JP2016116567A - 歩行器兼用車いす - Google Patents

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宏之 河上
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Abstract

【課題】歩行器としても使用できる車いすを提供する。【解決手段】前輪と、後輪と、座部と、左右一対のハンドルと、それらを結合するフレームとを備え、左右一対のハンドルそれぞれは、軸部と、軸部から屈曲したグリップ部と、フレームに固定され且つ軸部を挿入可能な開口を有する結合用パイプ部と、結合用パイプの下方部分を挿入可能なストッパー部と、ストッパー部の下方位置を制約するストッパー部止めとを有し、ストッパー部は、結合用パイプの下方部分に対して、上下方向に可動且つ回転方向に非可動であり、軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、ストッパー部を上方移動させた際には、軸部は回動可能であり、ストッパー部を下方移動させた際には、ストッパー部が結合用パイプの下方部分および上記軸部の双方に対して回転方向に非可動となる。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行器や歩行補助車としても使用できる車いすに関するものである。
車いすは移動手段として、歩行が困難な者に広く利用されている。例えば、事故による負傷、病気、あるいは、加齢等の原因により、歩行が困難な者に利用される。近年では、高齢化が進み、高齢者による利用が特に多い。
一方、歩行困難者は、歩行機能を補助し移動する目的や転倒防止を目的として、あるいは、下半身の筋力維持やリハビリのために、歩行器を使用して歩行することも一般的である。
このように、車いすと歩行器の両方を使用するケースがあるが、費用や保管スペースの観点から困難なことも多く、車いすと歩行器の両方の機能を有する器具が求められている。
こういった要求に応えるべく、ハンドルの位置を前方と後方に移動可能な器具が提案されている。ハンドルの位置が後方にある時は、車いすとして使用できる。介助者はハンドルを押して、車いすを移動させることができる。他方、ハンドルの位置が前方にあり、後輪の車軸位置よりも前方でハンドルを握れる場合、歩行器として利用しても後方に転倒する危険性がない。(例えば、特許文献1、図21および図22)。
特表平10−500043
現在の日本やその他の多くの先進国においては高齢化が進み、車いすや歩行器を使用する人の数は急増している。しかし、一般家庭等において、車いすと歩行器とをともに準備することは、経済的観点においても、スペースの観点においても容易では無い。また、両方を保有できたとしても、外出時に両方を持って行くことは困難である。そのため、いずれか一方だけを保有または使用している人が多いという現状がある。車いすだけを使用し、歩行器を使用しないと、下半身の筋力が衰えるといった健康上の問題が生じる。
上記特許文献1に示された車いすは、歩行器としても使用できるため、この問題を解決し得るものと考えられる。一方、このような兼用器具を使用する際の懸念点は安全性である。ハンドルを可動できるようにしたことで、使用時にハンドルがぐらついたりすると、事故の原因ともなる。また、車いすから歩行器へ、および、歩行器から車いすへの切換機構が複雑であると、高齢者にとっては使用が困難なことも想定される。
本発明は、ハンドル位置を切り換えることで歩行器としても使用できる車いすを提供するものであり、特に、安全性を高め、且つ切換操作を容易にすることで利便性をも高めた歩行器兼用車いすを提供するものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
前輪と、後輪と、座部と、左右一対のハンドルと、それらを結合するフレームとを備え、
上記左右一対のハンドルそれぞれは、軸部と、当該軸部から屈曲したグリップ部と、上記フレームに固定され且つ上記軸部を略鉛直方向に挿入可能な貫通した開口を有する結合用パイプ部と、上記結合用パイプの下方部分を挿入可能な筒状体であるストッパー部と、
当該ストッパー部の下方位置を制約するストッパー部止めとを有し、
上記ストッパー部は、上記結合用パイプの下方部分に対して、上下方向に可動且つ回転方向に非可動であり、上記軸部を上方より上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部に対して、上記ストッパー部、上下方向に可動且つ回転方向に非可動であり、上記ストッパー部を上記結合用パイプの下方部分に上方移動させた際には、上記軸部は回動可能であり、上記ストッパー部を上記ストッパー部止めまで下方移動させた際には、上記ストッパー部が上記結合用パイプの下方部分および上記軸部の双方に対して回転方向に非可動となることを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記グリップ部の角度を上記座部と反対の方向に向いた時を0度とした際に、少なくとも上記グリップ部が略0度方向及び略180度方向において上記軸部の回転が固定される
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記一対のグリップ部が略0度方向から双方のグリップが開く角度において上記軸部の回転が固定される
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記一対のグリップ部が略180度方向から双方のグリップが閉じる角度において上記軸部の回転が固定される
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部の回転軸に垂直な断面形状は、中心角R周期で繰り返される周期形状であり、
上記中心角Rは、Nを6以上の偶数とし、360度をN分割した角度である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記ストッパー部の開口の回転軸に垂直な断面形状は、中心角R周期で繰り返される周期形状であり、
上記中心角Rは、Nを6以上の偶数とし、360度をN分割した角度である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部の回転軸に垂直な断面形状は、星形正N角形または正N角形(Nは6以上の偶数)である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
上記ストッパー部の開口の回転軸に垂直な断面形状は、星形正N角形または正N角形(Nは6以上の偶数)である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすは、
ストッパー部止めは、上記軸部の端部に設けられる
ことを特徴とするものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすはハンドル位置の角度を変えることで、歩行器から車いす、あるいは車いすから歩行器に適したグリップ位置を得ることができるため、車いすと歩行器の両方の機能を一台で達成できる。そして、この両方の使用において、安全な使用と様々な使用方法を提供するものである。
第一に、ハンドル位置の角度の固定およびその解除が、ストッパー部を上下するだけで良いため、大きな力を必要とせず、簡便且つ迅速に行える。手が不自由な人でも行える簡単な操作である。
第二に、締付等の固定動作が不要であるため、力の加減に関係なく確実に固定状態にできるので、老人や女性、子供でも安心に使用できる。
特に、スロープを登る際には、ハンドルに車いすの重量と車いすに座っている被介助者の体重が掛かるため、締付等の固定動作が必要な機構の場合、締付力が弱い場合には、緩みが生じ大きな事故につながる危険性がある。しかし、本発明における機構においては、長時間使用しても緩みが生じることは無く、高い安全性を担保できる。また、回転を固定した状態は、ストッパー部が重力により下がった状態であるので、回転ロック動作を確実にできると同時に、ロックされた状態が解除されることは無く、この観点からも安全性が高い機構である。
第三に、長期的な耐久性を有する。
本発明におけるハンドルの回転をロックする機構は、摩耗等の構造劣化が生じにくい機構である。例えば、被介助者が車いすに座った状態で介助者が回転の固定を解除したり、回転を行い再固定する際にも、軸部下部分、ストッパー部、および結合用パイプ下部分といった回転ロック部に力が掛かることは無いため、ハンドルの回転を頻繁に行っても構造的な劣化が起こることは無い。
なお、軸部下部分の外形、ストッパー部の内形、結合用パイプ下部分の形状については、必ずしも同じ形状にする必要が無いことは上述した通りであるが、できるだけ面で接する形状にすることで、摩耗等をさらに抑制できる。したがって、すべてを同形状とすることが、長期的な耐久性の観点からは最適である。
第四に、様々な角度でハンドルをロックすることを可能とすることで、様々なケースにおいて、最適な使用が可能となる。
すなわち、車いすとして使用する場合には、一対のグリップ部を略0度方向に固定することで、介助者が通常の介助行為を行える。また、一対のグリップ部を略0度方向から双方のグリップが開く角度において固定することで、スロープを登る際に最適な姿勢を介助者が取ることができる。そして、ハンドルの回転位置を簡単に変更できるため、実用的にこの角度変更を行い、介助を実施することができる。
歩行器として使用する場合には、一対のグリップ部を略180度方向に固定することで、歩行器として利用できる。また、一対のグリップ部を略180度方向から双方のグリップが閉じる角度において固定することで、老人に多い円背の方が歩行補助具として使い易い状態になる。
このように、本発明に係る歩行器兼用車いすは、一台で、本格的な車いすと歩行器としての機能を有するだけでは無く、操作性、安全性、耐久性、様々なケースに対する適応性といった多くの観点において優れたものであり、高齢化社会において歩行困難者の大きな助けとなるものである。
本発明に係る歩行器兼用車いすの側面図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすの背面図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすのハンドル部拡大図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすのハンドル部構成部品図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすのストッパー部と軸部下部部分の断面図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすのストッパー部と結合用パイプ下部部分の断面図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすの使用方法の説明図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすの使用方法の説明図である。 本発明に係る歩行器兼用車いすのストッパー部、または軸部下部部分の断面形状の説明図である。
実施の形態.
本発明に係る歩行器兼用車いすの構成、その使用方法、および特長等に関して、以下において、図面を用いて説明する。なお、以下の説明は本発明に関する良好な一例を開示するものであり、本発明が当該実施の形態に限定されるものではない。
なお、本発明において「歩行器」とは、病院等で用いられる本格的な歩行器から、シルバーカーのように簡易な歩行補助具までを含め、歩行の助けとなる補助具全般を指すものとする。
<全体構成>
まず、図1および図2を用いて、歩行器兼用車いすの全体構成について説明する。図1は、歩行器兼用車いすの側面図、図2は背面図である。
歩行器兼用車いすは、前輪1と、後輪2と、座部3と、左右一対のハンドル4と、それらを結合するためのフレームとを備えている。また、必要に応じて、ブレーキ5やステップ6、あるいはティッピングバー8等が設けられる。なお、図1や図2において、フレームに対する記号は特に記していないが、上述の記号を付した各構成部品以外の部分がフレームである。
座部3は、使用者が着座する部分であり、シート3a、背もたれ3b、肘掛3c等から構成される。使用者が着座した際の体重を支え、十分な強度を有するものであれば良い。
<ハンドルの構成>
ハンドル4は本発明の根幹となる機構を備えた部分であり、以下に詳細に説明する。
まず、図1に示すように、ハンドル4は、軸部4aと、この軸部4aから屈曲したグリップ部4bと、フレームに固定され且つ軸部4aを略鉛直方向に挿入可能な貫通した開口を有する結合用パイプ部4cと、この結合用パイプ4cの下方部分を挿入可能な筒状体であるストッパー部4dと、ストッパー部4dの下方位置を制約するストッパー部止め4eといった部位から構成される。
また、グリップ部4bには必要に応じて、介助ブレーキやグリップカバー4fが設けられる。
なお、ストッパー部止め4eは本実施の形態においては、軸部4aの末端に形成しているが、例えば、フレーム等に固定する等、別途構成しても良く、基本的には、ストッパー部4dが軸部4aから抜けて落下しない構成であれば良い。
次に、図3から図6を用いて、ハンドル4の構造の詳細と使用方法等について説明する。
図3は、歩行器兼用車いすのハンドル部拡大図である。図3(A)はハンドル4を固定した状態であり、(B)はハンドル4の軸部4aが回転可能な状態である。結合用パイプ部4cが、フレーム7aに結合フレーム7bを介して、しっかりと固定される。
ハンドル4の軸部4aが回転しないように固定する際には、ストッパー部4dを下に降ろす(図3(A))。一方、ハンドルの位置を変更するため、ハンドル4の軸部4aが回転できるようする際には、ストッパー部4dを上に持ち上げてやる(図3(B))。
図4は、ハンドルを構成する部品図である。軸部4aを結合用パイプ部4cに挿入した際に結合用パイプ部4cの下方に位置する軸部4aの部分を、特に軸部下部分4hと呼ぶ。この軸部下部分4hは、外形が星形正12角形をしている。すなわち、回転軸に垂直な断面形状が星形正12角形である。
なお、軸部4aを結合用パイプ部4cに挿入する方法であるが、一例としては、軸部4aを結合用パイプ部4cの上方で分割された2本の軸部である上軸部および下軸部とし、下軸部を結合用パイプ部4cの下方から挿入し、上軸部と回転ができないような形状で挿入固定すれば良い。その後に側部からねじ止め等により補強固定しても良い。上軸部の外径を結合用パイプ部4cの穴径よりも大きくすれば、軸部4aは重力により落下することなく、図3の状態で、軸部4aを回転可能に設けることができる。
図5に示すように、軸部下部分4hの外形形状と同様に、ストッパー部4dの内形形状も星形正12角形をしている。軸部下部分4hの外形形状とストッパー部4dの内形形状をともに星形正12角形としたことで、軸部4aの角度を30度刻みで変更することが可能となる。
また、図4に示すように、結合用パイプ部4cの下方に位置する部分を、特に結合用パイプ下部分4gと呼ぶ。この結合用パイプ下部分4gは、図6に示すように、外形が正6角形をしている。すなわち、回転軸に垂直な断面形状が正6角形である。このように、ストッパー部4dの回転を妨げる形状となっている。
軸部下部分4hの外形、ストッパー部4dの内形、結合用パイプ下部分4gの外形のそれぞれの形状が、図5と図6に示すような形状としたことで、図3に示す回転の固定およびその解除動作が可能となる。すなわち、図3(A)のようにストッパー部4dを下に降ろした際には、ストッパー部4dの上側は、図6に示すように結合用パイプ下部分4gに制約されて、回転できない状態になっている。そして、軸部下部分4hは、図5に示すようにストッパー部4dの下側に制約されて、回転できない状態になっている。したがって、ハンドル4の軸部4aは、フレームに対して回転することができない。
他方、図3(B)のようにストッパー部4dを上方に持ち上げた際には、軸部下部分4hのストッパー部4dによる制約が無くなり、軸部4aは回転可能な状態となる。
<形状について>
軸部下部分4hの外形、ストッパー部4dの内形、結合用パイプ下部分4gの外形の各形状に関しては、図5や図6に示した形状は良好な一例を示すものであり、これらの形状に限るわけでは無い。
大切なことは、グリップ部4bの角度を座部3と反対の方向に向いた時を0度とした際に、少なくともグリップ部4bが略0度方向及び略180度方向において軸部4aの回転が固定されることである。これにより、介助者が車いすを押すことができると同時に、歩行具として安全に使用することが可能となる。
すなわち、グリップ部4bの角度が座部3と反対の方向に向いた0度で固定した場合には、グリップ部4bは後輪2の後方に位置するため、車いすとして利用する際に、介助者はティッピングバー8を踏むことで、前輪1を浮かすことが可能となり、車いす前方に小さな段差があっても、それを乗り越えることが可能となる。
他方、グリップ部4bの角度が座部3の方向に向いた180度で固定した場合には、グリップ部4bは後輪2の前方に位置するため、歩行器として利用する際に後方に傾倒するということがなく、安全に歩行器として利用できる。
さらに、一対のグリップ部4bが略0度方向から双方のグリップ部4bが開く角度において上記軸部4aの回転が固定されるようにすれば、車いすとして利用する際に、介助者がより強く車いすを押すことができる。例えば、図7に示すように、スロープを登るケースにおいて有効である。スロープを登る場合、車いすの重量と車いすに座っている被介助者の体重を介助者が支える必要があるが、図7に示す姿勢であれば、車いす本体と介助者との距離を縮めることで、介助者の負担軽減につながる。また、車いすを操作する際における左右への取り回しや、スロープ昇降時の手首に係る負担も軽減できる。
また、一対のグリップ部4bが略180度方向から双方のグリップ部4bが閉じる角度において軸部4aの回転が固定されるようにすれば、図8に示すように、円背の方が歩行器として利用する場合に、手首に係る負担を軽減し、使用しやすい体のポジションで使用できる。
図7や図8で示したような様々な使用方法を可能とする場合には、グリップ部4bが略0度方向及び略180度方向においてだけではなく、様々な角度で軸部4aの回転が固定される必要がある。
本実施の形態において示した例では、軸部下部分4hの外形形状とストッパー部4dの内形形状をともに星形正12角形としたことで、軸部4aの角度を30度刻みで変更することが可能となるが、軸部4aの角度を少なくとも60度刻みで変更することができれば、利用用途を大きく広げることが可能となる。すなわち、図7や図8で示した使用方法が可能となる。
これを実現するためには、軸部下部分4hの外形形状とストッパー部4dの内形形状を、回転軸に垂直な断面形状として星形正N角形(Nは6以上の偶数)にすれば良い。あるいは、正N角形であっても良い。
それ以外にも、曲線形状であっても良い。例えば、図9に示すような形状であっても良い。必要なことは、360度をNで除した中心角R周期で、同一の形状が繰り返される周期的な形状を有することである。この条件を満足すれば、グリップ部4bが略0度方向及び略180度方向において軸部4aの回転が固定されるとともに、そこから60度、あるいはさらに細かな角度刻みで、グリップ部4bを所望の角度位置で固定し、使用することが可能となる。
なお、軸部下部分4hの外形形状とストッパー部4dの内形形状をともに上記の形状にする必要は必ずしもなく、どちらか一方の形状を360度をNで除した中心角R周期で同一の形状が繰り返される周期的な形状にすれば良い。他方は、それに内接あるいは外接等することにより、回転を抑止する形状にしてやれば良い。
<まとめ>
以上、本発明に係る歩行器兼用車いすの構成や使用方法について述べてきたが、最後に、本発明の社会的意義や長所についてまとめる。
現在の日本やその他の多くの先進国においては高齢化が進み、車いすや歩行器を使用する人の数は急増している。しかし、一般家庭等において、車いすと歩行器とをともに準備することは、経済的観点においても、スペースの観点においても容易では無い。また、両方を保有できたとしても、外出時に両方を持って行くことは困難である。そのためいずれか一方だけを保有または使用している人が多いという現状がある。しかし、車いすだけを使用し、歩行器を使用しないと、下半身の筋力が衰えるといった健康上の問題が生じる。
また、介護保険制度においては、歩行器や車いすについてはレンタルできる場合があるが、両方を利用した場合の利用料の増加や、外出の際に車いすを押してもらう訪問介護員の料金など、経済的負担が否めない。
本発明は、このような社会状況を懸念し、且つ勘案してなされたものである。
本発明が持つ基本的な機能は、歩行器としても、車いすとしても使用できることである。そして、この両方の使用において、安全な使用と様々な使用方法を提供するものである。
本発明の優れた点はハンドルの回転ロック機構にある。回転ロック機構としては、ねじ止めが考えられるが、締付けるのに強い力が必要で且つ振動等により徐々に緩みが発生するという欠点がある。
また、レバーを倒してパイプの外部を締付けたり、内側を膨張させて締付けたりする方式も考えられるが、しっかりと固定するためには、固定と解除に大きな力が必要となる。また、この構造ではゴムパッキンなどを採用しているケースが多いが、操作を繰り返すことで劣化が生じやすい。
あるいは、パイプに穴を開けて棒状のピンを挿入して固定する方法も考えられるが、パイプ側の穴部分に過度の力が加わることにより穴が拡がりやすくハンドルがグラつきやすくなる。
さらに、リング状の部品でパイプの外周から固定部分を覆い、ボルトナットで締め付けて固定するクランプリング方式もあるが、固定と解除時に工具を必要とする等、操作が極めて複雑となる。また、締付ける力が弱ければ、振動等により徐々に緩みが発生するという欠点がある。
上記の各固定方法とは異なり、本発明のハンドルの回転ロック機構は、回転の固定と解除の操作が簡便で分かりやすい機構であり、また、力を必要とせず、且つ緩みが発生することが無く、また長期的耐久性を有するものである。以下において、これらの長所を詳細に説明する。
第一に、ハンドル位置の角度の固定およびその解除が、ストッパー部を上下するだけで良いため、大きな力を必要とせず、簡便且つ迅速に行える。手が不自由な人でも行える簡単な操作である。また、介助者がボランティア等の場合には、初めてこの機構を使用することも考えられるが、直感的に分かりやすい機構であるため、慣れるのに全く時間を要しない。
なお、一般に、短い距離の移動は歩行器を用い、長距離を移動する際には車いすを用いることが理想である。しかし、車いすから歩行器への切換操作が複雑であれば、車いすで外出した場合には、歩行器を用いて自立歩行できるような場所でも車いすを使い続けることになりやすい。一方、本発明のように切換操作が容易であれば、小まめに車いすを降りて自立歩行する習慣が身に付き、下肢筋力を鍛えることができるため、歩行能力を長く維持することができる。
第二に、締付等の固定動作が不要であるため、力の加減に関係なく確実に固定状態にできるので、老人や女性、子供でも安心に使用できる。
特に、図7で示したようなスロープを登る際には、ハンドルに車いすの重量と車いすに座っている被介助者の体重が掛かるため、締付等の固定動作が必要な機構の場合、締付力が弱い場合には、緩みが生じ大きな事故につながる危険性がある。しかし、本発明における機構においては、長時間使用しても緩みが生じることは無く、高い安全性を担保できる。
なお、ハンドルに係る力は被介助者が座る前方から後方への力だけではない。車いすを左折したり右折したりする際には、ハンドルには横方向にも大きな力が掛かる。このようにハンドルには様々な方向の力が掛かる。本発明のハンドルの回転ロック機構は、どの方向の力に対しても締付力が緩むことが無いことも高い安全性を担保できる理由である。
また、回転を固定した状態は、ストッパー部が重力により下がった状態であるので、回転ロック動作を確実にできると同時に、ロックされた状態が解除されることは無く、この観点からも安全性が高い機構である。
第三に、長期的な耐久性を有する。
本発明におけるハンドルの回転をロックする機構は、摩耗等の構造劣化が生じにくい機構である。例えば、被介助者が車いすに座った状態で介助者が回転の固定を解除したり、ハンドルの回転を行い再固定する際にも、軸部下部分、ストッパー部、および結合用パイプ下部分といった回転ロック部に力が掛かることは無いため、ハンドルの回転を頻繁に行っても構造的な劣化が起こることは無い。
なお、軸部下部分の外形、ストッパー部の内形、結合用パイプ下部分の形状については、必ずしも同じ形状にする必要が無いことは上述した通りであるが、できるだけ面で接する形状にすることで、摩耗等をさらに抑制できる。したがって、すべてを同形状とすることが、長期的な耐久性の観点からは最適である。
第四に、様々な角度でハンドルをロックすることを可能とすることで、様々なケースにおいて、最適な使用が可能となる。
すなわち、車いすとして使用する場合には、一対のグリップ部を略0度方向に固定することで、介助者が通常の介助行為が行える。また、一対のグリップ部を略0度方向から双方のグリップが開く角度において固定することで、スロープを登る際に最適な姿勢を介助者が取ることができる。そして、ハンドルの回転位置を簡単に変更できるため、実用的にこの角度変更を行い、介助を実施することができる。
歩行器として使用する場合には、一対のグリップ部を略180度方向に固定することで、歩行器として利用できる。また、一対のグリップ部を略180度方向から双方のグリップが閉じる角度において固定することで、老人に多い円背の方が歩行器として使い易い状態になる。
上記のように特別な状況だけでは無く、使用者(介助者および被介助者)の体格や道路の状況等に応じて、グリップ部の方向を使用しやすい位置に固定できるため、使い易さをさらに向上できる。
このように、本発明に係る歩行器兼用車いすは、一台で、本格的な車いすと歩行器としての機能を有するため、高齢者等の歩行困難者が、歩行できる環境においては積極的に歩行器を利用するようになるので、歩行能力の残存機能を損なわず下肢筋力の低下を予防できることは、医療費の抑制にもつながる。
また、操作性、安全性、耐久性、様々なケースに対する適応性といった多くの観点において優れたものであり、高齢化社会において歩行困難者の大きな助けとなるものである。
1.前輪
2.後輪
3.座部
4.ハンドル
4a.軸部
4b.グリップ部
4c.結合用パイプ部
4d.ストッパー部
4e.ストッパー部止め
4g.結合用パイプ下方部分
4h.軸部下部部分

Claims (9)

  1. 前輪と、
    後輪と、
    座部と、
    左右一対のハンドルと、
    それらを結合するフレームと
    を備え、
    上記左右一対のハンドルそれぞれは、
    軸部と、
    当該軸部から屈曲したグリップ部と、
    上記フレームに固定され且つ上記軸部を略鉛直方向に挿入可能な貫通した開口を有する結合用パイプ部と、
    上記結合用パイプの下方部分を挿入可能な筒状体であるストッパー部と、
    当該ストッパー部の下方位置を制約するストッパー部止めと、
    を有し、
    上記ストッパー部は、上記結合用パイプの下方部分に対して、上下方向に可動且つ回転方向に非可動であり、
    上記軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部に対して、上記ストッパー部は上下方向に可動且つ回転方向に非可動であり、
    上記ストッパー部を上記結合用パイプの下方部分の方向に上方移動させた際には、上記軸部は回動可能であり、
    上記ストッパー部を上記ストッパー部止め方向に下方移動させた際には、上記ストッパー部が上記結合用パイプの下方部分および上記軸部の双方に対して回転方向に非可動となる
    ことを特徴とする歩行器兼用車いす。
  2. 上記グリップ部の角度を上記座部と反対の方向に向いた時を0度とした際に、少なくとも上記グリップ部が略0度方向及び略180度方向において上記軸部の回転が固定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の歩行器兼用車いす。
  3. 上記一対のグリップ部が略0度方向から双方のグリップが開く角度において上記軸部の回転が固定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の歩行器兼用車いす。
  4. 上記一対のグリップ部が略180度方向から双方のグリップが閉じる角度において上記軸部の回転が固定される
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の歩行器兼用車いす。
  5. 上記軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部の回転軸に垂直な断面外形形状は、中心角R周期で繰り返される周期形状であり、
    上記中心角Rは、Nを6以上の偶数とし、360度をN分割した角度である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の歩行器兼用車いす。
  6. 上記ストッパー部の開口の回転軸に垂直な断面形状は、中心角R周期で繰り返される周期形状であり、
    上記中心角Rは、Nを6以上の偶数とし、360度をN分割した角度である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の歩行器兼用車いす。
  7. 上記軸部を上記結合用パイプ部に挿入した際、当該結合用パイプ部の下方にはみ出た上記軸部の回転軸に垂直な断面外形形状は、星形正N角形または正N角形(Nは6以上の偶数)である
    ことを特徴とする請求項5に記載の歩行器兼用車いす。
  8. 上記ストッパー部の開口の回転軸に垂直な断面形状は、星形正N角形または正N角形(Nは6以上の偶数)である
    ことを特徴とする請求項6に記載の歩行器兼用車いす。
  9. ストッパー部止めは、上記軸部の端部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の歩行器兼用車いす。

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