜層41とを形成する工程である。第1層形成工程S12は、第1発色層13を形成する第1段階と、中間光反射膜層41を形成する第2段階とを有する。
第1段階では、図5の状態の基板を基板ホルダ28(図4参照)に保持させ、第1発色層13を構成する材料をスパッタリングするためのターゲットをターゲットホルダ26(図4参照)に保持させ、図4に示すスパッタ装置20によりスパッタリングが行われる。第1段階を経ると、図6に示す状態となる。
第2段階では、図6の状態の基板を基板ホルダ28(図4参照)に保持させ、中間光反射膜層41を構成する材料をスパッタリングするためのターゲットをターゲットホルダ26(図4参照)に保持させ、図4に示すスパッタ装置20によりスパッタリングが行われる。第2段階を経ると、マスク29の面及び透明基板11の第1領域R1に、第1層42を構成する第1発色層13と中間光反射膜層41とが形成される。
層構造体40では、第1発色層13と第2発色層16との間に中間光反射膜層41があるため、第1領域R1において第2発色層16の影響を受けることがなくなる。
また、第1領域R1において、第2層18が第1層42を保護する保護層として機能する。第1層42よりも第2層18が厚い場合には、第1領域R1にある第2層18は第2領域R2にある第2層18の側面も保護する。
「第5実施形態」
本発明の第5実施形態である層構造体50は、図14において、第1色に着色された第1領域R1と、第2色に着色された第2領域R2と、第3色に着色された第3領域R3を有する装飾パターンを備える。層構造体10と比較して、第1領域R1の一部が第3領域R3となったものである。
図15において、層構造体50は、第3領域R3において、透明基板11と第1発色層13との間に第3層である第3発色層51を備える。第3発色層51は、透明基板11側から見て第3色に視認される。なお、第1実施形態と同様の箇所については、同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
層構造体50の製造方法は、図16に示すように、マスク工程S11と第1層形成工程S12との間に、第2マスク工程S21と、第3層形成工程S22と、第2マスク除去工程S23とを有する。第2マスク工程S21は、第1領域R1を第2マスク53で覆う工程であり、図17に示すように、例えば、第2マスク53をマスク29の上に載置して第1領域を覆うものである。これにより、第3領域R3を除く全ての領域がマスク29または第2マスク53により覆われ、第3領域R3のみが露出している状態となる。
第3層形成工程S22は、マスク工程S11及び第2マスク工程S21により第3領域R3のみが露出した透明基板11に対して第3発色層51を形成する工程である。第3発色層51は、図4に示すスパッタ装置20を用いて第1実施形態と同様の方法で形成される。この工程により、図18に示すように、透明基板11の第3領域R3並びにマスク29の面及び第2マスク53の面に、第3発色層51が形成される。
第2マスク除去工程S23は、第3発色層51が形成された第2マスク53を除去する工程である。この工程により、図19に示す状態を経て、図20に示す状態、すなわち第2領域R2がマスク29により覆われて、透明基板11の第1領域R1が露出している状態となる。
第2マスク除去工程S23を終えると、第1実施形態と同様に、第1層形成工程S12、マスク除去工程S13、第2層形成工程S14が順次施される。図20の状態の基板に対して、第1層形成工程S12を施すことにより、第3領域R3の第3発色層51の上並びに第1領域R1及びマスク29の上には、第1発色層13が形成され、図21に示すような状態となる。
図20の状態の基板に対して、マスク除去工程S13を施すことにより、図22に示す状態を経て、図23に示す状態、すなわち第1領域R1に第1発色層13が形成され、第3領域R3に第3発色層51と第1発色層13とが順次形成され、第2領域R2が露出している状態となる。
図23の状態の基板に対して、第2層形成工程S14を施すことにより、図24に示す状態、すなわち第1領域R1に第1発色層13と第2発色層16とが順次形成され、第2領域R2に第2発色層16が形成され、第3領域R3に第3発色層51と第1発色層13と第2発色層16とが順次形成された状態を経て、層構造体50が得られる。
「第6実施形態」
本発明の第6実施形態である層構造体60は、図25において、ほぼ同一の長方形状をしている第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5、・・・第n−1領域Rn−1、第n領域Rnを有する装飾パターンを備える。これらの領域は、それぞれ第1色、第2色、第3色、第4色、第5色、・・・、第n−1色、第n色に着色されている。また、これらの領域は、順次左から右に並んでいる。
図26に示すように、第1領域R1には、第1着色層62、第1光反射膜層63、第2着色層64、第2光反射膜層65、第3着色層66、第3光反射膜層67、第4着色層68、第4光反射膜層69、第5着色層72、第5光反射膜層73、・・・、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。
第2領域R2には、第2着色層64、第2光反射膜層65、第3着色層66、第3光反射膜層67、第4着色層68、第4光反射膜層69、第5着色層72、第5光反射膜層73、・・・、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。第3領域R3には、第3着色層66、第3光反射膜層67、第4着色層68、第4光反射膜層69、第5着色層72、第5光反射膜層73、・・・、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。
第4領域R4には、第4着色層68、第4光反射膜層69、第5着色層72、第5光反射膜層73、・・・、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。第5領域R5には、第5着色層72、第5光反射膜層73、・・・、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。第n−1領域Rn−1には、第n−1着色層74、第n−1光反射膜層75、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。第n領域Rnには、第n着色層76、第n光反射膜層77が順次形成されている。
層構造体60は、図27に示すフローチャートに沿って製造される。この製造方法は、マスク工程S31、第1層形成工程S32、R2マスク除去工程S33、第2層形成工程S34、R3マスク除去工程S35、第3層形成工程S36、R4マスク除去工程S37、第4層形成工程S38、R5マスク除去工程S39、第5層形成工程S40、・・・、Rn−1マスク除去工程S41、第n−1層形成工程S42、Rnマスク除去工程S43、第n層形成工程S44を有する。
マスク工程S31では、図28に示すように、透明基板11の一方の面に磁性体マスク81〜84、・・・、磁性体マスク85〜86が用いられ、他方の面にマグネット91〜94、・・・、マグネット95〜96が用いられて、透明基板11の一方の面の第1領域R1のみが露出した状態が形成される。透明基板11の第2領域R2の部分が磁性体マスク81とマグネット91とで挟まれることにより、第2領域R2が磁性体マスク81に覆われる。第3領域R3の部分が磁性体マスク82とマグネット92とで挟まれることにより、第3領域R3が磁性体マスク82に覆われる。
第4領域R4の部分が磁性体マスク83とマグネット93とで挟まれることにより、第4領域R4が磁性体マスク83に覆われる。第5領域R5の部分が磁性体マスク84とマグネット94とで挟まれることにより、第5領域R5が磁性体マスク84に覆われる。第n−1領域Rn−1の部分が磁性体マスク85とマグネット95とで挟まれることにより、第n−1領域Rn−1が磁性体マスク85に覆われる。第n領域Rnの部分が磁性体マスク86とマグネット96とで挟まれることにより、第n領域Rnが磁性体マスク86に覆われる。
第1層形成工程S32は、第1領域R1のみが露出した状態において、第1層である第1着色層62及び第1光反射膜層63を順次形成する工程である。R2マスク除去工程S33は、磁性体マスク81とマグネット91とを除去することにより、第2領域R2を露出状態にする工程である。
第2層形成工程S34は、第2領域R2のみが露出した状態において、第2層である第2着色層64及び第2光反射膜層65を順次形成する工程である。R3マスク除去工程S35は、磁性体マスク82とマグネット92とを除去することにより、第3領域R3を露出状態にする工程である。
第3層形成工程S36は、第3領域R3のみが露出した状態において、第3層である第3着色層66及び第3光反射膜層67を順次形成する工程である。R4マスク除去工程S37は、磁性体マスク83とマグネット93とを除去することにより、第4領域R4を露出状態にする工程である。
第4層形成工程S38は、第4領域R4のみが露出した状態において、第4層である第4着色層68及び第4光反射膜層69を順次形成する工程である。R5マスク除去工程S39は、磁性体マスク84とマグネット94とを除去することにより、第5領域R5を露出状態にする工程である。
第5層形成工程S40は、第5領域R5のみが露出した状態において、第5層である第5着色層72及び第5光反射膜層73を順次形成する工程である。このように順次1領域ずつマスクを除去して着色層及び光反射膜層を形成する。Rn−1マスク除去工程S41は、磁性体マスク85とマグネット95とを除去することにより、第n−1領域Rn−1を露出状態にする工程である。
第n−1層形成工程S42は、第n−1領域Rn−1のみが露出した状態において、第n−1層である第n−1着色層74及び第n−1光反射膜層75を順次形成する工程である。Rnマスク除去工程S43は、磁性体マスク86とマグネット96とを除去することにより、第n領域Rnを露出状態にする工程である。この工程により、全てのマスクが除去される。
第n層形成工程S44は、第n領域Rnのみが露出した状態において、第n層である第n着色層76及び第n光反射膜層77を順次形成する工程である。以上のように、全てのマスク工程において、透明基板11に対して直接マスクが覆われて、層構造体60が製造される。そのため、層構造体60における発色層や光反射膜層を含む全てのコーティング層がマスクに起因して損傷することが防止される。
層構造体60では、透明基板11に直接形成された発色層とその発色層の上に直接形成された光反射膜層を除く全てのコーティング層は、保護層として機能する。例えば、第1領域R1ではn−1層の保護層を有し、第2領域R2ではn−2層の保護層を有し、第n−1領域Rn−1では1層の保護層を有する。
また、層構造体60では、全ての層に光反射膜層が形成されているため、第4実施形態と同様に、保護層として機能する発色層の影響を受けることがなくなる。
上記実施形態に限らず、上記実施形態1〜6を応用して、複数のマスクと複数の層形成工程とを適切に選択することにより、多数の色を有するあらゆる装飾パターンが形成される。この形成方法を用いることにより、全てのマスク工程について、透明基板11に対して直接マスクが覆われるため、発色層や光反射膜層を含む全てのコーティング層がマスクに起因して損傷することが防止される。
上記実施形態1〜6では、透明基材として両面が略平坦な透明基板11を用いたが、いずれかの面に湾曲面や凹凸を有する透明な基材を用いてもよい。本発明の層構造体は、例えば、自動車、時計、玩具、家電製品、建材、宝飾、衣類や各種機器のエンブレムやネームプレート、その他の装飾品として用いられる。
10、40、50、60 層構造体
11 透明基板
13、62 第1発色層
16、64 第2発色層
17 光反射膜層
18 第2層
29 マスク
37、81〜86 磁性体マスク
38、91〜96 マグネット
41 中間光反射膜層
42 第1層
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (7)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の一方の面の第1領域に形成され、第1色を呈する第1発色層を含む第1層と、
    前記透明基材の前記一方の面の第2領域及び前記第1層の上に形成され、第2色を呈する第2発色層及び前記第2発色層の上に設けられる光反射膜層を含む第2層とを備えることを特徴とする層構造体。
  2. 前記第1層は、前記第1発色層の上に設けられる中間光反射膜層を含むことを特徴とする請求項1に記載の層構造体。
  3. 前記第1発色層または前記第2発色層は、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した干渉積層膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の層構造体。
  4. 透明基材に複数の層が形成された層構造体の製造方法において、
    前記透明基材の一方の面をマスクで覆い、前記透明基材の前記一方の面の第1領域を露出させる状態を形成するマスク工程と、
    露出した前記第1領域に第1色を呈する第1発色層を含む第1層を形成する第1層形成工程と、
    前記マスクを除去することにより、前記透明基材の前記一方の面の第2領域を露出させるマスク除去工程と、
    露出した前記第2領域及び前記第1層の上に、第2色を呈する第2発色層及び前記第2発色層の上に設けられた光反射膜層を含む第2層を形成する第2層形成工程とを有することを特徴とする層構造体の製造方法。
  5. 前記第1層形成工程は、前記第1発色層の上に中間光反射膜層を設ける工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の層構造体の製造方法。
  6. 前記第1発色層または前記第2発色層は、屈折率が異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した干渉積層膜であることを特徴とする請求項4または5に記載の層構造体の製造方法。
  7. 前記マスクは磁性体マスクであり、
    前記マスク工程では、前記磁性体マスクとマグネットとで前記透明基材を挟むことにより、前記磁性体マスクで前記透明基材を覆うことを特徴とする請求項4ないし6のうちいずれか1項に記載の層構造体の製造方法。
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