JP2016108947A - スタータ - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、重ねられる2枚の止め輪を同じ形状とし、重ねられた2枚の止め輪の出力軸周りの相互の移動を阻止でき、さらに重ねられた2枚の止め輪の積層体の両面を凸部のない平面として、製造コストおよび管理コストの増大を抑え、オーバーランニングクラッチの後退復帰に起因する止め輪の損傷発生を抑制でき、さらに装置の軸方向長さを短くできるスタータを得る。【解決手段】2枚の止め輪は、同一形状であり、それぞれ、嵌め込み開口部が一部に形成された不完全環状の平板に作製され、凸部が一面側に突出され、凸部が嵌合可能な貫通穴が、止め輪の一面と直交する方向から見て、止め輪の中心と嵌め込み開口部の開放幅の中心とを通る中心線を対称軸とする線対称の位置に形成されており、一面同士を向かい合わせて、嵌め込み開口部が一致するように重ね合わされ、凸部を貫通穴に嵌合させて、出力軸の後端部に形成された溝に嵌め込まれている。【選択図】図2

Description

この発明は、直流電動機の電機子軸の回転力を出力軸に伝え、出力軸の回転力をオーバーランニングクラッチを介してピニオンに伝え、機関を始動させるスタータに関するものである。
従来のスタータでは、直流電動機の電機子軸の回転が伝えられる出力軸と、この出力軸にヘリカルスプラインにより結合されたクラッチアウタ、およびこのクラッチアウタにローラを介して連結されて一方向回転を前端側のピニオンに伝えるクラッチインナからなるオーバーランニングクラッチと、出力軸の後端部に嵌められ、後退復帰したクラッチアウタの後端を受け止める2枚の止め輪と、固定部に固定され、軸受けを介して出力軸の後端部を支持する支持枠と、クラッチアウタの後部側に設けられた環状係合溝部に下端部が軸方向に係合しており、回動によりオーバーランニングクラッチを前進又は後退させるシフトレバーと、を備えていた(例えば、特許文献1参照)。
この種のスタータでは、外径長さが短いほど、コスト、重量、さらにはエンジン取付時のレイアウト性で有利となる。そこで、特許文献1に記載の従来のスタータでは、オーバーランニングクラッチの止め輪と衝突する面を、オーバーランニングクラッチのモータ側後端面よりピニオン側に設けることにより、オーバーランニングクラッチをモータに近づけ、スタータの軸方向長さを短縮していた。また、2枚の止め輪を1枚の厚い止め輪に置き換えることもできるが、厚さが厚い止め輪は製造や出力軸への嵌め込みが難しい。そこで、特許文献1に記載の従来のスタータでは、厚さの薄い止め輪を2枚重ねて使用し、製造や出力軸への嵌め込みを容易とするとともに、必要な強度を確保していた。
しかしながら、特許文献1に記載の従来のスタータでは、止め輪を2枚重ねて使用しているので、車両の振動などにより、2枚の止め輪が出力軸周りに相互に移動する。この状態で、オーバーランニングクラッチの後退復帰による軸方向荷重が止め輪に作用すると、止め輪に局所的に大きな応力が生じる。そして、この大きな応力が止め輪に繰り返し生じることで、止め輪が損傷してしまう恐れがあった。
このような状況を鑑み、中央部に凸部が形成され、その凸部の裏側に凹部が形成された2枚の止め輪を、一方の止め輪に形成された凸部と他方の止め輪に形成された凹部とを嵌め合わせて重ね合わせて使用し、2枚の止め輪の出力軸周りの相互の移動を防止した従来のスタータが提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−263738号公報 韓国特許出願公開第2002−0059972号明細書
特許文献2に記載の従来のスタータでは、凸部が止め輪のオーバーランニングクラッチと対向する面、又は止め輪のモータ側を向く面に存在している。凸部がオーバーランニングクラッチ、又はモータ側の部品と接触する場合には、凸部がオーバーランニングクラッチの後退復帰による軸方向荷重を受け、損傷することになる。そこで、オーバーランニングクラッチとモータ側の部品との双方に、凸部との接触を回避するためのクリアランスを設ける必要がある。あるいは、凸部がモータ側を向くように止め輪の挿入方向を規定すれば、凸部との接触を回避するためのクリアランスをモータ側の部品に設ける必要がある。いずれの場合にも、スタータの軸方向長さが増加する。また、後者の場合、前者の場合に比べて、スタータの軸方向長さの増加量を短くできるが、止め輪の挿入方向の管理が必要となる。
そこで、片面に凸部が形成された止め輪と、穴が形成された止め輪とを、凸部を穴に嵌め入れて重ね合わせて使用することが考えられる。この場合、2枚の止め輪の積層体の両面は、凸部のない平面となり、凸部との接触を回避するためのクリアランスをオーバーランニングクラッチとモータ側の部品に形成する必要がなくなる。しかしながら、2種類の止め輪が必要となるので、製造コストや管理コストが増大するという新たな課題が生じる。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、止め輪の形状を工夫して、重ねられる2枚の止め輪を同じ形状とし、重ねられた2枚の止め輪の出力軸周りの相互の移動を阻止でき、さらに重ねられた2枚の止め輪の積層体の両面を凸部のない平面とし、製造コストおよび管理コストの増大を抑え、オーバーランニングクラッチの後退復帰に起因する止め輪の損傷発生を抑制でき、さらに装置の軸方向長さを短くできるスタータを得ることを目的とする。
この発明によるスタータは、回転力を発生するモータ部と、上記モータ部の回転力を出力する出力軸と、上記出力軸にヘリカルスプランにより結合されたクラッチアウタ、および上記クラッチアウタにローラを介して結合され、一方向回転のみを前端側のピニオンに伝達するクラッチインナを有するオーバーランニングクラッチと、上記出力軸の後端部に形成された溝に嵌め込まれ、後退復帰する上記オーバーランニングクラッチの後端を受け止める2枚の止め輪と、上記クラッチアウタの後端側に設けられた環状係合溝部に下端側を軸方向に係合し、シーソー回動により上記オーバーランニングクラッチを前進移動又は後退復帰させるシフトレバーと、を備えている。上記2枚の止め輪は、同一形状であり、それぞれ、嵌め込み開口部が一部に形成された不完全環状の平板に作製され、嵌合凸部が一面側に突出され、上記嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部が、上記止め輪の一面と直交する方向から見て、上記止め輪の中心と上記嵌め込み開口部の開放幅の中心とを通る中心線を対称軸とする線対称の位置に形成されており、上記2枚の止め輪は、一面同士を向かい合わせて、上記嵌め込み開口部が一致するように重ね合わされ、上記嵌合凸部を上記嵌合凹部に嵌合させて、上記出力軸の後端部に形成された上記溝に嵌め込まれている。
この発明によれば、2枚の止め輪が同じ形状であるので、1種類の止め輪を用いることができ、製造コストおよび管理コストが低減される。
重ねられた2枚の止め輪の積層体の両面は、嵌合凸部のない平面となっているので、嵌合凸部との接触を回避するためのクリアランスをオーバーランニングクラッチとモータ側の部品に形成する必要がなく、スタータの軸方向長さを短くできる。
さらに、重ねられた2枚の止め輪の積層体では、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌合されているので、2枚の止め輪の出力軸周りの相互の移動が規制される。そこで、オーバーランニングクラッチの後退復帰に起因する止め輪の損傷発生を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係るスタータの構成を説明する一部破断側面図である。 この発明の実施の形態1に係るスタータに適用される止め輪の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係るスタータに適用される止め輪の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係るスタータに適用される止め輪を2枚重ねた状態を説明する図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るスタータの構成を説明する一部破断側面図、図2はこの発明の実施の形態1に係るスタータに適用される止め輪の構成を説明する図であり、図2の(a)はその上面図、図2の(b)はその正面図である。なお、図1中、図示していないが、右側にはエンジンを始動するためのリングギヤがある。
図1において、スタータ100は、回転力を発生するモータ部1と、このモータ部1の回転力を減速して出力する減速機構部2と、減速機構部2で減速された回転力を出力する出力軸3と、出力軸3に嵌合し、出力軸3の一方向回転のみを伝達するオーバーランニングクラッチ4と、このオーバーランニングクラッチ4と一体に出力軸3上を摺動可能に設けられたピニオン10と、モータ部1への通電を制御するとともに、シフトレバー13を介してオーバーランニングクラッチ4と一体にピニオン10をリングギヤ(図示せず)側へ付勢する電磁スイッチ部14と、を備えている。なお、電磁スイッチ部14は、その中心軸が出力軸3と略平行となるように、モータ部1および減速機構部2の外周に配設されている。
出力軸3の中間部には、ヘリカルスプライン3aが形成されている。そして、溝3bが、出力軸3のヘリカルスプライン3aのモータ側(後端部)に、出力軸3の軸心周りに環状に形成されている。溝3bには、E形止め輪15が2枚重ねて嵌め込まれている。そして、E形止め輪15は、オーバーランニングクラッチ4の後退退避時に、オーバーランニングクラッチ4のクラッチアウタ5の小径部後端面に当接し、オーバーランニングクラッチ4の後退位置による軸方向移動を規制する。溝3bは、E形止め輪15の2枚分の板厚よりわずかに広い溝幅に形成され、E形止め輪15の出力軸3に対する軸方向移動を規制するとともに、重ねられたE形止め輪15の間に隙間が生じるのを防止している。
オーバーランニングクラッチ4は、出力軸3のヘリカルスプライン3aに相対回転不能に取り付けられたクラッチアウタ5と、クラッチアウタ5と協働してくさび状空間を形成するクラッチインナ6と、そのくさび状空間内に収納されてクラッチアウタ5の一方向回転のみをクラッチインナ6に伝達するローラ7と、を備えている。
クラッチアウタ5は、筒状体に作製され、軸方向の移動が可能で、かつ、回転運動が伝達されるように出力軸3の減速機構部2からの延出部に装着されている。フランジ部5aが、クラッチアウタ5の小径部後端部から径方向外方に突出して円環状に設けられており、クラッチアウタ5の大径部後端面との間に環状係合溝部9が形成されている。
クラッチインナ6は、筒状体に作製され、軸方向の移動が可能に、かつ回転可能に出力軸3に装着されている。クラッチインナ6の後端に設けられた円筒部がクラッチアウタ5の大径部の内周に挿入されている。ローラ7は、円柱状に作製され、クラッチアウタ5の大径部とクラッチインナ6の円筒部との間に形成されたくさび状空間のそれぞれに円周方向に移動可能に装着されている。
また、ピニオン10がクラッチインナ6の前端部にスプライン結合され、その前端がストッパ11により受け止められ、圧縮ばね12により前進方向(リングギヤ側)に押圧されている。
シフトレバー13は、その中間の支点部13aを中心としてシーソー回動可能に取り付けられ、その下端13bが環状係合溝部9に係合され、上端がモータ部1の上方に取り付けられた電磁スイッチ部14のプランジャ(図示せず)に連結されている。
このように構成されたスタータ100の動作について説明する。
まず、エンジンを始動する際、キースイッチ(図示せず)が入れられると、電磁スイッチ部14が作動し、電流がバッテリ(図示せず)からモータ部1に供給され、回転力が発生される。モータ部1で発生した回転力は、減速機構部2により減速され、出力軸3に伝達される。
また、電磁スイッチ部14が作動すると、プランジャが吸引後退され、シフトレバー13が、図1中、支点部13aを中心に反時計回りに回動する。これにより、オーバーランニングクラッチ4が出力軸3に沿って前方に、即ちリングギヤ側に摺動移動する。
そして、ピニオン10がリングギヤと歯合すると、減速機構部2から出力軸3に伝達された回転力は、クラッチアウタ5からローラ7を介してクラッチインナ6に伝達され、さらにピニオン10からリングギヤに伝達され、エンジンが始動される。
エンジンが始動し、エンジンの回転速度が速くなると、エンジンのリングギヤからピニオン10を介してクラッチインナ6に伝達された回転力は、ローラ7がくさび状空間の広い空間側に移動し、クラッチアウタ5への伝達が遮断される。これにより、モータ部1が連れ回されるのが回避され、過回転による損傷の発生が防止される。
エンジンが始動し、キースイッチが切られると、電磁スイッチ部14のプランジャの前進復帰で、シフトレバー13が、図1中、支点部13aを中心に時計回りに回動し、オーバーランニングクラッチ4を後退復帰させる。後退するオーバーランニングクラッチ4はE形止め輪15に当接し、後退位置が規制される。
つぎに、E形止め輪15の構成について図2を参照しつつ説明する。なお、図2中、OはE形止め輪15の中心を示し、AはE形止め輪15の中心線である。中心Oは、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、突起部17の内接円の中心である。また、中心線Aは、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、中心OとE形止め輪15の嵌め込み開口部18の開口幅の中心とを結ぶ直線である。
E形止め輪15は、炭素鋼、ステンレス鋼などの鋼材の平板を用いて、嵌め込み開口部が一部に形成された不完全環状体に作製され、円弧平板状の本体部16と、本体部16の周方向の両端部および中央部から径方向内方に突出する突起部17と、を有する。そして、本体部16の外径は、出力軸3の外径より大きく、突起部17の内径は、溝3bの底部の外径に略等しい。嵌合凸部としての凸部19が本体部16の一面の一端側に形成されている。また、嵌合凹部としての貫通穴20が、凸部19が嵌め込まれる穴形状で、本体部16の他端側に本体部16を厚み方向に貫通するように形成されている。そして、凸部19と貫通穴20は、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置に形成されている。なお、本体部16および突起部17は、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称となっている。
このように構成されたE形止め輪15は、その一面には、凸部19が形成されているが、他面は、凸部19のない平面となっている。そこで、E形止め輪15の一面同士を向き合わせて、嵌め込み開口部18が一致するように、2枚のE形止め輪15を重ね合わせると、凸部19が貫通穴20内に挿入され、中心O周りの相互の移動が規制される。また、重ねられた2枚のE形止め輪15の積層体は、本体部16同士および突起部17同士が完全に重なり合っている。さらに、重ねられた2枚のE形止め輪15の積層体の両面は、凸部19のない平面となる。
そして、重ねられた2枚のE形止め輪15の積層体が、嵌め込み開口部18を押し広げて溝3bに嵌め込まれ、出力軸3に装着される。
この実施の形態1によれば、凸部19がE形止め輪15の本体部16の一面の一端側に形成され、貫通穴20が本体部16の他端側に本体部16を厚み方向に貫通するように形成されている。凸部19と貫通穴20は、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置に形成されている。そこで、一面同士を向き合わせ、嵌め込み開口部18が一致するように2枚のE形止め輪15を重ね合わせると、凸部19が貫通穴20内に挿入され、重ねられた2枚のE形止め輪15の積層体の両面は、凸部19のない平面となる。
そこで、凸部19と貫通穴20との嵌合により、2枚のE形止め輪15の出力軸3周りの相互の移動が規制されるので、オーバーランニングクラッチ4の後退復帰に起因するE形止め輪15の損傷発生が抑制される。また、凸部19がオーバーランニングクラッチ4、又はモータ側の部品と接触することがないので、凸部19がオーバーランニングクラッチ4の後退復帰による軸方向荷重を受けて損傷することが防止される。さらに、オーバーランニングクラッチ4とモータ側の部品との双方に、凸部19との接触を回避するためのクリアランスを設ける必要がないので、スタータ100の軸方向長さを短くすることができる。
また、重ねられたE形止め輪15の積層体には、表裏がないので、この積層体の向きを考慮することなく、積層体を溝3bに嵌め込むことができ、E形止め輪15の出力軸3への装着作業性が高められる。
また、1種類のE形止め輪15を2枚重ねて使用しているので、出力軸3への装着が容易となるとともに、製造コストや管理コストを低減できる。
ここで、凸部19の本体部16の一面からの突出高さhは、t>h>(w−2t)を満足するように設定される。但し、tはE形止め輪15の板厚、wは溝3bの溝幅である。つまり、h>(w−2t)とすることにより、2枚のE形止め輪15の積層体が溝3bに装着された状態では、凸部19が貫通穴20から抜け出ることがない。また、t>hとすることにより、凸部19が貫通穴20から突出することがない。
なお、上記実施の形態1では、凸部19と貫通穴20とが、本体部16の両端側に形成されているが、凸部19と貫通穴20の形成位置は、本体部16の両端側に限定されず、E形止め輪15の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置であればよく、例えば、本体部16の中央の突起部17と両端の突起部17との間の領域に形成されてもよい。
また、上記実施の形態1では、凸部19と貫通穴20との一組が、本体部16に形成されているが、凸部19と貫通穴20との複数組が、本体部16に形成されてもよい。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係るスタータに適用される止め輪の構成を説明する図であり、図3の(a)はその側面図、図3の(b)はその正面図である。図4はこの発明の実施の形態2に係るスタータに適用される止め輪を2枚重ねた状態を説明する図であり、図4の(a)はその側面図、図4の(b)はその正面図である。
図3において、E形止め輪25は、炭素鋼、ステンレス鋼などの鋼材の平板を用いて、嵌め込み開口部28が一部に形成された不完全環状体に作製され、円弧平板状の本体部26と、本体部26の周方向の両端部および中央部から径方向内方に突出した突起部27と、を有する。中心Oは、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、突起部27の内接円の中心である。また、中心線Aは、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心OとE形止め輪25の嵌め込み開口部28の開口幅の中心とを結ぶ直線である。
そして、一対の張り出し部29,30が、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、それぞれ、周方向幅dを有し、中心線Aと平行に、かつ周方向にdだけ離間して、本体部26の周方向中央部から径方向外方に張り出すように形成されている。そこで、一対の張り出し部29,30間には、周方向幅dの切り欠き31が形成される。そして、切り欠き31の内周側面が、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心線Aに一致している。さらに、一対の張り出し部29,30が、E形止め輪25の一面側に曲げられ、張り出し部29,30の先端側がE形止め輪25の一面から突き出る凸部29a,30aを構成する。ここで、凸部29aが嵌合凸部であり、切り欠き31が嵌合凹部である。
ここで、本体部26の外径は、出力軸3の外径より大きく、突起部27の内径は、溝3bの底部の外径と略等しい。凸部29aが本体部26の周方向中央部の径方向外側に形成されている。また、切り欠き31が、凸部29aが嵌め込まれる溝形状で、本体部26の中方向中央部の径方向外側に形成されている。そして、凸部29aと切り欠き31は、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置に形成されている。また、本体部26および突起部27は、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称となっている。
また、凸部29a,30aのE形止め輪25(本体部26)の一面からの突出高さhは、t>h>(w−2t)を満足するように設定される。但し、tはE形止め輪25の板厚、wは溝3bの溝幅である。つまり、h>(w−2t)とすることにより、2枚のE形止め輪25の積層体が溝3bに装着された状態では、凸部29aが切り欠き31から抜け出ることがない。また、t>hとすることにより、凸部29aが切り欠き31から突出することがない。
なお、実施の形態2は、E形止め輪15に替えてE形止め輪25を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2では、凸部29aがE形止め輪25の本体部26の周方向中央部の径方向外側に本体部26の一面から突き出るように形成され、切り欠き31が本体部26の周方向中央部の径方向外側に形成されている。凸部29aと切り欠き31は、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置に形成されている。そこで、E形止め輪25の一面同士を向き合わせ、嵌め込み開口部28が一致するように2枚のE形止め輪25を重ね合わせると、凸部29aが切り欠き31内に挿入される。そして、重ねられた2枚のE形止め輪25の積層体の両面は、凸部29a,30aのない平面となる。また、重ねられた2枚のE形止め輪25の積層体は、本体部26同士および突起部27同士が完全に重なり合っている。
そこで、凸部29aと切り欠き31との嵌合により、2枚のE形止め輪25の出力軸3周りの相互の移動が規制されるので、オーバーランニングクラッチ4の後退復帰に起因するE形止め輪25の損傷発生が抑制される。また、凸部29a,30aがオーバーランニングクラッチ4、又はモータ側の部品と接触することがないので、凸部29a,30aがオーバーランニングクラッチ4の後退復帰による軸方向荷重を受けて損傷することが防止される。さらに、オーバーランニングクラッチ4とモータ側の部品との双方に、凸部29a,30aとの接触を回避するためのクリアランスを設ける必要がないので、スタータの軸方向長さを短くすることができる。
また、重ねられたE形止め輪25の積層体には、表裏がないので、この積層体の向きを考慮することなく、積層体を溝3bに嵌め込むことができ、E形止め輪25の出力軸3への装着作業性が高められる。
また、1種類のE形止め輪25を2枚重ねて使用しているので、出力軸3への装着が容易となるとともに、製造コストや管理コストを低減できる。
ここで、E形止め輪25を出力軸3に装着する際に、嵌め込み開口部28が押し広げられるので、本体部26の突起部27間の領域であるアーム部26aが大きく弾性変形する。そこで、張り出し部29,30をアーム部26aに設けると、剛性が局所的に大きくなり、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込むのに必要な荷重が増加する。また、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込む際に、応力がアーム部26aの張り出し部29,30の形成部に集中することから、補強が必要となる可能性がある。
この実施の形態2では、張り出し部29,30が本体部26の周方向中央部に形成されている。本体部26の周方向中央部は、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、本体部26の中心線Aと交差する領域であり、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込む際に、弾性変形しにくい領域である。そこで、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込むのに必要な荷重の増加が抑えられるとともに、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込む際の、E形止め輪25の張り出し部29,30の形成部への応力集中が抑制される。また、張り出し部29,30の形成部がアーム部26aから離れているので、アーム部26aの剛性の変化が抑えられ、E形止め輪25を出力軸3に嵌め込むのに必要な荷重の増加が抑えられる。
なお、上記実施の形態2では、一対の張り出し部29,30の両方に凸部29a,30aを形成しているが、一対の張り出し部29,30の両方に凸部29a,30aを形成する必要はなく、切り欠き30に挿入される凸部29aのみ形成されていればよい。
また、上記実施の形態2では、一対の張り出し部29,30が本体部26の周方向中央部に形成されているが、凸部29aと切り欠き31は、本体部26の周方向中央部に形成される必要はなく、E形止め輪25の一面と直交する方向から見て、中心線Aを対称軸とする線対称の位置に形成されていればよい。例えば、一対の張り出し部29,30を本体部26の周方向の両端側のそれぞれに形成してもよい。この場合、一対の張り出し部29,30を本体部26の周方向一端側に形成し、張り出し部29を本体の周方向他端側に形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、E形止め輪を用いているが、止め輪は、E形止め輪に限定されず、C形止め輪、U形止め輪などの不完全環状の止め輪を用いてもよい。
1 モータ部、3 出力軸、3a ヘリカルスプライン、3b 溝、4 オーバーランイングクラッチ、5 クラッチアウタ、6 クラッチインナ、7 ローラ、9 環状係合溝部、10 ピニオン、13 シフトレバー、15 E形止め輪(止め輪)、18 嵌め込み開口部、19 凸部(嵌合凸部)、20 貫通穴(嵌合凹部)、25 E形止め輪(止め輪)、28 嵌め込み開口部、29a 凸部(嵌合凸部)、31 切り欠き(嵌合凹部)。
この発明によるスタータは、回転力を発生するモータ部と、上記モータ部の回転力を出力する出力軸と、上記出力軸にヘリカルスプランにより結合されたクラッチアウタ、および上記クラッチアウタにローラを介して結合され、一方向回転のみを前端側のピニオンに伝達するクラッチインナを有するオーバーランニングクラッチと、上記出力軸の後端部に形成された溝に嵌め込まれ、後退復帰する上記オーバーランニングクラッチの後端を受け止める2枚の止め輪と、上記クラッチアウタの後端側に設けられた環状係合溝部に下端側を軸方向に係合し、シーソー回動により上記オーバーランニングクラッチを前進移動又は後退復帰させるシフトレバーと、を備えている。上記2枚の止め輪は、同一形状であり、それぞれ、嵌め込み開口部が一部に形成された不完全環状の平板に作製され、嵌合凸部が一面側に突出され、上記嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部が、上記止め輪の一面と直交する方向から見て、上記止め輪の中心と上記嵌め込み開口部の開放幅の中心とを通る中心線を対称軸として、上記嵌合凸部と線対称の位置に形成されており、上記2枚の止め輪は、一面同士を向かい合わせて、上記嵌め込み開口部が一致するように重ね合わされ、上記嵌合凸部を上記嵌合凹部に嵌合させて、上記出力軸の後端部に形成された上記溝に嵌め込まれている。

Claims (3)

  1. 回転力を発生するモータ部と、
    上記モータ部の回転力を出力する出力軸と、
    上記出力軸にヘリカルスプランにより結合されたクラッチアウタ、および上記クラッチアウタにローラを介して結合され、一方向回転のみを前端側のピニオンに伝達するクラッチインナを有するオーバーランニングクラッチと、
    上記出力軸の後端部に形成された溝に嵌め込まれ、後退復帰する上記オーバーランニングクラッチの後端を受け止める2枚の止め輪と、
    上記クラッチアウタの後端側に設けられた環状係合溝部に下端側を軸方向に係合し、シーソー回動により上記オーバーランニングクラッチを前進移動又は後退復帰させるシフトレバーと、を備えたスタータにおいて、
    上記2枚の止め輪は、同一形状であり、それぞれ、嵌め込み開口部が一部に形成された不完全環状の平板に作製され、嵌合凸部が一面側に突出され、上記嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部が、上記止め輪の一面と直交する方向から見て、上記止め輪の中心と上記嵌め込み開口部の開放幅の中心とを通る中心線を対称軸とする線対称の位置に形成されており、
    上記2枚の止め輪は、一面同士を向かい合わせて、上記嵌め込み開口部が一致するように重ね合わされ、上記嵌合凸部を上記嵌合凹部に嵌合させて、上記出力軸の後端部に形成された上記溝に嵌め込まれているスタータ。
  2. 上記嵌合凸部は、上記止め輪の一部を曲げ成形して構成されている請求項1記載のスタータ。
  3. 上記嵌合凸部および上記嵌合凹部は、上記止め輪の一面と直交する方向から見て、上記止め輪の上記中心線と交差する領域に設けられている請求項1又は請求項2記載のスタータ。
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