JP2016113092A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行環境に応じて周辺情報の検出頻度を制御することにより、処理負荷及び消費電力の低減を図ること。【解決手段】車両制御装置100は、車両Vの周辺情報を検出する周辺情報検出部12と、周辺情報検出部12による周辺情報の検出頻度を制御する検出頻度制御部15と、車両Vの車速、車両Vの位置、及び地図情報に基づいて、車両Vの走行環境を判定する走行環境判定部14とを備え、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって走行環境が渋滞状態にあると判定された場合に、渋滞状態にないと判定された場合に比較して周辺情報の検出頻度を低くする制御、或いは、走行環境判定部14によって走行環境が高速道路を走行している状態にあると判定された場合に、一般道路を走行している状態にあると判定された場合に比較して周辺情報の検出頻度を低くする制御のいずれかを実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御装置に関する。
車両の自動運転においては、車両の外部環境を適切に認識することが必要となる。車両の外部環境の認識に関して、近年、下記特許文献1に記載されているように、車外を撮像した画像から外部環境を認識して物体を検出する際に、走行状態及び外部環境により制御対象とするシーンを切り分けて、実行すべき処理を選択する外部環境認識装置が知られている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の装置では、画像から外部環境を認識して物体を検出する際に、装置が動作する内容、例えば、画像処理、衝突判定、又はカメラの制御等を各シーンに対応して切り替えているが、画像を含む周辺情報の検出に係る処理負荷の低減には着目しておらず、改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、車両の走行環境に応じて周辺情報の検出頻度を制御することにより、処理負荷及び消費電力の低減を図ることが可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態にかかる車両制御装置は、車両の周辺情報を検出する周辺情報検出部と、周辺情報検出部による周辺情報の検出頻度を制御する検出頻度制御部と、車両の車速、車両の位置、及び地図情報に基づいて、車両の走行環境を判定する走行環境判定部と、を備え、検出頻度制御部は、走行環境判定部によって走行環境が渋滞状態にあると判定された場合に、走行環境が渋滞状態にないと判定された場合に比較して周辺情報の検出頻度を低くする制御、或いは、走行環境判定部によって走行環境が高速道路を走行している状態にあると判定された場合に、走行環境が一般道路を走行している状態にあると判定された場合に比較して周辺情報の検出頻度を低くする制御、のいずれかを実行する。
本発明によれば、車両の走行環境に応じて周辺情報の検出頻度を制御することにより、処理負荷及び消費電力の低減を図ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、第1実施形態に係る車両制御装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、車両制御装置100は、自動車等の車両Vに搭載される。車両制御装置100は、外部センサ1、GPS[Global Positioning System]受信部2、内部センサ3、地図データベース4、アクチュエータ5、及びECU[Electronic Control Unit]10を備えている。
外部センサ1は、車両Vの周辺情報である外部状況を検出する検出機器である。外部センサ1は、カメラ、レーダー[Radar]、及びライダー[LIDER:LaserImaging Detection and Ranging]のうち少なくとも一つを含む。カメラは、車両Vの外部状況を撮像する撮像機器である。
カメラは、例えば、車両Vのフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両Vの外部状況に関する撮像情報をECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
レーダーは、電波(例えばミリ波)を利用して車両Vの外部の障害物を検出する。レーダーは、電波を車両Vの周囲に送信し、障害物で反射された電波を受信することで障害物を検出する。レーダーは、検出した障害物情報をECU10へ送信する。ライダーは、光を利用して車両Vの外部の障害物を検出する。なお、後段においてセンサーフュージョンを行う場合には、電波の受信情報をECU10へ送信することが好ましい。
ライダーは、光を利用して車両Vの外部の障害物を検出する。ライダーは、光を車両Vの周囲に送信し、障害物で反射された光を受信することで反射点までの距離を計測し、障害物を検出する。ライダーは、検出した障害物情報をECU10へ送信する。なお、後段においてセンサーフュージョンを行う場合には、反射された光の受信情報をECU10へ送信することが好ましい。カメラ、ライダー及びレーダーは、必ずしも重複して備える必要はない。
GPS受信部2は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Vの位置(例えば車両Vの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部2は、測定した車両Vの位置情報をECU10へ送信する。なお、GPS受信部2に代えて、車両Vの緯度及び経度が特定できる他の手段を用いてもよい。また、車両Vの方位を測定する機能を持たせることは、センサの測定結果と後述する地図情報との照合のために好ましい。
内部センサ3は、車両Vの走行状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサのうち少なくとも一つを含む。車速センサは、車両Vの速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、車両Vの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)をECU10に送信する。
加速度センサは、車両Vの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、車両Vの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両Vの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、車両Vの加速度情報をECU10に送信する。ヨーレートセンサは、車両Vの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両Vのヨーレート情報をECU10へ送信する。
地図データベース4は、地図情報を備えたデータベースである。地図データベースは、例えば、車両に搭載されたHDD[Hard disk drive]内に形成されている。地図情報には、例えば、道路の位置情報と、道路形状の情報(例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率等)と、道路の種別情報(例えば、高速道路と一般道路とを区別する情報、一般道路のうちの郊外路と市街地路とを区別する情報)と、交差点、分岐点、及び信号の位置情報と、建物や壁等の遮蔽構造物の位置情報とが含まれる。さらに、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を使用するために、地図情報に外部センサ1の出力信号を含ませることが好ましい。なお、地図データベース4は、車両Vと通信可能な情報処理センター等の施設のコンピュータに記憶されていてもよい。
アクチュエータ5は、車両Vの走行制御を実行する装置である。アクチュエータ5は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両Vの駆動力を制御する。なお、車両Vがハイブリッド車又は電気自動車である場合には、スロットルアクチュエータを含まず、動力源としてのモータにECU10からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。
ブレーキアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両Vの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU10からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両Vの操舵トルクを制御する。
図1及び図2に示すように、ECU10は、車両Vの自動走行を制御する。ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。ECU10は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
ECU10は、車両位置検出部11、周辺情報検出部12、走行状態認識部13、走行環境判定部14、検出頻度制御部15、目標制御量算出部16、及び走行制御部17を有している。
車両位置検出部11は、GPS受信部2で受信した車両Vの位置情報、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、地図上における車両Vの位置(以下、「車両位置」という)を認識する。車両位置検出部11は、道路等の外部に設置されたセンサで車両Vの車両位置が測定され得る場合、このセンサから通信によって車両位置を取得してもよい。
周辺情報検出部12は、外部センサ1の検出結果(例えばカメラの撮像情報、レーダーの障害物情報、ライダーの障害物情報等)に基づいて、車両Vの外部状況(周辺情報)を検出する。外部状況は、例えば、車両Vに対する走行車線の白線の位置もしくは車線中心の位置及び道路幅、道路の形状(例えば走行車線の曲率、外部センサ1の見通し推定に有効な路面の勾配変化、うねり等)、車両Vの周辺の障害物の状況(例えば、固定障害物と移動障害物を区別する情報、移動障害物のうち、四輪車両、バイク、自転車、及び歩行者を区別する情報、車両Vに対する障害物の位置、車両Vに対する障害物の移動方向、車両Vに対する障害物の相対速度等)を含む。また、外部センサ1の検出結果と地図情報とを照合することにより、GPS受信部2等で取得される車両Vの位置及び方向の精度を補うことは好適である。
走行状態認識部13は、内部センサ3の検出結果(例えば車速センサの車速情報、加速度センサの加速度情報、ヨーレートセンサのヨーレート情報等)に基づいて、車両Vの走行状態を認識する。車両Vの走行状態には、例えば、車速、加速度、ヨーレートが含まれる。また、走行状態認識部13は、アクチュエータ5から車両Vの現在の走行制御の状態に関する状態情報も取得する。例えば、このような状態情報としては、駆動力の制御量、制動力の制御量、及び操舵トルクの制御量が挙げられる。
走行環境判定部14は、地図データベース4に格納された地図情報、走行状態認識部13で認識された車速、及び車両位置検出部11で検出された車両位置に基づいて、車両Vの走行環境を判定する。すなわち、走行環境判定部14は、車両Vの車速を用いて所定時間(N分、Nは規定の整数)間隔で車両Vの平均速度Vmeanを計算し、平均速度Vmeanが既定の速度Vjに対して下記式(1);
Vmean<Vj …(1)
を満たしており、かつ、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続しているか否かを判定する。そして、走行環境判定部14は、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続していると判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にあると判定する。一方、走行環境判定部14は、上記式(1)を満していないと判定したか、あるいは、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続していないと判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にないと判定する。
Vmean<Vj …(1)
を満たしており、かつ、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続しているか否かを判定する。そして、走行環境判定部14は、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続していると判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にあると判定する。一方、走行環境判定部14は、上記式(1)を満していないと判定したか、あるいは、上記式(1)を満たす状態が規定の時間Tjonの間継続していないと判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にないと判定する。
また、走行環境判定部14は、いったん車両Vの走行環境が渋滞状態にあると判定した後、平均速度Vmeanが既定の速度Vjに対して下記式(2);
Vmean≧Vj …(2)
を満たしており、かつ、上記式(2)を満たす状態が規定の時間Tjoffの間継続しているか否かを判定する。そして、走行環境判定部14は、上記式(2)を満たす状態が規定の時間Tjoffの間継続していると判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にない状態に遷移したと判定する。例えば、平均速度Vmeanの計算時間間隔Nは1min、既定の速度Vjは20km/h、既定の継続時間Tjonは3min、及び既定の継続時間Tjoffは2minにそれぞれ設定される。
Vmean≧Vj …(2)
を満たしており、かつ、上記式(2)を満たす状態が規定の時間Tjoffの間継続しているか否かを判定する。そして、走行環境判定部14は、上記式(2)を満たす状態が規定の時間Tjoffの間継続していると判定した場合は、車両Vの走行環境が渋滞状態にない状態に遷移したと判定する。例えば、平均速度Vmeanの計算時間間隔Nは1min、既定の速度Vjは20km/h、既定の継続時間Tjonは3min、及び既定の継続時間Tjoffは2minにそれぞれ設定される。
また、走行環境判定部14は、上記のようにして走行環境が渋滞状態にある判定した際には、車両Vが交差点付近に位置しているか否かを判定する。すなわち、走行環境判定部14は、地図情報及び車両Vの車両位置を基に、車両Vが交差点に繋がる道路上の当該交差点から所定距離L内に位置しているか否かを判定する。この判定は、車両位置検出部11によって検出された地図上の車両位置と、地図情報に含まれる道路形状の情報及び交差点の位置情報とを照らし合わせることによって行われる。さらに、走行環境判定部14は、最新の車両Vの平均速度Vmeanを基に、所定距離Lを通り過ぎるのにかかる予測時間を渋滞通過時間T0として、下記式(3);
T0=L÷Vmean …(3)
によって渋滞通過時間T0を計算する。そして、走行環境判定部14は、交差点から所定距離L内に位置しているか否かの判定結果情報と渋滞通過時間T0とを、検出頻度制御部15に引き渡す。
T0=L÷Vmean …(3)
によって渋滞通過時間T0を計算する。そして、走行環境判定部14は、交差点から所定距離L内に位置しているか否かの判定結果情報と渋滞通過時間T0とを、検出頻度制御部15に引き渡す。
検出頻度制御部15は、走行状態認識部13によって認識された車両Vの走行環境に応じて、周辺情報検出部12における外部状況の検出頻度を制御する。詳細には、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって、走行環境が渋滞状態にあると判定され、かつ、車両Vが交差点から所定距離L内に位置していると判定された際に、走行環境が渋滞状態にないか、又は車両Vが交差点から所定距離L内に位置していないと判定された場合に比較して、外部状況の検出頻度を低くするように周辺情報検出部12を制御する。例えば、走行環境が渋滞状態にないときには外部状況の検出周波数が所定の値fhighに維持する。そして、検出頻度制御部15は、走行環境が渋滞状態にあると判定され、かつ、車両Vが交差点から所定距離L内に位置していると判定された際には、外部状況の検出周波数をより低い周波数flow(flow<fhigh)に変更し、その検出周波数を渋滞通過時間T0から所定の緩衝時間T1を減じた時間(T0−T1)だけ維持する。検出頻度制御部15は、外部状況の検出周波数が低い周波数flowに変更されてから時間(T0−T1)が経過するタイミングで、その検出周波数を高い周波数fhighに戻す。このようにして、渋滞状態にあって交差点付近に車両Vが位置する際に、外部状況の検出頻度を下げることで、ECU10における処理負荷及び消費電力の低減を図ることが可能となる。
なお、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって、走行環境が渋滞状態にあると判定された場合、走行環境が渋滞状態に無いと判定された場合に比べて、外部状況の検出頻度を低くするように周辺情報検出部12を制御してもよい。
目標制御量算出部16は、地図データベース4に記憶された地図情報上に設定された目標経路、車両位置検出部11によって認識された車両位置、周辺情報検出部12によって検出された外部状況、及び走行状態認識部13によって認識された現在の走行制御の状態に関する状態情報を参照して、車両Vに対する走行制御のための制御量を算出する。例えば、目標制御量算出部16は、制御量として、加減速制御の目標値、操舵制御の目標値、車速の目標値等を算出する。
走行制御部17は、目標制御量算出部16で生成した制御目標値に基づいて車両Vの走行を自動で制御する。走行制御部17は、制御目標値に応じた制御信号をアクチュエータ5に出力する。これにより、走行制御部17は、制御目標値に沿って車両Vが自動走行するように、車両Vの走行を制御する。
次に、車両制御装置100で実行される処理について、図2〜図4を参照しつつ、具体的に説明する。
図2は、車両制御装置100による外部状況(周辺情報)の検出周波数の変更処理の手順を示すフローチャート、図3は、図2の処理のうちの走行環境の判定処理の手順を示すフローチャート、図4は、車両制御装置100の検出周波数の変更処理による検出周波数の変更状態のイメージを示す図である。車両制御装置100において例えば運転者が自動走行を作動させる入力操作を車両制御装置100に対して行うと、ECU10は、以下の外部状況の検出周波数の変更処理を所定周期(例えば、20sec周期)で繰り返し実行しつつ、それに応じて得られた外部状況を用いた車両Vの走行制御を実行する。
まず、図2を参照して、走行環境判定部14は、地図データベース4に記憶された交差点位置及び信号位置を含む地図情報と、車両位置検出部11で検出された車両位置と、走行状態認識部で認識された車両Vの走行状態とを取得する(ステップS01)。次に、走行環境判定部14は、取得した情報を基に車両Vの走行環境を判定する(ステップS02)。その後、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって走行環境が渋滞状態にあると判定され、かつ、車両Vが交差点から所定距離L内(以下、「交差点範囲」と言う。)に位置していると判定されたか否かを判断する(ステップS03)。その結果、検出頻度制御部15は、走行環境が渋滞状態で無いと判定されたか、あるいは、車両Vが交差点範囲に無いと判定された場合には(ステップS03;NO)、処理をステップS01に戻す。
一方、検出頻度制御部15は、走行環境が渋滞状態で有ると判定され、かつ、車両Vが交差点範囲に有ると判定された場合には(ステップS03;YES)、走行環境判定部14から渋滞通過時間T0を取得するとともに、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数をfhighからflowに変更する(ステップS04)。次に、検出頻度制御部15は、周辺情報検出部12によって検出された外部情報を監視し、車両Vから所定距離の半径の円領域内にバイク等の移動障害物が存在するか否かを判断する(ステップS05)。その結果、検出頻度制御部15は、該当円領域内に移動障害物が存在しない場合には(ステップS05;NO)、前回に外部状況の検出周波数を変更してから、渋滞通過時間T0から緩衝時間T1を減算した時間が経過したか否かを判定する(ステップS06)。この緩衝時間T1は、検出周波数を高くするように変更した場合における外部状況の急変による車両挙動の急変を防止するために設定される余裕時間である。
この判定の結果、渋滞通過時間T0から緩衝時間T1を減算した時間が経過していない場合には(ステップS06;NO)、処理がステップS04に戻され、外部状況の検出周波数がflowに保持される。その一方で、渋滞通過時間T0から緩衝時間T1を減算した時間が経過した場合には(ステップS06;YES)、検出頻度制御部15は、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数をflowからfhighに変更する(戻す)(ステップS07)。また、ステップS05の判断で該当円領域内に移動障害物が存在する場合には(ステップS05;YES)、検出頻度制御部15は、渋滞通過時間T0から緩衝時間T1を減算した時間の経過を待たずに、即座に外部状況の検出周波数をflowからfhighに戻す。その後、検出頻度制御部15は、外部状況の検出周波数の変更後に所定時間ΔTが経過したか否かを判定し(ステップS08)、所定時間ΔTが経過した場合に外部状況の検出周波数の変更処理を終了する。その後、再びステップS01から繰り返す。この所定時間ΔTは、走行制御におけるハンチング防止のためにヒステリシスを持たせるために設定される時間である。
次に、図3に移って、上記ステップS02の走行環境の判定処理の手順について詳述する。
まず、走行環境判定部14は、車速に関する情報を取得するとともにECU10の内部クロックから時刻情報を取得しながら、所定時間のN分間隔(例えば、1分間隔)で車両Vの平均速度Vmeanを算出する(ステップS21)。次に、走行環境判定部14は、平均速度Vmeanが既定速度Vj(例えば、20km/h)より小さい状態が既定の継続時間Tjon(例えば、3分)継続しているか否かを判定する(ステップS22)。判定の結果、平均速度Vmeanが既定速度Vjより小さい状態が継続時間Tjon継続していない場合には(ステップS22;NO)、処理をステップS25に移し、走行環境判定部14は、走行環境が渋滞状態にないと判定し、走行環境の判定処理を終了する。
一方、平均速度Vmeanが既定速度Vjより小さい状態が継続時間Tjon継続している場合には(ステップS22;YES)、走行環境判定部14は、走行環境が渋滞状態にあると判定する(ステップS23)。その後、走行環境判定部14は、平均速度Vmeanが既定速度Vj以上である状態が既定の継続時間Tjoff(例えば、2分)継続しているか否かを判定する(ステップS24)。判定の結果、平均速度Vmeanが既定速度Vj以上である状態が継続時間Tjoff継続していない場合には(ステップS24;NO)、処理がステップS23に戻され、走行環境判定部14は、走行環境が渋滞状態にあるとの判定を維持する。一方、平均速度Vmeanが既定速度Vj以上である状態が継続時間Tjoff継続している場合には(ステップS24;YES)、走行環境判定部14は、走行環境が渋滞状態にないと判定し(ステップS25)、走行環境の判定処理を終了する。
図4を参照しながら、車両制御装置100による外部状況の検出周波数の変更状態と車両Vの走行環境との対応を説明する。同図では、車両Vが図中の左から右に交差点に突入するように走行している状態を想定している。まず、車両Vが交差点から所定距離L内(交差点範囲)に入っていない状態では検出周波数は比較的高い値fhighに維持される。その後、車両Vが交差点範囲の境界(図中のR)に入ってきて渋滞状態が発生すると、検出周波数は比較的低い値flowに変更される。この状態は、渋滞通過時間T0から緩衝時間T1を減算した時間に対応する距離L−ΔLだけ車両Vが走行する間継続される。この距離Lは、車両Vが平均速度Vmeanで走行し続けると仮定した場合の、渋滞通過時間T0の間の走行距離であり、距離ΔLは、車両Vが平均速度Vmeanで走行し続けると仮定した場合の、緩衝時間T1の間の走行距離である。さらに、車両Vが交差点から距離ΔLの位置に入ってくると、検出周波数は比較的低い値flowから比較的高い値fhighに戻される。車両Vが交差点を通過し、渋滞状態が解消されると、検出周波数はそのままfhighに維持される。
以上説明した車両制御装置100によれば、車両Vの外部状況(周辺情報)が周辺情報検出部12によって検出され、検出頻度制御部15によって周辺情報検出部12による外部状況の検出頻度が制御される。その際、走行環境判定部14によって、車両Vの車速、車両Vの位置、及び地図情報に基づいて、車両Vの走行環境が判定され、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって走行環境が渋滞状態にあると判定され、かつ、車両Vが交差点範囲に有ると判定された場合に、走行環境が渋滞状態に無いと判定された場合又は車両Vが交差点範囲に無いと判定された場合に比較して外部状況の検出頻度を低くする制御を実行する。これにより、画像等のセンサ情報を利用した外部状況の検出に係る処理負荷の低減を効果的に図ることができる。一方で、走行環境が渋滞中の場合には車速が低いために検出頻度を低くしても走行制御に対する影響は少ない。その結果、センサ情報の取得及び処理に係る処理負荷及び消費電力の低減を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態には限定されず、様々な変形例を採用することができる。以下、本発明の実施形態の変形例について説明する。
例えば、上述した実施形態の走行環境判定部14及び検出頻度制御部15は、次に説明するような機能を有していてもよい。すなわち、走行環境判定部14は、地図データベース4に格納された道路の種別情報と道路の位置情報とを含む地図情報、走行状態認識部13で認識された車速、及び車両位置検出部11で検出された車両位置に基づいて、車両Vの走行環境として車両Vの走行している道路の道路種別を判定する。走行環境判定部14は、車両Vの走行している道路の種別が、高速道路であるか、一般道路のうちの郊外路であるか、一般道路のうちの市街地路であるかを判定する。ここで、走行環境判定部14は、車両Vの車速情報をも参照して道路種別を判定してもよい。
また、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって判定された道路種別を基に外部状況の検出頻度を制御する。詳細には、検出頻度制御部15は、道路種別が高速道路である場合には、検出周波数を比較的低い(検出頻度が比較的低い)値flowに変更及び保持し、道路種別が郊外路である場合には、検出周波数を値flowよりも高い値fmidに変更及び保持し、道路種別が市街地路である場合には、検出周波数を値fmidよりもさらに高い値fhighに変更及び保持する。さらに、検出頻度制御部15は、道路種別が上記のいずれにも該当しない場合には、検出周波数を中間値fmidに変更及び保持する。また、検出頻度制御部15、車両Vの走行環境として、道路種別と交通状況(渋滞状態、歩行者又はバイク等の障害物の多い状況等)とを加味して、検出周波数を変更するように制御してもよい。
本発明の変形例にかかる車両制御装置100で実行される処理について、図5を参照しつつ、具体的に説明する。図5は、上記の本発明の変形例における外部状況の検出周波数の変更処理の手順を示すフローチャートである。
まず、走行環境判定部14は、地図データベース4に記憶された道路の位置情報及び道路種別を含む地図情報と、車両位置検出部11で検出された車両位置と、走行状態認識部で認識された車両Vの走行状態とを取得する(ステップS31)。次に、走行環境判定部14は、取得した情報を基に車両Vの走行環境としての道路種別を判定する(ステップS32)。その後、検出頻度制御部15は、走行環境判定部14によって判定された道路種別が高速道路であるか否かを判断する(ステップS33)。その結果、検出頻度制御部15は、道路種別が高速道路である判定された場合には(ステップS33;YES)、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数を比較的低い値flowに変更及び保持する(ステップS34)。
一方、検出頻度制御部15は、道路種別が郊外路であると判定され場合には(ステップS35;YES)、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数を中間値fmidに変更及び保持する(ステップS36)。一方で、検出頻度制御部15は、道路種別が市街地路であると判定され場合には(ステップS37;YES)、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数を比較的高い値fhighに変更及び保持する(ステップS38)。また、検出頻度制御部15は、道路種別が上記のいずれの種別にも該当しないと判定され場合には(ステップS37;NO)、周辺情報検出部12における外部状況の検出周波数を中間値fmidに変更及び保持する(ステップS38)。その後、検出頻度制御部15は、外部状況の検出周波数の変更後に所定時間ΔTが経過したか否かを判定し(ステップS40)、所定時間ΔTが経過した場合に外部状況の検出周波数の変更処理を終了する。その後、再びステップS31から繰り返す。
以上説明した変形例によっても、画像等のセンサ情報を利用した外部状況の検出に係る処理負荷の低減を効果的に図ることができる。一方で、走行環境が高速道路走行中の場合や、郊外路を走行中の場合には障害物が少ないために検出頻度を低くしても走行制御に対する影響は少ない。その結果、センサ情報の取得及び処理に係る処理負荷及び消費電力の低減を図ることができる。
12…周辺情報検出部、14…走行環境判定部、15…検出頻度制御部、100…車両制御装置、V…車両。
Claims (1)
- 車両の周辺情報を検出する周辺情報検出部と、
前記周辺情報検出部による周辺情報の検出頻度を制御する検出頻度制御部と、
前記車両の車速、前記車両の位置、及び地図情報に基づいて、前記車両の走行環境を判定する走行環境判定部と、
を備え、
前記検出頻度制御部は、前記走行環境判定部によって前記走行環境が渋滞状態にあると判定された場合に、前記走行環境が渋滞状態にないと判定された場合に比較して前記周辺情報の検出頻度を低くする制御、
或いは、前記走行環境判定部によって前記走行環境が高速道路を走行している状態にあると判定された場合に、前記走行環境が一般道路を走行している状態にあると判定された場合に比較して前記周辺情報の検出頻度を低くする制御、
のいずれかを実行する、車両制御装置。
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