JP2016113536A - 難燃性芳香族ポリカーボネート共重合体、それを用いた成形品およびその製造方法 - Google Patents

難燃性芳香族ポリカーボネート共重合体、それを用いた成形品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、機械特性、耐湿熱性に優れた芳香族ポリカーボネート共重合体及びその製造方法の提供。【解決手段】式1、2の単位を有する芳香族ポリカーボネート共重合体。式1のモル分率;6〜25モル%、溶液比粘度;0.30〜0.50、残存原料濃度;≦250ppm。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性芳香族ポリカーボネート共重合体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、高い難燃性を有するとともに、機械特性および耐湿熱性に優れた芳香族ポリカーボネート共重合体およびその製造法に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、熱的安定性、寸法安定性、衝撃強度、透明性に優れ、OA機器、電気・電子部品、光学部品、建築部品、自動車用部品などの材料として広く用いられている。しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃性は用途によっては十分ではなく、このためポリカーボネート樹脂の難燃性を向上させることが望まれている。
そこで、ポリカーボネート樹脂以外の添加物や各種難燃剤などを用いることにより、その改善が図られている。難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤など数多く知られている。また、ポリカーボネート樹脂に非晶質スチレン系樹脂(特許文献1)や脂肪酸ポリエステル系樹脂(特許文献2)、任意成分としてポリオルガノシロキサン含有ポリカーボネート(特許文献3)などの添加物を含む樹脂組成物が開示されている。しかし、このような各種難燃剤や樹脂添加物を含むことにより、得られた樹脂組成物の機械特性および耐湿熱性が低下するなどの物性の不具合や、外観不良が生じるという問題があった。
従って、上述した特性を損なうことなく、難燃性が向上されたポリカーボネート樹脂を得るためには、共重合などによりポリカーボネート樹脂自体の特性を改善する必要がある。特許文献4によれば、ポリカーボネート樹脂中にジヒドロキシビフェニルを共重合成分として含めることで、通常のポリカーボネート樹脂に比べ高い難燃性を有するポリカーボネート共重合体を製造することができる。しかしながら、この方法はジヒドロキシビフェニル連鎖に起因する分子量低下を防止するため製造工程が多く、また、特別な設備が必要であるという課題があった。
芳香族ポリカーボネート共重合体において、高い難燃性を有し、機械特性および耐湿熱性にも優れる実用性の高い芳香族ポリカーボネート共重合体はこれまでに得られていない。
特開2003−049062号公報 特開2005−255724号公報 特開平05−186675号公報 特開2012−046567号公報
本発明は、高い難燃性を有し、機械特性および耐湿熱性にも優れた芳香族ポリカーボネート共重合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成せんとして新規な樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート共重合体中のレゾルシンユニットの繰り返し単位を特定の範囲とし、且つ共重合体の分子量を特定の範囲に規定し、さらに残存未反応レゾルシンの含有量を制御することにより、高い難燃性を有するとともに、機械特性および耐湿熱性にも優れた芳香族ポリカーボネート共重合体となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の1〜8の芳香族ポリカーボネート共重合体、それを用いた成形品およびその製造方法が提供される。
1.下記式(1)で表される繰り返し単位、及び二価フェノールから誘導される下記式((2)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリカーボネート共重合体で、該式(1)と(2)の合計した繰り返し単位に対して、繰り返し単位(1)のモル分率が6〜25モル%であって、該芳香族ポリカーボネート共重合体0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し20℃で測定した比粘度が0.30〜0.50であり、且つ残存未反応レゾルシン濃度が30〜250ppmである芳香族ポリカーボネート共重合体。
Figure 2016113536
Figure 2016113536
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を示す。)
2.厚み0.1mmのフィルムとしたときにUL94VTM(ISO9773)で規定されるフィルム難燃性がVTM−2もしくはそれよりも高い前記1に記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
3.繰り返し単位(2)が2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される繰り返し単位であることを特徴とする前記1または2のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
4.ISO179で規定されるポリカーボネート共重合体のノッチ付シャルピー衝撃強度が、10kJ/m以上である前記1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
5.前記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体を射出成形してなる成形品。
6.前記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体を成形してなるフィルム又はシート。
7.前記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法であって、当該方法は界面条件下において下記式(3)で表される二価フェノール及びレゾルシンをカーボネート前駆体と反応させることからなり、界面重縮合による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート溶液を、純水で水洗洗浄した後、分離した有機相を孔径0.2〜50μmの濾過フィルターを用いて濾過することを特徴とする芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法。
Figure 2016113536
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を示す。)
8.前記7記載の方法において、粗製のポリカーボネート溶液の濃度が、3〜30重量%である製造方法。
本発明に係わる芳香族ポリカーボネート共重合体は高い難燃性を有し、機械特性および耐湿熱性にも優れたているため、成形品やシート、フィルムに極めて有用である。
<芳香族ポリカーボネート共重合体>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、前記式(1)で表される繰り返し単位、及び二価フェノールから誘導される前記式(2)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリカーボネート共重合体である。
式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を表す。
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体中の共重合体成分である前記式(2)において、R〜Rは、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基であり、さらに好ましくは、水素原子である。上記以外の場合は、耐衝撃性に劣るため好ましくない。
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、前記式(1)で表される繰り返し単位及び二価フェノールから誘導される前記式(2)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリカーボネート共重合体であり、前記式(1)で表される繰り返し単位のモル分率が6〜25モル%であり、7〜22モル%であるとより好ましい。6モル%未満であると、難燃性が低くなり、好ましくない。25モル%を越えると、耐湿熱性が低下し、好ましくない。
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、そのポリマー0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液を20℃で測定した比粘度が0.30〜0.50であり、0.35〜0.40の範囲のものがより好ましい。比粘度が0.30未満では耐衝撃性が低下し好ましくない。比粘度が0.50を越えると溶融粘度および溶液粘度が高くなり、取り扱いが困難になるため好ましくない。
<ポリカーボネートの製造方法>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、レゾルシンおよび前記式(3)で表される二価フェノールと、ホスゲン等の炭酸エステル形成性化合物と反応させることによって製造することができる。
(ビスフェノール成分(原料モノマー))
本発明のポリカーボネート樹脂に使用される原料モノマーは、レゾルシンと前記一般式(3)で表される化合物である。
式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を示す。
このような前記一般式(3)で表される特定のビスフェノール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルネンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4’−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシジアリールフルオレン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタンなどのジヒドロキシジアリールアダマンタン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエン、α,ω−ビスヒドロキシフェニルポリジメチルシロキサン化合物などが挙げられる。中でも、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)が好適である。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(3)で表されるビスフェノール類は、全使用ビスフェノール類の内75〜94モル%が好ましく、78〜93モル%であるとより好ましい。75モル%以下であると耐衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記式(1)および式(2)で表される繰り返し単位を含むが、本樹脂組成物の特性を損なわい程度に他のジオール成分を共重合してもよい。その他のジオール成分として、ヒドロキノン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン等が挙げられる。
(製造方法)
界面重縮合法(ホスゲン法)のポリカーボネート製造法においては、カーボネート原料としてホスゲンが用いられる。界面重縮合法は、通常、ビスフェノールとホスゲンとをアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等の酸結合剤及び反応により生成したポリカーボネートの溶媒である不活性有機溶媒の存在下で反応させるものであり、反応の際、必要に応じて縮合触媒や任意の連鎖停止剤を加えることができる。適当な連鎖停止剤としては、種々のモノフェノール、例えば、通常のフェノールのほか、クミルフェノール、イソオクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール及びp−クレゾールのようなC1〜C14のアルキルフェノール類並びにp−クロロフェノール及び2,4,6−トリブロモフェノールのようなハロゲン化フェノール類が挙げられる。なかでも、フェノール、クミルフェノール、イソオクチルフェノール及びp−t−ブチルフェノールが、好適な連鎖停止剤である。連鎖停止剤の使用量は、目的とするポリカーボネートの分子量によっても異なるが、通常、水相中のジオールの量に対して、0.1〜10重量%の量で使用される。
本発明方法における有機相は、反応温度及び反応圧力において、ホスゲン及びカーボネート・オリゴマー(以下、単にオリゴマーと略称する)やポリカーボネート等の反応生成物は溶解するが、水と相溶性を有しない、つまり水と溶液を形成しない任意の不活性有機溶媒を含むことが必要である。代表的な不活性有機溶媒としては、ヘキサン及びn−ヘプタンのような脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン及び1,2−ジクロロエチレンのような塩素化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン及びクロロトルエンのような塩素化芳香族炭化水素、その他ニトロベンゼン及びアセトフェノンのような置換芳香族炭化水素が挙げられる。これらの中でも、特に塩素化された炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロベンゼンが好適に使用される。これらの不活性有機溶媒は、単独であるいは他の溶媒との混合物として、使用することができる。
本発明方法における水相は、水、ビスフェノール及びアルカリ金属水酸化物の少なくとも3成分を含むことが必要である。水相中で、ビスフェノールはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと反応して、水溶性のアルカリ金属塩を生じる。従って、原料調整槽では予め調整されたアルカリ金属の水溶液中にビスフェノールを徐々に仕込んでゆき、アルカリ金属塩を生成させる。水相中のジオールとアルカリ金属のモル比は、通常、1:1.8〜1:4.0が好ましく、更には1:2.0〜1:3.5が好ましい。このような水溶液を調製する際には、温度を20℃以上、好ましくは30〜40℃とし、余り高いとレゾルシンの酸化が起きるので必要最低温度とし、かつ、不活性気体の雰囲気、好適には窒素で、適当な時間、好適には5〜30分間パージを行い、さらには、ハイドロサルファイト等の還元剤を少量添加することが好ましい。
本発明方法においては、ビスフェノール類とホスゲンとの接触の後に縮合触媒を供給するが、場合により、縮合触媒の供給をホスゲンとの接触に先立って行ってもよい。縮合触媒としては、二相界面縮合法に使用されている、多くの縮重合触媒の中から任意に選択することができる。好適な縮重合触媒としては、例えば、トリアルキルアミン、N−エチルピロリドン、N−エチルピペリジン、N−エチルモルホリン、N−イソプロピルピペリジン及びN−イソプロピルモルフォリンが挙げられるが、特にトリエチルアミンが極めて好適である。
ホスゲンは、液状またはガス状で使用される。この原料ホスゲン中のCl濃度は10ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下である。原料ホスゲン中のClの除去方法は、活性炭等によるClの吸着除去や沸点差を利用した蒸留による分離除去等があり、いずれの方法で除去してもかまわない。但し、蒸留除去の場合は、除去オーダーが極めて低い数値である為相当の蒸留段数を要する点で不利であり、吸着除去の方が有利と言える。温度管理の観点からは、ホスゲンは液状であることが好ましく、特に吸着除去の場合液状が有利で、液状のまま反応に持ち込む場合、各反応温度において液状を保ち得る反応圧力が選択される。ホスゲンの好ましい使用量は、反応条件、特に反応温度によっても影響は受けるが、ビスフェノールおよびレゾルシン1モルに対するホスゲンのモル数で、通常1〜2、好ましくは1.05〜1.5である。この比が大きすぎると、未反応ホスゲンが多くなり経済性が極端に悪化する。一方、小さすぎるとCO基が不足し、適切な分子量伸長が行われなくなり好ましくない。
オリゴマーを得る段階での、有機相中のオリゴマーの濃度は、得られるオリゴマーが可溶な範囲であればよく、具体的には、10〜40重量%程度である。また、有機相の割合は、ビスフェノールのアルカリ金属塩水溶液、即ち水相に対して0.2〜1.0(容積比)であることが好ましい。このような縮合条件下で得られるオリゴマーの比粘度(ηsp)は、好ましくは、0.10〜0.30程度、さらに好ましくは0.15〜0.25であるが、この比粘度に制限されない。
このようにして得られたオリゴマーは、常法に従い、重縮合条件下で高分子のポリカーボネートとする。高分子化の為の重縮合反応は、次のような実施態様で行うのが好ましい。まず、このオリゴマーの溶存する有機相を水相から分離し、必要に応じ、前述の不活性有機溶媒を追加して、該オリゴマーの濃度を調整する。すなわち、重縮合反応後に得られる有機相中のポリカーボネートの濃度が、5〜30重量%となるように、溶媒の量が調整される。しかる後、新たに水及びアルカリ金属水酸化物を含む水相を加え、さらに重縮合条件を整えるために、好ましくは前述の縮合触媒を添加して、二相界面縮合法に従い、所期の重縮合を完結させる。重縮合時の有機相と水相の割合は、容積比で、有機相:水相=1:0.2〜1程度が好ましい。
(精製方法)
本発明のポリカーボネート樹脂は、高度に精製されたものが好ましい。具体的には、残存未反応レゾルシンが30〜250ppm等の基準を可能な限り満たすように精製される。
本発明では、精製ポリカーボネート溶液を製造する方法において、界面重縮合法による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート溶液を洗浄した後、洗浄水を含む粗製ポリカーボネート溶液を静置分離又は遠心分離により、水相とポリカーボネートを含む有機相とに分離する。一般に、洗浄水として、未反応モノマーの除去には水はたはアルカリ水が、触媒及びアルカリの除去には酸性水が、塩類およびアルカリの除去には純水が、それぞれ用いられる。その際、前記ポリカーボネートを含む有機相を孔径0.2〜50μmの濾過フィルターを用いて濾過することが好ましい。
製造される上記ポリカーボネート溶液の濃度としては、好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは5〜25重量%である。30重量%を超えると溶液の粘度が高すぎるため、好ましくない。但し、加圧、加熱して、相対的に粘度を低下させる場合はこの限りではない。3重量%未満であると生産性が著しく劣るため好ましくない。
上記混合溶液中の水の容積量としては、好ましくは1〜50vol%であり、さらに好ましくは5〜40vol%である。水の容積量が1vol%未満では、粗製ポリカーボネート溶液に対し洗浄水が少なく、洗浄の効果が表れない。また、水の容積量が50vol%を超えると、一般に順相に保持することが困難となる。
また、粗製ポリカーボネート溶液と洗浄水とを撹拌する機器としては、設備コストの点で、通常の撹拌槽以外に、インラインミキサー、スタティックミキサー、オリフィス等が好適である。
ここで、濾過フィルターの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、珪藻土、濾紙及びポリテトラフルオロエチレンが好ましく、特にポリプロピレン、セルロース、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。また、濾過フィルターの孔径は、好ましくは0.2〜50μmであり、より好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1.0〜10.0μmである。濾過フィルターの孔径が、下限〜上限の範囲にあれば、残存レゾルシンの量を低減し易い。
以上の操作により精製ポリカーボネート溶液中の水分量は飽和分に達し、かつ、不純物の少ない清澄な精製ポリカーボネート溶液が得られる。この精製ポリカーボネート溶液を常法に従い、蒸発濃縮乾燥させることにより有機溶媒を除去すると、ポリカーボネートが得られる。
<フィルム難燃性>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、厚み70〜150μmに製膜したフィルムをASTM D4804(ISO9773)に則して測定した難燃性が、VTM−2もしくはそれより高い場合に好ましい。難燃性がVTM−2より低いと、難燃性部材として用いる際に好ましくない。
<シャルピー衝撃強度>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体を幅10mm、長さ800mm、厚み4mmの成形品を作製し、ノッチを付けた後、ISO179に則して測定したシャルピー衝撃強度が、10kJ/m以上であると好ましい。シャルピー衝撃強度が10kJ/m未満であると、外部からの衝撃に対して成形品やフィルムが破損しやすいため、好ましくない。
<耐湿熱性>
本発明のポリカーボネート共重合において、成形片を85℃、85%RHの条件下で2000時間放置した前後のYI値を、耐湿熱性の指標とする。好ましい耐湿熱試験前後のYI値の変化量(ΔYI)は10以下であり、より好ましくは5以下である。ΔYIが10を越えるとポリカーボネート共重合体は、見た目にも着色が激しく、湿熱環境下での使用には十分ではない。
<残存未反応レゾルシン濃度>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体の残存未反応レゾルシン濃度は、30〜250ppmであり、30〜150ppmであるとより好ましい。残存未反応レゾルシン濃度が250ppmより高いと、高温高湿条件下で保持した際のポリカーボネート共重合体中の色相が悪化するため好ましくない。これは、未反応の残存レゾルシンが高温高湿下で酸化され着色し、結果としてポリカーボネート共重合体が黄変するためである。また、30ppm未満では溶融粘度および溶液粘度が高くなり、成形性が低下するため好ましくない。
<成形品、フィルム又はシート>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、例えば射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、溶融製膜法、キャスティング法など任意の方法により成形、加工され、前面板、筐体、トレー、照明カバー、看板、水槽、樹脂窓等の透明部材をはじめ、保護フィルム、プラセル基板、液晶パネル、ヘッドランプレンズ、導光板、拡散板、OPCバインダー、光学レンズや光学フィルム、光ディスク、光カードの部材として使用することができる。特に、前面板、筐体、トレー、照明カバー、看板、水槽、樹脂窓等の等の耐衝撃性や難燃性、耐湿熱性が要求される部材として使用することができる。
<添加剤>
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で各種特性を付与するために、各種添加剤を含有させて樹脂組成物としてもよい。添加剤として、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、熱線遮蔽剤、蛍光染料(蛍光増白剤含む)、顔料、光拡散剤、強化充填剤、他の樹脂やエラストマー等を配合することができる。
離型剤としては、その90重量%以上がアルコールと脂肪酸のエステルからなるものが好ましい。アルコールと脂肪酸のエステルとしては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステルや、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが挙げられる。具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。ステアリルステアレートが好ましい。
多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤およびヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。具体的には、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)共重合比:得られた芳香族ポリカーボネート共重合体10mgを重クロロホルム0.6mlに溶解し、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて測定した。各成分に起因するピークの積分比から、芳香族ポリカーボネート共重合体の繰り返しユニットの組成比(単位:mol%)を確認した。
(2)比粘度:100℃で12時間以上乾燥させた芳香族ポリカーボネート共重合体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解し、20℃で測定した。
(3)難燃性:得られた芳香族ポリカーボネート共重合体を用いて、バーコーターにて成膜した厚み0.1mmのフィルムを作製し、ISO9773(ASTM D4804)に則して測定した。
(4)シャルピー衝撃強度評価:得られた芳香族ポリカーボネート共重合体の幅10mm、長さ800mm、厚み4mmの成形品を、(株)日本製鋼所製J75EIII射出成形機を用いてシリンダー温度280℃で作製し、ノッチを付けた後、シャルピー衝撃強度をISO179に則して測定した。
(5)耐湿熱性:得られた芳香族ポリカーボネート共重合体により2mm厚の成形品を作製し、85℃、85%RHの条件下で2000時間放置した。日本電色(株)製SE2000を用いて、その成形品の試験前後のYI値を測定し、YI値の変化量(ΔYI)を算出した。
(6)残存未反応レゾルシン濃度測定:得られた芳香族ポリカーボネート共重合体中のレゾルシン含有量を野村化学製Develosil ODS−7のカラムにて溶離液アセトニトリル/0.2%酢酸水とアセトニトリルとの混合液を用いて、カラム温度30℃、検出器277nmでグラジエントプログラムにてHPLC分析した。レゾルシンは標品を用い、検量線を作成し定量した。測定は、該ポリカーボネート共重合体1.5gを塩化メチレン15mlに溶解させた後、アセトニトリル135mlを加え攪拌し、エバポレーターで濃縮した後、0.2μmフィルターでろ過し、この測定溶液10μlを注入して行った。
[実施例1]
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器を、窒素置換により窒素雰囲気下にした後、48重量%水酸化ナトリウム水溶液320部およびイオン交換水1,993部を仕込み、これに2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、Bis−Aと省略することがある)410部、レゾルシン(以下、RSと省略することがある)24.6部、およびハイドロサルファイト1.9部を溶解した後、塩化メチレン1,651部を加えた。続いてその反応容器を窒素で15分間パージした後、撹拌下、14〜17℃でホスゲン250部を約70分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液240部およびp−tert−ブチルフェノール11.7部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン0.5部を加え、さらに17〜20℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、室温にて生成物を塩化メチレンで希釈して水洗し、続いて塩酸により酸性にして水洗した。さらに水酸化ナトリウム水溶液にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで純水にて水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を目開き1.0μmのフィルター(スリーエム社、B12D30S、セルロース製)に通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化し、引続き該含液フレークを粉砕・乾燥してパウダー状の芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。得られたポリカーボネート共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、ポリカーボネート共重合体の重量を基準としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.050重量%を加えて、ベント付きφ15mm単軸押出機を用いてペレット化した。評価結果を表1に示した。
[実施例2]
Bis−Aを401部、RSを28.9部とする以外は実施例1と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[実施例3]
Bis−Aを332部、RSを53.5部とする以外は実施例1と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[比較例1]
Bis−Aを443部、RSを0部とする以外は実施例1と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[比較例2]
Bis−Aを379部、RSを17.8部とする以外は実施例1と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[比較例3]
Bis−Aを291部、RSを80.3部とする以外は実施例1と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[比較例4]
p−tert−ブチルフェノール15.0部とする以外は実施例2と同様に重合し、ペレット化した。評価結果を表1に示した。
[比較例5]
Bis−A338部、RS22部、ジフェニルカーボネート360部、水酸化ナトリウム6.50×10−4部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド7.46×10−2部を攪拌機および留出装置付きの10リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101kPaの下30分かけて180℃に加熱し撹拌した。
その後、20分かけて減圧度を20kPaに調整し、15.0℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、20kPaで10分間保持した。その後、20kPaから80分かけて0.13kPa以下まで減圧した。更に240℃、0.13kPa以下の条件下で20分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にした後、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムを4.78×10−2部添加し触媒を失活させた。その後、実施例1と同様にペレット化した。評価結果を表1に示した。
Figure 2016113536
表1に示す実施例1〜3は、フィルム難燃性VTM−2を有するとともに、耐衝撃性および耐湿熱安定性に優れており、成形品やフィルムとして有用に利用できる。一方、比較例1及び2は、レゾルシンに起因する繰り返し単位の組成比が少ないため、難燃性に劣る。比較例3は、難燃性VTM−2は有するが、レゾルシンに起因する繰り返し単位の組成比が高すぎるため、耐湿熱性に劣り、耐衝撃性にも劣る。また、比較例4は、比粘度が不十分なため耐衝撃性に劣る。比較例5は、溶融法で作製したため未反応残存レゾルシン濃度が高く、湿熱環境下で酸化により着色し、結果として成形品が黄変するため使用できない。
本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体は、高い難燃性を有するとともに、機械特性および耐湿熱性にも優れた芳香族ポリカーボネート共重合体であるため、前面板、筐体、トレー、照明カバー、看板、水槽、樹脂窓等の透明部材をはじめ、保護フィルム、プラセル基板、液晶パネル、ヘッドランプレンズ、導光板、拡散板、OPCバインダー、光学レンズや光学フィルム、光ディスク、光カード、としても極めて有用である。特に、前面板、筐体、トレー、照明カバー、看板、水槽、樹脂窓等の部材として極めて有用である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位、及び二価フェノールから誘導される下記式(2)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリカーボネート共重合体で、該式(1)と(2)の合計した繰り返し単位に対して、繰り返し単位(1)のモル分率が6〜25モル%であって、該芳香族ポリカーボネート共重合体0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し20℃で測定した比粘度が0.30〜0.50であり、且つ残存未反応レゾルシン濃度が、30〜250ppmである芳香族ポリカーボネート共重合体。
    Figure 2016113536
    Figure 2016113536
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を示す。)
  2. 厚み0.1mmのフィルムとしたときにUL94VTM(ISO9773)で規定されるフィルム難燃性が、VTM−2もしくはそれよりも高い請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
  3. 繰り返し単位(2)が2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
  4. ISO179で規定されるポリカーボネート共重合体のノッチ付シャルピー衝撃強度が、10kJ/m以上である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体を射出成形してなる成形品。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体を成形してなるフィルム又はシート。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法であって、当該方法は界面条件下において下記式(3)で表される二価フェノール及びレゾルシンをカーボネート前駆体と反応させることからなり、界面重縮合による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート溶液を、純水で水洗洗浄した後、分離した有機相を孔径0.2〜50μmの濾過フィルターを用いて濾過することを特徴とする芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法。
    Figure 2016113536
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、単結合、カルボニル基、置換若しくは無置換のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は酸素原子を示す。)
  8. 請求項7記載の方法において、粗製のポリカーボネート溶液の濃度が、3〜30重量%である製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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