JP2016118251A - シール部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動流体の外部への流出を阻止することができるとともに、ダストの侵入を防止できるシール部材を提供する。【解決手段】シール部材1は、筒部材3に進退自在に挿入される軸部材2を囲む環状の基部4と、前記基部4の内周に設けられて大気側に傾斜して延び、前記軸部材2の外周に摺接する環状のメインリップ6と、前記基部4の内周に前記メインリップ6の密封側に直列に設けられて前記メインリップ6側に傾斜して延びる環状のサブリップ7とを備え、前記メインリップ6または前記サブリップ7の少なくとも一方の内周面8は、前記基部4から延びる傾斜面8aと、前記傾斜面8aよりも前記軸部材2側に向けて突起して前記軸部材2の外周に摺接する突起面8bを備えてなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

この発明は、シール部材に関する。
例えば、フロントフォークにおいては、ダストの侵入を防止するために、環状のダストシールがアウターチューブとインナーチューブの間に設けられている。近年、フロントフォークが、オフロード走行等の厳しい使用環境下で使用されても塵や埃などのダストのフロントフォークの内部への侵入を防止できるよう配慮したダストシールが開発されている。
このダストシールは、アウターチューブに固定され、前記アウターチューブに進退自在に挿入されるインナーチューブ側に傾斜して延びる、前記インナーチューブの外周に摺接するメインリップとサブリップとを備えており、サブリップより大気側に設けられたメインリップが掻き落とし損ねたダストをサブリップで掻き落とすことで、ダストの侵入を防止している(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−308204
特許文献1のダストシール100は、インナーチューブ2に附着したダストを掻き落とすために、図7に示すように、メインリップ101及びサブリップ102の大気側の傾斜面103,105とメインリップ101及びサブリップ102がそれぞれ摺接する軸部材2としてのインナーチューブ2の摺接面との間の断面角度a1,b1を、メインリップ101及びサブリップ102のフォーク内側の傾斜面104,106と前記摺接面との間の断面角度a2,b2よりそれぞれ大きく設定している。
このように、断面角度を大きくすると、面圧勾配値の絶対値が高くなるため、従来のダストシール100では、大気側の傾斜面103,105の面圧勾配値の絶対値をフォーク内側の傾斜面104,106の面圧勾配値の絶対値より高くすることができる。
そして、面圧勾配値の絶対値の高い方が、インナーチューブ2の外周に附着する作動流体膜を掻き落とす効果が高くなる。
つまり、従来のダストシール100ではインナーチューブ2がアウターチューブ3内へ進入する場合には、インナーチューブ2の外周に附着したダストを掻き落としやすく作動流体膜が薄くなり、逆にインナーチューブ2がアウターチューブ3から退出する場合には、作動流体膜の通過を許容しやすく作動流体膜が厚くなる構造になっている。
したがって、このように設定すると、インナーチューブ2の退出行程時に作動流体が、ダストシール100を通って、大気側に微量ずつではあるが、掻き落とされてしまう。なお、作動流体の流出量は、微量であるのでフロントフォークの機能に悪影響等を与えるものではないものの、作動流体の流出を防止することが望ましい。
また、作動流体が大気側に掻き出されてしまうと、掻き出された作動流体に大気側に存在するダストが浸かってしまい、インナーチューブに強固に附着して内部にダストの侵入を許してしまう可能性もある。
そこで、本発明は、作動流体の外部への流出を阻止することができるとともに、ダストの侵入を防止できるシール部材を提供するものである。
上記課題を解決するための手段は、筒部材に進退自在に挿入される軸部材を囲む環状の基部と、前記基部の内周に設けられて大気側に傾斜して延び、前記軸部材の外周に摺接する環状のメインリップと、前記基部の内周に前記メインリップの密封側に直列に設けられて大気側に傾斜して延びる環状のサブリップとを備え、前記メインリップまたは前記サブリップの少なくとも一方の内周面は、前記基部から延びる傾斜面と、前記傾斜面よりも前記軸部材側に向けて突起して前記軸部材の外周に摺接する突起面を備えることを特徴とする。
また、前記突起面が前記軸部材の外周に摺接するとき、前記突起面と前記軸部材の外周面との間の断面角度が、大気側と密封側とで等しくなるようにしてもよい。前記構成を備えることで、大気側と密封側の断面角度の差がなくなるため大気側と密封側の突起面の最大面圧勾配値の絶対値の差がなくなる。その結果、突起面における軸部材の退出行程時の作動流体膜厚と、進入行程時の作動流体膜厚の差がなくなるため、軸部材の退出行程時に大気側に移動した作動流体が軸部材の進入行程時に密封側に戻り、作動流体の大気側への流出を阻止することができる。
また、前記軸部材の外周と摺接している前記突起面が、断面円弧状に形成されてもよい。前記構成を備えることで、前記軸部材の外周と摺接している前記突起面と、軸部材の外周の摺接面における、大気側及び密封側の断面角度の差を限りなく小さくできる。
また、前記メインリップは、前記メインリップの大気側の傾斜面と前記軸部材の外周の摺接面との間の断面角度が、前記メインリップの密封側の傾斜面と前記摺接面との間の断面角度よりも大きく設定され、前記サブリップは、内周面に前記傾斜面と前記突起面を備え、前記突起面が前記軸部材の外周に摺接するとき、前記突起面と前記軸部材の外周との間の断面角度が、大気側と密封側とで等しくなるようにしてもよい。前記構成によると、メインリップは、軸部材の進入行程時に、大気側からダストが進入するのを防止し、サブリップは、突起面における軸部材の退出行程時の作動流体膜厚と、進入行程時の作動流体膜厚の差をなくすため、軸部材の退出行程時に大気側に移動した作動流体が軸部材の進入行程時に密封側に戻り、作動流体の大気側への流出を阻止できる。
また、前記基部の内周の前記反メインリップ側に流体シールが連結されてもよい。前記構成によると、一つのシール部材で、作動流体とダストの両方をシールすることができる上、組み立ての際、ダストシールと流体シールをそれぞれ組み込む必要がないため、シール部材を組み込む手間を省略することができる。
また、前記シール部材は、アウターチューブと前記アウターチューブ内に軸方向移動自在に挿入されるインナーチューブと、前記アウターチューブと前記インナーチューブとの間に介装されるダンパとを備えるフロントフォークにおける前記アウターチューブに基部を固定し、前記インナーチューブを軸部材として前記インナーチューブの外周をシールしてもよい。フロントフォークは、車輪を支持するため、横方向から外力が入力されると撓むのでアウターチューブに対してインナーチューブが偏芯することがある。メインリップあるいはサブリップに突起面が形成されているため、インナーチューブを締め付ける緊迫力が高く、インナーチューブの偏芯に対しても、リップが追従して、ダストの侵入と作動流体の流出を防止できる。
よって、本シール部材はフロントフォークに最適となり、フロントフォークに使用することでフロントフォーク内へのダストの侵入と作動流体の流出を確実に阻止できる。
その結果、作動流体の外部への流出を阻止することができるとともに、ダストの侵入を防止できる。
本実施の形態に係るフロントフォークの縦断面図である。 図1のシール部材を示す拡大縦断面図である。 本実施の形態に係るメインリップの拡大断面図である。 本実施の形態に係るサブリップの拡大断面図である。 他の実施の形態に係るメインリップの拡大断面図である。 他の実施の形態に係るシール部材を示す縦断面図である。 従来のダストシールを示す拡大断面図である。
以下に、図示した本実施の形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るシール部材1は、筒部材3としてのアウターチューブ3に進退自在に挿入されるフロントフォーク10のインナーチューブ2を軸部材として、このインナーチューブ2の外周をシールするようになっている。具体的には、シール部材1は、筒部材に進退自在に挿入される軸部材2を囲む環状の基部4と、前記基部4の内周に設けられて大気側に傾斜して延び、前記軸部材2の外周に摺接する環状のメインリップ6と、前記基部4の内周に前記メインリップ6の密封側に直列に設けられて前記メインリップ6側に傾斜して延びる環状のサブリップ7とを備える。
前記シール部材1は、フロントフォーク10に用いられている。
図1に示すように、前記フロントフォーク10は、環状のアウターチューブ3と、前記アウターチューブ3に軸方向移動自在に挿入される環状のインナーチューブ2と、前記アウターチューブ3の内周に装着されて、前記インナーチューブ2の外周に摺接する環状の軸受11と、前記インナーチューブ2の外周に装着されて、前記アウターチューブ3の内周に摺接する軸受12と、前記インナーチューブ2及び前記アウターチューブ3内に収納されるダンパ13とを備えている。ダンパ13は、図1中下端がアウターチューブ3の底部に取り付けられたシリンダ15と、シリンダ15内に摺動自在に挿入されてシリンダ15内を二つの圧力室に区画する図示しないピストンと、一端がピストンに連結されるとともに図中上端がインナーチューブ2の頂部に取り付けられるピストンロッド14とを備えており、伸縮時に所定の減衰力を発揮する。したがって、このフロントフォーク10が伸縮すると、ダンパ13も伸縮するので、フロントフォーク10の伸縮を防げる減衰力が発揮される。また、シリンダ15とインナーチューブ2との間には懸架ばね16が介装されており、フロントフォーク10は常に懸架ばね16によって伸長方向へ附勢され、これにより、フロントフォーク10を二輪車等に適用した際に車体を弾性支持することができる。
なお、ダンパ13は、シリンダ15をインナーチューブ2に、ピストンロッド14をアウターチューブ3に取り付けるようにしてもよく、フロントフォーク10は、インナーチューブ2を下方にアウターチューブ3を上方に配置することも可能である。
前記シール部材1は、前記アウターチューブ3の開口端部に設けられ、前記インナーチューブ2が前記アウターチューブ3内に進入する際に、前記インナーチューブ2に附着しているダストを掻き落として、フロントフォーク10内部への侵入を防ぐ。
なお、本明細書で用いられる作動流体は、作動油、水、水溶液、電気粘性流体、磁気粘性流体等、フロントフォーク及びその他のダンパに適用可能なものを採用することができる。
以下、シール部材1の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る基部4は、軸方向に延びる環状の本体部4aと、前記本体部4aの上端から外周径方向かつ外方へ向けて突出する環状のフランジ4bと、前記本体部4aおよび前記フランジ4b内に設けたL字状の芯金4cとを備えている。
図2に示すように、本実施の形態に係るメインリップ6は、環状であって、本体部4a内周の図中上端から図中上方である大気側に傾斜しながら内周側へ向けて延び、先端が軸部材2としてのインナーチューブ2の外周に摺接する。また、前記メインリップ6の内径は、インナーチューブ2の外径よりも小径になっており、これにより、メインリップ6が撓み、撓んだメインリップ6が復元する際に発生する反発力でメインリップ6がインナーチューブ2を締め付けることができる。
図2に示すように、本実施の形態に係るサブリップ7は、環状であって、本体部4a内周のメインリップ6の図中下方から大気側に傾斜しながら内周側へ向けて延び、サブリップ7の内周面8に設けられた後述する突起面8bがインナーチューブ2の外周に摺接する。
図4に示すように、前記サブリップ7の内周面8には、傾斜面8aと突起面8bが備えられている。前記傾斜面8aは、基部4から延びて、徐々に縮径するように大気側に傾斜する面である。前記突起面8bは、前記内周面8の先端に、前記傾斜面8aよりも内周側へ向けて、つまり、軸部材であるインナーチューブ2側に向けて突起する面である。また、前記突起面8bは、断面円弧状になっている。
なお、前記突起面8bは、内周面8のインナーチューブ2に摺接する部位であればどこに設けられてもよいが、前記サブリップ7の前記突起面8bより先端側は機能的に不要な部分になるため、先端に設けた方が、好ましい。
また、前記サブリップ7の突起面8bの最小内径は少なくともインナーチューブ2の外径よりも小径になっており、これにより、リップが撓み、撓んだリップが復元する際に発生する反発力でサブリップ7がインナーチューブ2を締め付けることができる。
さらに、前記サブリップ7は、内周面8に突起面8bを備えているため、突起面8bの分だけサブリップ7の撓み量が増加し、それに伴って反発力が大きくなることで、面圧が大きくなる。面圧が大きくなると、前記サブリップ7の緊迫力が高まるため、インナーチューブ2に対しての追従性が増して、口開きによるダストの侵入を防ぐことができる。
なお、図2に示すように、本実施の形態においては、前記基部4と前記メインリップ6と前記サブリップ7との間に断面U字状のダスト溜まりが形成されており、この空間は、メインリップ6を通過したもののサブリップ7で掻き落としたダストを溜めることができ、ダストがフロントフォーク10内部に侵入するのを防止することができる。
転じて、図2に示すように、本実施の形態に係るアウターチューブ3には、開口端部の内周に凹部3aを設けてある。
そして、図2に示すように、本実施の形態に係るシール部材1は、フランジ4bをアウターチューブ3の図中上端に当接させるように本体部4aを凹部3aの内に圧入される。本体部4aおよびフランジ4b内には芯金4cが設けてあるので、本体部4aがアウターチューブ3の凹部3a内に圧入されると、シール部材1は強固にアウターチューブ3に固定される。また、芯金4cを設けているので本体部4aはアウターチューブ3の凹部3aの内側に強く密着し、フランジ4bもアウターチューブ3の端部に強く密着して、シール部材1はアウターチューブ3の内周をシールする。そして、シール部材1の内周側にインナーチューブ2が挿入されると、メインリップ6とサブリップ7が撓んで、インナーチューブ2の外周を締め付け、インナーチューブ2の外周がシールされる。このようにシール部材1の内周側にインナーチューブ2を挿入すると、メインリップ6とサブリップ7のインナーチューブ2との間の断面角度は以下のようになる。
本実施の形態に係るメインリップ6は、図3に示すように、メインリップ6の大気側の傾斜面6aとメインリップ6が摺接するインナーチューブ2の外周の摺接面2aとの間の断面角度c1が、メインリップ6の密封側の傾斜面6bと摺接面2aとの間の断面角度c2よりも大きく設定される。
断面角度の大きい方が、インナーチューブ2の進入行程時に、面圧勾配値の絶対値が高くなるため、インナーチューブ2の外周に附着する作動流体を掻き落とす効果が高くなる。したがって、大気側の断面角度c1を密封側の断面角度c2より大きく設定することで、前記インナーチューブ2の進入行程時に外部から作動流体膜と同時にダストが侵入することを防ぐことができる。
本実施の形態に係るサブリップ7は、図4に示すように、大気側の前記インナーチューブ2の外周と摺接している突起面8bは、断面円弧状に形成されている。円弧は、円の中心からの距離が全て等しいため、断面円弧上の突起面8bがインナーチューブ2に当接すると、インナーチューブ2との間の断面角度が大気側と密封側とで等しくなる。したがって、大気側の前記突起面8bと前記インナーチューブ2の外周の摺接面2bとの間の断面角度d1と、密封側の前記突起面8bと前記摺接面2bとの間の断面角度d2の差を限りなく小さくすることができる。
断面角度の差が小さい場合、大気側と密封側の前記突起面8bの最大面圧勾配値の絶対値の差が小さくなる。その結果、前記サブリップ7の前記突起面8bにおける前記インナーチューブ2の退出行程時の作動流体膜厚と、進入行程時の作動流体膜厚の差が小さくなるため、前記インナーチューブ2の進入行程時に大気側に移動した作動流体が前記インナーチューブ2の退出行程時に密封側に戻り、作動流体の外部への流出を阻止することができる。
また、断面突起の形状は、円弧状以外の形状を採用してもよいが、円弧状にすることでインナーチューブ2の進入によってリップ部が撓んで反発する際に発生する面圧が一か所に集中しないため、破損に強くなるとともに、容易に大気側と密封側とで面圧勾配値の絶対値の差を小さくできる利点がある。
なお、アウターチューブ3の凹部3a内であって、シール部材1の図中下方には、フロントフォーク内からの作動流体の漏えいを防止する流体シール9が設けられている。
以下、本実施の形態に係るシール部材1の作動について説明する。
メインリップ6とサブリップ7の内径がインナーチューブ2の外径より小さいため、前記インナーチューブ2が挿入されると前記メインリップ6と前記サブリップ7は撓む。撓んだ前記メインリップ6と前記サブリップ7は、撓んだ分を復元しようとするので、反発力が発生する。この反発力によって、メインリップ6とサブリップ7にインナーチューブ2を締め付ける緊迫力が発生する。
この緊迫力によって、前記メインリップ6と前記サブリップ7は、インナーチューブ2に密着して、インナーチューブ2のアウターチューブ3への進退行程時にインナーチューブ2に附着したダストを掻き落とす。
また、シール部材1に一体に形成される流体シール9はインナーチューブ2に附着している作動流体を掻き落とす。
さらに、サブリップ7は、内周面8に突起面8bを備えているため、突起面8bの分だけサブリップ7の撓み量が増えることで、復元による反発力も増大し、サブリップ7の面圧が大きくなる。その結果、サブリップ7の口開きによるダストの侵入を防ぐことができ、ダストを掻き出す機能が向上すると共に、インナーチューブ2の退出行程時の作動流体膜を薄くでき、作動流体膜の外部流出を防止できる。
加えて、本実施の形態に係るシール部材1は、フロントフォーク10に用いられており、前記フロントフォーク10は、車輪を支持するため、横方向から外力が入力され、インナーチューブ2は偏芯しやすいところ、メインリップ6あるいはサブリップ7に突起面8bが形成されているため、インナーチューブ2を締め付ける緊迫力が高く、インナーチューブ2の偏芯に対しても、リップが追従して、ダストの侵入と作動流体の流出を防止できる。
よって、シール部材1はフロントフォークに最適となり、フロントフォークに使用することでフロントフォーク内へのダストの侵入と作動流体の流出を確実に阻止できる。
なお、本実施の形態に係るシール部材1が用いられるのは、フロントフォークに限られず、他のダンパ、例えば四輪車用の油圧緩衝器に利用されてもよい。
また、本実施の形態では、サブリップ7にのみ突起面8bを設けているが、図5に示すように、サブリップ7の代わりにメインリップ6に突起面201を設けてもよく、また、メインリップ6とサブリップ7の両方にそれぞれ突起面8b,201が設けられてもよい。
図5に示すように、メインリップ200に突起面201を設けた場合にも、サブリップ7の場合と同様に、面圧を向上させ、口開きによるダストの進入を防止する効果を発揮できる。
また、大気側の突起面201と前記インナーチューブ2の外周の摺接面2cとの間の断面角度e1と、密封側の前記突起面201と前記摺接面2cとの間の断面角度e2の差を限りなく小さくすることができるため、大気側と密封側の作動流体膜厚の差を小さくし、作動流体の外部流出を阻止する効果を発揮することができる。
また、図6に示すように、シール部材300に、ダストシール5の他に流体シール309を設けてもよい。この流体シール309は、環状であって、外周側に溝を設けて、前記溝に環状のガータスプリング310を嵌め込むことで、流体シール309の緊迫力を高めている。
図6に示すように、シール部材300の基部4の内周の反メインリップ6側に流体シール309を設ける場合には、一つのシール部材300で、作動流体とダストの両方をシールすることができる上、組み立ての際、シール部材300を組み込むだけで足りるため、流体シール309とダストシール5をアウターチューブ3の開口端部にそれぞれ組み込む手間を省略することができる。また、前記流体シール309は、一般に使用されているものであればよく、特に図6に示す本実施の形態に係る流体シール309の形状に限定されない。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
1,300 シール部材
2 軸部材(インナーチューブ)
3 筒部材(アウターチューブ)
4 基部
6 メインリップ
7 サブリップ
8 内周面
8a 傾斜面
8b 突起面
9,309 流体シール

Claims (6)

  1. 筒部材に進退自在に挿入される軸部材を囲む環状の基部と、
    前記基部の内周に設けられて大気側に傾斜して延び、前記軸部材の外周に摺接する環状のメインリップと、
    前記基部の内周に前記メインリップの密封側に直列に設けられて大気側に傾斜して延びる環状のサブリップとを備え、
    前記メインリップまたは前記サブリップの少なくとも一方の内周面は、前記基部から延びる傾斜面と、前記傾斜面よりも前記軸部材側に向けて突起して前記軸部材の外周に摺接する突起面を備えることを特徴とするシール部材。
  2. 前記突起面が前記軸部材の外周に摺接するとき、前記突起面と前記軸部材の外周面との間の断面角度が、大気側と密封側とで等しくなることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
  3. 前記軸部材の外周と摺接している前記突起面が、断面円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシール部材。
  4. 前記メインリップは、前記メインリップの大気側の傾斜面と前記軸部材の外周面との間の断面角度が、前記メインリップの密封側の傾斜面と前記軸部材の外周面との間の断面角度よりも大きく設定され、
    前記サブリップは、内周面に前記傾斜面と前記突起面を備え、前記突起面が前記軸部材の外周に摺接するとき、前記突起面と前記軸部材の外周面との間の断面角度が、大気側と密封側で等しくなることを特徴とする請求項1に記載のダストシール。
  5. 前記基部の内周の密封側に流体シールが連結されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシール部材。
  6. アウターチューブと前記アウターチューブ内に軸方向移動自在に挿入されるインナーチューブと、前記アウターチューブと前記インナーチューブとの間に介装されるダンパとを備えるフロントフォークにおける前記アウターチューブに前記基部を固定し、前記インナーチューブを軸部材として前記インナーチューブの外周をシールする請求項1から5のいずれか1項に記載のシール部材。
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