JP2016117611A - 管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】管ガラス出口の底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を除去しやすく構成した管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】マッフル炉4と、マッフル炉4内に配置されたスリーブ2と、を備え、スリーブ2上に供給される溶融ガラスをスリーブ2の先端から引き出す管ガラス製造装置10であって、マッフル炉4は、管ガラスGを引き出すための管ガラス出口4Bを備え、管ガラス出口4Bの下方の面を形成する底部に、冷媒によって冷却可能な冷却板11を設けた。【選択図】図2
Description
本発明は、管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法の技術に関する。
管ガラスを成形する装置として、マッフル炉と、マッフル炉内に配置されたスリーブと、を備え、スリーブの先端を下向きに配置し、スリーブ上に供給される溶融ガラスをスリーブの先端から引き出すガラス製造装置が公知となっている(特許文献1参照)。マッフル炉は、溶融ガラスを引き出すガラス出口を有している。
特許文献1に示す如く、従来のガラス出口は、マッフル炉の他の素材と同様の素材(例えば、煉瓦)で構成されている。溶融ガラスをスリーブの先端から引き出す際に、溶融ガラスが断裂した時は、後続の溶融ガラスはガラス出口の底面に落下して付着してしまう。
また、マッフル炉内の空気には溶融ガラスから揮発したホウ酸成分等が含まれており、ガラス出口において揮発したホウ酸成分が外気で冷やされて結露して、ガラス出口に付着することがある。
このように、ガラス出口の底面に付着した溶融ガラスや、結露した付着物は、底面から剥離し難く処理が困難であり、徐々に堆積することになる。溶融ガラスや、結露した付着物がガラス出口の底面に堆積すると、マッフル炉内の炉圧が変動し、管ガラスの肉厚や径が変動するという問題がある。
また、マッフル炉内の空気には溶融ガラスから揮発したホウ酸成分等が含まれており、ガラス出口において揮発したホウ酸成分が外気で冷やされて結露して、ガラス出口に付着することがある。
このように、ガラス出口の底面に付着した溶融ガラスや、結露した付着物は、底面から剥離し難く処理が困難であり、徐々に堆積することになる。溶融ガラスや、結露した付着物がガラス出口の底面に堆積すると、マッフル炉内の炉圧が変動し、管ガラスの肉厚や径が変動するという問題がある。
そこで、本発明は係る課題に鑑み、ガラス出口の底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を除去しやすく構成した管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明における管ガラス製造装置は、マッフル炉と、前記マッフル炉内に配置されたスリーブと、を備え、前記スリーブ上に供給される溶融ガラスを前記スリーブの先端から引き出す管ガラス製造装置であって、前記マッフル炉は、管ガラスを引き出すための管ガラス出口を備え、前記管ガラス出口の下方の面を形成する底部に、冷媒によって冷却可能な冷却部材を設けたことを特徴とする。
このような構成からなる本発明の管ガラス製造装置によれば、管ガラス出口の底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成とすることができる。
また、本発明における管ガラス製造装置は、前記冷媒を水で構成し、前記冷却部材の内部に、前記水を通すための通路を設けたことを特徴とする。
このような構成からなる本発明の管ガラス製造装置によれば、冷却部材を継続的に冷却することができるので、管ガラス出口の底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成とすることができる。
また、本発明における管ガラスの製造方法は、上記の管ガラスの製造装置により管ガラスを製造することを特徴とする。
このような構成からなる本発明の管ガラスの製造方法によれば、管ガラス出口の底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を容易に除去できるため、マッフル炉内の圧力の変動を抑えることができ、肉厚や径のばらつきの小さい管ガラスを製造することができる。
本発明における管ガラスの製造装置及び管ガラスの製造方法によれば、ガラス出口の底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を容易に除去することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、図1は管ガラス製造装置10の側面図である。なお管ガラス製造過程の下流側(図1の矢印方向)を前方、上流側を後方として説明する。
まず、本実施形態に係る管ガラス製造装置10について図1を用いて説明する。
本実施形態に係る管ガラス製造装置10は、スリーブ2を用いたダンナー方式の管引き装置であり、ガラス溶融炉1、スリーブ2、スリーブ2を回転駆動するスリーブ駆動装置3、スリーブ2を格納するマッフル炉4、走行路5、搬送ローラ6、管引き機7、切断機8、コンベア9等を有する。なお、管ガラスGは、ガラス溶融炉1で溶融した溶融ガラスをスリーブ2に供給し、搬送ローラ6及び管引き機7を用いて、スリーブ2先端から溶融ガラスを引き延ばすことで成形される。
ガラス溶融炉1は、ガラス原料を溶融する炉であり、ガラス溶融炉1内で溶融された溶融ガラスは、マッフル炉4内のスリーブ2へと供給される。
スリーブ2は、円筒状に形成された耐火物により構成され、その先端部2aは先端側へ向かうにつれて縮径するテーパー形状に形成されている。スリーブ2は、回転することにより、マッフル炉4へ供給された溶融ガラスを巻回させて円筒状に成形するものである。スリーブ2は、先端部2aへ向かうにつれて下方へ傾斜するように配置されており、スリーブ駆動装置3のシャフト21に連結される。シャフト21は、スリーブ2の基端部2bから先端部2aにわたって挿通されている。スリーブ2はマッフル炉4に格納される。
マッフル炉4は、ガラス溶融炉1の下流側に設けられており、ガラス溶融炉1から供給される溶融ガラスを流入させるための溶融ガラス供給口4Aが設けられている。溶融ガラス供給口4Aは、溶融ガラスをスリーブ2に流下させることができる位置に配置されており、本実施形態においては、溶融ガラス供給口4Aはスリーブ2の基端部2bの直上方に設けられている。また、マッフル炉4の下流側には管ガラス出口4Bが設けられおり、管ガラス出口4Bには、マッフルドアが設けられている。管ガラス出口4Bは図3に示すように管ガラスGの引抜き方向から見て多角形状に構成されており、本実施形態においては、八角形状に形成されている。また、マッフル炉4の上流側にはスリーブ用開口4Cが設けられている。また、マッフル炉4の底壁4Dは下流側に向かうにしたがって下方へ傾斜するように形成されている。
走行路5は、マッフル炉4の下流側に設けられており、曲線状に形成されている。また、走行路5は、下面が開放された箱状のカバーによって被覆されている。
搬送ローラ6は、走行路5及び走行路5の下流側に設けられており、管ガラスGを下方から支持しつつ下流側へ搬送する。走行路5の下流側に設けられた搬送ローラ6は、等間隔を開けて水平方向に複数個配置されている。
管引き機7は、走行路5の下流側に設けられており、走行路5から送り出される管ガラスGを一定速度でけん引し、切断機8に向けて送り出すものである。
管引き機7は、上下に無端ベルトを配置しており、上下のベルトによって管ガラスGの上下面を挟持して下流方向へけん引案内することにより管ガラスGを移動させる。
管引き機7は、上下に無端ベルトを配置しており、上下のベルトによって管ガラスGの上下面を挟持して下流方向へけん引案内することにより管ガラスGを移動させる。
切断機8は、管引き機7から送り出される管ガラスGを一定長さごとに切断するもので、従来と同様の構成である。切断機8で切断された管ガラスGはコンベア9で次工程へ搬送される。
次に、管ガラス出口4Bの下方の面を形成する底部に設けられた冷却部材である冷却板11について図を用いて説明する。
冷却板11は、管ガラス出口4Bの底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を除去しやすくするための部材であり、本実施形態では略直方体の板状に形成されており、各面のうち最も面積の大きい面が上下方向となるように配置されている。なお、本実施形態においては、板材にて形成しているがこれに限定するものではなく、例えば、多角柱や角を丸めた柱体で構成することも可能である。
冷却板11は、管ガラス出口4Bの底面に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等を除去しやすくするための部材であり、本実施形態では略直方体の板状に形成されており、各面のうち最も面積の大きい面が上下方向となるように配置されている。なお、本実施形態においては、板材にて形成しているがこれに限定するものではなく、例えば、多角柱や角を丸めた柱体で構成することも可能である。
冷却板11は、金属で形成されており、本実施形態では鉄で形成されている。冷却板11の素材は、金属であれば鉄に限定するものではなく、例えば、銅やアルミで形成することも可能である。
冷却板11は、管ガラス出口4Bの底部に設けられており、冷却板11の上面がマッフル炉4の底壁4Dの下流端上面と同じ高さになるように配置されている。このように構成することにより、マッフル炉4の底壁4Dの上面と冷却板11の上面とが連続することにより、マッフル炉4の底壁4Dに落下した溶融ガラスが冷却板11へ滞ることなく移動する。
また、底壁4Dの下流側端面と、冷却板11の上流側端面とが接触するように配置されており、冷却板11は、下流方向への移動不能に固定されている。このように構成することにより、底壁4Dが時間経過によって自重により下流方向へ移動するのを防止することができる。
冷却板11は、冷媒によって冷却可能に構成されている。具体的には、図2に示すように、冷却板11の内部であって冷却板の長手方向と平行な方向に、冷媒通路12が設けられている。本実施形態においては、供給側の冷媒通路12と排出側の冷媒通路12との二本の通路が設けられている。
冷媒は、冷却板11の上面にガラスを冷やすための液体であり、本実施形態では水で構成されている。なお、冷媒は、水に限定するものではなく、溶融塩などで構成することも可能である。
冷却板11は、例えば溶融ガラスの凝固温度以下の温度となるように、冷媒により冷却される。
冷媒は、冷却板11の上面にガラスを冷やすための液体であり、本実施形態では水で構成されている。なお、冷媒は、水に限定するものではなく、溶融塩などで構成することも可能である。
冷却板11は、例えば溶融ガラスの凝固温度以下の温度となるように、冷媒により冷却される。
次に、本実施形態に係る管ガラス製造装置10を用いた管ガラス製造方法について説明する。
まず、ガラス溶融炉1内で溶融された溶融ガラスを、マッフル炉4内のスリーブ2へと供給する。
次に、回転するスリーブ2にマッフル炉4へ供給された溶融ガラスを巻回させて円筒状に成形する。この際、シャフト21に形成された図示せぬ孔の先端からブローエアーを噴出することで、溶融ガラスは円筒状の連続した管ガラスGとして成形される。
次に、成形された管ガラスGの先端を管引き機7に導いて連続的に管引き成形する。具体的には、管ガラスGの先端を作業者等によって管引き機7にけん引案内する。
次に、管引き成形された管ガラスGを切断機8で一定長さごとに切断する。切断機8で切断された管ガラスGはコンベア9で次工程へ搬送される。
まず、ガラス溶融炉1内で溶融された溶融ガラスを、マッフル炉4内のスリーブ2へと供給する。
次に、回転するスリーブ2にマッフル炉4へ供給された溶融ガラスを巻回させて円筒状に成形する。この際、シャフト21に形成された図示せぬ孔の先端からブローエアーを噴出することで、溶融ガラスは円筒状の連続した管ガラスGとして成形される。
次に、成形された管ガラスGの先端を管引き機7に導いて連続的に管引き成形する。具体的には、管ガラスGの先端を作業者等によって管引き機7にけん引案内する。
次に、管引き成形された管ガラスGを切断機8で一定長さごとに切断する。切断機8で切断された管ガラスGはコンベア9で次工程へ搬送される。
回転するスリーブ2にマッフル炉4へ供給された溶融ガラスを巻回させて円筒状に成形する過程において、スリーブ2の先端から溶融ガラスが下方へ落下することがある。スリーブ2の先端から落下した溶融ガラスは、マッフル炉4の底壁4Dに着地し、底壁4Dの傾斜に沿って下流側へ移動する。そして、冷却板11の上面へ移動してきた溶融ガラスは、冷却板11内へ供給される冷媒によって冷却され、固形化する。ここで、冷却板11は、金属で形成されているため、冷却され固化したガラスを、冷却板11から剥離しやすくなる。
また、管ガラス出口4B周辺はマッフル炉4の周囲と比較して温度が低いため、気化していた揮発物が結露し、冷却板11上面に落下して付着する。このような結露した付着物も、冷却板11内へ供給される冷媒によって冷却され、固形化する。ここで、冷却板11は、金属で形成されているため、冷却され固化した付着物も、冷却板11から剥離しやすくなる。
以上のように、マッフル炉4と、マッフル炉4内に配置されたスリーブ2と、を備え、スリーブ2上に供給される溶融ガラスをスリーブ2の先端から引き出す管ガラス製造装置10であって、マッフル炉4は、管ガラスGを引き出すための管ガラス出口4Bを備え、管ガラス出口4Bの下方の面を形成する底部に、冷媒によって冷却可能な冷却板11(冷却部材)を設けたものである。
このような構成とすることにより、管ガラス出口4Bの底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成することができる。
このような構成とすることにより、管ガラス出口4Bの底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成することができる。
また、冷媒を水で構成し、冷却板11の内部に、水を通すための冷媒通路12(通路)を設けたものである。
このような構成とすることにより、冷却板11を継続的に冷却することができるので、管ガラス出口4Bの底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成することができる。
このような構成とすることにより、冷却板11を継続的に冷却することができるので、管ガラス出口4Bの底部に落下して付着した溶融ガラスや、結露した付着物等の除去を容易に行うことが可能な構成することができる。
なお、本実施形態においては、冷媒として、水等の液体を用いたがこれに限定するものではなく、例えば空気などの気体を用いて空冷方式を採用することも可能である。
1 ガラス溶融炉
2 スリーブ
3 スリーブ駆動装置
4 マッフル炉
5 走行路
6 搬送ローラ
7 管引き機
8 切断機
10 管ガラス製造装置
11 冷却板(冷却部材)
12 冷媒通路(通路)
2 スリーブ
3 スリーブ駆動装置
4 マッフル炉
5 走行路
6 搬送ローラ
7 管引き機
8 切断機
10 管ガラス製造装置
11 冷却板(冷却部材)
12 冷媒通路(通路)
Claims (3)
- マッフル炉と、前記マッフル炉内に配置されたスリーブと、を備え、前記スリーブ上に供給される溶融ガラスを前記スリーブの先端から引き出す管ガラス製造装置であって、前記マッフル炉は、管ガラスを引き出すための管ガラス出口を備え、前記管ガラス出口の下方の面を形成する底部に、冷媒によって冷却可能な冷却部材を設けた、
ことを特徴とする管ガラス製造装置。 - 前記冷媒を水で構成し、前記冷却部材の内部に、前記水を通すための通路を設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の管ガラス製造装置。 - 請求項1または請求項2に記載の管ガラスの製造装置により管ガラスを製造する、
ことを特徴とする管ガラスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014257853A JP2016117611A (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法 |
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JP2014257853A JP2016117611A (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法 |
Publications (1)
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JP2014257853A Pending JP2016117611A (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 管ガラス製造装置及び管ガラスの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190085084A (ko) * | 2016-11-30 | 2019-07-17 | 코닝 인코포레이티드 | 유리 튜브 테이퍼를 제어하기 위한 방법 및 장치 |
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2014
- 2014-12-19 JP JP2014257853A patent/JP2016117611A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190085084A (ko) * | 2016-11-30 | 2019-07-17 | 코닝 인코포레이티드 | 유리 튜브 테이퍼를 제어하기 위한 방법 및 장치 |
KR102408474B1 (ko) * | 2016-11-30 | 2022-06-14 | 코닝 인코포레이티드 | 유리 튜브 테이퍼를 제어하기 위한 방법 및 장치 |
US11673822B2 (en) | 2016-11-30 | 2023-06-13 | Corning Incorporated | Method and apparatus for controlling glass tube taper |
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