JP2016118456A - 磁気センサユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、より感度の高い磁気センサユニットを得る。【解決手段】実施形態の磁気センサユニットは、磁界の方向を検出する検出素子と、検出素子の検出対象となる軟磁性体の対象物の移動に伴って検出素子での方向が変化する第一の磁界を生じさせる第一の磁石と、第一の磁石とは反対方向に磁化され、検出素子における検出対象の移動に伴う磁界の方向の変化量が第一の磁石による磁界の方向の変化量に比べて少なくなるように配置された第二の磁石と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、磁性体の回転や移動に伴う磁界の方向の変化を検出する磁気センサユニットに関する。
従来、磁界を与える磁石と、磁界の方向を検出するGMR(giant magneto resistive effect)素子と、を有し、磁性体としての回転部材の回転に伴う磁界の方向をGMR素子によって検出することにより、当該回転部材の回転角度を検出する回転角センサが、知られている(例えば、特許文献1)。
特許第5313178号公報
上記従来の回転角センサでは、所要の検出感度が得られ難い場合があった。そこで、本発明の課題の一つは、例えば、より感度の高い磁気センサユニットを得ることである。
本発明における磁気センサユニットは、磁界の方向を検出する検出素子と、上記検出素子の検出対象となる軟磁性体の対象物の移動に伴って上記検出素子での方向が変化する第一の磁界を生じさせる第一の磁石と、第一の磁石とは反対方向に磁化され、上記検出素子における上記検出対象の移動に伴う磁界の方向の変化量が上記第一の磁石による磁界の方向の変化量に比べて少なくなるように配置された第二の磁石とを備えるよう構成したものである。
この磁気センサユニットにおいて、上記第二の磁石により上記検出素子に形成される第二の磁界の上記磁石の磁化方向に平行な成分の大きさが上記第一の磁界の上記磁石の磁化方向に平行な成分より小さい場合、第一の磁界と第二の磁界との合成磁界の方向変化量が、第一の磁界の方向の変化量よりも大きくなり検出感度が向上する。なお、第一と第二の磁界の合成磁界の内上記磁石の磁化方向に平行な成分の大きさが上記第一の磁界の上記磁石の磁化方向に平行な成分の大きさより十分小さく、第二の磁界の上記磁石の磁化方向に直交成分の大きさが上記第一の磁界の上記磁石の磁化方向に直交成分の大きさより十分小さければ、第二の磁界の上記磁石の磁化方向に平行な成分の大きさが上記第一の磁界の上記磁石の磁化方向に平行な成分より大きい場合でも、合成磁界の方向変化量が、第一の磁界の方向の変化量よりも大きくでき検出感度が向上する。
また、上記磁気センサユニットは、上記第二の磁石は、上記第一の磁石よりも上記対象物から遠くに位置するとよい。
このような磁気センサユニットによれば、第二の磁石が第一の磁石よりも遠くに位置することにより、第二の磁界が対象物の影響を受け難くなる。したがって、磁気センサユニットは、対象物の変位に対する上記合成磁界の角度変化が大きくなるため、検出感度が向上する。
また、上記磁気センサユニットは、上記検出素子が上記第一の磁石よりも上記第二の磁石の近くに位置するとよい。
このような磁気センサユニットによれば、第二の磁石が第一の磁石よりも検出素子の近くに位置することで、第二の磁界が対象物の影響を受け難くなる。また、上記構成により、磁気センサユニットは、第二の磁石によって外部に形成される磁束が少ないため、第二の磁界を大きくできる。したがって、磁気センサユニットは、対象物の変位に対する上記合成磁界の角度変化が大きくなることで検出感度が向上する。これにより、磁気センサユニットは、第二の磁石を小さくすることや、より保持力の小さい材料にでき、上記センサユニットの小型化や低コスト化を可能とする。
また、磁気センサユニットは、上記検出素子が上記第二の磁石を一体に設けるとよい。
このような磁気センサユニットによれば、第二の磁界は上記対象物の影響を受け難くなり、対象物の変位に対する上記合成磁界の角度変化が大きくでき検出感度が向上するとともに、磁気センサユニットがより小さくできる。
図1は、第1実施形態の磁気センサユニットおよび対象物の、当該対象物の回転中心の軸方向の視線での例示的な正面図である。 図2は、第1実施形態の磁気センサユニットおよび対象物の一部の例示的な斜視図である。 図3は、第1実施形態の磁気センサユニットおよび対象物の、当該対象物の回転中心の周方向の視線からの視野図である。 図4は、第1実施形態の検出素子の例示的な斜視図である。 図5は、第1実施形態の磁気センサユニットの第二の磁石の磁界による角度拡大の効果の例示的な説明図である。 図6は、第2実施形態の磁気センサユニットの例示的な斜視図である。 図7は、第3実施形態の磁気センサユニットの例示的な斜視図である。 図8は、第4実施形態の磁気センサユニットおよび対象物の、当該対象物の回転中心の周方向の視線からの視野図である。 図9は、第1実施形態の変形例の磁気センサユニットおよび対象物の例示的な正面図である。
本発明は、以下の実施形態に開示される構成によって実現可能である。
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれるため、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
本発明における第1実施形態について図1〜5を用いて説明する。図1に示す磁気センサユニット100は、回転体200の回転を検出する回転センサの例であり、検出対象である回転体200と第一の磁石101と第二の磁石102と磁界の方向を検出する検出素子103とで構成される。
回転体200は、軟磁性体により形成された歯車であり、図1のAxを回転軸として回転する。なお回転体200は基部201を非磁性とし突出部202を軟磁性体としてもよく、更に、突出部の先端部202aのみを軟磁性体としてもよい。
ここで、回転軸Ax方向を軸方向A,回転軸Axの径方向を径方向R,回転軸Ax周りの周方向を周方向Cとする。
検出素子103は、例えば図4に示すように検出層を有し、軸方向Aに直交する検出層の面内において磁界の方向に応じた信号を出力する。検出素子103としてMR素子,GMR素子,TMR素子,及び軸方向Aに直交する面内の異なる方向に感度を有する2つ以上のホール素子の出力を信号処理したものなどが考えられる。
第一の磁石101は、径方向Rに平行な方向D1に磁化されており、検出素子103を通る第一の磁界を形成する。このため、検出層の面内において第一の磁界に基づく軸方向Aに直交する磁気成分の方向は、回転体200の回転位置によって変化する。
第二の磁石102は第一の磁石101の磁化方向D1とは反対方向D2に磁化され、検出素子103を通る際に第一の磁界と反対方向の第二の磁界を形成する。このため、検出層の面内において第二の磁界に基づく軸方向Aに直交する磁気成分は、回転体200の回転位置によって変化する。
ここで図1〜3に示すように検出素子103は、第一の磁石101に対して第二の磁石102の近傍に配置されるため、第二の磁界は第一の磁界に比べて回転体200の回転位置の影響を受け難い。ただし、検出素子103を通る磁界の強さは、第二の磁界よりも第一の磁界のほうが強いこととする。
図1〜3に示すように、第二の磁石102の回転体200からの距離L22は第一の磁石101の回転体200から距離L21に比べて回転体より離れて配置されており、第二の磁界は、第一の磁界に比べて回転体200の回転位置による影響を受け難い。また、第二の磁石102の径方向Rの寸法を短くすることにより、第二の磁石102による磁石外に形成される磁束を少なくできるため、第一の磁界に対して第二の磁界の径方向Rの磁気成分を小さくすることが可能である。また、第二の磁石102の軸方向Aの厚みを変えることや第二の磁石102を第一の磁石101に比べて残留磁束密度の低い材料への変更や第二の磁石102を第一の磁石101に比べて磁化率を下げることによっても第二の磁界の大きさの制御は可能である。
以上の構成による効果を図5に示す。図5は回転体200の回転位置φと第一の磁界M1d,第二の磁界M2d及び第一の磁界M1dと第二の磁界M2dの合成磁界Mdの関係の一例である。図5に示すように検出素子103において、第一の磁界M1dの径方向Rの磁気成分と第二の磁界M2dの径方向Rの磁気成分は逆方向で、かつ第一の磁界M1dの径方向Rの磁気成分の大きさより第二の磁界M2dの径方向R成分の大きさは小さい。また、第一の磁界M1dは回転体200の回転位置により磁界の方向を変えるが、第二の磁界M2dは磁界の方向だけでなく大きさの変化量も小さくなる。
よって、第一の磁界M1dと第二の磁界M2dとの合成磁界Mdは、回転体200の回転位置による磁界の方向の変化量が第一の磁界M1dのみより大きくなり回転体200の回転変位に対する感度が向上する。なお、本実施形態において、磁気センサユニット100は、2つの検出素子103をセンサ中心の径方向Rに対し、回転方向Cに沿うような直交方向に配置している。これにより、例えば、磁気センサユニット100は、2つの検出素子103から算出される回転体300の回転角度の出力差から外乱ノイズの影響を抑制し、検出感度が向上する。
[第2実施形態]
本発明における第2実施形態について図6を用いて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の検出素子103と異なる検出素子103Aを有する磁気センサユニット100Aである。なお、本実施形態の磁気センサユニット100Aは、回転体200の回転を検出する回転センサである。
具体的には、図6に例示されるように、磁気センサユニット100Aは、第一の磁石101と、検出素子103Aと、を備えている。また、検出素子103Aは、第一の磁石101からピン層103a、非磁性層103b、フリー層103c(検出層)、非磁性層103d、第二の磁石102Aの順に積層されている。
第一の磁石101は、上記第1実施形態と同様に径方向Rに平行な方向D1に磁化されており、検出素子103Aを通る第一の磁界を形成する。このため、検出層となるフリー層103cの面内において第一の磁界に基づく軸方向Aに直交する磁気成分の方向は、回転体200の回転位置によって変化する。
第二の磁石102Aは、上記第1実施形態と同様に第一の磁石101の磁化方向D1とは反対方向D2に磁化され、検出素子103Aを通る際に第一の磁界と反対方向の第二の磁界を形成する。このため、フリー層103cの面内において第二の磁界に基づく軸方向Aに直交する磁気成分は、回転体200の回転位置によって変化する。
ピン層103aは、第一の磁石101に近接して配置されており、軸方向Aと直交しかつ方向D1,D2と直交した方向D3に着磁されている。
したがって、検出素子103Aは、第二の磁石102Aが一体となった構造であるため、第二の磁界は第一の磁界に比べて回転体200の回転位置の影響を受け難く、上記第1実施形態と同様に、フリー層103cにおける第一の磁界M1dと第二の磁界M2dとの合成磁界Mdが回転体200の回転位置による磁界の方向の変化量が第一の磁界M1dのみより大きくなり回転体200の回転変位に対する感度が向上するという効果も得られる。また、磁気センサユニット100Aがより小さく構成できるという効果も奏する。
[第3実施形態]
本発明における第3実施形態について図7を用いて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態又は第2実施形態の検出素子103又は103Aを備える磁気センサユニット100Bである。なお、本実施形態の磁気センサユニット100Bは、回転体200の回転を検出する回転センサである。
本実施形態における磁気センサユニット100Bは、図7に例示されるように、部品として、第一の磁石101や、検出素子103A、処理回路部104、板状の導体部105a,105b、導線105c、等を備えており、これら部品がケース部106によって被覆されることで一体化している。この検出素子103Aは、上記第2実施形態と同様の構成である。ただし、検出素子103Aと第二の磁石102とが別に設けられてもよい。また、ケース部106は、部品の保護性が高まるため、例えば絶縁性かつ非磁性の合成樹脂材料で構成してもよい。更に、処理回路部104を一体化したため、処理回路部104を検出素子103A等とは別に構成した場合に比べて、部品点数を減らすことができる。また、本実施形態において、磁気センサユニット100Bは、4つの検出素子が設けられている。2つの検出素子103Aを径方向Rのセンサ中心に対し、回転方向Cに沿うような直交方向に配置され、更に、この2つの検出素子103Aに対して当該センサ中心軸方向にそれぞれ検出素子103Bが配置されている。ここで検出素子103Bは、ピン層の磁化方向が検出素子103Bとは反対方向に磁化されている。したがって、本実施形態の磁気センサユニット100Bは、位相差の検出対象が第1実施形態等よりも多くなるため、外乱ノイズをより抑制することが可能であるため、検出感度も向上する。なお、本実施形態では、四つの検出素子103Aが設けられているが、検出素子103Aの数は、これには限定されない。
[第4実施形態]
本発明における第4実施形態について図8を用いて説明する。図8に示す磁気センサユニット100Cは、回転体200の回転を検出する回転センサの例であり、検出対象である回転体200と第一の磁石101と第二の磁石102と磁界の方向を検出する検出素子103とで構成される。
本実施形態の磁気センサユニット100Cは、図8に示すように上記第1実施形態とは異なり、検出素子103が第一の磁石101と第二の磁石102との間に挟まれた状態で設けられている。
第一の磁石101は、上記第1実施形態と同様に径方向Rに平行な方向D1に磁化されており、検出素子103Aを通る第一の磁界を形成する。また、第二の磁石102は、上記第1実施形態と同様に第一の磁石101の磁化方向D1とは反対方向D2に磁化され、検出素子103Aを通る際に第一の磁界と反対方向の第二の磁界を形成する。ただし、図8に示すように検出素子103と第ニの磁石102が接する場合は、第二の磁界が第二の磁石102と検出素子103と接地部分において形成されていることが第1実施形態と異なる。
したがって、上記第1実施形態と同様に本実施形態は、図5に示されるような検出素子103において第一の磁界M1dと第二の磁界M2dとの合成磁界Mdが、回転体200の回転位置による磁界の方向の変化量が第一の磁界M1dのみより大きくなり回転体200の回転変位に対する感度が向上するという効果も得られる。
また、本実施形態によれば、検出素子103が第一の磁石101と第二の磁石102との間に設けられているため、検出素子103の保護性が高まりやすい。なお、検出素子103は、例えば、非磁性の材料の層内に埋められているとよい。
[第1実施形態の移動する対象物への適用例]
第1実施形態の磁気センサユニット100は、図9に例示されるように、移動する対象物300、例えば平行移動する対象物300に対しても、同様に適用することができる。
対象物300は、基部301と基部301から所定間隔で突出する突出部302とで構成されており、移動方向Lに移動するものである。また、磁気センサユニット100は、移動方向Lと直交する方向であり、突出部302が形成される側に配置される。なお、対象物300は、基部301と非磁性とし、突出部302を軟磁性体としてもよく、更に、対象物300は、少なくとも突出部の先端部202aを軟磁性体としてもよい。
したがって、本実施形態は、検出素子103における第一の磁界M1dと第二の磁界M2dとの合成磁界Mdに対して上記第1実施形態と同様な効果をえることができる。なお、対象物300は、例えば、ベルト等である。
また、本実施形態において、対象物300は突出部302を有していたが、対象物に軟磁性体が等間隔に配置されていればこれに限定されない。例えば、突出部302に代えて軟磁性体が等間隔に埋め込まれているような対象物でもよい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。例えば、着磁方向や対象物の移動方向は、上記実施形態には限定されない。
例えば、第1実施形態等において、回転体200は、周方向に突出部を有していたが、軸方向に突出部を有していてもよい。その際は、第一の磁石及び第二の磁石は、検出素子に及ぼす第一の磁石と第二の磁石が形成する磁界は、回転体の軸方向にとなるように配置されていればよい。
また、本実施形態は、検出素子に関しGMR素子の構造に基づいて説明したが、MR素子等の検出素子が積層構造でなくてもよく、検出素子に対して第一の磁石が形成する磁界に対して反対方向の磁界を形成する第二の磁石を配置する構成となればよい。したがって、検出素子が積層構造に限定されない。
100,100A〜100C…磁気センサユニット、101…第一の磁石、102,102A…第二の磁石、103,103A,103L,103R…検出素子、103a…ピン層、103b…非磁性層、103c…フリー層(検出層)、200…対象物、M1,M1d…第一の磁界、M2,M2d…第二の磁界、Md…合成磁界。

Claims (4)

  1. 磁界の方向を検出する検出素子と、
    前記検出素子の検出対象となる軟磁性体の対象物の移動に伴って前記検出素子での方向が変化する第一の磁界を生じさせる第一の磁石と、
    第一の磁石とは反対方向に磁化され、上記検出素子における上記検出対象の移動に伴う磁界の方向の変化量が上記第一の磁石による磁界の方向の変化量に比べて少なくなるように配置された第二の磁石と、
    を備える磁気センサユニット。
  2. 前記第二の磁石は、前記第一の磁石よりも前記対象物から遠くに位置する、請求項1に記載の磁気センサユニット。
  3. 前記検出素子は、前記第一の磁石よりも前記第二の磁石の近くに位置された、請求項1または2に記載の磁気センサユニット。
  4. 前記検出素子は、前記第二の磁石を一体に設ける、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の磁気センサユニット。
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