JP2016118284A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
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また、軸受部材は、合成樹脂や合成ゴム等の比較的軟らかい軟材質によって弾性変形可能に構成されている。これにより、軸受部材が球面部の外面形状に倣って柔軟に変形し、熱や湿度等の外部環境の変化、経年変化による操作荷重の減少を抑制している。
さらに、操作荷重を調整(低く)する方法として、例えば軸受部材を硬質の材料に変更することも考えられる。しかしながら、この場合には材質変更に伴う成形金型の調整や成形条件の見直し等が必要となり、これによっても製造効率の低下や製造コストの増加に繋がる。また、外部環境の変化や経時変化により操作荷重が低くなり、長期に亘って安定したフィーリングを得ることが難しい。
本発明に係るボールジョイントは、球面部と、前記球面部に摺動可能に外装された軸受部材と、前記軸受部材に外装され、前記球面部に対して前記軸受部材と一体で揺動するソケット部と、を備え、前記ソケット部は、前記軸受部材の外周面に向けて突出する接地部を介して前記軸受部材に当接していることを特徴とする。
特に、本発明の構成によれば、接地部の高さ寸法等を調整することで、軸受部材と球面部との間に作用する操作荷重を調整することができる。この場合、球面部の外周面または軸受部材の内周面全体の寸法を変更して操作荷重を調整する従来の構成と異なり、接地部の高さ寸法の調整で操作荷重を簡単に調整でき、熟成期間(操作荷重の調整に要する期間)を短縮できる。その結果、製造効率の向上や低コスト化を図った上で、軸受部材と球面部との間に所望の操作荷重を付与することができる。しかも、球面部の外周面または軸受部材の内周面全体の寸法を変更する場合に比べて寸法誤差も小さくなるので、所望の操作荷重をより確実に付与することができる。
また、軸受部材等の材質変更により操作荷重の調整を行う場合と異なり、材質変更に伴う成形金型の調整や成形条件の見直しが不要になる。また、軸受部材に軟材質を用いることができるので、軸受部材が球面部の外面形状に倣って柔軟に変形し、外部環境の変化や経時変化による操作荷重の低下を抑制できる。その結果、製造効率の向上や低コスト化を図った上で、フィーリングを確実に向上させることができる。
この場合には、接地部が周方向に間隔をあけて配設されているため、操作荷重を周方向に均一に作用させることができる。これにより、更なるフィーリングの向上を図ることができる。
この場合には、接地部が軸受部材の外周面に倣った形状に形成されているため、組み付け後のガタツキを均一に低減することができる。
この場合には、ソケット部のうち、接地部に連結手段を設けることで、接地部以外の部分に連結手段を設ける場合に比べて連結手段の厚さを確保できる。そのため、軸受部材と連結手段の係り量を十分に確保することができ、ソケット部からの軸受部材の外れを防止できる。
図1は吹き出し装置1の斜視図であり、図2は吹き出し装置1の分解斜視図である。また、図3は図1のIII−III線に沿う断面図である。
図1〜図3に示すように、吹き出し装置1は、図示しない車両のインストゥルメントパネル2(図3参照)に埋め込み固定されたダクト3と、ダクト3内に配設され、空気吹き出し口4を有するフィン部材5と、ダクト3とフィン部材5とを揺動可能に連結するボールジョイント6と、ダクト3を開閉する開閉機構7と、を備えている。
ダクト3は、前側(軸方向の一端側)に位置する筒状のケース11と、ケース11の後端部(軸方向の他端部)に連結された筒状の球体パネル12と、を備えている。なお、ケース11及び球体パネル12は、それぞれ合成樹脂等により構成されている。
外筒13のうち、前側に位置する部分には角筒状のスカート部16が形成されている。スカート部16の前端部には、図示しない空調装置の供給ダクトが接続される。これにより、空調装置から送り出される空調空気が吹き出し装置1内に供給される。
外筒13のうち、スカート部16の後端部には、フィン部材5を前側から収容する前側収容部17が連設されている。前側収容部17は、後方に向かうに従い漸次拡径するとともに、径方向の外側に向けて凸の半球状を呈している。前側収容部17における周方向の一部には、径方向の外側に向けて窪むガイド凹部18が形成されている。このガイド凹部18は、前側収容部17の内周面に倣って軸方向に延設されている。
連結部15は、内筒14の外周面から外筒13の内周面に向けて放射状に延設されている。ケース11内には、周方向で隣り合う連結部15間の隙間を通して空調空気が流通する。
後側収容部21は、後方に向かうに従い漸次縮径するとともに、径方向の外側に向けて凸の半球状を呈し、その後端開口部が車室内に向けて開口する。後側収容部21は、その前端縁がケースにおける前側収容部17の後端縁に軸方向で突き合わされるとともに、内周面が前側収容部17の内周面に滑らかに連なっている。そして、前側収容部17内と後側収容部21内とで画成された空間は、内周面が球面状の収容空間S(図3参照)を構成している。図示の例において、収納空間Sの内周面は、軸方向の中央部から両側に向かうに従い径方向の内側に向けて延びるとともに、径方向の外側に向けて凸の球面状を呈し、その曲率中心が軸線O上に位置している。
嵌合部22は、内径が前側収容部17よりも大径の筒状とされ、前側収容部17の後端部を囲繞している。
フィン部材5は、上述した収容空間S内に揺動可能に収容されたハウジング31と、ハウジング31に軸線O回りに回転可能に取り付けられたジョイントノブ32と、を備えている。なお、ハウジング31及びジョイントノブ32は、それぞれ合成樹脂等により構成されている。
リム部33は、その外周面が軸方向の中間部分から両側に向かうに従い漸次縮径するとともに、径方向の外側に向けて凸の球面状を呈し、収容空間Sの内周面に対して径方向に間隔をあけた状態で、収容空間Sの内周面に倣って形成されている。リム部33の最大外径部は、収容空間S(前側収容部17及び後側収容部21)の最小内径部に比べて小さくなっている。なお、リム部33における周方向の一部には、前方に向けて突出する図示しないガイド片が配設されている。ガイド片は、ケース11の上述したガイド凹部18内に収容され、ハウジング31の軸線O回りの回転を規制するとともに、フィン部材5の揺動動作に伴ってガイド凹部18内を移動することで、フィン部材5の揺動動作を案内する。
整流板35は、ハブ部34の外周面からリム部33の内周面に向けて放射状に延設されている。本実施形態において、整流板35は、径方向の外側に向かうに従い周方向の一方側に傾斜して延設されている。ハウジング31内には、周方向で隣り合う整流板35間の隙間を通して空調空気が流通する。
挿入筒41の前端部は、後端部に比べて外径が縮小し、ハブ部34との間に径方向の隙間を有している。挿入筒41の前端部には、径方向の外側に向けて突出する係止爪44(図4参照)が周方向に間隔をあけて形成されている。
操作筒42は、その後端部がハウジング31よりも後方に突出し、挿入筒41の後端部に連設されている。
図4は図3のIV部拡大図であり、図5は図3のV−V線に相当する断面図である。
図4、図5に示すように、ボールジョイント6は、ケース11側に取り付けられたジョイント部51と、ハウジング31側に取り付けられるとともに、軸受部材52を介してジョイント部51に対して揺動可能に外装されたソケット部53と、を備えている。
取付筒55は、後方に向かうに従い漸次縮径する多段筒状とされ、その前端部が内筒14内に回転可能に嵌合されている。
球面部56には、径方向の外側に向けて突出するガイド突起57(図5参照)が配設されている。ガイド突起57は、球面部56のうち、軸線Oを間に挟んで径方向で対向する部分に一対で配設されている。なお、球面部56の外周面には、径方向の内側に向けて窪む複数の溝部58が形成されている。これら溝部58は、軸受部材52との間に介在するグリスを収容するグリスポケットとして機能する。
図4〜図6に示すように、ソケット部53は、合成樹脂等からなるとともに、フィン部材5と同軸上に配置された筒状を呈し、フィン部材5のハブ部34内に回転可能に支持されている。具体的に、ソケット部53は、上述したジョイントノブ32に連結される接続筒61と、接続筒61から前方に向けて延設され、上述した球面部56を収容する収容筒62と、を有している。
また、接続筒61には、接続筒61を径方向に貫通する係止孔64が周方向に間隔をあけて形成されている。係止孔64内には、挿入筒41の上述した係止爪44が係止されている。これにより、ジョイントノブ32及びソケット部53は、ハブ部34を軸方向に挟持するとともに、ハブ部34に対して回転可能とされている。なお、ハブ部34及びソケット部53間には、ハブ部34に対するジョイントノブ32及びソケット部53の軸線O回りの回転を所定範囲内に制限する規制部(例えば図6に示す規制部67)が配設されていてもよい。
収容筒62の前端部には、収容筒62を径方向に貫通する係合孔(連結手段)66が周方向に間隔をあけて複数配設されている。図示の例において、係合孔66は、収容筒62のうち、周方向におけるスリット65間に位置する部分にそれぞれ一対ずつ配設されている。
第1接地部71は、収容筒62の内周面に倣って軸方向に延設された帯状のものであって、径方向の内側端面が収容筒62の内周面に倣った曲面状を呈している。第1接地部71は、周方向に間隔をあけて配設されている。図示の例において、第1接地部71は、収容筒62のうち、スリット65間に位置する部分(周方向で係合孔66と同等に位置する部分)に一対ずつ配設されるとともに、周方向でスリット65と同等に位置する部分にそれぞれ配設されている。本実施形態では、対応する一対の第1接地部71同士が軸線Oを間に挟んで径方向で対向している。なお、第1接地部71は、軸受部材52の外周面に倣って軸方向に延設された帯状のものであるため、組み付け後のガタツキを均一に低減することができる。
以上より、第2接地部72は軸受部材52に線接触して操作荷重を適切な値に調整し、第1接地部71は軸受部材52に面接触し、また両接地部71、72は軸受部材52の外周面に倣って延設されているので、軸受部材52による球面部56の支持を安定したものとすることができる。さらに空間Kがハウジング31の操作の際に球面部56を介して軸受部材52に作用する面圧を適度に低減させ、操作時のフィーリングを向上させることができる。
図2、図3に示すように、開閉機構7は、上述したケース11の前端開口部を開閉するダンパ81と、ジョイントノブ32の回転操作に連動して回転する回転筒82と、回転筒82とダンパ81との間を連結するリンク機構83と、を備えている。
ダンパ81は、一対の扉板85を備えた、いわゆる両開き戸(観音扉)であって、ケース11(外筒13)のスカート部16に回動可能に支持されている。
また、軸受部材52等の材質変更により操作荷重の調整を行う場合と異なり、材質変更に伴う成形金型の調整や成形条件の見直しが不要になる。また、軸受部材52に軟材質を用いることができるので、軸受部材52が球面部56の外面形状に倣って柔軟に変形し、外部環境の変化や経時変化による操作荷重の低下を抑制できる。
その結果、製造効率の向上や低コスト化を図った上で、フィーリングを確実に向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第2接地部72における径方向の内側端面が径方向の内側に向けて凸の湾曲面とされているため、第2接地部72と軸受部材52との接触面積を小さくすることができ、軸受部材52と球面部56との間に作用する操作荷重を小さくすることができる。
例えば、上述した実施形態では、軸受部材52を半割構造にした場合について説明したが、これに限らず、筒状に一体形成しても構わない。但し、軸受部材52を半割構造とすることで、ソケット部53との間の組付精度を確保し易くなるという効果を奏する。
また、上述した実施形態では、ソケット部53を、ジョイントノブ32と別体で形成した場合について説明したが、これに限らず、一体で形成しても構わない。
また、上述した実施形態では、幅の異なる2種類の接地部71,72を設ける構成について説明したが、これに限らず、接地部71,72は1種類でも3種類以上の複数種類であっても構わない。また、接地部71,72の配設ピッチ等についても適宜設計変更が可能である。
さらに、上述した実施形態では、接地部71,72が軸方向に沿って延設された構成について説明したが、これに限られない。例えば、接地部は、周方向に沿って延設されたり、点状に形成されたりしても構わない。
さらに、上述した実施形態では、車両用の吹き出し装置1に本発明のボールジョイント6を採用する構成について説明したが、これに限らず、種々の構成に本発明のボールジョイント6を採用することができる。
51…ジョイント部
52…軸受部材
53…ソケット部
56…球面部
66…係合孔(連結手段)
71…第1接地部(接地部)
72…第2接地部(接地部)
Claims (4)
- 球面部と、
前記球面部に摺動可能に外装された軸受部材と、
前記軸受部材に外装され、前記球面部に対して前記軸受部材と一体で揺動するソケット部と、を備え、
前記ソケット部は、前記軸受部材の外周面に向けて突出する接地部を介して前記軸受部材に当接していることを特徴とするボールジョイント。 - 前記接地部は、リブ状に延設されるとともに、前記ソケット部の周方向に間隔をあけて配設されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
- 前記接地部は、前記軸受部材の外周面に倣った形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のボールジョイント。
- 前記接地部には、前記軸受部材と前記ソケット部とを連結する連結手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のボールジョイント。
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