JP2016116554A - 介護用浴槽 - Google Patents

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良一 福島
佳美 河野
Yoshimi Kono
佳美 河野
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和寛 川▲崎▼
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Abstract

【課題】利用者の満足度を高めることが可能であること、および介護スタッフが利用者の身体を洗う際の負荷を軽減することの少なくとも一つを達成することが可能な介護用浴槽を提供する。【解決手段】上半身側が位置する第1分割浴槽20Aと、下半身側が位置する第2分割浴槽20Bとを連結することにより浴槽本体部20が構成される介護用浴槽10であって、第1分割浴槽20Aには、利用者の首を支持する首支持部23と、この首支持部23よりも利用者の頭部側が位置する洗髪台部212が設けられていて、第1分割浴槽20Aには、第2分割浴槽20Bから離間する一端側の上縁部が最も上方側に位置するハイカット部22が設けられていて、ハイカット部22の始点側は上方側に向かうように湾曲する曲率が最も大きく設けられていて、ハイカット部22のうち首支持部23側よりも一端側では、上縁部の傾斜角度が徐々に緩くなるように設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、介護用浴槽に関する。
現在、訪問入浴サービスが広く行われている。訪問入浴サービスにおいては、ボイラー他の専用設備を備えた業務用車(入浴車)に、介護用浴槽を搭載し、その介護用浴槽を利用者の自宅に搬送して、入浴サービスを実施している。このような訪問入浴サービスに用いられる介護用浴槽としては、たとえば特許文献1に示すものがある。
特許文献1に開示の構成では、介護用浴槽は、第1半割槽4と第2半割槽5とに2分割された構成となっている。そして、利用者の自宅にて、これら第1半割槽4と第2半割槽5とを組み立てている。
特開2013−78478号公報
ところで、特許文献1に開示の構成では、利用者がリラックスした状態で利用することが困難な場合があるという問題がある。すなわち、利用者の中には、介護スタッフが周囲にいる状況で、裸になって入浴することに抵抗のある人もおり、そのような利用者にとっては心理的な面で入浴サービスの満足度が低い状態となっている。
また、現状の介護用浴槽の狭いスペース内では、介護スタッフが利用者の身体を洗う際の負荷も大きなものとなっている。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者の満足度を高めることが可能であること、および介護スタッフが利用者の身体を洗う際の負荷を軽減することの少なくとも一つを達成することが可能な介護用浴槽を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面は、上半身側が位置する第1分割浴槽と、下半身側が位置する第2分割浴槽とを連結することにより浴槽本体部が構成される介護用浴槽であって、第1分割浴槽には、利用者の首を支持する首支持部と、この首支持部よりも利用者の頭部側が位置する洗髪台部が設けられていて、第1分割浴槽には、当該第1分割浴槽の長手方向において首支持部よりも第2分割浴槽側を始点として洗髪台部に向かうにつれて側壁の上縁部が徐々に高くなるハイカット部が設けられていて、そのハイカット部では第2分割浴槽から離間する一端側の上縁部が最も上方側に位置していて、ハイカット部の始点側は、洗髪台部に向かうにつれて側壁の上縁部が上方側に向かうように湾曲する曲率が最も大きく設けられていて、ハイカット部のうち首支持部側よりも一端側では、上縁部の傾斜角度が始点側よりも緩くなるように設けられている、ことを特徴としている。
また、本発明の介護用浴槽の他の側面は、上述の発明に加えて更に、ハイカット部は、首支持部に利用者の首を乗せた状態において一端側の上縁部が利用者の目線よりも高くなるように設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の介護用浴槽の他の側面は、上述の発明に加えて更に、ハイカット部は、浴槽本体部の長手方向のうち利用者の足先側の他端側に向かうにつれて、上縁部が下降すると共に利用者が下半身側の周囲を見渡せる視界確保形状に設けられている、ことが好ましい。
さらに、本発明の介護用浴槽の他の側面は、上述の発明に加えて更に、首支持部から第2分割浴槽に向かう部分には、利用者の首の下方側から腰にわたる部分を支持するバックレスト部が設けられていて、バックレスト部のうち首支持部側の上部側が設置面に対してなす傾斜角度は、45度を超える角度に設けられ、当該バックレスト部の上方側から下方に向かうにつれて、滑らかな曲面を描くように設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の介護用浴槽の他の側面は、上述の発明に加えて更に、第1分割浴槽から第2分割浴槽に向かう方向を長手方向とし、その長手方向に直交する方向を幅方向とした場合、少なくとも第1分割浴槽のうち首支持部よりも第2分割浴槽側の部分を、幅方向と上下方向とがなす平面で切断した断面には、その断面の上方側に拡幅部が設けられていて、拡幅部は、断面の下方側から上方側に向かう際の曲率を変動させないと想定した場合の形状線よりも、幅方向の寸法を拡大して設けられていて、拡幅部は、拡幅メイン部と、移行部とを有していて、拡幅メイン部は、形状線に対して平行な部分を有し、かつ移行部よりも曲率の小さな曲線形状に設けられていて、移行部に沿って上側から下側に向かうと、当該移行部には曲がる向きが互いに逆転する第1湾曲部と第2湾曲部とが設けられていて、第1湾曲部は上方から下方に向かうと徐々に浴槽内部21の中央側に向かうように湾曲し、第2湾曲部は前記第1湾曲部とは逆に湾曲している、ことが好ましい。
さらに、本発明の介護用浴槽の他の側面は、上述の発明に加えて更に、第1分割浴槽から第2分割浴槽に向かう方向を長手方向とし、その長手方向に直交する方向を幅方向とした場合、少なくとも第2分割浴槽の底部のうち、幅方向の中央側には、中央隆起部が設けられ、その中央隆起部の幅方向の両側には、ガイド凹部が設けられていて、中央隆起部は、ガイド凹部よりも上方に突出して設けられている、ことが好ましい。
本発明の介護用浴槽によると、利用者の満足度を高めることが可能であること、および介護スタッフが利用者の身体を洗う際の負荷を軽減することの少なくとも一つを達成することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る介護用浴槽の全体構成を示す斜視図である。 図1の介護用浴槽の構成を示す側面図である。 浴槽本体部の断面を拡大して示す図である。 図1の介護用浴槽を構成するパッキン部を拡大して示す図である。 図1の介護用浴槽を構成する接合部材が下半身側分割浴槽に対して取り付けられた態様を示す図である。 図1の介護用浴槽の首支持部を拡大して示す斜視図である。 図1の介護用浴槽の浴槽本体部を首支持部付近で切断した状態を示す正面断面図である。 図1の介護用浴槽の浴槽本体部の側面断面図である。 図9は、介護用浴槽の従来の浴槽本体部の側断面図である。 図8におけるA−A線付近で浴槽本体部を切断した状態を示す正面断面図であり、切断部分からX1側を見た状態を示す図である。 図8におけるB−B線付近で浴槽本体部を切断した状態を示す正面断面図であり、切断部分からX1側を見た状態を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る介護用浴槽10について、図面に基づいて説明する。以下の説明では、XYZ直交座標系を用いて説明することがあるものとし、介護用浴槽10の長手方向をX方向とし、X1側を洗髪台部212の位置する側、X2側をそれとは反対側として説明する。また、介護用浴槽10の幅方向をY方向とし、図1において右側をY1側、それとは逆の左側をY2側として説明する。また、介護用浴槽10の上下方向をZ方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側として説明する。
図1は、介護用浴槽10の全体構成を示す斜視図である。図2は、介護用浴槽10の構成を示す側面図である。図1および図2に示すように、介護用浴槽10は、浴槽本体部20と、支持脚部40とを有していて、浴槽本体部20は、第1分割浴槽に対応する上半身側分割浴槽20Aと、第2分割浴槽に対応する下半身側分割浴槽20Bと、パッキン部30とを有している。
浴槽本体部20は、上半身側分割浴槽20Aと、下半身側分割浴槽20Bとが、パッキン部30を介して連結される。それにより、図1に示すような、湯水を蓄えて利用者が入浴することが可能な浴槽内部21が形成される。
図3は、浴槽本体部20の断面を拡大して示す図である。図3に示すように、浴槽本体部20は、樹脂基材P1と、被覆材P2を材質として形成されている。樹脂基材P1は、次のような樹脂材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、各種のエンジニアリングプラスチック、ポリアセタール、ポリアセタール(POM、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、その他 GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR; Polyacrylate)、ポリサルフォン(PSF; Polysulfone)、ポリエーテルサルフォン(PES; Polyethersulfone)、ポリフェニレンスルファイド(PPS; Polyphenylene sulfide)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK; Polyether ether ketone)、ポリイミド(PI; Polyimide)、ポリエーテルイミド(PEI; Polyetherimide)、フッ素樹脂(fluorocarbon polymers)、液晶ポリマー(LCP; Liquid crystal polymer)等が挙げられる。また、被覆材P2は、たとえば炭化したアクリル樹脂繊維である炭素繊維強化プラスチックを用いることができる。樹脂基材P1に対して被覆材P2は貼り付けられているが、その際に、被覆材P2にたとえばエポキシ等のような液状かつ接着性を有する樹脂を含浸させて(いわゆるウエットカーボン方式にて)、樹脂基材P1に被覆材P2を貼り付けている。なお、被覆材P2は、単数層の貼り付けでも、複数層の貼り付けでも良い。また、より軽量で強度が要求される場合には、ウエットカーボン方式ではなく、真空引き等を伴いつつオートクレーブで加熱加圧を行うドライカーボン方式としても良い。
図4は、パッキン部30を拡大して示す図である。図4に示すように、パッキン部30は、一対の接合部材31,32と、シール部材33と、クランプ機構34とを有している。一対の接合部材31,32のうち、接合部材31は、下半身側分割浴槽20Bに取り付けられ、接合部材32は、上半身側分割浴槽20Aに取り付けられている。そのため、接合部材31,32は、それぞれ上半身側分割浴槽20Aおよび下半身側分割浴槽20Bの外周面形状に倣うように形成されていて、その外観がU字形状となるように設けられている。ただし、U字形状のうち、接合部材31,32の下部側は、浴槽内部21の底部形状に沿って直線状に設けられている。
また、本実施の形態では、一対の接合部材31は、アルマイト処理したアルミニウムといった金属を材質として形成されている。なお、一対の接合部材31,32は、アルミニウム以外の金属を材質としても良い。また、上述とは逆に、上半身側分割浴槽20Aに接合部材31を取り付けると共に、下半身側分割浴槽20Bに接合部材32を取り付ける構成を採用しても良い。
図5は、接合部材31が下半身側分割浴槽20Bに対して取り付けられた態様を示す図である。なお、図5には示さないが、接合部材32も上半身側分割浴槽20Aに対して同様に取り付けられている。この図5に示すように、一対の接合部材31,32は、浴槽本体部20よりも下方側に位置するように取り付けられている。しかも、接合部材31と接合部材32とが面状に対向するように取り付けられている。このような取付態様とすることにより、接合部材31,32は、浴槽内部21に露出しない。そのため、利用者が入浴する場合でも、金属部分である接合部材31,32が利用者に接触するのを防ぐことができ、利用者に冷たい感じを与えるのを防止可能となる。
なお、本実施の形態においては、浴槽本体部20においては、接合部材31,32を含め、金属製の部分は回り込み部201に存在しないように設けられている。加えて、浴槽内部21においても、接合部材31,32を始め、金属製の部分が存在しないように設けられている。そのため、利用者が座ったり入浴する等して、利用者が触れる部分において、利用者が冷たい等、温度差を感じるのを防ぐことが可能となっている。
また、接合部材31には、凹形状の取付溝31aが設けられている。この凹形状の取付溝31aは、接合部材31の幅方向に沿って2条(2つ)設けられている。ここでいう幅方向とは、接合部材31が下半身側分割浴槽20Bに取り付けられた状態において、浴槽内部21の内部から外部に向かう方向が該当する。図5には、接合部材31の両端側にまで亘るような取付溝31aが環状に設けられていて、その環状の取付溝31aには、シール部材33が嵌め込まれる。シール部材33は、たとえばシリコンゴム等のようなゴムパッキンであり、取付溝31aに嵌め込まれても、そのシール部材33の一部が突出する。それにより、シール部材33が接合部材32の表面に接触し、浴槽内部21の湯水が外部に漏れるのを防止する。
このように、本実施の形態では、2条(2つ)の取付溝31aが設けられ、その取付溝31aにシール部材33が嵌め込まれるので、1条(1つ)のみの取付溝が設けられる場合と比較して、湯水が浴槽内部21から漏れるのを良好に防止可能となる。
また、クランプ機構34は、支持ロッド341を備えている。支持ロッド341は、接合部材31の挿通孔31aに挿通自在に設けられている。一方で、接合部材32には、支持ロッド341を挿入するためのロッド用切欠部32aが設けられていて、このロッド用切欠部32aの最も奥側の端部で支持ロッド341が係止される。また、支持ロッド341のうちX2側の端部には、リンクレバー343のリンク部343aの他端側(X2側)が支持軸等を介して回転自在に連結されている。リンクレバー343は、リンク部343aと把持部343bを有していて、これらが略L字形状をなすように曲げられている。
また、リンク部343aの一端側(X1側)は、リンク部材342の他端側(X2側)に連結されていて、そのリンク部材342の一端側(X1側)は、リンク固定部344に連結されている。そのため、リンクレバー343を把持して、リンクレバー343を回動させると、支持ロッド341がX方向に移動する。
たとえば、リンク部材342とリンク部343aの合計長さが長くなるように(一直線となるように)配置される場合には、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bとが連結されたロック状態となる。また、リンク部材342とリンク部343aとが互いに角度をなすように配置される場合には両者の連結が解除された状態となる。このように、クランプ機構34は、リンク機構を利用して、支持ロッド341を解除ポジションと連結ポジションの2つの位置に切り替えることが可能となっている。なお、クランプ機構34は、リンク機構を用いずに、カム等を利用しても良い。
このようなクランプ機構34が合計4か所に設けられていて、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bとの安定的な連結が行えるが、クランプ機構34は、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bの連結が安定的となるのであれば、その個数は限定されない。
また、接合部材31と接合部材32のいずれか一方には、支持アーム35が取り付けられている。支持アーム35は、ハンモック状の介護用ベッド(図示省略)の下方に回り込ませる、支持ベルトの端部側を引っ掛ける部分である。支持ベルトを引っ張ると、入浴している利用者を浴槽内部21から引き上げることができる。そして、利用者を引き上げた状態で、その利用者の身体を洗う等の動作が行える。
このような支持アーム35が存在しない状態では、介護スタッフは、浴槽内部21の湯水に手を入れて、利用者の身体を横に向ける等の作業が必要となっていた。または、介護用ベルト自体を浴槽内部21から引き上げる必要があった。しかしながら、このような支持アーム35の存在により、その支持アーム35に支持ベルトを引っ掛ける等すれば、利用者の腰回り部分のみを浴槽内部21から持ち上げることができ、介護スタッフの作業負荷の軽減を図ることができる。
続いて、支持脚部40について説明する。図1および図2に示すように、支持脚部40は、浴槽本体部20を支持する部分であり、居室内部の設置部位と接触する部分である。かかる支持脚部40は、浴槽本体部20を良好に支持できるものであれば、どのような形態でも良い。本実施の形態では、支持脚部40は、分岐した、または非分岐の支持アーム41を備えていて、その支持アーム41の上端部41a側が浴槽本体部20の下面側に、たとえば接着等の手法により取り付けられている。また、分岐アーム41の下方は、幅方向で連結アーム42を介して互いに連結されていて、その連結アーム42は、耐久性を有すると共に設置部位に接する樹脂部材43が取り付けられている。
また、浴槽内部21には、排水のためのドレン部材50が取り付けられている。本実施の形態では、浴槽内部21には、頭から下の身体が入る部分であるメイン浴槽部211と、洗髪等を行うために頭が位置する洗髪台部212とが設けられていて、メイン浴槽部211と洗髪台部212のそれぞれの内部の最も下方側にドレン部材50が設けられている。
次に、浴槽本体部20の構成の詳細について説明する。図1に示すように、浴槽本体部20のうち、上半身側分割浴槽20A側には、ハイカット部22、首支持部23、バックレスト部24が設けられている。また、下半身側分割浴槽20Bには、フットレスト部25と、中央隆起部26aとが設けられている。さらに、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bに跨るように、拡幅部27が設けられている。以下、これらの詳細について説明する。
図2に示すように、ハイカット部22は、浴槽本体部20の側壁20sの上縁部20s1を、浴槽本体部20の他の部分よりも高く形成した部分である。より詳細には、ハイカット部22は、首支持部23よりも下半身側分割浴槽20B側(X2側)の部位を始点(図2において始点Stとする)として、洗髪台部212側(X1側)に向かうにつれて、上縁部20s1の高さが徐々に高くなるように設けられている部分である。加えて、始点Stから洗髪台部212側(X1側)に向かう場合に、ハイカット部22の上縁部20s1の始点St側では、洗髪台部212側(X1側)に向かう場合に上方側に向かうように湾曲する曲率が最も大きく設けられている。しかし、ハイカット部22のうち首支持部23側よりも一端側(X1側)では、上縁部20s1の傾斜角度が始点St側よりも緩くなるように設けられている。そのため、ハイカット部22が不必要に高くならずに済み、介護スタッフの作業性を確保している。
また、首支持部23に利用者の首を乗せた状態で、利用者の目線の位置でハイカット部22を幅方向(Y方向)に切断すると、ハイカット部22の高さは利用者の目線の高さよりも高くなるように設けられている。ただし、首支持部23の位置で、幅方向(Y方向)で切断したときのハイカット部22の高さが、利用者の目線の高さよりも高くなるようにしても良い。
そのため、利用者が入浴している場合には、その視界がハイカット部22で覆われる状態となる。また、このような形状とする場合、ハイカット部22は、主として頭部が位置する洗髪台部212の高さを高くする状態となる。このとき、ハイカット部22は、ヘルメット形状に類似した状態となり、ハイカット部22で頭部の側面を良好に覆う状態となる。
ところで、介護スタッフが周囲にいる状況で、利用者が裸になって訪問入浴サービスを利用する場合、利用者の中には、心理的な面で抵抗のある人が少なくない。特に、利用者自身が周囲を容易に確認できる状況では、その心理面での抵抗が大きくなる。しかしながら、利用者の目線をある程度遮ると、利用者の心理面での抵抗を軽減可能であることが、医療関係者を含めた開発の過程で明らかとなり、そのためにハイカット部22を設けることが有効であることが判明した。したがって、かかるハイカット部22を設けることで、利用者が訪問入浴サービスを利用する際の満足度を高めることが可能となる。
また、ハイカット部22は、洗髪台部212を高く覆う状態となっている。このため、利用者の洗髪の際に、湯水が周囲に飛散するのを防ぐといった効果も発揮させることができる。
なお、ハイカット部22は、上述した上縁部20s1と比較して、最も高い部分がたとえば150mm程度とすることが可能である。
また、図1他に示すように、上縁部20s1は、浴槽内部21から外側に向かう回り込み部201のうち上縁側の部分である。そして、上縁部20s1の最も外側からは、下方に向かうように下方延伸部20s2も設けられている。このような上縁部20s1と下方延伸部20s2とが設けられることにより、浴槽内部21の剛性を高めることが可能となる。
また、浴槽本体部20の材質である樹脂基材P1および被覆材P2と、回り込み部201とが相俟って、浴槽本体部20の剛性を一層高めることが可能となる。そのため、従来のようなたとえばFRPを材質としつつ金属製のフレーム等の補強部材が必要な浴槽本体部と比較して、浴槽本体部20の重量を低減可能となっている。その一例としては、従来の浴槽本体部の重量が約40kgであったのに対して、本実施の形態の浴槽本体部20ではその半分程度(約20kg程度)とすることができる。それにより、介護スタッフが浴槽本体部20を搬送する際の労力を軽減することができる。
次に、首支持部23について説明する。図6は、首支持部23を拡大して示す斜視図である。また、図7は、浴槽本体部20を首支持部23付近で切断した状態を示す正面断面図である。首支持部23は、入浴中の利用者の首を支持する部分である。この首支持部23は、浴槽本体部20の幅方向(Y方向)に延伸していて、その延伸方向(Y方向)における中央部分が最も凹む(凹部23aが存在する)ように、延伸方向において湾曲している。また、首支持部23の幅方向(X方向)においては、首支持部23の延伸方向の各部位においても、寸法がさほど変化しないように設けられている。それにより、首支持部23には、幅が大幅に狭くなる部分が存在せず、首支持部23にて首を安定的に支持することができる。
ここで、首支持部23のうち延伸方向(Y方向)のうち、高さ方向で最も低い中央側の部位(凹部23aの中央側の部位)は、ハイカット部22のうち延伸方向(Y方向)において首支持部23と同じ部位よりも低く設けられている。しかも、首支持部23に首を乗せた状態では、上記と同じ延伸方向(Y方向)において、目線の高さはハイカット部22よりも低くなるように設けられている。そのため、利用者の頭部周囲はハイカット部22で覆われる状態となり、利用者の目線をハイカット部22にて良好に遮ることが可能となり、利用者の心理面での抵抗を軽減可能である。
なお、凹部23aの最も低い位置から、ハイカット部22の上端部22aのうち上述の延伸方向(Y方向)に位置する部位までの高さは、160mm程度となっている。また、ハイカット部22以外の上縁部20s1からハイカット部22のうち最も高い上端部22aまでの高さは、150mm程度となっている。このような寸法設定とする場合、ハイカット部22を必要以上に高くせずに浴槽本体部20の軽量化が図れつつも、利用者の心理面での抵抗を軽減可能である。
また、首支持部23からX2側に向かう部分は、バックレスト部24に対応している。図8は、浴槽本体部20の側面断面図である。バックレスト部24は、利用者の背中から腰の部分が接触する部分であるため、図8に示すような滑らかな曲線形状に形成されている。具体的には、バックレスト部24のうち首支持部23側の上部側が設置面に対してなす傾斜角度α1は、45度を超える角度に設けられている。この傾斜角度α1としては、たとえば60度前後とするものがあるが、45度〜80度の範囲が好ましい。そして、図8に示すように、バックレスト部24の上方側から下方に向かうにつれて、滑らかな曲面を描くように設けられている。このため、バックレスト部24では、メイン浴槽部211の底部211aに至るまで、曲率の大きな変動はないように形成されている。
なお、バックレスト部24の終端は、上述したドレン部材50に近接していて、メイン浴槽部211内部で最も低い部位となっている。
また、メイン浴槽部211のうち、バックレスト部24とは反対側(X2側)の端部には、フットレスト部25が設けられている。フットレスト部25は、利用者の足先が位置する部分である。本実施の形態では、フットレスト部25は、上方に位置する立ち上がり部25aと、立ち上がり部25aの下方に位置する湾曲部25bとを有している。立ち上がり部25aは、その断面形状が直線状か、または曲率の小さな曲面形状に設けられていて、その立ち上がり部25aは、高さ方向で25の2/3〜4/5程度を占めている。
この立ち上がり部25aのうち上方側(Z1側)の部分が設置面に対してなす傾斜角度β11は、90度よりは小さいものの、60度よりは大きく設けられている。この傾斜角度β11としては、70度〜88度の範囲が好ましい。また、立ち上がり部25aの下方側(Z2側)が設置面に対してなす傾斜角度β12も、上述と同様に60度よりは大きく設けられていて、上方側の傾斜角度β11と同等か、または若干小さく設けられている。
一方、湾曲部25bは、立ち上がり部25aの下端から急激に曲がって、底部211aに連なる部分である。フットレスト部25のうち、立ち上がり部25aの角度が上述のような大きな角度に設けられることにより、利用者の足先を伸ばす空間を広げることが可能となる。特に、湾曲部25bが高さ方向(Z方向)において、立ち上がり部25aに占める割合が従来形状よりも低くなり、また立ち上がり部25aの角度を、上述のような角度範囲とすることで、より足先を伸ばす空間を広げることが可能となる。
ここで、従来の浴槽本体部20Rは、次のように構成されている。図9は、従来の浴槽本体部20Rの側断面図である。図9に示すように、従来の浴槽本体部20Rでは、バックレスト部64の上方側が設置面に対してなす傾斜角度α2は、45度よりも小さく設けられている。そのため、腰の位置は、本実施の形態の浴槽本体部20よりもX2側に位置してしまう。それにより、利用者が浴槽内部61の内部に入っても脚が曲がった状態となることが多い。加えて、従来の浴槽本体部20Rでは、フットレスト部65の上方側の傾斜角度β21も、立ち上がり部65aの上方側の傾斜角度β11および下方側の傾斜角度β12の双方よりも小さく設けられている。このため、従来の浴槽本体部20Rでは、一層脚を曲げて浴槽内部61に入ることになる。
以上のような比較から明らかなように、本実施の形態の浴槽本体部20では、浴槽内部21の底部211aの寸法を長くとることができ、それによって利用者が脚を伸ばして入浴し易くなり、利用者の満足度を高めることが可能となる。
図10は、図8におけるA−A線付近で浴槽本体部20を切断した状態を示す正面断面図であり、切断部分からX1側を見た状態を示す図である。図10に示すように、下半身側分割浴槽20Bの底部211aのうち、幅方向(Y方向)の中央側には、中央隆起部26aが設けられていて、その中央隆起部26aの幅方向(Y方向)の両側には、ガイド凹部26bが設けられている。
中央隆起部26aは、ガイド凹部26bよりも突出している部分である。そのため、ドレン部材50から排水する場合、湯水が残り少なくなると、湯水は中央隆起部26aには位置し難くなるので、ガイド凹部26bに湯水が集中的に集まる。それにより、浴槽内部21の内部での排水性を高めることが可能となる。したがって、介護用浴槽10を利用後に撤収する場合、その撤収作業の時間短縮を図ることができる。
また、中央隆起部26aが存在しない場合と比較して、浴槽内部21における湯水の量を低減することも可能となる。さらに、ガイド凹部26bには、利用者の脚を位置させ易くなるが、その際に、利用者の脚を決めして、脚が不安定な状態となるのを抑制可能となる。さらに、中央隆起部26aおよびガイド凹部26bが存在しない場合と比較すると、浴槽本体部20の剛性を向上させることができる。
図11は、図8におけるB−B線付近で浴槽本体部20を切断した状態を示す正面断面図であり、切断部分からX1側を見た状態を示す図である。図11に示すように、上半身側分割浴槽20Aの上方側には、拡幅部27が設けられている。拡幅部27は、浴槽内部21の上部側において、図11に示す形状線Mよりも、浴槽内部21の幅を広げた部分である。この拡幅部27は、形状線Mに対して、20mm〜40mm程度、浴槽内部21の幅を広げた部分となっているが、それ以外の寸法だけ幅を広げてもよい。なお、形状線Mは、図11に示す断面の下方側から上方側に向かう際に、側壁面21aの曲率を変動させないと想定した場合の仮想的な断面線である。
しかも、図11に示すように、拡幅部27は、拡幅メイン部27aと、移行部27bとを有している。拡幅メイン部27aは、図11に示す形状線Mに対して平行となるように、その断面形状が直線状または移行部27bよりも曲率の小さな曲線形状に設けられている。一方、移行部27bは、拡幅メイン部27aよりも曲率が大きく設けられていて、この移行部27bを経て、それよりも下方に位置する側壁面21aと連なっている。
移行部27bに沿って上側から下側に向かうと、移行部27bには曲がる向きが逆転する2つの湾曲部(第1湾曲部27b1、第2湾曲部27b2)が設けられている。第1湾曲部27b1は、上方から下方に向かうと徐々に浴槽内部21の中央側に向かう(浴槽内部21から外部に向かうように凸となる)ように湾曲している部分である。また、第2湾曲部27b2は、上方から下方に向かうと徐々に浴槽内部21の外側に向かう(浴槽本体部20の外側から浴槽内部21に向かうように凸となる)ように湾曲している部分である。
たとえば、移行部27bを備えずに、急激な段差状となる部分を備えるのみでは、拡幅部27に手を差し込んだときに、その手を利用者の背中に向けて滑らかにガイドできない。また、介護スタッフの手等を小面積で押圧する等の部位が生じ、作業性が悪化する。しかしながら、上述のような移行部27bを備える構成の場合、介護スタッフの手を滑らかに利用者の背中にガイドすることが可能となり、介護スタッフの作業性を向上させることができる。
ところで、介護用浴槽10は、軽自動車ベースの業務用車(入浴車)にも積載可能とする必要があるので、浴槽本体部20の幅には、最大で800mm程度と制約がある。一方で、利用者がゆったりと入浴できるように、浴槽内部21の内部寸法は可能な限り広げるのが好ましい。しかしながら、浴槽内部21の湯水の量は低減する方が好ましいので、腕等の存在する上半身側よりも下半身側は、若干広くする必要がある。
しかし、従来の浴槽本体部においては、特にハンモック状の介護用ベッドに利用者が乗せられた状態で浴槽内部に入ると、利用者の腕等を含めた上半身が比較的上方側に位置し、浴槽内部の幅方向の全体に亘って、利用者の腕等を含めた身体が占有する状態となることも多い。その状態では、利用者が横向きにならないと、介護スタッフの手が入らない場合が多く、介護を必要とする利用者が自身の力で横向きの姿勢をとるのは容易でないことが多い。そのため、介護スタッフが利用者の姿勢を横向きにするのに負荷がかかる状態となっている。
また、従来の浴槽本体部では、利用者の背中等を洗う場合には、利用者の左右側いずれかが下側となるように横向きとした後に、介護スタッフの片手を利用者の下側に回して利用者を押さえながら、もう片手で湯水に使っている側(下側)の背中を洗うことになる。その後に、今度は左右側の反対側が下側となるように横向きとした後に、介護スタッフの片手を利用者の下側に回して利用者を押さえながら、もう片手で湯水に使っている側(下側)の背中を洗うことになる。このような作業は、介護スタッフにとって大きな負荷がかかる状態となっている。
しかしながら、上記のような拡幅部27が存在することにより、介護スタッフの手を滑らかに利用者の背中側にガイドすることができる。そのため、利用者が寝たままの状態で、利用者の背中を洗うことが可能となる。また、利用者を横向きの姿勢とする作業も容易となる。また、拡幅部27の存在により、手を利用者の下側に位置させるのが容易となり、介護スタッフの負荷を軽減することが可能となる。
次に、洗髪台部212について説明する。図1および図2他に示すように、上半身側分割浴槽20Aには、洗髪台部212が設けられている。洗髪台部212は、首支持部23よりもX1側に位置する部分であり、上述したハイカット部22が主として位置する部分である。洗髪台部212には、利用者の頭部が位置する部分であり、図1、図2および図8等に示すように凹部形状に設けられている。ただし、洗髪台部212の凹んだ部分の底部212aは、頭部を洗髪等する際に必要十分な寸法となる程度だけ凹んでいるので、メイン浴槽部211の底部211aよりも高い位置に設けられている。なお、この底部212aの最も低い位置には、ドレン部材50が取り付けられている。
<浴槽本体部20の付加的な構成について>
次に、浴槽本体部20の付加的な構成について説明する。図1に示すように、上半身側分割浴槽20Aには、一対の取手60が設けられている。取手60は、首支持部23よりもX1側に位置していて、浴槽内部21に突出するように設けられている。この取手60は略コの字形状に設けられていて、その両端が側壁面21aの上方側に取り付けられている。この取手60には、入浴の際に用いられるハンモッグのフックが掛けられるようになっている。すなわち、ハンモッグの四隅にはフックが配置されているが、それらのフックのうち利用者の頭部に近い側(前端側とする)の2つの隅部のフックが取手60に掛けられる。
一方、図1および図2に示すように、下半身側分割浴槽20Bには、一対の滑車ユニット70が取り付けられている。それぞれの滑車ユニット70は、図示を省略するワイヤの移動をガイドするための滑車が単数または複数設けられている。また、ワイヤの端部は、連結具を介して利用者の足先に近い側(後端側とする)のフックに連結される。そのため、滑車ユニット70を介して、ハンモッグを張設したり、緩めることができる。
すなわち、利用者がハンモッグの上に寝た状態で、滑車ユニット70を介して浴槽内部21側にワイヤを供給すると、ハンモッグが緩むが、そのようにハンモッグを緩めた場合には、ハンモッグが浴槽内部21の底部に接触する。そのため、利用者の身体が湯水に十分に浸かることができる。一方、利用者がハンモッグの上に寝た状態で滑車ユニット70を介して浴槽内部21側からワイヤを引き上げてハンモッグを張設した場合には、利用者が湯水にほとんど浸からない状態とすることができる。
また、滑車ユニット70を飛び出したそれぞれのワイヤは、図2に示すような保護ケーブル80に覆われた状態で、浴槽本体部20の下方側へとガイドされ、送り機構90の内部へと導かれる。送り機構90は、たとえば送りねじ(図示省略)の回転によってワイヤを接続している接続部材(図示省略)が前後方向(X方向)に移動するものである。図2に示す構成では、送りねじは、筒状部材91の内部に回転自在となる状態で収納されている。
なお、送りねじのうち一端側(X1側)には、ジョイント部材92が連結され、そのジョイント部材92は、介護用浴槽10の一端側(X1側)まで延伸している。そして、ジョイント部材92の一端側(X1側)には、図示を省略するハンドルが連結されていて、このハンドルを回転させることで、ワイヤの供給およびそれとは逆のワイヤの引き上げが可能となる。ここで、ジョイント部材92は、図2に示すようなシャフトを備えるものでも良いが、変形が自在なフレキシブルジョイントを用いるようにしても良い。なお、ハンドルに代えて、モータ等を用いた駆動手段により、ワイヤの供給や、それとは逆の引き上げを、自動的に行うようにしても良い。
<効果について>
以上のような構成の介護用浴槽10によると、上半身側分割浴槽20Aには、その上半身側分割浴槽20Aの長手方向(X方向)において首支持部23よりも下半身側分割浴槽20Bを始点Stとして洗髪台部212に向かうにつれて側壁20sの上縁部20s1が徐々に高くなるハイカット部22が設けられている。また、ハイカット部22では下半身側分割浴槽20Bから離間する一端側(X1側)の上縁部20s1(上端部22a)が最も上方側に位置している。また、ハイカット部22の始点St側は、洗髪台部212に向かうにつれて側壁20sの上縁部20s1が上方側に向かうように湾曲する曲率が最も大きく設けられていて、ハイカット部22のうち首支持部23側よりも一端側(X1側)では、上縁部20s1の傾斜角度が徐々に緩くなるように設けられている。
このため、ハイカット部22は、利用者の頭部の側方を覆う状態となり、適度な包まれ感により利用者の心理的な安心感を高めることができる。すなわち、首支持部23で利用者の頭部が持ち上げられると、浴槽内部21から飛び出し、その際に、利用者は心理的に落ち着かない状態となりがちである。しかしながら、ハイカット部22で頭部の側面側を仕切ることにより、利用者の頭部が浴槽内部21から飛び出していることによる不安定な感覚を軽減することができ、利用者を心理的に落ち着かせることができる。
また、ハイカット部22が高くなり過ぎる場合には、特に洗髪台部212においては、利用者の洗髪等の作業の支障になる。しかしながら、始点St側での曲率が大きくなるようにした上で、上端部22a側に向かうにつれて上縁部20s1の傾斜角度が徐々にゆるくなるように設けられている。そのため、ハイカット部22が高くなり過ぎるのを抑えることができ、介護スタッフの作業性が悪化するのを防止可能となる。
また、本実施の形態では、ハイカット部22は、首支持部23に利用者の首を乗せた状態において当該利用者の目線よりも高い上端部22aを有している。このため、介護スタッフが周囲にいる状況において、利用者が裸になって訪問入浴サービスを利用する場合でも、利用者の心理的な面での抵抗を軽減することができる。すなわち、ハイカット部22を設けることで、利用者が訪問入浴サービスを利用する際の満足度を高めることが可能となる。
また、ハイカット部22は、洗髪台部212を高く覆う状態となるので、利用者の洗髪の際に、湯水が周囲に飛散するのを防ぐことも可能となる。
また、本実施の形態では、ハイカット部22は、浴槽本体部20の長手方向(X方向)のうち利用者の足先側の他端側(X2側)に向かうにつれて、その上端部22aが下降すると共に利用者が下半身側の周囲を見渡せる視界確保形状に設けられている。このため、ハイカット部22の側方等を覆って心理的な安心感を高めつつも、利用者の視界を確保できる。
すなわち、ハイカット部22の存在により適度な包まれ感を備えて心理的な安心感を高められるが、下半身側の周囲を見渡せない状況では「何をされるのか」といった不安が増す場合がある。しかし、ハイカット部22が上述のような視界確保形状に設けられていることにより、介護スタッフによって利用者が何をされるのか等を確認できるので、上述のような不安を軽減可能となる。それにより、利用者の満足度を高めることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、首支持部23から下半身側分割浴槽20Bに向かう部分には、利用者の首の下方側から腰にわたる部分を支持するバックレスト部24が設けられている。しかも、バックレスト部24のうち首支持部23の上部側が設置面に対してなす傾斜角度α1は、45度を超える角度に設けられ、当該バックレスト部24の上方側から下方に向かうにつれて、滑らかな曲面を描くように設けられている。
このため、傾斜角度α1は、図9に示すような従来の浴槽本体部20Rのバックレスト部240の傾斜角度α2と比較して大きくなり、それによってメイン浴槽部211内部で利用者の腰の位置を従来の浴槽本体部20RよりもX1側に位置させることができる。そのため、メイン浴槽部211内部では、利用者が足を伸ばす空間を広げることができる。したがって、利用者が屈んだ状態になるのを防ぐことができ、利用者の満足度を高めることができる。
また、バックレスト部24の存在により利用者の頭部は起きがちとすることができるが、その際でも、バックレスト部24とハイカット部22とが相俟って、利用者への心理的な面での安心感を確保することができる。
また、本実施の形態では、少なくとも上半身側分割浴槽20Aには、拡幅部27が設けられている。このため、介護スタッフが手を差し込む部分を確保することができる。しかも、拡幅部27には、拡幅メイン部27aと、移行部27bとが設けられている。拡幅メイン部27aは、上述の形状線Mに対して平行となるように、その断面形状が直線状または移行部27bよりも曲率の小さな曲線形状に設けられていて、移行部27bに沿って上側から下側に向かうと、当該移行部27bには曲がる向きが互いに逆転する第1湾曲部27b1と第2湾曲部27b2とが設けられている。かかる移行部27bの存在により、介護スタッフの手を滑らかに利用者の背中にガイドすることが可能となり、介護スタッフの作業性を向上させることができる。それにより、介護スタッフが利用者の身体を洗う際の負荷を軽減することが可能となる。特に、介護スタッフは、一日当たりの訪問件数も多いので、同様の作業を一日に何度も行うことになるが、上述のような拡幅部27の存在により、介護スタッフには大きな負荷の低減効果がある。
加えて、バックレスト部24は傾斜角度α1が従来の浴槽本体部20Rのバックレスト部240の傾斜角度α2と比較して大きく設けられているので、利用者の背中とバックレスト部24との間には、隙間を形成することができる。しかも、拡幅部27の存在により、介護スタッフは、その隙間に手を入れやすくなる。そのため、たとえば利用者の背中を洗ったり、利用者の向きを変えるといった作業を一層行い易くなり、介護スタッフの負荷を一層軽減することができる。
さらに、本実施の形態では、下半身側分割浴槽20Bの底部211aのうち、幅方向(Y方向)の中央側には、中央隆起部26aが設けられ、その中央隆起部26aの幅方向(Y方向)の両側には、ガイド凹部26bが設けられている。そして、中央隆起部26aは、ガイド凹部26bよりも上方に突出して設けられている。そのため、メイン浴槽部211から排水する場合、湯水が残り少なくなると、ガイド凹部26bに湯水が集中的に集まるので、浴槽内部21の内部での排水性を高めることが可能となる。したがって、介護用浴槽10を利用後に撤収する場合、その撤収作業の時間短縮を図ることができる。
また、中央隆起部26aが存在しない場合と比較して、浴槽内部21における湯水の量を低減することも可能となる。さらに、ガイド凹部26bには、利用者の脚を位置させ易くなるが、その際に、利用者の脚を決めして、脚が不安定な状態となるのを抑制可能となる。さらに、中央隆起部26aおよびガイド凹部26bが存在しない場合と比較すると、浴槽本体部20の剛性を向上させることができる。
また、浴槽内部21の色は、オレンジ色とすることができる。たとえば街灯を青色にする等で犯罪の件数を低減された等のように、一般に、人間は、自身が認識した色によって心理的に誘導されることが多々ある。上記のように浴槽内部21の色をオレンジ色とする場合には、利用者に楽天的な印象をあたえ、陽気な印象を与えることができる。また、消化、新陳代謝をよくする作用があり、食欲を増進させると共に、血管や自律神経を刺激し身体を活動的にすることも期待できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、浴槽本体部20は、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bとによって構成されている。しかしながら、浴槽本体部は、3分割以上に分割される構成としても良く、また分割されない一体的な形状としても良い。また、パッキン部30の構成は、上述の構成に限られるものではなく、上半身側分割浴槽20Aと下半身側分割浴槽20Bを連結可能であり、かつ両者の間で湯水が漏れるのを防止可能であれば、どのような構成であっても良い。
10…介護用浴槽、20,20R…浴槽本体部、20A…上半身側分割浴槽(第1分割浴槽に対応)、20B…下半身側分割浴槽(第2分割浴槽に対応)、20s…側壁、20s1…上縁部、20s2…下方延伸部、21,61…浴槽内部、21a…側壁面、22…ハイカット部、22a…上端部、23…首支持部、23a…凹部、24,64…バックレスト部、25,65…フットレスト部、25a,65a…立ち上がり部、25b…湾曲部、26a…中央隆起部、26b…ガイド凹部、27…拡幅部、27a…拡幅メイン部、27b…移行部、27b1…第1湾曲部、27b2…第2湾曲部27、30…パッキン部、31,32…接合部材、31a…挿通孔、32a…ロッド用切欠部、33…シール部材、34…クランプ機構、35…支持アーム、40…支持脚部、41…分岐アーム、41a…上端部、42…連結アーム、43…樹脂部材、50…ドレン部材、201…回り込み部、211…メイン浴槽部、211a…底部、212…洗髪台部、212a…底部、240…バックレスト部、250…フットレスト部、341…支持ロッド、342…リンク部材、343…リンクレバー、343a…リンク部、343b…把持部、344…リンク固定部、P1…樹脂基材、P2…被覆材、St…始点

Claims (6)

  1. 上半身側が位置する第1分割浴槽と、下半身側が位置する第2分割浴槽とを連結することにより浴槽本体部が構成される介護用浴槽であって、
    前記第1分割浴槽には、利用者の首を支持する首支持部と、この首支持部よりも利用者の頭部側が位置する洗髪台部が設けられていて、
    前記第1分割浴槽には、当該第1分割浴槽の長手方向において前記首支持部よりも前記第2分割浴槽側を始点として前記洗髪台部に向かうにつれて側壁の上縁部が徐々に高くなるハイカット部が設けられていて、そのハイカット部では前記第2分割浴槽から離間する一端側の前記上縁部が最も上方側に位置していて、
    前記ハイカット部の前記始点側は、前記洗髪台部に向かうにつれて前記側壁の前記上縁部が上方側に向かうように湾曲する曲率が最も大きく設けられていて、
    前記ハイカット部のうち前記首支持部側よりも前記一端側では、前記上縁部の傾斜角度が始点側よりも緩くなるように設けられている、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
  2. 請求項1記載の介護用浴槽であって、
    前記ハイカット部は、前記首支持部に利用者の首を乗せた状態において一端側の前記上縁部が利用者の目線よりも高くなるように設けられている、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
  3. 請求項1または2記載の介護用浴槽であって、
    前記ハイカット部は、前記浴槽本体部の長手方向のうち利用者の足先側の他端側に向かうにつれて、前記上縁部が下降すると共に利用者が下半身側の周囲を見渡せる視界確保形状に設けられている、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の介護用浴槽であって、
    前記首支持部から前記第2分割浴槽に向かう部分には、利用者の首の下方側から腰にわたる部分を支持するバックレスト部が設けられていて、
    前記バックレスト部のうち前記首支持部側の上部側が設置面に対してなす傾斜角度は、45度を超える角度に設けられ、当該バックレスト部の上方側から下方に向かうにつれて、滑らかな曲面を描くように設けられている、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の介護用浴槽であって、
    前記第1分割浴槽から前記第2分割浴槽に向かう方向を長手方向とし、その長手方向に直交する方向を幅方向とした場合、
    少なくとも前記第1分割浴槽のうち前記首支持部よりも前記第2分割浴槽側の部分を、前記幅方向と上下方向とがなす平面で切断した断面には、その断面の上方側に拡幅部が設けられていて、
    前記拡幅部は、前記断面の下方側から上方側に向かう際の曲率を変動させないと想定した場合の形状線よりも、前記幅方向の寸法を拡大して設けられていて、
    前記拡幅部は、拡幅メイン部と、移行部とを有していて、前記拡幅メイン部は、前記形状線に対して平行となるように、その断面形状が直線状または前記移行部よりも曲率の小さな曲線形状に設けられていて、前記移行部に沿って上側から下側に向かうと、当該移行部には曲がる向きが互いに逆転する第1湾曲部と第2湾曲部とが設けられていて、
    前記第1湾曲部は上方から下方に向かうと徐々に浴槽内部21の中央側に向かうように湾曲し、前記第2湾曲部は前記第1湾曲部とは逆に湾曲している、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の介護用浴槽であって、
    前記第1分割浴槽から前記第2分割浴槽に向かう方向を長手方向とし、その長手方向に直交する方向を幅方向とした場合、
    少なくとも前記第2分割浴槽の底部のうち、前記幅方向の中央側には、中央隆起部が設けられ、その中央隆起部の幅方向の両側には、ガイド凹部が設けられていて、
    前記中央隆起部は、前記ガイド凹部よりも上方に突出して設けられている、
    ことを特徴とする介護用浴槽。
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