JP2016118011A - 排水トラップ - Google Patents
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Abstract
Description
排水トラップは内部に排水を貯留可能な封水部を有しており、封水部において貯留された排水によって排水流路を満水(水封)状態にすることで、下流側から屋内に臭気や害虫が侵入することを防ぐトラップ機能を形成する。
ここで、上記排水トラップは、洗濯機が設備機器である場合、他の設備機器として洗濯機の故障や設備不良により漏水が生じた際等において室内が水浸しになることを防ぐ受け皿としての洗濯機防水パンからの排水が流入する構造となっている。又、浴槽が設備機器の場合には、上記排水トラップは、他の設備機器として浴槽が載置されている浴槽防水パンや浴室の排水を受ける洗い場防水パン等からの排水が流入する構造となっている。即ち、上記排水トラップは設備機器からの排水が流入する第一流路と、他の設備機器からの排水が流入する第二流路を有している。
トラップ本体は有底略円筒状且つ上部に開口を有する箱体であって、側面より排出口が開口している。フランジ部材は上端に外向きの鍔状部分を有する筒状であるとともに、外周に設けられた雄螺子によって前記トラップ本体の内周に設けられた雌螺子に螺合されている。
封水椀はトラップ本体内部に配置された椀状部材であって、設備機器から排出された排水を内部に貯留可能となっている。
防臭筒は前記フランジ部材に取り付けられた、内部に排水流路を形成する筒状部材であって、その下端が封水椀の内部に挿入されている。
泡止めパイプは防臭筒内部に配置された、内部に排水流路を形成する筒状部材である。又、泡止めパイプはその下端において内部を通過する排水を防臭筒外周と封水椀内周によって形成される排水流路へと誘導するガイド部を有し、当該ガイド部は防臭筒下端よりも下方に位置するように配置されている。
目皿は前記フランジ部材に取り付けられた円形の部材であって、防水パン上に生じた排水を排水トラップ内に排出するが、所定よりも大きなゴミの流出を防ぐ網状の捕集部を有している。
洗濯機からの排水が生じた際、当該排水は全て泡止めパイプを通じてトラップ本体内に流入し、ガイド部により防臭筒外周と封水椀内周によって形成される排水流路へと誘導される。そして、封水椀を溢れた排水はトラップ本体側方に開口する排出口より、更に下流側の配管へと排出される。従って、第一流路を通過する排水が防臭筒内周と泡止めパイプ外周によって形成される流路を通過することはほとんどない。
一方、防水パン上に排水が生じた場合、当該排水は目皿を通過してトラップ本体に流入する。当該排水は防臭筒内周と泡止めパイプ外周によって形成された排水流路を降下し、封水椀底面において流路を反転させ、封水椀を溢れた排水がトラップ本体側方に開口する排出口より、更に下流側の配管へと排出される。
しかし、上記排水トラップに対し、洗濯機から多量の排水が生じた場合や、洗濯機からの排水中に多量の泡が混入していた場合等において、当該排水が泡止めパイプのガイド部の隙間より第二流路へと逆流してしまい、防水パン上に溢れ出てしまうという問題があった。
又、特許文献2に記載の排水トラップにおいては、前記フロート式逆止め弁が目皿に設けられていることから、排水トラップは最低でも防臭筒の高さ幅に加えてフロート式逆止め弁の浮上する幅が必要となり、装置全体の全高が大きくなってしまっていた。尚、防臭筒と封水部によって形成される封水部分は、規格等により所定以上の高さが必要であるため、単に防臭筒を短くすることによって全高を下げることは難しい。
排水が流入する排水口と、
排水口から下方に延出された、下方に開口を備えた筒状の防臭筒と、
内部に防臭筒の下端を収納すると共に、排水を貯留して封水を形成する封水部と、
封水部を溢れた排水を下流側へと排出する排出口を有する排水トラップであって、
防臭筒は、設備機器からの排水が流入する第一流路と、
他の設備機器からの排水が流入する第二流路と、
第二流路に配置された、第一流路側からの排水等の逆流を防止する逆止め弁を備え、
第二流路は、防臭筒内部において前記第一流路に合流することを特徴とする排水トラップである。
内部に流路を形成する筒状のケーシング体を有し、当該ケーシング体が防臭筒に取り付けられることによって第二流路を形成することを特徴とする排水トラップである。
又、従来の排水トラップにおいては目皿に逆止め弁を設けていたことから、防臭筒の高さに加えて、逆止め弁の高さ幅が必要になっていたが、本発明においては防臭筒内に逆止め弁を配置したことにより、装置の全高を抑えることができる。
更に、第二流路は防臭筒内部において第一流路と合流することから、第一流路と第二流路が共通の封水を使用してトラップ機能を構成することが可能になるため、どちらか一方の流路が封水切れに成ってしまうことを防ぐことができる。
請求項2及び請求項3に記載の本発明によれば、略水平方向より第一流路と合流することから、当該合流箇所における流路面積を大きく確保することができるため、好適な排水流量を維持することができる。
請求項4に記載の本発明によれば、泡混じりの排水等、水よりも比重の低い流体によって排水流路が満たされた場合でも、好適に逆流を防ぐことができる。尚、上記「水よりも比重の低い」とは、実際には水よりも比重が低くはないが、空気等を多く含むことによって体積当たりの質量が水よりも低くなった流体を含むものである。
請求項5に記載の本発明によれば、防臭筒が下方に進むにつれて傾斜していることにより、防臭筒内部において第二流路が第一流路に合流する構造の防臭筒をインジェクション成形にて成形することが可能となる。
請求項6に記載の本発明によれば、ケーシング体を外すことによって逆止め弁や第二流路等の清掃が可能となり、メンテナンス性が向上する。
防水パン200は平面視略正方形であって、その四隅に洗濯機100を載置するための台座部を備えるとともに、外周が防水壁部におって覆われた受け皿状であり、底面において円形の排水トラップ1取り付け孔が開口している。尚、当該取り付け孔は防水パン200の最も低い位置に開口しており、図1に示す施工完了時において、防水パン200上に生じた排水等は全て排水トラップ1に流入するように形成されている。
第一流入口10は第一流路11の流入口であって、防臭筒9の上面且つ第二流入口12よりも上方にて開口し、洗濯機100と連結する排水エルボ23が取り付けられている。従って、洗濯機100からの排出された排水は全て第一流入口10より第一流路11内に流入する。
第一流路11は第一流入口10から流入した排水が流れる排水流路であり、排出口3へ向けて垂直方向に対して約8度傾斜している。又、第一流路11は防臭筒9内において、後述する第二流路13が略水平方向より合流するとともに、当該合流箇所に弁体17が取り付けられている。
第二流入口12は第二流路13の流入口であって、防臭筒9の上面において開口し、防水パン200上に流路を開放している。従って、防水パン200上に生じた排水は全て第二流入口12より第二流路13内に流入する。
第二流路13は第二流入口12から流入した排水が流れる排水流路であり、排出口3へ向けて垂直方向に対して約8度傾斜した後、屈曲部14を介して、防臭筒9の内部において略水平方向より第一流路11と合流している。又、第二流路13はその端部であって、第一流路11との合流部分において、弁体17が当接する弁座16を有し、当該弁座16に弁体17が当接することで流路が閉塞されている。ここで、当該弁座16は断面視略垂直となっており、上記弁体17は弁座16に対して略水平方向より当接する。尚、弁座16について「断面視略垂直」と記載しているが、実際には図1に示す弁座16の断面は垂直方向に対して約6度傾斜しており、弁座16は傾斜面となっている。従って、「弁体17は弁座16に対して略水平方向より当接」と記載しているが、実際には弁体17は約6度傾斜した状態で弁座16と当接しており、弁体17は第二流路13に上流側から排水が流入していない時には自重によって第二流路13を閉塞している。
弁体17は略長方形の板体であって、水よりも比重の高い素材より成り、その上端が第一流路11と第二流路13との境界において配置されており、弁蓋18によって回動自在に固定されている。又、弁体17は周囲に亘って凸部が形成されており、当該凸部によって前記弁座16と当接している。
弁蓋18は下方に弁押さえ19を有する板状であって、弁体17が防臭筒9内に配置された後、弁押さえ19によって防臭筒9の上方から前記弁体17を回動自在に固定する部材である。尚、弁蓋18は弁体17が配置された後に防臭筒9に溶着されている。
取付部20は防臭筒9の上端外周に設けられ、前記フランジ部材4の突起部6と係合する溝部21及びパッキンより成る。溝部21は取付部20の周囲に4箇所、周方向において90度毎に形成され、取付部20の下端から上方に向けて傾斜している。尚、溝部21の天地方向の幅は突起部6の天地方向の幅よりもやや大きく形成されており、突起部6が溝部21内を摺動可能である。又、施工完了状態において、突起部6は溝部21の端部に位置する。
ここで、第一流路11へと流入した排水は防臭筒9の下方へ向けて流れるが、排水の一部は弁体17を第二流路13側へと付勢する。従って、第一流路11内に排水が流れている間、第二流路13は無排水時よりも強固に閉塞されており、洗濯機100より多量の排水があった際等においても第二流路13へと排水の逆流が生じない。
そして、防臭筒9下端まで到着した排水は封水椀7の底面にてその流れを反転させ、防臭筒9の外周と封水椀7の内周によって形成された排水流路を上昇する。そして、封水椀7の側面に設けられた切り欠き8まで達した排水は封水椀7の外側へと溢れ出て、トラップ本体2の排出口3より下水側へ向けて排出される。
次に、第二流路13内へと流入した排水は第二流路13の屈曲部14によってその流れ方向を約90度屈曲させ、弁体17に当接する。この時、弁体17に対して弁座16から離間する方向に水圧が加わるため、その上端を軸として回動し、第二流路13を開放する。
そして、弁体17を回動させた排水は略水平方向より第一流路11へと流入し、防臭筒9の下方へ向けて流れる。
以降の流れは前記第一流路11を流れる排水の流れと同様に、防臭筒9の外周と封水椀7の内周によって形成された排水流路を通り、切り欠き8、排出口3より下水側へ向けて排出される。
防水パン200からの排水が終了した際には、逆止め弁15は弁体17が自重により回動し、弁座16に当接することによって再び第二流路13を閉塞する。
又、第二流路13の弁座16に対して弁体17が略水平方向より当接することから、開弁時の排水流路が広く、好適な排水流量を確保することが可能となる。更に、防臭筒9内に逆止め弁15を設けているため、装置の全高を抑えることができる。
そして、第二流路13は防臭筒9内部において略水平方向より第一流路11と合流することから、第一流路11と第二流路13が共通の封水を使用してトラップ機能を構成することが可能になるため、どちらか一方の流路が封水切れとなることを防ぐことができる。
又、防臭筒9は下方へ進むにつれて垂直方向に対して約8度傾斜しており、且つ弁座16が防臭筒9と同じ方向へと約6度傾斜した構成となっている。従って、第一流路11と第二流路13との境界をパーティングラインとして成形を行うことによって、防臭筒9をインジェクション成形にて一体成形することが可能となる。
第一流入口10は第一流路11の流入口であって、防臭筒9の上面且つ第二流入口12よりも上方にて開口し、洗濯機100と連結する排水エルボ23が取り付けられている。従って、洗濯機100からの排出された排水は全て第一流入口10より第一流路11内に流入する。
第一流路11は第一流入口10から流入した排水が流れる排水流路であり、側壁が垂下している。又、第一流路11は防臭筒9内において、後述する第二流路13が略水平方向より合流するとともに、当該合流箇所に弁体17が取り付けられている。
第二流入口12は第二流路13の流入口であって、防臭筒9の上面において開口し、防水パン200上に流路を開放している。従って、防水パン200上に生じた排水は全て第二流入口12より第二流路13内に流入する。又、第二流入口12には内部にケーシング体24が挿入されており、防水パン200上に生じた排水は全て第二流入口12よりケーシング体24に流入する。
ケーシング体24は平面視略半円状の筒体であって、内部に第二流路13となる排水流路を構成し、排出口3へ向けて垂直方向に対して約8度傾斜した後、屈曲部14を介して、防臭筒9の内部において略水平方向より第一流路11と合流している。又、ケーシング体24はその側面であって、第一流路11との合流部分において、弁体17が当接する弁座16を有し、当該弁座16に弁体17が当接することによって流路が閉塞されている。ここで、当該弁座16は断面視略垂直となっており、上記弁体17は弁座16に対して略水平方向より当接する。尚、弁座16について「断面視略垂直」と記載しているが、実際には図1に示す弁座16の断面は垂直方向に対して約6度傾斜しており、弁座16は傾斜面となっている。従って、「弁体17は弁座16に対して略水平方向より当接」と記載しているが、実際には弁体17は約6度傾斜した状態で弁座16に当接しており、弁体17は第二流路13に上流側から排水が流入していない時には自重によって第二流路13を閉塞している。
弁体17は略長円形の板体であって、水よりも比重の高い素材より成り、その上端がケーシング体24側面において回動自在に固定されている。又、弁体17は周囲に亘って凸部が形成されており、当該凸部によって前記弁座16と当接している。
取付部20は防臭筒9の上端外周に設けられ、前記フランジ部材4の突起部6と係合する溝部21及びパッキンより成る。溝部21は取付部20の周囲に4箇所、周方向において90度毎に形成され、取付部20の下端から上方に向けて傾斜している。尚、溝部21の天地方向の幅は突起部6の天地方向の幅よりもやや大きく形成されており、突起部6が溝部21内を摺動可能である。又、施工完了状態において、突起部6は溝部21の端部に位置する。
ここで、第一流路11へと流入した排水は防臭筒9の下方へ向けて流れるが、排水の一部は弁体17を第二流路13側へと付勢する。従って、第一流路11内に排水が流れている間、第二流路13は無排水時よりも強固に閉塞されており、洗濯機100より多量の排水があった際等においても第二流路13へと排水の逆流が生じない。
そして、防臭筒9下端まで到着した排水は封水椀7の底面にてその流れを反転させ、防臭筒9の外周と封水椀7の内周によって形成された排水流路を上昇する。そして、封水椀7の側面に設けられた切り欠き8まで達した排水は封水椀7の外側へと溢れ出て、トラップ本体2の排出口3より下水側へ向けて排出される。
次に、第二流路13内へと流入した排水は第二流路13の屈曲部14によってその流れ方向を約90度屈曲させ、弁体17に当接する。この時、弁体17に対して弁座16から離間する方向に水圧が加わるため、その上端を軸として回動し、第二流路13を開放する。
そして、弁体17を回動させた排水は略水平方向より第一流路11へと流入し、防臭筒9の下方へ向けて流れる。
以降の流れは前記第一流路11を流れる排水の流れと同様に、防臭筒9の外周と封水椀7の内周によって形成された排水流路を通り、切り欠き8、排出口3より下水側へ向けて排出される。
防水パン200からの排水が終了した際には、逆止め弁15は弁体17が自重により回動し、弁座16に当接することによって再び第二流路13を閉塞する。
又、第二流路13の弁座16に対して弁体17が略水平方向より当接することから、開弁時の排水流路が広く、好適な排水流量を確保することが可能となる。更に、防臭筒9内に逆止め弁15を設けているため、装置の全高を抑えることができる。
そして、第二流路13は防臭筒9内部において略水平方向より第一流路11と合流することから、第一流路11と第二流路13が共通の封水を使用してトラップ機能を構成することが可能になるため、どちらか一方の流路が封水切れとなることを防ぐことができる。
又、防臭筒9はケーシング体24を内部に有しており、当該ケーシング体24は防臭筒9に対して着脱可能となっている。従って、ケーシング体24を防臭筒9より取り外すことによって、防臭筒9を取り外すことなく逆止め弁15等の清掃を行うことが可能となっている。
2 トラップ本体
3 排出口
4 フランジ部材
5 段部
6 突起部
7 封水椀
8 切り欠き
9 防臭筒
10 第一流入口
11 第一流路
12 第二流入口
13 第二流路
14 屈曲部
15 逆止め弁
16 弁座
17 弁体
18 弁蓋
19 弁押さえ
20 取付部
21 溝部
22 目皿
23 排水エルボ
24 ケーシング体
P パッキン
100 洗濯機
200 防水パン
Claims (6)
- 排水が流入する排水口と、
排水口から下方に延出された、下方に開口を備えた筒状の防臭筒と、
内部に防臭筒の下端を収納すると共に、排水を貯留して封水を形成する封水部と、
封水部を溢れた排水を下流側へと排出する排出口を有する排水トラップであって、
防臭筒は、設備機器からの排水が流入する第一流路と、
他の設備機器からの排水が流入する第二流路と、
第二流路に配置された、第一流路側からの排水等の逆流を防止する逆止め弁を備え、
第二流路は、防臭筒内部において前記第一流路に合流することを特徴とする排水トラップ。 - 前記第二流路が、防臭筒内において流路を屈曲させて、略水平方向より第一流路と合流することを特徴とする請求項1に記載の排水トラップ。
- 前記逆止め弁が、その一端が回動可能に防臭筒内に固定されたスイング式逆止め弁であって、第二流路に対して略水平方向より当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排水トラップ。
- 前記逆止め弁が、上流側からの排水の流入が無い場合において第二流路の閉塞を維持することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の排水トラップ。
- 前記防臭筒が、下方に進むにつれて傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の排水トラップ。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の排水トラップにおいて、
内部に流路を形成する筒状のケーシング体を有し、当該ケーシング体が防臭筒に取り付けられることによって第二流路を形成することを特徴とする排水トラップ。
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JP3050113U (ja) * | 1997-12-22 | 1998-06-30 | 丸一株式会社 | 防水パン等の排水装置 |
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2014
- 2014-12-19 JP JP2014256948A patent/JP6539867B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS52163958U (ja) * | 1976-06-05 | 1977-12-12 | ||
JP3050113U (ja) * | 1997-12-22 | 1998-06-30 | 丸一株式会社 | 防水パン等の排水装置 |
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