JP2016108640A - ステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液 - Google Patents

ステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液 Download PDF

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【課題】ステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、より耐食性を向上させた不動態皮膜を形成可能なことである。【解決手段】ステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、ステンレス鋼部品に、1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなる不動態化処理液を塗布または浸漬して不動態化処理する不動態化処理工程(S12)を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液に係り、特に、水門等のステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液に関する。
水門、圧縮機等に用いられるインペラ、原子力設備部品等のステンレス鋼部品の製造工程において、溶接・切断・研磨などの加工によりステンレス鋼部品の耐食性を担う不動態皮膜が除去されることから、一般的に組み立て後には不動態化処理が行われている。ステンレス鋼部品の不動態化処理方法としては、過酸化水素、硝酸、フッ酸、クロム酸などの酸性水溶液に浸漬させる方法、これらの酸性水溶液を塗布する方法、もしくは酸性およびアルカリ性水溶液でアノード電解させる方法などが提案されている。
特許文献1には、中性塩電解質濃度が0.1%以上5%以下で、過酸化水素濃度が0.1%以上1%以下含有する溶液を液膜状態に塗布し水洗するステンレス鋼の不動態化処理方法が記載されている。
特開平10−280163号公報
ところで、ステンレス鋼部品を過酸化水素や硝酸等の酸性水溶液に浸漬等させるだけでは、ステンレス鋼部品の表面に十分な耐食性を有する不動態皮膜を形成できない可能性がある。また、塩害が生じやすい環境で使用される水門等のステンレス鋼部品では、より一層の耐食性が要求される場合がある。
そこで本発明の目的は、より耐食性を向上させた不動態皮膜を形成可能なステンレス鋼部品の不動態化処理方法及びステンレス鋼部品用の不動態化処理液を提供することである。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記ステンレス鋼部品に、1質量%の過酸化水素と、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなる不動態化処理液を塗布または浸漬して不動態化処理する不動態化処理工程を備えることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満であり、前記不動態化処理液は、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法において、前記不動態化処理液は、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品の不動態化処理方法は、前記不動態化処理液は、残部の水の一部に代えて、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチンを含有することを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品用の不動態化処理液は、1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品用の不動態化処理液は、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満であり、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品用の不動態化処理液は、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする。
本発明に係るステンレス鋼部品用の不動態化処理液は、残部の水の一部に代えて、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチンを含有することを特徴とする。
上記構成によれば、ステンレス鋼部品を不動態化処理するための不動態化処理液中に含まれるクエン酸が、不動態皮膜の形成時に、不動態皮膜中に含まれる鉄(Fe)分(鉄イオン)と錯体を形成することで、鉄分が溶解、除去されて、不動態皮膜中のクロム(Cr)濃度が高くなる。また、不動態化処理液には、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸を含有していることから、不動態化処理液のpHがステンレス鋼の脱不動態化pHより高くなるので、安定した不動態皮膜を形成することができる。これにより、ステンレス鋼部品に形成された不動態皮膜の耐食性をより向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態において、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法の構成を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、各種ステンレス鋼の脱不動態化pHを示す図である。 本発明の実施の形態において、不動態化処理液のpHと、クエン酸の含有率との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、塩水噴霧試験後の供試体の外観観察結果を示す写真である。 本発明の実施の形態において、塩化第二鉄腐食試験の試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、比較例1の供試体における不動態皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、実施例2の供試体における不動態皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、比較例1及び実施例2の供試体の不動態皮膜におけるFe濃度に対するCr濃度の比率の比較を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、ステンレス鋼部品の不動態化処理方法の構成を示すフローチャートである。
前処理工程(S10)は、ステンレス鋼部品の表面の自然酸化皮膜を除去する工程である。ステンレス鋼部品に不動態皮膜を形成する前に、ステンレス鋼部品の表面に自然発生的に形成された耐食性が低い自然酸化皮膜を除去することが好ましい。
ステンレス鋼部品の前処理には、硝フッ酸溶液等を使用した酸洗処理や、機械研磨等の研磨が用いられる。ステンレス鋼部品の表面を研磨することにより、自然酸化皮膜の除去と共に、溶接や切断等の加工で形成された加工面をより平滑化することができる。ステンレス鋼部品の前処理として、脱脂洗浄処理を合わせて行うことが好ましい。ステンレス鋼部品の酸洗処理、脱脂洗浄処理、研磨については、一般的な金属材料の前処理に用いられる方法が適用可能である。
ステンレス鋼部品は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化型ステンレス鋼等で形成されている。これらのステンレス鋼は、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Ni系合金、Fe−Cr−Ni−Mo系合金、Fe−Cr−Ni−Mo―Cu系合金、Fe−Cr−Ni−Mn系合金等からなり、例えば、クロム(Cr)を12質量%以上含有しているFe系合金である。ステンレス鋼部品としては、例えば、水門、圧縮機等に用いられるインペラ、原子力設備部品等がある。
不動態化処理工程(S12)は、ステンレス鋼部品に、1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなる不動態化処理液を塗布または浸漬して不動態化処理する工程である。
まず、ステンレス鋼部品用の不動態化処理液について説明する。不動態化処理液は、1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水から構成されている。
過酸化水素は、ステンレス鋼部品の表面に不動態皮膜を形成するための酸化剤としての機能を有している。過酸化水素は、時間の経過に伴って水と酸素とに分解するので、環境負荷を低減することができる。不動態化処理液には、過酸化水素が1質量%含有されている。過酸化水素の含有率が1質量%より低い場合には、酸化力が弱くなるので不動態皮膜を形成し難くなるからである。また、過酸化水素の含有率が1質量%であれば、安定した不動態皮膜の形成が可能だからである。過酸化水素については、一般的に市販されているものを用いることができる。
クエン酸は、不動態皮膜の形成時に、不動態皮膜中に含まれる鉄(Fe)分(鉄イオン)と錯体を形成することにより、鉄分が溶解、除去されて、不動態皮膜中に含まれるクロム(Cr)分を濃縮する機能を有している。これにより不動態皮膜中のクロム濃度が高くなるので、不動態皮膜の耐食性をより向上させることが可能となる。クエン酸は、食品等にも用いられている弱酸であるため、環境負荷を低減することが可能となる。クエン酸には、一般的に市販されている無水クエン酸やクエン酸水和物等を用いることが可能である。
クエン酸の含有率については、0質量%より大きく、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満となるように、不動態化処理液が調製される。クエン酸の含有率を、ステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満とするのは、クエン酸の含有率を、ステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比以上とすると、不動態化処理液のpHがステンレス鋼の脱不動態化pH以下となるので(より酸性が強くなるので)、ステンレス鋼の脱不動態化が生じることにより、不動態皮膜の形成が阻害される可能性があるからである。
ステンレス鋼の脱不動態化pHについてより詳細に説明する。ステンレス鋼の脱不動態化pHとは、ステンレス鋼が耐食性を示せなくなるpH値のことである。ステンレス鋼は、脱不動態化pH以下の溶液(酸性がより強くなる溶液)では、安定した不動態皮膜が形成されず、良好な耐食性を示すことが難しくなる。ステンレス鋼の脱不動態化pHは、各種ステンレス鋼ごとに求められている。ステンレス鋼の脱不動態化pHは、Cr、Mo等の含有率が大きくなるほど低くなる傾向があり、これらの元素の含有率が小さくなるほど高くなる傾向がある。例えば、SUS304の脱不動態化pHは約2.0であり、SUS316の脱不動態化pHは約1.5である。このため、SUS304の場合には、不動態化処理液のpHが2.0以下になると脱不動態化しやすくなり、SUS316の場合には、不動態化処理液のpHが1.5以下になると脱不動態化しやすくなる。
ステンレス鋼の脱不動態化pHについては、文献値を用いてもよく、実験等で測定してもよい。図2は、各種ステンレス鋼の脱不動態化pHを示す図である。図2については、(社)腐食防食協会「ステンレス鋼の特性と使用上の要点」(2012)P10から引用している。
ステンレス鋼の脱不動態化pHを実験等で測定する場合には、例えば、室温でpHを変えた硫酸溶液等の酸性溶液に、自然酸化皮膜を除去したステンレス鋼を浸漬して浸漬電位を測定し、ステンレス鋼の不動態化による浸漬電位の上昇が認められないpHの中で、最も大きなpH値を脱不動態化pHとすればよい。
不動態化処理液のpHは、後述する実施例で示すように、クエン酸の含有率により変化する。クエン酸の含有率が小さいほどpHは高くなり、クエン酸の含有率が大きいほどpHは低くなる。より詳細には、後述する実施例の図3のグラフに示すように、1質量%の過酸化水素を含む不動態化処理液において、不動態化処理液のpH(室温)は、クエン酸を含まない場合が6.2であり、クエン酸0.1質量%の場合が3.1であり、クエン酸1質量%の場合が2.5であり、クエン酸5質量%の場合が2.1であり、クエン酸10質量%の場合が1.9となる。不動態化処理液のpHと、クエン酸の含有率との関係については、予め実験等で求めておくとよい。
ステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満である場合には、1質量%の過酸化水素を含む不動態化処理液において、クエン酸の含有率は、0.1質量%以上であり、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満となるように調製されることが好ましい。
水門、圧縮機等に用いられるインペラ、原子力設備部品等のステンレス鋼部品は、主に、SUS304、SUS316、SUS630等の脱不動態化pHが2.5未満であるステンレス鋼で形成されている。このようなステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満である場合には、1質量%の過酸化水素を含む不動態化処理液において、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満となるように調製することにより、不動態皮膜における耐海水腐食性や耐孔食性等の耐食性を向上させることが可能となる。
例えば、ステンレス鋼にSUS630を用いた場合には、SUS630の脱不動態化pHが約2.4であるので、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、SUS630の脱不動態化pH2.4となる質量比未満となるように、不動態化処理液を調製することが好ましい。SUS630の脱不動態化pH2.4となるクエン酸の含有率については、後述する実施例の図3のグラフに示すように2質量%であるので、1質量%の過酸化水素を含む不動態化処理液に含まれるクエン酸の含有率は、0.1質量%以上2質量%未満とするとよい。これにより、不動態化処理液のpHが、SUS630の脱不動態化pH2.4より高くなるので、安定した不動態皮膜を形成可能になる。
ステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満である場合には、1質量%の過酸化水素を含む不動態化処理液において、クエン酸の含有率は、0.1質量%以上1質量%以下となるように調製されることが好ましい。後述する実施例の図3のグラフに示すように、クエン酸の含有率が0.1質量%の場合には、不動態化処理液のpHが3.1となり、クエン酸の含有率が1質量%の場合には、不動態化処理液のpHが2.5となる。これにより、脱不動態化pHが2.5未満のいずれのステンレス鋼においても、不動態化処理液を適用可能となることから、ステンレス鋼の種類ごとに不動態化処理液を調製する必要がないので、生産性を向上させることが可能となる。
不動態化処理液に含まれる水については、溶媒としての機能を有しており、一般的な水道水や脱イオン水等を用いることが可能である。
不動態化処理液には、残部の水の一部に代えて、増粘剤を含有するようにしてもよい。不動態化処理液に増粘剤を含有させることにより、不動態化処理液が増粘されて、例えば、ゲル状やペースト状になる。その結果、不動態化処理液の密着性が高くなりステンレス鋼部品の表面に不動態化処理液が保持され易くなることから、不動態化処理液の弾きと流動とが抑えられるので塗布作業性が向上する。また、ステンレス鋼部品の表面に不動態化処理液が保持され易くなることから、ステンレス鋼部品の表面に耐食性をより向上させた不動態皮膜を形成可能となる。例えば、大型のステンレス鋼部品や、ステンレス鋼部品の表面に非水平面(垂直面、傾斜面、曲面等)を含む場合でも、不動態化処理液が増粘されて粘性が高くなっているので、不動態化処理液の弾きや流動を抑制することができる。
増粘剤には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のカルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチン、水溶性レジン等を用いることが可能である。増粘剤には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチンを用いることが好ましい。これらの増粘剤は、過酸化水素における水と酸素とへの分解を抑制可能であると共に、増粘剤自身が過酸化水素により分解され難いからである。また、これらの増粘剤については、不動態化処理液のpHに殆ど影響を与えないので、不動態化処理液に添加してもpHの変化を抑制することができる。増粘剤については、これらの増粘剤を単独で用いてもよいし、複数の増粘剤を組み合わせて用いてもよい。なお、増粘剤には、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース化合物を用いることがより好ましい。カルボキシメチルセルロースやカルボキシメチルセルロース化合物は、キサンタンガムやペクチン等よりも安価であるため、製造コストを低減することが可能となる。
増粘剤の含有率は、0質量%よりも大きく10質量%以下であることが好ましく、0質量%よりも大きく5質量%以下であることがより好ましい。増粘剤の含有率が10質量%より多いと、不動態化処理液の粘度が高くなることから、ステンレス鋼部品の表面に不動態化処理液を塗布または浸漬し難くなるからである。
次に、不動態化処理液の作製方法について説明する。不動態化処理液については、例えば、過酸化水素水にクエン酸を溶解して作製することができる。不動態化処理液に増粘剤を含有させる場合には、過酸化水素水に増粘剤を添加して過酸化水素水ゲルを作製した後、クエン酸を溶解させて作製してもよいし、過酸化水素水にクエン酸を溶解した後に、増粘剤を添加してゲル状にしてもよい。また、水にクエン酸を溶解し、増粘剤を添加してクエン酸ゲルを作製した後に、過酸化水素水を添加して作製してもよい。更に、増粘剤を水に溶解させた後に過酸化水素水と混合して過酸化水素水ゲルとし、この過酸化水素水ゲルにクエン酸を溶解させてもよい。なお、ミキサや超音波装置等を用いて混合撹拌することにより、より均一な不動態化処理液を作製することができる。
次に、ステンレス鋼部品に不動態化処理液を塗布または浸漬する方法について説明する。不動態化処理液の塗布方法については、刷毛塗り、へら塗り、ローラ塗り、スプレーによる噴射等の一般的な塗布方法が適用可能である。塗装手段や塗装装置についても、塗料等の塗布に用いられる一般的な刷毛、へら、ローラ、スプレーガン等を用いることができる。ステンレス鋼部品を不動態化処理液に浸漬する場合には、不動態化処理液を入れた容器にステンレス鋼部品を入れて浸漬させる等の一般的な浸漬方法が適用可能である。
不動態化処理液の液温については、特に限定されないが、常温(20℃から30℃)であることが好ましい。不動態化処理液を加熱するためのヒータや液温管理等が不要になるので、製造コストを低減することができる。また、不動態皮膜にはクロムが濃化されているので、常温の不動態化処理液で不動態化処理した場合でも十分な耐食性が得られるからである。ステンレス鋼部品に不動態化処理液を塗布または浸漬した後には、水洗や乾燥を行うようにしてもよい。このようにして、ステンレス鋼部品の表面に不動態皮膜が形成される。
以上、上記構成によれば、ステンレス鋼部品に、1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなる不動態化処理液を塗布または浸漬して不動態化処理する不動態化処理工程を備えていることから、不動態化処理液中に含まれるクエン酸が、不動態皮膜の形成時に、不動態皮膜中に含まれる鉄分(鉄イオン)と錯体を形成することで、鉄分が溶解、除去されて、不動態皮膜中のクロム濃度が高くなる。また、不動態化処理液のpHが、ステンレス鋼の脱不動態化pHより大きくなることから、ステンレス鋼部品の表面に安定した不動態皮膜を形成することができる。これにより、ステンレス鋼部品に形成された不動態皮膜の耐食性をより向上させることが可能となる。
(不動態化処理液のpHとクエン酸の含有率との関係)
不動態化処理液のpHと、クエン酸の含有率との関係について評価した。過酸化水素水(昭和化学株式会社製、特級)に、クエン酸を0.1質量%、0.5質量%、1質量%、5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%となるように各々溶解して不動態化処理液を作製した。クエン酸の最大含有率を40質量%としたのは、室温(20℃から30℃)における水へのクエン酸の飽和溶解量が約40質量%であるからである。クエン酸には、無水クエン酸(昭和化学株式会社製、1級)を用いた。各不動態化処理液における過酸化水素の含有率については、いずれも1質量%となるように調製した。不動態化処理液のpH測定については、pHメータを用いて室温(20℃から30℃)にて行った。なお、クエン酸を含まない1質量%過酸化水素を含有する不動態化処理液についてもpH測定を行った。
図3は、不動態化処理液のpHと、クエン酸の含有率との関係を示すグラフである。図3のグラフでは、横軸にクエン酸の含有率を取り、縦軸に不動態化処理液のpHを取り、不動態化処理液のpHを白菱形で示している。
不動態化処理液のpHについては、6.2(クエン酸0質量%)、3.1(クエン酸0.1質量%)、2.6(クエン酸0.5質量%)、2.5(クエン酸1質量%)、2.1(クエン酸5質量%)、1.9(クエン酸10質量%)、1.6(クエン酸20質量%)、1.3(クエン酸30質量%)、1.1(クエン酸40質量%)であった。
クエン酸の含有率が大きくなるほど不動態化処理液のpHが小さくなった(酸性がより強くなる)。また、不動態化処理液のpHについては、クエン酸の含有率が0質量%から1質量%までが不動態化処理液のpHの低下の度合いが大きく、クエン酸の含有率が1質量%以上では、不動態化処理液のpHが緩やかに低下した。
(耐食性評価)
ステンレス鋼材に不動態化処理を行って耐食性を評価した。
供試体には、SUS630製のシート材を使用した。SUS630の脱不動態化pHは、約2.4である。供試体サイズについては、幅70mm×長さ150mm×厚み3mmとした。前処理については、供試体を酸洗処理して自然酸化皮膜を除去した。
次に、酸洗処理した供試体について、不動態化処理を行った。まず、不動態化処理液の調製について説明する。
60℃から80℃程度の温水に、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(昭和化学株式会社 1級)を添加し、十分に撹拌してカルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液とした。次に、カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液と、過酸化水素水(昭和化学株式会社製、特級)とを混合撹拌して、過酸化水素水ゲルを調製した。次に、過酸化水素水ゲルに対して、所定量の無水クエン酸(昭和化学株式会社製、1級)を添加して混合撹拌し、0.1質量%、1質量%、5質量、20質量%、40質量%のクエン酸を含有する不動態化処理液を各々調製した。各不動態化処理液に対するカルボキシメチルセルロースナトリウムの含有率については、いずれも3質量%とし、過酸化水素の含有率については、いずれも1質量%とした。なお、クエン酸を含有せず、カルボキシメチルセルロースナトリウムを3質量%と、過酸化水素を1質量%と、を含有する不動態化処理液についても調製した。また、各不動態化処理液について室温(20℃から30℃)でpH測定を行ったところ、図3に示す増粘剤を含まない各クエン酸含有率の不動態化処理液のpHと略同じであった。
次に、酸洗処理した供試体の表面に、各不動態化処理液を刷毛塗りにて塗布した。不動態化処理液を塗布した状態で2時間保持し、その後、水洗した。
実施例1の供試体については、クエン酸を0.1質量%含有する不動態化処理液を用いた。実施例2の供試体については、クエン酸を1質量%含有する不動態化処理液を用いた。
比較例1の供試体については、クエン酸を含有しない不動態化処理液(酸化剤が過酸化水素のみ)を用いた。比較例2の供試体については、クエン酸を5質量%含有する不動態化処理液を用いた。比較例3の供試体については、クエン酸を20質量%含有する不動態化処理液を用いた。比較例4の供試体については、クエン酸を40質量%含有する不動態化処理液を用いた。比較例5の供試体として、酸洗処理のみを行い、不動態化処理をしていないものを用意した。
次に、不動態化処理した供試体における耐海水腐食性、耐孔食性等の耐食性を評価するために、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)と、塩化第二鉄腐食試験(JIS G 0578)とを行った。
まず、塩水噴霧試験の結果について説明する。図4は、塩水噴霧試験後の供試体の外観観察結果を示す写真である。供試体の外観観察については、試験前と、24時間経過後と、150時間経過後について行った。なお、図4において、丸で囲まれた部分は腐食が生じた箇所を示している。図4に示すように、酸洗処理のみ行った比較例5の供試体や、クエン酸を含有しない不動態化処理液を用いた比較例1の供試体については、24時間経過後に腐食が生じていた。
これに対して、クエン酸を0.1質量%、1質量%、5質量%、20質量%含有する各不動態化処理液を用いた実施例1、2、比較例2、3の供試体については、150時間経過後においても腐食の発生が認められなかった。また、クエン酸を40質量%含有する不動態化処理液を用いた比較例3の供試体については、150時間経過後において一部に腐食が認められた。
次に、塩化第二鉄腐食試験の結果について説明する。図5は、塩化第二鉄腐食試験の試験結果を示すグラフである。図5のグラフでは、横軸に平均腐食速度を取り、各供試体の平均腐食速度を棒グラフで表わしている。図5に示すように、クエン酸を0.1質量%、1質量%含有する各不動態化処理液を用いた実施例1、2の供試体については、他の不動態化処理液を用いた供試体よりも平均腐食速度が小さく、最も耐食性に優れていた。これに対して、クエン酸を5質量%、20質量%、40質量%含有する各不動態化処理液を用いた比較例2、3、4の供試体については、クエン酸を含まない不動態化処理液を用いた比較例1の供試体よりも平均腐食速度が大きくなり、耐食性が低下した。
クエン酸を含まない不動態化処理液を用いた比較例1の供試体の不動態皮膜と、クエン酸を1質量%含有する不動態化処理液を用いた実施例2の供試体の不動態皮膜と、について、オージェ電子分光分析を行った。分析条件については、イオンガン圧力を6.0×10−2Pa、加速電圧を10kVとした。
図6は、比較例1の供試体における不動態皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。図7は、実施例2の供試体における不動態皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。図6及び図7のグラフでは、横軸に表面からのスパッタ時間(min)を取り、縦軸に原子濃度を取り、Fe(鉄)、Cr(クロム)、O(酸素)、C(炭素)の原子濃度を実線等で表している。なお、図6のグラフのスパッタ時間が5minの位置と、図7のグラフのスパッタ時間が8minの位置とは、基材と不動態皮膜との界面の位置を示している。
また、図8は、比較例1及び実施例2の供試体の不動態皮膜におけるFe濃度に対するCr濃度の比率の比較を示すグラフである。図8のグラフにおいて、横軸に表面からのスパッタ時間(min)を取り、縦軸にCr/Fe比率(Fe原子濃度に対するCr原子濃度の比率)を取り、比較例1及び実施例2の供試体のデータを実線等で表している。なお、Cr/Fe比率については、図6及び図7に示すFe原子濃度とCr原子濃度とから算出した。
図8のグラフから明らかなように、実施例2の供試体の不動態皮膜は、比較例1の供試体の不動態皮膜よりも、表面(0min)から約6minの範囲でCr/Fe比率が大きくなり、不動態皮膜中にCrが濃化していることがわかった。
以上の評価結果から、クエン酸を0.1質量%、1質量%含有する各不動態化処理液を用いた実施例1、2の供試体については、図4及び図5に示すように、耐海水腐食性、耐孔食性ともに耐食性が向上することがわかった。実施例1、2の供試体に用いた不動態化処理液のpHは、図3のグラフから3.1と2.5であり、SUS630の脱不動化PHである約2.4よりも高いので、安定した不動態皮膜が形成されたと考えられる。また、実施例1、2の供試体に用いた不動態化処理液には、クエン酸が含まれているので、不動態皮膜の形成時に、このクエン酸が不動態皮膜中に含まれる鉄分(鉄イオン)と錯体を形成することで、鉄分が溶解、除去されて、図8に示すように不動態皮膜中に含まれるクロム濃度が高くなり、耐食性が向上したと考えられる。
これに対して、比較例1の供試体では、不動態化処理液にクエン酸が含まれていないことから、不動態皮膜中に含まれるクロム濃度が低くなり、耐食性が低下したと考えられる。また、比較例2から4の供試体に用いた不動態化処理液のpHは、図3のグラフから2.1、1.6、1.1であり、SUS630の脱不動化pHである約2.4よりも低いので、安定した不動態皮膜が形成されなかったと考えられる。
S10 前処理工程、
S12 不動態化処理工程。

Claims (8)

  1. ステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記ステンレス鋼部品に、1質量%の過酸化水素と、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなる不動態化処理液を塗布または浸漬して不動態化処理する不動態化処理工程を備えることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  2. 請求項1に記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満であり、
    前記不動態化処理液は、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満であることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  3. 請求項2に記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記不動態化処理液は、クエン酸の含有率が、0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のステンレス鋼部品の不動態化処理方法であって、
    前記不動態化処理液は、残部の水の一部に代えて、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチンを含有することを特徴とするステンレス鋼部品の不動態化処理方法。
  5. ステンレス鋼部品用の不動態化処理液であって、
    1質量%の過酸化水素と、ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満のクエン酸と、を含有し、残部が水からなることを特徴とするステンレス鋼部品用の不動態化処理液。
  6. 請求項5に記載のステンレス鋼部品用の不動態化処理液であって、
    前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHが2.5未満であり、
    クエン酸の含有率が、0.1質量%以上であり、前記ステンレス鋼部品を形成するステンレス鋼の脱不動態化pHとなる質量比未満であることを特徴とするステンレス鋼部品用の不動態化処理液。
  7. 請求項6に記載のステンレス鋼部品用の不動態化処理液であって、
    クエン酸の含有率が、0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とするステンレス鋼部品用の不動態化処理液。
  8. 請求項5から7のいずれか1つに記載のステンレス鋼部品用の不動態化処理液であって、
    残部の水の一部に代えて、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース化合物、キサンタンガムまたはペクチンを含有することを特徴とするステンレス鋼部品用の不動態化処理液。
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