JP2016110724A - Pefcセパレータ用カーボン複合材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性があり、且つ、圧縮強度にも優れ、特に、成形性及び耐食性、更には、導電性、気密性に優れたPEFCセパレータ用カーボン複合材及びその製造方法を提供する。【解決手段】金属箔20の少なくとも片面に、炭素粉末2と熱可塑性樹脂3からなるカーボン層10を形成してなるPEFC用カーボン複合材1であって、金属箔20とカーボン層10の間に金属箔20とカーボン層10を接着剤にて接着した接着剤層30があり、接着剤は、官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤であり、変性ポリオレフィン樹脂はカルボキシル基若しくはその誘導体、又は、ハロゲン基を含んでおり、熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂である。圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm2以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、黒鉛製の薄板状カーボン複合材に関するものであり、詳しくは、柔軟性があり、且つ、圧縮強度にも優れ、更には、成形性、耐食性、及び、導電性、気密性に優れた固体高分子型燃料電池用セパレータに使用されるカーボン複合材、即ち、PEFCセパレータ用カーボン複合材及びその製造方法に関するものである。
近年、例えば電気自動車の発電装置として固体高分子型燃料電池(PEFC)が注目されている。斯かる燃料電池及び燃料電池用セパレータの一例を図7及び図8(a)、(b)に示す。
図7は、燃料電池200を構成する単位セルの構成を示す分解図であり、図8は、図7に示す燃料電池用セパレータ1の構成を示す図である。図8(a)は、平面図であり、図8(b)は、図8(a)の線X−Yにとった断面図である。
固体高分子型燃料電池200は、固体高分子電解質膜6と、GDL(Gas Diffusion Layer:ガス拡散層)を含むアノード(燃料電極)7と、GDLを含むカソード(酸化剤電極)8とを接合して形成されるMEA(membrane electrode assembly:膜/電極接合体)を2枚の燃料電池用セパレータ1によってガスケット9を介して接合したセルを単位として数十個〜数百個積層し、アノード7に流体である燃料ガス(水素ガス)を、カソード8に流体である酸化ガス(酸素ガス)を供給することにより、外部回路に電流を取り出す構成となっている。
燃料電池用セパレータ1は、図8(a)、(b)に示すように、薄肉の板状体の片面又は両面に複数個のガス供給排出用溝11と、ガス供給排出用溝11に燃料ガス又は酸化ガスを供給する開口部12と、MEAを積層するための固定穴13とを有する形状であり、燃料電池内を流れる燃料ガスと酸化ガスとが混合しないように分離する働きを有すると共に、MEAで発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、MEAで生じた熱を外部へ放熱するという重要な役割を担っている。
従って、燃料電池用セパレータ1に求められる特性としては、組立時におけるボルト締め付けや、自動車などの振動に対して十分な強度があること、発電ロスを少なくするために電気抵抗を小さくすること、燃料ガスと酸化ガスをその両面で完全に分離して電極に供給するための気密性(ガス不透過性)が挙げられる。
このような燃料電池用セパレータ1として、生産性やコストの面から有利な熱硬化性樹脂をバインダーとして用いたカーボン複合材が提案されている(例えば、特許文献1、2、3など参照)。
上記特許文献には、炭素粉末と熱硬化性樹脂とからなる混合物をプレス装置により加熱圧縮成型するか、或いは、冷間圧縮成型することにより、燃料電池用セパレータを製造することが記載されている。また、炭素粉末として黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末などを使用することが開示されており、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂が好適に使用されることを記載している。
燃料電池用セパレータに使用する熱硬化性樹脂としてのフェノール樹脂は、化学的に安定し、難燃性であり、また、黒鉛粉末又は膨張黒鉛粉末などの炭素粉末との馴染み性も良く、更には、エポキシ樹脂等に比較すると耐酸性も良好であって、多くの利点を有している。
特開昭59−26907号公報 特開2000−173630号公報 特許第3715642号公報
しかしながら、上記特許文献などに示すカーボン複合材は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を使用しているので、完全硬化した後の板厚0.5〜2mm程度とされるシート化されたカーボン複合材をプレスにより高精度に賦形することは難しく、通常は、機械加工で溝などを形成することが必要とされる。勿論、硬化時に溝のついた金型でプレスして熱硬化反応させる方法が考えられる。この場合、例えば150℃硬化のフェノール樹脂を使用した場合には、硬化工程時間は、金型を150℃まで昇温させる時間、150℃で所定の時間硬化させる時間、金型から取り出せるまでの冷却時間の合計となる。金型が大きくなると昇温、降温の時間が支配的となり生産性が上がらない。このように、従来のフェノール樹脂を使用したカーボン複合材は、成形性(即ち、生産性)の点で課題がある。
また、板厚0.5〜2mm程度の薄板状のカーボン複合材は、導電性、耐食性においては優れているものの、硬過ぎて脆く、曲げ歪が0.67%を超えると割れが生じ、柔軟性、圧縮強度の点で問題がある。
近年、フェノール樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂を使用し、該ポリオレフィン系樹脂とカーボン材を予め混合ペレット状にした材料が提案され、市販されている。しかし、本発明者らの研究実験の結果によると、この混合ペレットを使用して1mm程度の厚さのシート状のカーボン複合材を作製する場合、このカーボン複合材シートの生産量が多くなると安定的に1mm程度の薄いシート材を製造することが困難であることが分かった。プレスによりシート化する場合、ペレットとペレットの境界面を気密性に問題ない程度にまでプレス加工するのが困難であることが分かった。
そこで、本発明者らは、多くの研究実験を行った結果、炭素粉末と、特定の熱可塑性樹脂の粉末との粉末混合物を使用してシート化した、所謂、薄板状のカーボン複合材を高品質にて作製し得ることが分かった。
つまり、斯かる黒鉛製薄板状のカーボン複合材は、柔軟性、圧縮強度、更には導電性が、固体高分子型燃料電池用セパレータに要求される値を十分に満足し得るものであることが分かった。
また、当然なことに、斯かる構成の熱可塑性樹脂を使用した黒鉛製薄板状のカーボン複合材は、薬品耐食性に優れており、更には、シート化後にホットプレス(加熱加圧成形)により溝などの賦形が可能であり、成形性に優れており、従来のフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用した炭素複合材の課題とされた成形性、柔軟性、更には薬品耐食性を更に改良するものである。
ただ、上述したように、炭素粉末と熱可塑性樹脂粉末との粉末混合物を使用して作製した黒鉛製薄板状のカーボン複合材を固体高分子型燃料電池用セパレータとして使用する場合には、気密性(ガス不透過性)の点で更なる向上が求められる。そのために、本発明者らは、熱可塑性樹脂を使用したカーボン複合材に金属箔を一体に接着することを試み、多くの実験研究を行った。
その結果、特定の接着剤を使用することにより、固体高分子型燃料電池用セパレータとしての満足な性能を有したカーボン複合材を得ることができた。
本発明は、本発明者らのこのような新規な知見に基づきなされたものである。
つまり、本発明の目的は、柔軟性があり、且つ、圧縮強度にも優れ、特に、成形性及び耐食性、更には、導電性、気密性に優れたPEFCセパレータ用カーボン複合材及びその製造方法を提供することである。
上記目的は本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材及びその製造方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明によると、厚さが10〜150μmとされる金属箔の少なくとも片面に、炭素粉末と熱可塑性樹脂からなるカーボン層を形成してなるカーボン複合材であって、
前記金属箔と前記カーボン層の間に前記金属箔と前記カーボン層を接着剤にて接着した接着剤層があり、前記接着剤は、官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤であり、前記変性ポリオレフィン樹脂はカルボキシル基若しくはその誘導体、又は、ハロゲン基を含んでおり、
前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂であり、
前記カーボン層は、前記炭素粉末と、流動性(MFR)が10〜80g/10minである前記熱可塑性樹脂の粉末とを、体積比で炭素粉末:熱可塑性樹脂粉末=6:4〜9:1にて配合した粉末混合物をホットプレスして厚さが0.05〜2.0mmとされ、
圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下であることを特徴とするPEFC用カーボン複合材が提供される。
第2の本発明は、金属箔の少なくとも片面に炭素粉末と熱可塑性樹脂からなるカーボン層を形成してなるPEFC用カーボン複合材の製造方法であって、
(a)前記炭素粉末と前記熱可塑性樹脂の粉末とを混合した粉末混合物をホットプレスして前記カーボン層を形成する工程、
(b)前記金属箔の少なくとも片面に接着剤を塗布し、前記接着剤が塗布された前記金属箔の面に前記カーボン層を積層し、ホットプレスして前記金属箔と前記カーボン層の積層体を形成する工程、
(c)前記積層体をホットプレスして前記積層体の前記カーボン層に溝を成形する工程、
を有することを特徴とするPEFC用カーボン複合材の製造方法が提供される。好ましくは、前記工程(b)と前記工程(c)は、一つのホットプレス工程にて同時に行う。また、好ましくは、前記接着剤は、官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤であり、前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂である。また、好ましくは、前記金属箔の厚さは10〜150μmであり、前記カーボン層は、前記炭素粉末と、流動性(MFR)が10〜80g/10minである前記熱可塑性樹脂の粉末とを、体積比で炭素粉末:熱可塑性樹脂粉末=6:4〜9:1にて配合した粉末混合物をホットプレスして厚さが0.05〜2.0mmとされる。
上記第1及び第2の各本発明にて、前記炭素粉末は平均粒径が4〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂粉末は平均粒径が4〜200μmである。
上記各本発明にて、他の実施態様によると、前記接着剤層の厚さは0.1〜10μmである。
上記各本発明にて、他の実施態様によると、前記炭素粉末が前記接着剤層を貫通して前記金属箔と接触している。
上記各本発明にて、他の実施態様によると、前記炭素粉末は、
(1)天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末若しくは膨張黒鉛粉末であるか、又は、
(2)天然黒鉛粉末若しくは人造黒鉛粉末と、膨張黒鉛粉末とを含む。
上記各本発明にて、他の実施態様によると、前記金属箔は、ステンレススチール、チタン、チタン合金、又は、アルミニウム合金である。
上記第2の本発明の製造方法にて得られるカーボン複合材は、圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下である。
本発明によるPEFCセパレータ用カーボン複合材は、柔軟性があり、且つ、圧縮強度にも優れ、特に、成形性及び耐食性、更には、導電性、気密性に優れている。また、本発明によるPEFCセパレータ用カーボン複合材の製造方法によれば、生産性良くPEFCセパレータ用カーボン複合材を製造することができる。
図1(a)、(b)は、本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材の構成を説明する概略図であり、図1(c)は、接着剤層部の概略拡大図である。 図2(a)は、本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材のカーボン層を作製するための原料粉末混合物を説明する概略図であり、図2(b)は、本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材のカーボン層の一実施例の構成を説明する概略図であり、図2(c)は、本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材のカーボン層の他の実施例の構成を説明する概略図である。 ホットプレス工程に用いられるプレス装置の構成を示す概略図である。 本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材の製造方法の実施例を説明する概略図である。 接触抵抗を測定する方法を説明するための図である。 接着強度を測定する方法を説明するための図である。 燃料電池を構成する単位セルの構成を示す分解図である。 図8(a)は、燃料電池用セパレータの一実施例を示す平面図であり、図8(b)は、図8(a)の線X−Yに取った断面図である。
以下、本発明に係るPEFCセパレータに使用されるカーボン複合材、即ち、PEFCセパレータ用カーボン複合材(以下、単に「カーボン複合材」ということもある。)、及び、その製造方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、図1(a)、(b)を参照して、本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材1の一実施例の全体構成について説明する。本発明に係るカーボン複合材1は、固体高分子型燃料電池(PEFC)用セパレータとして有効に使用し得るものである。
本発明のカーボン複合材1は、図1(a)に示すように、炭素粉末2と熱可塑性樹脂3を有したカーボン層10が、金属箔20の片面に接着剤層30を介して一体に形成されるか、又は、図1(b)に示すように、炭素粉末2と熱可塑性樹脂3を有したカーボン層10(10a、10b)が、金属箔20の両面に、それぞれ、接着剤層30(30a、30b)を介して一体に形成された、カーボン層10と金属箔20からなる薄板状の複合材とされる。即ち、本発明にてカーボン複合材1は、金属箔20とカーボン層10の間に金属箔20とカーボン層10を接着剤にて接着した接着剤層30が形成される。斯かる構成とされる本発明のカーボン複合材1は、詳しくは後述の実験例等を参照して説明するが、カーボン層10と金属箔20とが接着剤層30を形成する接着剤にて良好な接着強度を持って一体に接着されており、気密性(ガス不透過性)に優れている。また、図1(c)に示すように、本発明のカーボン複合材1は、カーボン層10における金属箔20との接着面近傍の炭素粉末2が、接着剤層30を貫通して金属箔20と接触しており、導電性においても優れている。なお、カーボン複合材1のカーボン層10の外表面には図8(a)、(b)に示すように、水路形成のための溝11が成形加工される。
また、上記構成とされる本発明のカーボン複合材は、圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下とされ、PEFCセパレータとして使用して極めて有用である。
カーボン層10について更に説明すると、カーボン層10は、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3aと含む粉末混合物4(図2(a)参照)を加熱圧縮成型、即ち、ホットプレス成形加工して、図2(b)(図1(a))に示すように、厚さ(t)が0.05〜2.0mmとされるシート状の、所謂、薄板状の黒鉛製のカーボン板複合材とされる。
なお、図1(b)に示すように金属箔20の両側面にカーボン層10(10a、10b)が配置された構成の場合には、上カーボン層10aと下カーボン層10bの厚みta、tbは各々0.05〜2.0mmの範囲とされるが、上カーボン層10aと下カーボン層10bのそれぞれの板厚ta、tbは、同じ厚さであっても良く、また、異なる厚さとすることもできる。
粉末混合物4をホットプレスして得られるカーボン層10にて、粉末混合物4中の熱可塑性樹脂粉末3aは溶融して炭素粉末2のバインダー樹脂(熱可塑性樹脂)3として機能する。本発明にて、熱可塑性樹脂3は、流動性(MFR)が10〜80g/10minとされ、ホットプレスされる粉末混合物4は、詳しくは後述するが、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3aとを、体積比で炭素粉末2:熱可塑性樹脂粉末3a=6:4〜9:1にて配合される。
なお、上記原料の粉末混合物4は、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3aからなるものであるが、粉末混合物4は、これら材料のみからなることに限定するものではなく、粉末混合物4には、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3a以外に、必要に応じて繊維基材、充填材、離型剤、耐加水分解剤等を添加しても良い。
なお、上述したように、カーボン層10の表面には、図8(a)、(b)に示すように水路形成のための溝11が成形加工されるが、本発明のカーボン層10は、成型後のシート化後においても、ホットプレスにより溝などの賦形が可能であり、成形性に優れている。
本発明のカーボン層10の各構成要素について更に詳しく説明する。
(炭素粉末)
炭素粉末2は、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末若しくは膨張黒鉛粉末等の黒鉛粉末とされる。膨張黒鉛粉末は、酸処理した鱗片状天然黒鉛粉末に熱を加え、黒鉛結晶の層間を数百倍に膨張させたものである。
本発明にて炭素粉末2は、粒子径が平均粒径にて4〜200μmとされる細粒径の粉末とされる。
本発明では、以下に説明する細粒径の熱可塑性樹脂粉末3aと共に、上記細粒径の炭素粉末を使用することによって、安定した強度、電気特性が得られる。
(熱可塑性樹脂粉末)
本発明によれば、カーボン層10を形成するために熱可塑性樹脂の粉末が使用される。粉末混合物4に使用される熱可塑性樹脂粉末3aとしては炭素粉末2と同程度の細粒径の熱可塑性樹脂粉末3aを使用するのが好ましく、粒子径が平均粒径にて4〜200μmとされる。
この熱可塑性樹脂粉末3aは、黒鉛粉末2と混合され、均一の粉末混合物4を得ることができる。
このように、本発明では、上記細粒径の熱可塑性樹脂粉末3aを使用することによって、ホットプレス成形によりカーボン層10をシート化する場合に、樹脂組織とカーボン組織が均一にネットワークを構成することができ、均一なカーボン層10を得ることができる。
つまり、樹脂粉末3及び炭素粉末2に粒子径が200μmを超える大きいものが含まれると、安定した強度(圧縮強度、曲げ強度)が得られず、脆くなる。場合によっては、気泡の原因となり、燃料電池用セパレータに要求される気密性が得られない場合が生じる。また、樹脂粉末3及び炭素粉末2に粒子径が4μm未満のものが含まれると、過度に充填された結果、柔軟性が無くなる、といった問題が生じる。
尚、本明細書、特許請求の範囲の記載などにおいて、粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製 商品名:Multisizer 4)を用い、電気的検知帯法で測定した。D50(累積50質量%粒径)の値を「平均粒径」とした。
更に、本発明では、上述したように、熱可塑性樹脂粉末3aとしては、流動性(MFR)が10〜80g/10minである熱可塑性樹脂が使用される。この範囲外では、即ち、樹脂流動性(MFR)が10g/10min未満だと、カーボン層10の成形時の樹脂の流れが悪く、カーボン粉末2と一体化するのが困難となり、その結果、圧縮強度、曲げ強度が出ない。一方、80g/10minを超えると、樹脂が流れ過ぎて、カーボン粉末2との一体化が阻害され、導電性が悪くなる。
本発明では、流動性(MFR)が10〜80g/10minである熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、又は、ポリエチレン樹脂(PE)を使用する。これら熱可塑性樹脂は、耐食性(耐薬品性)に優れ、また、これら樹脂を使用した黒鉛製薄板状のカーボン層10は、シート化後に熱プレスにより溝などの賦形が可能であり、成形性に優れている。
(炭素粉末と熱可塑性樹脂粉末の配合比)
炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3aとは、体積比で炭素粉末2:熱可塑性樹脂粉末3a=6:4〜9:1にて配合されて均一に混合される。この範囲外では、即ち、熱可塑性樹脂粉末3aが40%(体積)を超えると、得られたカーボン層10が硬くなり過ぎ、柔軟性が損なわれる。また、接触抵抗が増大する。即ち、接触抵抗は、20mΩ・cm以下とされるが、この値を大きく上回ることとなる。従って、燃料電池用セパレータとして使用する場合に問題が生じる。また、炭素粉末2が90%(体積)を超えると、得られたカーボン層10が柔らかくなり過ぎ、カーボン層10の圧縮強度が3MPa未満となり、永久変形を生じやすくなる。また、金属箔20とカーボン層10との接着強度も著しく低下する。所要接着強度は1MPa以上とされるが、この値を大きく下回ることとなる。従って、燃料電池用セパレータとして使用する場合に、その耐久性に問題が生じる。
なお、本発明では、粉末混合物4の総容量、並びに、炭素粉末2及び熱可塑性樹脂粉末3aの所望の配合比(体積比)が決まると、配合比に応じて各粉末の使用容量を求め、密度を基に使用重量を計算にて求める。このようにして求めた使用重量の各粉末を得、例えば2枚ブレードのプラネタリーミキサにて混合して所望の組成の粉末混合物4を調製する。
上記実施例の図2(b)に示す本発明のカーボン層10は、炭素粉末2は、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末若しくは膨張黒鉛粉末等の黒鉛粉末とされるものとして説明したが、本発明はこれに限定されることはない。
つまり、本発明のカーボン層10は、図2(c)に示すように、炭素粉末2は、第1の黒鉛粉末2aと、第2の黒鉛粉末2bとを含むことができ、第1黒鉛粉末2aとしては、天然黒鉛粉末若しくは人造黒鉛粉末とされ、第2の黒鉛粉末2bとしては、膨張黒鉛粉末とされる。
なお、本実施例においても、カーボン層10にて炭素粉末2(2a、2b)と熱可塑性樹脂粉末3aとは、体積比で炭素粉末2(2a、2b):熱可塑性樹脂粉末3a=6:4〜9:1にて配合され、この粉末混合物4をホットプレスにより加熱加圧成形して厚さが0.05〜2.0mmとされる。
なお、上記原料の粉末混合物4の組成は、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3aのみに限定されるものではなく、粉末混合物4には、上述したように、炭素粉末2と熱可塑性樹脂粉末3a以外に、必要に応じて繊維基材、充填材、離型剤、耐加水分解剤等を添加しても良い。
尚、各粉末の配合比による各粉末の混合調製法は、上述の通りである。
(カーボン層の製造方法)
次に、本発明のカーボン層10の製造方法について説明する。本発明のカーボン層10は、種々の成型法にて製造することができるが、以下に、代表的なプレス成型法につき説明する。
製造例1
本発明のカーボン層10は、原料粉末混合物4を加熱加圧(ホットプレス)することにより製造することができる。図3に、本発明のカーボン層10を製造するためのプレス装置100の一例を示す。
本製造例1にて、プレス装置100は一軸加熱圧縮成型装置とされ、一組の雄型101と雌型102とから成る金型103を有しており、雄型101は機枠104に固定されている。雌型102は、雄型101の下方に対向配置され、油圧シリンダ105で昇降動可能とされる。なお、本製造例1のプレス装置100は、金型103にはヒータ(図示せず)が内嵌されている。
上記のような配合割合にて調製された原料混合物4を、金型103に入れて成形後0.05〜2.0mm厚となるようにプレス装置100にてホットプレスし、その後冷却することで樹脂硬化させて薄板状のカーボン層10を得ることができる。
(PEFCセパレータ用カーボン複合材の製造方法)
次に、図1(a)、(b)に示される本発明のPEFCセパレータ用カーボン複合材1の製造方法について説明する。
製造例2
本発明のPEFCセパレータ用カーボン複合材1は、上述の製造例1に説明するように加熱圧縮成型にて作製されたシート状のカーボン層10を使用して製造することができる。
つまり、本製造例2によると、上述のようにして製造されたカーボン層10は、図4に示すように、接着剤層30を形成する接着剤30Mを介して金属箔20が積層され、このカーボン層10と金属箔20との積層体は、温度T、圧力Pにて加熱加圧(ホットプレス)される。これにより、カーボン層10と金属箔20はその間に接着剤層30が形成され、接着剤30Mにて一体に接着され、図1(a)に示すカーボン複合材1が作製される。斯かるホットプレスは、上記製造例1で説明したと同様のプレス装置100を使用して行なうことができる。
金属箔20は、ステンレススチール、チタン、チタン合金、又は、アルミニウム合金にて作製されるのが好ましく、素材によっては前処理として、金属素材表面の酸化皮膜を除去するために酸溶液による表面処理が必要である。酸化皮膜除去に使用する溶液は、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、リン酸などの無機酸のうち一種以上を含む酸溶液、或いはこの酸溶液にさらに過酸化水素、塩化第二鉄、硫酸第二鉄を含んだものである。また、金属箔20の厚さ(t20)は10〜150μmとされる。金属箔20の板厚が10μm未満では、機械的強度の増大が望めず、また、150μmを超えると、柔軟性の点で問題が生じる。
接着剤30Mは、図4に示す製造例2では、金属箔20の片側面に塗布した態様を示すが、勿論、金属箔20に塗布する代わりにカーボン層10の側面に塗布することもでき、又、カーボン層10及び金属箔20の両部材に塗布することもできる。
(接着剤)
次に本発明にて使用される接着剤30Mについて説明する。
本発明にては接着剤30Mとして、例えばカルボキシル基、ハロゲン基などの官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含有する接着剤とされ、例えば、変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が無水マレイン酸によってグラフト変性された樹脂が好適である。このような接着剤組成物としては、具体的には、三井化学株式会社製の接着性ポリオレフィン樹脂(商品名:アドマー)を挙げることができる。変性ポリオレフィン樹脂を含有した接着剤30Mは、カーボン層10及び金属箔20の双方に対する接着性が良好であり、カーボン層10と金属箔20との接着強度を向上させることができる。接着強度としては、上述したように、1MPa以上とされる。
接着剤30Mについて更に説明すると、接着剤組成物の主成分としての変性ポリオレフィン樹脂は、含有される不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の、一部または全部がポリオレフィン樹脂にグラフトして含有される。
この変性ポリオレフィンの原料樹脂であるポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、などが使用される。
変性ポリオレフィン樹脂において、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の、変性ポリオレフィン樹脂全体に占めるグラフト量(グラフト率)は通常、0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%とされる。
変性前のポリオレフィン樹脂にグラフトする不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の具体的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、4−メチルシクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、α−エチルアクリル酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸〔商標〕)、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−オクタ−1,3−ジケトスピロ[4.4]ノン−7−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレオピマル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、x−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、x−メチル−ノルボルネン−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルン−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などとされる。また上記不飽和カルボン酸の酸ハライド、アミド、イミド、エステル等の誘導体などがあげられる。これらの中では不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、特に無水マレイン酸または無水ハイミック酸が好ましい。不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。ハロゲン基としては、塩素或いは臭素を好適に使用することができる。
また、上記接着剤30Mにて形成される接着剤層30の層厚(t30)は、0.1〜10μmとされる。
また、接着剤層30の層厚が、0.1μm未満だと接着強度が低下するといった問題があり、一方、10μmを超えると、カーボン複合体1の導電性が低下するといった問題が生じてくる。
尚、上述したように、本発明によれば、ホットプレスにより、金属箔20とカーボン層10が互いに押圧するように加熱加圧される。従って、例えば図1(c)に示すように、カーボン層10(10a、10b)における金属箔20との接着面近傍の炭素粉末2が、接着剤層30(30a、30b)を貫通して金属箔20と接触することとなる。このため、本発明のカーボン複合材1は、導電性においても著しく向上したものとなる。
上記製造法によれば、金属箔20の片側面にカーボン層10を配置した図1(a)に示す構成のPEFCセパレータ用カーボン複合材1が作製されるが、金属箔20の両側面にカーボン層10(10a、10b)を配置して一体に接合することにより、図1(b)に示す構成の、即ち、金属箔20をカーボン層10(10a、10b)で挟持した構成の燃料電池用セパレータ1が作製される。
この場合においても、上述したプレス装置100を使用して作製することができる。つまり、製造例1にて説明したと同様にして作製されたカーボン層10(10a、10b)を、上記したと同じ接着剤30Mを介して金属箔20の両面に積層して積層体を形成し、該積層体を加熱加圧(ホットプレス)して、一体とされる。接着剤30Mは、金属箔20の両側面に塗布してもよく、また、金属箔20に塗布する代わりにカーボン層10(10a、10b)の側面に塗布することもでき、又、カーボン層10(10a、10b)及び金属箔20の両部材に塗布することもできる。
上記のように、カーボン層10と金属箔20とをプレス装置100にて加熱圧縮成型し、図1(a)又は図1(b)に示す構成の本発明に係るPEFCセパレータ用カーボン複合材1を作製することができるが、この時、雄型101及び/又は雌型102の加圧面に所定の形状、例えば、セパレータの溝形状11(図8(a)、(b)参照)に対応した形状を施しておくことにより、カーボン複合材、即ち、成型板(カーボン層)10にガス供給排出用溝11を反転して形成することができる。つまり、カーボン層10と金属箔20との積層体の成形と、積層体のカーボン層に対する溝成形とを同時に行うことができる。
従来の熱硬化性樹脂を使用したカーボン複合材の製造に比べると、短時間で成形が可能である。これにより、セパレータの生産性が大幅に向上する。
上記構成とされる本発明によるPEFCセパレータ用カーボン複合材1は、圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下とされる。また、斯かる構成の本発明のカーボン複合材1は、成形性及び耐食性に優れており、更には、カーボン層10と金属箔20とが良好な接着性を持って一体に接着されているので、上述のように導電性に優れていると共に、気密性にも優れており、PEFCセパレータとして使用して極めて有用である。
実験例及び比較例
本発明のPEFCセパレータ用カーボン複合材1の性能を実証するために、種々の試験を行った。次に、本発明の実験例及び比較例について説明する。本試験にて使用した材料は次の通りである。
(金属素材)
金属素材は以下の通りである。
M1:純チタン1種
M2:SUS316L
M3:SUS310S
M4:SUS444
M5:チタン合金 2.5〜3.5質量%Al−2〜3質量%V−Ti
M6:アルミニウム合金 品種 Al050
なお、M2、M3、M4のステンレスはふっ化水素酸が5g/L、硝酸が15g/Lの水溶液に35℃で1分間浸漬したものを使用した。
(カーボン粉末)
カーボン粉末の粒径は、3μm(富士黒鉛工業株式会社製 商品名:BF−3A)、4μm(伊藤黒鉛株式会社製 商品名:Z−5F)、20μm(伊藤黒鉛株式会社製 商品名:X−20)、30μm(伊藤黒鉛株式会社製 商品名:Z−25)、40μm(伊藤黒鉛株式会社製 商品名:CNP−35)、200μm(富士黒鉛工業株式会社製 商品名:BSP−80)、250μm(伊藤黒鉛株式会社製 商品名:XD100)のものを使用した。
(熱可塑性樹脂)
ポリプロピレン樹脂(PP)は、粒径が4μm(株式会社セイシン企業製 商品名:PPW−5、MFR:20g/10min)、20μm(住友精化株式会社製 商品名:フローブレンHP−8522、MFR:40g/10min)、40μm(株式会社セイシン企業製 商品名:PPW−40、MFR:60g/10min)、200μm(住友精化株式会社製 商品名:フローブレンF16172N、MFR:80g/10min)、250μm(住友精化株式会社製 商品名:B200−30−50M、MFR:0.5g/10min)のものを使用した。また、ポリエチレン樹脂(PE)は、粒径が20μm(住友精化株式会社製 商品名:フローセンPE−UF−20S、MFR:20g/10min)を使用した。
(接着剤)
接着剤は以下の通りである。
A1: 不飽和カルボン酸によりグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂を含有した接着剤(三井化学株式会社製 商品名:ユニストール)
A2:ハロゲンによりグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂を含有した接着剤(東洋紡株式会社製 商品名:トーヨータック)
A3:5wt%フェノール樹脂接着剤(溶媒:イソプロピルアルコール、フェノール樹脂:リグナイト株式会社製 商品名:LPS−50A)
炭素粉末3及び熱可塑性樹脂粉末3aとの混合割合(体積比)を下記表に示すように、種々に変えて十分に混合して原料粉末混合物4とし、製造例1で説明したと同様にして、カーボン層10を作製した。つまり、炭素粉末3及び熱可塑性樹脂粉末3aが所定の配合比(体積比)にて混合された粉末混合物1.6gをプレス装置100の金型に投入し、プレスして、厚さ0.3mm、縦・横50mm×50mmのカーボン層成形サンプルS10を作製した。つまり、本実験では、粉末混合物をプレス装置100にて加熱温度200℃、圧力10MPaで成形し、その後、10MPaの加圧状態で常温まで冷却してカーボン層成形サンプルS10を得た。
カーボン層10としての上記成形サンプルS10を金属箔20の両面に一体に接合してカーボン複合材成形サンプルSを作製した。
本実験では、上述のようにして製造されたカーボン層成形サンプルS10は、接着剤30Mを介して金属箔20の両面に積層した。なお、該接着剤30Mは、乾燥後の接着剤層30の厚さが設定値となるようにミニコータ(宝泉株式会社製 商品名:MC20model)で塗布した。その後、このカーボン層成形サンプルS10と金属箔20との積層体は、プレス装置100により、加熱温度(T)200℃、成型圧力(P)10MPa、成型時間10分にて加熱加圧され、厚さ略0.6mm、縦・横50mm×50mmのカーボン複合材成形サンプルSを作製した。
各実験例及び各比較例について、圧縮強度、曲げ強度(曲げ歪み)、電気抵抗(接触抵抗)、気密性(ガス不透過性)、接着強度、などを測定して比較したが、圧縮強度、曲げ歪み、接触抵抗、気密性、接着強度の測定方法は、以下の通りである。
・圧縮強度
厚さ10mm以上の鉄板の上に、50mm角の成形サンプルSを試験材として置き、この試験材を直径10mmの鉄芯を用いて大きさの異なる応力(3MPa、5MPa)で押圧し、目視で圧痕の有無を確認した。
○:圧痕が残らない場合
×:圧痕が残る場合
・曲げ強度
50mm角のカーボン複合材成形サンプルSを試験材として、直径30mmの鉄棒に巻き付け、0.67%の曲げ歪み(0.67%歪)での表面の割れを観察した。
○:0.67%で割れ無しの場合
×:0.67%で割れの場合
・接触抵抗
図5に接触抵抗の測定方法を示す。成形サンプルSを、長さ17〜20mm、幅3〜5mmに加工して試験材とした。試験材Sとカーボンペーパ(東レ株式会社:商品名「TGP−H−120」)301とを重ね、これを2つの金メッキ銅製金具302で所定の圧力(1MPa)で挟み込み、2つの金メッキ銅製金具302の間に、試験材S/カーボンペーパ301の接触面積値(単位cm)と同じ値の直流電流(単位A)を流して、金メッキ製金具302/カーボンペーパ301/試験材Sの接続部に生じる電圧降下(単位:mΩ・cm)を測定し、これを接触抵抗とした。
・気密性(ガス不透過性)
ガス不透過性は、水素透過率(mol/msPa)にて判断した。水素透過率は、JIS K7126のA法(差圧法)にて準じて行い、試料調湿:23℃、50%RH*48Hr以上、測定温度:23℃、使用ガス種:水素ガス、の条件下で行った。
・接着強度
図6にカーボン複合材接着剤層30の接着強度の測定方法を示す。カーボン複合材成形サンプルSを幅12mm、長さ12mmに加工して試験材とした。厚さ0.5mm、幅10mm、長さ50mmの短冊状のステンレス(SUS304)製支持板401、401を互いに対向配置して設け、各支持板401の対向した先端部に接着剤402にて試験材Sを接着した。接着面積は、10mm×10mmとした。接着剤402としては、スリーエムジャパン株式会社製のエポキシ樹脂(商品名:EW2020(1液タイプ))を使用した。
更に、各支持板401の試験材Sが接着された面側に、厚さ0.5mm、幅10mm、長さ35mmの短冊状のステンレス(SUS304)製当板403を、本試験では2枚ずつ接着剤にて接着して、試験装置のためのチャック用の把持部を形成した。
上記試験材Sの把持部を、本試験にて引張試験機として使用したインストロン55R1185型万能試験機(最大荷重5kN)のチャックに固定した。チャック間距離は50mmとした。引張速度1mm/minの等速度で引っ張り、試験材Sにおける接着剤層30の最大剪断荷重(MPa)を求めた。
表1〜表7に、本発明の実験例及び比較例にて使用した原料粉の配合割合等、並びに、実験例及び比較例の測定結果、総合評価等を示す。
尚、従来、燃料電池用セパレータに要求される物性値は、次の通りである。
・圧縮強度:3MPa以上
・曲げ強度:0.67%歪で割れが無い
表1〜表7に本発明の実験例及び比較例を示す。これらのカーボン複合材1は(比較例9、比較例17、比較例18を除く)、図1(b)に示す、即ち、金属箔20の両面に、接着剤層30(30a、30b)を介してカーボン層10(10a、10b)が形成された構造である。
表1に、カーボンと樹脂の配合比(体積)が6:4〜9:1の範囲内の場合の実験例と、範囲外の場合の比較例を示す。比較例1のカーボンの配合比が9以上の条件ではバインダーの役割をする樹脂が少な過ぎるために、カーボン同士間や金属とカーボン間の密着性が劣り、そのために、接着強度や曲げ強度、圧縮強度が基準以下になっている。一方、比較例2〜5のように樹脂の比率が5以上になると、カーボン間の接触が少なくなり、その結果、複合材の接触抵抗が20mΩ・cmを超過する結果が得られている。実験例2〜6ではカーボンと樹脂の配合比が7:3〜8:2の場合であり、この範囲ではカーボン同士の接触が維持されているために比較的接触抵抗が低い結果が得られている。また、実験例1は、カーボン比が多いので接触抵抗は低いが、樹脂が少ないためカーボン間のカーボンと金属間の接着が弱く、接着強度は基準を満たしているが小さい結果となっている。実験例7〜9では比較的樹脂が多いため、実験例2〜6と比べると接触抵抗が大きい傾向があるが、10mΩ・cm以下である。また、使用する樹脂がポリプロピレン樹脂(PP)の水準とポリエチレン樹脂(PE)の水準では、接触抵抗、機械特性とも傾向は同じであった。
表2は金属箔の種類を変えたものである。表1をも参照すると、チタン(M1)、チタン合金(M5)、アルミニウム合金(M6)を使った場合のカーボン複合材の接触抵抗はどれも10mΩ・cm以下であった。ステンレススチール(M2、M3、M4)を使ったカーボン複合材の場合も、予めステンレススチールを酸溶液の処理により表面酸化皮膜を除去しているため、接触抵抗は10mΩ・cm以下であった。
表3はカーボン粉末の粒径を変えた場合の結果である。比較例6と比較例7は、それぞれ、カーボン粉末の粒径が4〜200μmより小さい場合と大きい場合である。粒径が小さ過ぎると、過度に充填されるため柔軟性が無くなり曲げ強度が基準を満たさない。一方、粒径が大き過ぎる場合は、充填率が低くなり安定した強度が得られないため、圧縮強度や曲げ強度において、それぞれ基準を満たさない結果となった。実験例1〜9と実験例15〜20から、粒径4〜200μmでは安定的に機械特性の基準を満たす結果が得られるが、特に20〜40μmでは接着強度が3MPa以上を満たす結果となった。
表4は樹脂の流動性(MFR)を変えた場合の結果である。比較例8のように樹脂粒径が250μmと大きく、MFRが0.5g/10minと小さいポリプロピレン樹脂(PP)を使った複合材は、樹脂の流動が小さいために、結果的にカーボン間の接着が弱くなり安定した強度が得られず、圧縮強度や曲げ強度において基準を満たさない結果であった。実験例1〜9、実験例21〜25より、樹脂粒径が4〜200μm、MFRが10〜80g/10minで接触抵抗、機械特性とも基準を満たしていた。特に樹脂粒径が20〜40μm、MFRが20〜60g/10minでは接着強度が3MPa以上であった。
表5は金属箔の厚みを変えた時の結果である。比較例9は、金属箔を有さないカーボン複合材であり、図2(b)に示す構造である。金属箔がなくカーボン層のみの場合、曲げ強度が基準を満たさないだけでなく、ガスが透過し易くなり、結果的に水素透過性が基準を満たさない。一方、0.01mm(10μm)〜0.15mm(150μm)の金属箔を使用した実験例1〜9と実験例26〜30では、曲げ強度、水素透過性とも基準を満たす結果が得られた。
表6は接着剤層厚さを変えた場合の結果である。比較例10のように接着剤層が薄すぎると、カーボンと金属箔の接着が弱く接着強度が低下し、基準を下回る結果となった。比較例11、12のように接着剤層厚みが大きい場合は、カーボンと金属の接触による導通が起きにくくなり、その結果接触抵抗が20mΩ・cmを大きく上回っている。接着剤層厚みが0.1μm〜10μmであれば安定的にカーボンと金属箔間の導通が確保でき、その結果接触抵抗も10mΩ・cm以下であった。なお、これらの特性の傾向はポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレン樹脂(PE)の樹脂に関係なく同じであった。
表7は接着剤の種類を変えた水準である。比較例14〜16は、接着剤としてフェノール樹脂を使用した場合で、接着性が弱いために接着強度、曲げ強度、接触抵抗とも基準を下回る結果であった。比較例17〜18では接着剤を使用していないので、接着強度、曲げ強度が基準を満たさないだけでなく、カーボンと金属箔の接触が維持されないために接触抵抗が20mΩ・cmを大きく超過している。一方、実験例36〜45は、ハロゲン基の官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂接着剤を使った場合で、実験例1〜9のカルボキシル基の官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂接着剤と同様、接着剤層厚さが0.1〜10μmであれば機械物性、接触抵抗とも基準内に収まる結果となっている。なお、比較例13ではハロゲン基の官能基を持つ変性ポリオレフィン樹脂接着剤でも、接着剤層厚みが10μmより大きいと、カーボンと金属箔の接触が保持されず、接触抵抗が基準値を上回る結果が得られている。なお、接着剤層厚みと特性の傾向はポリプロピレン樹脂(PP)とポリエチレン樹脂(PE)では共通であった。
Figure 2016110724
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1 固体高分子型燃料電池用セパレータ
2 炭素粉末
3 熱可塑性樹脂
3a 熱可塑性樹脂粉末
4 粉末混合物
10、10a、10b カーボン層
20 金属箔
30、30a、30b 接着剤層
30M 接着剤

Claims (16)

  1. 厚さが10〜150μmとされる金属箔の少なくとも片面に、炭素粉末と熱可塑性樹脂からなるカーボン層を形成してなるカーボン複合材であって、
    前記金属箔と前記カーボン層の間に前記金属箔と前記カーボン層を接着剤にて接着した接着剤層があり、前記接着剤は、官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤であり、前記変性ポリオレフィン樹脂はカルボキシル基若しくはその誘導体、又は、ハロゲン基を含んでおり、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂であり、
    前記カーボン層は、前記炭素粉末と、流動性(MFR)が10〜80g/10minである前記熱可塑性樹脂の粉末とを、体積比で炭素粉末:熱可塑性樹脂粉末=6:4〜9:1にて配合した粉末混合物をホットプレスして厚さが0.05〜2.0mmとされ、
    圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下であることを特徴とするPEFC用カーボン複合材。
  2. 前記炭素粉末は平均粒径が4〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂粉末は平均粒径が4〜200μmとされることを特徴とする請求項1に記載のPEFC用カーボン複合材。
  3. 前記接着剤層の厚さは0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のPEFC用カーボン複合材。
  4. 前記炭素粉末が前記接着剤層を貫通して前記金属箔と接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材。
  5. 前記炭素粉末は、
    (1)天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末若しくは膨張黒鉛粉末であるか、又は、
    (2)天然黒鉛粉末若しくは人造黒鉛粉末と、膨張黒鉛粉末とを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材。
  6. 前記金属箔は、ステンレススチール、チタン、チタン合金、又は、アルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材。
  7. 金属箔の少なくとも片面に炭素粉末と熱可塑性樹脂からなるカーボン層を形成してなるPEFC用カーボン複合材の製造方法であって、
    (a)前記炭素粉末と前記熱可塑性樹脂の粉末とを混合した粉末混合物をホットプレスして前記カーボン層を形成する工程、
    (b)前記金属箔の少なくとも片面に接着剤を塗布し、前記接着剤が塗布された前記金属箔の面に前記カーボン層を積層し、ホットプレスして前記金属箔と前記カーボン層の積層体を形成する工程、
    (c)前記積層体をホットプレスして前記積層体の前記カーボン層に溝を成形する工程、
    を有することを特徴とするPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  8. 前記工程(b)と前記工程(c)は、一つのホットプレス工程にて同時に行うことを特徴とする請求項7に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  9. 前記接着剤は、官能基をポリオレフィン樹脂に導入した変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤であり、前記変性ポリオレフィン樹脂はカルボキシル基若しくはその誘導体、又は、ハロゲン基を含んでおり、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂である、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  10. 前記金属箔の厚さは10〜150μmであり、
    前記カーボン層は、前記炭素粉末と、流動性(MFR)が10〜80g/10minである前記熱可塑性樹脂の粉末とを、体積比で炭素粉末:熱可塑性樹脂粉末=6:4〜9:1にて配合した粉末混合物をホットプレスして厚さが0.05〜2.0mmとされる、
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  11. 前記炭素粉末は平均粒径が4〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂粉末は平均粒径が4〜200μmであることを特徴とする請求項7〜10のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  12. 前記接着剤層の厚さは0.1〜10μmであることを特徴とする請求項7〜11のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  13. 前記炭素粉末が前記接着剤層を貫通して前記金属箔と接触していることを特徴とする請求項7〜12のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  14. 前記炭素粉末は、
    (1)天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末若しくは膨張黒鉛粉末であるか、又は、
    (2)天然黒鉛粉末若しくは人造黒鉛粉末と、膨張黒鉛粉末とを含む、
    ことを特徴とする請求項7〜13のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  15. 前記金属箔は、ステンレススチール、チタン、チタン合金、又は、アルミニウム合金であることを特徴とする請求項7〜14のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
  16. 前記カーボン複合材は、圧縮強度が3MPa以上であり、曲げ歪が0.67%以上で割れが無く、接触抵抗が20mΩ・cm以下であることを特徴とする請求項7〜15のいずれかの項に記載のPEFC用カーボン複合材の製造方法。
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