JP2016108517A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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翔子 鈴木
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Abstract

【課題】特定の変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物において、シランカップリング剤のカップリング機能の活性をさらに高めて、好適に低発熱となるゴム組成物を得ることが可能なゴム組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(A)、無機充填剤(B)を含む充填剤、シランカップリング剤(C)及びジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤(D)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、低発熱性を向上する、無機充填材を含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
例えば、特許文献1では、共役ジオレフィン、あるいは共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物の(共)重合ゴムであって、(共)重合体鎖に結合した第1級アミノ基及びアルコキシシリル基を有する共役ジオレフィン(共)重合ゴムが提案されている。
しかし、無機充填材配合ゴム組成物において、シリカ等の無機充填材を配合する際には、無機充填材、特にシリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられる。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める目的で種々の試みがなされている。
特許文献2では、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、無機充填材(B)を含む充填材、シランカップリング剤(C)、及びグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(D)、並びに有機酸化合物(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、該加硫促進剤(D)、及び該有機酸化合物(E)を混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の該有機酸化合物(E)の分子数Xが該加硫促進剤(D)の分子数Yに対して以下の式[1]の関係にあるゴム組成物の製造方法が提案されている。
0≦X≦1.5×Y ・・・[1]
国際公開2003/029299号パンフレット 国際公開2012/043853号パンフレット
本発明は、このような状況下で、変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物において、シランカップリング剤のカップリング機能の活性をさらに高めて、好適に低発熱でかつ耐摩耗性に優れるゴム組成物を得ることが可能なゴム組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、無機充填材の全部又は一部と、シランカップリング剤の全部又は一部と、ジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤とを配合し、種々実験を進めた結果、カップリング機能の活性を高めるようにするためには、混練工程の第一段階において、ジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤を配合すれば良いことを実験的に知見し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
[1] シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(A)、無機充填剤(B)を含む充填剤、シランカップリング剤(C)及びジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤(D)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物において、シランカップリング剤のカップリング機能の活性をさらに高めて、低発熱性でかつ耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることが可能であるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(A)、無機充填剤(B)を含む充填剤、シランカップリング剤(C)及びジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤(D)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該促進剤(D)を加えて混練することを特徴とする。
本発明において、混練の第一段階で促進剤(D)を加えて混練するのは、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めるためである。
なお、本明細書において、「〜」という用語は、その下限値以上、上限値以下を示す用語である。
本発明の混練の第一段階において、前記ゴム成分(A)、前記無機充填材(B)の全部又は一部及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に前記促進剤(D)を加えて、さらに混練することが、促進剤(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを更に好適に抑制するために好ましい。即ち、無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該促進剤(D)を加えるまでの時間を10〜180秒とすることがより好ましい。この時間の下限値は、30秒以上であることが更に好ましく、上限値は、150秒以下であることが更に好ましく、120秒以下であることが特に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が180秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を180秒とすることが好ましい。
本発明において、混練の第一段階におけるゴム組成物中の有機酸のモル量Xが前記促進剤(D)のモル量Yに対して以下の式[1]の関係にあることが好ましい。促進剤(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果が多量の有機酸の存在により低減するのを好適に抑制するためである。
0≦X≦1.5×Y ・・・[1]
混練の第一段階(X)における有機酸量を減少させるためには、有機酸が混練りの第二段階以降に加えられることが好ましい。
本発明において、混練の第一段階におけるゴム組成物におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃であることが好ましい。無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応を十分に進行させるためである。この観点から、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、130〜190℃であることがより好ましく、140〜180℃であることがさらに好ましい。
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、促進剤(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の第一段階と、加硫剤等を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、促進剤(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の中間段階を含んでも良い。ここで、加硫剤等とは、加硫剤及び加硫促進剤をいう。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と無機充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
[シランカップリング剤(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(C)は、下記一般式(I)及び(II)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物であることが好ましい。
本発明方法に係るゴム組成物は、このようなシランカップリング剤(C)を用いることにより、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好な空気入りタイヤを与えることができる。
以下、下記一般式(I)及び(II)を順に説明する。
式中、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、aは平均値として2〜6であり、p及びrは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しp及びrの双方が3であることはない。
上記一般式(I)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。
式中、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、Rは一般式
(−S−R60−S−)、(−R61−Sm1−R62−)及び(−R63−Sm2−R64−Sm3−R65−)のいずれかの二価の基(R60〜R65は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の二価の脂環式炭化水素基、二価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2、m3は同一でも異なっていても良く、各々平均値として1以上4未満である。)であり、kは同一でも異なっていても良く、各々平均値として1〜6であり、s及びtは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しs及びtの双方が3であることはない。
上記一般式(II)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH10−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S2.5−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH10−S−(CH10−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH
平均組成式(CHCHO)Si−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−S−(CH−Si(OCHCH等で表される化合物が好適に挙げられる。
本発明に係るシランカップリング剤(C)は、上記一般式(I)及び(II)で表わされる化合物の内、上記一般式(I)で表わされる化合物が特に好ましい。促進剤(D)はゴム成分(A)と反応するポリスルフィド結合部位の活性化を起こし易いからである。
本発明においては、シランカップリング剤(C)は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に係るゴム組成物のシランカップリング剤(C)の配合量は、無機充填材の1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満ではゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、20質量%を超えると、ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。更には無機充填材の3〜20質量%であることがより好ましく、無機充填材の4〜10質量%であることが特に好ましい。
[促進剤(D)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる促進剤(D)として、ジチオリン酸類が挙げられ、ジチオリン酸類としては、後述するジチオリン酸又はジチオリン酸塩が用いられる。
本発明の促進剤(D)は、下記の一般式(III) で表されるジチオリン酸金属塩、O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド及びO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記一般式(III)で表されるジチオリン酸金属塩のR及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでもよい。MはZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原子であり、nは結合する金属の原子価の数である。中でも、R及びRは、炭素数3〜4のアルキル基が好ましい。R及びRが、炭素数3〜4のアルキル基を有するジチオリン酸金属塩はゴムへの溶解性が向上する。また、金属としては、Zn原子又はSb原子が好ましい。つまり、下記の式(III)に示すようなジチオリン酸金属塩が好ましい。
式中、MはZn原子又はSb原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。
すなわち、これらのジチオリン酸金属塩としては、例えばO,O’−ジプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−t−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジフェニルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジシクロヘキシルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−sec−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−t−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジフェニルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジシクロヘキシルジチオリン酸アンチモン等が挙げられ、中でも、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸アンチモンが好ましい。これらの促進剤は単独で、又は2種以上の混合物で用いることができる。
O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド又はO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドのとしては、例えばO,O’−ジブチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジプロピルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジエチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジメチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ビス(4−メチルペンチル)ジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジオクタデシルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジブチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジエチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジメチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(4−メチルペンチル)ジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジオクタデシルジチオリン酸テトラスルフィド等が挙げられる。中でも効果の点から、O,O’−ジブチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸テトラスルフィドが好ましい。
さらに、本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる促進剤(D)は、下記一般式(V) で表される群より選択される少なくとも1種のジチオリン酸化合物であることが好ましい。
式中、XはSであり、mは1〜4の整数を取る。また、R10、R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、いずれでもよい。
前記一般式(III)で表されるジチオリン酸金属塩としては、例えば、ジ−(ブチル−ジチオリン酸)亜鉛(商品名「Rhenocure TP/S」、RheinChemie社製)、ジ−(2−エチルヘキシルジチオリン酸)亜鉛(商品名「Rhenocure ZDT/S」、RheinChemie社製)が好ましい。
本発明において、混練の第一段階におけるゴム組成物中の促進剤(D)のモル量がシランカップリング剤(C)のモル量の0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、該促進剤(D)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.3〜1.0倍である。
なお、促進剤(D)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合しても良い。
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つを含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むものである。
上記の変性共役ジエン系重合体は、変性共役ジエン共重合体であっても良いし、変性共役ジエン単独重合体であっても良い。変性共役ジエン共重合体としては、変性芳香族ビニル−共役ジエン共重合体であっても良いし、複数の共役ジエンの共重合体であっても良い。
また、重合方法としては、アニオン重合、配位重合及び乳化重合のいずれでも良い。変性剤は、アニオン重合又は配位重合の重合活性末端と反応する変性剤であっても良いし、重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であっても良い。また、乳化重合において、変性剤が、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つを含むモノマーとして共重合されても良い。
以下に、本発明における好適な変性剤を説明する。
本発明に係る変性共役ジエン系重合体の変性に使用される変性剤は、シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤である。そして、この変性剤が、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つの原子を有する変性剤であることが好ましい。即ち、シリカに対して親和性を有する官能基が、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つの原子を有することが好ましい。ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のいずれかを有する官能基は、シリカに対して親和性を有するからである。
シリカに対して親和性を有する観点から、本発明に係る変性剤は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
そして、本発明に係るヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
上記一般式(VI)中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n2は1〜4の整数であり、n1、n3及びn4は0〜3の整数である)であり、Aは、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、Aは、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であっても良く、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一もしくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又は加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、本発明において、「炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基」とは、「炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基」をいう。二価の炭化水素基の場合も同様である。
さらに、上記一般式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
上記一般式(VII)中、p1+p2+p3=2(但し、p2は1〜2の整数であり、p1及びp3は0〜1の整数である)であり、Aは、NR(Rは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一もしくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
さらに、上記一般式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VIII)又は(IX)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
上記一般式(VIII)中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
上記一般式(IX)中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。
また、上記変性剤が、下記一般式(X)又は(XI)で表される2つ以上の窒素原子を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
上記一般式(X)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R40はトリメチルシリル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
上記一般式(XI)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR45は、同一でも異なっていても良い。
また、上記一般式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(XII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
上記一般式(XII)中、r3+r4=3(但し、r3は0〜2の整数であり、r4は1〜3の整数である。)であり、TMSはトリメチルシリル基であり、R46は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。複数のR47又はR48は、同一でも異なっていても良い。
さらに、上記変性剤が、下記一般式(XIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
上記一般式(XIII)中、xはハロゲン原子であり、R49は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50及びR51はそれぞれ独立して加水分解性基又は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基もしくは炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか又はR50及びR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基又は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基もしくは炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。R50及びR51としては、加水分解性基であることが好ましく、加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
以上の一般式(VI)〜(XIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、本発明に係る変性共役ジエン系重合体がアニオン重合により製造される場合の変性剤として用いられることが好ましい。
また、一般式(VI)〜(XIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
また、アニオン重合により製造される本発明に係る変性共役ジエン系重合体の変性に用いられることが好ましい、本発明に係る変性剤として、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及び1―メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。
本発明に係る変性剤が、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であるが好ましい。
このリチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド及びリチウムメチルフェネチルアミドから選ばれる化合物であることが好適に例示される。例えば、リチウムヘキサメチレンイミドのアミド部分となる変性剤はヘキサメチレンイミンであり、リチウムピロリジドのアミド部分となる変性剤はピロリジンであり、リチウムピぺリジドのアミド部分となる変性剤はピぺリジンである。
また、配位重合により製造される本発明に係る変性共役ジエン系重合体の変性に用いられることが好ましい、本発明に係る変性剤として、2−シアノピリジン及び3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。
乳化重合により製造される本発明に係る変性共役ジエン系重合体の変性に用いられることが好ましい、本発明に係る変性剤として、3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒド及び4−ヘキサメチレンイミノアルキルスチレンから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。これらの乳化重合において好ましく用いられる変性剤は、窒素原子及び/又はケイ素原子を含むモノマーとして、乳化重合時に共重合されることが好ましい。
本発明に係る変性共役ジエン系重合体は、アニオン重合における場合は、変性アニオン重合芳香族ビニル−ブタジエン共重合体又は変性アニオン重合ポリブタジエン(以下、「変性アニオン重合BR」と略称することがある。)が好ましく、変性アニオン重合芳香族ビニル−ブタジエン共重合体としては変性アニオン重合スチレン−ブタジエン共重合体(以下、「変性アニオン重合SBR」と略称することがある。)であることが好ましい。
また、配位重合における場合は、変性配位重合ポリブタジエン(以下、「変性配位重合BR」と略称することがある。)が好ましい。
さらに、乳化重合における場合は、変性乳化重合芳香族ビニル−ブタジエン共重合体が好ましく、変性乳化重合芳香族ビニル−ブタジエン共重合体としては変性乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体(以下、「変性乳化重合SBR」と略称することがある。)であることが好ましい。
上述の、アニオン重合、配位重合及び乳化重合のいずれの場合においても、公知の重合方法及び公知の変性方法が用いられる。
本発明に係るゴム成分(A)は、上記の変性共役ジエン系重合体の内の少なくとも1種の変性共役ジエン系重合体からなるものであっても良いし、上記の変性共役ジエン系重合体の内の少なくとも1種の変性共役ジエン系重合体に加えて、天然ゴム及び/又は他の合成ジエン系ゴムを含んでも良い。
この他の合成ジエン系ゴムとしては、無変性溶液重合スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(以下、「無変性溶液重合SBR」ということがある。)、乳化重合スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(以下、「乳化重合SBR」ということがある。)、無変性ポリブタジエンゴム(無変性BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができ、天然ゴム及び他の合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いても良い。
[有機酸]
本発明における有機酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などが挙げられる。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、有機酸中の50モル%以下が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であっても良い。
[無機充填材(B)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる無機充填材(B)は、シリカ及び下記一般式(XIV)で表される無機化合物を用いることができる。
dM・xSiO・zHO ・・・(XIV)
ここで、一般式(XI)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(XIV)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
本発明においては、上述の無機充填材(B)の内、低転がり性と耐摩耗性の両立の観点からシリカが好ましい。シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積=220m/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積=175m/g)等の市販品を用いることができる。
前記一般式(XIV)で表わされる無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO5 、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(XIV)中のMがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
一般式(XIV)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。これらの無機化合物の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、シリカ単独で使用しても良いし、シリカと一般式(VI)で表される無機化合物の1種以上とを併用しても良い。
本発明に係るゴム組成物の充填材は、所望により、上述の無機充填材(B)に加えてカーボンブラックを含有しても良い。カーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(NSA、JISK 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。本発明において、カーボンブラックは無機充填材(B)に含まれない。
本発明に係るゴム組成物の無機充填材(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜120質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ウェット性能を確保する観点から好ましく、120質量部以下であれば、低発熱性向上の観点から好ましい。更には、30〜100質量部使用することがより好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物の充填材は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、150質量部以下であれば、低発熱性向上の観点から好ましい。
前記充填材中、無機充填材(B)が40質量%以上であることがウェット性能と低発熱性の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性を下記の方法により評価した。
発熱性(tanδ指数)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例16、20、24又は28のtanδを100として下記式にて指数表示した。指数値が小さい程、発熱性が低く、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
発熱性指数={(供試加硫ゴム組成物のtanδ)/(比較例16、20、24又は28の加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
耐摩耗性(指数)
JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して23℃で摩耗量を測定し、比較例3、5、7又は9の摩耗量の逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であることを示す。
耐摩耗性指数={(比較例16、20、24又は28の加硫ゴム組成物の摩耗量)/(供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
変性剤は、以下の各種変性剤を用いた。
変性剤A(テトラエトキシシラン)、変性剤B(N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン:株式会社チッソ製、商品名「サイラエース S340」)、変性剤I又はN(2−シアノピリジン)、変性剤J(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、変性剤K(1―メチル−2−ピロリドン)、変性剤Q(4−ヘキサメチレンイミノアルキルスチレン)及びヘキサメチレンイミンは、市販品又は試薬を用いた。
変性剤C、D及びFは、特開2010−270212に記載された変性剤H、i、及びEである。
変性剤Eは、特表2009−512762に記載された式M2によって表される修飾剤2である。
変性剤G、O及びPは、WO2009/086490に実施例21として記載された3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒドである。
変性剤Hは、特表2010−530464に記載されたN,N-ビス(トリメチルシリル)-(3-アミノ-1-プロピル)](メチル)(ジクロロ)シランである。
変性剤Lは、リチウムヘキサメチレンイミドのアミド部分となるヘキサメチレンイミンであり、アニオン重合に際して、リチウムヘキサメチレンイミドを重合開始剤として用いた。
なお、変性剤C、D、E、F及びHの化学式を下記する。式中、TMSはトリメチルシリル基、Meはメチル基、OEtはエトキシ基である。
<変性アニオン重合SBR−A〜Mの製造>
乾燥し、窒素置換した容積800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエンが60g、スチレンが15gとなるように加えた。そして、そこに2,2−ジテトラヒドロフリルプロパンを0.70mmol、n−ブチルリチウムを0.70mmol加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行い、リチウム型の活性部位を末端に有するスチレン−ブタジエン共重合体を得た。なお、この際の重合転化率はほぼ100%であった。その後、50℃にて老化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2ミリリットルを加えて重合反応の停止を行い、さらに微量のBHTを含むイソプロパノール中で再沈殿させた後、ドラムドライヤーにて乾燥し、無変性アニオン重合SBRを得た。結合スチレン量は20質量%、ブタジエン中のビニル結合含量は55%であった。
上記の無変性アニオン重合SBRの重合時において、リチウム型の活性部位を末端に有するスチレン−ブタジエン共重合体の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、上記変性剤A〜Kのいずれかを0.63mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行い、その後上記と同様にして、変性アニオン重合SBR−A〜Kを得た。
また、上記無変性アニオン重合SBRの重合において、0.70mmolのn−ブチルリチウムの代わりに0.70mmolのリチウムヘキサメチレンイミドを用いた以外は上記と同様にして変性剤Lを用いた変性アニオン重合SBR―Lを得た。
同様にして、上記無変性アニオン重合SBRの重合において、0.70mmolのn−ブチルリチウムの代わりに0.70mmolのリチウムヘキサメチレンイミドを用いて重合し、重合転化率はほぼ100%となった重合反応系に対し、上記変性剤Bを0.63mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行い、変性アニオン重合SBR−Mを得た。
変性アニオン重合SBR−A〜Mの結合スチレン量(質量%)及びブタジエン中のビニル結合含量(%)を表1に示す。
<変性配位重合BR−N及びOの製造>
乾燥・窒素置換された、ゴム栓付き容器100ミリリットルのガラスビンに、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2質量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56モル/リットル)0.59ミリリットル、メチルアルミノキサンMAO(東ソ−アクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23モル)10.32ミリリットル、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90モル/リットル)7.77ミリリットルの順序で投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95モル/リットル)1.45ミリリットルを加え室温で時折攪拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011モル/リットルであった。
次に、約1リットル容積のゴム栓付きガラスビンを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液および及び乾燥シクロヘキサンを投入し、ブタジエン12.0質量%のシクロヘキサン溶液400gが投入された状態とした。
次に、前もって調製した触媒Aを1.56ミリリットル(ネオジム換算0.017ミリモル)投入し、50℃の水浴中で1.5時間重合を行なった。その後、50℃にて老化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾールのイソプロパノール(BHT)5質量%溶液2ミリリットルを加えて重合反応の停止を行い、さらに微量のBHTを含むイソプロパノール中で再沈殿させた後、ドラムドライヤーにて乾燥し、ほぼ100%の収率で無変性配位重合BRを得た。シス1,4−結合含量は90%以上であった。
また、無変性配位重合BRの重合において、50℃の水浴中で1.5時間重合を行なった後、変性剤N又はOをネオジム対比25当量添加して50℃水浴中で1時間反応させた。その後無変性配位重合BRと同様な操作を行い変性配位重合BR−N及びOを得た。シス1,4−結合含量は90%以上であった。
<変性乳化重合SBR−P及びQの製造>
撹拌機付き重合反応器に水200部、ロジン酸石鹸3部、単量体として1,3−ブタジエン71部、スチレン26部および変性剤P又はQ3部、並びに連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込んだ。反応温度を5℃とし、ラジカル開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド0.1部、ソジウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.2部および硫酸第二鉄0.01部を添加して重合を開始した。
転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加して反応を停止した。次いで、未反応単量体を水蒸気蒸留により回収し、硫酸と食塩により共重合体を凝固させ、水洗後減圧乾燥して変性乳化重合SBR−P及びQを得た。結合スチレン量は23.5質量%、変性乳化重合SBR−P及びQ中の変性剤P又はQはいずれも3質量%であった。
実施例1〜23及び比較例1〜7
配合処方及び混練方法を変えて、複数の供試体ゴム組成物を作製した。
表2〜5に示す配合処方及び混練方法により、実施例1、2、比較例1〜3、7の混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度はいずれも150℃、実施例3、比較例4は混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度はいずれも165℃、比較例5,6、実施例4〜23は混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度はいずれも180℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練した。各混練時間は比較例1、2、5、7と実施例1、4では3分、それ以外は6分とし、合計30種類のゴム組成物を調製した。表2〜5に示す実施例1〜23及び比較例1、7以外のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練し、60秒後に、促進剤(D)としてグアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練した。一方、表5に示す比較例1及び7のゴム組成物の混練の第一段階においては促進剤(D)を加えなかった。得られた30種類のゴム組成物の発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性を上記の方法により評価した。結果を表2〜5に示す。
[注]
*1: 変性アニオン重合SBR−A〜M(実施例1〜19、比較例7)、無変性アニオン重合SBR(比較例1〜6)、変性配位重合BR−N及びO(実施例20、21)、変性乳化重合SBR−P及びQ(実施例22、23)
*2: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*3: 東ソー・シリカ株式会社製、ニップシールAQ、 BET表面積205m/g
*4: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
*5: ジ‐(ブチル‐ジチオリン酸)亜鉛、ラインケミー社製、商品名「レノキュアTP/S」
*6: ジ‐(2‐エチルヘキシルジチオリン酸)亜鉛、ラインケミー社製、商品名「レノキュアZDT/S」
*7: ホスホニルポリスルフィド、ラインケミー社製、商品名「レノキュアSDT/S」
*8: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*9: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
*10: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*11: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーDM」
*12: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
表2〜5から明らかなように、実施例1〜23のゴム組成物は、比較例1〜7中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも発熱性(tanδ指数)が低く良好であり、耐摩耗性も向上した。
本発明のゴム組成物の製造方法は、特定の変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物において、シランカップリング剤のカップリング機能の活性をさらに高めて、低発熱性及び耐磨耗性に優れたゴム組成物を得ることができるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材の製造方法として好適に用いられる。

Claims (13)

  1. シリカに対して親和性を有する官能基を含む変性剤を使用して得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分(A)、無機充填剤(B)を含む充填剤、シランカップリング剤(C)及びジチオリン酸類から選択される少なくとも一種の促進剤(D)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記第一段階において、前記ゴム成分(A)、前記無機充填材(B)の全部又は一部及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に前記促進剤(D)を加えて、さらに混練することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記第一段階におけるゴム組成物中の有機酸のモル量Xが前記促進剤(D)のモル量Yに対して以下の式[1]の関係にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
    0≦X≦1.5×Y ・・・[1]
  4. 前記ゴム組成物中の有機酸が混練りの第二段階以降に加えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  6. 前記シランカップリング剤(C)が、下記一般式(I)〜(II)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。

    [式中、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、aは平均値として2〜6であり、p及びrは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しp及びrの双方が3であることはない。]

    [式中、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、Rは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、Rは一般式
    (−S−R−S−)、(−R−Sm1−R10−)及び(−R11−Sm2−R12−Sm3−R13−)のいずれかの二価の基(R〜R13は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、二価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2、m3は同一でも異なっていても良く、各々平均値として1以上4未満である。)であり、kは同一でも異なっていても良く、各々平均値として1〜6であり、s及びtは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しs及びtの双方が3であることはない。]
  7. 前記シランカップリング剤(C)が、上記一般式(I)で表わされる化合物である請求項6に記載のゴム組成物の製造方法。
  8. 前記無機充填材(B)がシリカである請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  9. 前記充填材がカーボンブラックを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  10. 前記充填材中、前記無機充填材(B)が40質量%以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  11. 前記ジチオリン酸類が、下記一般式(III)で表されるジチオリン酸金属塩、O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド及びO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種のジチオリン酸化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載されるゴム組成物の製造方法。

    (式中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでもよい。MはZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
  12. 前記一般式(III) で表されるジチオリン酸金属塩が、下記一般式(IV)で表されるジチオリン酸化合物系加硫促進剤であることを特徴とする請求項11に記載されるゴム組成物の製造方法。

    (式中、MはZn原子又はSb原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
  13. 前記ジチオリン酸類が、下記一般式(V) で表される群より選択される少なくとも1種のジチオリン酸化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載されるゴム組成物の製造方法。

    (式中、XはSであり、mは1〜4の整数を取る。また、R10、R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、いずれでもよい。)
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