JP2016109821A - カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】着脱時の現像剤漏れ及び現像剤搬送経路内の圧力変動による現像剤漏れの両方に対応可能であって、もって装置本体内の汚損を低減できるカートリッジの提供。【解決手段】現像装置30Yの現像剤受入口301の近傍に収容部302を設けた。収容部302は、収容容器304の外壁との間で空間310を形成する壁部302aを有する。壁部302aは、現像剤搬送経路の内圧が高くなった場合に生じる現像剤搬送経路の内から外への空気の流れを遮断し空間310側に向けるため、連結部100から漏れた現像剤は装置本体内に広範囲に広がらずに収容部302に収容される。収容部302は、接続部301aが現像剤補給口62から分離する方向の上流側に少なくとも設けられ、現像装置30Yの離間方向への移動の際に現像剤が漏れたとしても、漏れた現像剤を収容できる。このようにして、漏れた現像剤が拡散して装置本体内を汚損するのを低減することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式を採用した画像形成装置に着脱自在に取り付け可能なカートリッジ、及びこれを備える画像形成装置に関する。
従来から、感光ドラムに形成された静電像を例えばトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤と記す)を用いてトナー像に現像する現像装置と、前記現像装置に現像剤を補給するトナー補給装置を搭載した画像形成装置が知られている。画像形成装置では、現像剤が搬送される現像剤搬送経路内の圧力変動により、トナー補給装置と現像装置との間の連結部から現像剤が漏れないようにしたものが提案されている(特許文献1)。
また、画像形成装置には、中間転写ベルト等から除去された転写残トナーや現像装置で余剰となった余剰トナーなどの廃トナーを装置本体外に廃棄するために、廃トナーを収容する廃トナーボックスが装置本体内に交換可能に設けられている。廃トナーボックスは廃トナー搬送経路に着脱可能に接続され、廃トナーは廃トナー搬送経路を搬送されて廃トナーボックスへと排出される。この廃トナーボックスを装置本体から離脱させる際に、廃トナーボックスと廃トナー搬送経路との連結部の下方に受け皿を進出させて、この受け皿に連結部から漏れた廃トナーを受け止めさせるものが提案されている(特許文献2)。
特開2008−46233号公報 特開2013−182134号公報
ところで、画像形成装置では、例えば現像装置が単独でもしくは他の画像形成構成部(例えば感光ドラム等)と一体化された現像カートリッジなどとして、装置本体に着脱可能に構成される場合がある。現像カートリッジは装置本体に取り付けられると、現像カートリッジの現像剤受入口がトナー補給装置の現像剤補給口と連通するようにしてトナー補給装置に連結される。そして、現像カートリッジの挿抜動作に伴って現像剤補給口を開閉可能なシャッタがトナー補給装置に設けられている。しかしながら、現像カートリッジの着脱時には、現像剤補給口と現像剤受入口との連結部から現像剤が漏れることがあった。
そこで、現像カートリッジの場合にも、特許文献2に開示されているような受け皿を、現像剤補給口と現像剤受入口との連結部の下方に配置することが考えられる。しかし、実際にはスペースなどの観点から、連結部の下方に受け皿を配置するのが難しい。また、例え受け皿を連結部下方に配置することができたとしても、連結部から受け皿までの間隔が広く、連結部から漏れた現像剤が受け皿に到達するまでに装置本体内に拡散する可能性が高い。さらに、受け皿は常時に連結部の下方に位置しているわけではないので、現像剤搬送経路内の圧力変動による連結部からの現像剤漏れに対応できない。こうしたことは、現像カートリッジの場合に限らずに廃トナーボックスの場合にも同様に起こり得る。
このように、着脱時の現像剤漏れ及び現像剤搬送経路内の圧力変動による現像剤漏れの両方に対応可能であり、もって連結部から漏れた現像剤による装置本体内の汚損を低減し得るカートリッジは未だ提案されていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、連結部から漏れ得る現像剤が拡散することによる装置本体内の汚損を低減することができるカートリッジ、及びそれを備えた画像形成装置の提供を目的とする。
本発明に係るカートリッジは、画像形成装置の装置本体の所定位置に装着及び離脱可能なカートリッジであって、装着時に前記装置本体の現像剤が排出される排出部に接続され、離脱時に前記排出部から分離される接続部を有し、装着時には前記接続部を介して前記装置本体から現像剤を受け入れて収容可能な収容容器と、前記接続部の少なくとも下方の一部を囲んで配置され、前記収容容器の外壁との間で前記接続部から漏れた現像剤を収容可能な空間を形成する収容部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、装置本体に設けられ、補給用の現像剤が排出される排出部を有する現像剤補給手段と、前記装置本体の所定位置に装着及び離脱可能に設けられ、装着時に前記排出部に接続され、離脱時に前記排出部から分離される接続部を有し、装着時には前記接続部を介して前記現像剤補給手段から現像剤を受け入れて収容可能な収容容器と、前記収容容器内の現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記接続部の少なくとも下方の一部を囲んで配置され、前記収容容器の外壁との間で前記接続部から漏れた現像剤を収容可能な空間を形成する収容部とを備えるカートリッジと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、排出部と接続部との間から現像剤が漏れたとしても、漏れた現像剤は接続部を囲んで配置された収容部に収容されるので、漏れた現像剤が拡散することによる装置本体内の汚損を低減することができる。
画像形成装置の構成を示す概略図。 トナー補給装置を示す斜視図。 画像形成部を示す斜視図。 画像形成部の一部を拡大して示す斜視図。 第1実施形態のカートリッジを示す斜視図。 収容部を説明する図であり、(a)はカートリッジが着状態である場合を示す断面図、(b)は収容部の一部を拡大して示す模式図。 カートリッジが脱状態である場合を示す断面図。 カートリッジが着状態から脱状態への動作中である場合を示す断面図。 第2実施形態のカートリッジを示す断面図。 第3実施形態のカートリッジを示す模式図。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、画像形成装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1に示す画像形成装置1は、中間転写ベルト24に沿って画像形成部UY、UM、UC、UKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
[画像形成部]
画像形成部UYでは、感光ドラム20Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。画像形成部UMでは、感光ドラム20Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。画像形成部UC、UKでは、それぞれ感光ドラム20C、20Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト24に転写される。中間転写ベルト24に転写された四色のトナー像は二次転写部T2へ搬送され、用紙搬送経路60上を搬送される記録材P(用紙、OHPシートなどのシート材など)へ一括二次転写される。
画像形成部UY、UM、UC、UKは、現像装置30Y、30M、30C、30Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。そこで、以下では、代表としてイエローの画像形成部UYについて説明し、その他の画像形成部UM、UC、UKについては、説明中の符号末尾のYを、M、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部UYは、像担持体としての感光ドラム20Yを囲んで、一次帯電器21Y、露光装置22Y、現像装置30Y、一次転写帯電器23Y、ドラムクリーニング装置26Yを配置している。感光ドラム20Yは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層が形成されており、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
一次帯電器21Yは例えばローラ状に形成された帯電ローラなどであり、帯電バイアス電圧が印加されて感光ドラム20Yに接触することで、感光ドラム20Yを一様な負極性の暗部電位に帯電させる。露光装置22Yは、各色の分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームをレーザー発光素子から発生し、これを回転ミラーで走査して帯電させた感光ドラム20Yの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置30Yは、トナーを感光ドラム20Yに供給して、静電像をトナー像に現像する。現像装置30Yには現像剤補給装置としてのトナー補給装置50Yが接続され、トナー補給装置50Yからトナーとキャリアの両方を含む補給用現像剤が補給される。補給用現像剤は、トナーとキャリアを重量比で例えば9:1に混合したものが用いられる。
一次転写帯電器23Yは、中間転写ベルト24を挟んで感光ドラム20Yに対向配置され、感光ドラム20Yと中間転写ベルト24との間にトナー像の一次転写部T1を形成する。一次転写部T1では、一次転写帯電器23Yに転写バイアスが印加されることで、トナー像が感光ドラム20Yから中間転写ベルト24へ一次転写される。ドラムクリーニング装置26Yは、感光ドラム20Yにクリーニングブレードを摺擦して、一次転写後に感光ドラム20Y上に僅かに残る一次転写残トナーを回収する。
中間転写ベルト24は、駆動ローラ41、テンションローラ42及び二次転写内ローラ29等のローラに掛け渡して支持され、駆動ローラ41に駆動されて図中矢印R2方向に回転する。二次転写部T2は、二次転写内ローラ29に張架された中間転写ベルト24に二次転写外ローラ27を当接して形成される記録材Pへのトナー像転写ニップ部である。二次転写部T2では、二次転写外ローラ27に二次転写バイアスが印加されることで、トナー像が中間転写ベルト24から二次転写部T2に搬送される記録材Pへ二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト24に付着したまま残る二次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置28が中間転写ベルト24を摺擦することにより回収される。
二次転写部T2によって四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置25へ搬送される。定着装置25は、定着ローラ25a、25bが当接して定着ニップT3を形成し、定着ニップT3で記録材Pを搬送しつつ当該記録材Pにトナー像を定着する。定着装置25では、内部からランプヒータ等(不図示)で加熱される定着ローラ25aに、付勢機構(不図示)によって定着ローラ25bを圧接させて定着ニップT3を形成している。記録材Pが定着ニップT3で挟持搬送されることにより加熱/加圧されて、トナー像が記録材Pに定着される。定着装置25によりトナー像の定着された記録材Pは、機体外へ排出される。
ドラムクリーニング装置26Yにより除去された一次転写残トナーやベルトクリーニング装置28により除去された二次転写残トナー(以下、便宜的に廃トナーと記す)は、搬送パイプ43を通ってトナー回収容器44に送られる。搬送パイプ43の一端はドラムクリーニング装置26Y及びベルトクリーニング装置28に繋がり、他端はトナー回収容器44に繋がっている。トナー回収容器44は、搬送パイプ43に対して着脱可能に取り付けられている。なお、現像装置30Yは画像形成によって劣化したトナーを現像容器(不図示)から強制的に排出することができるようにもなっている。そして、強制排出された劣化トナーは、上述した回収トナーと同様に、搬送パイプ43を通じて搬送されてトナー回収容器44内に回収される。
[トナー補給装置]
次に、トナー補給装置50Yについて図2を用いて説明する。トナー補給装置50Yは、現像装置30Yの上方に配置されている。トナー補給装置50Yは、現像剤収容部52Y、円筒状のトナーボトル53Y、第二現像剤収容部54Y、搬送パイプ部56Yに大きく分けられる。トナーボトル53Yはイエローのトナーを含む補給用現像剤を収容し、現像剤収容部52Yに着脱可能に接続されている。トナーボトル53Yが不図示の駆動手段により回転されると、補給用現像剤は現像剤収容部52Yに排出される。
現像剤収容部52Yでは、内装された排出スクリュー(不図示)によって補給用現像剤が現像剤収容部52Yの一端部側から他端部側へと一方向に搬送される。現像剤収容部52Yを一方向に搬送される補給用現像剤は、最終的に他端部に到達すると開口部(不図示)から搬送パイプ部56Yに排出される。搬送パイプ部56Yでは、内装されたスクリュー(不図示)によって補給用現像剤が第二現像剤収容部54Yへと一方向に撹拌されながら搬送される。第二現像剤収容部54Yは、その壁面の所定高さ位置に残量検知センサ(不図示)が配設されており、このセンサ位置まで補給用現像剤で満たすように現像剤収容部52Yから搬送パイプ部56Yを経て補給用現像剤が供給される。第二現像剤収容部54Yは、供給された補給用現像剤を一時的に蓄える。第二現像剤収容部54Yの下方には現像装置30Yが連結されており、第二現像剤収容部54Yは画像形成に伴うトナー消費に応じた補給量の補給用現像剤を現像装置30Yに補給する。これにより、現像装置30Y内のトナーは一定量に保たれる。
一般的に、現像装置30Yは画像形成部UYの他の画像形成構成部(例えば感光ドラム等)に比して消耗が著しい。それ故に、現像装置30Yは、現像カートリッジとして画像形成部UYに着脱し得るようにユニット化されている。この場合、現像装置30Y(現像カートリッジ)は単体では動作せずに、装置本体としての画像形成部UYに装着されて画像形成部UYから駆動力の伝達や電力の供給等を受けることで動作する。そして、現像装置30Yは画像形成部UYに設けられたトナー補給装置50Yに接続されることで、トナー補給装置50Yからトナーの補給を受ける。
ところで、現像装置30Yを画像形成部UYに装着する装着時には、現像装置30Yひいては現像スリーブ31Y(図1参照)を感光ドラム20Yに近接させる必要がある。これは、画像形成時に安定した画像を得るため、感光ドラム20Yと現像装置30Yの現像スリーブ31Yとの表面間を0.3〜0.5ミリ程度の間隔で安定的に維持する必要があるからである。他方、現像装置30Yを画像形成部UYから離脱させる離脱時には、現像装置30Yひいては現像スリーブ31Yを感光ドラム20Yから離間させる必要がある。これは、現像スリーブ31Yと感光ドラム20Yとを近接させた状態のままで現像装置30Yを離脱させると、現像剤担持体としての現像スリーブ31Yや感光ドラム20Yに傷がつくからである。そこで、現像装置30Yは画像形成部UYに着脱可能に構成されると共に、感光ドラム20Yに対して接離可能に構成されている。即ち、本実施形態の現像装置30Yは、2段階動作を経て画像形成部UYに装着及び離脱可能になっている。以下、図3及び図4を用いて説明する。
図3に示すように、画像形成部UYには所定位置に現像装置30Yを挿入可能な空間が設けられており、現像装置30Yはそこに挿入されることで画像形成部UYの内部に一時的に保持される(第一段階動作)。画像形成部UYには、操作レバー31が設けられている。操作レバー31は、画像形成部UYに収納された現像装置30Yを所定位置内で図中矢印Z方向にスライド移動させる(第二段階動作)ための操作子である。
図4に示すように、画像形成部UYは、現像装置30Yが挿入される空間内の感光ドラム20Yに対向する箇所に、操作レバー31の操作に連動して動作する押付部材32を備えている。移動機構としての押付部材32は、操作レバー31の図中矢印X方向(現像装置30Yの挿抜方向)への動作に応じて図中矢印Z方向(現像装置30Yの接離方向)に動作することで、現像装置30Yを感光ドラム20Yに対して接離する。
現像装置30Yを感光ドラム20Yに近接させる場合、操作レバー31が図4奥側に向かって押されると、押付部材32は図4の左から右へと動作する。すると、画像形成部UYに挿入されている現像装置30Yは、押付部材32によって保持されて感光ドラム20Y側へと押される。押付部材32は、操作レバー31の操作量にあわせて現像装置30Yを感光ドラム20Yに近接する。操作レバー31が最奥まで押し込まれた場合に、押付部材32は、感光ドラム20Yと現像スリーブ31Y(図1参照)との表面間が適切な間隔(0.3〜0.5ミリ)になる位置で動作を停止する。そして、現像装置30Yは感光ドラム20Yに近接されると共に、トナー補給装置50Yに接続される。
他方、現像装置30Yを感光ドラム20Yから離間させる場合、操作レバー31が図4手前側に引かれると、押付部材32は図4の右から左へ動作する。これにより、押付部材32は、操作レバー31の操作量にあわせて現像装置30Yを感光ドラム20Yから離間する。そして、現像装置30Yは感光ドラム20Yから離間されると共に、トナー補給装置50Yから分離される。その後、現像装置30Yは画像形成部UYから抜き出される。このとき、現像装置30Yは既に感光ドラム20Yから離間されているので、抜き出すときに現像装置30Yと感光ドラム20Yとがぶつからないので、これらは傷つかない。このように、現像装置30Yは第一方向としての挿抜方向に挿抜可能に、前記第一方向に交差する第二方向としての接離方向に接離可能に設けられ、両方向に適宜に移動されることによって画像形成部UYに着脱される。なお、第1及び第2実施形態では、現像装置30Yの接離方向が装着並びに離脱方向に相当する。
かかる構成の画像形成装置では、トナー補給装置50Yと現像装置30Y間の現像剤搬送経路は、感光ドラム20Yに対して現像装置30Yが近接した状態(着状態とも呼ぶ)で連通が確保され、離間した状態(脱状態とも呼ぶ)で連通が分断される。ここでは、現像剤搬送経路の連通がトナー補給装置50Yの現像剤補給口と現像装置30Yの現像剤受入口との連結部100(図2参照)で分断される。その場合、トナー補給装置50Yの現像剤補給口から現像剤が漏れ得る。そこで、トナー補給装置50Yの現像剤補給口から現像剤が漏れないように、現像装置30Yの感光ドラム20Yへの接離動作に応じて現像剤補給口62を開閉するシャッタ部材51がトナー補給装置50Yに設けられている(後述する図6(a)参照)。後述するように、シャッタ部材51は現像装置30Yの動きに追従してトナー補給装置50Yの現像剤補給口62を閉じる位置と開放する位置との間でスライド移動可能に構成されている。
ところで、シャッタ部材51は、耐久が進んでくると摺動部分に入り込んだ現像剤によって動きが渋くなる傾向がある。その場合、シャッタ部材51は現像装置30Yの動きに追従せず、シャッタ部材51が閉まるまでに時間差が生じたり、あるいはシャッタ部材51が閉じなくなったりすることがある。そうなると、排出部としてのトナー補給装置50Yの現像剤補給口62から現像剤が漏れて、漏れた現像剤が拡散して装置本体内を汚損する。
また、例え現像剤搬送経路の連通が分断されていなくとも、現像剤の補給に伴い現像剤搬送経路の内圧が大気圧よりも高くなることに応じて、連結部100から現像剤が漏れることがあった。即ち、現像剤の搬送は閉空間である現像剤搬送経路内で行われる。それ故に、現像装置30Yの現像剤受入口301に許容量を超える現像剤が搬送された場合や、現像装置30Yの収容容器内の内圧が上がった場合に、現像剤搬送経路内の圧力が大気圧よりも高くなる。そうすると、単に接触しているに過ぎないトナー補給装置50Yの現像剤補給口62と現像装置30Yの現像剤受入口301との連結部100から、現像剤搬送経路の内から外への空気の流れに乗って現像剤が漏れやすい。漏れた現像剤は、そのまま空気の流れに乗って装置本体内に拡散するので、装置本体内を広範囲にわたって汚損し得る。
<第1実施形態>
そこで、第1実施形態の現像装置30Yでは、受入部としての現像剤受入口301の近傍に収容部302を設けた。収容部302を設けた現像装置30Yについて、図5乃至図8を用いて説明する。
図5及び図6(a)に示すように、収容部302は、現像剤を収容可能な収容容器304の内部に連通した現像剤受入口301の一部を囲むようにして、収容容器304の外壁に設けられている。即ち、収容部302は、収容容器304の外壁に設けられた壁部302aを有する。壁部302aは、収容容器304の側面外壁からトナー補給装置50Y側に向けて立設されている。壁部302aは、収容容器304の外壁の一部と壁部302aとの間で空間310を形成するように、現像装置30Yの挿抜方向及び現像装置30Yの接離方向の両面を囲むようにして設けられている。
図6(a)に示すように、壁部302aは現像剤受入口301の接続部301aの上端よりも低い高さに形成されている。具体的には、接続部301aの上端面つまりは連結部100の延長線上の高さSまで、壁部302aは形成されている。これは、現像装置30Yが接離方向に移動するときに、壁部302aがシャッタ部材51に当たって現像装置30Yの移動を阻害させないためである。壁部302aがシャッタ部材51に当たらない限りであれば、接続部301aの上端面つまりは連結部100の延長線上の高さSよりも高く、壁部302aを形成してよい。壁部302aは高いほど、連結部100から漏れる現像剤が壁部302aに当たって空間310内に収容されやすく、漏れた現像剤は装置本体内に拡散し難くなる。
図6(b)に示すように、収容部302は、空間310を形成する収容容器304の外壁304aと壁部302aとの間隔(図中L)が、壁部302aの高さと接続部301aの高さ位置の差分(図中M)よりも大きくなるように形成される。上述のように、壁部302aは高いほどよいが、スペース等の都合上、壁部302aの高さを抑えなければならない場合がある。その場合、高さが低ければ低いほど壁部302aを収容容器304の外壁304aから離す必要があることを意味する。即ち、壁部302aの高さが低いと、連結部100から漏れた現像剤は壁部302aに当たらず装置本体内に広く拡散し得る。そこで、壁部302aの高さが低い場合には、収容容器304の外壁304aとの間隔を広くとることによって、漏れた現像剤が拡散したとしても、その範囲は空間310内に収まり、漏れた現像剤が装置本体内に広く拡散しないからである。ただし、図6(a)に示すように、収容部302は現像装置30Yの挿入方向から投影した収容容器304の輪郭の範囲内(図中の最大幅N参照)に収まるように、壁部302aと収容容器304の外壁304aとの間隔が調整されるとよい。
こうした壁部302aは、例えば現像剤搬送経路の内圧が高くなった場合に生じる現像剤搬送経路の内から外への空気の流れを遮断し空間310側に向ける。そのため、例え空気の流れに乗って連結部100から現像剤が漏れたとしても、漏れた現像剤は装置本体内に広範囲に広がらずに空間310に落ち、その結果、収容部302に収容される。
図6(a)及び図7に示すように、トナー補給装置50Yの現像剤補給口62にはシャッタ部材51が設けられている。シャッタ部材51はバネ部61に接続されて、現像装置30Yの接離方向への移動に伴って現像剤補給口62を閉じる位置と開放する位置との間でスライド移動可能に設けられている。シャッタ部材51は、現像剤補給口62を閉じる方向の移動力をバネ部61によって常時付勢されている。また、シャッタ部材51は、現像装置30Yの装着方向の下流側に接続部301aに係合する係合部51aを有している。
現像装置30Yの感光ドラム20Yに接近する向きへの移動時には、接続部301aが係合部51aに係合し、シャッタ部材51は現像装置30Yに押されバネ部61の付勢力に抗して現像剤補給口62を開放する開位置に移動する。この場合、壁部302aは、係合部51aに当たらずにシャッタ部材51の下方を通過する。他方、図7に示すように、現像装置30Yの感光ドラム20Yから離間する向きへの移動時には、シャッタ部材51はバネ部61によって現像装置30Yの移動に追従して現像剤補給口62を閉じる閉位置に移動する。
本実施形態において、トナー補給装置50Yの現像剤補給口62は、感光ドラム20Yに近い側が遠い側に比べて現像装置30Y側に下がるようにして、現像装置30Yの接離方向に対して傾斜した形状に形成されている。そのため、シャッタ部材51は、現像装置30Yの接離方向に対して略水平ではなく斜め方向にスライド移動する。言い換えれば、シャッタ部材51は、トナー補給装置50Yに、現像装置30Yの着脱に応じて装着方向の下流に向かうほど下方に移動可能に傾斜して設けられている。この場合、現像装置30Yが感光ドラム20Yに接近する向きに移動されるときには、現像剤受入口301の接続部301aの端面の全面にわたって接触した状態を維持したまま、シャッタ部材51は現像剤補給口62を閉じる位置へと移動される。他方、現像装置30Yが感光ドラム20Yから離間する向きに移動されるときには、シャッタ部材51が現像剤補給口62を閉じる位置に到達する前に、現像剤受入口301の接続部301aの上端面がシャッタ部材51から離れることがある。その場合、現像剤補給口62から現像剤が漏れる。
そこで、収容部302は、接続部301aが現像剤補給口62から分離する方向(鉛直方向に交差する方向)の上流側に少なくとも設けられている。言い換えれば、収容部302は、現像装置30Yを感光ドラム20Yから離間する向きに移動した場合に、現像装置30Yの離間方向の上流側つまりは現像剤補給口62の下方を通る側に設けられる。また、図5に示すように、収容部302は現像装置30Yの接離方向に交差する方向(現像装置30Yの挿抜方向)の長さ、ここでは現像スリーブ31Yの回転軸線方向の長さを大きく確保されている。これにより、収容部302は、現像装置30Yの離間方向への移動の際に現像剤が漏れたとしても、漏れた現像剤を収容できる。
ところで、通常、現像装置30Yが着状態から脱状態へ移動すれば、図7に示すように、シャッタ部材51は現像装置30Yの動きに追従してトナー補給装置50Yの現像剤補給口62を閉じる。しかしながら、既に述べたように、シャッタ部材51は、耐久が進んでくると現像剤補給口62との摺動面に入り込んだ現像剤によって動きが渋くなる。その場合、図8に示すように、現像装置30Yが着状態から脱状態へ移動したとしても、シャッタ部材51が現像装置30Yの動きに追従せず、シャッタ部材51が動き出すまでに時間差が生じたりあるいはシャッタ部材51が閉じなくなったりし得る。そうなると、トナー補給装置50Yの現像剤補給口62から現像剤が漏れる。そこで、この点を解決するために、収容部302の壁部302aには、現像剤受入口301側に向けて突出した突出部303が設けられている。
図8に示すように、突出部303は、現像装置30Yが着状態から脱状態へ移動するときに、現像装置30Yの動きに追従せずに現像剤補給口62を開放する位置に残ったままのシャッタ部材51の閉動作を補助する。具体的には、突出部303がシャッタ部材51の側面に当たり、シャッタ部材51をシャッタ閉方向に押す。即ち、壁部302aは、係合部51aに当たってシャッタ部材51を現像剤補給口62を閉じる位置に動作させる、すると、これを契機に、シャッタ部材51は現像剤補給口62を閉じる位置まで移動する。このように、突出部303がシャッタ部材51の閉動作を補助することにより、シャッタ部材51が閉まらないことを原因とする現像剤漏れを生じさせないようにしている。
以上のように、現像装置30Yの現像剤受入口301の近傍に収容部302を設けた。収容部302は、収容容器304の外壁との間で空間310を形成する壁部302aを有する。壁部302aは、現像剤搬送経路の内圧が高くなった場合に生じる現像剤搬送経路の内から外への空気の流れを遮断し空間310側に向ける。そのため、この場合に連結部100から漏れた現像剤は装置本体内に広範囲に広がらずに、収容部302に収容される。また、収容部302は、接続部301aが現像剤補給口62から分離する方向の上流側に少なくとも設けられる。さらに、現像装置30Yの接離方向に交差する方向(現像装置30Yの挿抜方向)の長さが大きく確保されている。これにより、収容部302は、現像装置30Yの離間方向への移動の際に現像剤が漏れたとしても、漏れた現像剤を収容できる。このように、本現像装置30Yでは、着脱時の現像剤漏れ及び現像剤搬送経路内の圧力変動による現像剤漏れの両方に対応し、連結部から漏れた現像剤による装置本体内の汚損を低減することができる。
<第2実施形態>
上述のように、現像剤搬送経路の内圧が大気圧よりも高くなることに応じて連結部100(図2参照)から現像剤が漏れることがあり、こうした現像剤漏れに対しても収容部302は有効に機能することは既に説明したとおりである。ただし、連結部100からの現像剤漏れは連結部100の特定の一部箇所から生じることに限らず、連結部100の全周にわたって全方位に向けて生じることもあり得る。そこで、図9に示すように、現像剤受入口301を挟んで収容部302の反対側にも収容部305を設け、現像剤受入口301の全周を囲むようにするとよい。
収容部305は、収容部302とは反対側つまりは接続部301aが現像剤補給口62から分離する方向の下流側に、現像剤受入口301の一部を囲むようにして収容容器304の外壁に設けられている。収容部305は、収容容器304の外壁に設けられた壁部305aを有する。壁部305aは、収容容器304の側面外壁からトナー補給装置50Y側に向けて立設されている。壁部305aは、収容容器304の外壁の一部と壁部305aとの間で空間350を形成する。この空間350は、空間310と繋がっている。壁部305aは壁部302aと異なり、現像装置30Yが接離方向に移動するときにシャッタ部材51に当たることがない。そのため、壁部305aは接続部301aの上端面つまりは連結部100の延長線上の高さS(図6(a)参照)よりも高く形成されてよい。また、壁部305aには突出部303が設けられていない。その他の点について、収容部305は収容部302と同様の構成であってよいことから、ここでの説明を省略する。
<第3実施形態>
また、中間転写ベルト等から除去された転写残トナーや、現像装置で余剰となった余剰トナーなどの廃トナーを装置本体外に廃棄するために、装置本体に着脱可能なトナー回収容器に収容部を設けてもよい。ここで、トナー回収容器44に収容部を設けた場合を図10に示す。なお、第3実施形態では、トナー回収容器44の挿抜方向が装着並びに離脱方向に相当する。
トナー回収容器44は、例えば軟質プラスチック等の樹脂を用いて図示のような長方体形状に形成され、内部は空洞になっている。トナー回収容器44は開口した廃トナー受入口307を有し、廃トナー受入口307は内部の空洞に連通している。受入部としての廃トナー受入口307は、トナー回収容器44が装置本体内に装着された場合に、廃トナーが排出される側の搬送パイプ43(図1参照)の開口端部に接続される。搬送パイプ43の開口端部には、トナー回収容器44の挿抜動作に連動して開閉されるシャッタ部材(不図示)が設けられている。トナー回収容器44が装置本体に装着された装着時には、シャッタ部材が開口端部を開状態にするので、搬送パイプ43を通じて搬送された廃トナーがトナー回収容器44に排出される。他方、トナー回収容器44が装置本体から離脱された離脱時には、シャッタ部材が開口端部を閉状態にするので、搬送パイプ43を通じて搬送された廃トナーがトナー回収容器44に排出されることなく、また装置本体内に漏れない。
図10に示すように、トナー回収容器44には、収容部308が廃トナー受入口307の近傍に設けられる。収容部308は、廃トナー受入口307の周囲を囲む枠形状に、つまりは廃トナー受入口307の全周にわたって設けられる。この場合、廃トナー受入口307の外周面と収容部308との間に形成される空間310Aに、排出部としての搬送パイプ43の開口端部と、接続部としての廃トナー受入口307の上端部との連結部から漏れた廃トナーが収容される。これにより、連結部から漏れた廃トナーによる装置本体内の汚損を低減し得る。また、トナー回収容器44の交換と同時に漏れた廃トナーを処理することができるので、従来の受け皿を用いる場合に比べて便利である。
<他の実施形態>
なお、上述した第1実施形態では、現像装置30Yに収容部302、305を設けた場合を説明したが、これに限らない。例えば現像装置30Yが他の画像形成構成部(例えば感光ドラムなど)と一体的にユニット化されたプロセスカートリッジに、収容部302や収容部305などを設けたものであってもよい。
30Y〜30K…カートリッジ(現像装置)、31Y〜31K…現像剤担持体(現像スリーブ)、32…移動機構(押付部材)、50Y〜50K…現像剤補給手段(トナー補給装置)、UY〜UK…装置本体(画像形成部)、44…カートリッジ(トナー回収容器)、51…シャッタ部材、51a…係合部、62…排出部(現像剤補給口)、301a…接続部、301…受入部(現像剤受入口)、302(305、308)…収容部、302a(305a)…壁部、303…突出部、304…収容容器、304a…外壁、307…受入部(廃トナー受入口)、310(310A)…空間

Claims (10)

  1. 画像形成装置の装置本体の所定位置に装着及び離脱可能なカートリッジであって、
    装着時に前記装置本体の現像剤が排出される排出部に接続され、離脱時に前記排出部から分離される接続部を有し、装着時には前記接続部を介して前記装置本体から現像剤を受け入れて収容可能な収容容器と、
    前記接続部の少なくとも下方の一部を囲んで配置され、前記収容容器の外壁との間で前記接続部から漏れた現像剤を収容可能な空間を形成する収容部と、を備える、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記接続部は、離脱時に前記排出部に対して鉛直方向に交差する方向に移動して前記排出部から分離され、
    前記収容部は、少なくとも前記排出部から前記接続部が分離する方向の前記接続部の上流側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記収容部は、前記排出部から前記接続部が分離する方向の下流側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
  4. 前記収容部は、前記収容容器の外壁に設けられた壁部を有し、前記外壁の一部と前記壁部との間で前記空間を形成する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のカートリッジ。
  5. 前記壁部は、前記接続部の上端よりも低い高さに形成され、
    前記収容部は、前記空間を形成する前記外壁の一部と、該一部に対して前記接続部が分離する方向に位置する壁部の上端との間隔が、前記壁部の上端の高さと前記接続部の上端の高さの差分よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
  6. 前記収容部は、前記装置本体への挿抜方向から投影した前記収容容器の輪郭の範囲内に収まるように配置される、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  7. 装置本体に設けられ、補給用の現像剤が排出される排出部を有する現像剤補給手段と、
    前記装置本体の所定位置に装着及び離脱可能に設けられ、装着時に前記排出部に接続され、離脱時に前記排出部から分離される接続部を有し、装着時には前記接続部を介して前記現像剤補給手段から現像剤を受け入れて収容可能な収容容器と、前記収容容器内の現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記接続部の少なくとも下方の一部を囲んで配置され、前記収容容器の外壁との間で前記接続部から漏れた現像剤を収容可能な空間を形成する収容部と、を備えるカートリッジと、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記収容部は、前記収容容器の外壁に設けられた壁部を有し、前記外壁の一部と前記壁部との間で前記空間を形成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像剤補給手段に、前記カートリッジの装着方向の下流に向かうほど下方に移動可能に傾斜して設けられ、前記排出部に対し前記装着方向の下流側へ移動して前記排出部を開き、前記排出部に対し前記装着方向の上流側へ移動して前記排出部を閉じるシャッタ部材を備え、
    前記シャッタ部材は、前記装着方向の下流側に前記接続部に係合する係合部を有し、
    前記壁部は、装着時には前記係合部に当たらずに前記シャッタ部材の下方を通過し、離脱時には前記係合部に当たり前記シャッタ部材を前記排出部を閉じる位置に動作させる、
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記装置本体は、前記所定位置に挿入された前記カートリッジを、前記接続部が前記排出部に接続されまた前記接続部が前記排出部から分離される接離方向に移動する移動機構を有する、
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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