JP2016108468A - 粘着剤の除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光学部材の貼り直し等が必要となった場合に、リワーク(再剥離)作業を容易かつ安全に行うことを課題とする。【解決手段】本発明は、樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物に貼着する工程と、樹脂シートを被着物から剥離する工程とを含み、樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、粘着剤はアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする粘着剤の除去方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤の除去方法に関する。具体的には、本発明は、樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物に貼着した後に、樹脂シートを剥がすことで、被着物に付着した粘着剤を除去する方法に関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)が、表示装置として広く使用されている。このような表示装置には、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々な光学部材が使用されている。これらの光学部材の貼り合わせには、通常アクリル系粘着剤が用いられている(特許文献1)。
液晶ディスプレイにおいては、基板としてガラス基板が使用されることが多い。このようなガラス基板に塵埃などの異物が付着すると画像不良が発生するため、液晶ディスプレイの製造工程ではガラス基板の洗浄が行われている。近年は、液晶ディスプレイ等の大画面化が進んでおり、ガラス基板の洗浄のために、大規模な設備が必要となったりするなど、コストがかかる場合がある。そこで、ガラス基板に付着した異物を粘着テープで除去する方法が提案されている(特許文献2)。ここではガラス基板の表面に付着した塵埃などの異物は粘着テープで除去されている。
異物が除去されたガラス基板は、他の光学部材と貼合される。貼合の際に用いられる粘着剤には優れた粘着性が求められている。一方で、製造工程においては、光学部材の貼り直し等が必要となった場合に、リワーク(再剥離)させたいとの要求もある。特に液晶ディスプレイと他の部材(例えばタッチパネルモジュール)との貼合時、又はカバーガラスと飛散防止フィルムとの貼合時に塵埃のかみ込みなどの不良が生じた場合は、相対的に価格の高い液晶ディスプレイやカバーガラスを再利用するためにリワークをさせたいとの要求が高まってきている。
しかし、粘着性に優れる粘着剤は、ガラス基板等と強固に接着しているため、リワーク作業をした際に、粘着剤がガラス基板に残存してしまう。このため、光学部材の貼り直し等が必要となった場合のリワーク工程においては、ガラス基板に付着した粘着剤を溶剤で拭き取るという作業が一般的に行われている(特許文献3)。
特開2003−238915号公報 特許第3611623号公報 特開2011−160961号公報
しかしながら、特許文献3に記載されたリワーク方法においては、作業に手間と時間がかかるという問題があった。溶剤で粘着剤をふき取る方法では、溶剤に粘着剤が溶解することになり、結果として粘着剤溶液がガラスなどの表面に薄く塗り伸ばされている状態が発生する。このため、粘着剤を完全に除去するために時間を要したり、場合によっては、粘着剤の完全な除去が困難であることもあった。さらに、特許文献3に記載された方法では、リワーク作業時に溶剤を大量に使用することとなるため、揮散した溶剤が作業環境を悪化させるなどの問題も生じていた。
なお、上述した特許文献2では、粘着テープを用いて、ガラス基板に付着した異物を取り除いている。しかし、このような粘着テープはガラス基板に付着している塵埃などを取り除くためのものであり、リワーク工程で用いられるものではない。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、光学部材の貼り直し等が必要となった場合に、リワーク(再剥離)作業を容易かつ安全に行うことを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、破断点伸度が400%以上の樹脂シートを使用することによって、被着物に付着したアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤を容易に除去し得る方法を見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物の粘着剤側に貼着する工程と、樹脂シートを被着物から剥離する工程とを含み、樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、粘着剤はアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする粘着剤の除去方法。
[2]樹脂シートは、破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上である[1]に記載の粘着剤の除去方法。
[3]樹脂シートは、ゴム系樹脂を主成分とする[1]又は[2]に記載の粘着剤の除去方法。
[4]ゴム系樹脂は、スチレン系共重合体である[3]に記載の粘着剤の除去方法。
[5]ゴム系樹脂は、スチレン系ブロック共重合体であって、スチレン系ブロック共重合体はスチレンを重合させたブロックと、エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックとを含有する[3]又は[4]に記載の粘着剤の除去方法。
[6]スチレンを重合させたブロックの含有率は、スチレン系ブロック共重合体に対して10〜50質量%である[5]に記載の粘着剤の除去方法。
[7]ゴム系樹脂は、A−B−A型トリブロック共重合体であって、Aはスチレンを重合させたブロックであり、Bはエチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックである[3]〜[6]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[8]樹脂シートは、ゴム系樹脂と、粘着付与剤と、可塑剤とを含み、粘着付与剤の含有量は、ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜90質量部であり、可塑剤の含有量は、ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜80質量部である[1]〜[7]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[9]樹脂シートは、単層である[1]〜[8]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[10]樹脂シートは、厚みが80μm以上である[1]〜[9]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[11]粘着剤は、アクリル系粘着剤である[1]〜[10]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[12]被着物は、ガラス又は樹脂フィルムである[1]〜[11]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[13]被着物は、光学部材である[1]〜[12]のいずれかに記載の粘着剤の除去方法。
[14]粘着剤が表面に付着した被着物から、粘着剤を除去するための粘着剤除去用樹脂シートであって、粘着剤除去用樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、粘着剤は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種である粘着剤除去用樹脂シート。
[15]破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上である[14]に記載の粘着剤除去用樹脂シート。
[16]ゴム系樹脂を主成分とする[14]又は[15]に記載の粘着剤除去用樹脂シート。
本発明の方法によれば、光学部材の貼り直し等が必要となった場合に、リワーク作業を容易かつ安全に行うことができる。このため、表示装置の製造工程等において、粘着剤が付着した液晶ディスプレイやカバーガラスから粘着剤を効率良く除去することができ、各部材を再利用することが可能となる。
図1は、本発明の粘着剤の除去方法を説明する工程図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(粘着剤の除去方法)
本発明の粘着剤の除去方法は、樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物の粘着剤側に貼着する工程と、樹脂シートを被着物から剥離する工程とを含む。ここで、樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、除去される粘着剤は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種である。
本発明では、樹脂シートを用いることにより、粘着剤を被着物から容易に除去することができる。すなわち、本発明の粘着剤の除去方法においては、有機溶剤等を使用することなく、被着物に接着した粘着剤を除去することができる。このような除去方法は非常に簡便であり、粘着剤の除去に要する時間を大幅に短縮することが可能である。また、本発明では、粘着剤の除去に溶剤を使用する必要がなくなるため、作業環境を悪化させることがない。このため、リワーク作業の安全性を高めることができる。
本発明の粘着剤の除去方法では、樹脂シートを用いる。本発明で用いられる樹脂シートは、通常の粘着シートとは異なり、瞬間的な粘着力が小さく、シート表面のベタツキ感が少ない。このため、取り扱い性に優れている。
本発明で用いられる樹脂シートは、特定の粘着剤との粘着力が高いという特徴を有する。このため、樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物に貼着し、その後剥離することによって、被着物から粘着剤を除去することができる。
図1(a)〜(c)には、本発明の粘着剤の除去方法を説明する工程が順に示されている。本発明の粘着剤の除去方法においては、まず、図1(a)に示されているように、樹脂シート10を、粘着剤25が付着している被着物20に貼着する。粘着剤25は、被着物20の上に積層されていた粘着剤層等に由来する粘着剤25であり、粘着剤層等を被着物20から剥がした際に、被着物20の表面に残存したものである。樹脂シート10は、被着物20の表面であって、粘着剤25が残存している側の表面に貼着される。
図1(b)には、粘着剤25が付着している被着物20と、樹脂シート10が貼り合わされた状態が示されている。図1(b)の状態から、樹脂シート10を、例えば矢印の方向に引っ張ることにより、樹脂シート10は被着物20から剥離される。樹脂シート10を矢印の方向に引っ張ることで、樹脂シート10は被着物20から剥離する。この時、樹脂シート10には、被着物20に残存していた粘着剤25が粘着した状態となっている。このため、樹脂シート10を被着物20からゆっくり引き剥がすことにより、粘着剤25を被着物20から除去することができる。
なお、図1(c)には、樹脂シート10が被着物20から完全に引き剥がされた後の状態が示されている。図1(c)に示された被着物20の表面には粘着剤25が残っておらず、粘着剤25が除去されている。
図1(b)に示されているように、樹脂シート10を矢印の方向に引っ張る際には、樹脂シート10を被着物20からゆっくり引き剥がすことが好ましい。具体的には、0.1〜5cm/秒となるよう樹脂シート10を被着物20から剥離することが好ましい。このような速さで樹脂シート10を被着物20から引き剥がすことで、粘着剤25を被着物20から効果的に除去することが可能となる。
樹脂シート10と被着物20が貼着された後は、樹脂シート10をすぐに被着物20から剥離し始めてもよい。具体的には、樹脂シート10と、粘着剤25が表面に付着した被着物20が貼り合わされた後、0.1秒〜60分の間で樹脂シート10を剥離することによって、被着物20から粘着剤25を除去することができる。このように、本発明の粘着剤の除去方法においては、樹脂シート10を被着物20に貼着した直後から剥離作業を開始することができるため、粘着剤25の除去にかかる時間を大幅に短縮することができる。
樹脂シート10と粘着剤25の間に気泡などが入った場合、その部分は樹脂シート10と粘着剤25が密着していないため、被着物20に粘着剤25が残ってしまうことがある。そのため、樹脂シート10と被着物20を貼着時又は貼着した後には、気泡などが入って樹脂シート10と粘着剤25とが密着していない部分が残らないように樹脂シート10の側からローラーなどを用いて押圧をかけたほうがよい。これにより、樹脂シート10と、被着物20の表面に付着した粘着剤25の間に存在する気泡等を除くことができ、樹脂シート10と粘着剤25の密着性を高めることができる。このような作業を行うことにより、粘着剤25をより確実に除去することが可能となる。
なお、図1(b)の工程は繰り返し行われてもよい。例えば、樹脂シート10を被着物20から引き剥がした後に、さらにその樹脂シートを被着物20に再度貼着し、再び樹脂シート10を引き剥がす作業を行ってもよい。図1(b)の工程の繰り返し回数に特に制限はなく、粘着剤25が完全に除去されるまで繰り返してもよい。また、樹脂シート10を途中まで剥がした後に、樹脂シート10を元の状態に戻し、さらに、同様の範囲まで剥離するという作業を繰り返してもよい。例えば、樹脂シート10を樹脂シートの全面積に対して30%の領域分剥離し、再度貼着させた後、次は50%の領域分剥離し、再度貼着させ、最後に全ての樹脂シート10を剥離するといった作業を行ってもよい。粘着剤25が強固に被着物20に接着している場合は、上記のような作業を行うことも効果的である。
図1(b)の工程では、樹脂シート10を被着物20から剥離する際に、樹脂シート10と被着物20の界面に水性溶剤を存在させることとしてもよい。ここで、水性溶剤は水分を主成分とする溶剤であればよく、好ましくは水である。このような作業は、被着物20が親水性の基材である場合に特に有効であり、例えば、被着物20がガラス基材やトリアセチルセルロース(TAC)フィルム等である場合に有効である。具体的な方法としては、樹脂シート10を剥がしている際に、界面に水を滴下する方法などが挙げられる。これによって樹脂シート10を被着物20から剥離する際の樹脂シート10の剥離力が低減され、剥離作業が容易となる。また、上記のような作業を行うことにより、より効果的に粘着剤25を被着物20から剥離することが可能となる。
本発明の粘着剤の除去方法を用いることによって、被着物から粘着剤を95%以上除去することができる。粘着剤の除去率は、99%以上であることが好ましく、100%であることがより好ましい。なお、除去率は、粘着剤が存在している被着物の面積に対して、粘着剤が除去された被着物の面積を求めることで算出することができる。
(樹脂シート)
本発明の粘着剤の除去方法で用いられる樹脂シートは、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤が表面に付着した被着物から、粘着剤を除去するための粘着剤除去用樹脂シートである。本発明は、粘着剤除去用樹脂シートに関するものでもある。
本発明で用いられる樹脂シートは、破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上である樹脂シートであることが好ましい。樹脂シートの破断点伸度及び破断点応力を上記値以上とすることにより、リワーク作業時に樹脂シートが剥離力に対応して伸長しやすなり、破断されにくくなる。このため、図1(b)に示すような剥離作業がスムーズに行われることとなる。本発明では上述したような樹脂シートを用いることにより、リワーク作業に係る時間を大幅に短縮することができ、粘着剤除去の確実性を高めることができる。
アクリル系粘着面に対する粘着力を上記値以上とすることにより、被着物に残留した粘着剤を容易に除去することができる。本発明では、被着物から除去される粘着剤は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であり、中でも、アクリル系粘着剤であることが好ましい。このため、アクリル系粘着面に対する粘着力が上記値以上のものを用いることにより、樹脂シートに粘着剤を付着(吸着)させることができ、その結果、粘着剤を被着物から除去することができる。なお、上記はアクリル系粘着面に対する粘着力を規定したものであるが、被着物から除去される粘着剤がシリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤のいずれかの場合であっても、樹脂シートは高い除去性能を発揮することができる。
破断点伸度及び破断点応力は、JIS K 6251に準じて、引張試験機を用いて測定される。測定は、試料(樹脂シート)を直径5mm長さ70mmの棒状に丸めたものを、チャック間の初期距離:50mm、引張速度:1000mm/minの条件で、引っ張ることにより測定できる。なお、上記引張試験は、23℃、相対湿度50%の環境下で行う。破断点伸度は、引張試験における、試験片(樹脂シート)の決められた標点間での破断直前の伸びを表している。また、破断点応力は、引張試験における破断の際に破断点の引張力を試験片の初期断面積で除した値である。なお、上記引張試験は、樹脂シートの長さ方向の破断点伸度及び破断点応力を測定したものである。
樹脂シートの破断点伸度は、400%以上であればよく、500%以上であることが好ましく、600%以上であることがより好ましく、800%以上であることがさらに好ましく、1000%以上であることが特に好ましい。樹脂シートの破断点応力は1.0N/mm2以上であればよく、1.5N/mm2以上であることが好ましく、2.0N/mm2以上であることがより好ましく、3.0N/mm2以上であることがさらに好ましい。
樹脂シートのアクリル系粘着面に対する粘着力は、15N/25mm以上であればよく、20N/25mm以上であることが好ましく、25N/25mm以上であることがより好ましい。アクリル系粘着面に対する粘着力を測定する際には、樹脂シートの粘着力測定用の被着対象として、アクリル系樹脂シート(新タック化成社製、CPETT75HNA/DP/T7)の離型フィルムを剥がした粘着面を使用する。粘着力の測定は、JIS Z 0237に準じて測定することができる。
樹脂シートの破断点伸度をAとし、破断点応力をBとした場合、100<A/B<1000であることが好ましく、200<A/B<800であることがより好ましい。破断点伸度と破断点応力の関係を上記範囲内とすることにより、樹脂シートにかかる剥離力に対応して伸長しやすくすることができ、また樹脂シートの破断を抑制することができる。
本発明の粘着剤の除去方法で用いられる樹脂シートは、ゴム系樹脂を主成分とするものであることが好ましい。ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム系樹脂や合成ゴム系樹脂等を挙げることができる。ここで、ゴム系樹脂を主成分とするとは、樹脂シートの全質量に対して、ゴム系樹脂を30質量%以上含むことを意味し、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上含むことを意味する。
ゴム系樹脂は、合成ゴム系樹脂であることが好ましく、合成ゴム系樹脂としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらの合成ゴムは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
中でも、ゴム系樹脂はスチレン系共重合体であることが好ましく、スチレン系ブロック共重合体であることがより好ましい。スチレン系ブロック共重合体は、スチレンを重合させたブロックと、エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックを含有することが好ましい。エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックは、これらの水素添加物を重合させたブロックであってもよい。
なお、スチレンを重合させたブロックは、スチレンを主の構成成分としたブロックであればよく、エチレン等の他の成分を含んでいてもよい。スチレンを重合させたブロックは、スチレン由来の成分を90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましい。また、エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックについても、同様に他の構成成分を含んでいてもよい。
エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックは、エチレン及びブテンの重合体を含むブロックを含有するものであることが好ましい。このようなブロックは、エチレンのブロックと、ブテンのブロックを含むブロックコポリマーであってもよく、エチレンとブテンのランダムコポリマーであってもよい。
スチレン系ブロック共重合体中に含まれるスチレンを重合させたブロックの含有率は、スチレン系ブロック共重合体に対して10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることがさらに好ましい。なお、スチレンを重合させたブロックの含有率は、スチレン系ブロック共重合体中に含まれるスチレンを重合させたブロックの含有率であって、樹脂シート全体に含まれるスチレンの含有率とは異なるものである。本発明では、スチレン系ブロック共重合体中に含まれるスチレンを重合させたブロックの含有率を上記範囲内とすることにより、アクリル系粘着面に対する粘着力を所望の範囲内とすることができるため、特定の粘着剤の除去用樹脂シートとして好ましく用いられる。また、スチレンを重合させたブロックの含有率を上記範囲内とすることにより、樹脂シートの特定粘着面以外に対するタック(瞬間的な粘着力)を抑制することができるため、粘着剤除去用樹脂シートとしてのハンドリング性を高めることができる。
さらに、ゴム系樹脂は、A−B−A型トリブロック共重合体であることが好ましい。ここで、A−B−A型トリブロック共重合体のAは、スチレンを重合させたブロックであり、Bはエチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックである。なお、Bは、エチレン、プロピレン及びブテンから選択される2つ以上のランダムコポリマーのブロックであってもよく、Bがランダムコポリマーの場合であっても、共重合体は、A−B−A型トリブロック共重合体に分類される。また、Bは、エチレン、プロピレン及びブテンから選択される2つ以上のブロックコポリマーであってもよく、このように2種のブロックを含む場合であっても、共重合体は、A−B−A型トリブロック共重合体に分類される。A−B−A型トリブロック共重合体としては、例えば、スチレン-水添イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体、スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンのトリブロック共重合体、スチレン−(水添ビニル/イソプレン)−スチレンのトリブロック共重合体などを挙げることができる。
また、A−B−A型トリブロック共重合体としては、例えば、下記式(1)〜(3)の共重合体を挙げることができる。
Figure 2016108468
式(1)において、mは重合度を表し、PSはスチレンを重合させたブロックを表す。mは、スチレン系ブロック共重合体の分子量から算出することができる。
Figure 2016108468
式(2)において、m、nはそれぞれ重合度を表し、PSはスチレンを重合させたブロックを表す。m及びnは、スチレン系ブロック共重合体の分子量から算出することができる。
Figure 2016108468
式(3)において、mは重合度を表し、PSはスチレンを重合させたブロックを表す。mは、スチレン系ブロック共重合体の分子量から算出することができる。
A−B−A型トリブロック共重合体においては、Aは、スチレンを重合させたブロックであり、Bは水添イソプレンを重合させたブロックであることも好ましい。
ゴム系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜1000000であることが好ましく、50000〜800000であることがより好ましく、80000〜500000であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算されたものである。
(添加剤)
本発明の粘着剤の除去方法で用いられる樹脂シートは、ゴム系樹脂を主成分として含む。さらに、樹脂シートは、粘着付与剤と可塑剤を含むものであることが好ましい。粘着付与剤としては、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。この中でもスチレン系樹脂(スチレン系粘着付与剤)が好ましく用いられる。
粘着付与剤の含有量は、ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましく、20〜80質量部であることがさらに好ましい。粘着付与剤の含有量を上記範囲内とすることにより、被着物に残留した粘着剤を効果的に除去することができる。さらに、粘着付与剤の含有量を上記範囲内とすることにより、樹脂シートの粘着性を高めつつ、優れたリワーク性能を発揮する樹脂シートを得ることができる。
粘着付与樹脂としては、低温での粘着力と高温での凝集力を発揮させるため、軟化点100℃以下の粘着付与樹脂と120℃以上の粘着付与樹脂とを併用してもよい。このような粘着付与樹脂を含有する樹脂シートは、幅広い温度環境下で良好に使用することができる。
可塑剤としては、オイル成分やフタル酸エステル類等を使用できるが、環境面や安全面からオイル成分であることが特に好ましい。オイル成分は、樹脂シートの破断点伸度と破断点応力をコントロールする働きをする。オイル成分としてはパラフィン系やナフテン系のシステムオイルが好ましく、ゴムの劣化が起き難い等の理由から、パラフィン系のシステムオイルがより好ましく用いられる。可塑剤の含有量は、用いるゴム系樹脂の分子量などによっても異なるが、ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましく、10〜70質量部であることがさらに好ましく、20〜70質量部であることが特に好ましい。
さらに、樹脂シートには、必要に応じて、軟化剤、架橋剤、顔料等の添加剤が配合されていてもよい。
また樹脂シートの経時劣化を防ぐためには老化防止剤を添加することが好ましい。老化防止剤を添加することで、樹脂シートの劣化による粘着力低下を防ぐことができる。老化防止剤としては、一般的なフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線防止剤、HALS(ヒンダードアミン系安定剤)などを挙げることができる。老化防止剤の添加量は、ゴム系樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
(樹脂シートの構成)
樹脂シートは、支持体(基材)の少なくとも一方の面に樹脂シートを積層した積層樹脂シートであってもよいが、単層の樹脂シートであることが好ましい。すなわち、樹脂シートは支持体(基材)を有さず単層であることが好ましい。本発明の樹脂シートは、粘着面以外に対するタック(瞬間的な粘着力)、特に人の指や衣服、紙と言ったものに対するタックは小さいため、ベタツキ感が少ない。このため、樹脂シートは、支持体(基材)を有さずとも、取扱い性に優れている。樹脂シートが単層である場合、全ての厚み領域において、破断点伸度が400%以上であることをいい、全ての厚み領域において、破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上であることが好ましい。
樹脂シートが、支持体(基材)を有する場合、支持体(基材)も破断点伸度が400%以上であることが好ましく、500%以上であることがより好ましい。すなわち、支持体(基材)も樹脂シートを構成する粘着剤層と同様の伸度を有することが好ましい。また、樹脂シートの破断点伸度をPとし、支持体(基材)の破断点伸度をQとした場合、P/Qは0.3〜3.0であることが好ましい。
具体的には、支持体(基材)としては、ゴム系粘着剤との密着性が良く破断点伸度の大きな基材を用いることが好ましい。具体的には、ウレタンシート、軟質ポリ塩ビニルシートを挙げることができる。
樹脂シートの厚みは、80μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。本発明の樹脂シートは一定以上の厚みを有することにより、被着物に残留した粘着剤を容易に除去することができる。さらに、樹脂シートのリワーク性をより高めることができる。
樹脂シートの少なくとも一方の面には、剥離シートが積層されていることが好ましく、このような剥離シートはリワーク作業の直前に剥離されることが好ましい。これにより、樹脂シートの表面に塵埃などの異物が付着することを抑制することができる。剥離シートは樹脂シートの少なくとも一方の面に積層されることが好ましく、両面に積層されることがより好ましい。剥離シートは高分子フィルムに剥離剤層を設けたものを用いることができる。樹脂シートの両面に剥離シートを積層する場合、2枚の剥離シート(第1の剥離シート及び第2の剥離シート)は異なる剥離力を有することが好ましく、具体的には、異なる剥離剤が用いられることが好ましい。このように異なる剥離力を有する剥離シートを積層することにより、軽剥離力側の剥離シートを剥離する際に、重剥離力側の剥離シートから樹脂シートが浮き上がる泣別れ現象を抑制することができる。重剥離力側の剥離シートの剥離力は0.08〜0.80N/50mmであることが好ましく、軽剥離力側の剥離シートの剥離力は0.01〜0.20N/50mmであることが好ましい。また重剥離力側の剥離力RHと軽剥離力側のシートの剥離力RLとの比(RH/RL)は1.5以上が好ましい。但し、樹脂シートは先述の通りタックが小さく、好ましい範囲の厚みであれば支持体なしで形状保持性に優れているため、重剥離側と軽剥離側とも同じ剥離シートを用いたり、剥離力に重軽差をつけずに泣別れ現象防止措置をとらなくても取扱い易さや粘着剤除去性能を損なうものではない。
また、樹脂シートの両面に剥離シートを積層する態様において、二つの剥離シートの剥離力の差が保てる場合は、第2の剥離シートに先に粘着剤塗工液を塗布したあと、第1の剥離シートを貼合圧着させてもよい。樹脂シートの形状はシート状であってもよいし、ロール状に巻き上げられていてもよい。
本発明の粘着剤の除去方法に用いられる樹脂シートは、形状保持性に優れている点にも特徴がある。通常、単層の樹脂シートは剥離シートを剥離した状態では、その形状を保っておくことが困難である。例えば、樹脂シート内において一部と他の部分が接着したり、皺が寄ることがある。このような場合、剥離シートを剥がす前の樹脂シートの面積に比べて、両面の剥離シートを剥離した後の樹脂シートの投影面積は小さくなり、粘着面が少なくなることから粘着剤除去率が減ったり、取り扱い性が著しく悪化する。しかし、本発明の粘着剤の除去方法に用いられる樹脂シートは形状保持性に優れているため、単層であっても、粘着剤除去用樹脂シートとして好適であり、取り扱い性に優れている。具体的には、本発明で用いられる樹脂シートにおいては、剥離シートを剥がす前の樹脂シートの面積(cm2)をSとして、両面の剥離シートを剥離した後の樹脂シートの投影面積(cm2)をTとした場合、T/S>0.9であることが好ましく、T/S>0.95であることがより好ましい。なお、両面の剥離シートを剥離した後の樹脂シートの投影面積(cm2)Tは、樹脂シートの1つの角部のみをもって剥離シートから剥離した後の単層樹脂シートの粘着面の投影面積である。
(樹脂シートの製造方法)
本発明の粘着剤の除去方法に用いられる樹脂シートは、樹脂シート用粘着剤を塗工することによりシート化したものである。樹脂シート用粘着剤は、ゴム系樹脂、粘着付与剤及びオイル成分が均一に混合されたものでありことが好ましい。樹脂シート用粘着剤の製造方法としては、市販されているペレット状のゴム系樹脂をトルエン等の溶剤に溶解して、粘着付与剤、オイル成分等を混合することにより製造する方法、又は、ペレット状のゴムを加熱することにより軟化させて、ニーダにより粘着付与剤やオイル成分を混練する方法などが挙げられる。
このようにして製造した樹脂シート用粘着剤を、既存の方法により塗工することによりシート化することができる。溶剤に溶解して製造した粘着剤を用いる場合は、ナイフコーター等で塗工した後、乾燥炉にて溶剤を乾燥させることでシート化できる。一方、加熱による混練法で製造した粘着剤を用いる場合は、予め加熱することにより粘着剤を軟化さる事が可能なホットメルトコーダーを用いることによりシート化が可能となる。
樹脂シートは、第1の剥離シートの上に形成されることが好ましく、第1の剥離シートの上に上述した方法で樹脂シートを形成した後に、第2の剥離シートを積層することが好ましい。このように、樹脂シートの両面に剥離シートが積層された剥離シート付き樹脂シートを製造することができる。
(被着物)
本発明の粘着剤の除去方法において、粘着剤を除去する被着物はガラス又は樹脂フィルムであることが好ましく、ガラスであることがより好ましい。
ガラスとしては、光学部材に使用されるガラス基板であってもよく、建築構造物の窓ガラス、浴室用鏡、洗面鏡、温室栽培用ハウス材などに使用されるガラス基材であってもよい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂を含む樹脂フィルムが挙げられる。被着物が樹脂フィルムである場合は、上記の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
被着物は光学部材であることが好ましい。すなわち、被着物は光学部材として使用されるガラス基板又は樹脂フィルムであることが好ましい。被着物が光学部材である場合であって、光学部材が画像表示装置に組み込まれる場合は、本発明の粘着剤の除去方法は、画像表示装置を製造する工程で用いられる。本発明の粘着剤の除去方法は、画像表示装置の製造方法に組み込まれていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
[樹脂シート用粘着剤の製造]
スチレン系ブロック共重合体(スチレン-水添イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体)(クラレ社製、セプトン2063)100質量部、スチレン系粘着付与剤(三井化学社製、FTR8100)70質量部、パラフィン系オイル(出光社製、ダイアナプロセスオイルPW−90)50質量部をトルエンに溶解し均一になるまで撹拌して、固形分濃度45質量%の粘着剤のトルエン溶液を得た。スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて換算したところ、120000であった。なお、固形分とはゴム成分、粘着付与剤、オイル成分のことを指す。
[樹脂シートの作成]
上記で作成した樹脂シート用粘着剤溶液をナイフコーターで重剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(2))に乾燥後100μmの厚みになるように塗工した後、100℃3分で乾燥して溶剤のトルエンを乾燥させ、樹脂シートを得た。得られた樹脂シートの上に軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))にてラミネートすることにより剥離シート付き樹脂シートを得た。
(実施例2)
樹脂シート用粘着剤の製造工程において、スチレン系粘着付与剤の添加量を30質量部、出光社製のパラフィン系オイルの添加量を25質量部に変更した以外は実施例1と同様にして剥離シート付き樹脂シートを得た。
(実施例3)
スチレン系ブロック共重合体として、スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンのトリブロック共重合体(クラレ社製、セプトン8007L)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離シート付き樹脂シートを得た。スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて換算したところ、100000であった。
(実施例4)
スチレン系ブロック共重合体として、スチレン−(水添ビニル/イソプレン)−スチレンのトリブロック共重合体(クラレ社製、ハイプラー7311)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離シート付き樹脂シートを得た。スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて換算したところ、160000であった。
(実施例5)
樹脂シートとして、NA084(新タック化成社製、OCA/アクリル系)を用いた以外は、実施例1と同様に剥離シート付き樹脂シートを得た。
(実施例6)
樹脂シート用粘着剤の製造工程において、スチレン系粘着付与剤の添加量を100質量部、パラフィン系オイルの添加量を100質量部に変更した以外は実施例1と同様にして剥離シート付き樹脂シートを得た。
(比較例1)
樹脂シートとして、SA114(新タック化成社製、OCA/アクリル系)を用いた以外は、実施例1と同様に剥離シート付き樹脂シートを得た。
(評価)
(破断点伸度及び破断点応力の測定方法)
樹脂シートの破断点伸度及び破断点応力は、JIS K 6251に準じて測定した。直径5mm、長さ70mmの棒状に丸めた樹脂シートを引張試験機に装着し、チャック間距離50mmにて引張速度1000mm/minで引っ張ることにより、破断点伸度及び破断点応力を測定した。
(対アクリル系粘着面粘着力)
実施例及び比較例の樹脂シートの軽剥離側の剥離シートを剥がして、100μmのPETフィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4300)と貼合し、樹脂フィルムシートを作成した後、残った重剥離側の剥離シートを剥がして樹脂フィルムシートの粘着力を測定した。その際、粘着力測定用の被着物として、CPETT75HNA/DP/T7(新タック化成社製)の離型フィルムを剥がした粘着面を被着物として使用した以外はJIS Z 0237に準じて粘着力を測定した。
(粘着剤除去性能の評価)
[アクリル系粘着剤の除去性能評価]
基材なしの両面テープ(以降OCA/新タック化成社製 SA032)の軽剥離力側の離型フィルムを剥がしてガラスに貼着しオートクレーブ処理(0.5MPa、40℃、30分)を実施した。重剥離力側の離型フィルムを剥がし、露出した粘着面に実施例の樹脂シートを貼り付けた。その後、樹脂シートをガラスから剥離した。なお、この際、樹脂シートには両面テープが付着しており、樹脂シートと両面テープの積層体がガラスから剥離することとなる。
○:積層体がガラスから簡単にかつ奇麗に剥がれて、ガラスに両面テープ(OCA)や
樹脂シート由来の粘着物が全く残らない。
△:積層体がガラスから剥がれるが、途中で樹脂シートが切れて剥がしにくい。
×:すぐに樹脂シートが切れる、又は樹脂シートと両面テープ(OCA)の界面で剥が
れが生じて、ガラスから積層体または両面テープ(OCA)が剥がれない。
[ゴム系粘着剤の除去性能評価]
ゴム系粘着剤(綜研化学社製:SK2563)溶液をナイフコーターで重剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(2))に乾燥後50μmの厚みになるように塗工した後、100℃3分で乾燥して溶剤を乾燥させ、両面粘着シートを得た。得られた粘着シートの上に軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))にてラミネートすることによりゴム系粘着剤のOCA(ゴム系OCA)を作成した。このゴム系OCAを「アクリル系粘着剤の除去性能評価」と同様にしてガラスに貼着し、同様の処理を行って、以下の基準で評価した。
○:積層体がガラスから簡単にかつ奇麗に剥がれて、ガラスに両面テープ(OCA)や
樹脂シート由来の粘着物が全く残らない。
△:積層体がガラスから剥がれるが、途中で樹脂シートが切れて剥がしにくい。
×:すぐに樹脂シートが切れる、又は樹脂シートと両面テープ(OCA)の界面で剥が
れが生じて、ガラスから積層体または両面テープ(OCA)が剥がれない。
[シリコーン系粘着剤の除去性能評価]
シリコーン系粘着剤(信越化学社製:KR3700)溶液(CAT−PL50T 0.5部を添加)をナイフコーターで重剥離側のシリコーン系粘着剤用剥離シート(ニッパ社製、SS4B)に乾燥後50μmの厚みになるように塗工した後、100℃3分で乾燥して溶剤を乾燥させ、両面粘着シートを得た。得られた粘着シートの上に軽剥離側のシリコーン系粘着剤用剥離シート(ニッパ社製、SS5A2)にてラミネートすることによりシリコーン系粘着剤のOCA(シリコーン系OCA)を作成した。このシリコーン系OCAを「アクリル系粘着剤の除去性能評価」と同様にしてガラスに貼着し、同様の処理を行って、以下の基準で評価した。
○:積層体がガラスから簡単にかつ奇麗に剥がれて、ガラスに両面テープ(OCA)や
樹脂シート由来の粘着物が全く残らない。
△:積層体がガラスから剥がれるが、途中で樹脂シートが切れて剥がしにくい。
×:すぐに樹脂シートが切れる、又は樹脂シートと両面テープ(OCA)の界面で剥が
れが生じて、ガラスから積層体または両面テープ(OCA)が剥がれない。
Figure 2016108468
本発明の除去方法を用いることによって、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤を被着物から容易に除去することができる。
10 樹脂シート
20 被着物
25 粘着剤

Claims (16)

  1. 樹脂シートを、粘着剤が表面に付着した被着物の粘着剤側に貼着する工程と、
    前記樹脂シートを前記被着物から剥離する工程とを含み、
    前記樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、
    前記粘着剤はアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする粘着剤の除去方法。
  2. 前記樹脂シートは、破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上である請求項1に記載の粘着剤の除去方法。
  3. 前記樹脂シートは、ゴム系樹脂を主成分とする請求項1又は2に記載の粘着剤の除去方法。
  4. 前記ゴム系樹脂は、スチレン系共重合体である請求項3に記載の粘着剤の除去方法。
  5. 前記ゴム系樹脂は、スチレン系ブロック共重合体であって、前記スチレン系ブロック共重合体はスチレンを重合させたブロックと、
    エチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックとを含有する請求項3又は4に記載の粘着剤の除去方法。
  6. 前記スチレンを重合させたブロックの含有率は、前記スチレン系ブロック共重合体に対して10〜50質量%である請求項5に記載の粘着剤の除去方法。
  7. 前記ゴム系樹脂は、A−B−A型トリブロック共重合体であって、
    Aはスチレンを重合させたブロックであり、Bはエチレン、プロピレン及びブテンから選択される少なくとも1種を重合させたブロックである請求項3〜6のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  8. 前記樹脂シートは、ゴム系樹脂と、粘着付与剤と、可塑剤とを含み、
    前記粘着付与剤の含有量は、前記ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜90質量部であり、
    前記可塑剤の含有量は、前記ゴム系樹脂100質量部に対して、10〜80質量部である請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  9. 前記樹脂シートは、単層である請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  10. 前記樹脂シートは、厚みが80μm以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  11. 前記粘着剤は、アクリル系粘着剤である請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  12. 前記被着物は、ガラス又は樹脂フィルムである請求項1〜11のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  13. 前記被着物は、光学部材である請求項1〜12のいずれか1項に記載の粘着剤の除去方法。
  14. 粘着剤が表面に付着した被着物から、前記粘着剤を除去するための粘着剤除去用樹脂シートであって、
    前記粘着剤除去用樹脂シートの破断点伸度は400%以上であり、
    前記粘着剤は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ウレタンーアクリル系粘着剤及びポリエステル系粘着剤から選ばれる少なくとも1種である粘着剤除去用樹脂シート。
  15. 破断点伸度が500%以上であり、破断点応力が1.0N/mm2以上であり、且つアクリル系粘着面に対する粘着力が15N/25mm以上である請求項14に記載の粘着剤除去用樹脂シート。
  16. ゴム系樹脂を主成分とする請求項14又は15に記載の粘着剤除去用樹脂シート。
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