JP2016117180A - 液体吐出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラスターラインを搬送方向に並べることで印刷される画像に濃淡ムラを抑制すること。【解決手段】印刷データに基づき、用紙10に対して相対移動するヘッド41のノズル43からインク滴46を吐出してドットを形成する液体吐出方法であって、本願の液体吐出方法では、ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量は、目標の吐出量(所定の吐出量)及び実際の吐出量(単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量)の差異情報と、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報とに基づき、ヘッド41がインク滴46を吐出しながら相対移動する1回の吐出走査単位(1回のパス)で補正されることを特徴とする。【選択図】図14

Description

本発明は、液体吐出方法に関する。
液体を吐出する吐出装置として、インクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターは、圧電素子を備えたヘッドを有し、圧電素子を伸縮させてヘッドに設けられた複数のノズルからインクを吐出し、ドットを媒体に形成(印刷)する。詳しくは、インクジェットプリンターは、媒体の搬送方向と交差する走査方向にドットの列(ラスターライン)を形成する動作(パス)と、搬送方向に媒体を搬送する搬送動作と、を交互に繰り返し、複数回のパスで形成された走査方向のドットの列(ラスターライン)を搬送方向に並べることで所定の画像を印刷する。
ところが、ノズルの製造誤差(加工公差)によって各ノズルから吐出されるインク量が均一でない。このため、特許文献1では、複数回のパスで形成された画像(テストパターン)を測色し、その測色結果から補正値を取得し、当該補正値によって各ノズルから吐出されるインク量を補正する。
特開2009−143135号公報
一方、ノズルから吐出されるインク量は、ノズルの加工公差以外の要因、例えば単位時間当たりの吐出回数によっても変動する。ところが、特許文献1では、単位時間当たりの吐出回数によって変動するインク量が補正されていないという課題があった。例えば、ラスターラインを形成する複数回のパスのそれぞれで、単位時間当たりの吐出回数が異なると、ラスターラインを構成するドットの状態が異なるため、ラスターライン間で色の状態(色の濃度)が異なり、ラスターラインを搬送方向に並べることで印刷される画像に濃淡ムラが生じるおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る液体吐出方法は、画像データに基づき、媒体に対して相対移動するヘッドのノズルから液体を吐出してドットを形成する液体吐出方法であって、前記ノズルが吐出する前記液体の吐出量は、所定の吐出量及び単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量の差異情報と、前記画像データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報とに基づき、前記ヘッドが前記液体を吐出しながら相対移動する1回の吐出走査単位で補正されることを特徴とする。
所定の吐出量とは、目標の吐出量であり、濃淡ムラが生じにくい吐出量である。単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量とは、補正前の吐出量であり、濃淡ムラが生じやすい吐出量である。例えば、圧電素子を伸縮させてノズルから液体を吐出させる液体吐出方法では、圧電素子の伸縮の状態によって単位時間当たりの吐出回数(補正後の吐出量)が決定される。
本適用例では、ノズルから吐出される補正前の吐出量が目標の吐出量となるように、目標の吐出量及び補正前の吐出量の差異情報と、画像データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報とに基づき、ヘッドから吐出される液体の量を補正する。詳しくは、ヘッドが液体を吐出しながら相対移動する1回の吐出走査単位で、液体の吐出量は濃淡ムラが生じにくい吐出量に補正されるので、印刷された画像に濃淡ムラが生じにくい。
例えば、圧電素子を伸縮させてノズルから液体を吐出させる液体吐出方法では、目標の吐出量(濃淡ムラが生じにくい吐出量)となるように、圧電素子の伸縮状態を1回の吐出走査単位で補正する。すなわち、濃淡ムラが生じにくい吐出量となるように、圧電素子の伸縮の状態が1回の吐出走査単位で補正されるので、印刷された画像に濃淡ムラが生じにくい。さらに、圧電素子の伸縮状態以外の原因で吐出量が変化する場合であっても、濃淡ムラが生じにくい吐出量となるように、液体の吐出量が1回の吐出走査単位で補正されるので、印刷された画像に濃淡ムラが生じにくい。
[適用例2]上記適用例に記載の液体吐出方法において、前記ヘッドは、前記ノズルが複数配置されたノズル群を複数有し、前記液体の吐出量は、前記ノズル群単位で補正されることが好ましい。
ノズル群単位で、ノズル群に複数配置されたノズルのそれぞれで、目標の吐出量(濃淡ムラが生じにくい吐出量)の液体が吐出されるように補正することによって、吐出された液体によって印刷された画像に濃淡ムラが生じにくくなる。
[適用例3]上記適用例に記載の液体吐出方法において、前記ヘッドは、前記ノズルを複数有し、前記液体の吐出量は、前記ノズル単位で補正されることが好ましい。
ヘッドの複数のノズルのそれぞれで、目標の吐出量(濃淡ムラが生じにくい吐出量)の液体が吐出されるように補正することによって、吐出された液体によって印刷された画像に濃淡ムラが生じにくくなる。
[適用例4]上記適用例に記載の液体吐出方法において、前記液体の吐出量は、前記媒体へ吐出される液滴量を変更することによって補正されることが好ましい。
濃い色に印刷される部分ではドットが小さくなるように液滴量を変更し、淡い色に印刷される部分ではドットが大きくなるように液滴量を変更することで、印刷された画像の濃淡ムラを小さくすることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の液体吐出方法において、前記液体の吐出量は、前記媒体へ吐出する前記液体の吐出数を変更することによって補正されることが好ましい。
液体の吐出数を変更することで液体の吐出量を補正するとは、液体の吐出数によってドットの数を補正することに該当する。すなわち、濃い色に印刷される部分ではドットの数が少なくなるように液体の吐出数を変更し、淡い色に印刷される部分ではドットの数が多くなるように液体の吐出数を変更することで、印刷された画像の濃淡ムラを小さくすることができる。
[適用例6]上記適用例に記載の液体吐出方法において、前記液体の吐出量は、前記液体を吐出する前記ノズルの使用率を変更することによって補正されることが好ましい。
ドットの列を構成するドットが複数のノズルで形成されている場合、ドットの列を構成する全ドット数における、一のノズルによって形成されたドット数の割合が、当該一のノズルのノズル使用率である。つまり、ノズルの使用率を変更することによって、当該一のノズルで形成されるドット数を変更することができる。例えば、濃い色に印刷されたドットの列ではドットの数が少なくなるようにノズル使用率を変更し、淡い色に印刷されたドットの列ではドットの数が多くなるようにノズル使用率を変更することで、印刷された画像の濃淡ムラを小さくすることができる。
実施形態1に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図。 (a)はインクジェットプリンターの全体構成を示す概略図、(b)はインクジェットプリンターの横断面図。 ヘッドに設けられたノズルの配列を示す説明図。 ヘッドの内部構成を示す断面図。 ノズル使用率とインク滴の吐出量との関係を示すグラフ。 ノズル使用率と反射率との関係を示すグラフ。 1回のパスにおけるヘッドのノズル使用率の状態を示す模式図。 6回のパスで形成された画像の状態を示す模式図。 ノズル#1〜ノズル#nのノズルを有するヘッドのノズル使用率の状態を示す模式図。 図9に示すヘッドを用いて1回のパスで形成された画像の色の状態を示す模式図。 図8に示す6回のパスで形成された画像の色の濃度の状態を示す模式図。 図8に示す6回のパスで形成された画像の色の濃度の状態を示す模式図。 プリンターの製造工場側において行われる濃淡ムラ補正値を取得する処理のフロー図。 ユーザー側で行なわれる印刷時の処理のフロー図。 印刷データ生成処理のフロー図。 濃淡ムラ補正の説明図。 他の濃淡ムラ補正の説明図。 実施形態2に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図。 ヘッドに設けられたノズルの配列を示す説明図。 ヘッドセットを仮想ヘッドセットとして表記する説明図。 2ヘッドを用いて7回のパスで形成された画像を示す模式図。 実施形態3に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図。 実施形態3に係るプリンターの全体構成を示す概略図。 変形例1に係るヘッドのノズル使用率の状態を示す図。 5回のパスで形成される画像(ラスターライン)の状態と、画像の色の濃度の状態とを示す模式図。 変形例2に係るラスターラインを形成する方法の説明図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本願の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本願の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「印刷システムの概要」
図1は、実施形態1に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図2(a)は、インクジェットプリンターの全体構成を示す概略図である。図2(b)は、インクジェットプリンター(以降、プリンターと称す)の横断面図である。
以下に図1及び図2を参照して、印刷システム1の概要を説明する。
図1に示すように、印刷システム1は、プリンター100と、コンピューター110(以降、PC110と称す)とを有している。
PC110は、プリンター100と通信可能に接続され、画像データの一例である印刷データをプリンター100に出力する。PC110には、アプリケーションプログラムやプリンタードライバーなどのコンピュータープログラムがインストールされている。
プリンター100は、PC110から出力された印刷データに基づき所定の画像を印刷する印刷装置である。
図1及び図2に示すように、プリンター100は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。PC110からの印刷データを受信したプリンター100は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、「媒体」の一例である用紙10に画像を印刷する。プリンター100内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。
以降の説明では、用紙10が搬送(排出)される搬送方向をY方向とし、Y方向に交差しキャリッジユニット30が移動する走査方向をX方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。また、図中で方向を示す矢印の先端側を「(+)方向」、基端側を「(−)方向」とする。
搬送ユニット20は、用紙10を搬送方向(Y方向)に移動させる機能を有する。搬送ユニット20は、給紙ローラー21、搬送モーター22、搬送ローラー23、プラテン24、排紙ローラー25などを備える。給紙ローラー21は、プリンター100の背面(Y(−)方向)から挿入された用紙10をプリンター100の内部に給紙する。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された用紙10をプラテン24の上部の印刷可能な領域まで搬送する。プラテン24は、印刷中の用紙10を支持する。排紙ローラー25は、用紙10をプリンター100の前面(搬送方向)に排出する。給紙ローラー21、搬送ローラー23、及び排紙ローラー25は、搬送モーター22によって駆動される。
キャリッジユニット30は、後述するヘッド41を所定の方向(X方向(走査方向))に往復移動(走査)させる機能を有する。キャリッジユニット30は、キャリッジ31、キャリッジモーター32などを備える。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジ6を着脱可能に保持する。
ヘッドユニット40は、用紙10にインクを液滴(以下、インク滴とも言う)として吐出する機能を有する。ヘッドユニット40は、複数のノズル43(図3参照)を有するヘッド41を備える。ヘッド41は、キャリッジ31に搭載され、走査方向に移動する。ヘッド41を走査方向に移動させながらインク滴を吐出することによって、走査方向に沿ったドットの列(ラスターライン)が用紙10に形成(印刷)される。
検出器群50は、リニア式エンコーダー51、ロータリー式エンコーダー52、紙検出センサー53、及び光学センサー54などを有する。リニア式エンコーダー51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダー52は、搬送ローラー23の回転量を検出する。紙検出センサー53は、給紙中の用紙10の先端の位置を検出する。光学センサー54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、用紙10の有無を検出する。光学センサー54は、キャリッジ31によって移動しながら用紙10の端部の位置を検出し、用紙10の幅を検出することができる。光学センサー54は、状況に応じて、用紙10の先端(搬送方向下流側の端部)及び後端(搬送方向上流側の端部)も検出できる。
コントローラー60は、プリンター100の全体を制御する制御部である。コントローラー60は、インターフェイス部61、CPU62、メモリー63、ユニット制御回路64などを備えている。インターフェイス部61は、PC110とプリンター100との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター100全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。
更に、コントローラー60には駆動信号生成部65が設けられている。駆動信号生成部65は、ノズル43からインクを吐出させる圧電素子45(図4参照)を駆動するための駆動信号を生成する。
プリンター100は、走査方向に移動中のヘッド41(ノズル43)から液滴としてのインクを吐出する液滴吐出動作と、搬送方向に用紙10を移動する搬送動作とを交互に繰り返し、複数のドットの列(ラスターライン)を搬送方向に並べることで、所定の画像を用紙10に印刷する。
換言すれば、プリンター100は、用紙10に対して相対移動するヘッド41のノズル43から液体(液滴)を吐出してドットを形成する液体吐出方法を有し、ノズル43から液体(液滴)を吐出する液滴吐出動作と、搬送方向に用紙10を移動する搬送動作とを交互に繰り返し、用紙10に画像を形成する。
なお、液滴吐出動作のことを「パス」と呼び、n回目のパスのことを「パスn」と呼ぶことがある。さらに、1回のパス(1回の液滴吐出動作)は、「1回の吐出走査単位」の一例である。
「ヘッドの構成」
図3は、ヘッドに設けられたノズルの配列を示す説明図である。図4は、ヘッドの内部構成を示す断面図である。
図3に示すように、ヘッド41には、8個のノズル列(ノズル群41A)が設けられている。ヘッド41の下面(図2におけるZ(−)方向側の面)には、これらノズル43の吐出口(開口)が複数配置されたノズルプレート42が備えられている。8個のノズル列は、それぞれ濃シアン(C)、濃マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡ブラック(LK)、極淡ブラック(LLK)のインクを吐出する。
各ノズル列には、搬送方向に1インチ当たりに並ぶ180個のノズル43(ノズル番号#1〜ノズル番号#180)が、180dpiのピッチで設けられている。図3においては、搬送方向下流側(Y(+)方向側)のノズル43ほど若いノズル番号#n(n=1〜180)を付している。
すなわち、ヘッド41は、ノズル43が複数配置されたノズル群41Aを複数有している。換言すれば、ヘッド41は、ノズル43を複数有している。
図4に示すように、ヘッド41はノズルプレート42を備え、ノズルプレート42にはノズル43が形成されている。ノズルプレート42の上側(Z(+)方向側)であってノズル43と相対する位置には、ノズル43と連通するキャビティー47が形成されている。キャビティー47には、インクカートリッジ6に貯留されているインクが供給される。
キャビティー47の上側(Z(+)方向側)には、上下方向(Z(+)方向及びZ(−)方向)に振動してキャビティー47内の容積を拡大及び縮小させる振動板44と、上下方向に伸縮して振動板44を振動させる圧電素子45とが、配設されている。圧電素子45が上下方向に伸縮して振動板44を振動させ、振動板44がキャビティー47内の容積を拡大縮小させることで、キャビティー47内の圧力が変動し、キャビティー47内に供給されたインクがノズル43を通って吐出されるようになっている。
駆動信号生成部65(図1参照)からヘッド41に、圧電素子45を制御駆動する駆動信号が供給されると、圧電素子45が伸縮し振動板44が振動し、キャビティー47内の容積が縮小する。その結果、ヘッド41のノズル43からは、縮小した容積分のインクがインク滴46として吐出される。なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子45を用いた加圧手段を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、下電極と圧電体層と上電極とが積層形成して形成された撓み変形型の圧電素子を用いてもよい。また、圧力発生手段として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルからインク滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用してもよい。さらには、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によってインクをインク滴として吐出させる構成を有するヘッドであってもよい。
なお、インク滴46は、「液体」の一例である。
本実施形態では、複数の液体色を用いた構成としているが、これに限られるわけではなく、単色の液体色を用いた構成でもよい。
また、本実施形態では、振動板44と圧電素子45とを別の構成としているが、これに限られるわけではなく、圧電素子45の材料を含んだものを振動板44とする構成でもよい。さらに、圧電素子と同一の材料で振動板を形成してもよい。当該構成の場合、使用する材料の数が減少することになるため、処理工数を削減でき、また、コストを低減することができる。
「ノズル使用率」
上述したように、ノズル列(180個のノズル43)から液滴としてのインク滴46を吐出する液滴吐出動作と、搬送方向に用紙10を移動する搬送動作とを交互に繰り返し、走査方向に沿ったラスターラインを搬送方向に並べることで、所定の画像を用紙10に印刷する。
一本のラスターラインは、複数回の液滴吐出動作(複数回のパス)で形成されている。すなわち、一本のラスターラインは、異なるノズル43(ノズル番号が異なるノズル43)からインク滴46を吐出することで形成されたドットで構成されている。
例えば、一本のラスターライン(以降、N番目のラスターラインと称す)が3回のパスで形成される場合を想定する。詳しくは、N番目のラスターラインに設けられたドットが、ノズル番号#Kのノズル43から吐出されたインク滴46で形成されたドット(1回目のパスで形成されたドット)と、ノズル番号#Lのノズル43から吐出されたインク滴46で形成されたドット(2回目のパスで形成されたドット)と、ノズル番号#Mのノズル43から吐出されたインク滴46で形成されたドット(3回目のパスで形成されたドット)とで構成される場合を想定する。
さらに、N番目のラスターラインに設けられた全ドット数をAとし、ノズル番号#Kのノズル43によって形成されたドット数をBとし、ノズル番号#Lのノズル43によって形成されたドット数をCとし、ノズル番号#Mのノズル43によって形成されたドット数をDとすると、Aに対するBの割合がノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率になり、Aに対するCの割合がノズル番号#Lのノズル43のノズル使用率になり、Aに対するDの割合がノズル番号#Mのノズル43のノズル使用率になる。例えば、N番目のラスターラインが100ドットで構成され、ノズル番号#Kのノズル43によって20ドットが形成され、ノズル番号#Lのノズル43によって50ドットが形成され、ノズル番号#Mのノズル43によって30ドットが形成される場合、ノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率は20%となり、ノズル番号#Lのノズル43のノズル使用率は50%となり、ノズル番号#Mのノズル43のノズル使用率は30%となる。
例えば、ノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率を大きくすると、ノズル番号#Kのノズル43によって形成されるドット数が多くなる。ノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率を小さくすると、ノズル番号#Kのノズル43によって形成されるドット数が少なくなる。このように、ノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率を変化させることによって、ノズル番号#Kのノズル43で形成されるドット数が変化する。
すなわち、N番目のラスターラインにおいて、ノズル番号#Kのノズル43のノズル使用率を変化させることは、ノズル番号#Kのノズル43で形成されるドット数を変化させることである。
図5は、ノズル使用率とインク滴の吐出量との関係を示すグラフである。図6は、ノズル使用率と反射率との関係を示すグラフである。
図5では、実測値が実線で示され、目標値が破線で示されている。
図6では、図5において実線で示された吐出量で形成された画像の反射率が、実線で示されている。図5において破線で示された吐出量で形成された画像の反射率が、破線で示されている。
図6の縦軸に示されている反射率は、ドットが形成されていない場合(ノズル使用率がゼロである場合)の反射光の強度に対する、各ノズル使用率でドットを形成した場合の反射光の強度の割合である。吐出されるインク滴46の量によって媒体に着弾して媒体上に形成されるドットの大きさが異なり、ドットによって媒体を覆う割合(被覆率)が変化し濃度の違いが生じる。すなわち、反射率は、ドット(画像)が形成されていない媒体における反射光の強度に対する、各ノズル使用率で形成されたドットによって媒体に印刷された画像の反射光の強度の割合である。例えば、反射率が大きくなると媒体に印刷された画像の色が淡くなり、反射率が小さくなると媒体に印刷された画像の色が濃くなる。すなわち、反射率によって、各ノズル使用率で媒体に形成されたドットによる画像の色の濃度を評価することができる。
以降の説明では、図5の実線で示されるインク滴46の吐出量(実測値)を実際の吐出量と称し、図5の破線で示されるインク滴46の吐出量(目標値)を目標の吐出量と称す。さらに、図6において、実際の吐出量で印刷された画像の反射率(実線で示された反射率)を実際の反射率と称し、目標の吐出量で印刷された画像の反射率(破線で示された反射率)を目標の反射率と称す。
図5に示すように、本実施形態における目標の吐出量は、ノズル使用率が100%の場合にノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量である。実際の吐出量は、目標の吐出量よりも小さく、ノズル使用率によって変化する。詳しくは、実際の吐出量は、ノズル使用率が概略50%よりも大きくなるに従って増加し、ノズル使用率が概略50%よりも小さくなるに従って増加する変化を示す。つまり、実際の吐出量は、ノズル使用率が概略50%の場合に最少となる変化を示す。さらに、実際の吐出量は、ノズル使用率が100%の場合に最大になる。
上述したように、駆動信号生成部65からの駆動信号によって圧電素子45を伸縮させ、振動板44を振動させ、キャビティー47内の容積を拡大及び縮小させて、ノズル43かインク滴46を吐出させる。振動板44を振動させる圧電素子45の伸縮状態は、圧電素子45に印加される駆動信号によって変化する。ところが、ノズル43のノズル使用率が変化すると、圧電素子45に印加される駆動信号が変動し、ヘッド41を一定の速度で走査し、ノズル43からインク滴46を吐出する場合、ノズル43から吐出されるインク滴46のインク吐出量(容量)が変化する。これをヘッド41の周波数特性とよぶ。すなわち、ヘッド41の周波数特性によって、図5に示すように、実際の吐出量が単位時間当たりのノズル使用率によって変化するようになる。
図6に示すように、目標の反射率及び実際の反射率は、ノズル使用率が大きくなるに従って小さくなる。上述したように、ノズル使用率はドット数に対応するので、ノズル使用率が大きくなるに従ってドット数が多くなり、印刷された画像の反射率が小さくなり、濃い色の画像が形成される。
目標の吐出量は、ノズル使用率によって変化せず一定である(図5参照)。このため、目標の反射率は、ノズル使用率に対して一定の割合で変化するようになる。例えば、目標の反射率は、ノズル使用率が大きくなるに従って直線的に小さくなり、線形の変化を示す。
実際の吐出量は、ノズル使用率によって変化する(図5参照)。このため、実際の反射率は、ノズル使用率に対して一定の割合で変化せず、目標の反射率と乖離し、非線形の変化を示す。詳しくは、実際の吐出量は目標の吐出量よりも小さいので、実際の反射率は目標の反射率よりも大きくなり、実際の吐出量で形成された画像の色は、目標の吐出量で形成された画像の色よりも淡くなる。
実際の吐出量は、単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量である。実際の吐出量は、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報、すなわち圧電素子45に印加される駆動信号(周波数情報)に基づき決定される。換言すれば、単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量は、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報によって形成される。
「画像形成方法と濃淡ムラ」
次に、画像形成方法について説明する。
説明を簡略化するために、ヘッド41には1列のノズル列が設けられ、一色のインクのみで印刷を行うものとする。ヘッド41のノズル列は、10個のノズル43、すなわちノズル番号#1〜#10のノズル43を有するものとする。
以降の説明では、例えばノズル番号#1のノズル43をノズル#1と称し、例えばノズル番号#2のノズル43をノズル#2と称する場合がある。つまり、ノズル番号を附してノズル43を区別する場合がある。
図7は、1回のパスにおけるヘッドのノズル使用率の状態を示す模式図である。図7の上側にはノズル使用率が示され、左側にはヘッド41が有するノズル43が示されている。
図7に示すように、1回のパスにおいて、ノズル#1のノズル使用率は12.5%であり、ノズル#2のノズル使用率は37.5%であり、ノズル#3乃至ノズル#8のノズル使用率は50%であり、ノズル#9のノズル使用率は37.5%であり、ノズル#10のノズル使用率は12.5%である。つまり、1回のパスにおいて、ヘッド41におけるノズル使用率は、搬送方向下流側(Y(+)方向側)及び搬送方向上流側(Y(−)方向側)で徐々に小さくなるように設定されている。
図8は、6回のパスで形成された画像(ラスターライン)の状態を示す模式図である。
図8の左側には、用紙10に対するヘッド41(ノズル#1〜ノズル#10)の相対的な位置関係が図示されている。同図では、ヘッド41が用紙10に対して移動しているように描かれているが、実際には用紙10の方が搬送方向に移動する。このため、X(+)方向における用紙10とヘッド41との位置関係は意味を成さない。
図8の右側には、ラスターラインL1〜L30におけるノズル使用率の合計が示されている。
ラスターラインは、走査方向に沿ったドットの列である。搬送方向下流側(Y(+)方向側)に形成される1番目のラスターラインがラスターラインL1であり、2番目のラスターラインがラスターラインL2であり、n番目のラスターラインがラスターラインLnである。
図8に示すように、用紙10の上端より、ノズル43(ノズル#1からノズル#10)からインク滴46を吐出させながらヘッド41を走査方向に移動させる液滴吐出動作と、用紙10を搬送方向に4ノズル分送る搬送動作と、を交互に繰り返し、走査方向に配列されたドットの列から構成されるラスターラインL1〜L30を形成し、当該ラスターラインL1〜L30を搬送方向に並べることで所望の画像を用紙10に印刷する。
なお、1回目の液滴吐出動作がパス1であり、2回目の液滴吐出動作がパス2であり、n回目の液滴吐出動作がパスnである。
通常印刷部のA部ラスターラインは、2回のパスにより二つの異なるノズルを使用して形成されている(2ノズルによる制御)。つまり、A部ラスターラインA1はパス1とパス2とで形成され、A部ラスターラインA2はパス2とパス3とで形成され、A部ラスターラインA3はパス3とパス4とで形成され、A部ラスターラインA4はパス4とパス5とで形成され、A部ラスターラインA5はパス5とパス6とで形成される。
例えば、A部ラスターラインA1は、ラスターラインL7とラスターラインL8とで構成される。ラスターラインL7は、パス1のノズル使用率が50%のノズル#7と、パス2のノズル使用率が50%のノズル#3とで形成される。つまり、ラスターラインL7を形成するドットの50%はパス1のノズル#7で形成され、ラスターラインL7を形成するドットの50%はパス2のノズル#3で形成される。ラスターラインL8は、パス1のノズル使用率が50%のノズル#8と、パス2のノズル使用率が50%のノズル#4とで形成される。つまり、ラスターラインL8を形成するドットの50%はパス1のノズル#8で形成され、ラスターラインL8を形成するドットの50%はパス2のノズル#4で形成される。
すなわち、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5は、ノズル使用率50%のパスと、ノズル使用率50%のパス形成されるパスとで形成される。
通常印刷部のB部のラスターラインは、3回のパスにより三つの異なるノズルを使用して形成されている(3ノズルによる制御)。つまり、B部ラスターラインB1はパス1とパス2とパス3とで形成され、B部ラスターラインB2はパス2とパス3とパス4とで形成され、B部ラスターラインB3はパス3とパス4とパス5とで形成され、B部ラスターラインB4はパス4とパス5とパス6とで形成される。
例えば、B部ラスターラインB1は、ラスターラインL9とラスターラインL10とで構成される。ラスターラインL9は、パス1のノズル使用率が37.5%のノズル#9と、パス2のノズル使用率が50%のノズル#5と、パス3のノズル使用率が12.5%のノズル#1とで形成される。つまり、ラスターラインL9を形成するドットの37.5%はパス1のノズル#9で形成され、ラスターラインL9を形成するドットの50%はパス2のノズル#5で形成され、ラスターラインL9を形成するドットの12.5%はパス3のノズル#1で形成される。例えば、ラスターラインL10は、パス1のノズル使用率が12.5%のノズル#10と、パス2のノズル使用率が50%のノズル#6と、パス3のノズル使用率が37.5%のノズル#2とで形成される。つまり、ラスターラインL10を形成するドットの12.5%はパス1のノズル#10で形成され、ラスターラインL10を形成するドットの50%はパス2のノズル#6で形成され、ラスターラインL10を形成するドットの37.5%はパス3のノズル#2で形成される。
すなわち、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4は、ノズル使用率12.5%のパスと、ノズル使用率37.5%のパスと、ノズル使用率50%のパスとで形成される。
なお、ノズル使用率の合計が100%に満たないラスターラインL1〜L6までの上端部は、用紙10の微小送りにより上端処理が行われるが、この上端処理は周知技術であるため、その説明は省略する。
図9は、図7に対応する図であり、ノズル#1〜ノズル#nを有するヘッドのノズル使用率の状態を示す模式図である。
図7では、ヘッド41のノズル列が10個のノズル43を有するとしたため、ノズル使用率の図は階段状に変化する図で表された。ヘッド41のノズル列がn個のノズル43(例えば、n=180)を有する場合は、図9に示すように、ノズル使用率の図は、ノズル使用率の移動平均を直線で結んだ台形形状で表すことができる。
図10は、図9に示すヘッドを用いて、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す模式図である。
図10(a)は、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化せず、一定である場合の模式図である。図10(a)では、ノズル使用率が50%である場合のインク滴46が各ノズル43から吐出されるものとする。図10(b)は、インク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化する場合の模式図である。また、図10(b)には、図10(a)の色の濃度が破線で示されている。
上述したように、1回のパスにおいて、ヘッド41における単位時間当たりのノズル使用率は、搬送方向下流側及び搬送方向上流側で徐々に小さくなるように設定されている。図10(a)及び図10(b)において、二点鎖線で囲まれた領域Cは、ノズル使用率が徐々に小さくなる部分である。
図10(a)に示すように、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化せず、一定である場合、領域C(ノズル使用率が徐々に小さくなる部分)では、色の濃度は直線的に変化する、すなわち線形の変化を示す。このため、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す図は、図9に示すノズル使用率の図と同じ台形形状になる。
図10(b)に示すように、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が一定でない場合、領域C(ノズル使用率が徐々に小さくなる部分)では、色の濃度は直線的に変化せず、非線形の変化を示す。
上述したように、ノズル使用率が50%よりも小さくなると、ノズル使用率が50%である場合のインク滴46の吐出量と比べて、ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が多くなる。このため、図中の領域Cにおける画像の色の濃度は、図中の破線で示された図10(a)の色の濃度よりも濃くなる。
図11及び図12は、図8に示す6回のパスで形成された画像の色の濃度の状態を示す模式図である。つまり、図11及び図12は、図8の右側の状態に対応する図である。
詳しくは、図11は、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が、ノズル使用率によって変化せず、一定である場合の画像の色の濃度の状態を示す模式図である。つまり、図11は、図10(a)に示す1回のパスで形成された画像を、搬送方向に並べて形成された画像の色の濃度の状態を示す模式図である。
さらに、図11の右側には、複数回のパスで形成(印刷)された画像の色の濃度が、太い実線で示されている。
図12は、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が、ノズル使用率によって変化する場合の画像の色の濃度の状態を示す模式図である。つまり、図12は、図10(b)に示す1回のパスで形成された画像を、搬送方向に並べて形成された画像の色の濃度の状態を示す模式図である。
さらに、図12の右側には、複数回のパスで形成(印刷)された画像の色の濃度が、太い実線で示されている。
上述したように、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5はノズル使用率50%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成されている。よって、図10(a)及び図10(b)における領域C以外の部分が、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5に対応する。
B部ラスターラインB1,B2,B3,B4はノズル使用率12.5%のパスとノズル使用率37.5%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成されている。つまり、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4は、ノズル使用率が搬送方向下流側及び搬送方向上流側で徐々に小さくなるように設定された部分で形成されている。よって、図10(a)及び図10(a)における領域Cが、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4に対応する。
インク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化せず、一定である場合、ノズル使用率12.5%のパスとノズル使用率37.5%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成された画像の色の濃度と、ノズル使用率50%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成された画像の色の濃度とは同じになる。すなわち、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4の画像の色の濃度と、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5の画像の色の濃度とは同じになる。
よって、図11に示すように、図10(a)に示す1回のパスで形成された画像を、搬送方向に並べて形成された画像の色の濃度は、一定である。従って、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化せず、一定である場合には、用紙10に印刷された画像に濃淡ムラが生じにくい。
インク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化する場合、1回のパスで形成された領域Cの画像の色の濃度は、インク滴46の吐出量が一定である場合の領域Cの画像の色の濃度よりも濃くなる(図10(b)参照)。このため、ノズル使用率12.5%のパスとノズル使用率37.5%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成された画像の色の濃度は、ノズル使用率50%のパスとノズル使用率50%のパスとで形成された画像の色の濃度よりも濃くなる。すなわち、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4の画像の色の濃度は、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5の画像の色の濃度よりも濃くなる。
よって、図12に示すように、図10(b)に示す1回のパスで形成された画像を、搬送方向に並べて形成された画像の色の濃度は、B部ラスターラインB1,B2,B3,B4で濃くなり、A部ラスターラインA1,A2,A3,A4,A5で淡くなる。従って、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量がノズル使用率によって変化する場合には、用紙10に印刷された画像に濃淡ムラが生じやすい。
このように、ヘッド41の周波数特性によってノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が変化する場合(図5参照)、用紙10に印刷された画像に濃淡ムラが生じるおそれがある。
「濃淡ムラ補正値の取得(プリンターの製造工場側の処理)」
本実施形態では、プリンター100の製造工場において、上述した画像の濃淡ムラを抑制するための濃淡ムラ補正値を、プリンター100の機体ごとに取得する。詳しくは、プリンター100の製造工場の検査工程において、プリンター100が1回のパスでテストパターンを印刷し、1回のパスで印刷されたテストパターンを測色器またはスキャナーで読み取り、テストパターンの測色結果に基づいて、濃淡ムラ補正値を取得する。さらに、取得された濃淡ムラ補正値は、プリンター100のメモリー63に記憶(登録)する。すなわち、プリンター100の製造工場側で、プリンター100の印刷性能(ヘッド41の性能)を機体毎に評価し、濃淡ムラ補正値をプリンター100の機体毎に登録する。
図13は、プリンターの製造工場側において行われる濃淡ムラ補正値を取得する処理のフロー図である。
図13に示すように、濃淡ムラ補正値を取得する処理は、テストパターン印刷する工程(ステップS1)と、テストパターンを測色する工程(ステップS2)と、濃淡ムラ補正値を算出する工程(ステップS3)と、濃淡ムラ補正値をプリンター100に登録する工程(ステップS4)とを含む。
プリンター100の製造工場には、濃淡ムラ補正値を取得(算出)するためのコンピューター(以降、補正値取得用コンピューターと称す)と、テストパターンの色情報を取得(測色)する測色器またはスキャナーとが用意されている。測色器またはスキャナーは、予め補正値取得用コンピューターに接続されている。製造工場でプリンター100が製造されると、そのプリンター100は補正値取得用コンピューターに接続され、上述したステップS1乃至ステップS4が実行される。
ステップS1では、補正値取得用コンピューターから、テストパターン印刷用データがプリンター100に送信される。なお、テストパターン印刷用データは、補正値取得用コンピューターのメモリーに予め記憶されている。テストパターン印刷用データを受信したプリンター100は、テストパターンを用紙10に印刷する。
テストパターンは、複数のノズル43を有するヘッド41からインク滴46を吐出する1回の液滴吐出動作で印刷される。つまり、テストパターンは、1回のパスで印刷される。さらに、テストパターンは、ノズル使用率を変化させて形成(印刷)された複数のパッチを含む。
ステップS2では、測定者は、印刷されたテストパターンを測色器またはスキャナーによって測色する。テストパターンは、ノズル使用率を変化させて形成(印刷)された複数のパッチを含み、補正値取得用コンピューターは、測色器またはスキャナーからノズル使用率を変化させて印刷されたパッチの色情報を取得(測色)する。
補正値取得用コンピューターには、濃淡ムラ補正値を算出するための基準となる基準色データが、メモリーに予め記憶(登録)されている。ステップS3では、補正値取得用コンピューターは、基準色データと測色結果とを比較し、その差異情報から濃淡ムラ補正値を計算する。換言すれば、補正値取得用コンピューターは、目標の吐出量(所定の吐出量)及び実際の吐出量(単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量)の差異情報から濃淡ムラ補正値を算出する。
ステップS4では、補正値取得用コンピューターは、プリンター100のメモリー63に濃淡ムラ補正値を書き込む。プリンター100は、濃淡ムラ補正値がメモリー63に登録(格納)された状態で、工場から出荷される。
なお、ステップS1では、1回のパスでテストパターンを印刷することが重要である。つまり、ステップS1では、図10(b)に示す1回のパスで形成された画像の色の状態を評価するためのテストパターンを作成することが重要である。
詳細は後述するが、ステップS3では、図10(b)に示す状態を図10(a)に示す状態に補正するための濃淡ムラ補正値を算出する。例えば、テストパターンが複数回のパスで形成(印刷)されていると、図10(b)に示す1回のパスで形成された画像の色の状態を評価することが難しくなり、図10(b)に示す状態を図10(a)に示す状態に補正することが難しくなる。
「印刷時の処理(ユーザー側の処理)」
ユーザー側では、プリンター100の製造工場側で取得された濃淡ムラ補正値に基づき、ノズル毎にドット吐出状態を補正(調整)し、用紙10に印刷される画像の濃淡ムラを抑制する。
図14は、ユーザー側で行なわれる印刷時の処理のフロー図である。
図14に示すように、プリンター100を購入したユーザーは、PC110(プリンター100の製造工場の補正値取得用コンピューターと別のコンピューター)に、プリンター100を接続する(ステップS21,S31)。
次に、ユーザーは、同梱されているCD−ROMをPC110にセットし、プリンタードライバーをインストールする(ステップS22)。PC110にインストールされたプリンタードライバーは、PC110にプリンター100に対して濃淡ムラ補正値の送信を要求する(ステップS23)。プリンター100は、要求に応じて、メモリー63に記憶されている濃淡ムラ補正値をPC110へ送信する(ステップS32)。プリンタードライバーは、プリンター100から送られてくる濃淡ムラ補正値を、PC110のメモリー記憶する(ステップS24)。これにより、PC110側に補正値テーブルが作成される。ここまでの処理を終えた後、プリンタードライバーは、ユーザーからの印刷命令があるまで、待機状態になる(ステップS25でNO)。
プリンタードライバーは、ユーザーからの印刷命令を受けると(ステップS25でYES)、補正値テーブルに基づいて印刷データを生成し(ステップS26)、印刷データをプリンター100に送信する(ステップS27)。プリンター100は、印刷データに従って、印刷処理を行う(ステップS33)。
図15は、印刷データ生成処理のフロー図であり、プリンタードライバーによって行われる。
図15に示すように、プリンタードライバーは、最初に解像度変換処理を行う(ステップS41)。解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、印刷解像度が1440×720dpiに指定されている場合、アプリケーションから受け取ったベクター形式の画像データを1440×720dpiの解像度の画像データに変換する。解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間の256階調の階調値を示すデータである。
次に、プリンタードライバーは、色変換処理を行う(ステップS42)。色変換処理は、RGB色空間のデータを、プリンターのインクの色に対応した色空間のデータに変換する処理である。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブルをプリンタードライバーが参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応した色空間のデータに変換される。色変換処理後の画素データは、C・M・Y・K・LC・LM・LK・LLKの8次元の色空間により表される256階調の階調値を示すデータである。
次に、プリンタードライバーは、補正値テーブルに基づき濃淡ムラの補正処理(濃度補正処理)を行う(ステップS43)。濃淡ムラの補正処理(濃度補正処理)は、各画素データの階調値を、その画素データの属する画素列に対応する補正値に基づいて補正する処理である。換言すれば、実際の吐出量(単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量)を、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報によって補正する。
濃淡ムラの補正処理により、濃く視認されやすい画素列に対しては、その画素列に対応する画素データ(インク色に対応した色空間のデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい画素列に対しては、その画素列に対応する画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の他の画素列に対しても、プリンタードライバーは、同様に補正処理を行う。
次に、プリンタードライバーは、ハーフトーン処理を行う(ステップS44)。ハーフトーン処理は、256階調の画素データを、プリンターが形成可能な階調数である4階調の画素データに変換する処理である。ハーフトーン処理後の4階調の画素データは、対応する画素に形成するドットの大きさを示すデータとなる。具体的には、大ドット・中ドット・小ドット・ドット無しのいずれかを示すデータになる。
その結果、ヘッド41(ノズル群41A)から、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡ブラック(LK)、及び極淡ブラック(LLK)の8色のインクが、3種類のドットサイズ(大ドット、中ドット、小ドット)で吐出されることになる。
ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンター100がドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタードライバーは、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリーを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば1440×720dpi)を有している。
本実施形態では、濃淡ムラの補正処理によって補正された階調値の画素データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい画素列では、その画素列の画素データの階調値が低くなるように補正され、その画素列に形成されるドットのドット生成率が小さくなる。逆に、淡く視認されやすい画素列では、その画素列の画素データの階調値が高くなるように補正され、その画素列に形成されるドットのドット生成率が大きくなる。
最後に、プリンタードライバーは、ラスターライズ処理を行う(ステップS45)。ラスターライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンター100に転送すべきデータ順に変更する処理である。
上述したように、プリンタードライバーは印刷データを生成し、印刷データをプリンター100に送信する。プリンター100は、印刷データに従って印刷処理を行う。詳しくは、プリンタードライバーは、ラスターライズ処理された画素データにコマンドデータを付加して印刷データを生成し、印刷データをプリンター100に送信する。プリンター100は、印刷データ中のコマンドデータに従って各ユニットを制御し、印刷データ中の画素データに従って各ノズルからインクを吐出することによって、用紙10にドットを形成し、濃淡ムラが抑制された画像を印刷する。
このように、ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量は、目標の吐出量(所定の吐出量)及び実際の吐出量(単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量)の差異情報と、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報によって補正される。さらに、ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量は、ヘッド41のノズル43がインク滴46を吐出しながら相対移動する1回の吐出走査単位(1回のパス)で補正される。
上述したように、ヘッド41は、ノズル43が複数配置されたノズル群41Aを複数有している。ヘッド41は、8個のノズル群41Aを有している。ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量は、8個のノズル群41Aのそれぞれで補正されている。つまり、ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量は、ノズル群単位で補正されている。
「濃淡ムラ補正処理」
図16は、図6に対応する図であり、濃淡ムラ補正の説明図である。図16において、実線M1は実際の反射率を示し、破線T1は目標の反射率を示す。
以下、図16を参照して、濃淡ムラ補正処理に概要を説明する。
本実施形態に係る濃淡ムラ補正処理では、ヘッド41で形成された画像(ラスターライン)の反射率が、図6の破線で示す目標の反射率となるように、ヘッド41の各ノズル43のノズル使用率を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。すなわち、本実施形態に係る濃淡ムラ補正処理は、インク滴46を吐出するノズル43の使用率(ノズル使用率)を変更することによって、濃淡ムラを補正する処理である。
なお、上述したノズル43の使用率(ノズル使用率)は、「液体の吐出量」の一例である。
さらに、ノズル43のノズル使用率は、ノズル43によって形成されるドット数に対応するので、本実施形態に係る濃淡ムラ補正処理は、ノズル43によって形成されるドット数を変更することによって、濃淡ムラを補正する処理である。ノズル43によって形成されるドット数は、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報に基づき決定される。すなわち、本実施形態に係る濃淡ムラ補正処理は、印刷データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報に基づき、用紙10へ吐出する単位時間当たりのインク滴46の吐出数を変更することによって、濃淡ムラを補正する処理である。
なお、上述したノズル43によって形成されるドット数は、「液体の吐出量」の一例である。
詳しくは、図16に示すように、ノズル使用率12.5%の場合の目標の反射率はR1である。反射率がR1となるノズル使用率はN1である。よって、ノズル使用率をN1にすると、ノズル使用率12.5%の場合の目標の反射率R1を実現することができる。従って、ノズル使用率12.5%をノズル使用率N1に補正すると、反射率を目標の反射率R1に補正することができる。
ノズル使用率37.5%の場合の目標の反射率はR2である。反射率がR2となるノズル使用率はN2である。よって、ノズル使用率をN2にすると、ノズル使用率37.5%の場合の目標の反射率R2を実現することができる。従って、ノズル使用率37.5%をノズル使用率N2に補正すると、反射率を目標の反射率R2に補正することができる。
ノズル使用率50%の場合の目標の反射率はR3である。反射率がR3となるノズル使用率はN3である。よって、ノズル使用率をN3にすると、ノズル使用率50%の場合の目標の反射率R3を実現することができる。従って、ノズル使用率50%をノズル使用率N3に補正すると、反射率を目標の反射率R3に補正することができる。
上述した補正値取得用コンピューターには、基準色データとして破線T1(ノズル使用率と目標の反射率との関係)が記憶(格納)されている。さらに、ステップS1及びステップS2によって、測色結果として実線M1(ノズル使用率と実際の反射率との関係)を取得する。ステップS3では、補正値取得用コンピューターは、破線T1(基準色データ)と、実線M1(測色結果)とを比較して、濃淡ムラ補正値を計算(取得)する。すなわち、ノズル使用率12.5%をノズル使用率N1に補正し、ノズル使用率37.5%をノズル使用率N2に補正し、ノズル使用率50%をノズル使用率N3に補正する濃淡ムラ補正値を取得する。
ラスターラインの反射率が目標の反射率となるように補正されると、1回のパスで形成された画像の色の状態は、各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が一定である場合の画像の色の状態に補正される。すなわち、1回のパスで形成された画像の色の状態は、図10(b)に示す状態から図10(a)に示す状態に補正される。その結果、用紙10に印刷された画像は、図11に示す色の濃度状態となり、濃淡ムラが抑制される。
「他の濃淡ムラ補正処理」
図17は、図5に対応する図であり、他の濃淡ムラ補正の説明図である。図17において、実線M2は実際の吐出量を示し、破線T2は目標の吐出量を示す。
以下、図17を参照して、本実施形態に係る他の濃淡ムラ補正処理を説明する。
本実施形態に係る他の濃淡ムラ補正処理では、ヘッド41の各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が、図5の破線で示す目標の吐出量となるように、ヘッド41の各ノズル43のインク滴46の吐出量を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。インク滴46の吐出量によってインク滴46の大きさが決定されるので、本実施形態に係る他の濃淡ムラ補正処理は、用紙10へ吐出するインク滴46の大きさを変更することによって補正する処理である。
なお、上述したインク滴46の吐出量及びインク滴46の大きさは、「液体の吐出量」の一例である。
図17に示すように、ノズル使用率12.5%の場合の吐出量はQ1であり、ノズル使用率37.5%の場合の吐出量はQ2であり、ノズル使用率50%の場合の吐出量はQ3であり、目標の吐出量はQ4である。ノズル使用率12.5%の場合の吐出量、ノズル使用率37.5%の場合の吐出量、及びノズル使用率50%の場合の吐出量が、全て目標の吐出量Q4となるように、圧電素子45に印加する駆動電圧を補正する。すなわち、ノズル使用率12.5%の場合の吐出量、ノズル使用率37.5%の場合の吐出量、及びノズル使用率50%の場合の吐出量が、全て同じになるように、圧電素子45に印加する駆動電圧を補正する。
上述した補正値取得用コンピューターには、基準色データとして破線T2(ノズル使用率と目標の吐出量との関係)が記憶(格納)されている。さらに、ステップS1及びステップS2によって、測色結果として実線M2(ノズル使用率と実際の吐出量との関係)を取得する。ステップS3では、補正値取得用コンピューターは、破線T2(基準色データ)と、実線M2(測色結果)とを比較して、濃淡ムラ補正値を計算(取得)する。詳しくは、ノズル使用率12.5%の場合の吐出量、ノズル使用率37.5%の場合の吐出量、及びノズル使用率50%の場合の吐出量が、全て目標の吐出量Q4となるように、圧電素子45に印加する駆動信号を補正する補正値を取得する。
ノズル使用率12.5%の場合の吐出量と、ノズル使用率37.5%の場合の吐出量と、及びノズル使用率50%の場合の吐出量とが同じ(一定)になるように補正されると、1回のパスで形成された画像の色の状態は、図10(b)に示す状態から図10(a)に示す状態に補正される。その結果、用紙10に印刷された画像は、図11に示す色の濃度状態となり、濃淡ムラが抑制される。
(実施形態2)
図18は、実施形態2に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図19は、ヘッドに設けられたノズルの配列を示す説明図である。図20は、ヘッドセットを仮想ヘッドセットとして表記する説明図である。
本実施形態に係る印刷システム2では、プリンター101が二つのヘッドを有している点が、実施形態1の印刷システム1との主な相違点である。
以下、図18を参照し、本実施形態に係る印刷システム2を、実施形態1に係る印刷システム1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図18に示すように、本実施形態に係る印刷システム2(プリンター101)において、ヘッドユニット40は、複数のノズル43を有するヘッド241を備える。ヘッド241は、第1ヘッドとしての第1ノズル群241Aと、第2ヘッドとしての第2ノズル群241Bとを備えている。
コントローラー60には駆動信号生成部65が設けられている。駆動信号生成部65は、第1駆動信号生成部65Aと第2駆動信号生成部65Bとを備えている。第1駆動信号生成部65Aは、第1ヘッドとしての第1ノズル群241Aからインクを吐出させる圧電素子45(図4参照)を駆動するための駆動信号を生成する。第2駆動信号生成部65Bは、第2ヘッドとしての第2ノズル群241Bからインクを吐出させる圧電素子45を駆動するための駆動信号を生成する。
「ノズル列及びヘッドセット」
図19に示すように、ヘッド241は、第1ヘッドとしての第1ノズル群241Aと、第2ヘッドとしての第2ノズル群241Bを備えている。各ノズル群には、それぞれ8個のノズル列が設けられている。
第1ノズル群241Aは、第2ノズル群241Bよりも搬送方向下流側(Y(+)方向側)に設けられている。また、第1ノズル群241Aと第2ノズル群241Bとは、4個のノズルの搬送方向の位置が重複するように設けられている。例えば、搬送方向において、第1ノズル群241Aのノズル#177Aの位置は、第2ノズル群241Bのノズル#1Bの位置と同じになっている。また、第1ノズル群241Aと第2ノズル群241Bとの間で同一のインク(同じ組成で構成されるインク)を吐出するノズル列同士の組み合わせを「ヘッドセット」という。
以降の説明では、説明の簡略化のため、12個のノズル(ノズル#1Aからノズル#12A)で形成された第1ヘッドとしてのノズル列242A(第1ノズル群241A)と、12個のノズル(ノズル#1Bからノズル#12B)で形成された第2ヘッドとしてのノズル列242B(第2ノズル群241B)との組み合わせによるヘッドセットが設けられ、一色のインクのみで印刷を行うものとする。
図20に示すように、ノズル列242Aの搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル#9Aからノズル#12A)と、ノズル列242Bの搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル#1Bからノズル#4B)とは、搬送方向の位置が重複している。以下の説明では、各ノズル列のこれらの4個のノズルを、重複ノズルとよぶ。
ノズル列242Aの各ノズルは丸印で示されており、ノズル列242Bの各ノズルは三角印で示されている。また、インクを吐出しないノズル(つまりドットを形成しないノズル)にはハッチングが施されている。
ここでは、ノズル列242Aの重複ノズルのうち、ノズル#9Aおよびノズル#10Aからはインクを吐出し、ノズル#11Aおよびノズル#12Aからはインクを吐出しない。また、ノズル列242Bの重複ノズルのうち、ノズル#1Bおよびノズル#2Bはインクを吐出せず、ノズル#3Bおよびノズル#4Bはインクを吐出する。
このような場合、図20の中央部に記載されたように、インクを吐出しないノズルを除いた第1ヘッドとしてのノズル列242XA及び第2ヘッドとしてのノズル列242XBの2個のヘッドを1個の仮想のヘッドセット242Xとして表すことができる。
以下、2個のヘッドを別々に描く代わりに、1個の仮想のヘッドセット242X(以降、ヘッドセット242Xと称す)を用いてドット形成の様子を説明する。また、ヘッドセット242Xの第1ヘッドとしてのノズル列242XAには、新たにノズル番号A1からノズル番号A10を付し、ヘッドセット242Xの第2ヘッドとしてのノズル列242XBには、新たにノズル番号B1からノズル番号B10を付して説明する。
図20の右側には、第1ヘッドとしてのノズル列242XAと第2ヘッドとしてのノズル列242XBとで形成されるドット位置が示されている。第1ヘッドのノズル列242XAは、走査方向における各ラスターラインの奇数ドット位置にドットを形成し、第2ヘッドのノズル列242XBは、走査方向における各ラスターラインの偶数ドット位置にドットを形成する。なお、第1ヘッドのノズル列242XAが偶数ドット位置にドットを形成し、第2ヘッドのノズル列242XBが奇数ドット位置にドットを形成する構成であってもよい。
「画像形成方法」
図21は、2ヘッドを用いて7回のパスで形成された画像(ラスターライン)の状態を示す模式図である。なお、図21では、ヘッドセット242Xの位置を、図20に示すノズル番号で表している。
以降の説明では、例えばノズル番号#A1のノズル43をノズル#A1と称し、例えばノズル番号#A2のノズル43をノズル#A2と称する場合がある。つまり、ノズル番号を附してノズル43を区別する場合がある。
図21は、用紙10の上端より、ノズル43(ノズルA1からノズルB10)からインク滴46を吐出させながらヘッドセット242Xを走査方向に移動させる液滴吐出動作と、用紙10を搬送方向に4ノズル分送る搬送動作とを7回繰り返した場合の、用紙10、及びヘッドセット242Xに設けられているノズル43の相対位置が示されている。
なお、図21では、ノズル43(ヘッドセット242X)が用紙10に対して移動しているように描かれているが、ノズル43(ヘッドセット242X)と用紙10の位置関係を相対的に変更すればよく、ノズル43(ヘッドセット242X)が移動してもよいし、用紙10が移動してもよいし、ノズル43(ヘッドセット242X)と用紙10の双方が移動してもよい。本実施形態では、用紙10を搬送方向に搬送する場合を例として説明する。また、走査方向における用紙10とノズル43(ヘッドセット242X)との位置関係は意味を成さない。
各パスの各ノズル番号の横には、各ノズルに対応したノズル使用率が示されている。
第1ヘッドは、ラスターラインの奇数ドット位置のドット(図20参照)をnパスで形成し、第2ヘッドは、ラスターラインの偶数ドット位置のドット(図20参照)をnパスで形成する。換言すれば、第1ヘッドと第2ヘッドとは、それぞれ独立して制御され、第1ヘッドは奇数ドット位置のドットだけでラスターラインを形成し、第2ヘッドは偶数ドット位置のドットだけでラスターラインを形成する。従って、第1ヘッド及び第2ヘッドのノズル使用率は、図7に示した1つのヘッドの場合の半分になる。なお、第1ヘッドで形成される奇数ドット位置のドットだけで形成されるラスターラインを奇数番ラスターライン、第2ヘッドで形成される偶数ドット位置のドットのみで形成されるラスターラインを偶数番ラスターラインと称す。
図21に示すように、用紙10を搬送方向に4ノズル分に相当する距離だけ搬送する搬送動作と、液滴吐出動作とを、繰り返し行うことで、ラスターラインL17以降の通常印刷部において、ノズル使用率100%のラスターラインが形成される。なお、ノズル使用率の合計が100%に満たないラスターラインL1からL16までの上端部は、用紙10の微小送りにより上端処理が行われるが、この上端処理は周知技術であるため、その説明は省略する。
通常印刷部のE部におけるラスターラインは、3回のパスにより第1ヘッドの三つの異なるノズルを使用して形成された部分と、2回のパスにより第2ヘッドの二つの異なるノズルを使用して形成された部分とを有する。例えば、ラスターラインL17を構成するドットは、パス3の第1ヘッドのノズルA9で18.75%が形成され、パス4の第1ヘッドのノズルA5で25%が形成され、パス5の第1ヘッドのノズルA1で6.25%が形成され、パス1の第2ヘッドのノズルB7で25%が形成され、パス2の第2ヘッドのノズルB3で25%が形成されている。
通常印刷部のF部におけるラスターラインは、2回のパスにより第1ヘッドの二つの異なるノズルを使用して形成された部分と、3回のパスにより第2ヘッドの三つの異なるノズルを使用して形成された部分とを有する。例えば、ラスターラインL19を構成するドットは、パス4の第1ヘッドのノズルA7で25%が形成され、パス5の第1ヘッドのノズルA3で25%が形成され、パス1の第2ヘッドのノズルB9で18.75%が形成され、パス2の第2ヘッドのノズルB5で25%が形成され、パス3の第2ヘッドのノズルB1で6.25%が形成されている。
上述したように、第1ヘッド及び第2ヘッドでは、それぞれ10個のノズル43からインク滴46が吐出されるとしたため、図21ではノズル使用率の図が階段状に変化する図で表された。
第1ヘッド及び第2ヘッドはそれぞれn個のノズル43(例えば、n=180)を有するので、ノズル使用率の図は、ノズル使用率の移動平均を直線で結んだ形状で表すことができる。詳しくは、ノズル使用率の図は、例えば図9に示すように、搬送方向下流側及び搬送方向上流側で徐々に小さくなった台形形状で表すことができる。
各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が、ノズル使用率によって変化する場合、ノズル使用率が搬送方向下流側及び搬送方向上流側で徐々に小さくなった部分では、画像の色の濃度は、例えば図10(b)の領域Cに示すように、非線形の変化を示すようになる。
このため、通常印刷部のE部及びF部は、複数の非線形の変化を示す部分によって形成される。よって、通常印刷部のE部及びF部の色の濃度は、例えば図12におけるB部ラスターラインB1,B2,B3,B4(非線形の変化を示す部分)に対応する状態になり、濃淡ムラが生じやすくなる。
本実施形態では、1回のパスにおいてヘッド41で形成された画像の反射率が目標の反射率となるように、ヘッド41の各ノズル43のノズル使用率が、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正されている。または、ヘッド41の各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が目標の吐出量となるように、ヘッド41の各ノズル43のインク滴46の吐出量が、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正されている。
すなわち、1回のパスで形成された画像の色の状態が、例えば図10(b)に示す状態から図10(a)に示す状態になるように補正されている。その結果、用紙10に印刷された画像は、例えば図11に示す色の濃度状態となり、濃淡ムラが生じにくくなる。
(実施形態3)
図22は、実施形態3に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図23は、本実施形態に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。
図22に示すように、本実施形態に係る印刷システム3では、プリンター102が測色ユニット90を有し、プリンター102でテストパターンを印刷し、測色し、濃淡ムラの補正値を取得する。一方、実施形態1に係る印刷システム1では、プリンターの製造工場において、プリンター100と別に設けられた測色器またはスキャナーで測色し、プリンター100と別に設けられた補正値取得用コンピューターで濃淡ムラ補正値を取得する。この点が、本実施形態に係る印刷システム3と実施形態1に係る印刷システム1との相違点であり、他の構成は本実施形態と実施形態1とで同じである。
以下、図22及び図23を参照し、本実施形態に係る印刷システム3を、実施形態1に係る印刷システム1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図22に示すように、印刷システム3は、プリンター102と、PC110とで構成される。
PC110は、プリンター102と通信可能に接続され、画像に応じた印刷データをプリンター102に出力する。PC110には、アプリケーションプログラムやプリンタードライバーなどのコンピュータープログラムがインストールされている。
プリンター102は、測色ユニット90を有している。
PC110のプリンタードライバー、及びプリンター102のコントローラー60には、濃淡ムラ補正値を取得する処理(図13参照)を行うためのプログラムがインストールされている。
図23に示すように、測色ユニット90は、測色器91と、キャリブレーション部92とを有している。測色器91は、キャリッジユニット30に対して搬送方向の下流側に設けられている。つまり、キャリッジユニット30で印刷されたテストパターンを、測色器91で測色できるようになっている。
図示を省略するが、測色器91は、搬送モーターを有し、走査方向(X方向)に往復移動(走査)可能になっている。さらに、測色器91は、発光部(図示省略)と、受光部(図示省略)と、レンズ(図示省略)とを有している。発光部は、例えば紫外線発光ダイオードやタングステンランプなどで構成される。受光部は、例えばフォトダイオードなどで構成される。レンズは、発光部で発した光を集光してテストパターンに照射し、テストパターンの反射光を集光して受光部に入射させるための光学部品である。
キャリブレーション部92は、測色器91に対してX(−)方向側に設けられている。キャリブレーション部92は、ホワイトタイル93を有している。ホワイトタイル93は、非測色時に測色器91のキャリブレーションを実行するためのセラミックス製のタイルである。
測色器91は、基準(ホワイトタイル93の白色)を読み取り、その値が適正であるかどうかを確認し、ずれている場合には基準の値が出力されるように調整する。この調整作業をキャリブレーションと称し、測色器91は、キャリブレーションを行なった後にテストパターンの測色を行なう。
本実施形態に係る印刷システムは、テストパターンを印刷する工程(ステップS1)と、テストパターンを測色する工程(ステップS2)と、濃淡ムラ補正値を算出する工程(ステップS3)と、濃淡ムラ補正値を登録する工程(ステップS4)とを含む濃淡ムラ補正値を取得する処理を行う(図13参照)。
ステップS1では、PC110から、テストパターン印刷用データがプリンター102に送信される。なお、テストパターン印刷用データは、PC110のメモリーに予め記憶されている。テストパターン印刷用データを受信したプリンター102は、テストパターンを用紙10に印刷する。
ステップS2では、印刷されたテストパターンを測色ユニット90によって測色する。詳しくは、測色ユニット90は、テストパターンからホワイトバランス、色度、明度によってカラー値を定義するLabカラーモードに基づく色情報を測定する。
ステップS3では、コントローラー60は、メモリー63に予め記憶(登録)されている基準色データと、測色結果とを比較して、濃淡ムラ補正値を計算する。つまり、測色ユニット90によって測定されたLabカラーモードに基づく色情報を、CMYKカラーモードに変換して濃淡ムラ補正値を算出する。
ステップS4では、コントローラー60によって算出された濃淡ムラ補正値を、PC110のメモリーに書き込む(登録する)。
プリンタードライバーは、ユーザーからの印刷命令を受けると、図15に示す印刷データ生成処理を行い、忠実に画像データの色が再現されるようにヘッド41(ノズル群41A)のインク滴の吐出状態を制御し、濃淡ムラを抑制する。
プリンター102が測色ユニット90を有し、プリンター102でテストパターンを印刷し、測色し、濃淡ムラの補正値を取得することによって、例えばヘッド41(ノズル群41A)が経時変化した場合であっても、より適正な濃淡ムラ補正値に更新し、忠実に画像データの色が再現されるようにヘッド41のインク滴の吐出状態を制御(補正)することができる。すなわち、ヘッド41(ノズル群41A)が経時変化した場合であっても、より適正に濃淡ムラが抑制されるように、より適正な濃淡ムラ補正値に更新(維持管理)することができる。
本願は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う印刷装置や当該印刷装置を含む印刷システムもまた本願の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
図24は、図9に対応する図であり、変形例1に係るヘッドのノズル使用率の状態を示す図である。
ヘッド41におけるノズル使用率の状態を示す図は、実施形態1の台形形状(図9参照)に限定されない。
図24(a)に示すように、ヘッド41におけるノズル使用率の状態を示す図は、ヘッド41の端部から中央部に向かってノズル使用率が徐々に増加すると共に、ノズル使用率が最大となるノズル43が中央に配置される二等辺三角形状であってもよい。
図24(b)に示すように、ヘッド41におけるノズル使用率の状態を示す図は、ヘッド41の端部から中央部に向かってノズル使用率が徐々に増加すると共に、ノズル使用率が最大となるノズル43が中央に配置されていない三角形状であってもよい。
図24(c)に示すように、ヘッド41におけるノズル使用率の状態を示す図は、ヘッド41の端部から中央部に向かってノズル使用率が徐々に増加する多角形の形状であってもよい。
本変形例において、1回のパスにおいてヘッド41で形成された画像の反射率が目標の反射率となるように、ヘッド41の各ノズル43のノズル使用率を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。または、ヘッド41の各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が目標の吐出量となるように、ヘッド41の各ノズル43のインク滴46の吐出量を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。
かかる補正によって、ノズル使用率が変化する部分の色の濃度は、線形の変化を示すようになる。すなわち、1回のパスにおいてヘッド41で形成された画像の色の濃度は、ヘッド41におけるノズル使用率と同じ変化を示すようになる。
従って、ノズル使用率の図が図24(a)である場合、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す図は、図24(a)に示すノズル使用率の図と同じ形状(二等辺三角形状)を有するようになる。ノズル使用率の図が図24(b)である場合、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す図は、図24(b)に示すノズル使用率の図と同じ形状(三角形状)を有するようになる。ノズル使用率の図が図24(c)である場合、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す図は、図24(c)に示すノズル使用率の図と同じ形状(多角形の形状)を有するようになる。
図25は、5回のパスで形成される画像(ラスターライン)の状態と、画像の色の濃度の状態とを示す模式図である。すなわち、図25の左側には、5回のパスで形成されるラスターラインの状態が模式的に示されている。図25の右側には、各ラスターラインで形成された画像の色の濃度が太い実線で模式的に示されている。
図25では、1回のパスで形成された画像の色の状態を示す図が、図24(c)に示すノズル使用率の図と同じ形状(多角形の形状)になるように補正されている。
以下、図25を参照して、各パスにおける色の濃度が、図24(c)に示すノズル使用率の図と同じ形状(多角形の形状)に補正された場合を例にして、用紙10に印刷された画像の状態について説明する。
図25に示すように、用紙10に形成(印刷)された画像の色の濃度は、ラスターライン番号Lによって変化せず、搬送方向に沿って略一定になる。従って、ノズル使用率が変化する部分の色の濃度が線形の変化を示す補正処理を施すことによって、濃淡ムラを抑制することができる。
(変形例2)
実施形態1では、ラスターラインが2パスまたは3パスで形成されたが、これに限定されない。
図26は、変形例2に係るラスターラインを形成する方法の説明図である。図26は、用紙10の上端より、ノズル43(ノズル#1からノズル#10)からインク滴46を吐出させながらヘッド41を走査方向に移動させる液滴吐出動作と、用紙10を搬送方向に3ノズル分送る搬送動作と、を6回繰り返した時の用紙10とヘッド41との相対位置が示されている。
また、各ノズル43のノズル使用率は、ノズル#1及びノズル#10が16.7%、ノズル#2からノズル#9が33.3%に設定されている。
図26に示すように、用紙10を搬送方向に3ノズル分に相当する距離だけ搬送する搬送動作と、液滴吐出動作とを繰り返し行うことで、ラスターラインL8以降の通常印刷部において、ノズル使用率100%のラスターラインが形成される。なお、ノズル使用率の合計が100%に満たないラスターラインL1からラスターラインL7までの上端部は、用紙10の微小送りにより上端処理が行われる。
通常印刷部のC部のラスターラインは、4回のパスにより4つの異なるノズル43を使用して形成されている(4ノズルによる制御)。D部のラスターラインは、3回のパスにより3つの異なるノズル43を使用して形成されている(3ノズルによる制御)。
本変形例においても、1回のパスにおいてヘッド41で形成された画像の反射率が目標の反射率となるように、ヘッド41の各ノズル43のノズル使用率を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。または、ヘッド41の各ノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量が、目標の吐出量となるように、ヘッド41の各ノズル43のインク滴46の吐出量を、パス毎に(液滴吐出動作毎に)補正する。
かかる補正によって、ノズル使用率が変化する部分の色の濃度は、線形の変化を示すようになり、用紙10に形成(印刷)された画像の色の濃淡ムラを抑制することができる。
このように、本願における補正処理は、走査方向にインク滴46を吐出する液滴吐出動作と、用紙10を搬送方向に送る搬送動作とを繰り返す画像の形成方法において、形成された画像の色の濃淡ムラを抑制するために有効である。すなわち、本願における補正処理は、ラスターラインが複数回のパスで形成される画像の形成方法に有効である。
(変形例3)
本願における印刷装置は、上述した多色印刷が可能な印刷装置に限定されず、例えばモノクロ印刷(白黒印刷)が可能な印刷装置であってもよい。すなわち、本願をモノクロ印刷(白黒印刷)が可能な印刷装置に適用することで、ブラック(K)のインクで形成された画像の濃淡ムラを抑制することができる。
(変形例4)
本願における印刷装置は、上述したヘッド41を走査方向に移動させながら画像を形成するシリアル方式のプリンターに限定されず、ヘッド41が固定された状態で画像を形成するライン印刷方式のプリンターであってもよい。ライン印刷方式のプリンターに本願の補正処理を適用することで、画像の濃淡ムラを抑制することができる。
(変形例5)
実施形態3に係る印刷システム(プリンター102)は、測色ユニット90に代えてスキャナーを有していてもよい。すなわち、プリンター102で印刷されたテストパターンをスキャナーで測色し、濃淡ムラの補正値を取得する構成であってもよい。さらに、スキャナーはプリンター102に内蔵されている構成であってもよく、プリンター102と別に設けられている構成であってもよい。
さらに、測色するための構成要素(発光部、受光部など)がキャリッジユニット30に搭載され、キャリッジユニット30を走査して測色する構成であってもよい。つまり、実施形態1における印刷システム1(プリンター100)のキャリッジユニット30に、測色するための構成要素(発光部、受光部など)が搭載された構成であってもよい。
(変形例6)
ヘッド41が、単数のノズル43が複数配置された構成であってもよい。つまり、ヘッド41が8個のノズル43を有し、8個のノズル43(単数のノズル43)から、濃シアン(C)、濃マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡ブラック(LK)、極淡ブラック(LLK)のいずれかのインクが吐出され、ノズル43が吐出するインク滴46の吐出量が、ノズル43単位で補正される構成であってもよい。
(変形例7)
実施形態1では、ノズル使用率が100%の場合にノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量を、目標の吐出量に設定したが、これに限定されない。目標の吐出量は、任意であり、例えばノズル使用率が30%の場合にノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量であってもよく、例えばノズル使用率が50%の場合にノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量であってもよく、例えばノズル使用率が70%の場合にノズル43から吐出されるインク滴46の吐出量であってもよい。
1,2,3…印刷システム、10…用紙、20…搬送ユニット、21…給紙ローラー、22…搬送モーター、23…搬送ローラー、24…プラテン、25…排紙ローラー、30…キャリッジユニット、31…キャリッジ、32…キャリッジモーター、40…ヘッドユニット、41…ヘッド、41A…ノズル群、42…ノズルプレート、43…ノズル、44…振動板、45…圧電素子、46…インク滴、47…キャビティー、60…コントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、65…駆動信号生成部、100,101,102…プリンター、110…コンピューター。

Claims (6)

  1. 画像データに基づき、媒体に対して相対移動するヘッドのノズルから液体を吐出してドットを形成する液体吐出方法であって、
    前記ノズルが吐出する前記液体の吐出量は、所定の吐出量及び単位時間当たりの吐出回数に応じて変化する吐出量の差異情報と、前記画像データに対応する単位時間当たりの吐出回数情報とに基づき、前記ヘッドが前記液体を吐出しながら相対移動する1回の吐出走査単位で補正されることを特徴とする液体吐出方法。
  2. 前記ヘッドは、前記ノズルが複数配置されたノズル群を複数有し、
    前記液体の吐出量は、前記ノズル群単位で補正されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出方法。
  3. 前記ヘッドは、前記ノズルを複数有し、
    前記液体の吐出量は、前記ノズル単位で補正されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出方法。
  4. 前記液体の吐出量は、前記媒体へ吐出される液滴量を変更することによって補正されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
  5. 前記液体の吐出量は、前記媒体へ吐出する前記液体の吐出数を変更することによって補正されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
  6. 前記液体の吐出量は、前記液体を吐出する前記ノズルの使用率を変更することによって補正されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016185613A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置および液体吐出方法
JP2020066209A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 セイコーエプソン株式会社 記録制御装置、記録装置および記録制御方法
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