JP2016114891A - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
体がある。以下、本発明の中間転写体について説明する。
まず、基層101について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整剤を含有してなるものが挙げられる。このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
有機溶媒としては、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、2種以上併用してもよい。中でも、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸及びポリアミドイミドが溶解しやすい点で、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、螺旋塗布法、ダイ塗布法、ロール塗布法等が挙げられる。
次に基層101に積層する表層102について説明する。表層は少なくとも環状分子と、環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子の脱離を防止する封鎖基と、を有するポリロタキサンの架橋体、イオン導電剤及び酸性カーボンブラックを含有する。
ポリロタキサンの架橋体は、ポリロタキサンと硬化剤(架橋剤)とを混合して得られる
。
図2は本発明で用いられるポリロタキサンの基本構造を概念的に示す模式図である。ここで、ポリロタキサンは、ダンベル形の直鎖上軸分子に環状の分子をはめこんだ形の分子をいい、軸分子としてポリエチレングリコールなどの高分子を用いることにより、シクロデキストリンのような環状分子を複数閉じ込めたものをポリロタキサンと称する。両末端のダンベル形の部分は上記環状分子の脱離防止、すなわち封鎖基としての役割を果たしている。また、前記両末端に封鎖基を持つダンベル形の直鎖状分子は、前記環状分子と共有結合により結合固定されていない。
ここで、上記直鎖状分子2は、実質的に直鎖状であればよく、封鎖基を結合しうる反応性の官能基を末端に有している分子であれば何ら制限無く用いることができる。たとえば直鎖状分子としてはポリエチレングリコールが挙げられ、封鎖基としてはアダマンタン基を挙げることができる。
上記ポリロタキサンにおける環状分子3としては、その輪の中に鎖状分子を通して移動できるのであれば、何ら制限なく用いることができる。また、環状分子は必ずしも完全に閉環している必要はなく、鎖状分子から脱離しない程度に環の一部が開環していても良い。
本発明に好適なポリロタキサンは、環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され上記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有し、上記封鎖基がアダマンタン基、環状分子がα−シクロデキストリンであり、当該シクロデキストリンのヒドロキシル基の一部又は全部が修飾基で修飾され、その修飾基が、−C3H6−O−基と結合した、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基を有する構造である。
次に硬化剤(架橋剤)について説明する。本発明に用いる硬化剤は、現在上市されているものでも良く、特に限定されるものでないが、ポリロタキサンの柔軟性を適度に保ったまま、表層を転写性に好ましい硬さにするように適宜好ましいものを選択する。
次に酸性カーボンブラックについて説明する。本発明の中間転写体の表層は酸性カーボンブラックを含有する。酸性カーボンブラックを含まない場合、異常画像(特に残像)が発生したり、画像濃度の変化が著しくなる。
チャンネルブラックは、コンタクト法により得られるものであり、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取することができる。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱により、炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを得る方法であるが、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
サーマル法は、炭素源として天然ガスを利用し、燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造方法であり、粒子径が大きいカーボンブラックが得られる。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする1種のサーマル法により得られるが、アセチレンの熱分解反応は、発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が可能になる。
アセチレンブラックは、結晶性が発達し、ストラクチャーが高いため、導電性に優れ、乾電池、各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として適用される。
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ、補強性や黒色度、導電性等の機能を付与する際の重要な因子は、粒子径、ストラクチャー(DBP給油量)、粒子の表面の物理化学的性質(揮発分とpH)である。
結晶子が1000〜2000個集合して1個の1次粒子が形成されており、1次粒子が化学的、物理的に結合したものをストラクチャーと呼んでいる。
この凝集の発達度合いにより、ハイ(高)、ノーマル(中)、ロー(低)ストラクチャーに分類され、ゴムに配合した場合の引っ張り応力や押し出し特性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合の分散性や黒色度、粘度、導電性等に多大な影響を与える重要な因子である。
ストラクチャーは、給油量、圧縮空隙率、かさ密度、電子顕微鏡画像の形態解析等により測定することができるが、最も一般的に採用されている給油量は、粒子相互の絡み合いの大きい、すなわち、ハイストラクチャーカーボンブラック程、多量の油を吸収するという現象を応用したものである。
給油量は、例えばDBP(Dibutyl Phtalate)アブソープトメータにより、測定することができる。
カーボンブラックの表面には、一般に細孔(pore)が存在し、粒子間の融着部には微細空隙が存在する。
比表面積は、測定原理によって、細孔中の表面積を含むものか否かを明確に区別する必要がある。
細孔中の表面積を含むものを全比表面積といい、細孔中の表面積を除外したものを非多孔比表面積という。
全比表面積は、一般に、BETの式を用いた低温窒素吸着法、ヨウ素吸着法等により測定することができ、非多孔比表面積は、CTAB吸着法、電子顕微鏡を用いる“t”法等により測定することができる。
水素は、原料の炭化水素の炭化過程における脱水素反応残留物として含まれている。また、硫黄は、原料油や燃料油に含まれている。さらに、灰分は、原料油、冷却用の水等に含まれている。
一方、酸素を含むカーボンブラックは、カーボンブラックを形成した後、空気の接触により酸素が結合する塩基性酸化物と、二酸化窒素、オゾン、硝酸等との反応により、二次的に生成する酸性酸化物とがあるが、酸素は、いずれの場合も粒子の表面に存在するものと考えられる。
硫黄は、化学的に結合しているものと遊離しているものの両方の形態で存在し、遊離している硫黄は、溶媒や硫化アルカリ水溶液により抽出することができるが、化学的に結合している硫黄は、1000℃の高温下でも完全には脱離しにくい。
灰分の組成は、ナトリウム、マグネシウムの塩化物と硫酸塩、カルシウムの炭酸塩、鉄の酸化物、シリカ等であり、灰分の含有量は、チャンネルブラックよりもファーネスブラックの方が多い傾向にある。
酸性カーボンブラックの表面に存在する官能基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、キノン基、ラクトン基等が挙げられる。
なお、揮発分は、酸性カーボンブラックを950℃で7分間加熱した時の減量分であり、一般に、表面に存在する官能基が多い程、多くなる。
表層102は、分散剤をさらに含んでいてもよい。これにより、酸性カーボンブラックの分散性をさらに向上させることができる。
次にイオン導電剤について説明する。本発明に用いるイオン導電剤は、現在上市されているものでも良く、特に限定されるものでないが、本発明の所期の効果が得られるように適宜好ましいものを選択する。イオン導電剤を含まない場合、異常画像が発生し、特に高温高湿下で白抜けによる異常画像が顕著となる。
第4級アンモニウム塩を含む導電剤は上市されている一般汎用品を使用して構わない。例えば日本カートリット社製「QAP−01」、大成ファインケミカル社製「1SXシリーズ」、広栄化学社製「IL−Aシリーズ」などで市場から入手可能である。
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法についての一例を説明する。まず、基層101の作製方法について説明する。
少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわちポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層を製造する方法について説明する。基層101は、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既知の方法で前記塗工液を塗工することにより製造することができる。
表層102は、少なくともポリロタキサン、及び硬化剤(架橋剤)、酸性カーボンブラック、イオン導電剤を有機溶剤に溶解させた塗料を用いる。
ポリロタキサンと硬化剤を架橋させる際、ポリロタキサンと硬化剤の配合比は、ポリロタキサンのOH基とOH基と反応する硬化剤の反応基の当量比が反応基/OH基=0.5〜3.0になるよう調整することが好ましい。さらに好ましくは、当量比は反応基/OH基=1.0〜1.2で調整する。例えば、硬化剤がイソシアネートである場合は、ポリロタキサンとイソシアネートの配合比は、NCO/OH=0.5〜2.0になるよう調整することが好ましい。さらに好ましくは、当量比はNCO/OH=1.0〜1.2で調整する。
表層は、上記塗料を基層上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、硬化(架橋)することで製造することができる。塗布成形法としては、基層と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工、もしくはスプレー塗工などの既存の塗工法が適用できるが、基層同様、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。続いて所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされる。なお回転中には、必要に応じて、加熱を行ってもよい。このような作製方法によりシームレスベルトとすることができる。
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体上に形成された前記潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備え、前記中間転写体が本発明に係る中間転写体である。また、必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、潤滑剤供給手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有していてもよい。
[1]像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は少なくとも基層と表層を含む積層構造であり、前記表層は少なくとも環状分子と、前記環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、前記直鎖状分子の両末端に配置され、前記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンの架橋体、イオン導電剤及び酸性カーボンブラックを含み、10℃、15%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値と、27℃、80%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値の差が2[Log(Ω/□)]以下であることを特徴とする中間転写体。
[2] 前記酸性カーボンブラックは、揮発分が15%以下であることを特徴とする前記[1]に記載の中間転写体。
[3]前記イオン導電剤が、第4級アンモニウム塩を含む導電剤であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の中間転写体。
[4] 前記基層が、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を含むことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の中間転写体。
[5]シームレスベルトであることを特徴とする前記[1]から[4]のいずれかに記載の中間転写体。
[6]潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体上に形成された前記潜像をトナーで現像する現像手段と、前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を備え、前記中間転写体が前記[1]から[5]のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
[7]画像形成装置はフルカラー画像形成装置であり、色ごとの前記現像手段を有する複数の前記像担持体を直列に配置してなることを特徴とする前記[6]に記載の画像形成装置。
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いてシームレスベルト基層を作製した。
次に、外径375mm、長さ340mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に360℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚60μmのポリイミド基層ベルトAを得た。
下記により表層塗工液を調製し、この表層塗工液をポリイミド基層ベルトAに塗布する
ことにより、基層に表層を積層する。
次に、このようにして得られた表層塗工液Aを先に作製したポリイミド基層Aが形成された円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層上に、ノズルより表層塗工液Aを連続的に吐出しながら支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては最終的な表層厚みが100μmになるような液量の条件とした。その後、表層塗工液Aが塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で150℃まで昇温して30分加熱処理し、厚さが100μmの表層を形成した。
また、中間転写体の表面抵抗率は、ハイレスタMCP−HT450(三菱化学アナリテック社製)を用いて、表層が形成されている側に500Vの電圧を印加して10秒後に読み取られる10箇所の表面抵抗率の平均値である。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、酸性カーボンブラックとして、pHが3、揮発分が14%のSpecialBlack4(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して14質量%になるように調合した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。中間転写ベルトBは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.4[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が16.5%のColor Black FW2(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して16質量%になるように調合した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを得た。中間転写ベルトC、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.6[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.2[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が20%のColor Black FW200(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して22質量%になるように調合した以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを得た。中間転写ベルトDは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.9[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、4級アンモニウム塩を含む導電剤(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)を、表層の全固形分に対して3質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを得た。中間転写ベルトEは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.4[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.9[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、4級アンモニウム塩を含む導電剤(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)を、表層の全固形分に対して3質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、酸性カーボンブラックとして、pHが3、揮発分が14%のSpecialBlack4(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して14質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトFを得た。中間転写ベルトFは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.7[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、4級アンモニウム塩を含む導電剤(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)を、表層の全固形分に対して3質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が16.5%のColor Black FW2(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して16質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトGを得た。中間転写ベルトGは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.2[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、4級アンモニウム塩を含む導電剤(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)を、表層の全固形分に対して3質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が20%のColor Black FW200(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して22質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトHを得た。中間転写ベルトHは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.9[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.0[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して2質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトIを得た。中間転写ベルトIは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.8[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して2質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、酸性カーボンブラックとして、pHが3、揮発分が14%のSpecialBlack4(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して14質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトJを得た。中間転写ベルトJは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.4[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して2質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が16.5%のColor Black FW2(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して16質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトKを得た。中間転写ベルトKは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.7[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.1[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して2質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが2.5、揮発分が20%のColor Black FW200(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を用い、酸性カーボンブラックを表層の全固形分に対して22質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトLを得た。中間転写ベルトLは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.8[Log(Ω/□)]であった。
実施例1の基層用塗工液Aを以下のように変更した。
まず、ポリアミドイミド樹脂溶液であるポリアミドイミドワニス(バイロマックスHR−16NN;東洋紡績社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(MA77;三菱化学社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の24質量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
次に、外径375mm、長さ360mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に250℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚60μmのポリアミドイミド基層ベルトMを得た。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)及び4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)を加えない以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトNを得た。中間転写ベルトNは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.1[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)を加えず、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが9.0、揮発分が0.5%の塩基性カーボンブラック(ケッチェンブラック)EC300J(ライオン化学社製)を用い、塩基性カーボンブラックを表層の全固形分に対して2質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトOを得た。中間転写ベルトOは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.5[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.2[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)を加えず、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが7.0、揮発分が1.0%の中性カーボンブラック#3350B(三菱化学社製)を用い、中性カーボンブラックを表層の全固形分に対して12質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトPを得た。中間転写ベルトPは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.2[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.8[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが9.0、揮発分が0.5%の塩基性カーボンブラック(ケッチェンブラック)EC300J(ライオン化学社製)を用い、塩基性カーボンブラックを表層の全固形分に対して2質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトQを得た。中間転写ベルトQは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.2[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して2質量%になるように調合し、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)の代わりに、pHが7.0、揮発分が1.0%の中性カーボンブラック#3350B(三菱化学社製)を用い、中性カーボンブラックを表層の全固形分に対して12質量%になるように調合したこと以外は実施例1と同様にして、中間転写ベルトRを得た。中間転写ベルトRは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.1[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.1[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)を加えず、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)を、表層の全固形分に対して10質量%になるように増量して調合した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトSを得た。中間転写ベルトSは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.3[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が10.9[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)を加えず、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)を、表層の全固形分に対して4質量%になるように増量して調合した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトTを得た。中間転写ベルトTは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.9[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.4[Log(Ω/□)]であった。
実施例1において、pHが3.5、揮発分が1.5%の酸性カーボンブラックMA100(三菱化学社製)を加えず、4級アンモニウム塩を含む導電剤(QAP−01;日本カートリット社製)の代わりに、その他のイオン導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)を、表層の全固形分に対して4質量%になるように増量して調合した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトTを得た。中間転写ベルトTは、10℃、15%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が12.8[Log(Ω/□)]であり、27℃、80%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が9.4[Log(Ω/□)]であった。
次に、中間転写体の異常画像(残像、濃度ムラ、白抜け)及び環境による画像濃度の変化を評価した。
中間転写ベルトA〜Uを10℃、15%RH及び27℃、80%RHの環境下でimagio MPC7501(リコー社製)に搭載して、画像を形成し、異常画像(残像、濃度ムラ、白抜け)を評価した。用紙としては、用紙(1):普通紙TYPE6200(リコー社製)、用紙(2):さざなみ紙FC和紙(リコー社製)を用いてそれぞれ10枚ずつ出力した。なお、さざなみ紙FC和紙は、和紙風に凹凸模様がある粗い紙のため画像の濃度ムラや白抜けが起こりやすい。
◎:非常に良好
○:良好
△:実使用可能レベル
×:使用不可レベル
中間転写ベルトA〜Uを図3の画像形成装置に搭載して、画像を形成し、温湿度環境による画像濃度の変化を評価した。具体的には、10℃、15%RH及び27℃、80%RHで、ブルーのベタ画像を形成した後、X-rite(エックスライト社)を用いて、画像濃度IDを測定した。用紙としては、さざなみ紙FC和紙(リコー社製)を使用した。
◎:0.15未満
○:0.15以上0.20未満
△:0.20以上0.50未満
×:0.50以上
101 基層
102 表層
(図2の符号)
1 ポリロタキサン
2 直鎖状分子
3 環状分子
3A 親油性修飾基
4 封鎖基
(図3の符号)
P 転写紙
L レーザ光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図4の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニングブラシ
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
Claims (7)
- 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
前記中間転写体は少なくとも基層と表層を含む積層構造であり、
前記表層は少なくとも環状分子と、前記環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、前記直鎖状分子の両末端に配置され、前記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンの架橋体、イオン導電剤及び酸性カーボンブラックを含み、
10℃、15%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値と、27℃、80%RHにおける前記表層が形成されている側の表面抵抗率の常用対数値の差が2[Log(Ω/□)]以下であることを特徴とする中間転写体。 - 前記酸性カーボンブラックは、揮発分が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 前記イオン導電剤が、第4級アンモニウム塩を含む導電剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写体。
- 前記基層が、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写体。
- シームレスベルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写体。
- 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体上に形成された前記潜像をトナーで現像する現像手段と、
前記現像手段により現像された前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体に担持された前記トナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、
を備え、
前記中間転写体が請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置はフルカラー画像形成装置であり、
色ごとの前記現像手段を有する複数の前記像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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