JP2016113351A - セメント補強用繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ強度、靱性に優れたセメント成型体を得るためのセメント中に配合する補強用繊維を提供することであって、セメントとの接着力が高い繊維を提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも2本の異なる繊度もしくは同じ繊度の合成繊維マルチフィラメント糸が撚り合わされており、繊維の全幅長さ(R)に対する、撚り合わせによって生じる凹凸の長さ(x)の比x/Rが0.10以上であることを特徴とするセメント補強用繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント補強用繊維に関するものであり、更に詳しくは曲げ強度、靱性に優れたセメント成型体を得るためのセメント中に配合する補強繊維に関するものである。
従来から、セメント成型品の補強材としてポリアミド、オレフィンなどの短繊維を配合することが試みられてきた。しかし、これらの繊維はセメントとの接着力が不十分であり、セメントから容易に引き抜けることから、補強効果は充分満足できるものではなかった。
繊維とセメントの接着力を増すために、繊維形状を延伸方向に不規則に変化させて繊維の引き抜けを防止する方法が試みられている(特許文献1〜3)。しかし、この技術は充分なものではなく、糸の断面積を不規則に変化させる方法は製造工程において巻き取りが困難で、生産性が劣るなどの欠点を有していた。
また、表面に凹凸をつけるために撚りを加えて繊維状に凹凸を付与する方法が試みられている(特許文献4)。特許文献4では、ナイロン6マルチフィラメントに所定の撚り係数の下撚りをかけ、その後同繊度のマルチフィラメントを2本合わせて、下撚りと反対方向に下撚りと同程度の撚り係数の上撚りを掛けたセメント補強用繊維が開示されている。しかし、この技術においても、補強用繊維の表面に十分な大きさの凹凸を形成させることが難しく、十分な接着力を有することができなかった。
特公昭61−301号公報 特公昭62−4346号公報 特公昭62−28106号公報 特開2002−275739号公報
本発明の目的は、曲げ強度、靱性に優れたセメント成型体を得るためのセメント中に配合する補強用繊維を提供することであって、セメントとの接着力が高い繊維を提供することである。
本発明らは、上記課題を解決するため、繊度の異なる2本以上のマルチフィラメントを合わせて所定の撚りを施すことにより、繊維の表面により大きな凹凸が形成され、セメントとの高い接着力が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のセメント補強用繊維は、次のような構成からなる。
[1] 繊度が異なる少なくとも2本の合成繊維マルチフィラメント糸が撚り合わされており、繊維の全幅長さ(R)に対する、撚り合わせによって生じる凹凸の長さ(x)の比x/Rが0.10以上であることを特徴とするセメント補強用繊維。
[2] 下記(1)の撚り係数の計算式により計算される、各マルチフィラメントの撚り係数(A)が0.1〜4であり、2本以上の前記マルチフィラメントを撚り合わせた撚り係数(B)が0.5〜7であることを特徴とする、[1]に記載のセメント補強用繊維。
撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2 ・・・(1)
T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
[3] 少なくとも2本の異なる繊度の合成繊維マルチフィラメントの繊度が1:1.5以上1:15以下であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のセメント補強用繊維。
[4] 各マルチフィラメントの撚りの方向と、2本以上の前記マルチフィラメントを合わせた撚りの方向がそれぞれ異なることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント補強用繊維。
[5] さらに表面処理剤が付与された、[1]〜[4]のいずれかに記載のセメント補強用繊維。
[6] 繊維長が5〜50mmに切断されていることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のセメント補強用繊維。
[7] 前記合成繊維マルチフィラメントが高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のセメント補強用繊維。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載のセメント補強用繊維、セメント及び水を少なくとも含む、セメント組成物。
[9] (i)少なくとも2本の異なる繊度の合成繊維マルチフィラメントのそれぞれに、下記(1)の撚り係数の計算式で計算される撚り係数0.1〜4の下撚りを施す工程、(ii)少なくとも2本の前記合成繊維マルチフィラメントを合わせて、下撚りと反対方向に撚り係数0.5〜7の上撚りを施す工程、(iii)上撚りを施したマルチフィラメントに表面処理剤を付与し、熱処理を施す工程、及び(iv)上撚りを施したマルチフィラメントを繊維長5〜50mmに切断する工程を含むことを特徴とする、セメント補強用繊維の製造方法。
撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2 ・・・(1)
T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
本発明により得られるセメント補強用繊維は、撚りにより繊維表面に凹凸を形成、表面処理剤を付与し熱処理を施して硬化させたもので、セメントへの分散性が良好であり、またセメント組成物から繊維が抜けにくい。本発明のセメント補強用繊維を含むことにより、流動性(フロー値)、機械的強度(圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー等)等に優れたセメント組成物(水硬性組成物)を得ることができる。
本発明のセメント補強用繊維として用いられる合成繊維からなるマルチフィラメントとしては、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられるが、本発明のセメント補強用繊維においては、耐アルカリ性、高タフネス性の点からポリオレフィン繊維が好ましい。ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン繊維が好ましく、高分子量ポリエチレン繊維がより好ましい。高分子量ポリエチレンとして、重量平均分子量が490,000〜6,200,000であることが好ましく、引張強度が18cN/dtex以上、好ましくは20cN/dtex以上、更に好ましくは21cN/dtex以上である。
合成繊維マルチフィラメントの繊度は、100〜5000dtexであることが好ましく、より好ましくは150〜3000dtexであり、更に好ましくは200〜2800dtexである。繊度が100dtex未満では、セメント組成物の補強効果が低下する。繊度が5000dtexを超えると、セメント組成物の機械的強度が低下する。合成繊維マルチフィラメントの単糸繊度は、0.1dtex以上、40dtex以下であることが好ましく、より好ましくは0.5dtex以上、20dtex以下である。単糸繊度が40dtexより大きいと繊維の製造過程において所望の力学物性まで高めることが困難なり、一方0.1dtexより小さいと繊維の毛羽が立ち易くなり、取扱いが難しくなる。
引張強度は、セメント組成物における機械的強度の観点から、10cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは15cN/dtex以上であり、更に好ましくは20cN/dtex以上である。
本発明の合成繊維マルチフィラメントは下撚りが施されていることを特徴とし、撚り係数が0.1〜4であることが好ましい。ここで、撚り係数は下記の計算式により計算される。
撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2
T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
下撚りの撚り係数が4より大きい場合、スナールが生じ加工が難しくなる。また、下撚りの撚り係数が0.1より小さい場合、撚りが不足して繊維がばらけ易くなり、後述する複数のマルチフィラメントの上撚りによって生じる凹凸が生じにくくなる。下撚りの撚り係数は、より好ましくは1.0〜3.0である。
本発明はさらに、少なくとも2本以上の下撚りが施された合繊繊維マルチフィラメントを撚り合わせ、上撚りを施すことを特徴とする。上撚りの撚り係数は、0.5〜7であることが好ましい。より好ましくは1.5〜5.0である。ここで、撚り係数は下記の計算式により計算される。
撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2
T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
撚り係数が7より大きい場合は2本以上のマルチフィラメントを撚り合わせたコードの凹凸が小さく、セメントの接着力が低くなり、セメント組成物からセメント補強用繊維が抜けやすくなる。一方、撚り係数が0.5より小さい場合も、同様にコードの凹凸が小さくなり、結果としてセメントとの接着力が低下し、セメント組成物からセメント補強用繊維が抜けやすくなる。
繊度が異なる2本以上のマルチフィラメントを用いて本セメント補強用繊維を作製する場合、下撚りと上撚りの撚り係数は同一でも異なっていても良く、異なる撚り係数にすることがより好ましい。
マルチフィラメントの繊度は、合繊繊維マルチフィラメントの繊度比が1:1.5以上1:15以下になるのが好ましい。繊度比が1:1.5より小さい場合また1:15より大きい場合はコードの凹凸が小さくなる。
上撚りは下撚りとは反対方向に施すことが必要である。すなわち、下撚りがZ撚りであれば上撚りはS撚りとし、下撚りがS撚りであれば上撚りはZ撚りとする。
本発明のセメント補強用繊維は少なくとも2本のマルチフィラメント糸が撚り合わされており、繊維の全幅長(R)に対する、撚り合わせによって生じる凹凸の深さ(x)の比 x/R が0.10以上であり、好ましくは0.13以上である。繊維の全幅長(R)は、2本以上のマルチフィラメントが撚り合わされたコードを拡大して写真撮影し、コード長1cm内において、コードの1辺の凸部から他辺の凸部までの鉛直方向に最大となる距離を測定することにより求める。撚り合わせによって生じる凹凸の深さ(x)は、同じくコードを拡大して写真撮影し、コード長1cm内の任意の5箇所において、コードの凸部と隣り合う凹部の間の距離を測定することにより求める。繊維の全幅長(R)に対する、撚り合わせによって生じる凹凸の深さ(x)の比 x/Rは、同じ単位で測定した凹凸の深さ(x)を全幅長(R)で除することに求める。x/Rが0.10より小さい場合はセメント補強用繊維として補強効果が十分に発現されない。上限は特に定めないが、凹凸の大きさの限度があることから、好ましくは0.5以下である。
本発明に用いる合成繊維マルチフィラメントには剛性を持たせるために表面処理剤を付与することが好ましい。表面処理剤がない場合には繊維の剛性が劣り、セメント中で繊維が絡み合ってダマを形成し易く、分散性が劣ることになる。表面処理剤としては、オレフィン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系の処理剤を一種以上選択して用いることができる。具体的に、オレフィン系の表面処理剤としては、ポリエチレン骨格、ポリプロピレン骨格樹脂を用いることができる。ウレタン系の表面処理剤としては、エーテル骨格、エステル骨格樹脂、アクリル系の表面処理剤としてはメタクリル酸骨格樹脂、エポキシ系の表面処理剤としては、エーテル骨格、エステル骨格、アミン骨格を用いることができる。マルチフィラメントとしてオレフィン系の合成繊維を用いる場合には、オレフィン系の表面処理剤を用いることが好ましく、高分子量ポリエチレン繊維のマルチフィラメントを用いる場合には、ポリエチレン骨格樹脂を用いることがより好ましい。
表面処理剤を付与する方法は特に限定されず、スプレー法やディップ法等を用いることができる。作業性や均一な表面処理剤付与の観点から、ディップ法が好ましく用いられる。表面処理剤を付与する工程は、少なくとも2本の合成繊維マルチフィラメントに上撚りを施した後、得られたコードに対して行うことが望ましい。このようにすることにより、繊維の集束性が得られ、コードの表面の凹凸を固定できる効果が期待できるからである。ディッピング工程を通過したコードは表面処理剤液を乾燥させるために、90〜160℃の乾燥ゾーンを30秒〜4分程度通過させることが好ましい。本コードに付与する表面処理剤の量は上撚りが施されたコードに対して1〜25重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。
本発明のセメント補強用繊維の繊維長は5〜50mmとすることが好ましい。より好ましくは7〜40mm、さらに好ましくは10〜30mmである。繊維長が5mm未満ではセメントに配合された際にセメントからの抜けが生じやすく、50mmを超えると分散性が不良となり好ましくない。前記のようにして得られたディップコードをカッティング機で繊維長を規定の長さにカットすることでこのような繊維長にすることができる。
こうして作製される本発明のセメント補強用繊維は、アクリル樹脂を用いた引抜き試験において引抜き荷重が好ましくは10.0kgf以上を示し、より好ましくは12.0kgf以上を示す。引抜き荷重が10.0kgf以上であれば、セメント組成物中においても高い接着力を示し、セメント組成物中から補強用繊維が容易に引き抜けることを防止できる。
本発明のセメント補強用繊維は適量をセメントに配合することで優れたセメント成形品とすることができる。セメント組成物中の補強用繊維の割合は、好ましくは0.5〜3.0体積%、より好ましくは0.7〜2.5体積%である。セメント組成物には(a)セメント、(b)微粉末、(c)細骨材、(d)減水剤、及び(f)水が含まれており、ここに本発明のセメント補強用繊維を加えることができる。本発明はあらゆるセメントに対して適用可能であり、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、シリカセメント、高炉セメント等の混合セメントや、エコセメント等に対して用いることができる。
本発明のセメント補強用繊維を適量配合したセメント混合物は、常温で数十日間大気中または水中に放置する自然養生法、あるいは加熱養生法により養生硬化してセメント成型品とすることができる。補強繊維を用いて製造されるセメント成型品の用途としては、あらゆるセメント製品にわたるものであるが、例えば建造物の壁材、床材コンクリート、仕上げモルタル、防水コンクリート、屋根材等、あるいは土木関係部材としては道路、滑走路等の舗装、道路標識、側溝等の道路部材、下水管、ケーブルダクト等のパイプ類、魚礁、護岸ブロック、テトラポット等、その他各種構造物として枕木、ベンチ、フラワーポット等に使用できる。
本発明におけるコンクリート補強効果の確認試験の引抜き試験方法は次の通りである。本実施例では、セメント成型品の代わりとしてアクリル樹脂を用い、セメント補強用繊維のセメント成型品からの引抜き試験の代替試験を行った。
[試験用サンプルの作製方法]
・ 長さ30mm、幅15mm、厚さ15mmの型枠を2個作製した。
・ 2個の型枠を20mmの間隔を空けて直列に並べ、各種作製したセメント補強用繊維(コード)を型枠の中心に配置し、型枠への埋め込み長さを30mm、型枠間の繊維長を20mmとして、型枠にマトリックスを流し込み固化させた。
・ マトリックスにはアクリル樹脂アクリセーブR(電気化学(株))を用いた。
[引抜き試験方法]
前記作製した試験用サンプルについて、テンシロンを用いて(東洋ボールドウィン社製テンシロンTMI RTM−500)引張速度1mm/minで引き抜き試験を行い、最大荷重を引き抜き荷重とした。合計3回の測定を行い、平均値を求めた。
[実施例1]
繊度440dtex及び1760dtexの2本の超高分子量ポリエチレン繊維(30cN/dtex)にそれぞれ撚り係数2.5の撚り(下撚り)を加えた後、それぞれ2本を合わせて下撚りと反対方向に撚り係数1.6の撚り(上撚り)を施し、生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂:NC20AS(太田化研(株))で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。
得られたコードを用いて試験用サンプルを作製し、コードの引抜き試験を行った。評価結果を表1に示した。
[実施例2]
上撚りの撚り係数を3.1にしたほかは実施例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例3]
上撚りの撚り係数を4.7にしたほかは実施例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例4]
繊度220dtex及び1760dtexの2本の超高分子量ポリエチレンにそれぞれ撚り係数2.5の撚り(下撚り)を加えた後、それぞれ2本を合わせて下撚りと反対方向に撚り係数1.6の撚り(上撚り)を施したほかは実施例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例5]
上撚りの撚り係数を3.1にしたほかは実施例4で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例6]
上撚りの撚り係数を4.6にしたほかは実施例4で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例7]
繊度220dtex及び2640dtexの2本の超高分子量ポリエチレンにそれぞれ撚り係数2.5の撚り(下撚り)を加えた後、それぞれ2本を合わせて下撚りと反対方向に撚り係数1.6の撚り(上撚り)を施したほかは実施例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例8]
上撚りの撚り係数を3.1にしたほかは実施例7で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例9]
上撚りの撚り係数を4.6にしたほかは実施例7で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例10]
繊度880dtex及び1320dtexの2本の超高分子量ポリエチレンにそれぞれ撚り係数2.5の撚り(下撚り)を加えた後、それぞれ2本を合わせて下撚りと反対方向に撚り係数1.6の撚り(上撚り)を施したほかは実施例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例11]
上撚りの撚り係数を3.1にしたほかは実施例10で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[実施例12]
上撚りの撚り係数を4.7にしたほかは実施例10で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例1]
繊度440dtex及び440dtexの2本の超高分子量ポリエチレンにそれぞれ撚り係数2.5の撚り(下撚り)を加えた後、それぞれ2本を合わせて下撚りと反対方向に撚り係数1.6の撚り(上撚り)を施し、生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂:NC20AS(太田化研(株))で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例2]
上撚りの撚り係数を3.1にしたほかは比較例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例3]
上撚りの撚り係数を4.7にしたほかは比較例1で採用したのと同様にし、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例4]
繊度880dtexの超高分子量ポリエチレン繊維に撚り係数2.5の撚りを加え生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂)で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例5]
繊度2200dtexの超高分子量ポリエチレン繊維に撚り係数2.5の撚りを加え生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂)で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例6]
繊度1980dtexの超高分子量ポリエチレン繊維に撚り係数2.5の撚りを加え生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂)で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
[比較例7]
繊度2860dtexの超高分子量ポリエチレン繊維に撚り係数2.5の撚りを加え生コードを得た。生コードを表面処理剤(オレフィン系樹脂)で付着量10重量%付与し、110℃で3分間熱処理を施し、コードを得た。評価結果を表1に併せて示した。
本発明のセメントとの接着力が高い補強用繊維により、曲げ強度、靱性に優れたセメント成型体を得ることができ、建造物の構造材、壁材、床材や道路等土木関係部材、その他各種構造物に使用されるあらゆるセメント製品に応用することができる。

Claims (9)

  1. 繊度が異なる少なくとも2本の合成繊維マルチフィラメント糸が撚り合わされており、繊維の全幅長さ(R)に対する、撚り合わせによって生じる凹凸の長さ(x)の比x/Rが0.10以上であることを特徴とするセメント補強用繊維。
  2. 下記(1)の撚り係数の計算式により計算される、各マルチフィラメントの撚り係数(A)が0.1〜4であり、2本以上の前記マルチフィラメントを撚り合わせた撚り係数(B)が0.5〜7であることを特徴とする、請求項1記載のセメント補強用繊維。
    撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2 ・・・(1)
    T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
  3. 少なくとも2本の異なる繊度の合成繊維マルチフィラメントの繊度が1:1.5以上1:15以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセメント補強用繊維。
  4. 各マルチフィラメントの撚りの方向と、2本以上の前記マルチフィラメントを合わせた撚りの方向がそれぞれ異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント補強用繊維。
  5. さらに表面処理剤が付与された、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント補強用繊維。
  6. 繊維長が5〜50mmに切断されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセメント補強用繊維。
  7. 前記合成繊維マルチフィラメントが高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセメント補強用繊維。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセメント補強用繊維、セメント及び水を少なくとも含む、セメント組成物。
  9. (i)少なくとも2本の異なる繊度の合成繊維マルチフィラメントのそれぞれに、下記(1)の撚り係数の計算式で計算される撚り係数0.1〜4の下撚りを施す工程、(ii)少なくとも2本の前記合成繊維マルチフィラメントを合わせて、下撚りと反対方向に撚り係数0.5〜7の上撚りを施す工程、(iii)上撚りを施したマルチフィラメントに表面処理剤を付与し、熱処理を施す工程、及び(iv)上撚りを施したマルチフィラメントを繊維長5〜50mmに切断する工程を含むことを特徴とする、セメント補強用繊維の製造方法。
    撚り係数K=T/3025×(D/d)1/2 ・・・(1)
    T: 撚り数(T/m)、D:総繊度(dtex)、d:密度(g/cm
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