JP2016109962A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触式温度センサ78と定着ベルト73平坦部との距離を精度良く保ち、高精度の温度検知により安定したベルト温度の制御を行う。【解決手段】定着パッド74から加熱ローラ71に移動する定着ベルト73の外周面に、定着ベルト73を清掃する清掃部材77を接触させる。清掃部材78を保持する保持部材79に非接触式温度センサ78を取り付ける。非接触式温度センサ78で定着ベルトの温度を検知してベルト温度の制御を行う。【選択図】図2A

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置で使用される定着装置は、モータで回転駆動される加圧ローラ、熱源を内蔵した加熱ローラ、加圧ローラに対向して配設されたニップ形成部材としての定着パッド又は定着ローラ、加熱ローラとニップ形成部材との間に周回可能に掛け回された定着ベルトを有する。
定着ベルトや加熱ローラの温度は温度センサで制御される。この温度センサは接触式と非接触式がある。接触式は低コストであるが、接触により被検知部を傷つけて寿命を短縮したり、定着ベルトに付着したトナーを介して温度検知すると実際のベルト温度との間にズレが生じたりする等の不具合がある。非接触式は被検知部を傷つけないので長寿命化が可能である反面、被検知部との距離を一定にしないと測定誤差が出るという欠点がある。特許文献1(特開2010−85968号公報)の定着装置では、定着ベルトの温度を非接触式温度センサで検知するようにしている(図4)。
特許文献1(特開2010−85968号公報)の定着装置は、加熱ローラの外周側に非接触式温度センサを配置している。加熱ローラの回転軸は定着装置のフレームに位置固定されているので、加熱ローラと非接触式温度センサとの間の距離を一定にしやすい。しかし、加熱ローラに掛け回された定着ベルトは円弧状になっており、当該円弧状部分が被検知部になるため検出精度を上げることが難しい。
一方、加熱ローラとニップ形成部材との間にある定着ベルトの平坦部を被検知部にすれば高い検出精度を得ることができるが、定着ベルトの平坦部はテンション付与ローラや清掃部材としての清掃ローラが所定圧で当接しているので、ニップ形成部材を加圧ローラに対して移動可能に構成した場合は、ニップ形成部材の移動に伴って定着ベルトの平坦部高さが変化する。そうすると非接触式温度センサと被検知部との間の距離が変化し、検出誤差が発生する。
本発明の目的は、非接触式温度センサと、被検知部としての定着ベルト平坦部との距離を、精度良く保つことができ、高精度の温度検知により安定したベルト温度の制御を行うことができる、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、加圧ローラと、前記加圧ローラと対向して配設されたニップ形成部材と、熱源により加熱される加熱ローラと、前記ニップ形成部材と前記加熱ローラとの間に掛け回された定着ベルトと、前記ニップ形成部材から前記加熱ローラに移動する前記定着ベルトの外周面に接触することで前記定着ベルトを清掃する清掃部材と、前記定着ベルトの温度を検知する非接触式温度センサとを有する定着装置において、前記清掃部材を保持する保持部材に前記非接触式温度センサを取り付けたことを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、定着ベルトの外周面に接触する清掃部材を保持する保持部材に非接触式温度センサを取り付けたので、定着ベルトの伸縮等で定着ベルトの位置が変化しても、非接触式温度センサと定着ベルトとの距離を、精度良く保つことができ、高精度の温度検知により安定したベルト温度の制御を行うことができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略断面図である。 非接触式温度センサの斜視図である。 定着装置及び端部支持板の斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能又は形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
(画像形成装置)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的な電子写真方式のカラープリンタである。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。
画像形成装置1の装置本体の中央には、画像形成部としての4つのプロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkが配置されている。各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkは、潜像担持体としての感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段としての帯電装置と、感光体の表面に現像剤を供給する現像手段としての現像装置と、感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置等を備える。
現像剤としては、例えば、外添剤としてオイル含有シリカを含むトナーを用いることができる。当該トナーは、粉砕トナー又は重合トナーのどちらでもよい。実施形態では、トナー100部に対して、疎水シリカRY50(アエロジル製)を2部添加し、20Lヘンシェルミキサーで周速40m/sec、5分間の混合処理を行なったものを使用する。その後、当該混合物を目開き75ミクロンの篩にかけることで現像剤トナーを得た。
また、各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkは、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能に構成されている。本実施形態では、図1の一点鎖線で示すように、装置本体の上部カバー3を上方へ回動させて開くことで、各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkを上方へ取り外したり、反対に上方から取り付けたりすることができるようになっている。
各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkの上方には、感光体の表面を露光する露光装置4が配置されている。露光装置4は、上部カバー3に取り付けられており、上部カバー3を開くと、上部カバー3と一緒にプロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkの上方付近から退避する。このように構成することで、露光装置4がプロセスユニット着脱作業の妨げにならないようにしている。
さらに、画像形成装置1は、転写材としての用紙を供給する転写材供給手段としての給紙装置5と、作像動作により形成された画像を用紙に転写する転写手段としての転写装置6を備える。また、画像形成装置1は、用紙上に画像を定着する定着手段としての定着装置7と、画像を装置外に排出する転写材排出手段としての排紙ローラ8を備える。
転写装置6は、無端状の中間転写ベルト9と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ10と、二次転写手段としての二次転写ローラ11等で構成されている。4つの一次転写ローラ10は、中間転写ベルト9を介して各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkの感光体に接触している。これにより、中間転写ベルト9と各感光体との接触部にて一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ11は、中間転写ベルト9を掛け渡すローラの1つに対して中間転写ベルト9を介して接触し、当該接触部に二次転写ニップが形成されている。
また、本実施形態では、二次転写ローラ11が、開閉可能な正面カバー12に取り付けられている。このため、図1の一点鎖線で示すように、正面カバー12を前方へ回動させて開くと、これに伴って二次転写ローラ11が中間転写ベルト9から離間する。このように構成することで、二次転写ニップにおける紙詰まり処理が行いやすくなる。
続いて作像動作について説明する。作像動作が開始されると、各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkにて各色の画像が形成される。詳しくは、各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkにおいて、感光体が回転駆動され、帯電装置によって感光体の表面が所定の極性に一様に帯電される。
次いで、露光装置4によって、感光体の表面が露光され、静電潜像が形成される。このとき、露光装置4が露光する画像情報は、所望のフルカラー画像を、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。そして、現像装置によって、各感光体上の静電潜像にトナーが供給され、静電潜像がトナー画像として現像(可視像化)される。
各感光体上に形成されたトナー画像は、一次転写ニップにて中間転写ベルト9上に順次重ね合わせて転写される。中間転写ベルト9に転写しきれなかった各感光体上のトナーは、クリーニング装置によって除去される。その後、中間転写ベルト9上のトナー画像は、二次転写ニップにて、給紙装置5から供給されてきた用紙に対して一括して転写される。そして、二次転写ニップを通過した用紙は定着装置7へと搬送され、用紙上のトナー画像が定着装置7によって定着される。その後、用紙は、排紙ローラ8によって装置外へ排出される。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作である。しかし、前記画像形成装置はフルカラー画像以外も形成可能である。例えば4つのプロセスユニット2Y、2M、2C、2Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
(定着装置)
以下、本発明の定着装置7の実施形態を図2A〜図4に基いて説明する。実施形態に係る定着装置7はパッド定着方式である。この定着装置7の特徴は、定着ベルト73に接触することで定着ベルト73を清掃する清掃部材77を有し、当該清掃部材77を保持する保持部材79に非接触式温度センサ78を配置したことである。これにより、定着ベルトの伸縮等で定着ベルト73の位置が変化した場合でも、非接触式温度センサ78と定着ベルト73との距離を精度良く保つことができる。
以下、定着装置7の構成について説明する。定着装置7は本体に対して着脱可能とされている。定着装置7は、定着装置7の軸方向におけるニップ幅を均一にするため、駆動源に連結された加圧ローラ76の軸芯を位置固定する。一方、定着パッド74を加圧ローラ76に対して接近離反可能に構成し、付勢手段の力で定着パッド74を加圧ローラ76に押し込むことで所定幅の定着ニップNを形成する。
定着装置7は、ハロゲンヒータ等の熱源72を内蔵した加熱ローラ71、定着パッド74、定着パッド74が取り付けられる補強ステー75、加熱ローラ71と定着パッド74との間に周回可能に掛け回された定着ベルト73を有する。また、定着装置7は、定着パッド74と対向して配設された加圧ローラ76、加熱ローラ71と補強ステー75を支持する図4の端部支持板621を有する。
加熱ローラ71と定着パッド74の間の定着ベルト73の上方に、ローラの形態の清掃部材77をフリー回転可能に保持する保持部材79が配設されている。保持部材79の下面に、定着ベルト73の温度を検知する非接触式温度センサ78が固定されている。そして定着ベルト73の温度が高くなりすぎると当該温度センサ78がこれを検知して熱源72の電力を遮断するようになっている。
非接触式温度センサ78は清掃部材77の下流側に配置されている。したがって、非接触式温度センサ78は清掃部材77と加熱ローラ71との間にある定着ベルト73の平坦部を検知する。これにより、非接触式温度センサ78は清掃部材77による温度変化の影響を受けた後の定着ベルト73の温度を検知することができる。当該検知後は加熱ローラ71に至るまで定着ベルト73に接触する物がないので、定着ベルト73の温度変動要因を無くし、定着ベルトの温度を精度良く制御することができる。
非接触式温度センサ78は、例えば赤外線センサに属するサーモパイル素子を使用したもので、図3に示すような形状で構成される。座板78a上に赤外線を吸収するサーモパイル素子を取り付け、当該素子をキャンケース78bで覆っている。座板78aからサーモパイル素子の複数の端子78cが延びている。キャンケース78bは円形の受光窓78dを有し、その受光窓78dを窓部材78eで塞いでいる。窓部材78eはシリコンウェハなど赤外線を透過する部材で構成され、受光窓78dに対応する表面部分が検知面とされている。
前記保持部材79は、図2Bのように上下動可能に構成し、押圧部材80によって定着ベルト73側に押圧される構成が望ましい。これによって、清掃部材77が確実に定着ベルト73に当接することになり、非接触式温度センサ78と定着ベルト73との間の距離のばらつきが少なくなり、精度良く定着ベルト73の温度検知ができ、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。
また保持部材79は、図2Cのように、非接触式温度センサの取付面に傾斜面79aを設けるのが望ましい。すなわち、清掃部材77が定着ベルト73に接触すると定着ベルト73が少したわむので、非接触式温度センサ78と定着ベルト73との位置関係がズレる。これを補正するため、非接触式温度センサ78の検知面(窓部材78eの表面)が当該たわみ後の定着ベルト73の傾斜方向と平行になるように、予め保持部材79に傾斜面79aを設けるのである。
これにより、定着ベルト73の被検知部に対して非接触式温度センサ78の検知面が一定距離で平行に正対するので、精度良く定着ベルト73の温度検知ができ、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。なお、図2Cにおいても図2Bと同様に押圧部材80を用いることで、定着ベルト73と清掃部材77が確実に接触することから、さらに精度良く定着ベルト73の温度検知ができ、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。
また保持部材79は、図2Dのように、前記傾斜面79aに代えて、非接触式温度センサ78の定着ベルトに対する角度が可変となる調整部材81を設けてもよい。すなわち、清掃部材77が定着ベルト73に接触することによる定着ベルト73のたわみに対応して、調整部材81を調整することにより、非接触式温度センサ78の姿勢(検知面の向き)を、当該たわみで傾斜した定着ベルト73の平坦部方向に、より近づけて沿わせるのである。
調整部材81は調整ねじ81aと弾性部材81bから成り、それぞれが非接触式温度センサ78に対して定着ベルト73の上流側と下流側に一組ずつ設けられる。これにより、非接触式温度センサ78を定着ベルト73の搬送方向に対して傾けることができ、より精度良く定着ベルト73の温度検知ができ、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。なお、図2Dにおいても図2Bと同様に押圧部材80を用いることで、定着ベルト73と清掃部材77が確実に接触することから、さらに精度良く定着ベルト73の温度検知ができ、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。
前記弾性部材81bは圧縮コイルばねや板ばねであることが望ましい。なお、弾性部材81bは、シムのような剛性部材を使用することも可能であるが、剛性部材では厚さの調整が煩雑になるので、無段階に調整できる弾性部材の方が望ましい。
定着パッド74が、定着ベルト73を介して、加圧ローラ76との間で定着ニップNを形成する。加熱ローラ71の熱が定着ベルト73に伝達し、図2の定着ニップNに対して下側から上向きに導入された転写材Pのトナー像Tを、定着ベルト73の熱で溶融し、定着する。定着ニップNの上流側には搬送ガイドが配置され、また定着ニップNの下流側には分離手段と搬送ガイドが配置されている。
加熱ローラ71の回転軸と、加圧ローラ76の回転軸は、定着装置7に配設された支持体に位置固定で支持されている。加熱ローラ71の回転軸は図4のように支持体である端部支持板621の円形穴6211に支持され、加圧ローラ76の回転軸は支持体である別の支持板の軸受に支持されている。加熱ローラ71と加圧ローラ76は、それぞれ、画像形成装置に設けられた駆動源としての別々のモータにギヤ列などを介して連結されている。
定着ベルト73は、基本的に、駆動源により回転する加圧ローラ76の作用で連れ回り回転するが、加熱ローラ71の回転によっても駆動される。すなわち、定着ニップNで加圧ローラ76の駆動力が定着ベルト73に伝達されることによって定着ベルト73が連れ回り回転し、定着ニップNと反対側で定着ベルト73が加熱ローラ71の回転によっても補助的に駆動される。
(端部支持板について)
図4は、定着装置7の加熱ローラ71と補強ステー75の両端を支持する支持部材としての端部支持板621の構成を示す図である。端部支持板621は摺動性と耐熱性がある樹脂等により矩形板状に形成されている。
本実施形態では端部支持板621の材料を、定着ベルト73への攻撃性が小さいPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)としている。端部支持板621の材料は、この他にも、耐熱性を有し摺動性に優れる樹脂である液晶ポリマーやPPS(ポリフェニレンスルフィド)、PAI(ポリアミドイミド)等でも構わない。また、端部支持板621の材料を、耐熱性フッ素樹脂としてもよい。これにより、耐熱性と摺動性を両立でき、定着ベルト73の長寿命化が可能になる。
端部支持板621は円形穴6211と矩形穴6212を横並びで有する。円形穴6211は加熱ローラ71の回転軸の端部を回転可能に支持する軸穴である。矩形穴6212は補強ステー75の端部を支持するステー支持穴である。
端部支持板621の上下両端縁には、凹溝6214と凹溝6215が形成されている。これら凹溝6214、6215は、定着装置7の板状フレームに端部支持板621を取り付けるためのものである。すなわち、板状フレームに形成された横向きの切欠き部の上下の縁に、端部支持板621の凹溝6214、6215が水平方向から係合可能とされている。
端部支持板621は同一形状のものが左右一対で互いに平行に配設されている。したがって、円形穴6211とステー支持穴6212を左右対称配置とすることができ、加熱ローラ71と定着パッド74の正確な平行出しが可能である。当該加熱ローラ71と定着パッド74の正確な平行出しにより、蛇行の原因となるベルト張力の左右偏差が防止され、定着ベルト73の難蛇行性により当該定着ベルトの長寿命化が可能になる。
ステー支持穴6212は、補強ステー75を図4で左右方向に摺動可能に支持することで、定着ベルト73に所定の張力を付与することができる。ステー支持穴6212の横幅は、補強ステー75よりもやや幅広に形成し、補強ステー75を図4で右方向に付勢するばね等の付勢手段を配設する。
一対の端部支持板621の互いに対向する対向面は、蛇行規制部としての平面状の蛇行規制面6213とされている。この蛇行規制面6213は端部支持板621の片面全面に形成され、定着ベルト73の左右両側縁の周方向全体が蛇行規制面6213に当接可能とされている。
本実施形態では加熱ローラ71と補強ステー75の支持部材である端部支持板621に蛇行規制面6213を形成しているので、定着装置7の小型低コスト化を図ることができる。なお、蛇行規制面6213は必ずしも端部支持板621の片面全面に形成する必要はない。定着パッド74とは反対側の少なくとも円形穴6211の回りなどの必要領域にのみ形成してもよい。これにより蛇行規制面6213と定着ベルト73との間の摩擦を低減することができる。
本実施形態では、定着ベルト73の両端部全周の側方に端部支持板621が位置するため、定着ベルト73の両端部全周が端部支持板621によって幅方向に規制される。すなわち、定着ベルト73が図4で矢印C方向に蛇行した場合、最大で定着ベルト73の一端全周縁が端部支持板621の蛇行規制面6213に当接して位置規制される。
(加熱ローラについて)
加熱ローラ71は中空円筒状に構成されている。当該加熱ローラ71は、アルミ、鉄、ステンレスなどの金属製パイプ材を加工して製作する。実施形態では所定径の鉄のパイプ材を所定長に切断して加熱ローラ71とする。
加熱ローラ71の内部の熱源72は、ハロゲンヒータの他に、加熱ローラ71との空隙が小さく、加熱ローラ71端部もほとんどスキマがない構造であれば、抵抗発熱体やカーボンヒータを使用可能である。また熱源72として電磁誘導加熱等も可能である。実施形態では550wのハロゲンヒータを用いた。
本実施形態の加熱ローラ71は、加熱手段の見かけ直径より内径が1mm大きい円筒形としている。加熱ローラ71の内面は、ハロゲンヒータなどからの輻射熱を吸収しやすくするために黒色塗装が施されている。
定着ベルト73の内面には、定着パッド74との摩擦軽減のために、シリコーンオイルやフッ素グリースなどを潤滑剤が塗布されている。このため、加熱ローラ71と定着ベルト73との間に潤滑剤が介在している場合がある。
加熱ローラ71は積極的に回転することで定着ベルト73の搬送を補助する目的もあるので、加熱ローラ71の駆動力を定着ベルト73にロスなく伝達するために、加熱ローラ71の表面を少し粗して(例えば表面粗さRa10以下)、潤滑剤を保持しやすくしてもよい。加熱ローラ71の表面を粗らす方法としては、サンドブラストのように物理的に粗らす方法や、エッチングのように化学的に粗らす方法、あるいは、小径ビーズを混ぜた塗料を塗布する方法などあるが、何れの方法も採用することができる。
(定着パッドについて)
定着パッド74は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性体、又は耐熱性の樹脂、金属から構成することができる。定着パッド74は、矩形断面で棒状の補強ステー75に支持されている。当該補強ステー75が、スプリングなどにより加圧ローラ76に対して接近する方向に付勢されることで、定着パッド74が加圧ローラ76に対して押圧されている。
補強ステー75の両端部には、レバー等の操作部材を連結することができ、当該操作部材により、補強ステー75を前後動(図2Aで左右動)させることができる。当該前後動により、加圧ローラ76に対する定着パッド74の押圧と押圧解除を切り替えることができる。定着パッド74の押圧解除を、少なくともジャム処理時に可能とすることで、ジャムが発生した際、転写材Pを容易に取り除くことが可能になる。
(定着ベルトについて)
定着ベルト73の基材は、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの樹脂材料を用いることが出来る。実施形態ではポリイミドを用いた。定着ベルト73は無端状のベルト又はフィルムとする。定着ベルト73の表層はPFA樹脂層またはPTFE樹脂などの離型層を有し、転写材P上のトナーが付着しないように離型性を持たせている。定着ベルト73のポリイミド基材の裏面粗さ(加熱ローラ71と接触する面の粗さ)はRa5以下とする。定着ベルト73の内面にはシリコ−ンオイル又はグリースを塗布する。
また、定着ベルト73の基材とPFA樹脂層(またはPTFE樹脂)との間には、シリコーンゴム層などの弾性層を形成するようにしてもよい。実施形態では180μm厚みの弾性材76aと最表層に20μm厚みのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを被覆した。
シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、昇温性が向上するが、未定着トナー画像を均一に押し潰すことが出来ず、定着の際に紙の表面の微妙な凹凸に応じた画像が残るという不具合が生じる。これを改善するには、シリコーンゴム層を100μm以上設ける必要がある。シリコーンゴム層の変形により、微妙な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
(加圧ローラについて)
加圧ローラ76は、中空又は中実の金属ローラで構成されている。当該加圧ローラ76は、アルミ、鉄、ステンレスなどの金属製パイプ材又は中実棒材を加工して製作する。実施形態では所定径の鉄のパイプ材を所定長に切断して加圧ローラ76とする。
加圧ローラ76の周面に、定着ニップNの幅や圧力等を確保するため、熱的に安定な弾性材76aが設けられている。当該弾性材76aの外表面に、転写材Pの離型性を得るために、離型層(PFA樹脂層またはPTFE樹脂層)を設けることができる。実施形態では、加圧ローラ76の弾性材76aの厚みを6mmとした。
前記弾性材76aは、例えばシリコーンゴム、ソリッドゴム又は発泡状のスポンジゴムで構成することができる。スポンジゴムを用いると断熱性が高まり、定着ベルトの熱が加圧ローラ76の芯金に伝導し難くなる。定着ベルト73の熱が芯金に伝導し難くなると、定着ベルト73の温度制御の正確性が高まるため望ましい。
加圧ローラ76の弾性材76aに向けて、前述したようにスプリングなどの付勢手段で付勢された定着パッド74が圧着されているので、加圧ローラ76の弾性材76aに定着パッド74が食い込む形で弾性材76aが押し潰されて変形する。これにより、定着ニップNにおいて所定のニップ幅が形成される。当該ニップ幅は例えば5mmとすることができる。また、加圧ローラ76の内部にハロゲンヒータなどの熱源を設けてもよい。実施形態ではハロゲンヒータは加熱ローラ71の内部のみである。
(非接触式温度センサの作動について)
従来の定着装置においては、加熱ローラ71と、ニップ形成部材である定着パッド74の位置を定着装置7のフレーム等で位置決めして加圧ローラ76を可動にする方式が一般的である。この方式の場合は定着ベルト73の位置は殆ど変動することが無いので、定着ベルト73の温度を検知する際には非接触式温度センサ78をフレームに設けても定着ベルト73の温度を精度良く検知することができる。
しかし、加圧ローラ76側がフレームに位置決めされ、定着パッド74(及び加熱ローラ71)が可動に配設される定着装置の場合、フレームから見た定着パッド74(及び加熱ローラ71)の位置が変動することによって、非接触式温度センサ78から見た定着ベルト73の位置が変わってしまうことになる。このような定着装置では、フレームに非接触式温度センサ78を設けても定着ベルト73との距離が一定ではないので検知結果にばらつきが生じやすく、定着ベルト73の温度を精度良く制御することができない。
実施形態では、非接触式温度センサ78を定着ベルト73と常に接触する清掃部材77を保持する保持部材79に設けることで、加熱ローラ71と定着パッド74の位置が変動して定着ベルト73の高さ位置が変動しても、非接触式温度センサ78と定着ベルト73の相対距離は一定で変わらないので、検知温度のばらつきが生じることが無く、精度良く定着ベルト73の温度を制御することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、清掃部材77は必ずしもローラの形態である必要はなく、例えば定着ベルト73に面接触する清掃ウェブや清掃パッド等を使用してもよい。また非接触式温度センサは赤外線センサのサーモパイル素子に限らず、非接触型サーミスタ等を使用してもよい。また図2Aのニップ形成部材としての定着パッド74に代えて、加熱ローラと同様に回転可能な定着ローラを使用しても良い。また加圧ローラ76に代えて、摺動性を持たせたパッド形状の加圧部材を使用しても良い。
1:画像形成装置 2Y、2M、2C、2Bk:プロセスユニット
3:上部カバー 4:露光装置
5:給紙装置 6:転写装置
7:定着装置 8:排紙ローラ
9:中間転写ベルト 10:一次転写ローラ
11:二次転写ローラ 12:正面カバー
71:加熱ローラ 72:熱源
73:定着ベルト 74:定着パッド
75:補強ステー 76:加圧ローラ
76a:弾性材 77:清掃部材
78:非接触式温度センサ 78a:座板
78b:キャンケース 78c:端子
78d:受光窓 78e:窓部材
79:保持部材 79a:傾斜面
80:押圧部材 81:調整部材
81a:調整ねじ 81b:弾性部材
621:端部支持板 6211:円形穴
6212:矩形穴(ステー支持穴) 6213:蛇行規制面
6214:凹溝 6215:凹溝
N:定着ニップ P:転写材
T:トナー像
特開2010−85968号公報

Claims (7)

  1. 加圧ローラと、前記加圧ローラと対向して配設されたニップ形成部材と、熱源により加熱される加熱ローラと、前記ニップ形成部材と前記加熱ローラとの間に掛け回された定着ベルトと、前記ニップ形成部材から前記加熱ローラに移動する前記定着ベルトの外周面に接触することで前記定着ベルトを清掃する清掃部材と、前記定着ベルトの温度を検知する非接触式温度センサとを有する定着装置において、
    前記清掃部材を保持する保持部材に前記非接触式温度センサを取り付けたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記非接触式温度センサは、前記清掃部材と前記加熱ローラとの間にある前記定着ベルトの平坦部を検知することを特徴とする請求項1の定着装置。
  3. 前記保持部材が押圧部材によって前記定着ベルト側に押圧されることで前記清掃部材が前記定着ベルトに押圧されることを特徴とする請求項1又は2の定着装置。
  4. 前記清掃部材が前記定着ベルトの外周面に接触した状態において、前記非接触式温度センサの検知面が前記定着ベルトに対して平行になることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の画像形成装置
  5. 前記非接触式温度センサと前記保持部材の間には、前記温度検知部材が前記定着ベルトに対して角度が可変となる調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の定着装置
  6. 請求項1から5のいずれか1項の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置に用いるトナーはオイル含有シリカを外添剤に含むことを特徴とする請求項6の画像形成装置。
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