JP6421575B2 - 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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本発明は、コピー・プリンター等の画像形成装置に装備される中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写体及びそれを用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、様々な用途でベルト、特にシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー画像形成装置においてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
この中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。そのため高速プリントには、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に難しく、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年は、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトに対する要求特性(高速転写、位置精度)が従来よりも厳しくなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に位置精度については、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
ところが、ポリイミド樹脂製の中間転写ベルトは、高強度のため表面硬度が高く、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。また、転写部における感光体や用紙などの接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写ムラが発生することがある。
近年、フルカラー電子写真を用いて様々な用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものや、リサイクルペーパー、エンボス紙、和紙、クラフト紙のような表面性の粗いものの使用が増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと用紙の凹凸状の濃淡ムラや色調のムラが発生する。
この課題を解決するため、比較的柔軟性のある弾性層を基層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている。しかしながら、比較的柔軟性のある層を表層とした場合、転写圧力が低減されたり、用紙凹凸への追従性が向上する反面、表面の離型性が劣るためにトナーがうまく離型できず、転写効率が低下して前者の効果を生かせないという問題が発生する。また、耐摩耗性・耐擦傷性にも劣るという問題もある。更に、この積層構成の中間転写ベルトは難燃性が非常に悪い。そのため表面層に難燃剤を含有させて難燃性を改善しているが、転写性能の劣化、光沢度の低下という問題が発生してしまう。特に難燃剤の他に、導電性の制御に起因する異常画像(濃度ムラ、白抜け、残像)を抑制するため表層に導電剤を含有させると、光沢度の低下が非常に顕著になってしまう。
一般に、フルカラー電子写真の画像形成装置は、使用する環境の変化により、画像濃度が変動したり、本来の正しい色調が得られなくなったりしてしまう。そのため、中間転写ベルトを用いたフルカラー画像写真の画像形成装置では、正確な濃度情報を得る手段として、中間転写ベルト上に作製された各色の濃度検知用トナー像(パッチ)を、所定の光で照射して、その反射光と中間転写ベルトの反射率から濃度を検知し、検知結果を露光量、現像バイアスなどにフィードバックして画像濃度の制御を行う画像濃度検知手段(画像濃度検知センサ)を有している。
このため、中間転写ベルトの表面の光沢度が高いことが重要である。
このように、比較的柔軟性のある表層を基層上に積層し、難燃剤、導電剤を含有させた中間転写ベルトの場合、優れた難燃性、高い転写性能、異常画像(濃度ムラ、白抜け、残像)の抑制、中間転写ベルト表面の高光沢性を実現させることは困難であった。
公知技術として、特許文献1では中間転写体を基層上に表層を積層した2層構成とし、最表面の硬度を高めに設定することにより転写性向上を図っている。しかしながら、この構成では、上述したようにリサイクルペーパー、エンボス紙、和紙、クラフト紙のような表面性の粗い紙への転写性は追従性が悪いため低下してしまう。また、部材の難燃化に関しては記載されていない。
特許文献2では、中間転写体を基層、弾性層、表層の3層構成とし、表層を薄膜のハードコーティングとすることにより耐久性と転写性向上を図っている。しかしながら、この構成では最表面が硬いため、表面性の粗い紙への追従性はどうしても低くなってしまう。また、難燃化に関する記載はない。
特許文献3では、柔軟性があるポリロタキサン架橋体を電子写真用部材に適用し、イオン導電剤を含有させることにより、低硬度な表層の硬度の温度依存性を損なうことなく、表層の体積電気抵抗を低くしている。しかしながら、この文献では、中間転写体に含有されるイオン導電剤の種類による異常画像の抑制効果については何も触れておらず、難燃化に関する記載もない。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、柔軟性があり、表面性の粗い転写媒体への転写の際の異常画像(濃度ムラ、白抜け、残像)発生の抑制、優れた難燃性、及び中間転写体表面の高光沢性を実現できる中間転写体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも基層と表層を有し、該表層が、ポリロタキサンの架橋体、リン系難燃剤、及び、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を含有し、前記ポリロタキサンが、少なくとも環状分子と、該環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、該直鎖状分子の両末端に結合した前記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有することを特徴とする中間転写体。
本発明によれば、柔軟性があり、表面性の粗い転写媒体への転写の際の異常画像(濃度ムラ、白抜け、残像)発生の抑制、優れた難燃性、及び中間転写体表面の高光沢性を実現可能な中間転写体を提供できる。
本発明の中間転写体の基本的層構成を示す図。 本発明で用いられるポリロタキサンの基本構造を概念的に示す模式図。 本発明の中間転写体をシームレスのベルト部材として装備する画像形成装置の一例の要部模式図。 本発明の中間転写体をシームレスのベルト部材として装備する画像形成装置の他の例の要部模式図。 画像濃度検知センサの要部模式図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明の実施の形態には、次の2)〜7)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記架橋体を得るための硬化剤がイソシアネートであることを特徴とする1)に記載の中間転写体。
3) 前記イソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートであることを特徴とする2)に記載の中間転写体。
4) 前記基層を構成する樹脂がポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の中間転写体。
5) その形態がシームレスベルトであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の中間転写体。
6) 潜像が形成されトナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、該中間転写体上表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、該中間転写体が1)〜5)のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
7) 各色の現像手段を有する複数の像担持体が直列に配置され、フルカラー画像が形成できることを特徴とする6)に記載の画像形成装置。
[中間転写体]
電子写真方式の画像形成装置における電気的特性を要求される重要な部材の一つとして中間転写体(中間転写ベルト)がある。該画像形成装置では、幾つかの部材にシームレスベルトが用いられるが、中間転写体としてシームレスベルトが用いられることもある。
以下、本発明の中間転写体について説明する。
本発明の中間転写体は、中間転写ベルト方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に装備されるものである。該画像形成装置は、像担持体(例えば感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置である。
図1に、本発明の中間転写体の基本的層構成を示す。基層11の上に表層12が積層されているが、基層11には比較的屈曲性が得られる剛性材料を用い、表層12には柔軟性のある材料を用いる。なお、基層と表層の他に必要に応じて中間層を設けても良い。中間層の例としては、接着性向上のためのプライマー層、転写媒体への追従性を向上させるための比較的柔軟なエラストマーやゴムなどの弾性層が挙げられる。
≪基層≫
基層11の構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材又は添加材(電気抵抗調整材)を含有するものが挙げられる。
樹脂としては、難燃性の観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)などのフッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂としては、東レデュポン、宇部興産、新日本理化、JSR、ユニチカ、アイ・エス・ティー、日立化成、東洋紡績、荒川化学等の各社の市販品を用いることができる。
電気抵抗調整材は特に限定されず、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられる。これらを併用してもよい。
また、本発明の中間転写体の製造において用いる樹脂成分を含む塗工液には、必要に応じて、更に分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有させてもよい。
中間転写体をシームレスベルトとする場合、表面抵抗率1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗率1×10〜1×1011Ω・cmとなるように電気抵抗調整材を含有させることが好ましい。電気抵抗調整材には、機械強度の面から膜が脆く割れ易くならない程度の添加量で済むものを選択する。つまり、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合割合を適切に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗率及び体積抵抗率)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造することが好ましい。
電気抵抗調整材の含有量は、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25質量%、好ましくは15〜20質量%である。また、金属酸化物の場合には、塗工液中の全固形分の1〜50質量%、好ましくは10〜30質量%である。含有量が前記各範囲の下限値以上であれば、十分な抵抗値の均一性が得られ、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなるようなことはない。また含有量が前記各範囲の上限値以下であれば、実用上十分な機械強度の中間転写ベルトが得られる。
基層の膜厚には特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、30〜150μmが好ましく、40〜120μmがより好ましく、50〜80μmが特に好ましい。基層の膜厚が30μm以上であれば、亀裂によりベルトが裂けることはなく、150μm以下であれば、曲げによってシームレスベルトが割れることはない。また、50〜80μmであると耐久性の点で有利である。
基層の膜厚を測定する方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
≪表層≫
表層12は、少なくとも、環状分子と、環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に結合した環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンの架橋体、リン系難燃剤、及び第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を含有する。
ポリロタキサンの柔軟性が適度に保たれるように硬化剤で架橋させれば、表層を転写性に好ましい硬さにすることができる。また、リン系難燃剤と第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を含有させることにより、優れた難燃性、異常画像(濃度ムラ、白抜け、残像)発生の抑制、中間転写体表面の高光沢性を実現することができる。
<ポリロタキサン>
図2は、本発明で用いられるポリロタキサンの基本構造を概念的に示す模式図である。1はポリロタキサン、2は直鎖状分子、3は環状分子、3Aは親油性修飾基、4は封鎖基である。但し、親油性修飾基3Aはなくてもよい。
ポリロタキサンは、両末端に封鎖基を持つダンベル形の直鎖状分子に複数の環状分子を嵌め込んだ形の分子である。両末端のダンベル形の封鎖基は環状分子の脱離防止の役割を担う。また、直鎖状分子は環状分子と共有結合により固定されていないので、直鎖状分子が環状分子の穴の中を自由に移動でき、環状分子もまた、直鎖状分子に沿って移動することが可能である。
また、直鎖状分子、環状分子のいずれか一方又は両方が親油性の修飾基を有していても良い。この親油性修飾ポリロタキサンは、有機溶媒に溶解し易くなり、表層として塗工し易くなる。親油性を示す修飾基としては、アルキル基やベンジル基などが挙げられる。
図2の親油性修飾ポリロタキサン1では、直鎖状分子2が環状分子3の穴(開口部)を貫通し、環状分子3によって包接されており、環状分子3は親油性修飾基3Aを有している。つまり、応力が加わった場合には、環状分子3が直鎖状分子2に沿って滑車のように自由に移動できる。その結果、伸縮性や柔軟性に優れ、転写媒体への追従性が向上する。また、直鎖状分子2は、実質的に直鎖状で封鎖基4を結合しうる反応性の官能基を末端に有する分子であれば特に限定されない。封鎖基4は、環状分子3が直鎖状分子2から脱離できない程度に充分に嵩高い必要がある。
上記末端に官能基を有する直鎖状分子2は、通常、ポリエチレングリコールなどの鎖状ポリマー分子である。分子量は1000〜50000が好ましく、10000〜40000がより好ましく、20000〜35000が特に好ましい。分子量が1000以上であれば、環状分子3による滑車効果が十分に得られ、塗膜の柔軟性が低下することがなく、耐擦傷性や転写媒体への追従性が劣化することもない。また、分子量が50000以下であれば、塗工液としたときの粘度が高くなりすぎることがなく、平滑性や光沢などの外観劣化を引き起こすこともない。
上記環状分子3としては、環状分子同士は架橋せず、その輪の中に直鎖状分子2を通して移動できるのであれば特に限定されない。また、環状分子3は必ずしも完全に閉環している必要はなく、直鎖状分子2から脱離しない程度に環の一部が開環していても良い。
好ましい例としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類が挙げられる。中でもシクロデキストリン類が有機化合物と抱接化合物を作りやすい点で好ましい。
シクロデキストリン類は、複数のグルコースがα−1、4結合で環状に連なった化合物であるが、6個、7個、8個のグルコースで形成されたα−、β−、γ−シクロデキストリンが特に好ましい。また、包接性の観点からは、α−シクロデキストリンが好ましい。また、シクロデキストリン類の水酸基の少なくとも一つが他の有機官能基によって置換された修飾デキストリン類は、溶剤への溶解性が向上する点で好ましい。
更に、環状分子3としては、親油性修飾基3Aなどとの結合が行い易くなる点で反応基を有するものが好ましい。このような反応基としてはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられるが、封鎖基4を形成する際に、該封鎖基4と反応しないことから、ヒドロキシル基が好ましい。
環状分子3は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、直鎖状分子2を包接する環状分子3の個数(包接量)は、環状分子3自体が直鎖状分子2内を滑車のように自由に動ける範囲内であれば任意に設定できる。
本発明に好適なポリロタキサン1の例としては、直鎖状分子2がポリエチレングリコール、環状分子3がα−シクロデキストリン、封鎖基4がアダマンタン基であり、前記α−シクロデキストリンのヒドロキシル基の一部又は全部が修飾基で修飾され、その修飾基が、−C−O−基と結合した、カプロラクトンによる修飾基である−CO(CHOH基を有する構造のものが挙げられる。
なお、上記ポリロタキサンは、特許第4376849号などに記載の公知の方法により製造することもできるし、アドバンスト・ソフトマテリアルズ社などの市販品を用いることもできる。
本発明の中間転写体の表層にはポリロタキサンの架橋体を含有させる。ポリロタキサンの架橋体とは、ポリロタキサン単体が硬化剤(架橋剤)により架橋したものをいう。即ち、本発明の中間転写体の表層では、表層を形成する硬化剤が同じく表層を形成するポリロタキサンの環状部分を介してポリロタキサンと結合している。このポリロタキサンの架橋体により、優れた転写性を実現することが出来る。
<硬化剤>
本発明で用いる硬化剤(架橋剤)は特に限定されず市販品でもよいが、ポリロタキサンの柔軟性を適度に保ったまま、表層が転写性に好ましい硬さになるように適宜選択する。
その具体例としては、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレイン、ジビニルスルホン、1,1′−カルボニルジイミダゾール、アルコキシシラン類が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができるが、架橋しやすさの点からイソシアネートが好ましく、中でもヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートが好ましい。その理由は、ヘキサメチレンジイソシアネートが、2つの1級イソシアネート基を有するため反応性が高く、未架橋のOH基が少なくなるため、架橋させた中間転写体のトナー離型性に優れること、及びイソシアネート基間に6つのメチレン基を有するため、架橋させた中間転写体の可とう性が優れることから、転写性が向上するからである。
また、常温下での保管安定性の高さからブロックイソシアネートが更に好ましい。
ブロックイソシアネートは、活性イソシアネート基をオキシム類、ジケトン類、フェノール類、カプロラクタム類等のブロック剤で保護し、通常の状態では安定を保ち、熱処理することによってブロック剤が解離し、活性イソシアネート基が再生され、硬化・架橋反応を起こすものである。本発明に好適に用いられるイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートのブロックイソシアネートである。
また、イソシアネート系硬化剤は市販品を用いることができ、例えば旭化成ケミカルズ社製「デュラネート」、三井化学社製「タケネート」、日本ポリウレタン工業社製「コロネート」、住化バイエルウレタン社製「デスモジュール」などが挙げられる。
<第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤>
本発明で用いる第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤は特に限定されず市販品でもよいが、本発明の所期の効果が得られるように適宜好ましいものを選択する。
その具体例としては、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩;塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩;第4級アンモニウム塩を含む高分子イオン導電剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
市販品としては、例えば日本カートリット社製「QAP−01」、大成ファインケミカル社製「1SXシリーズ」、広栄化学社製「IL−Aシリーズ」などが挙げられる。
<リン系難燃剤>
本発明で用いるリン系難燃剤としては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリ(ヒドロキシフェニル)ホスフェート、ジエチルビス(ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、ジブチルヒドロオキシメチルホスフォネート、ジ(ブトキシ)ホスフィニル・プロピルアミド、ジメチルメチルホスフォネート、リン酸グアニジン、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、ポリブロモスチレン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系難燃剤は市販品を用いることができ、例えばアデカ社製「FP−600」、「FP−800」、「FP−2100JC」、大塚化学社製「ホスファゼンSPS1000」、OZEKI社製「ビスフェノールAビス(ジフェニルリン酸エステル)」、大八化学工業社製「CR−733S」などが挙げられる。
リン系難燃剤の配合量は、求められる難燃性に応じて適宜選択できるが、樹脂100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましい。1重量部以上であれば充分な難燃性が得られる。また、100重量部以下であれば、液体の場合のブリードアウトによる表面タック性上昇や、凹凸転写性能の低下が起こるようなことはない。また膜の光沢度の低下が起こることもない。
また、リン系難燃剤を配合した表層の難燃性は、UL94−VTM試験(薄手材料垂直燃焼試験)に準拠して評価することができる。
表層の膜厚は30〜300μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。30μm以上であれば、表面凹凸のある紙種に対する画像品質は十分なものとなる。また300μm以下であれば、膜の重さで撓み易くなったり、反りが大きくなって走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなったりすることはない。なお、膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)で断面を測定することにより得られる。
次に、本発明の中間転写ベルトの作製方法の一例を示す。
(基層の作製)
基層は、少なくとも樹脂成分を含む塗工液を、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工、スプレー塗工などの公知の方法で塗工することにより作製できる。
即ち、円筒状の型(例えば金属金型)をゆっくり回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液をノズルやディスペンサーのような液供給装置により円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。次いで、回転させつつ徐々に昇温し、約80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)を行った後、十分に冷却する。樹脂成分としてポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を用いた場合には、焼成により十分にイミド化又はポリアミドイミド化を行う。
(表層の作製)
表層は、少なくともポリロタキサン、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤、リン系難燃剤、硬化剤(架橋剤)、を有機溶剤中に溶解又は分散させた塗料を用いる。
上記材料の他に、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤、可塑剤などの材料を適宜含有させても良い。
ポリロタキサンを硬化剤で架橋させる際の両者の配合比は、ポリロタキサンのOH基と該OH基と反応する硬化剤の反応基の当量比が、反応基/OH基=0.5〜3.0になるように調整することが好ましく、反応基/OH基=1.0〜1.2が更に好ましい。
例えば、硬化剤がイソシアネートの場合は、ポリロタキサンとイソシアネートの配合比が、NCO/OH=0.5〜3.0になるよう調整することが好ましく、NCO/OH=1.0〜1.2が更に好ましい。
当量比が0.5以上であれば、架橋が十分に行われ、架橋物の形状維持が困難になることはない。また、当量比が3.0以下であれば、架橋物が硬くなりすぎたり、表層としての柔軟性などが損なわれることはない。
表層は、上記塗料を基層上に塗工した後、溶剤を蒸発させ、加熱して塗膜を硬化(架橋)させることにより作製できる。塗工法としては、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工、スプレー塗工などの公知の塗工法が適用できる。具体的には、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置により円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)し、続いて所定の回転速度、乾燥温度を維持してレベリングする。次いで加熱することによりシームレスベルトを得ることができる。なお、必要に応じて回転中に加熱してもよい。
硬化(架橋)のための加熱温度は、好ましくは130℃〜220℃、より好ましくは、140℃〜200℃であり、架橋時間は、好ましくは30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などの公知の方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後、架橋体の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは、1〜48時間行う。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、潜像が形成されトナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、該中間転写体上表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。そして、前記中間転写体として前述した本発明の中間転写体を用いることを特徴とする。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の像担持体を直列に配置したものが好ましい。
本発明の画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら詳しく説明する。なお、模式図は一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
図3は、本発明の中間転写体をシームレスのベルト部材として装備する画像形成装置の要部模式図である。
ベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブラシ504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、中間転写ベルト501の外周面又は内周面には図示しない位置検知用マークが設けられる。但し、中間転写ベルト501の外周面側については、ベルトクリーニングブラシ504の通過域を避けるように位置検知用マークを設ける必要があり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
中間転写ベルト501は、通常、半導体又は絶縁体で、単層又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、像担持体である感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー画像形成装置において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、BK(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、BKトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBK、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記BKトナー像形成は次のように行われる。
図3において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、BKカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、BK静電潜像が形成される。このBK静電潜像に、BK現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBKトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBKトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBKトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、BK画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBK静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBK現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBK、Cの工程と同様であるので説明は省略する。符号231YはY現像機を示す。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBK、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端が差しかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(BK)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBKトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
なお、図3中の符号70は除電ローラ、204は電位センサ、205は画像濃度センサ、503は帯電チャージャ、513はトナー画像、Lは(レーザー露光手段から出射される)レーザー光を示す。
上記実施形態では、感光体ドラムを一つだけ備えた画像形成装置について説明したが、本発明は、例えば、図4の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図4の要部模式図は、本発明の中間転写ベルトに沿って複数の像担持体が並設されているフルカラー画像形成装置の一例を示す。すなわち、図4は、4つの異なる色〔ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)〕のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一例を示す。
図4において、プリンタ本体10は、電子写真方式によるカラー画像形成を行うための画像書込部12、画像形成部13、給紙部14から構成されている。そして、画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用のBK、M、Y、Cの各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えばレーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系、及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体ドラム)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は、BK用、M用、Y用、C用の各像坦持体である感光体ドラム21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の感光体には、通常OPC感光体が用いられる。各感光体ドラム21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、BK、M、Y、Cの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(図示省略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体ドラム21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体ドラム上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介してベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、2次転写時に転写されずに中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。ベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシで構成されている。導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。図4中、符号26は駆動ローラ、70はバイアスローラを示す。
また、画像濃度検知手段としての画像濃度検知センサ17は、プロセス手段としての帯電手段、現像手段などを制御して、感光体ドラム上に形成された後、感光体ドラムから中間転写ベルト22に転写された所定のテストパターン画像(レジスト検知パターンや濃度検知用パターン)を検知するものである。
図5に示すように、画像濃度検知センサ17は、LEDなどの発光素子101と、フォトダイオードなどの受光素子102を有する。発光素子101による照射光は、中間転写ベルト22に対して入射角αで入射し、検知位置104で反射される。受光素子102は、照射光の正反射成分を検知する位置に設けられている。検知位置104で反射される光の量は、下地となる中間転写ベルト22の反射率とテストパターン画像である濃度パッチ103のトナー量で決定される。濃度パッチ103のトナー量が増加すると、それだけ下地である中間転写ベルト22の表面が隠され、センサからの出力は低下していく。
なお、図5では、正反射光を検出するタイプの画像濃度検知センサ17を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、拡散光を検出するタイプのセンサを用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本発明に含まれる。なお、例中の「固形分比」及び「%」は質量基準である。
中間転写ベルトの基層及び表層の膜厚は、任意の10箇所の断面の膜厚を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した値の平均値である。
<実施例1>
以下の手順で中間転写ベルトAを作製した。

「基層塗工液Aの調製」
ポリイミド樹脂前駆体のポリアミック酸を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスAとU−ワニスSの固形分比6:4の混合物;宇部興産社製)に、予めビーズミルによりN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;オリオンエンジニアドカーボンズ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17%になるように混合攪拌して基層塗工液Aを調製した。
「ポリイミド基層ベルトAの作製」
次に、外径375mm、長さ340mmの外面をブラスト処理により粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、基層塗工液Aを円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーで塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜が満遍なく広がった時点で回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して110℃まで徐々に昇温し60分加熱した。更に昇温して200℃で20分加熱した後、回転を停止し徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出した。これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に360℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却して、膜厚60μmのポリイミド基層ベルトAが形成された円筒状支持体を得た。
「表層塗工液Aの調製」
直鎖状分子がポリエチレングリコール、封鎖基がアダマンタン基、環状分子がヒドロキシプロピル基を有するα−シクロデキストリンであるポリロタキサン(セルムスーパーポリマーSH3400P;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製)をシクロヘキサノン中に溶解させた後、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(デュラネートTPA−B80E;旭化成ケミカル社製)[ブロックイソシアネート]を入れて、NCO(硬化剤の反応基)/OHが当量比で1.05となるように調整し、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤である過塩素酸テトラブチルアンモニウム(QAP−01;日本カートリット社製)、及びリン系難燃剤(アデカスタブFP−2100JC;アデカ社製)を、各々固形分比でポリロタキサンとブロックイソシアネートの固形分の総和の3%及び50%になるように調合し、表層塗工液Aを調製した。
前記ポリロタキサン「セルムスーパーポリマーSH3400P」は化学名が「修飾ポリロタキサン−グラフト−ポリカプロラクトン(CASNo.928045−45−8)」である。
「中間転写ベルトAの作製」
ポリイミド基層ベルトAが形成された円筒状支持体を回転させながら、ノズルから表層塗工液Aをポリイミド基層上に連続的に吐出し、円筒状支持体の軸方法に移動させて螺旋状に塗工した。塗布量は表層の最終的な膜厚が60μmになるようにした。次いで、円筒状支持体を回転させながら熱風循環乾燥機に投入し、昇温速度3℃/分で150℃まで昇温して30分加熱処理し、中間転写ベルトAを得た。
<実施例2>
実施例1の「表層塗工液Aの調製」におけるリン系難燃剤を「アデカスタブFP−600JC;アデカ社製」に変えて表層塗工液Bを調製した点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。
<実施例3>
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における過塩素酸テトラブチルアンモニウムを、第4級アンモニウム塩を組み込んだアクリルポリマー(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを得た。
<実施例4>
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における過塩素酸テトラブチルアンモニウム、及びリン系難燃剤を、それぞれ、第4級アンモニウム塩を組み込んだアクリルポリマー(1SX−1055;大成ファインケミカル社製)、及び「アデカスタブFP−600JC;アデカ社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトDを得た。
<実施例5>
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における「デュラネートTPA−B80E」を、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日化トレーディング社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトEを得た。
<実施例6>
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における「デュラネートTPA−B80E」を、塩化シアヌル(メルク社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトFを得た。
<実施例7>
「基層塗工液Gの調製」
ポリアミドイミド樹脂溶液であるポリアミドイミドワニス(バイロマックスHR−16NN;東洋紡績社製)に、予めビーズミルによりN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(MA77;三菱化学社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミドイミド固形分の24%になるように混合攪拌して基層塗工液Gを調製した。
「ポリアミドイミド基層ベルトGの作製」
実施例1の「ポリイミド基層ベルトAの作製」における基層塗工液Aを基層塗工液Gに変え、成形膜が形成された円筒型の高温処理の温度を360℃から250℃に変えた点以外は、実施例1と同様にして、ポリアミドイミド基層ベルトGが形成された円筒状支持体を得た。
「中間転写ベルトGの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」におけるポリイミド基層ベルトAが形成された円筒状支持体を、ポリアミドイミド基層ベルトGが形成された円筒状支持体に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトGを得た。
<実施例8>
実施例1のポリロタキサン(セルムスーパーポリマーSH3400P;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製)を、ポリロタキサン(セルムスーパーポリマーSH2400P;アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトHを得た。
<比較例1>
「中間転写ベルトIの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」において、表層を積層しなかった点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトIを得た。
<比較例2>
「表層塗工液Jの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」において、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤及びリン系難燃剤を調合しなかった点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Jを調製した。

「中間転写ベルトJの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Jに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトJを得た。
<比較例3>
「表層塗工液Kの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」において、リン系難燃剤を調合しなかった点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Kを調製した。

「中間転写ベルトKの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Kに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトKを得た。
<比較例4>
「表層塗工液Lの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」において、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を調合しなかった点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Lを調製した。

「中間転写ベルトLの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Lに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトLを得た。
<比較例5>
「表層塗工液Mの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」において、第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を調合せず、リン系難燃剤に代えて水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M;昭和電工社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Mを調製した。

「中間転写ベルトMの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Mに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトMを得た。
<比較例6>
「表層塗工液Nの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」におけるリン系難燃剤に代えて、水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M;昭和電工社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして表層塗工液Nを調製した。

「中間転写ベルトNの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Nに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトNを得た。
<比較例7>
「表層塗工液Oの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」におけるリン系難燃剤に代えて、ポリシラン(SI−30−10;大阪ガスケミカル社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして表層塗工液Oを調製した。

「中間転写ベルトOの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Oに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトOを得た。
<比較例8>
「表層塗工液Pの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤をテトラメチレンアンモニウムクロライドに変え、リン系難燃剤に代えて、水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M;昭和電工社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Pを調製した。

「中間転写ベルトPの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Pに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトPを得た。
<比較例9>
「表層塗工液Qの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を、第4級アンモニウム塩を含まない導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Qを調製した。

「中間転写ベルトQの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Qに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトQを得た。
<比較例10>
「表層塗工液Rの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を、第4級アンモニウム塩を含まない導電剤(IL−P18;広栄化学社製)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Rを調製した。

「中間転写ベルトRの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Rに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトRを得た。
<比較例11>
「表層塗工液Sの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を、第4級アンモニウム塩を含まない導電剤(IL−AP3;広栄化学社製)に変え、リン系難燃剤に代えて、水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M;昭和電工社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Sを調製した。

「中間転写ベルトSの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Sに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトSを得た。
<比較例12>
「表層塗工液Tの調製」
実施例1の「表層塗工液Aの調製」における第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を、第4級アンモニウム塩を含まない導電剤(IL−P18;広栄化学社製)に変え、リン系難燃剤に代えて、ポリシラン(SI−30−10;大阪ガスケミカル社製)を調合した点以外は、実施例1と同様にして、表層塗工液Tを調製した。

「中間転写ベルトTの作製」
実施例1の「中間転写ベルトAの作製」における表層塗工液Aを、表層塗工液Tに変えた点以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトTを得た。
上記中間転写ベルトA〜Tについて、下記のようにして各特性を評価した。結果を纏めて表1に示す。

〔光沢度〕
各中間転写ベルトの鏡面光沢度(入射角20°)を、ハンディ型光沢計(PG−1M;日本電色工業社製)を用いて測定し、12点の測定値の平均値を算出し、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:鏡面光沢度70以上
×:鏡面光沢度70未満
〔異常画像〕
各中間転写ベルトを画像形成装置(imagioMPC7501;リコー社製)に搭載し、(1)普通紙(TYPE6200;リコー社製)、及び、(2)さざなみ紙FC和紙(リコー社製)を用いて、それぞれ1000枚ずつ出力した。(1)についてはブラック単色でハーフトーン画像を、(2)についてはシアンとマゼンタのブルーベタ画像を出力した。なお、さざなみ紙FC和紙は、和紙風に凹凸模様がある粗い紙のため画像の濃度ムラや白抜けが起こり易い。
(1)(2)の各出力用紙の991枚目〜1000枚目の10枚の中で、異常画像(残像、濃度ムラ、白抜け)の程度が最も悪いサンプルを抽出し、(1)については残像を、(2)については濃度ムラと白抜けを、目視により、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好
○:良好
△:実用可能レベル
×:実用不可レベル
〔難燃性〕
各中間転写ベルトを再度作製し、各々難燃性試験用に、長さ200mm、幅50mmの試験片を5片切り出し、UL94−VTM試験(薄手材料垂直燃焼試験)に準拠して難燃性試験を行って評価した。
VTM−1以上(VTM−0、VTM−1)は非常に良好であるが、NOTは実用不可レベルである。
実施例及び比較例における基層の樹脂の種類、表層の膜厚と材料構成を表1に示すが、表層が本発明1)の要件を満たす実施例は、鏡面光沢度70以上で異常画像評価や難燃性も良好であることが分かる。
なお、表1中の略号で示した材料の詳細は次のとおりである。
*1:セルムスーパーポリマーSH2400P(アドバンスト・ソフトマテリアルズ社
製)
*2:ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(デュラネートTPA−
B80E;旭化成ケミカル社製)
*3:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日化トレーディング社製)
*4:テトラメチレンアンモニウムクロライド
(図1の符号)
11 基層
12 表層
(図2の符号)
1 ポリロタキサン
2 直鎖状分子
3 環状分子
3A 親油性修飾基
4 封鎖基
(図3の符号)
P 転写紙
L レーザ光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 画像濃度検知センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K BK現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271 定着ローラ
272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図4の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
17 画像濃度検知センサ
20BK BK現像装置
20M M現像装置
20Y Y現像装置
20C C現像装置
21BK BK感光体ドラム
21M M感光体ドラム
21Y Y感光体ドラム
21C C感光体ドラム
22 中間転写ベルト
23BK BK1次転写バイアスローラ
23M M1次転写バイアスローラ
23Y Y1次転写バイアスローラ
23C C1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニングブラシ
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 除電ローラ
(図5の符号)
α 入射角
17 画像濃度検知センサ
22 中間転写ベルト
101 LEDなどの発光素子
102 フォトダイオードなどの受光素子
103 濃度バッチ
104 検知位置
特第4973781号公報 特開2012−181244号公報 特開2014−66857号公報

Claims (7)

  1. 少なくとも基層と表層を有し、該表層が、ポリロタキサンの架橋体、リン系難燃剤、及び第4級アンモニウム塩を含むイオン導電剤を含有し、前記ポリロタキサンが、少なくとも環状分子と、該環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、該直鎖状分子の両末端に結合した前記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有することを特徴とする中間転写体。
  2. 前記架橋体を得るための硬化剤がイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記イソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記基層を構成する樹脂がポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写体。
  5. その形態がシームレスベルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写体。
  6. 潜像が形成されトナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、該中間転写体上表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、該中間転写体が請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 各色の現像手段を有する複数の像担持体が直列に配置され、フルカラー画像が形成できることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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