JP2016115726A - アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュール - Google Patents

アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールに匹敵する出力パワーを有し、導電接着剤と銅の使用量を大きく節約して製造コストを大幅に低減できる、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュールを提供する。【解決手段】集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュールにおいて1000、アルミニウム製導電回路1011上に、周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波溶接によって一定のパターンで前面側上に直接溶接された複数の導電部材1022を備え、前記複数の導電部材の各々が、一種または複数種の金属材料からなり、かつ各導電部材のアルミニウム製導電回路との接触面積が3〜20mm2である。【選択図】図1

Description

本発明は集積式バックパネルおよびバックコンタクト型光起電力モジュールに関する。本発明は特に、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュールとに関する。
光起電力(または太陽)電池は持続可能なエネルギーを供給することができるため、使用範囲が急速に拡大しつつある。すでに商品化されている通常のシリコン太陽電池は、エミッタ領域とエミッタ領域電極とがいずれも電池の前面側に位置する。
通常の光起電力モジュールを製造するとき、少なくとも25年の耐候性に達させるため、通常は、光起電力電池をポリマー封入層の間に挟むかまたは積層し、モジュールのために機械的支持を提供するフロントパネルとバックパネルとを用いて、光起電力電池を環境からさらに離隔する。このため、フロントパネルとバックパネルは外部保護層パネルとも呼ばれる。
一般的に、結晶シリコンセルに基づく光起電力モジュールは、後面(太陽に対向しない面)から前面(太陽に対向する面)に沿って以下の順序、すなわち、(1)バックパネル、(2)後面封入層、(3)光起電力電池、(4)前面封入層、および(5)フロントパネルを順に備えた積層構造を有する。
該構造を有する光起電力モジュールにおいて、重要なのは、光起電力電池の、太陽に対向する面に設けられる材料(すなわちガラス板などのフロントパネルと前面封入層)が高い光透過率を有することで、十分な日光が光起電力電池に到達するのを許容することである。
封入層(すなわち前面封入層と後面封入層)は通常、酸コポリマー、アイオノマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリ(ビニルアセタール)[たとえばポリ(ビニルブチラール)(PVB)]、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレン(たとえば線状低密度ポリエチレン)、ポリオレフィンブロックコポリマーエラストマー、α−オレフィンとα,β−オレフィン性不飽和カルボキシレートのコポリマー(たとえば、エチレン/メチルアクリレートコポリマーやエチレン/ブチルアクリレートコポリマー)、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、およびこれらのポリマー材料のうち2種類またはより多くの種類の組み合わせなどのポリマー材料からなる。これらのポリマー材料のうち、EVAは、一貫して、光起電力電池の封入層材料の最も人気のある選択であり続けている。前面封入層は、1層または複数層のポリマー材料の積層により形成可能であり、後面封入層も1層または複数層のポリマー材料の積層により形成可能である。
すでに商品化されている通常のシリコン光起電力電池では、エミッタ領域電極が電池の前面側に位置することが、電荷キャリアの収集効率を高めるのに役立つ。ただし、このような構造には次のような制限がある。すなわち、電極が占める面積はすでに小さくなっているが、一部の太陽光を遮るおそれが依然としてあり、光起電力電池の有効受光面積を減少させている。さらに、アセンブリを封入する際、錫被覆リボンを用いて1つの電池の前面側からもう1つの電池の後面側まで半田付けしなければならず、このような接続方式が生産自動化の難度を高めている。このため研究スタッフは、電池の前面側に位置する電極を電池の後面側に移し、構造が異なる多くのバックコンタクト式光起電力電池を開発した。バックコンタクト式光起電力電池とは、電池のエミッタ領域電極の全部または一部が電池の後面側に位置する光起電力電池を指す。バックコンタクト式電池は、独特のデバイス構造と、簡単な製造プロセスおよび高い電池効率により、太陽電池市場で注目を集めている。バックコンタクト式電池には次のような多くの利点がある:1.効率が良い。前面のバスバー電極の遮光損失を低減もしくは完全に解消することにより電池の効率を高めている。2.自動組み立て生産に適している。斬新なアセンブリ封入方式を採用して共平面接続を行い、セル間の間隔を狭めて封入密度を高めるとともに、作製プロセスも簡略化しており、封入の難度を低減している。3.外観がより美しい。バックコンタクト式光起電力電池の前面側は均一で外観が美しく、消費者の審美的な要求を満たしている。
そして、バックコンタクト式光起電力電池において、電極を電池の前面側から後面側に移したため、電池の太陽光受光前面側の銀ペーストの被覆範囲が狭まることで、バックコンタクト式光起電力電池の効率を高めている。
現在、バックコンタクト型光起電力モジュールの生産プロセスは極めて複雑でありかつコストが非常に高い。図1は、従来技術のバックコンタクト型光起電力モジュール1000の断面概略図である。該図で示すバックコンタクト型光起電力モジュール1000は、後面(太陽に対向しない面)から前面(太陽に対向する面)に沿って順に、:バックパネル(または基板)1010、バックパネル上に設けられた金属導電回路(たとえば、銅製導電回路)1011、後面絶縁層(または後面封入層)1020、バックコンタクト式光起電力電池1030、前面封入層1040、およびフロントシート1050の各層を備える。図1に示すように、バックコンタクト式光起電力電池1030の後面側上に、後面絶縁層1020上の複数のスルーホールに位置合わせされる複数の電気的接点1031が形成され;バックコンタクト式光起電力電池1030はまた、前面側から後面側まで延びた複数の電極ガイド孔1032を備える。導電性ペーストが、該電極ガイド孔1032を介して、バックコンタクト式光起電力電池1030の前面側の電極を電池の後面側まで案内し、バックコンタクト式光起電力電池1030後面側上に電気的接点1031を形成する。バックコンタクト式光起電力電池1030の後面側上に設けられた電気的接点1031と金属導電回路1011との間の電気的接続は、後面絶縁層1020の複数のスルーホールに充填された導電材料(たとえば、導電接着剤)1022を介して提供される。
従来技術においては、金属導電回路は通常、銅または銅合金で作製される。ただし、銅のコストが相対的に高いので、他の低コストの金属で銅の代わりに金属導電回路の材料とすることが、バックコンタクト型光起電力モジュールの生産コストを低減する技術的方向性となっている。これに基づき、いくつかの既存の文献に、アルミニウム製導電回路およびアルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルに関する報告がすでにある。しかし、実際の応用においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表層は空気中で酸化が非常に起こりやすく、導電しない酸化膜(Al)が形成されることにより、他の導電材料(たとえば、導電接着剤)との間の接触抵抗が過度に高くなることにつながり、最終的に、これにより作製して得られる電池モジュールの発電効率が低下するおそれがあるばかりか、発電しなくなることさえあり得る。例えば、図2は、表面に完全なAl酸化膜を有するアルミニウム箔の走査電子顕微鏡写真である。該写真から:アルミニウム箔基体の表面に、連続した緻密な1層の酸化アルミニウム膜Aが形成されており、該酸化アルミニウム膜Aがアルミニウム箔基体と外界環境を隔てているのをはっきりと見て取ることができる。このため、バックコンタクト型光起電力モジュールにおけるアルミニウム製導電回路の応用には依然として問題が存在しており、ひいては、大きな制約および制限を受けている。
このため、バックコンタクト型光起電力モジュールの製造業者にとっては、高い電池性能を有していると同時に、導電接着剤および銅の使用を節約することができ、コストの低い、バックコンタクト型光起電力モジュールのための集積式バックパネルを生産する方法と、バックコンタクト型光起電力モジュールを生産する方法と、上記方法を採用して生産された集積式バックパネルおよびバックコンタクト型光起電力モジュールとが切実に必要である。
従来技術のバックコンタクト型光起電力モジュールで使用される、銅製導電回路を備えた集積式バックパネルはコストが高いことに鑑み、本発明者は、通常の、銅製導電回路を備えた集積式バックパネルの代わりに、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルを使用する技術概念を提案する。ただし、アルミニウム板は表面が非常に酸化しやすく、表面酸化作用のためアルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの出力パワーが非常に低くなるおそれがあることを考慮すると、生産・製造過程において技術的手段を講じてアルミニウム板を処理および保護する必要がある。
本発明は超音波溶接法を採用しており、すなわち、周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波を加えることにより溶接し、アルミニウム製導電回路の表面上の、連続した緻密な酸化膜を破壊すると同時に、金属導電部材をアルミニウム製導電回路の上面に直接接続し、従来技術に存在する上記の問題を首尾よく解決している。溶接過程において、溶接デバイスは、溶接熱過程、冶金反応、および溶接応力ならびに変形の作用を受けるため、溶接部付近の領域の化学成分、金属組織等に変化を生じさせるおそれがある。具体的には、超音波溶接によって高エネルギーをアルミニウム製導電回路の上面に加えたとき、アルミニウム製導電回路表面の上面の連続したAl酸化膜(図2参照)に破砕が生じるとともに、アルミニウム板基体に分散されて分散相B(図3参照)を形成することにより、新しいアルミニウム表面を露出させかつ新しいアルミニウム表面の上面に金属導電部材を直接接続する。このような接続構造によって、新しいアルミニウム表面が保護されて酸化が生じるのを避けることにより、低抵抗率の有効な電気的接続を生成する。
本発明は、従来技術における高コストな銅製導電回路の代わりに、表面にAl酸化膜を有するアルミニウム製導電回路を利用することで、応用に適した低コストの、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルを実現している。また、本発明は、周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波を加えて溶接することにより、アルミニウム板表面上の、導電接続性能を著しく阻害する連続したAlの薄膜を破壊し(図2と図3を対比すると、図3は、超音波溶接により互いに接続されたニッケル被覆銅およびアルミニウム製導電回路の電子顕微鏡写真を示している)、これにより、アルミニウムと他の金属との接触面の抵抗を低減しており、導電性を大幅に高めている。
本発明の方法を採用して生産される、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールは、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールに匹敵する出力パワーを有するほか、導電接着剤と銅の使用量を大きく節約することができることにより、製造コストを大幅に低減している。
具体的には、本発明は以下の複数の態様の内容に関する:
1.アルミニウム製導電回路を備えた、バックコンタクト型光起電力モジュール用集積式バックパネルであって、
互いに向かい合った後面側と前面側とを有する基板と;
前記基板に隣接する前面側と、前記基板から遠い方の後面側とを有する、前記基板の前面側上に設けられたアルミニウム製導電回路と;
前記アルミニウム製導電回路と隣接する後面絶縁層であって、前記アルミニウム製導電回路に隣接する後面側と、前記アルミニウム製導電回路から遠い方の前面側とを有する、後面絶縁層と;
を、前記集積式バックパネルの後面側から前面側に沿って順に備え、
前記後面絶縁層には、複数のスルーホールが備えられ、該複数のスルーホールは、前記後面絶縁層の後面側から前記後面絶縁層の前面側まで延び、かつ、前記導電回路と位置合わせされており、
前記複数のスルーホールのうち個々のスルーホールが、組み合わせ型電気的相互接続材料で満たされ、前記組み合わせ型電気的相互接続材料は、電気的接着部材と、前記電気的接着部材に形状が相補的な導電部材とを備え、前記電気的接着部材は前記後面絶縁層の前面側の近傍にあり、前記導電部材は一種または複数種の金属材料からなり、周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波溶接によって前記アルミニウム製導電回路の前面側上に直接溶接されたものであり、かつ、前記導電部材の前記アルミニウム製導電回路の前面側との接触面積が3〜20mmであり、
前記集積式バックパネルを用いてバックコンタクト型光起電力モジュールを生産するとき、前記組み合わせ型電気的相互接続材料の電気的接着部材がバックコンタクト式光起電力電池の後面側上の電気的接点上に接着される、集積式バックパネル。
2.前記一種または複数種の金属材料は、銅、錫、ニッケル、チタン、銀メッキ銅、ニッケル被覆銅、銅被覆アルミニウム、錫メッキ銅、金メッキニッケル、ステンレス鋼ならびにそれらの合金および組み合わせを含む物質群から選択されることを特徴とする態様1に記載の集積式バックパネル。
3.前記組み合わせ型電気的相互接続材料中、前記導電部材が前記組み合わせ型電気的相互接続材料の総体積の3〜95%を占めることを特徴とする態様1に記載の集積式バックパネル。
4.前記電気的接着部材は、少なくとも5%(体積百分率含有量)の高分子材料を含む導電材料からなることを特徴とする態様1に記載の集積式バックパネル。
5.前記電気的接着部材は導電高分子材料からなることを特徴とする態様4に記載の集積式バックパネル。
6.前記電気的接着部材は導電接着剤からなり、前記導電接着剤は高分子材料およびその中に分散した導電粒子を含むことを特徴とする態様4に記載の集積式バックパネル。
7.前記導電粒子は、金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、ビスマス、タングステン、鉛およびその合金を含む群から選択されることを特徴とする態様6に記載の集積式バックパネル。
8.前記後面絶縁層は1層または複数層のポリマーフィルムまたはプレートから構成されることを特徴とする態様1に記載の集積式バックパネル。
9.前記後面絶縁層のうち少なくとも1層は、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アイオノマー(ionomer)またはポリ(ビニルブチラール)(PVB)を含むポリマー組成物からなることを特徴とする態様8に記載の集積式バックパネル。
10.前記アルミニウム製導電回路の厚さは30〜250μmであることを特徴とする態様1に記載の集積式バックパネル。
11.バックコンタクト型光起電力モジュールであって、
態様1〜10のいずれか一項に記載の、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルと;
互いに向かい合った受光前面側と後面側とを有し、該後面側が前記集積式バックパネルの後面絶縁層に隣接するバックコンタクト式光起電力電池と;
前記バックコンタクト式光起電力電池の前面側に隣接する前面封入層と;
前記前面封入層に隣接する透明なフロントシートと
を、前記バックコンタクト型光起電力モジュールの後面から前面に沿って順に備え、
前記バックコンタクト式光起電力電池の後面側上に、複数の電気的接点が形成され、
前記バックコンタクト式光起電力電池の後面側の複数の電気的接点が、前記後面絶縁層の複数のスルーホールに位置合わせされ、かつ前記スルーホール中で電気的接着部材と接続されている、バックコンタクト型光起電力モジュール。
12.前記バックコンタクト式光起電力電池はメタルラップスルー処理(MWT)を経た光起電力電池であることを特徴とする態様11に記載のバックコンタクト型光起電力モジュール。
本発明は特に、以下の有益な効果を有する:
本発明の技術は、バックコンタクト型光起電力モジュールの製造業者にとっては切実に必要なものである。本発明の超音波溶接法を採用して生産された、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールは、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールに匹敵する出力パワーを有するほか、導電接着剤と銅の使用量を大きく節約することができることにより、製造コストを大幅に低減しておりかつかなりのコスト効果を有する。
本発明を特徴付ける利点と新規な特徴は、具体的には、本明細書に添付され本明細書の一部分を構成する特許請求の範囲に明示されている。しかしながら、本発明、その利点、およびその応用によって達成される目的をより良く理解するため、本発明の1つまたは複数の好ましい実施形態を、例を挙げて説明および記述している、本明細書の他の部分を構成する図面と、特性を記述する付随する事項とを参照しなければならない。
以下、本明細書の図面を参照しながら本発明について詳しく記述する。明細書の図面は、比率を厳格に守って作図されたものであるとは限らず、本明細書の図面は説明的な図示に過ぎない。本明細書の図面において、同じであるかまたは類似した参照番号を用いて、同じであるかまたは類似した部品を表す。
従来技術のバックコンタクト型光起電力モジュールの積層構造の断面概略図であり、該図において、前記バックコンタクト式光起電力電池の後面側上の電気的接点と銅製導電回路との間に電気的接続を提供するための導電材料を詳しく示している。 表面に完全なAl酸化膜を有するアルミニウム箔の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の、超音波溶接により接続されたニッケル被覆銅とアルミニウム製導電回路の走査電子顕微鏡写真を示している。 本発明の組み合わせ型導電材料を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールの断面概略図である。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。 本発明の、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルの生産方法のフローチャートである。
特殊な場合にその他の制限がある場合を除き、本明細書で使用される用語に以下の定義が適用される。
また、別途定義されている場合を除き、本明細書で用いるすべての科学技術用語の意味は、当業者が通常理解しているのと同じである。矛盾が生じた場合、本明細書およびそれに含まれる定義に準ずる。
本明細書に記載の方法および材料に類似しているかまたは同等である方法および材料はいずれも本発明の実施または試験に用いることができるが、適切な方法および材料は、本明細書に記載のものである。
本願で使用される用語の定義は次の通りである:
本明細書で用いている通り、「アルミニウム製導電回路」または「アルミニウム回路」という用語は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電回路を指す。そのうちアルミニウム合金は、アルミニウムをベースとする合金の総称であり、すなわち、アルミニウムを基体元素とし一種または複数種の合金元素を加えてなる合金材料である。前記導電アルミニウム合金においてアルミニウム元素の含有量は90重量%またはそれ以上であるか、もしくは95重量%またはそれ以上であるか、もしくは97重量%またはそれ以上であり、かつ、主要な非アルミニウム合金元素は、銅、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、マンガンを含むがそれらに限定されず、それらに次いで重要な非アルミニウム合金元素は、ニッケル、鉄、チタン、クロム、ホウ素、リチウム等を含むがそれらに限定されない。
本明細書で用いている通り、方向を示す用語である「上」、「下」は、明細書の図面の紙面上の具体的な方向と一致する。
本明細書で用いている通り、方向を示す用語である「前面」、「後面」、「前面側」、「後面側」は、本技術分野におけるバックコンタクト型光起電力モジュールについての慣用的な呼称と一致する。
本明細書で用いている通り、「約」という用語は、数量、寸法、配合比、パラメータおよび他の数量および特性が不正確でありかつ正確な値である必要がないことを指すが、ただし、許容偏差、変換係数、数値丸め、測定誤差等、および当業者にとっては公知の他の要因を反映するために、正確な値に近似しており、および/または、正確な値よりも大きいかまたは小さくてもよい。一般に、数量、寸法、配合比、パラメータまたは他の量もしくは特性は、このように明記しているか否かにかかわらず、「約」または「近似値」である。
また、本明細書に記載されている範囲は、極めてまれな状況で明確に説明されている場合を除き、それらの端点を含む。また、1つの数量、濃度または他の数値またはパラメータが、範囲、1つまたは複数の好ましい範囲または好ましい上限値、および好ましい下限値のリストという形で与えられている場合、このような範囲が単独で開示されているか否かにかかわらず、何らかの範囲の上限または好ましい数値および何らかの範囲の下限または好ましい数値のいずれか一対により構成されるすべての範囲を具体的に開示しているものと理解するべきである。
また、本明細書が数値の範囲を列挙している場合、該範囲は、具体的な状況でその他を明示している場合を除き、その端点および該範囲内のすべての整数および分数を含むことが意図される。ある範囲を定義するとき、列挙された具体的な値に本発明の範囲を限定することは意図されない。最後に、「約」という用語が、数値または範囲の端点を記述するために用いられる場合、開示された本内容は、該具体的な数値または関連する端点を含むと理解されなければならない。
本明細書が材料、方法または機械装置について記述する際に「当業者にとって公知の」というフレーズ、または同じ意味の単語またはフレーズを伴っている場合、該用語は、前記材料、方法および機械装置が、本特許を出願するときには通常のものでありかつ本説明に含まれることを表す。同様に該記述に含まれるのは、現在は通常のものではないが、類似した目的に適用されるときには、本分野で広く認められた材料、方法、および機械になるものである。
本明細書で用いている通り、「包含する」、「含有する」、「備える」、「含む」、「を特徴とする」、「有する」という用語もしくは他の何らかの同義語またはそれらの何らかの他の変形はいずれも、非排他的な包含を指す。例えば、特定の要素リストを備えたプロセス、方法、製品または装置は、具体的に列記された要素のみに限定される必要はなく、他の明確に列記されていない要素、またはこのようなプロセス、方法、製品または装置に固有の要素を備えていてもよい。
「・・・から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲を、指定された材料またはステップと、特許請求の範囲に保護される発明が有する基本的特徴および新しい特徴に実質的な影響をもたらさない材料またはステップとに限定する。「・・・から本質的になる」という請求項は、「・・・からなる」というスタイルで書かれた閉鎖クレームと、「包含する/備える」というスタイルで書かれた完全開放クレームとの中間にある。
本出願人が「包含する」などの開放式用語を使用して発明またはその一部を記述する場合、該説明も、具体的な状況で明示されていない限り、上記で定義した「・・・から本質的になる」という用語を使用してこの発明について行った記述を含むと理解しなければならない。
助数詞「1つの」と「一種の」は、本発明の要素または成分を記述するために用いられる。これらの助数詞を使用するのは、一種または少なくとも一種のこれら要素または成分が存在することを表すためである。このような助数詞を採用するのは通常、修飾される名詞が単数名詞であることを表すためであるが、ただし、本明細書で用いている通り、助数詞「1つの」および「一種の」は、具体的な状況で別途明示している場合を除き、複数も含む。同様に、本明細書で用いている通り、指示代名詞「該」も、具体的な状況で別途明示している場合を除き、修飾される名詞が単数または複数であってよいことを表す。
本明細書で用いている通り、「バックコンタクト型光起電力モジュール」という用語は、例えば、本願の図4に示す複数層の積層構造を備えた機能的完成品デバイスを指し;「集積式バックパネル」という用語は、バックコンタクト型光起電力モジュールを生産する積層過程において形成される複数層の半製品アセンブリを指し(図5g中の参照符号4000a参照);「バックコンタクト式光起電力電池」という用語は、バックコンタクト型光起電力モジュールにおいて、光エネルギーを電気エネルギーに変換する役割を果たす中核的機能部材を指す。
また、「後面絶縁層」という用語は、バックコンタクト型光起電力モジュールにおいて導電回路とバックコンタクト式光起電力電池との間に位置する、封入および/または絶縁の役割を果たす1層または複数層のポリマーフィルムまたはシートを指す。
「コポリマー」という用語は、共重合単位、または、2種またはそれ以上の共重合モノマーにより共重合作用を果たして生成される残基を包含するポリマーを指す。これについて言えば、コポリマーがその成分の共重合モノマーまたはその成分の共重合モノマーを結合可能な数量は、例えば「コポリマーはエチレンと9%(重量百分率含有量)のアクリル酸を含む」、もしくは類似した記述のように、本明細書で記述されている。このような記述は:共重合モノマーを共重合単位と見なしていない;国際純正・応用化学連合(IUPAC)の命名のような、コポリマーの通常の命名を備えていない;物を定義する方法を使用していない;もしくはその他の理由のため、正式なものではないと見なされ得る。しかしながら、本明細書で用いている通り、その成分の共重合モノマーまたはその成分の共重合モノマーの量を結び付けてコポリマーについて行う記述は、該コポリマーが、指定された共重合モノマーの共重合単位を含有する(指定されている場合は指定量を有する)ことを指す。このことから、コポリマーは、限定された状況でこのように明確に記述している場合を除き、所定量の所定の共重合モノマーの反応混合物を含む生成物ではない、という推論が得られる。
「酸コポリマー」という用語は、α−オレフィン、α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、任意に選択された他の適切な共重合モノマー(α,β−オレフィン性不飽和カルボキシレートなど)の共重合単位を含むポリマーを指す。
「アイオノマー」という用語は、上記の酸コポリマーを部分的もしくは完全に中和して作製したポリマーを指す。より具体的には、アイオノマーは、例えば、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、遷移金属カルボン酸塩、およびこのタイプのカルボン酸塩の混合物などの金属イオンカルボン酸塩であるイオン基を含む。本明細書で定義している通り、このようなポリマーは通常、酸コポリマーである前駆体または元になるポリマーのカルボン酸基を(例えばアルカリとの反応などで)部分的もしくは完全に中和することにより作製される。本明細書で用いられるアルカリ金属アイオノマーの実例は、共重合化されたメタクリル酸単位のカルボン酸基の全部または一部がカルボン酸ナトリウムの形式である、エチレンとメタクリル酸のコポリマーなどのナトリウムアイオノマー(またはナトリウムで中和されたアイオノマー)である。
本明細書が単独でまたは組み合わされた形(例えば「積層された」または「積層」など)で用いている通り、「積層体」という用語は、互いにしっかりと接着または接着された少なくとも2層の構造を有することを指す。これらの層は互いに直接的または間接的に接着可能である。「直接的に」は、2層の間にサンドイッチ層または接着剤層などの追加材料がないことを意味しており;「間接的に」は、2層の間に追加材料があることを意味している。
本明細書の材料、方法、および実施例は、具体的に明示している場合を除き、例示的なものであるに過ぎず、限定されることは意図されない。
最後に、本明細書に列記されたすべての百分率や部数等はいずれも、具体的な実例で別途説明されている場合を除き、重量に基づいて計算する。
以下、明細書の図面を参照しながら、本発明の複数の実施例について詳しく記述する。
図4は、本発明のアルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュール4000の断面概略図である。本発明のバックコンタクト型光起電力モジュール4000は、複数層の積層により構成される。図4に示すように、本発明のバックコンタクト型光起電力モジュール4000は、後面(太陽に対向しない面)から前面(太陽に対向する面)に沿って順に、:基板4010、基板4010上に設けられたアルミニウム製導電回路4011、複数のスルーホール4021が設けられた後面絶縁層4020、バックコンタクト式光起電力電池4030、前面封入層4040、フロントパネル4050の各層を備え、かつ、そのうちいずれの層も前面側(太陽に対向する面)と後面側(太陽に対向しない面)を有する。バックコンタクト式光起電力電池4030は、互いに向かい合った、太陽光を受ける前面側(図4におけるバックコンタクト式光起電力電池4030の上側)と後面側(図4におけるバックコンタクト式光起電力電池4030の下側)とを有し、かつ、複数の電気的接点4031がバックコンタクト式光起電力電池4030の後面側上に形成され、バックコンタクト式光起電力電池4030の後面側は後面絶縁層4020に隣接しており、かつ、該後面絶縁層の後面側上の複数の電気的接点4031は後面絶縁層4020の複数のスルーホール4021と位置合わせされ;複数のスルーホール4021における個々のスルーホールは組み合わせ型導電材料4022で満たされる。該組み合わせ型導電材料4022は、電気的接着部材4022aと、スルーホール4021内において、該電気的接着部材に形状が相補的な導電部材4022bとを備える。バックコンタクト型光起電力モジュール4000において、該電気的接着部材4022aは電気的接点4031上に接着され、該導電部材4022bは、一種または複数種の金属材料からなり、かつ周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波溶接によりアルミニウム製導電回路4011の前面側上に直接溶接される。また、複数の導電部材4022bの各々と、アルミニウム製導電回路4011の前面側との接触面積が3〜20mmである。これにより、上記組み合わせ型導電材料4022を介して、バックコンタクト式光起電力電池4030の後面側上の電気的接点4031とアルミニウム製導電回路4011との間の電気的接続を実現している。
バックコンタクト型光起電力モジュール4000のうち、ガラスプレートなどのフロントパネル4050と前面封入層4040とは、十分な日光がバックコンタクト式光起電力電池4030に到達するのを許容するために、好ましくは、高い光透過率を有する。図4に示す本発明のバックコンタクト型光起電力モジュール4000において、フロントパネル4050と前面封入層4040はいずれも透明である。前面封入層4040と後面絶縁層4020はそれぞれ、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)などのポリマー材料からなり得る。前面封入層4040と後面絶縁層4020は各々、1層または複数層のポリマー材料(ポリマーフィルムまたはプレート)により積層成形され得る。具体的には、前面封入層4040および/または後面絶縁層4020を形成するための材料は、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アイオノマー(ionomer)またはポリ(ビニルブチラール)(PVB)を含むポリマーの組成物から選択され得る。そのうち、後面絶縁層4020は単層または複数層の構造であってよく、電池に対する封入作用を果たすとともに、電池とアルミニウム製導電回路との間における電気絶縁作用も果たしている。好ましくは、複数層のポリマー材料により積層成形される前記後面絶縁層のうち少なくとも1層は、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アイオノマーまたはポリ(ビニルブチラール)を含むポリマー組成物からなる。好ましくは、アルミニウム製導電回路4011の厚さは30〜250μmである。バックコンタクト型光起電力モジュール4000において、バックコンタクト式光起電力電池4030は、好ましくは、メタルラップスルー処理(MWT)を経た光起電力電池である。組み合わせ型導電材料4022において、電気的接着部材4022aは、導電接着剤、導電高分子材料または半田からなり、前記導電接着剤は、高分子材料と、該高分子材料中に分散した導電粒子とを含み、前記導電粒子は、金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、ビスマス、タングステン、鉛およびその合金を含む群から選択される。例えば、電気的接着部材4022aは、少なくとも5%(体積百分率含有量)の高分子材料を含む導電材料からなり得る。導電部材4022bは、銅、アルミニウム、タングステン、錫、ニッケル、チタン、銀メッキ銅、ニッケル被覆銅、錫メッキ銅、銅被覆アルミニウム、錫メッキアルミニウム、金メッキニッケル、ステンレス鋼ならびにそれらの合金および組み合わせを含む物質群から選択される一種または複数種の金属材料からなり得る。組み合わせ型導電材料4022において、導電部材4022bは、組み合わせ型導電材料4022の総体積の3〜95%を占め得る。
本発明のバックコンタクト型光起電力モジュール4000のうちバックコンタクト式光起電力電池4030、前面封入層4040、フロントパネル4050以外の部分はユニット化生産可能であり、前記ユニットは当業者に「集積式バックパネル」または「アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネル」4000a(図5g参照)と呼ばれる。アルミニウム製導電回路4011を備えた集積式バックパネル4000aのユニット化生産は、本発明のバックコンタクト型光起電力モジュール4000の生産にとって非常に有利である。
図5gは、本発明のアルミニウム製導電回路4011を備えた集積式バックパネル4000aの積層構造の断面概略図である。前記アルミニウム製導電回路の集積式バックパネルは、後面から前面に沿って順に、:互いに向かい合った後面側と前面側とを有する基板4010;基板4010の前面側上に設けられたアルミニウム製導電回路4011;アルミニウム製導電回路4011に隣接する後面絶縁層4020であって、アルミニウム製導電回路4011に隣接する後面側とアルミニウム製導電回路4011から遠い方の前面側とを有し、かつ前記後面絶縁層の後面側から前記後面絶縁層の前面側まで延びアルミニウム製導電回路4011と位置合わせされたスルーホール4021を有する後面絶縁層4020を備え;スルーホール4021は組み合わせ型導電材料4022で満たされ、組み合わせ型導電材料4022は、電気的接着部材4022aと、前記電気的接着部材4022aに形状が相補的な導電部材4022bとを備え、該導電部材4022bは一種または複数種の金属材料からなり、周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波溶接によりアルミニウム製導電回路4011の前面側上に直接溶接される。また、導電部材4022bの各々と、アルミニウム製導電回路4011の前面側との接触面積が3〜20mmである。集積式バックパネル4000aを使用してバックコンタクト型光起電力モジュール4000を生産するとき、組み合わせ型導電材料4022中の電気的接着部材4022bはバックコンタクト式光起電力電池の後面側上の電気的接点4031上に接着される。
金属溶接は液相溶接と固相溶接を含む。いわゆる金属溶接とは、加熱もしくは加圧、または両者を併用する方式により、異なるかまたは同種の金属もしくは金属合金材料からなる2つの金属部材にその界面上で原子間結合を生じさせることにより、金属間接続を形成することである。いくつかの状況では、さらに、2つの金属部材の界面に第3種の金属または金属合金材料を半田として導入し、それぞれ2つの金属部材との間に原子間結合を形成することにより、金属間接続を形成してもよい。
一般的に、液相溶接は、溶接温度が、溶接される2つの金属部材と半田とのうち一種または複数種の融点よりも高いことを要求する。液相溶接の過程において、溶接界面上で、溶接される2つの金属部材と半田のうち一種または複数種が液相金属層を形成した後、降温して固化し、2つの金属部材の金属接続を構成することがある。液相溶接により作製する部材は:液相溶接を実施する前に、接続される金属部材の表面に酸化膜除去処理(酸洗または機械擦過)および/または抗酸化処理を行う必要があるため、溶接後の金属接続界面上に金属酸化物が存在していないという特徴を有する。本発明で用いられるアルミニウム製導電回路は、アルミニウムとアルミニウム合金が空気中で非常に容易に酸化物を形成するため、該酸化物は高温で溶接すると同時に形成される。このため、溶接の前に酸化膜除去処理を行ったとしても、液相溶接では、アルミニウムまたはアルミニウム合金製品と他の金属部材とで金属接続を形成することができない。
本発明で採用する超音波溶接は固相溶接の一種である。固相溶接は一般に、超音波溶接、拡散溶接、摩擦溶接、爆発溶接、熱加圧溶接および鍛接を含む。固相溶接の過程では、溶接温度が、溶接される2つの金属部材または半田のうちいずれか一種の融点よりも高いことが要求されず、接続される金属部材同士の表面が平らでないことを、完全に物理的方法により克服する。そのうち、爆発溶接を実施すると、高温・高速の爆発気流の作用のため金属部材表面の酸化物や他の汚染物質が取り去られるので、爆発溶接により接続される金属部材の界面上には酸化物が存在しない。摩擦溶接、熱加圧溶接、鍛接については、溶接過程で高圧を実施しているので、これらの溶接方法によって接続された2つの金属部材のうち1つまたは2つに変形が生じることがある。超音波溶接と拡散溶接については、溶接を実施する前に、接続される金属部材の表面を酸化膜除去処理および/または抗酸化処理する必要がないので、超音波溶接または拡散溶接により溶接した金属部材は、その接続界面に、分散された金属酸化物と不連続な金属酸化物が依然として存在している。両者の違いは、拡散溶接は、比較的長時間の高温と一定の圧力の作用の下で実施されるものであり、溶接される2つの金属部材の間に原子同士の相互拡散が発生し、粒界相を形成する可能性があるのに対し、超音波溶接により接続される金属部材の接続界面には粒界相が形成されるおそれがないという点にある。
超音波溶接以外に、固相溶接は、拡散溶接、摩擦溶接、爆発溶接および鍛接をさらに含む。これらの固相溶接方式よりも超音波溶接の方が、金属薄膜、とりわけ、厚さが10μm〜3mmの間の金属薄膜同士の溶接に適している。超音波溶接は:液相と高圧が存在しないため、溶接される2つの部材が圧縮されたりねじれ変形されたりせず;また、超音波溶接の前に、金属表面を洗浄処理する必要がなく、金属表面の酸化物および/または汚染物質の連続相が、再び超音波溶接されると破壊され、溶接される部材中に分散するので、金属部材の接続界面の低い抵抗が保証され、他の溶接方式についてはこの効果は得られないという独自の優位性を有する。例えば拡散溶接については、高温高圧の作用の下、2つの溶接部材の界面上に原子間の相互拡散が発生し、接続を形成する。高温が存在するので、2つの溶接部材の表面に、溶接されていない部材の表面よりも多くの金属酸化物があるおそれがあり、同時に、2種の異なる金属を溶接する際には、部材の接続界面上にも金属間相があり得る。他の固相溶接方式については、大きな圧力が必要かもしれず、鍛接のように、溶接部位上の部材の著しい変形につながるか、もしくは、摩擦溶接のように、溶接の過程に局部的な液相を導入する必要があり、溶接部位に変わる局部的な変形につながるおそれもある。
このため、本発明の、アルミニウム製導電回路4011を備えた集積式バックパネル4000aに関しては、導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011との間の金属接続が超音波溶接によって形成されたものであるため、導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011との接続点に、以下の3つの特徴を同時に有する:(1)アルミニウム製導電回路4011と導電部材4022bとの界面上またはアルミニウム製導電回路4011内の界面から<10μm離れた領域内に酸素元素が存在しており;(2)アルミニウム製導電回路4011と導電部材4022bとの接続界面の位置に、溶接界面に垂直な方向におけるアルミニウム製導電回路4011の変形が10%以下であり;(3)アルミニウム製導電回路4011と導電部材4022bとの接続界面に、原子間の相互拡散が存在していない。これにより、導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011との間に有効な電気的接続が形成されている。これらの特徴は、例えば、以下の方法によって分析して確定することができる。例えば、導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011との界面に垂直な方向にイオンビーム切断の方法を用いて、接続面に垂直な横断面を得た後、走査電子顕微鏡下に、X線エネルギースペクトルを利用して元素分析を行う。導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011が超音波溶接により接続されている場合、導電部材4022bまたはアルミニウム製導電回路4011における、界面から<10μm離れた領域内で酸素元素の存在を検出可能であり、かつ、アルミニウム製導電回路4011(または導電部材4022b)における、接続界面に近い領域内で、これに接続される導電部材4022b(またはアルミニウム製導電回路4011)を構成する元素を見出すことができない。また、機械研磨の方法により、導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011との界面に垂直な横断面を得ることもでき、走査電子顕微鏡で、アルミニウム製導電回路4011の、導電部材4022bに接続される領域と、導電部材4022bに接続されない領域との厚さ変化を測定する。導電部材4022bとアルミニウム製導電回路4011が超音波溶接により接続されている場合、この厚さ変化は10%以下である。
上記で言及した、バックコンタクト型光起電力モジュールのための、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネル4000aは、下記の方法を採用して生産・製造することができる(図5a〜5g参照):
(a)互いに向かい合った後面側と前面側とを有する基板4010を提供し;
(b)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、互いに向かい合った後面側と前面側とを有するアルミニウムプレート4001を提供し(図5a参照);
(c)周波数が10〜50kHzであり振幅が8〜50μmである超音波溶接により複数の導電部材4022bを一定のパターンでアルミニウムプレート4001の前面側上に直接溶接し、導電部材4022bの各々が、一種または複数種の金属材料からなり、かつアルミニウムプレートとの接触面積が3〜20mmであり(図5b参照);
(d)後面側が基板4010の前面側に接触するアルミニウムプレート4001を基板4010の前面側上に積層し(図5c参照);
(e)アルミニウムプレート4001上で一定のパターンを切り出すことでアルミニウム製導電回路4011を作製し(図5d参照);
(f)互いに向かい合った後面側と前面側とを有する後面絶縁層4020を提供し、それをアルミニウム製導電回路4011の前面側上に積層し(図5e参照)、前記後面絶縁層4020に、後面絶縁層4020の後面側からその前面側まで延びた複数のスルーホール4021を形成し、スルーホール4021の数と配列パターンはアルミニウム製導電回路4011上の導電部材4022bと一致し、かつ、スルーホール4021を、アルミニウム製導電回路4011上に溶接された導電部材4022bと位置合わせされ(図5f参照);もしくは、互いに向かい合った後面側と前面側とを有する後面絶縁層4020を提供し、後面絶縁層4020に、その後面側からその前側面まで延びた複数のスルーホール4021を形成し、スルーホール4021の数と配列パターンはアルミニウム製導電回路4011上の導電部材4022bと一致し、かつ、スルーホール4021を、アルミニウム製導電回路4011上に溶接された導電部材4022bと位置合わせさせるように、後面絶縁層4020をアルミニウム製導電回路4011の前面側に積層し;
(g)スルーホール4021に電気的接着部材4022aを充填することにより前記スルーホールを満たすことで、アルミニウム製導電回路4011を備えた集積式バックパネル4000aを形成し、電気的接着部材4022aは、後面絶縁層4020の前面側に近く、導電部材4022bと電気的接着部材4022aとは互いに形状が相補的であり、かつ共に組み合わせ型導電材料4022を形成する。
実際の生産過程においては、以上に記述したステップに対し、順序上の変更を行ってもよい。例えば、超音波溶接(ステップ(c))の前に、まず、アルミニウムプレート4001を切断(ステップ(e))してもよい。これにより、アルミニウム製導電回路4011と基板4010の間の積層と、後面絶縁層4020とアルミニウム製導電回路4011の間の積層を、同時にもしくは別々に行うことができる。一般に、必ず、導電部材4022bのアルミニウム製導電回路4011の前面側への溶接(超音波溶接ステップ)が完了した後でなければ、導電部材4022bが溶接されたアルミニウム製導電回路4011と基板4010および/または後面絶縁層4020とをさらに積層することができない。この点を除き、これらのステップ順序上の変更には他の制限がない。
さらに、本発明はさらに、バックコンタクト型光起電力モジュール4000を生産する方法を開示しており、前記方法は以下のステップを含む:
(h)上記集積式バックパネル4000a(図5g)を上記のように生産した後、さらに、互いに向かい合った受光前面側と後面側と、該後面側に形成された複数の電気的接点4031とを有するバックコンタクト式光起電力電池4030を、アルミニウム製導電回路4011を備えた集積式バックパネル4000a上に重ねて配置し、スルーホール4021中の電気的接着部材4022aとバックコンタクト式光起電力電池4030後面側の電気的接点4031と、を直接接触させ;
(i)前面封入層4040をバックコンタクト式光起電力電池4030の受光前面側上に重ねて配置し;
(j)透明なフロントシート4050を前面封入層4040上に重ねて配置し;
(k)上記のようにして得られた複数層の構造を積層することでバックコンタクト型光起電力モジュール4000を得る(図4参照)。
本発明の技術は、バックコンタクト型光起電力モジュールの製造業者にとっては切実に必要なものである。本発明の方法を採用して生産された、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルとバックコンタクト型光起電力モジュールとは、いずれも導電接着剤と銅の使用量を大きく節約することができ、製造コストを大幅に低減していると同時に、バックコンタクト型光起電力モジュールの性能も高めることができる。
[実施例]
以下、実施例を通じて、本発明の有益な技術効果をさらに詳しく記述するが、本発明は、下記のこれら実施例に限定されない。
本発明の光起電力モジュール(光起電力アセンブリ)で使用される具体的な材料は次の通りである:
MWT電池:156ミリメートルの多結晶シリコンメタルラップスルー(MWT)バックコンタクト光起電力電池、上海晶澳太陽能光伏科技有限公司から購入;
ガラスプレート:3.2ミリメートルの超透明ガラス、河南思可達新能源有限公司から購入;
EVAフィルム−1: 「瑞福」(RevaxTM)という商標名で温州瑞太陽光伏材料有限公司から購入した厚さ450マイクロメートルのエチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)フィルム;
EVAフィルム−2:100℃の温度下でEVAフィルム−1を5分間加熱加圧して得られる厚さ250マイクロメートルのEVAフィルム;
PETフィルム:MelinexTMSという商標名でデュポン帝人フィルム(DuPont Teijin Films)(U.S.A.)から購入した、(両側の)コロナ処理を経たポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)フィルム(厚さは188マイクロメートル、密度は1.40g/cm);
ECP−1(エチレン/アクリレートコポリマー樹脂):Bynel(登録商標)22E757という商品名でデュポンから購入した、改質されたエチレン/アクリレートコポリマー(ethylene/acrylate copolymer)樹脂;
ECP−2(エチレン/メタクリル酸コポリマー樹脂):Nucrel(登録商標)0910という商品名でデュポンから購入したエチレン/メタクリル酸コポリマー(Ethylene methacrylic acid copolymer)樹脂;
PVFフィルム:Tedlar(登録商標)という商品名でデュポンから購入したポリフッ化ビニル(polyvinyl fluoride)配向膜、厚さは38マイクロメートル;
ポリウレタン接着剤:PP−5430という商品名で三井(Mitsui)から購入した二成分ポリウレタン(polyurethane)接着剤;
銅箔−1:中国蘇州福田金属有限公司から購入した厚さ35マイクロメートルの銅箔;
銅箔−2:中国蘇州福田金属有限公司から購入した厚さ105マイクロメートルの銅箔;
ニッケル被覆銅箔:長春集団から購入した、表面に厚さ500ナノメートルのNi層がめっきされた厚さ50マイクロメートルの銅箔;
アルミニウム箔−1:漢品(昆山)電子有限公司から購入した厚さ50マイクロメートルのアルミニウム箔;
アルミニウム箔−2:佛山至仁アルミニウム板帯箔有限公司から購入した厚さ200マイクロメートルのアルミニウム箔;
ECA−1(導電接着剤−1):Thermoset(登録商標)MD−140という商品名でLORD Corporation(米国)から購入した、銀粒子を含有する導電接着剤;
ECA−2(導電接着剤−2):下記のようにして調製された、銀粒子(最終的な銀濃度は78重量%)を含む、混合エラストマーをベースとする導電接着剤:
まず、16.5グラムのエチレン/メチルアクリレートコポリマー(E/MA、62重量%のアクリル酸メチルを含有)と16.5グラムのエチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA、33重量%の酢酸エチレンを含有し、Elvax(登録商標)PV1650という商品名でデュポンから購入)とを、0.4グラムの過酸化物(LQ−TBECという商品名で中国蘭州助剤廠から購入)、0.3グラムのシランカップリング剤(KBM403という商品名で日本の信越化学工業株式会社から購入)、および0.12グラムの抗酸化剤(IrganoxTM MD1024という商品名でドイツのBASFから購入)と予混合し;その後、得られた予混合物を、92グラムの、粒径が3〜5マイクロメートルの無定形銀粉(昆明諾曼電子材料有限公司)、および、25グラムの、粒径が5.4〜11マイクロメートルの球形銀粉(米国デュポン)と80℃で10分間、密閉混練ブレンドとして製造して得られる。
基板の作製
まず、厚さ10マイクロメートルのポリウレタン接着剤層を用いてPVFフィルムをPETフィルムの一側面上に接着させる。その後、Davis Standard製の押し出し積層機を用いて、1:1の重量比で混合されたECP−1樹脂とECP−2樹脂との混合物を285℃の押し出し温度でPETフィルム上に押し出し成形することにより、厚さが約100マイクロメートルの複合薄膜接合層を形成する。これにより、複合薄膜接合層を有する側が、導電回路に隣接する前面側である、以下の実施例のための基板を得る。
バックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワー試験法
バックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは、SPI−SUN Simulators 3500SLP型ソーラーシミュレータとPVモジュールQA検出器とを用いることにより測定して得られる。
比較例1
まず、以下のステップにより、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製した。:銅箔を基板の前面側上に真空積層し;銅箔を手作業で切断することにより、所定のパターンを有する銅製導電回路を形成し;EVAフィルム−1からなる後面絶縁層面に一定のパターンで直径3ミリメートルの複数のスルーホールをダイカットし;後面絶縁層上のスルーホールを位置合わせして銅製導電回路上に積層し(温度65℃で2.5分間);導電接着剤ECA−1を後面絶縁層上のスルーホールに充填し;MWT電池を後面絶縁層の前面側に載置し;もう1層のEVAフィルム−1からなる前面封入層をMWT電池の前面側上に載置し;さらに、前面封入層の他の側面上に、ガラスプレートからなるフロントパネルを載置し;積層機Meier ICOLAMTM 10/08(ドイツのMeier Vakuumtechnik GmbH)を使用して145℃および真空の条件下で、以上で得られたアセンブリを15分間にわたり積層成形することにより、最終的な、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを得る。上記の出力パワー試験方法を採用して試験を行うと、結果は次の通りである:該バックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは3.64ワットである。
比較例2
比較例1に記載の方法により、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製したが、後面絶縁層がEVAフィルム−2からなり、後面絶縁層のスルーホールに満たされる導電接着剤はECA−2である点に違いがある。これにより得られる、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは3.66ワットである。
比較例3
比較例1に記載の方法により、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製したが、銅製導電回路が、アルミニウム箔−1からなるアルミニウム製導電回路により代替され、後面絶縁層の各スルーホールが、アルミニウム製導電回路に隣接する導電部材を含む組み合わせ型導電材料で満たされる点に違いがある。該導電部材は、直径3ミリメートル、厚さ105マイクロメートルの銅片(銅箔−2から切り出される)であった。該導電部材はまた、導電接着剤ECA−1からなる電気的接着部材を備え、該電気的接着部材は、導電部材で充填されていないスルーホールの部分中に満たされた。これにより得られる、銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは0.93ワットであった。
実施例1
以下の方法により、本発明の、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製した。:ニッケル被覆銅箔を、複数の、厚さが50マイクロメートルであり直径が3ミリメートルである銅片にカットするとともに、それを一定のパターンで、24kHz、振幅20マイクロメートルの条件下の超音波により1層のアルミニウム箔−2の表面に溶接し;アルミニウム箔−2を基板の前面側(アルミニウム箔−2上の銅片が溶接された側は基板と反対側)に真空積層し;アルミニウム箔−2を手作業で切断することにより、所定のパターンを有するアルミニウム製導電回路を形成し;EVAフィルム−1からなる後面絶縁層上に一定のパターンで直径が3ミリメートルの複数のスルーホールをダイカットし;後面絶縁層上のスルーホールをアルミニウム製導電回路上の銅片に位置合わせするとともに後面絶縁層をアルミニウム製導電回路上に積層し(温度65℃で2.5分間);導電接着剤ECA−2を用いて加熱加圧およびダイカットを経て、厚さが400マイクロメートル、直径が2.5ミリメートルの導電接着剤ガスケットを作製してスルーホールに載置し(これにより、銅片と導電接着剤ガスケットが、後面絶縁層中のスルーホールに満たされる組み合わせ型導電材料を共に形成し、アルミニウム製導電回路に隣接する銅片は導電部材として機能し、導電接着剤ガスケットは電気的接着部材として機能する。);MWT電池を後面絶縁層の前面側に載置し;もう1層のEVAフィルム−1からなる前面封入層をMWT電池の前面側に載置し;さらに、前面封入層の他の側面上に、ガラスプレートからなるフロントパネルを載置し;積層機Meier ICOLAMTM 10/08(ドイツのMeier Vakuumtechnik GmbH)を使用して145℃および真空の条件下で、以上で得られたアセンブリを15分間にわたり積層成形することにより、最終的な、本発明の、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを得た。該バックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは3.58ワットであった。
実施例2
実施例1に記載の方法により、本発明の、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製したが、アルミニウム製導電回路はアルミニウム箔−1からなり、アルミニウム製導電回路上に溶接される(溶接条件:周波数20kHz、振幅12マイクロメートル)、厚さが35マイクロメートルであり直径が3ミリメートルである銅は、銅箔−1から切断して得られ、後面絶縁層中のスルーホールのうち銅片により満たされていない部分が導電接着剤ECA−1で満たされる点に違いがある。これにより得られる、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールの出力パワーは3.70ワットであった。
結論
銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュール(比較例1および2)の出力パワーは3.64または3.66ワットであった。銅製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュールを作製する従来の方法を引き続き用いて、アルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュール(すなわち、アルミニウム製導電回路により銅製導電回路を代替する)(比較例3)を作製する場合、出力パワーは0.93まで大幅に低下した。組み合わせ型導電材料を採用して後面絶縁層のスルーホールを満たし、組み合わせ型導電材料中の導電部材が、超音波溶接によりアルミニウム製導電回路上に溶接される場合に得られる、本発明のアルミニウム製導電回路を備えたバックコンタクト型光起電力モジュール(実施例1および2)の出力パワーは、3.58または3.70ワットまで引き上げられた。
上記の文は、本発明のいくつかの好ましい実施形態を記述するとともに具体的に例示しているが、本発明をこのような実施形態に限定されることは意図されない。また、上記の文の記述において、本発明の多くの特徴および利点、該構造の細部ならびに本発明の機能を示しているが、本開示は例示的なものであるに過ぎず、かつ、本発明の原理から逸脱しないことを基礎に、添付の特許請求の範囲で用いられる用語に基づく幅広い一般的意味の範囲内で、本発明の細部を最大限修正することができ、特に、形状、寸法および部材の配列の面を修正することができることは、理解する必要がある。
1000 バックコンタクト型光起電力モジュール
1010 基板
1011 金属導電回路
1020 後面絶縁層
1022 導電材料
1030 バックコンタクト式光起電力電池
1031 電気的接点
1032 電極ガイド孔
1040 前面封入層
1050 フロントパネル
4000 バックコンタクト型光起電力モジュール
4000a アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネル
4001 アルミニウム・プレート(アルミニウム箔)
4010 基板
4011 アルミニウム製導電回路
4020 後面絶縁層
4021 スルーホール
4022 組み合わせ型導電材料
4022a 電気的接着部材
4022b 導電部材
4030 バックコンタクト式光起電力電池
4031 電気的接点
4032 電極ガイド孔
4040 前面封入層
4050 フロントパネル
A 連続したAl薄膜
B 分散相

Claims (12)

  1. アルミニウム製導電回路を備えた、バックコンタクト型光起電力モジュール用集積式バックパネルであって、
    該集積式バックパネルが、以下の要素、すなわち、
    互いに向かい合った後面側と前面側とを有する基板と;
    前記基板の前面側上に設けられ、前記基板に隣接する前面側と前記基板から遠い方の後面側とを有する、アルミニウム製導電回路と;
    前記アルミニウム製導電回路と隣接する後面絶縁層であって、前記アルミニウム製導電回路に隣接する後面側と前記アルミニウム製導電回路から遠い方の前面側とを有する、後面絶縁層と;
    を後面側から前面側に沿って順に備え、
    前記後面絶縁層には、複数のスルーホールが備えられ、該複数のスルーホールは、前記後面絶縁層の後面側から前面側にまで延び、かつ、前記導電回路と位置合わせされており;
    個々のスルーホールが、組み合わせ型電気的相互接続材料で満たされ、該組み合わせ型電気的相互接続材料が電気的接着部材と、該電気的接着部材に形状が相補的な導電部材とを備え、前記電気的接着部材が、前記後面絶縁層の前面側の近傍にあり、前記導電部材は一種または複数種の金属材料からなり、周波数が10〜50kHz、振幅が8〜50μmの超音波溶接によって前記アルミニウム製導電回路の前面側上に直接溶接されたものであり、かつ、前記導電部材と前記アルミニウム製導電回路の前面側との接触面積が3〜20mmであり、
    前記集積式バックパネルを用いてバックコンタクト型光起電力モジュールを生産するとき、前記組み合わせ型電気的相互接続材料の電気的接着部材が、バックコンタクト式光起電力電池の後面側上の電気的接点に接着される、集積式バックパネル。
  2. 前記一種または複数種の金属材料は、銅、錫、ニッケル、チタン、銀メッキ銅、ニッケル被覆銅、銅被覆アルミニウム、錫メッキ銅、金メッキニッケル、ステンレス鋼ならびにそれらの合金および組み合わせを含む物質群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の集積式バックパネル。
  3. 前記組み合わせ型電気的相互接続材料中、前記導電部材が、前記組み合わせ型電気的相互接続材料の総体積の3〜95%を占めることを特徴とする、請求項1に記載の集積式バックパネル。
  4. 前記電気的接着部材は、少なくとも5%(体積百分率含有量)の高分子材料を含む導電材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の集積式バックパネル。
  5. 前記電気的接着部材は、導電高分子材料からなることを特徴とする、請求項4に記載の集積式バックパネル。
  6. 前記電気的接着部材は、高分子材料および該高分子材料中に分散した導電粒子を含む導電接着剤からなることを特徴とする、請求項4に記載の集積式バックパネル。
  7. 前記導電粒子は、金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、ビスマス、タングステン、鉛およびそれらの合金を含む群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の集積式バックパネル。
  8. 前記後面絶縁層は、1層または複数層のポリマーフィルムまたはプレートから構成されることを特徴とする、請求項1に記載の集積式バックパネル。
  9. 前記後面絶縁層のうち少なくとも1層は、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アイオノマーまたはポリ(ビニルブチラール)(PVB)を含むポリマー組成物からなることを特徴とする、請求項8に記載の集積式バックパネル。
  10. 前記アルミニウム製導電回路の厚さは、30〜250μmであることを特徴とする、請求項1に記載の集積式バックパネル。
  11. バックコンタクト型光起電力モジュールであって、
    該バックコンタクト型光起電力モジュールが、以下の要素、すなわち、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の、アルミニウム製導電回路を備えた集積式バックパネルと;
    互いに向かい合った受光前面側と後面側とを有し、該後面側が前記集積式バックパネルの後面絶縁層に隣接する、バックコンタクト式光起電力電池と;
    前記バックコンタクト式光起電力電池の前面側に隣接する前面封入層と;
    前記前面封入層に隣接する透明なフロントパネルと;
    を後面側から前面側に沿って順に備え、
    前記バックコンタクト式光起電力電池の後面側上に、複数の電気的接点が形成され、
    前記バックコンタクト式光起電力電池の後面側上の複数の電気的接点が、前記後面絶縁層の複数のスルーホールに位置合わせされ、かつ前記スルーホール中で前記電気的接着部材と接続されている、
    バックコンタクト型光起電力モジュール。
  12. 前記バックコンタクト式光起電力電池が、メタルラップスルー処理(MWT)を経た光起電力電池であることを特徴とする、請求項11に記載のバックコンタクト型光起電力モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111534795A (zh) * 2020-06-10 2020-08-14 深圳市乐工新技术有限公司 纳米合金材料的制作方法、纳米合金材料及电子产品
CN114583000A (zh) * 2022-03-18 2022-06-03 苏州零碳绿建新能源科技有限公司 一种轻质光伏组件及其制备方法

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