JP2016112567A - 成形装置 - Google Patents

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正之 石塚
Masayuki Ishizuka
正之 石塚
雅之 雑賀
Masayuki Saiga
雅之 雑賀
紀条 上野
Kijo Ueno
紀条 上野
小松 隆
Takashi Komatsu
隆 小松
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Abstract

【課題】成形品の品質を向上させることができる成形装置を提供する。【解決手段】成形装置10は、金属パイプ材料14に気体を供給して膨張させるブロー機構60を備えている。このブロー機構60は、成形用供給ラインL2に設けられ、気体を減圧する減圧部100を備えている。気体圧縮部61で圧縮されて成形用供給ラインL2で移送される気体は、金属パイプ材料14へ供給される前に減圧部100によって減圧される。気体は過度に高圧になることを抑制された状態で、金属パイプ材料14へ供給される。これにより、急激な膨張を抑制することで、金属パイプ材料14がブロー成形金型13の形状に沿って好適に変形し易くなることで、成形品の品質を向上させることができる。【選択図】図6

Description

本発明は、成形装置に関する。
従来、金属パイプを金型により型閉してブロー成形する成形装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された成形装置は、金型と、金属パイプ材料内に気体を供給する気体供給部と、を備えている。この成形装置では、金属パイプ材料内を金型内に配置し、金型を型閉した状態で金属パイプ材料に気体供給部から気体を供給して膨張させることによって、金属パイプ材料を金型の形状に対応する形状に成形する。
特開2012−000654号公報
上記特許文献1の成形装置では、金型を型閉した状態で気体供給部から高圧の気体を供給したときに、膨張した金属パイプ材料が金型の形状に沿って好適に変形せず、破れ等が生じる可能性があった。従って、成形品の品質を向上することが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形品の品質を向上させることができる成形装置を提供することを目的とする。
本発明に係る成形装置は、金属パイプをブロー成形する成形装置であって、金属パイプ材料に気体を供給して膨張させる気体供給部と、膨張した金属パイプ材料を接触させて金属パイプを成形する金型が取り付けられる金型取付部と、を備え、気体供給部は、気体を圧縮する気体圧縮部と、気体圧縮部で圧縮された気体を金属パイプ材料へ移送する供給ラインと、供給ラインに設けられ、気体を減圧する減圧部と、を備える。
本発明に係る成形装置は、金属パイプ材料に気体を供給して膨張させる気体供給部を備えている。この気体供給部は、供給ラインに設けられて気体を減圧する減圧部を備えている。気体圧縮部で圧縮されて供給ラインで移送される気体は、金属パイプ材料へ供給される前に減圧部によって減圧される。気体は過度に高圧になることを抑制された状態で、金属パイプ材料へ供給される。これにより、膨張した金属パイプ材料が金型の形状に沿って好適に変形し易なることで、成形品の品質を向上させることができる。
また、本発明に係る成形装置において、気体供給部は、供給ラインで移送される気体を金属パイプ材料へ吹き込む吹込部を更に備え、供給ラインは、吹込部と接続される第1の分岐ラインと、吹込部に接続されない第2の分岐ラインとで分岐し、減圧部は、第2の分岐ラインが大気開放されることによって構成されてよい。供給ラインで移送される高圧の気体の一部は、第2の分岐ラインにて分岐されて大気中へ排出される。従って、金属パイプ材料へ供給される気体を減圧することができる。これによって、供給ラインを分岐させて大気開放するだけの構成にて、容易に成形品の品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係る成形装置において、減圧部は、供給ライン中に設けられる減圧弁によって構成されてよい。供給ラインで移送される高圧の気体は、金属パイプ材料に供給される前に、供給ライン中に設けられる減圧弁にて減圧される。これによって、供給ライン中に減圧弁を設けるだけの構成にて、容易に成形品の品質を向上させることができる。
本発明によれば、成形品の品質を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る成形装置の概略構成図である。 図1に示すII−II線に沿った断面図であって、ブロー成形金型の概略断面図である。 成形装置による製造工程を示す図であって、(a)は金型内に金属パイプ材料がセットされた状態を示す図、(b)は金属パイプ材料が電極に保持された状態を示す図である。 成形装置によるブロー成形工程を示す図である。 電極周辺の拡大図であって、(a)は電極が金属パイプ材料を保持した状態を示す図であり、(b)は電極にブロー機構が当接した状態を示す図であり、(c)は電極の正面図である。 本発明の実施形態に係る成形装置のブロー機構の概略構成図である。 変形例に係る成形装置のブロー機構の概略構成図である。 変形例に係る成形装置のブロー機構の概略構成図である。
〈成形装置の構成〉
図1に示しているように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型12及び下型11からなるブロー成形金型(金型)13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させるスライド(金型取付部)82と、スライド82を移動させるための駆動力を発生させる駆動部81と、上型12と下型11との間に金属パイプ材料14を水平に保持するパイプ保持機構30と、このパイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、加熱された金属パイプ材料14に高圧ガスを吹込むブロー機構(気体供給部)60と、駆動部81、パイプ保持機構30、ブロー成形金型13の動作、加熱機構50及びブロー機構60を制御する制御部70と、ブロー成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72と、を備えて構成されている。なお、以下の説明では、成形後のパイプを金属パイプ80(図2(b)参照)と称し、完成に至る途中の段階のパイプを金属パイプ材料14と称するものとする。
下型11は、金型取付台(金型取付部)84を介して大きな基台15に固定されている。ブロー成形金型13は、成形品の形状等に応じて、取り替えることが可能である。ブロー成形金型13の取り替えの際は、下型11が金型取付台84から取り外され、新たな下型11が金型取付台84に取り付けられる。または、下型11が基台15と共に取り外され、新たな下型11が設けられた他の基台15へ交換されるようにしてもよい。また下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成されて、その上面にキャビティ(凹部)16を備える。更に下型11の左右端(図1において左右端)近傍には電極収納スペース11aが設けられ、当該スペース11a内にアクチュエータ(図示しない)で上下に進退動可能に構成された第1電極17と第2電極18を備えている。これら第1、第2電極17、18の上面には、金属パイプ材料14の下側外周面に対応した半円弧状の凹溝17a、18aが形成されていて(図5(c)参照)、当該凹溝17a、18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。また、第1、第2電極17、18の正面は凹溝17a、18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17b、18bが形成されている。なお、下型11には冷却水通路19が形成され、略中央に下から差し込まれた熱電対21を備えている。この熱電対21はスプリング22で上下移動自在に支持されている。
なお、下型11側に位置する一対の第1、第2電極17、18はパイプ保持機構30を兼ねており、金属パイプ材料14を、上型12と下型11との間に昇降可能に水平に支えることができる。また、熱電対21は測温手段の一例を示したに過ぎず、輻射温度計や光温度計のような非接触型温度センサであってもよい。なお、通電時間と温度との相関が得られれば、測温手段は省いて構成することも十分可能である。
上型12は、下面にキャビティ(凹部)24を備え、冷却水通路25を内蔵した大きな鋼鉄製ブロックである。上型12は、上端部をスライド82に固定されている。ブロー成形金型13の取り替えの際は、上型12がスライド82から取り外され、新たな上型12がスライド82に取り付けられる。そして、上型12が固定されたスライド82は、加圧シリンダ26で吊され、ガイドシリンダ27で横振れしないようにガイドされる。本実施形態に係る駆動部81は、スライド82を移動させるための駆動力を発生させるサーボモータ83を備えている。駆動部81は、加圧シリンダ26を駆動させる流体(加圧シリンダ26として油圧シリンダを採用する場合は、動作油)を当該加圧シリンダ26へ供給する流体供給部によって構成されている。制御部70は、駆動部81のサーボモータ83を制御することによって、加圧シリンダ26へ供給する流体の量を制御することにより、スライド82の移動を制御することができる。なお、駆動部81は、上述のように加圧シリンダ26を介してスライド82に駆動力を付与するものに限られず、例えば、スライド82に駆動部を機械的に接続させてサーボモータ83が発生する駆動力を直接的に又は間接的にスライド82へ付与するものであってもよい。例えば、スライド82を偏心軸に取り付けると共に、この偏心軸をサーボモータ等で回転させる機構も採用できる。なお、本実施形態では、上型12のみが移動するものであるが、上型12に加えて下型11も、または上型12に代えて下型11が、移動するものであってもよい。また、本実施形態では、駆動部81がサーボモータ83を備えていなくともよい。
また上型12の左右端(図1において左右端)近傍に設けられた電極収納スペース12a内には、下型11と同じく、アクチュエータ(図示しない)で上下に進退動可能に構成された第1電極17と第2電極18を備えている。これら第1、第2電極17、18の下面には、金属パイプ材料14の上側外周面に対応した半円弧状の凹溝17a、18aが形成されていて(図5(c)参照)、当該凹溝17a、18aに丁度金属パイプ材料14が嵌合可能とされている。また、第1、第2電極17、18の正面(金型の外側方向の面)は凹溝17a、18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17b、18bが形成されている。即ち、上下一対の第1、第2電極17、18で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
図2は、ブロー成形金型13の概略断面を示している。これは図1におけるII−II線に沿うブロー成形金型13の断面図であって、ブロー成形時の金型位置の状態を示している。図2に示すように、基準ラインSを型閉した際の下型11の上面及び上型12の下面の位置とすると、下型11の上面には基準ラインSから離れる方向(下側)へ凹む矩形状の凹部11bが形成されており、上型12の下面には、下型11の凹部11bと対向する位置に基準ラインSから離れる方向(上側)へ凹む矩形状の凹部12bが形成されている。また、下型11の上面には、凹部11bの左右方向における一方側(図2において左側)に矩形状の凸部11cが形成されており、凹部11bの左右方向における他方側(図2において右側)に矩形状の凹部11dが形成されている。また、上型12の下面には、下型11の凸部11cと対応する位置に矩形状の凹部12dが形成されており、凹部11dと対応する位置に矩形状の凸部12cが形成されている。ブロー成形金型13が閉じられた状態においては、下型11の凹部11bと上型12の凹部12bが組み合わされることによって、矩形状の空間であるメインキャビティ部MCが形成される。このとき、下型11の凸部11cと上型12の凹部12dとが嵌合し、下型11の凹部11dと上型12の凸部12cとが嵌合する。図2(a)に示すように、メインキャビティ部MC内に配置された金属パイプ材料14は、膨張することによって図2(b)に示すようにメインキャビティ部MCの内壁面と接触し、当該メインキャビティ部MCの形状(ここでは断面矩形状)に成形される。ただし、図2に示すブロー成形金型13の断面形状は一例に過ぎず、適宜変更してよい。
加熱機構50は、電源51と、この電源51から延びて第1電極17と第2電極18に接続している導線52と、この導線52に介設したスイッチ53とを有してなる。
ブロー機構60は、気体を圧縮することで高圧ガスとするコンプレッサ等の気体圧縮部61と、この気体圧縮部61で圧縮された高圧ガスを溜めるアキュムレータ62と、気体圧縮部61で圧縮された高圧ガスをシリンダユニット42へ移送するシリンダ駆動用供給ラインL1と、このシリンダ駆動用供給ラインL1に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、気体圧縮部61で圧縮された高圧ガスを金属パイプ材料14へ移送する成形用供給ライン(供給ライン)L2と、金属パイプ材料14の端部をシールすると共に成形用供給ラインL2で移送される高圧ガスを金属パイプ材料14へ吹き込むシール部材(吹込部)44と、成形用供給ラインL2に介設されているオンオフ弁68及び逆止弁69と、を備える。なお、図1に示す例では、シリンダ駆動用供給ラインL1及び成形用供給ラインL2は、気体圧縮部61とアキュムレータ62との間では共通したラインとして構成され、アキュムレータ62にて分岐している。また、ブロー機構60は、成形用供給ラインL2に設けられ、高圧ガスを減圧する減圧部100を備えている。ブロー機構60の減圧部100構成の詳細については後述する。なお、シール部材44の先端は先細となるようにテーパー面45が形成されており、第1、第2電極のテーパー凹面17b、18bに丁度嵌合当接することができる形状に構成されている(図5参照)。なお、シール部材44は、シリンダロッド43を介してシリンダユニット42に連結されていて、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動することが可能となっている。また、シリンダユニット42はブロック41を介して基台15上に載置固定されている。
圧力制御弁64は、シール部材44側から要求される押力に適応した作動圧力の高圧ガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、成形用供給ラインL2内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。制御部70は、図1において熱電対21に接続された部分(A)から制御部70へ接続された部分(A)へ情報が伝達されることで、熱電対21から温度情報を取得し、加圧シリンダ26、スイッチ53、切替弁65及びオンオフ弁68等を制御する。
水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19や上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とからなる。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
〈成形装置の作用〉
次に、成形装置10の作用について説明する。図3は材料としての金属パイプ材料14を投入するパイプ投入工程から、金属パイプ材料14に通電して加熱する通電加熱工程までを示している。図3(a)に示すように、焼入れ可能な鋼種の金属パイプ材料14を準備し、この金属パイプ材料14を、ロボットアーム等(図示しない)により、下型11側に備わる第1、第2電極17、18上に載置する。第1、第2電極17、18には凹溝17a、18aが形成されているので、当該凹溝17a、18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。次に、制御部70(図1参照)は、パイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、図3(b)のように、各電極17、18を進退動可能としているアクチュエータ(図示しない)を作動させ、各上下に位置する第1、第2電極17、18を接近・当接させる。この当接によって、金属パイプ材料14の両端部は、上下から第1、第2電極17、18によって挟持される。またこの挟持は第1、第2電極17、18に形成される凹溝17a、18aの存在によって、金属パイプ材料14の全周に渡って密着するような態様で挾持されることとなる。ただし、金属パイプ材料14の全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に第1、第2電極17,18が当接するような構成であってもよい。
続いて、制御部70は、加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、加熱機構50のスイッチ53をONにする。そうすると、電源51から電力が金属パイプ材料14に供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体が発熱する(ジュール熱)。この時、熱電対21の測定値が常に監視され、この結果に基づいて通電が制御される。
図4は、ブロー成形及びブロー成形後の処理内容を示している。具体的には、図4(a)に示しているように、加熱後の金属パイプ材料14に対してブロー成形金型13を閉じ、金属パイプ材料14を当該ブロー成形金型13のキャビティ内に配置密閉する。その後、シリンダユニット42を作動させてブロー機構60の一部であるシール部材44で金属パイプ材料14の両端をシールする(図5も併せて参照)。なお、このシールは、シール部材44が直接金属パイプ材料14の両端面に当接してシールするのではなく、第1、第2電極17、18に形成されたテーパー凹面17b、18bを介して間接的に行われる。こうすることによって広い面積でシールできることからシール性能を向上させることができる上、繰り返しのシール動作によるシール部材の摩耗を防止し、更に、金属パイプ材料14両端面の潰れ等を効果的に防止している。シール完了後、高圧ガスをガス通路46から金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティの形状に沿うように変形させる。
金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されて軟化しており、比較的低圧でブロー成形することができる。具体的には、高圧ガスとして、4MPaで常温(25℃)の圧縮空気を採用した場合、この圧縮空気は、密閉した金属パイプ材料14内で結果的に950℃付近まで加熱される。圧縮空気は熱膨張し、ボイル・シャルルの法則に基づき、約16〜17MPaにまで達する。即ち、950℃の金属パイプ材料14を容易にブロー成形することができる。
そして、ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)される。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。その後、型開きを行うと、完成品としての金属パイプ80ができ上がる。
[ブロー機構の減圧部]
ブロー機構60の減圧部100について図6を参照して説明する。図6は、ブロー機構60の概略構成図である。ブロー機構60の成形用供給ラインL2は、気体圧縮部61とアキュムレータ62とを接続するラインL11と、アキュムレータ62からシール部材44側へ向かって延びるラインL12と、ラインL12から分岐して一方のシール部材44A側へ向かって延びるラインL13Aと、ラインL12から分岐して他方のシール部材44B側へ向かって延びるラインL13Bと、を備えている。
成形用供給ラインL2は、ラインL13Aにおいて、一方のシール部材44Aと接続される第1の分岐ラインL14Aと、一方のシール部材44Aに接続されない第2の分岐ラインL15Aとで分岐している。第1の分岐ラインL14Aの先端部は一方のシール部材44Aのガス通路46の流入口に接続されている。第1の分岐ラインL14Aにはオンオフ弁102が設けられている。一方のシール部材44Aには、金属パイプ材料14に供給された気体を排出するための排出流路48が形成されていてよい。排出流路48の排出口には先端部にマフラー101が設けられる排出ラインL16Aが接続されている。
成形用供給ラインL2は、ラインL13Bにおいて、他方のシール部材44Bと接続される第1の分岐ラインL14Bと、他方のシール部材44Bに接続されない第2の分岐ラインL15Bとで分岐している。第1の分岐ラインL14Bの先端部は他方のシール部材44Bのガス通路46の流入口に接続されている。第1の分岐ラインL14Bにはオンオフ弁102が設けられている。他方のシール部材44Bには、金属パイプ材料14に供給された気体を排出するための排出流路48が形成されていてよい。排出流路48の排出口には先端部にマフラー101が設けられる排出ラインL16Bが接続されている。
本実施形態では、一方のシール部材44Aに対して減圧部100Aが設けられ、他方のシール部材44Bに対して減圧部100Bが設けられる。減圧部100Aは、一方のシール部材44Aへ移送される気体を減圧する。一方のシール部材44Aは、減圧部100Aで減圧された気体を放出し、金属パイプ材料14へ吹き付ける。減圧部100Bは、他方のシール部材44Bへ移送される気体を減圧する。他方のシール部材44Bは、減圧部100Bで減圧された気体を放出し、金属パイプ材料14へ吹き付ける。一方のシール部材44Aに対して設けられる減圧部100Aは、第2の分岐ラインL15Aが大気開放されることによって構成される。他方のシール部材44Bに対して設けられる減圧部100Bは、第2の分岐ラインL15Bが大気開放されることによって構成される。
減圧部100A,100Bを構成する第2の分岐ラインL15A,L15Bには、弁103が設けられている。弁103の種類は特に限定されず、開閉を切り替えるオンオフ弁であってもよく、開閉度を調整可能な弁であってもよく、圧力を減圧させる減圧弁であってもよい。弁103は制御によって操作されてもよく、手動によって操作されてもよい。図6に示す例では、弁103は第2の分岐ラインL15A,L15Bの先端部に設けられている。ただし、弁103の位置は特に限定されず、第2の分岐ラインL15A,L15Bの中途位置に設けられていてもよい。この場合、第2の分岐ラインL15A,L15Bの先端部は外部に対して開口している。なお、第2の分岐ラインL15A,L15Bに弁103が設けられていなくともよい。
成形用供給ラインL2によって気体が移送されている間、弁103を開とすることで、第2の分岐ラインL15A,L15Bが常時大気開放されていてもよい。また、タイミングに応じて、減圧部100による減圧量を変化させてもよい。例えば、金属パイプ材料14に対して気体を供給する初期段階においては、気体の圧力が過度に高圧になることを抑制するために弁103を開として減圧部100による減圧量を大きくしてよい。金属パイプ材料14に供給される気体の圧力が安定した段階で、弁103を絞ることによって、減圧部100による減圧量を小さくしてよく、弁103を閉じることによって減圧部100による減圧を停止してもよい。
次に、本実施形態に係る成形装置10の作用・効果について説明する。
減圧部100を備えていない成形装置では、ブロー成形金型13を型閉した状態でブロー機構60から高圧の気体を供給したときに、気体が過度に高圧になることにより、膨張した金属パイプ材料14がブロー成形金型13の形状に沿って好適に変形せず、破れ等が生じる可能性があった。例えば、急激に膨張することで、金属パイプ材料14のうち、他の部分よりも早くブロー成形金型13と接触する部分(例えば、図2(a)に示す金属パイプ材料14のうち、上端部分や下端部分など)において、金属パイプ材料14の変形に対する抵抗力が生じることや、当該部分において部分的に温度が低下すること等によって、金属パイプ材料14がブロー成形金型13の形状に沿って好適に変形しない可能性があった。
これに対して、本実施形態に係る成形装置10は、金属パイプ材料14に気体を供給して膨張させるブロー機構60を備えている。このブロー機構60は、成形用供給ラインL2に設けられて気体を減圧する減圧部100を備えている。気体圧縮部61で圧縮されて成形用供給ラインL2で移送される気体は、金属パイプ材料14へ供給される前に減圧部100によって減圧される。気体は過度に高圧になることを抑制された状態で、金属パイプ材料14へ供給される。これにより、急激な膨張を抑制することで、金属パイプ材料14がブロー成形金型13の形状に沿って好適に変形し易くなることで、成形品の品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係る成形装置10において、ブロー機構60は、成形用供給ラインL2で移送される気体を金属パイプ材料14へ噴出するシール部材44A,44Bを更に備えている。また、成形用供給ラインL2は、シール部材44A,44Bと接続される第1の分岐ラインL14A,14Bと、シール部材44A,44Bに接続されない第2の分岐ラインL15A,L15Bとで分岐している。また、減圧部100は、第2の分岐ラインL15A,L15Bが大気開放されることによって構成されている。成形用供給ラインL2で移送される高圧の気体の一部は、第2の分岐ラインL15A,L15Bにて分岐されて大気中へ排出される。従って、金属パイプ材料14へ供給される気体を減圧することができる。これによって、成形用供給ラインL2を分岐させて大気開放するだけの構成にて、容易に成形品の品質を向上させることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ラインL12から分岐したラインL13A,L13Bのそれぞれに対して減圧部100A,100Bが設けられていた。これに代えて、図7に示すようにラインL12から第2の分岐ラインL17が分岐し、当該第2の分岐ラインL17が大気開放することによって減圧部110が構成されてもよい。この場合、一つの減圧部110によって、一方のシール部材44A及び他方のシール部材44Bに供給される気体が同時に減圧される。
また、第2の分岐ラインを分岐させると共に大気開放することによって減圧部を構成することに代えて、図8に示すように、減圧部120は、成形用供給ラインL2中に設けられる減圧弁105によって構成されてもよい。図8では、ラインL13A及びラインL13Bのそれぞれに減圧弁105が設けられている。ただし、ラインL12に減圧弁105を設けてもよい。成形用供給ラインL2で移送される高圧の気体は、金属パイプ材料14に供給される前に、成形用供給ラインL2中に設けられる減圧弁105にて減圧される。これによって、成形用供給ラインL2中に減圧弁105を設けるだけの構成にて、容易に成形品の品質を向上させることができる。
また、気体圧縮部61からシール部材44A,44Bまでの間に、減圧部が成形用供給ラインL2に対して複数箇所に設けられてもよい。例えば、成形用供給ラインL2中に減圧弁を設けると共に、他の箇所において第2の分岐ラインを大気開放させてもよい。
ブロー成形金型は無水冷金型と水冷金型の何れでもよい。ただし、無水冷金型は、ブロー成形終了後に金型を常温付近まで下げるときに、長時間を要する。この点、水冷金型であれば、短時間で冷却が完了する。したがって、生産性向上の観点からは、水冷金型が望ましい。
10…成形装置、11…下型(金型)、12…上型(金型)、13…ブロー成形金型(金型)、14…金属パイプ材料、44…シール部材(吹込部)、60…ブロー機構(気体供給部)、80…金属パイプ、82…スライド(金型取付部)、84…金型取付台(金型取付部)、100,110,120…減圧部、105…減圧弁、L2…成形用供給ライン(供給ライン)、L14A,L14B…第1の分岐ライン、L15A,L15B…第2の分岐ライン。

Claims (3)

  1. 金属パイプをブロー成形する成形装置であって、
    金属パイプ材料に気体を供給して膨張させる気体供給部と、
    前記膨張した前記金属パイプ材料を接触させて前記金属パイプを成形する金型が取り付けられる金型取付部と、を備え、
    前記気体供給部は、
    前記気体を圧縮する気体圧縮部と、
    前記気体圧縮部で圧縮された前記気体を前記金属パイプ材料へ移送する供給ラインと、
    前記供給ラインに設けられ、前記気体を減圧する減圧部と、を備える成形装置。
  2. 前記気体供給部は、前記供給ラインで移送される前記気体を前記金属パイプ材料へ吹き込む吹込部を更に備え、
    前記供給ラインは、前記吹込部と接続される第1の分岐ラインと、前記吹込部に接続されない第2の分岐ラインとで分岐し、
    前記減圧部は、前記第2の分岐ラインが大気開放されることによって構成される、請求項1に記載の成形装置。
  3. 前記減圧部は、前記供給ライン中に設けられる減圧弁によって構成される、請求項1に記載の成形装置。
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