以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は外枠2と、外枠2に装着された遊技機本体Hとを備える。
この遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けられている。
また、遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成され、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備える。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11が前面枠4を閉じたときにその背後に位置するため、遊技領域11は視認窓41aを介して前面枠4の前方から視認可能とされる。また、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」は前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。
本遊技機1では、前面部の上方側および下方側の左右にスピーカSP1〜SP4を内蔵し、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備える。更に、上皿部材5の裏側には演出ボタン基板228(図5を参照)が設けられ、上皿部材5の上面には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射ハンドル9が接続された発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されている。
また、本遊技機1では、発射ハンドル9の回転角度に応じて可変抵抗器(図示を省略)が調整され、発射装置ユニット90を構成する発射装置の発射ソレノイド(図示を省略)の励磁電流が変化する。つまり、発射ハンドル9はバネを用いて基準回転位置に付勢されているが、発射ハンドル9を右回転方向に回転させると、打撃槌(図示を省略)が遊技球に打撃力を加える動作を行う。この際、発射ハンドル9を右回転方向への回転量が多くなるほど、打撃槌(図示を省略)が遊技球に負荷する打撃力が大きくなる。このため、遊技者が後述する「左打ち」を行う場合には、発射ハンドル9を右回転方向への回転量を少なくし、後述する「右打ち」を行う場合には、発射ハンドル9を右回転方向への回転量を多くすることになる。
なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は、正面視で略矩形状の樹脂製(アクリル製)の透明板を用いて構成される遊技盤本体10Aを備え、遊技盤本体10Aの前面部には略帯状体で構成される外側レール12及び内側レール13が配設されている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち、外側レール12および内側レール13が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位によって遊技領域11が構成されている。
遊技盤本体10Aの前面部に形成される遊技領域11には、中央装置20と、第1始動口17aと、第2始動口17bと、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47と、風車19等が設けられている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち遊技領域11から外れた遊技領域外側の部位には情報表示装置60が設けられている。ここで、以下の説明において、遊技領域11のうち、中央装置20の左側に位置する部位(遊技領域11の左側領域)を左領域11L、右側に位置する部位(遊技領域11の右側領域)を右領域11Rと、それぞれ称することがある。そして、左領域11Lは第1領域の具体例を構成し、右領域11Rは第2領域の具体例を構成する。また、左領域11Lを流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と称し、右領域11Rを流下するように遊技球を発射することを「右打ち」と称する。なお、本遊技機1は普通図柄を備えない構成であるため、普通図柄作動ゲートや普通電動役物を備えていない。
図2に示すように、内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤10の左上部に配設され、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを構成している。そして、発射装置ユニット90から発射され、外側レール12の内側を転動しつつ上昇する遊技球(符号Yを参照)は球進入口11Sを通じて遊技領域11に放出される。
中央装置20は、枠部材21と演出表示装置27とを備えている。このうち、枠部材21は、演出表示装置27の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。また、演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、演出表示装置27の表示画面27aは、図3(a)に示すように、その略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(背景図柄)や背景色(青、赤等の画面の地色)等を表示可能である。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。
図3(a)に示すように、表示画面27aのうち、下縁部寄りの部位には保留表示領域27c(D1〜D8)が設けられる。この保留表示領域27cに第1始動口17aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄に関する保留数」(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限数として表示するとともに、第2始動口17bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄に関する保留数」(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限数として表示する。
この保留表示領域27cにおいては、左側から右側に向かって最大8個の保留図柄を表示可能となっており、第1始動口17a若しくは第2始動口17bに入球したが未だ消化されていない遊技球の数(即ち、保留数)を保留図柄の表示数によって示すとともに、未消化の遊技球が消化される毎に保留図柄の表示数を減少させることによって、「未消化の遊技球」の数(保留数)を順次、デクリメントして表示する。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、第1始動口17a若しくは第2始動口17bに入球したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入球に伴う図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)がなされていない遊技球を指す。ここで、第1始動口17aに遊技球が入球することに基づいて、後述する第1当否判定の際に使用する判定用乱数値(後述する。)が取得され、第1特別図柄の変動表示の実行契機を生じさせる。また、第2始動口17bに遊技球が入球することに基づいて、後述する第2当否判定の際に使用する判定用乱数値(後述する。)が取得され、第2特別図柄の変動表示の実行契機を生じさせる。
図2に戻って更に説明すると、第1始動口17aは非可変式の始動口であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させている。第1始動口17aの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。そして、第1始動口17aに入球した遊技球は、遊技盤本体10Aの後面に装着された通路部材(図示を省略)の第1始動口通路に流入し、この第1始動口通路に配置された第1始動口入球検知スイッチ17s(図5参照)によって検知される。なお、遊技領域11を流下して第1始動口17aの周囲に到達する遊技球の中には、中央装置20の左側部の入口21wから中央装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後、ステージ部21pの中央下方の排出口21xを通じて到達するものと、左領域11Lを通過して中央装置20に進入せずに到達するものとがある。
第2始動口17bも非可変式の始動口であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させており、その開口部の大きさは1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。この第2始動口17bは右領域11R(中央装置20の右側方)に配設されている。そして、右領域11Rを流下して第2始動口17bに入球した遊技球は、遊技盤本体10Aの後面に装着された通路部材(図示を省略)の第2始動口通路に流入し、この第2始動口通路に配置された第2始動口入球検知スイッチ17t(図5参照)によって検知される。なお、本実施例では第1始動口17aを中央装置20の略中央下部に配置しているが、右領域11Rを流下した遊技球が第1始動口17に寄らないゲージ構成を採用したり、第1始動口17aを中央装置20の左側方に配置したりすること等によって、右領域11Rを流下した遊技球が第1始動口17aに確実に入球しないようにすることができる。
第1始動口17aに入球した遊技球を第1始動口入球検知スイッチ17s(図5参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、4個を限度に第1判定用乱数値メモリ202a{図4(b)を参照}に記憶される。また、第2始動口17bに入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17t(図5参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、4個を限度に第2判定用乱数値メモリ202b{図4(b)を参照}に記憶される。なお、以下の説明において第1始動口17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞」と称し、第2始動口17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞」と称することがある。また、第1判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値を「第1保留」と称し、第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されている判定用乱数値を「第2保留」と称することがある。
次に、図4(a)を用いて保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等について説明する。前述のように、保留表示領域27cは、左側から右側に向かって8個の領域D1〜D8を並べた構成を備えている(図3参照)。以下、左端に位置する領域D1を「第1領域D1」と称し、右端に位置する領域D8を「第8領域D8」と称するとともに、これらの間に位置する領域D2〜D7を、左から順に「第2領域D2」、「第3領域D3」、「第4領域D4」、「第5領域D5」、「第6領域D6」、「第7領域D7」と称することとする。保留表示領域27cでは、保留数の増加に伴って、保留図柄が第1領域D1から第8領域D8に向かって順に増えていくように表示される。また、保留数の減少(保留消化)に伴って、第1領域D1に表示されていた保留図柄が消去され、保留図柄が第1領域D1に向かって順に減っていくように表示される。つまり、領域D1〜D8のうち左側に表示されている保留図柄に対応する保留(第1保留、第2保留)ほど消化順が早くなるように、保留図柄の表示が行われる。
図4では、「第1保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第1保留図柄」という。)を「ハッチングを付した丸印」で示し、「第2保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第2保留図柄」という。)を「白抜きの丸印」で示している。更に、保留図柄が表示されていない領域D1〜D8を「破線を用いた丸印」で示している。また、保留表示領域27cにおいて表示可能な「第1保留図柄」の上限数および表示可能な「第2保留図柄」の上限数はともに「4個」である。
例えば、図4(a)に示すように、第2保留の数が上限数に達している場合に(a1)、第1保留を発生すると保留表示領域27cに当該第1保留の発生を示す「第1保留図柄」を表示することは可能である(a2)が、第2保留を発生しても当該第2保留の発生を示す「第2保留図柄」を表示することはできない(a3)。また、第1判定用乱数値メモリ202aや第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されている判定用乱数値は、当該判定用乱数値の取得原因となった始動入賞の順に処理される。例えば、「第1領域D1」〜「第4領域D4」に「第2保留図柄」が表示され、「第5領域D5」に「第1保留図柄」が表示されている場合には、「第1領域D1」の第2保留図柄に対応する判定用乱数値、「第2領域D2」の第2保留図柄に対応する判定用乱数値、「第3領域D3」の第2保留図柄に対応する判定用乱数値、「第4領域D4」の第2保留図柄に対応する判定用乱数値、「第5領域D5」の第1保留図柄に対応する判定用乱数値の順に消化されることになる。
第2始動口17bの下方には大入賞装置31が配置されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部で開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図5参照)と、大入賞装置31に入球した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図5参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、大入賞口31aが閉鎖され、大入賞口31aへの遊技球の入球が不可能となり、開閉板31bが前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放され、大入賞口31aへの遊技球の入球が可能となる。本実施例では第2始動口17bの下方に大入賞装置31を設けているため、右領域11Rを流下する遊技球のみが大入賞口31aに入球可能となる。よって大入賞口31aが開放される当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われるときには、遊技者は「右打ち」を行うこととなる。
遊技領域11において第1始動口17aの左側方には、一般入賞口45、46、47が設けられている。そして、何れの一般入賞口45、46、47に入球した遊技球も、遊技盤10の後面に装着された一般入賞口用の通路部材(図示を省略)に流入し、当該通路部材に設けられた一般入球検知スイッチ45s(図5参照)で検知される。また、多数の障害釘(図2では図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設されている。更に、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。
図2に示すように情報表示装置60は、遊技盤10の表面部であって、遊技領域11の外側(遊技盤10の表面外縁)に該当する外縁部10Bのうち左下部位(左下外縁部)に配置されている。この外縁部10Bの左下部位は視認窓41aの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、情報表示装置60は前面枠4の前方からガラス板43を通じて視認可能とされている(図1を参照)。この情報表示装置60は、図3(c)に示すように基板60Aを備え、この基板60Aに対して、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64b等が設けられている。
第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bは、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、「第1始動入賞」に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第1特別図柄に関する当否判定(以下、第1当否判定ということがある)の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。また、第2特別図柄表示部62bでは「第2始動入賞」に基づいて第2特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第2特別図柄に関する当否判定(以下、第2当否判定ということがある)の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」である場合には、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に外れ図柄が表示され、特別図柄に関する当否判定の結果が「大当り」である場合には、大当り図柄が表示される。
第1特別図柄保留表示部64aおよび第2特別図柄保留表示部64bは何れも2個のLEDを備え、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に関する保留数をLEDの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のLEDは「ゼロ」を表示し、点灯状態のLEDは「1」を表示し、点滅状態のLEDは「2」を表示することとすれば、2個のLEDを用いて「ゼロ」〜「4」の整数を表示できる。
(2)制御回路の構成
次に、図5を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。そして、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成され、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。なお、本実施例では、始動口17a、17bや大入賞口31a等の各種入賞口(入球口)への遊技球の入球に基づいて遊技者に付与する遊技価値を「賞球」としており、遊技球が入球した入賞口の種類に応じて、予め定められた数の賞球を払い出すものとしている。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図5中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
主制御部200Aは、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、一般入球検知スイッチ45s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。なお、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、一般入球検知スイッチ45s、大入賞口入球検知スイッチ31sは「近接センサ」や「フォトセンサ」等の「非接触式センサ」で構成され、遊技球の通過を検知すると、主制御部200Aに検知信号を送信する。また、主制御部200Aは、遊技状態設定手段、第1特定遊技実行手段、第2特定遊技実行手段等として機能することになる。
サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。このサブ制御部220Aは、主制御部200Aからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220Aには、演出表示制御部222Aと、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続され、演出ボタン基板228には演出ボタンSWが電気的に接続されている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、CPU220aは、主制御部200Aから送出された表示制御コマンド(表示制御信号)を受信し、ROM220cに記憶されたプログラムに基づいて受信した表示制御コマンドを解析する。そして、CPU220aは、主制御部200Aから送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200Aから送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222Aに対して送信する。また、払出制御部240Aには主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続され、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。なお、本遊技機1は、前述のように普通電動役物(開閉式の始動口を開閉する役物)や普通図柄を備えないため、遊技領域11内の構成や回路構成といったハード面、遊技制御のプログラムといったソフト面の双方において、シンプルな構成を備えている。
ここで、図4(b)に示すように、主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bが設けられている。以下、「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限数でない状態で生じた始動入賞を指す。そして、第1始動口17aに対する有効な始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶される。この「判定用乱数値」には「大当りか否かを当否判定するための当否判定用乱数値」、「大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
また、第2始動口17bに対する有効な始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶される。この「判定用乱数値」には、「当否判定を行うための当否判定用乱数値(大当り判定用の判定用乱数値および小当り判定用の判定用乱数値、或いは、大当り判定用および小当り判定用として用いられる共通の判定用乱数値」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。また、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bとには、有効な始動入賞(有効な第1始動入賞、有効な第2始動入賞)を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。そして、対応する判定用乱数値(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値を最先に記憶されたものから順に読み出し、その読み出した判定用乱数を基に当否判定やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うことを「判定用乱数値を消化する」と称する。ここで、本実施例では、第1始動入賞に基づく判定用乱数値と第2始動入賞に基づく判定用乱数値を、それぞれ別々の判定用乱数値メモリに記憶するものとしているが、第1始動入賞に基づく判定用乱数値および第2始動入賞に基づく判定用乱数値を共通の判定用乱数値メモリに記憶することとしてもよい。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを情報表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、情報表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、情報表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、主制御部200Aによって「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御するサブ制御部220Aによって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、小当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、小当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。なお、本図柄および演出図柄は何れも「識別情報」の具体例を構成するが、本遊技機1において使用する「識別情報」を本図柄および演出図柄のうち何れか一方に一本化してもよい。また、第1特別図柄は「第1識別情報」の具体例を構成し、第2特別図柄は「第2識別情報」の具体例を構成する。
ここで、情報表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、情報表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、主制御部200Aによって「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。また、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示は、図3(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。具体的には、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。
そして、第1特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第1始動入賞」に基づいて実行される特別図柄(第1特別図柄)に関する当否判定(第1当否判定)の結果が表示され、第2特別図柄に係る変動表示における停止態様によって「第2始動入賞」に基づいて実行される特別図柄(第2特別図柄)に関する当否判定(第2当否判定)の結果が表示される。また、図6および7に、遊技機1の遊技状態が第1遊技状態および第2遊技状態の何れであっても、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定の何れか)において大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り確率)は「1/200」とされている。そして、何れかの特別図柄表示部62a、62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段(第1特定遊技実行手段)が駆動して大当り遊技が実行される。なお、「大当り」は第1特別図柄(第1識別情報)若しくは第2特別図柄(第2識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示されることに基づいて発生し、「大当り遊技」は「第1特定遊技」の具体例を構成する。
ここで、図8に示すように、第1遊技状態とは、第1特別図柄の平均変動時間が「13秒(第1時間)」となり、第2特別図柄の平均変動時間が「200秒(第2時間)」となるように定められた変動パターンの選択条件(変動パターンテーブル)に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)の選択が行われる状態であり、特別図柄の変動開始時における限定頻度カウンタの値が「300〜51」であるか「ゼロ」であると、主制御部200A(遊技状態設定手段)が遊技状態を第1遊技状態に設定する。これに対して、第2遊技状態とは、第1特別図柄の平均変動時間が「13秒(第1時間)」となり、第2特別図柄の平均変動時間が「1秒(第3時間)」となるように定められた変動パターンの選択条件(変動パターンテーブル)に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)の選択が行われる状態であり、特別図柄の変動開始時における限定頻度カウンタの値が「50〜1」であると、主制御部200A(遊技状態設定手段)が遊技状態を第2遊技状態に設定する。ここで、限定頻度カウンタは特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示回数を計数するためのものであり、計数手段の具体例を構成する。この限定頻度カウンタは大当り遊技が終了すると計数を開始し、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が「250回」行われると、次回の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示は第2遊技状態で実行される。そして、大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示が「300回」行われると、次回の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示は第1遊技状態で実行される。
本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選により決定される。具体的には、図6に示すように、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R大当りの発生を示す大当り図柄(以下、大当り図柄Aという。)」若しくは「8R大当りの発生を示す大当り図柄(以下、大当り図柄Bという。)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「大当り図柄A」若しくは「大当り図柄B」のうち何れかに決定される。ここで、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、3個のセグメントを発光させたものが「大当り」を示し、「大当りの種類」を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。また、2個のセグメントを発光させたものが「小当り(後述する)」を示す。なお、「7セグメント表示体」のうち、1個のセグメントを発光させたものが「外れ」を示す。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(入球可能状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
図6に示すように、「15R大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、図8および図9に示すように、何れの大当りを生じても、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「300」がセットされる。この限定頻度設定フラグは、限定頻度カウンタに「ゼロ」以外の値(正数値)がセットされていることを示すフラグである。そして、大当り遊技の終了後において、特別図柄の変動表示が実行される度に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「50」になると遊技状態は第1遊技状態から第2遊技状態に移行する。この後、特別図柄の変動表示が実行される度に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると、遊技状態は第2遊技状態から第1遊技状態に移行する。但し、限定頻度カウンタのカウント値が正数値であるときに大当りを発生すると、対応する大当り遊技の終了後に、限定頻度カウンタに再び上限値(初期値)の「300」がセットされる。なお、限定頻度設定フラグが解除(OFF設定)されているときには、限定頻度カウンタの値は「ゼロ」となる。なお、本実施例では、限定頻度カウンタのカウント値が「−1」(1デクリメント)されるタイミングを、特別図柄の変動表示が終了したときとしている。
また、図7に示すように、遊技機1の遊技状態が第1遊技状態および第2遊技状態の何れであっても、第1当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は「ゼロ」とされ、第2当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率(小当り確率)は「198/200」とされている。つまり、第1特別図柄が変動表示しても小当り図柄で停止表示されることはないが、第2特別図柄が変動表示すると小当り図柄で停止表示される確率が「99%」とされている。そして、第2特別図柄表示部62bに小当りを示す判定結果が停止表示されると「小当り」が発生し、小当り遊技実行手段(つまり、第2特定遊技実行手段)が駆動して小当り遊技が実行される。ここで、「小当り」は第2特別図柄(第2識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示されることに基づいて発生し、「小当り遊技」は「第2特定遊技」の具体例を構成する。
本実施例では、第2当否判定の結果が小当りの場合、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄が小当り図柄に決定される。また、本実施例では第1当否判定の結果が小当りとなることはないので、第1特別図柄表示部62aに小当り図柄が停止表示されることはない。但し、本発明では、第1当否判定の結果が小当りとなるケースを設けてもよく、この場合、第1当否判定の結果が小当りとなる確率は、第2当否判定の結果が小当りとなる確率よりも低くなるように設定する。このように、本明細書において、第2特別図柄(第2識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(つまり、第2当否判定の結果が小当りとなる確率)を、第1特別図柄(第1識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(つまり、第1当否判定の結果が小当りとなる確率)よりも高くする場合としては、後者の確率が「ゼロ」であって前者の確率がそれよりも高い場合の他に、後者の確率が「ゼロ」以外であって前者の確率がそれよりも高い場合が含まれる。
小当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、小当り遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(入球可能状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(1.8秒)に到達すると、開放状態の終了条件が成立して、小当り遊技を終了する。なお、図7に示すように、小当り遊技が終了しても、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されたり、限定頻度カウンタが再設定されることはない。つまり、限定頻度カウンタの値が正数であるときに小当りを発生しても、限定頻度カウンタのカウント値は「−1」されるだけ(1デクリメントされるだけ)であり、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」のときに小当りを発生しても、限定頻度カウンタの値は「ゼロ」のままである。
以上のように本実施例では、第2特別図柄(2識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(198/200)が、第1特別図柄(第1識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率(1/200)よりも高い。また、第1特別図柄(第1識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率(1/200)と、第2特別図柄(第2識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率(1/200)とが同じで、第2特別図柄(第2識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(198/200)が、第1特別図柄(第1識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率(1/200)および第2特別図柄(第2識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率(1/200)よりも高い。更に、第2特別図柄(第2識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(198/200)が、第1特別図柄(第1識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される確率(ゼロ)よりも高くなっている。
また、図柄変動演出では、図10(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示を開始する。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の情報表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す図柄(小当り図柄)」と、「外れを示す図柄(外れ図柄)」とがある。演出図柄の大当り図柄は、3つの数字がすべて同一となる「ぞろ目(例えば「1,1,1」)」によって構成され、演出図柄の小当り図柄は、3つの数字がぞろ目以外の「特定の出目(例えば「1,3,5」)」によって構成され、演出図柄の外れ図柄は3つの数字うち少なくとも1つの数字が他の数字と異なる「バラケ目(小当り図柄を除くバラケ目図柄であり、例えば「5,1,7」)」によって構成される。更に、図10(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「小当り図柄」や「外れ図柄」を表示する場合、図10(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図10(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。
遊技状態が第1遊技状態である場合、演出表示装置27の表示画面27aには、図11(a)に示すように左打ち表示LHが出現する。この左打ち表示LHは「左方向を向いた矢印」を表示画面27aに表示して構成されるものであり、「左打ちを行うこと」、つまり「左領域11Lを通過するように遊技球を発射すること」を指示するものである。また、遊技状態が第2遊技状態である場合、演出表示装置27の表示画面27aには、図11(b)に示すように右打ち表示RHが出現する。この右打ち表示RHは「右方向を向いた矢印」を表示画面27aに表示して構成されるものであり、「右打ちを行うこと」、つまり「右領域11Rを通過するように遊技球を発射すること」を指示するものである。ここで、右打ち表示RHは第2遊技状態報知の具体例を構成する。
本実施例では、このようにサブ制御部220Aによって表示制御される演出表示装置27を用いて、右打ち表示RH(第2遊技状態報知)を行う具体例を例示するが、主制御部200Aによって制御される報知手段を用いて右打ち表示RH(第2遊技状態報知)や左打ち表示RHを行ってもよい。例えば、図11(c)に示すように、主制御部200Aによって表示制御される情報表示装置60に、左打ち表示LED63aと、右打ち表示LED63bを設ける。そして、遊技状態が第1遊技状態である場合には左打ち表示LED63aを点灯状態とし、右打ち表示LED63bを消灯状態とする。また、遊技状態が第2遊技状態である場合には左打ち表示LED63aを消灯状態とし、右打ち表示LED63bを点灯状態とする。なお、右打ち表示LED63bだけを設け、第1遊技状態である場合には右打ち表示LED63bを消灯状態とし、第2遊技状態である場合には右打ち表示LED63bを点灯状態とするようにしてもよい。
(4)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図12は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、遊技機1に電源投入されると(S5;YES)、先ず、電源投入処理(S8)を行う。この後、電源がOFFになるまでの間、賞球払出処理(S80)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、小当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図12のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。
A.電源投入処理(S8)
電源投入処理(S8)は、電源投入時(図12のS5;YES)の他に、電断発生時処理(図12のS6を参照)を行ったときにも行う。図13は電源投入処理(S8)の概要を示すフロー図であり、この電源投入処理(S8)においては、先ず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S8a)。つまり、スタックポインタをRAM202の所定のアドレスに設定し、割り込みモードの設定を行って、RAM202のアクセスを許可することを行う。続いて、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下されたか否かを判断し(S8b)、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下された場合には(S8b;YES)、RAM202を初期化し(S8f)、更に、「限定頻度設定フラグ」を解除(OFFに設定)する処理と、「限定頻度カウンタのカウント値」に「0(ゼロ)」をセットする処理とを行い(S8g)、電源投入処理(S8)を終了する。
ここで、S8fの処理では、RAM202の全域を「ゼロクリア(初期化)」し、第1遊技状態中の初期値を設定し、割込を許可する処理などを行う。また、「限定頻度設定フラグ」は、限定頻度状態を設定することを示すフラグであり、電源投入時には、解除(OFFに設定)される。また、ラムクリアスイッチが電源投入時に押下されていないと判断された場合であっても(S8b;NO)、RAM202にバックアップフラグ(電断時の発生情報)が設定されていないと判断される場合には(S8c;NO)、S8fの処理を行ってRAM202を初期化し、電源投入処理(S8)を終了する。また、S8bの否定的な判断を得て、S8cでバックアップフラグ(電断発生時の情報を記憶している旨を示すフラグ)が設定されていると判断されると(S8c;YES)、CPU201は電断復電時と判断し、電断時に保護(記憶)したRAM202の内容からチェックサムの算出する(S8d)。そして、電断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較し、両チェックサムが一致しない場合は、RAM202の内容が正常でない(壊れている)と判断し(S8e;NO)、S8fの処理を行う。また、RAM202の内容が正常であると判断される場合(S8e;YES)、復電処理(S8i)を行って、電断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを実行する。
B.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、図14に示すように、「始動口入球検知スイッチ17s、17t」、「始動領域通過検知スイッチ17u」、「一般入球検知スイッチ45s」、「大入賞口入球検知スイッチ31s」によって遊技球を検知したか否かを判断する(S82、S83、S86、S90)。そして、遊技球を検知していた場合は、生じた入賞の種類(検知スイッチの種類)に対応する入賞情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する(S84、S85、S88、S92)。
具体的には、第1始動入賞を生じた場合には(S82;YES)、第1始動入賞に対応する入賞情報を記憶し(S84)、第2始動入賞(第2始動口17bへの遊技球の入球)を生じた場合には(S83;YES)、第2始動入賞に対応する入賞情報を記憶する(S85)。また、一般入賞(一般入賞口45〜47のうちの何れかへの遊技球の入球)を生じた場合には(S83;YES)、一般入賞に対応する入賞情報を記憶し(S88)、大入賞(大入賞口31aへの遊技球の入球)を生じた場合には(S90;YES)、大入賞に対応する入賞情報を記憶する(S92)。
そして、CPU201はRAM202上に記憶されている入賞情報に基づいて、賞球の払出信号(賞球指定コマンド)を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入球検知スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。ここで、第1始動入賞を生じた場合には「3個の払出個数を指定する払出信号(賞球3指定コマンド)」が出力され、第2始動入賞を生じた場合には「1個の払出個数を指定する払出信号(賞球1指定コマンド)」が出力され、一般入賞を生じた場合には「10個の払出個数を指定する払出信号(賞球10指定コマンド)」が出力される。また、大入賞を生じた場合には「15個の払出個数を指定する払出信号(賞球15指定コマンド)」が出力される。このように、第2始動入賞を生じた場合には、払出個数(賞球数)が1個となり、しかも、第1遊技状態においては第2始動入賞に基づき実行される第2特別図柄の変動時間が長く設定される。このため、第1遊技状態においては第2始動入賞を発生させることによるメリットが少なく、第1遊技状態において第2始動入賞を狙う行為を抑制することができる。よって、第1遊技状態では、「左打ち」を行って遊技球を第1始動口17aに入球させて第1特別図柄を変動表示させる遊技が主体となる。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検知する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検知しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
C.特別図柄遊技処理(S300)
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図15に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図15に示すS308以降の処理に移行する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1保留数が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、前述の第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数が第1保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)され(S303a)、図16のS308の処理に移行する。ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値等が含まれる。
ここで、図15〜図20においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、CPU201によって第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、前述の第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数が第2保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)され(S303b)、図16のS308の処理に移行する。ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値(大当り判定用の判定用乱数値および小当り判定用の判定用乱数値、或いは、大当り判定用および小当り判定用として用いられる共通の判定用乱数値)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値等が含まれる。
S308の処理では、図16に示すように当り遊技(大当り遊技若しくは小当り遊技)を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図17のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されているか、小当り遊技フラグ(図17のS360の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。そして、CPU201は、当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して図12の遊技制御処理に復帰する。
一方、S308の処理で、当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か(第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否か)を判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないときには(S314;NO)、判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値のうち、最も古い(最先に取得した)判定用乱数値を読み出し(S316)、特別図柄(第1特別図柄若しくは第2特別図柄)に関する当否判定処理を行う(S320)。このとき、S316の処理において、その時点の最も古い判定用乱数値を第1判定用乱数値メモリ202aから読み出した場合には、S320の処理において「第1当否判定」を行い、第2判定用乱数値メモリ202bから読み出した場合には、S320の処理において「第2当否判定」を行う。なお、S316で読み出す判定用乱数値はS303aの処理若しくはS303bも処理で取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
当否判定処理(S320)では、図18に示すように、「S316の処理で読み出した判定用乱数値」を用いて、大当り判定(大当り抽選)が行われる(S322)。そして、大当り判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する(図16のS500)。また、大当り判定(大当り抽選)の結果が大当りでない場合には(S330;NO)、「S316bの処理で読み出した判定用乱数値」を用いて、小当り判定(小当り抽選)が行われる(S334)。そして、小当り判定の結果が小当りである場合には(S336;YES)、小当りフラグをセット(ONに設定)した後(S338)、当否判定処理(S320b)を終了し、特別図柄に関する図柄変動開始処理(S500)に移行する。一方、小当り判定の結果が小当りでない場合には(S336;NO)、当該当否判定の結果が大当りでも小当りでもない外れとなるので、「外れフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320b)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。
なお、本実施例では、第1当否判定の際には(第1特別図柄の変動表示を開始する際には)小当り判定を行わないこととしてもよいし、当選率「ゼロ」の小当り判定を形式的に行ってもよい。また、前述のように大当り判定用の判定用乱数値と小当り判定に用いる判定用乱数値とを共通化しても、別に設けてもよい。ここで、大当り判定ではS316の処理で読み出した判定用乱数値が予め定められた大当り番号と一致するか否かを判断し、一致すれば大当り、一致しなければ大当りでないと判定され、小当り判定ではS316の処理で読み出した判定用乱数値が予め定められた小当り番号と一致するか否かを判断し、一致すれば小当り、一致しなければ小当りでないと判定される。そして、判定用乱数値を共通化する場合には、小当り番号を大当り番号以外の数値から選択すればよい。また、大当り番号や小当り番号は主制御基板200に搭載されたROM203に記憶されている。
CPU201は当否判定処理(S320)に続いて図柄変動開始処理(S500)を実行する。この図柄変動開始処理(S500)においては、図19に示すように、先ず、当否判定処理(S320)の結果に基づいて変動パターンテーブルを振り分ける処理(510A、510B、510C)等を行う。すなわち、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」である場合(S501;YES)、図15のS303a若しくはS303bの処理において取得した図柄決定乱数値を判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202b)から読み出して(S502)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄を設定(決定)した後(S503)、大当り用の変動パターンテーブルを振り分ける処理を行い(S510A)、S560の処理に移行する。なお、前述の当否判定処理(S320)で、その結果に応じてセットされるフラグ(大当りフラグ、小当りフラグ若しくは外れフラグ)を、この図柄変動開始処理(S500)の所定のタイミング(例えば、S560の処理に移行したとき)で解除することとしてもよい。
また、当否判定処理(S320)の結果が「小当り」である場合(S501;NO、S504;YES)、S506以降の処理に移行する。但し、本実施例では、第2当否判定の結果が小当りとなることがあるが、第1当否判定の結果が小当りとなることがないため、S506以降の処理は第2当否判定の結果が小当りである場合にのみ行われる。当否判定処理(S320)の結果が「小当り」の場合(S501;NO、S504;YES)、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄として小当り図柄を設定し(S506)、小当り用の変動パターンテーブルを振り分ける処理を行い(S510B)、S560の処理に移行する。
また、当否判定処理(S320)の結果が「外れ」である場合(S501;NO、S504;NO)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に停止表示される図柄として外れ図柄を設定し(S507)、外れの変動パターンテーブルを振り分ける処理を行い(S510C)、S560の処理に移行する。なお、小当り図柄を複数種設けたり、外れ図柄を複数種設けたりする場合には、大当り図柄の決定と同様に、図柄決定乱数値を用いて小当り図柄や外れ図柄を決定することができる。
ここで、大当り用の変動パターンテーブル振分処理(S510A)と、小当り用の変動パターンテーブル振分処理(S510B)と、外れ用の変動パターンテーブル振分処理(S510C)の内容は同様であり、図20に基づいて以下のように行われる。この振分処理(S510A、S510B、S510C)が開始されると、先ず、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S514)、解除(OFFに設定)されている場合には(S514;NO)、変動表示を開始する特別図柄に対応する第1遊技状態用変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S522)、S560の処理(図19)に移行する。また、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されており、限定頻度カウンタのカウント値が51以上である場合にも(S514;YES、S516;NO)、変動表示を開始する特別図柄に対応する第1遊技状態用変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S522)、S560の処理(図19)に移行する。ここで、S522の処理を更に具体的に説明すると、第1特別図柄の変動表示を開始する場合には、第1特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(以下、特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブルと称する。)、第2特別図柄の変動表示を開始する場合には、第2特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(以下、特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブルと称する。)をセットする。
限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタのカウント値が1〜50のうちの何れかである場合には(S514;YES、S516;YES)、第2遊技状態用の変動パターンテーブルのうち、変動表示を開始する特別図柄に対応するものをセットする処理を行った後(S518)、S560の処理(図19)に移行する。ここで、S518の処理を更に具体的に説明すると、第1特別図柄の変動表示を開始する場合には、第1特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(以下、特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブルと称する。)をセットし、第2特別図柄の変動表示を開始する場合には、第2特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(以下、特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブルと称する。)をセットする。
上述の各変動パターンテーブルには乱数値に対応付けられた複数の変動パターンが記憶されており、図柄変動開始処理(S500)において決定される変動パターンに基づいて変動表示を開始する特別図柄の変動時間が特定される。以下、図21(a)および(b)を用いて、上述した4種の変動パターンテーブル、つまり、「特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブル」と、「特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブル」と、「特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブル」と、「特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブル」の概要を説明する。なお、本実施例では、これらの4種の変動パターンテーブルとして当否判定の結果が大当りのときに用いるもの(大当り用の4種の変動パターンテーブル)と、当否判定の結果が小当りのときに用いるもの(小当り用の4種の変動パターンテーブル)と、当否判定の結果が外れのときに用いるもの(外れ用の4種の変動パターンテーブル)を備えるが、「第1遊技状態用変動パターンテーブル」および「第2遊技状態用変動パターンテーブル」は、「大当り用」、「小当り用」および「外れ用」の何れについても以下の特徴を備えている。
図21(a)は第1特別図柄用の変動パターンテーブル(第1特別図柄の変動表示を開始する際に使用する特図1変動パターンテーブル)を示しており、当該特図1変動パターンテーブルの全体(符号E1で示す範囲を参照)が「特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブル」とされ、当該特図1変動パターンテーブルの一部に限定した部分(符号E2で示す部分を参照)が「特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブル」とされる。また、図21(b)は第2特別図柄用の変動パターンテーブル(第2特別図柄の変動表示を開始する際に使用する特図2変動パターンテーブル)を示しており、当該特図2変動パターンテーブルの全体(符号J1で示す範囲を参照)が「特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブル」とされ、当該特図2変動パターンテーブルの一部に限定した部分(符号J2で示す部分を参照)が「特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブル」とされる。
図21(a)に示すように、変動を開始するのが第1特別図柄である場合には、「特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブル」を使用しても、「特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブル」を使用しても、設定される変動パターンによって特定される変動時間の平均が「13秒」となる。これに対して、図21(b)に示すように、変動を開始するのが第2特別図柄である場合には、「特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブル」を使用して設定される変動パターンによって特定される変動時間の平均が「200秒」となり、「特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブル」を使用して設定される変動パターンによって特定される変動時間の平均が「1秒」となる。
ここで、第2遊技状態で第2始動入賞に基づく変動表示(第2特別図柄の変動表示)を開始させる場合には、平均変動時間が短時間(1秒)とされ、しかも第2当否判定における小当りの発生確率がほぼ100%(198/200)であるため、第2特別図柄の変動表示を瞬時に実行し、小当りを連続的かつ集中的に発生させることができる。これに対して、第1遊技状態で第2始動入賞に基づく変動表示(第2特別図柄の変動表示)を開始させる場合には、平均変動時間が長時間(200秒)とされるため、第2特別図柄の変動表示が1回終了するまでに要する時間が長くなり、消化効率が悪い遊技を行うことになる。つまり、本遊技機1では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して行われる(同時に変動する)という構成を備えないため、先に開始された特別図柄の変動表示が終了しないと、後続する特別図柄の変動表示を開始することはできない。よって、第1遊技状態で第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が開始したら、この第2特別図柄の変動表示が終了するまで遊技が滞ることになる。なお、第2遊技状態で行う第2当否判定の結果が大当り若しくは小当りとなる場合には、平均変動時間を短時間(1秒)とするため、リーチ演出を省略してもよい。
図19に戻って説明すると、S560の処理では変動パターン決定乱数値(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数値)を取得する(S560)。そして、変動パターンテーブル振分処理(S510A、510B、S510C)でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定する(S562)。そして、CPU201は対応する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)にて特別図柄の変動表示を開始する(S570)とともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S572)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。
更に、CPU201は、対応する特別図柄に係る保留数(第1保留数若しくは第2保留数)を「1」減算する処理と、減算された後の保留数(第1保留数若しくは第2保留数)を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行う(S575)。そして、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図12の遊技制御処理に復帰する。なお、第1特別図柄の変動表示を開始する際の図柄変動開始処理(S500)で決定する変動パターンによって第1特別図柄の変動時間が特定され、第2特別図柄の変動表示を開始する際の図柄変動開始処理(S500)で決定する変動パターンによって第2特別図柄の変動時間が特定される。
図16に戻り、S310の処理で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動表示が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。その際、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図12の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図12の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に当り図柄が停止表示されたか否かを判断する(図17のS352)。
図17のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「当りの種類(15R大当り、8R大当り、小当り)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて発生するのが大当りであるか否かを判断する(S356)。そして、S356の処理で肯定的な判断がなされると、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「15R大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「15回」行う開閉パターンがセットされ、「8R大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「8回」行う開閉パターンがセットされる。そして、CPU201はS370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動(条件装置が作動)を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。
CPU201はS378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。このS380の処理においては、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。一方、S380の処理において、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合は(S380;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図12の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図23のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
S356の処理で小当りを発生させると判断されると(S356;NO)、大入賞装置31の開閉パターンとして小当り遊技用の開閉パターンをセットする処理を行う(S358)。具体的には、大入賞口31aの開放限度時間を「1.8秒」に亘って開放状態とすることを「1回」行う開閉パターンがセットされる。そして、小当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行った後(S360)、S390以降の処理に移行する。この「小当り遊技フラグ」のセットにより、小当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「小当り遊技状態」に移行する。なお、S390以降の処理については後述する。
次に、図17のS352の処理で否定的な判断(外れの判断)がなされる場合(S352;NO)と、「小当り遊技フラグ」をセットした場合(S360)の処理について説明する。これらの場合には、S390以降の処理に移行し、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S390)。そして、セットされていない場合は(S390;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。これに対して、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S390;YES)、限定頻度カウンタの値を「−1」した後(S392)、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S394)。
そして、「ゼロ」になっていない場合には(S394;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。これに対して、S394の処理で限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S394;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)する処理を実行した後(S396)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。限定頻度設定フラグを解除することにより、遊技機1の遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に切り換わることになる。
次に、図22(a)を用いて第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)の概要を説明し、図22(b)を用いて第1遊技状態開始指定コマンド送信処理(S460)の概要を説明する。これらの処理は、特別図柄遊技処理(S300)のサブルーチンとして、主制御部200A(主制御基板200に搭載されたCPU201)が行う処理である。
図22(a)に示すように第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)が起動すると、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S452)、解除(OFFに設定)されている場合(S452;NO)にはそのまま第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。一方、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合(S452;YES)、第2遊技状態の開始タイミングか否かを判断する(S454)。具体的には、図17のS392の処理を経て限定頻度カウンタのカウント値が「50」になったときが第2遊技状態の開始タイミングとなる。
CPU201が第2遊技状態の開始タイミングでないと判断すると(S454;NO)、そのまま第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。これに対して、第2遊技状態の開始タイミングであると判断すると(S454;YES)、CPU201は第2遊技状態開始指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S456)、第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。
図22(b)に示すように第1遊技状態開始指定コマンド送信処理(S460)が起動すると、第2遊技状態の終了タイミングか否かを判断する(S462)。具体的には、図17のS394の処理で限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」と判断され、S396の処理で限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)されるか、遊技状態が第2遊技状態であるときに図17のS380の処理で肯定的に判断され、S382の処理で限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)される場合に第2遊技状態の終了タイミングとなる。そして、第2遊技状態の終了タイミングでない場合(S462;NO)には、そのまま第1遊技状態開始指定コマンド送信処理(S460)を終了する。これに対して、第2遊技状態の終了タイミングであると判断すると(S464;YES)、CPU201は第1遊技状態開始指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S464)、第1遊技状開始指定コマンド送信処理(S460)を終了する。
D.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図12の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図23に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。
図23は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。大入賞口31aが開放されると、前述のように、所定の開放時間が経過するか、所定数の遊技球が大入賞口31aに入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。ここで、閉鎖状態(入球不能状態)の大入賞装置31が開放状態(入球可能状態)となり、再び開放状態となることを内容とする遊技を「単位動作」と称することとする。この単位動作を所定回数(8回若しくは15回)行うと、所定のエンディング期間を経て大当り遊技が終了する。そして、大当り遊技が終了すると、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が実行可能な状態となる。以下、この図23を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると、先ず、大入賞口31aが開放中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは開放中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。具体的には「大当り遊技開始後に実行された単位動作の回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。
このため、S614の処理に移行してインターバル時間(例えば、2秒)が経過したか否かを判断する(S614)。具体的には、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、大入賞口31aの閉鎖時間(インターバル時間)とは、単位動作と単位動作との間で大入賞口31aが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り遊技が開始された直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に大入賞口31aの閉鎖時間が経過していると判断され(S614;YES)、大入賞口31aを開放させた後(S616)、図23に示した大当り遊技処理を一旦終了して図12の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図12に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図12に示した遊技制御処理を主制御基板200のCPU201が一回実行するために要する時間は約4msecとなっている。従って、図23に示す大当り遊技処理(S600)も約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口31aの開放時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S606)。
大入賞口31aの開放時間が経過していれば(S606;YES)、大入賞口31aを閉鎖した後(S610)、図23に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口31aの開放時間が経過していない場合は(606;NO)、大入賞口31aに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S608)。そして、遊技球の入球数が規定数に達した場合も(S608;YES)、大入賞口31aを閉鎖する(S610)。つまり、遊技球の入球数が規定数に達すると開放時間の経過を待たずに大入賞口31aを閉鎖する。
大入賞口31aの開放時間が経過せず(S606;NO)、入球数が規定数に達していない場合は(S608;NO)、大入賞口31aを開放させたまま、図23の大当り遊技処理(S600)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合、図12の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31aの開放時間が経過するか(S606;YES)、若しくは、大入賞口31aに所定数の遊技球が入球して(S608;YES)、大入賞口31aが閉鎖される(S610)。こうして、1回の単位動作を終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において大入賞口31aが閉鎖中と判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。ここで、「大当り遊技」が「大当り遊技A」の場合は、その大当り遊技中に実行した単位動作の回数(ラウンド数)が「15」に達したか否かが判断され、「大当り遊技B」の場合は、その大当り遊技中に実行した単位動作の回数(ラウンド数)が「8」に達したか否かが判断される。
そして、単位動作の回数(ラウンド数)が設定回数に到達していなければ(S612;NO)、インターバル時間(例えば、2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、再び大入賞口31aを開放状態とする新たな単位動作を実行する(S616)。一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合(S612;YES)、「大当り遊技フラグ」を解除(OFFに設定)した後(S620)、大当り発生時の状態を取得する(S622)。更に、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理(S624)と、限定頻度カウンタに「300」をセットする処理(S625)とを行った後、大当り遊技処理(S600)を終了する。
E.小当り遊技処理(S700)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図12の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図24に示す小当り遊技処理(S700)において「小当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S702;YES)、小当り遊技の実行に係る処理が行われる。
図24は、小当り遊技処理(S700)の流れを示すフローチャートである。ここで、本実施例では、前述のように、小当り遊技として大入賞口31aを1.8秒間、開放状態(入球可能状態)とした後、閉鎖状態(入球不可能状態)に戻す単位動作を1回行う態様を例示したが、小当り遊技は前述の単位動作を複数回行うものであってもよい。但し、単位動作を複数回行う場合には、1回の小当り遊技において大入賞口31aが開放状態となる時間の総計を所定時間(例えば1.8秒)以内とすることが望ましい。本遊技機1では、第2遊技状態で第2特別図柄が変動表示すると、短い間隔で小当りが頻繁に発生するため、小当り遊技において大入賞口31aが開放状態となる時間の総計が長くなると、射幸性が著しく高くなる可能性があるからである。以下、図24を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
小当り遊技を開始すると、先ず、大入賞口31aが開放中か否かを判断する(S704)。ここで、大入賞口31aは「小当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、小当り遊技の開始直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、小当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは開放中ではないと判断され(S704;NO)、続いて、小当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S712)。具体的には「大当り遊技開始後に実行された単位動作の回数」が対応する大当り遊技の設定回数(1回)に達したか否かを判断する(S712)。
但し、小当り遊技が開始された直後は小当り遊技の終了条件が成立しないため、S712の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S712;NO)。このため、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かが判断される(S714)。そして、小当り遊技が開始された直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に大入賞口31aの閉鎖時間が経過していると判断され(S714;YES)、大入賞口31aを開放させた後(S716)、図24に示した小当り遊技処理を一旦終了して図12の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図12に示す一連の各種処理を行った後、再び小当り遊技処理(S700)を開始する。この際、前述のように、図12に示した遊技制御処理を主制御基板200のCPU201が一回実行するために要する時間は約4msecとなっている。従って、図24に示す小当り遊技処理(S700)も約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S704の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口31aの開放時間(1.8秒)が経過したか否かを判断する(S706)。
大入賞口31aの開放時間が経過していれば(S706;YES)、大入賞口31aを閉鎖した後(S710)、図24に示した小当り遊技処理(S700)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口31aの開放時間が経過していない場合は(706;NO)、大入賞口31aに入球した遊技球が規定数(10球)に達しているか否かを判断する(S708)。
そして、遊技球の入球数が規定数に達した場合も(S708;YES)、大入賞口31aを閉鎖する(S710)。つまり、遊技球の入球数が規定数に達すると開放時間の経過を待たずに大入賞口31aを閉鎖するが、小当り遊技において開放状態の大入賞口31aへの入球数は「1〜4」のうちの何れかの個数とされるため、S708の処理において肯定的な判断がなされる可能性は低くなっている。
大入賞口31aの開放時間が経過せず(S706;NO)、入球数が規定数に達していない場合は(S708;NO)、大入賞口31aを開放させたまま、図24の小当り遊技処理(S700)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「小当り遊技状態」である場合、図12の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31aの開放時間が経過するか(S706;YES)、若しくは、大入賞口31aに所定数の遊技球が入球して(S708;YES)、大入賞口31aが閉鎖される(S710)。こうして、1回の単位動作を終了する。
遊技機1の遊技状態が「小当り遊技状態」にあるときに、再度、小当り遊技処理(S700)が実行され、S704において大入賞口31aが閉鎖中と判断されると(S704;NO)、当該「小当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S712)。つまり、小当り遊技中に実行した単位動作の回数が所定数(1回)に達したか否かが判断される。この場合、小当り遊技中に実行した単位動作の回数が所定数(1回)に達しているため(S712;YES)、「小当り遊技フラグ」を解除(OFFに設定)した後(S720)、小当り遊技処理(S700)を終了する。
(5)演出制御処理(S980)
次に、図25を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S980)」の概要について説明する。また、図25には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理(S980)では、左打ち表示開始処理(S1000)、右打ち表示開始処理(S1050)、図柄変動演出処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。ここで、図25の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図25のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理についての説明は省略する。
a.左打ち表示開始処理(S1000)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、左打ち表示開始処理(S1000)を起動すると、図26(a)に示すように、主制御部200Aから第1遊技状態開始指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、第1遊技状態開始指定コマンドを受信したと判断された場合は(S1005;YES)、演出表示装置27の表示画面27aにおいて左打ち表示を開始する処理(右打ち表示を終了する処理)を行う(S1100)。そして、左打ち表示開始処理(S1000)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。
b.右打ち表示開始処理(S1050)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、右打ち表示開始処理(S1050)を起動すると、図26(b)に示すように、主制御部200Aから第2遊技状態開始指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1055)。そして、第2遊技状態開始指定コマンドを受信したと判断された場合は(S1055;YES)、演出表示装置27の表示画面27aにおいて右打ち表示を開始する処理(左打ち表示を終了する処理)を行う(S1060)。そして、右打ち表示開始処理(S1050)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。
c.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図27に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。
CPU220aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が小当りである場合には(S1110;NO、S1112;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、小当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1116)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO、S1112;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115、S1116若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115、S1116若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブルを用いて図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1140)。この場合、各演出パターンテーブルに単一の演出パターンが記憶されている場合には、S1140において、当該単一の演出パターンが使用する演出パターンとして決定され、各演出パターンテーブルに乱数値に対応づけた状態で複数の演出パターンが記憶されている場合には、S1140において乱数抽選を行って演出パターンを決定する。
ここで、S1115の処理を経たS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の態様やリーチ演出の態様、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1140)。また、S1116若しくはS1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の態様、リーチ演出の実行有無、リーチ演出を実行する場合のリーチ演出態様、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される。
CPU220aはS1140の処理を行うと、演出図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされ、S1116の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「小当り停止図柄」として「小当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。また、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。この後、S1405の処理において、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンドを受信したと判断すると(S1405;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における演出図柄の変動表示を停止させ(S1410)、図柄変動演出を終了させる。なお、本実施例では図柄変動演出を実行中の表示画面27a(演出表示装置27の表示画面27a)には、前述の「左打ち表示LH」若しくは「右打ち表示RH」がなされている。このため、「左打ち表示LH」若しくは「右打ち表示RH」を視認する遊技者は、遊技球の発射方法とその時点の遊技状態(第1遊技状態若しくは第2遊技状態)を確実に理解することができる。
(6)実施例の効果
本遊技機1によると、主制御部200A(遊技状態設定手段)が遊技状態を第1遊技状態に設定しているときには、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなるため、第1始動口17aに遊技球を入球させることで、第1特別図柄の変動表示を所定頻度で(平均変動時間;約13秒で)行うことができる。また、大当り遊技終了後の第1遊技状態にて特別図柄の変動表示回数が所定回数(250回)になることに基づいて、主制御部200A(遊技状態設定手段)が遊技状態を第2遊技状態に切り換えると、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短くなる(約1秒になる)。つまり、「左打ち」により遊技球を第1始動口17aに入球させて第1特別図柄を変動表示させる遊技が主体となる第1遊技状態にて、特別図柄(この場合は第1特別図柄)の変動表示が所定回数(本実施例では250回)行われて、次変動からの遊技状態が第2遊技状態になると、第2特別図柄および第1特別図柄の平均変動時間の大小関係が逆転し、第2始動口17bに遊技球を入球させることで、第2特別図柄の変動表示を高頻度(平均変動時間;1秒)で行うことができるようになる。
しかも、本遊技機1では、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示される確率(小当り確率)が、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率(大当り確率)よりも高くされているため、第2遊技状態においては、第2始動口17bに遊技球を入球させ、第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。より具体的には、第2特別図柄の変動表示が約1秒で終了して小当り図柄が停止表示され、大入賞口31aの開放時間を1.8秒とする小当り遊技を連続的に行うことができるようになる。これにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口31aに2〜3個の遊技球を入球させ、「30〜45個」の賞球を連続して獲得することができるようになる。そして、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで第2始動口17bへの入球のみを狙い、第2特別図柄の変動表示を実行する度に小当りが発生するものとすれば、遊技者は持ち球を増加させることができる。
つまり、第1当否判定と第2当否判定において大当り確率が同一であるため、大当りを発生させる上では、第1始動口17aおよび第2始動口17bのうちの何れを狙っても差異はないが、第2当否判定における小当り確率が大当り確率よりも高いため、遊技状態が第2遊技状態である場合には、右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させることで、大当りを狙いつつ小当りを頻発させることが得策である。逆に、遊技状態が第1遊技状態である場合には、第2始動口17bに遊技球を入球させると、第2特別図柄の変動時間が、遊技の進行が滞る程長くなり、しかも賞球量が最小量(1個)に止まる。このため、この状態で右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させたとしても遊技者にとってメリットはなく、この状態では、左打ちを行って遊技球を第1始動口17aに入球させて大当りのみの発生を目指した方が遊技効率も良く得策である。
このように、本遊技機1によると、大当り遊技終了後の第1遊技状態にて特別図柄の変動表示回数が所定回数になることに基づいて、小当り遊技を集中的に実行しつつ、小当り遊技よりも遊技利益が大きな大当り遊技の実行を狙うという、新たな遊技性を実現できる。また、本遊技機1では、第2遊技状態にて特別図柄の変動表示回数が所定回数になることに基づいて第1遊技状態を設定するため、第2遊技状態が無制限に継続することを防止できる。よって、遊技者は第2遊技状態での遊技を緊張感と減り張りを持って実行することになるばかりか、徒に射幸性を煽ることを防止できる。
更に、本遊技機1は大当り遊技終了後に大当り確率を高確率に変動させる機能(確率変動機能)を備えておらず、しかも第2始動口17bへの遊技球の入球頻度を高める機能(例えば、開閉式の第2始動口17bの開放延長機能)を備えていない仕様であるが、大当り遊技終了後に特別図柄(第1特別図柄)の変動表示を所定回数行うことで、遊技状態が第2遊技状態となって小当り遊技を集中的に行える状態となり、遊技者にとってはある程度の量の賞球を得ることができるようになるため、確率変動機能や開放延長機能等を備えなくても、遊技者に出球感を与えることができる。また、第2遊技状態にて特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて、第1遊技状態が設定されるため、新たに第2遊技状態を開始することを目指して、第1遊技状態での遊技を新たに開始すること(仕切直しをすること)ができる。
また、本遊技機1において第1始動口17aは、遊技盤10面上の左領域11Lを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられ、第2始動口17bは、遊技盤面10上の右領域11Rを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられる。つまり、第1始動口17aに入球する遊技球と、第2始動口17bに入球する遊技球は、遊技盤10面上の異なる領域11L、11Rを通過することになる。このため、遊技者は第1始動口17aへの遊技球の入球を狙う場合と、第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う場合とで、遊技球の発射態様(発射強度)を選択することが必要となる。このため、設定される遊技状態(第1遊技状態、第2遊技状態)に応じて、遊技球の発射態様(発射強度)の使い分けが必要となるという遊技性を実現できる。また、本遊技機1では、第2始動口17bの下方に大入賞装置31を設け、右領域11Rを流下する遊技球のみが大入賞口31aに入球可能となるようになっているため、遊技状態が第2遊技状態となった後は、その第2遊技状態が終了するまで、その間に小当りや大当りが発生した場合も含め、一貫して「右打ち」により遊技を進行させることができる。これにより、遊技状態(第1遊技状態、第2遊技状態)に応じた遊技球の発射態様(発射強度)の区別をより明確にすることができる。
更に、本遊技機1では、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づき付与される賞球量が、第1始動口17aへの遊技球の入球に基づき付与される賞球よりも少なくされている。このため、遊技状態が第1遊技状態に設定されているときには、第2始動口17bへ遊技球を入球させても、メリットが無いか若しくはデメリットが多くなる。このため、遊技状態を顧慮せずに、むやみやたらに「第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う行為(むやみやたらに、小当りを狙う行為)」を抑制することができる。
また、本遊技機1では、演出表示装置27の表示画面27aの左打ち表示LHや右打ち表示RHに基づいて、設定されている遊技状態を認識することが可能であるため、第1始動口17a若しくは第2始動口17bのうち何れを狙って遊技球を発射すべきかを判断することが容易となる。つまり、第2遊技状態では第2始動口17b(第2特別図柄の変動表示)や大入賞口31a(大当り遊技、小当り遊技)を狙って遊技を進めるための遊技球の発射方法(右打ち)が報知されるため、小当りの取りこぼしを生ずることを防止でき、これにより、小当り遊技を実行する可能性を高くし、持ち球を増加させることが容易とされる。このように本遊技機1では、右打ち表示RH等にアシストされることで、「小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うという特徴的な遊技」を確実に行うことができる。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2ではサブ制御基板220のCPU220aが「左打ち表示」を行わない点と、「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する点が実施例1と異なる。この実施例2では、図28(a)に基づいて右打ち表示開始処理(S1050)を実行し、図28(b)に基づいて右打ち表示終了処理(S1050)を実行する。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、実施例2の右打ち表示開始処理(S1050)を起動すると、図28(a)に示すように、主制御部200Aから第2遊技状態開始指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1055)。そして、第2遊技状態開始指定コマンドを受信したと判断された場合は(S1055;YES)、右打ち表示RHを開始するか否かについての抽選を行う(S1056)。そして、抽選の結果が落選である場合(S1058;NO)には、そのまま右打ち表示開始処理(S1050)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。これに対して、抽選の結果が当選である場合(S1058;NO)には、演出表示装置27の表示画面27aにおいて右打ち表示RHを開始する処理(「右方向を向いた矢印」を表示する処理)を実行した後(S1062)、右打ち表示開始処理(S1050)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。
また、CPU220aは、右打ち表示終了処理(S1070)を起動すると、図28(b)に示すように、第1遊技状態開始指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1075)。そして、第1遊技状態開始指定コマンドを受信したと判断された場合は(S1075;YES)、右打ち表示RHを実行中か否かを判断する(S1078)。そして、右打ち表示RHを実行中でない場合(S1078;NO)には、そのまま右打ち表示終了処理(S1070)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。これに対して、右打ち表示RHを実行中であれば(S1078;YES)、演出表示装置27の表示画面27aから右打ち表示RHを消去(「右方向を向いた矢印」を消去)した後(S1080)、右打ち表示終了処理(S1070)を終了し、図25の演出制御処理(S980)に復帰する。
実施例2の遊技機によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、遊技球の発射態様に関する報知を行うか否かを決定するための抽選に当選して右打ち表示RHがなされた場合には、遊技者は遊技機から指示された通りに「右打ち」を行うことで、「小当りを集中的に発生させ、持ち球を増やしつつ大当りの発生を狙うこと」を確実に実行できる。逆に、抽選に落選し、右打ち表示RHがなされない場合には、遊技者は、大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数が報知されないと、大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数を認識することは困難なので、現在の遊技状態が第1遊技状態にあるのか第2遊技状態にあるのかを判断することが困難となる。よって、右打ち表示RHがなされない場合には、安全をみて右打ちを行わず(左打ちを行い)第2始動口17bへの入球を狙わないか、ギャンブル的に右打ちを行って第2始動口17bへの入球を狙うことになる。そして、実際の遊技状態が第2遊技状態であれば、小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うことができ、実際の遊技状態が第1遊技状態であれは、第2特別図柄の変動表示時間が長くなり、遊技が思い通りに進行しない状態となる。このように、右打ち表示(第2遊技状態報知)を行うか否かを抽選で決定するため、より遊技性が広がることになる。
つまり、遊技機の遊技状態や遊技球の発射態様に関する情報が遊技者に報知される場合には、遊技機の指示通りに遊技球を発射することで、小当り遊技を集中的に実行し、それにより持ち球を増やすことができ、遊技興趣を高めることができる。これに対して、遊技機の遊技状態や遊技球の発射態様に関する情報が遊技者に報知されない場合には、遊技状態が第2遊技状態であっても、普段(第1遊技状態)と同じような態様、すなわち「左打ち」によって遊技球を発射する可能性が高くなる。このように、実施例2では、右打ち表示(第2遊技状態報知)の実行の有無によって遊技結果が大きく左右されるという、遊技性を得ることになる。
次に、図29を用いて実施例2の変形例(以下、変形例1と称する)について説明する。実施例2では、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R大当りの発生を示す大当り図柄(大当り図柄A)」、「8R大当りAの発生を示す大当り図柄(大当り図柄B)」若しくは「8R大当りBの発生を示す大当り図柄(以下、大当り図柄Cという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によっても、大当り図柄が「大当り図柄A」、「大当り図柄B」若しくは「大当り図柄C」に決定される。
ここで、15R大当りおよび8R大当りAの意義は実施例1と同様であり、何れの大当りに係る大当り遊技を実行した場合にも、当該大当り遊技の終了後に限定頻度設定フラグはセットされ、限定頻度カウンタに「300」がセットされる。これに対して、8R大当りBを生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行されるが、当該「8R大当りB」の発生に基づく大当り遊技B(8R大当り遊技)が実行されても、限定頻度設定フラグはセットされず、限定頻度カウンタの値も「ゼロ」とされる。
この変形例1においては、15R大当り若しくは8R大当りAに係る大当り遊技の終了後に「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する。これに対して、8R大当りBに係る大当り遊技の終了後においては「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わない(若しくは、当選率がゼロの抽選を行ってもよい。)。なお、図29中の「報知」の欄に「抽」は「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行うことを示し、同欄の「−」は「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わないこと(若しくは、当選率がゼロの抽選を行うこと)を示している。
変形例1では、15R大当り若しくは8R大当りAに係る大当り遊技の終了後において、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタの値が「50〜1」の場合(大当り遊技終了後、251回目〜300回目の特別図柄の変動表示が行われるとき)に、遊技状態が第2遊技状態に設定されることなるが、抽選に当選して「右打ち表示」がなされるケース(以下、ケース1という。)と、抽選に落選して「右打ち表示」がなされないケース(以下、ケース2という。)とを生ずることなる。また、8R大当りBに係る大当り遊技の終了後においては、遊技状態が第2遊技状態に設定されることがないため、「右打ち表示」がなされないケース(以下、ケース3という。)となる。そして、変形例1では、このような多様なケースを生ずるため、遊技性が更に広がることになる。
具体的に説明すると、ケース1において「右打ち表示」がなされると、遊技者は確信を持って右打ちを行い、遊技球を第2始動口17bに向けて発射し、小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うという遊技を楽しむことができる。また、ケース2若しくはケース3においては、遊技者は、大当り遊技終了後に行われた特別図柄の変動表示回数を自身で正確に数えていれば、遊技状態が第2遊技状態に設定されているか否かを判断することができるものの、変動表示回数が報知されないと遊技者は大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数を認識することは困難なので、遊技状態が第2遊技状態に設定されているか否かを判断することも困難となる。この場合には、遊技者は第2始動口17bへの入球を狙わないか、感を頼りに第2始動口17bへの入球を狙うことになる。そして、このような多様なケースを生ずるため、遊技性が更に広がることになる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3は大当り遊技終了後に大当り確率(当否判定の結果が大当りとなる確率)が高確率に変動する遊技機(確変機)への適用例を示す点と、第2遊技状態にて実行可能な特別図柄の変動表示回数が大当り発生時の大当り確率等に基づいて選択される点が実施例1および実施例2と異なる。ここで、大当り確率を所定の確率(例えば、低確率)に設定したり、所定の確率よりも高い確率(例えば、高確率)に設定可能する「確変機」の中には、次回の大当りを得ることが実質的に保障された確変機(保障機)(後述する実施例4を参照)の他に、大当りを得ることなく実行された当否判定の回数(ST回数)が特定回数となると、大当り確率を所定確率に戻す回数切り確変機(ST機)が存在する。そして、実施例3では、確変機として回数切り確変機(ST機)を例示している。
実施例3の遊技機においては、図30に示すように、大当り確率が低確率(所定確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/20」とされる。
実施例3においても、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」若しくは「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合も、乱数抽選によって、大当り図柄が「確変図柄A」若しくは「確変図柄B」に決定される。
図30に示すように、「15R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、何れの大当りを生じても、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「120」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「N(120よりも小さい自然数)」になると、遊技状態は第1遊技状態から第2遊技状態に移行する。この後、特別図柄の変動表示が実行される度に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると、遊技状態は第2遊技状態から第1遊技状態に移行する。
ここで、「N(自然数)」は第2遊技状態にて実行可能な特別図柄の変動表示回数を示す数値(以下、「N値」という。)であり、大当り発生時の大当り確率と、大当りを発生させる際に変動表示していた特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)とに基づいて設定される。具体的には、図31(a)に示すように、変動表示していた特別図柄が第1特別図柄である場合には、大当り発生時の大当り確率が低確率であるか高確率であるかを問わずに、「N値」が「30回」に設定される確率は「50%」、「N値」が「60回」に設定される確率は「25%」、「N値」が「90回」に設定される確率は「25%」となる。
これに対して、図31(b)に示すように、変動表示していた特別図柄が第2特別図柄である場合には、大当り発生時の大当り確率が低確率であると「N値」が「ゼロ回」に設定される確率が「100%」となり、大当り発生時の大当り確率が高確率であると「N値」が「60回」に設定される確率と、「90回」に設定される確率が何れも「50%」となる。このように、大当り確率が低確率である場合には、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させて大当りを発生させても、大当り遊技の終了後において遊技状態が第2遊技状態に設定されることはない(図34を参照)。このように、大当り確率が低確率である場合には、第1始動口17aに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させることが得策である(図34を参照)。一方、大当り確率が高確率である場合、大当り遊技の終了後において第2遊技状態の継続回数が多く設定される可能性が高くなるため、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させることが得策となる(図34を参照)。
また、実施例3においても、図7に示すように、遊技機1の遊技状態が第1遊技状態および第2遊技状態の何れであっても、第1当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「ゼロ」とされ、第2当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「198/200」とされている。そして、第2当否判定の結果が小当りの場合、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄が小当り図柄に決定される。
そして、実施例3では、何れの大当りを発生しても対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段(後述する。)が作動し、大当り確率が高確率とされる状態(高確率状態)となる。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「120回」になるまで継続される。つまり、実施例3の遊技機は、大当り遊技の終了後において、次回の大当りが発生するまで高確率状態は保障されておらず、大当りを得ることなく実行された当否判定の回数(ST回数)が120回になると当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率に戻される。
次に実施例3の特別図柄遊技処理(S300)に関して実施例1の特別図柄遊技処理(S300)との相違点を中心に説明する。実施例3の特別図柄遊技処理(S300)においては、図32に示すように、S378の処理に続いてS379の処理に移行し、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S379)、セットされていない場合は(S379;NO)、そのままS380の処理に移行し、セットされている場合は(S379;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S379c)を行った後、S380の処理に移行する。S380以降の処理に関しては実施例1と同様である。ここで、確変フラグは、大当り確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること(確率変動機能が作動していること)を示すフラグである。
次に、図32のS352の処理で否定的な判断がなされる場合(S352;NO)と、「小当り遊技フラグ」をセットした場合(S360)の処理について説明する。これらの場合には、S384の処理に移行して確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S384)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S384;NO)、そのままのS390の処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S384;YES)、確変カウンタの値を「−1」する処理(S386)を行った後、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S387)。ここで、「確変カウンタ」は高確率状態で行われる当否判定の実行回数(特別図柄の変動表示の実行回数)を計数するためのものであり、実行回数(特別図柄の変動表示の実行回数)が予め定められた回数(120回)になると、以後の当否判定が低確率で行われる。つまり、実施例3では大当り遊技の終了に伴い「確変カウンタ」に初期値(120)がセットされ、特別図柄の変動表示が1回行われる毎の「確変カウンタ」の値が「−1」され、この「確変カウンタ」の値が「ゼロ」になると、以後の当否判定が低確率で行われる。
そして、「ゼロ」になっていない場合(S387;NO)、そのままS390の処理に移行する。これに対して、確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S387;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S388)を行った後、S390の処理に移行する。S390以降の処理は実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様である。
また、実施例3の大当り遊技処理(S600)は図33に基づいて実行されるが、当該大当り遊技処理(S600)は、S612の処理で肯定的に判断された後の処理に相違点が存在することを除いて、実施例1の大当り遊技処理(S600、図23を参照)と同様である。このため、以下、S612の処理で肯定的に判断された後の処理についてのみ説明する。
S612の処理において「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合(S612;YES)、「大当り遊技フラグ」を解除(OFFに設定)した後(S620)、大当り発生時の状態を取得する(S622)。このS622の処理では、大当り発生時の大当り確率と、大当りを発生させる際に変動表示していた特別図柄の種類を特定する情報等が取得される。そして、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理を行った後(S624)、限定頻度カウンタに「120」をセットする処理と、前述の「N値」を設定する処理とを行う(S625)。ここで、「N値」は前述のように第2遊技状態にて実行可能な特別図柄の変動表示回数を示す数値であるが、S622の処理で取得した情報(大当り発生時の大当り確率と変動表示していた特別図柄の種類を特定する情報)を考慮して「N値」を決定するためのテーブル(図31)を選択し、当該選択されるテーブル(図31)を用いた乱数抽選によって選択される。そして、S625の処理を行うと、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S628)と、確変カウンタに「120」をセットする処理(S635)とを行った後、大当り遊技処理(S600)を終了する。
実施例3の遊技機によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、実施例3では、第2遊技状態にて実行可能な特別図柄の変動表示回数を、大当り発生時の大当り確率と、大当りを発生させる際に変動表示していた特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)に基づいて設定するため、遊技性を更に一層広げることができる。この点について図31および図34を用いて更に具体的に説明すると、大当り確率が低確率のときに、右領域11Rに向かって遊技球を発射し、第2始動入賞に基づいて大当り(所謂「初当り」)を発生しても、大当り遊技終了後に遊技状態が第2遊技状態に設定されることはないため{図34(a)を参照}、大当り遊技終了後に小当り遊技を集中的に実行することはできない。つまり、大当り確率が低確率のときには、右打ちして第2始動入賞に基づき大当り(初当り)を発生させてしまうと、遊技状態が第2遊技状態に設定されることはないため、得策でない。
逆に、大当り確率が高確率のときには、第2始動入賞に基づいて大当りを発生させる方が、第1始動入賞に基づいて大当りを発生させるよりも、「N値」として大きな値(「60回」若しくは「90回」)が設定される可能性が高くなる{図34(c)および(d)を参照}。このため、大当り確率が高確率のときは、第2始動入賞に基づいて大当りを発生させる方が、第1始動入賞に基づいて大当りを発生させるよりも遊技者にとって有利である。ここで、実施例3の遊技機では、大当り確率が低確率のときに大当り(初当り)を発生すると、大当り遊技終了後に限定頻度カウンタに「120」という値がセットされる。そして、この大当り(初当り)後に限定頻度カウンタに正数値がセットされている状態で、第2始動入賞に基づいて大当りを発生させると、遊技者にとって有利な結果が得られる。このように初当りの前後において、第1始動入賞に基づいて大当りを発生させる場合の有利度と、第2始動入賞に基づいて大当りを発生させる場合の有利度が逆転することになる。
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4は大当り遊技終了後に大当り確率(当否判定の結果が大当りとなる確率)が高確率に変動する遊技機(確変機)への適用例を示す点と、大当り遊技終了後に大当り確率が高確率となる場合に「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)する点と、大当りの種類に確変大当りおよび通常大当りを含む点等が実施例1および実施例2と異なる。また、大当り終了後に大当り確率が高確率になると、次回の大当りを発生するまで大当り確率が高確率に維持される点(保障機である点)が実施例3と異なる。なお、実施例4では、図6の代わりに図35、図7の代わりに図36、図8の代わりに図37、図17の代わりに図38、図23の代わりに図39を用いるとともに図9を用いないことを除いて、実施例1と同様である。
また、実施例4の第1遊技状態と、実施例4の第2遊技状態には「大当り確率が高確率(第2確率)」である旨の条件が付加されている。そして、実施例4の遊技機も、第1特別図柄または第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を開放させる大当り遊技(第1特定遊技)が実行可能で、第2特別図柄(識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を大当り遊技(第1特定遊技)よりも短い開放時間で開放させる小当り遊技(第2特定遊技)が実行可能となる。
実施例4の遊技機は、図37に示すように、「大当り確率が高確率(第2確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる第1遊技状態」と、「大当り確率が高確率(第2確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第3時間;1秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも短くなる第2遊技状態」とを備える。ここで、「実施例4の第1遊技状態」は本発明の「第1遊技状態」であり、「実施例4の第2遊技状態」は本発明の「第2遊技状態」である。そして、「実施例4の第1遊技状態」を「第1遊技状態A」と表記することで、実施例1および実施例2等の第1遊技状態と区別し、「実施例4の第2遊技状態」を「第2遊技状態A」と表記することで、実施例1および実施例2等の第2遊技状態と区別する。
更に、実施例4では、「大当り確率が低確率(第1確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第4時間;25秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる基本遊技状態」を備えている。なお、実施例4の遊技機では、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」である場合において、確変フラグがセット(ONに設定)されていると遊技状態が第1遊技状態Aに設定され、確変フラグが解除(OFFに設定)されていると遊技状態が基本遊技状態に設定される。
実施例4の遊技機においては、図35および図36に示すように、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/20」とされる。
実施例4においても、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」、「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Aという。)」若しくは「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Bという。)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合も、乱数抽選によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」若しくは通常図柄Aに決定される。
図35に示すように、「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、「15R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「120」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「30」になると、遊技状態は第1遊技状態Aから第2遊技状態Aに移行する。この後、特別図柄の変動表示が実行される度に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」される(1デクリメントされる)。そして、限定頻度カウンタのカウント値が「1」から「ゼロ」になる場合には、確変フラグがセット(ONに設定)されているため、遊技状態は「第2遊技状態A」から「第1遊技状態A」に移行する。
また、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生じても、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されず、大当り遊技終了後の遊技状態は基本遊技状態となる。
また、実施例4においても、図36に示すように、遊技機の遊技状態が第1遊技状態A、第2遊技状態Aおよび基本遊技状態の何れであっても、第1当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「ゼロ」とされ、第2当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「198/200」とされている。そして、第2当否判定の結果が小当りの場合、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄が小当り図柄に決定される。
そして、実施例4では、「15R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動し、大当り確率が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。また、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動せず、大当り確率が低確率(第1確率)とされる「低確率状態」となる。なお、実施例4と異なり、第1確率よりも高い大当り確率を2種以上(例えば、第2確率と、第2確率よりも高い第3確率)設定可能としてもよい。
次に実施例4の特別図柄遊技処理(S300)に関して実施例1の特別図柄遊技処理(S300)との相違点を中心に説明する。実施例4の特別図柄遊技処理(S300)においては、図38に示すように、S378の処理に続いてS379の処理に移行し、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S379)、セットされていない場合は(S379;NO)、そのままS380の処理に移行し、セットされている場合は(S379;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S379c)を行った後、S380の処理に移行する。S380以降の処理に関しては実施例1と同様である。
また、図38のS352の処理で否定的な判断がなされる場合(S352;NO)と、「小当り遊技フラグ」をセットした場合(S360)の処理について説明する。これらの場合には、S390以降の処理に移行し、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S390)。そして、セットされていない場合は(S390;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。これに対して、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S390;YES)、限定頻度カウンタの値を「−1」した後(S392)、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S394)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S394;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。なお、限定頻度カウンタの値が「31」から「30」になる場合には、遊技機の遊技状態が第1遊技状態Aから第2遊技状態Aになる。
また、S394の処理で限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S394;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)する処理を実行した後(S396)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図12の遊技制御処理に復帰する。このように、限定頻度設定フラグを解除することにより、遊技機の遊技状態が「第2遊技状態A」から「第1遊技状態A」に切り換わることになる。つまり、実施例4においては、限定頻度カウンタの値が「120〜31」のうちの何れかの値であるとき、「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態A)」となり、同限定頻度カウンタの値が「30〜1」のうちの何れかの値であるとき、「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短くなる状態(第2遊技状態A)」となる。そして、S392の処理によって限定頻度カウンタの値が「1」から「ゼロ」になる場合には、確変フラグがセット(ONに設定)がされているため、「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態A)」となる。
また、実施例4の大当り遊技処理(S600)は図39に基づいて実行されるが、当該大当り遊技処理(S600)は、S612の処理で肯定的に判断された後の処理に相違点が存在することを除いて、実施例1の大当り遊技処理(S600、図23を参照)と同様である。このため、以下、S612の処理で肯定的に判断された後の処理についてのみ説明する。
S612の処理において「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合(S612;YES)、「大当り遊技フラグ」を解除(OFFに設定)した後(S620)、大当り発生時の状態を取得する(S622)。このS622の処理では、大当り遊技を終了するときに、「大当り遊技終了時参照用バッファ(図38のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態等を設定する処理を行う。つまり、今回の大当り図柄が「通常大当り図柄」であった場合には、そのまま大当り遊技処理(S600)を終了する。この場合、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」であるとともに、確変フラグが解除(OFFに設定)にされているため、遊技機の遊技状態は「大当り確率が低確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(基本遊技状態)」となる。
これに対して、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理を行った後(S624)、限定頻度カウンタに「120」をセットする処理と、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S628)とを行い、大当り遊技処理(S600)を終了する。この場合、限定頻度カウンタの値が「120」であるとともに、確変フラグセット(ONに設定)にされているため、遊技機の遊技状態は「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態A)」となる。
実施例4の遊技機によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、実施例4では、第1遊技状態Aおよび第2遊技状態Aの何れにおいても、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り態様(第1特定態様)で停止表示される確率が高確率(第2確率)に設定され、大当りを発生し易い状態とされている。そして、遊技状態が第1遊技状態Aに設定されているときには、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなるため、第1遊技状態Aでは、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させるよりも、第1始動口17aに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させる方が、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を変動表示させる遊技を効率よく進めることができる。
一方、第1遊技状態Aにて特別図柄の変動表示回数が90回(つまり、所定回数)になることに基づいて、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短くなる第2遊技状態Aを設定する。つまり、特別図柄が大当り態様で停止され易い状態であるにも係わらず、特別図柄の変動表示を90回数行っても、特別図柄が大当り態様で停止表示されない状態を生じた場合、遊技状態が第1遊技状態Aから第2遊技状態Aに移行して、第2特別図柄および第1特別図柄の平均変動時間の大小関係が逆転する。これにより、第1始動口17aに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させるよりも、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させる方が、特別図柄を変動表示させる遊技を効率よく進めることができるようになる。このように遊技状態が第1遊技状態Aから第2遊技状態Aに移行することよって、変動表示の主体となる特別図柄の種類が第1特別図柄から第2特別図柄に変更されることとなる。
特に、実施例4の遊技機によると、変動表示の主体となる特別図柄の種類が第1特別図柄から第2特別図柄に変更された場合(第2遊技状態Aに変更された場合)、変更される前(第1遊技状態Aの場合)の第1特別図柄の変動頻度(平均変動時間)に比べて、変更された後の第2特別図柄の変動頻度(平均変動時間)が著しく短くなる。つまり、「第2遊技状態Aにおける第2特別図柄の平均変動時間」は、「第1遊技状態Aにおける第1特別図柄の平均変動時間」の「1/13」となる。よって、大当り遊技を終了した後に高確率状態となったが、大当りが発生しない状態がしばらく続くと、大当りを早期に発生させ易い状態となる(第2特別図柄の短変動による変動頻度アップ)。これにより、高確変状態で大当りがなかなか発生しない場合(所謂、「はまりを生じた場合」)に救済措置を図るといった遊技性を実現できる。
また、実施例4の遊技機では、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示される確率(小当り確率)が、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率(大当り確率)よりも高くされているため(第2確率よりも高くされているため)、第2遊技状態Aにおいては、第2始動口17bに遊技球を入球させ、第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。より具体的には、第2特別図柄の変動表示が約1秒で終了して小当り図柄が停止表示され、大入賞口31aの開放時間を1.8秒とする小当り遊技を連続的に行うことができるようになる。これにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口31aに2〜3個の遊技球を入球させ、「30〜45個」の賞球を連続して獲得することができるようになる。そして、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで第2始動口17bへの入球のみを狙い、第2特別図柄の変動表示を実行する度に小当りが発生するものとすれば、遊技者は持ち球を増加させることができる。
つまり、第1当否判定と第2当否判定において大当り確率が同一であるため、大当りを発生させる上では、第1始動口17aおよび第2始動口17bのうちの何れを狙っても差異はないが、第2当否判定における小当り確率が大当り確率よりも高いため、遊技状態が第2遊技状態Aである場合には、右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させることで、大当りを狙いつつ小当りを頻発させることが得策である。逆に、遊技状態が第1遊技状態Aである場合には、第2始動口17bに遊技球を入球させると、第2特別図柄の変動時間が、遊技の進行が滞る程長くなり、しかも賞球量が最小量(1個)に止まる。このため、この状態で右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させたとしても遊技者にとってメリットはなく、この状態では、左打ちを行って遊技球を第1始動口17aに入球させて大当りのみの発生を目指した方が遊技効率も良く得策である。
このように、実施例4の遊技機によると、大当り遊技終了後の第1遊技状態Aにて特別図柄の変動表示回数が所定回数になることに基づいて、小当り遊技を集中的に実行しつつ、小当り遊技よりも遊技利益が大きな大当り遊技の実行を狙うという、新たな遊技性を実現できる。また、実施例4の遊技機では、第2遊技状態Aにて特別図柄の変動表示回数が所定回数になることに基づいて第1遊技状態を設定するため、第2遊技状態Aが無制限に継続することを防止できる。よって、遊技者は第2遊技状態Aでの遊技を緊張感と減り張りを持って実行することになるばかりか、徒に射幸性を煽ることを防止できる。
更に、実施例4の遊技機においても、第2遊技状態Aにて特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて、第1遊技状態Aが設定されるため、新たに第2遊技状態Aを開始することを目指して、第1遊技状態Aでの遊技を新たに開始すること(仕切直しをすること)ができる。
また、実施例4の遊技機において第1始動口17aは、遊技盤10面上の左領域11Lを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられ、第2始動口17bは、遊技盤面10上の右領域11Rを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられる。つまり、第1始動口17aに入球する遊技球と、第2始動口17bに入球する遊技球は、遊技盤10面上の異なる領域11L、11Rを通過することになる。このため、遊技者は第1始動口17aへの遊技球の入球を狙う場合と、第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う場合とで、遊技球の発射態様(発射強度)を選択することが必要となる。このため、設定される遊技状態(第1遊技状態A、第2遊技状態A)に応じて、遊技球の発射態様(発射強度)の使い分けが必要となるという遊技性を実現できる。また、実施例4の遊技機では、第2始動口17bの下方に大入賞装置31を設け、右領域11Rを流下する遊技球のみが大入賞口31aに入球可能となるようになっているため、遊技状態が第2遊技状態Aとなった後は、その第2遊技状態Aが終了するまで、その間に小当りや大当りが発生した場合も含め、一貫して「右打ち」により遊技を進行させることができる。これにより、遊技状態(第1遊技状態A、第2遊技状態A)に応じた遊技球の発射態様(発射強度)の区別をより明確にすることができる。
更に、実施例4の遊技機においても、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づき付与される賞球量が、第1始動口17aへの遊技球の入球に基づき付与される賞球よりも少なくされている。このため、遊技状態が第1遊技状態Aに設定されているときには、第2始動口17bへ遊技球を入球させても、メリットが無いか若しくはデメリットが多くなる。このため、遊技状態を顧慮せずに、むやみやたらに「第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う行為(むやみやたらに、小当りを狙う行為)」を抑制することができる。
また、実施例4の遊技機では、第2遊技状態Aが設定されていることを示す第2遊技状態報知(右打ち表示RH)や、第1遊技状態Aが設定されていないことを示す第1遊技状態報知(左打ち表示LH)に基づいて、設定されている遊技状態を認識することが可能であるため(図11、図26を参照)、第1始動口17a若しくは第2始動口17bのうち何れを狙って遊技球を発射すべきかを判断することが容易となる。つまり、第2遊技状態Aでは第2始動口17b(第2特別図柄の変動表示)や大入賞口31a(大当り遊技、小当り遊技)を狙って遊技を進めるための遊技球の発射方法(右打ち)が報知されるため、小当りの取りこぼしを生ずることを防止でき、これにより、小当り遊技を実行する可能性を高くし、持ち球を増加させることが容易とされる。このように実施例4の遊技機では、右打ち表示RH等にアシストされることで、「小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うという特徴的な遊技」を確実に行うことができる。
次に、実施例4の第1の変形例(以下、変形例2という。)について説明する。この変形例2では、実施例2と同様に、サブ制御基板220のCPU220aが「左打ち表示」を行わないとともに、「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する。そして、変形例2では、実施例2と同様に、図28(a)に基づいて右打ち表示開始処理(S1050)を実行し、図28(b)に基づいて右打ち表示終了処理(S1050)を実行する。
変形例2の遊技機によると、実施例4の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、遊技球の発射態様に関する報知を行うか否かを決定するための抽選に当選して右打ち表示RHがなされた場合には、遊技者は遊技機から指示された通りに「右打ち」を行うことで、「小当りを集中的に発生させ、持ち球を増やしつつ大当りの発生を狙うこと」を確実に実行できる。逆に、抽選に落選し、右打ち表示RHがなされない場合には、遊技者は、大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数が報知されないと、大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数を認識することは困難なので、現在の遊技状態が第1遊技状態Aにあるのか第2遊技状態Aにあるのかを判断することが困難となる。よって、右打ち表示RHがなされない場合には、安全をみて右打ちを行わず(左打ちを行い)第2始動口17bへの入球を狙わないか、ギャンブル的に右打ちを行って第2始動口17bへの入球を狙うことになる。そして、実際の遊技状態が第2遊技状態Aであれば、小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うことができ、実際の遊技状態が第1遊技状態であれは、第2特別図柄の変動表示時間が長くなり、遊技が思い通りに進行しない状態となる。このように、右打ち表示(第2遊技状態報知)を行うか否かを抽選で決定するため、より遊技性が広がることになる。
つまり、遊技機の遊技状態や遊技球の発射態様に関する情報が遊技者に報知される場合には、遊技機の指示通りに遊技球を発射することで、小当り遊技を集中的に実行し、それにより持ち球を増やすことができ、遊技興趣を高めることができる。これに対して、遊技機の遊技状態や遊技球の発射態様に関する情報が遊技者に報知されない場合には、遊技状態が第2遊技状態Aであっても、第1遊技状態Aや基本遊技状態と同じような態様、すなわち「左打ち」によって遊技球を発射する可能性が高くなる。このように、変形例2では、右打ち表示(高確型の第2遊技状態報知)の実行の有無によって遊技結果が大きく左右されるという、遊技性を得ることになる。
次に、図40を用いて変形例2の変形例(以下、変形例3と称する)について説明する。ここで、変形例3では、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(大当り図柄A)」、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄(大当り図柄A1)」、「15R確変大当りBの発生を示す大当り図柄(大当り図柄A2)」若しくは「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常大当り図柄Aという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によっても、大当り図柄が、「大当り図柄A」、「大当り図柄A1」、「大当り図柄A2」若しくは「14R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常大当り図柄Cという。)」に決定される。
ここで、15R確変大当り、15R確変大当りA、15R確変大当りBの意義は実施例4の15R確変大当りと同様であり、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動し、大当り確率が高確率とされる「高確率状態」となる。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。また、15R確変大当り若しくは15R確変大当りAに係る大当り遊技の終了後には、限定頻度設定フラグはセットされ、限定頻度カウンタに「120」がセットされる。但し、15R確変大当りBに係る大当り遊技の終了後には、限定頻度設定フラグはセットされず、限定頻度カウンタの値も「ゼロ」のままとされる。
また、14R通常大当りを生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「14回」の大当り遊技Cが実行され、15R通常大当りを生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行されるが、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動しない。また、14R通常大当り若しくは15R通常大当りを生じ、対応する大当り遊技が実行されても、限定頻度設定フラグはセットされず、限定頻度カウンタの値も「ゼロ」のままとされ、遊技状態は基本遊技状態に設定される。
この変形例3においては、15R確変大当り若しくは15R確変大当りAに係る大当り遊技の終了後に「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する。これに対して、15R確変大当りBに係る大当り遊技の終了後においては「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わない(若しくは、当選率がゼロの抽選を行ってもよい。)。なお、図40中の「報知」の欄に「抽」は「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行うことを示し、同欄の「−」は「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わないこと(若しくは、当選率がゼロの抽選を行うこと)を示している。また、14R通常大当り若しくは15R通常大当りに係る大当り遊技の終了後においては「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わない(若しくは、当選率がゼロの抽選を行ってもよい。)。
変形例3では、15R確変大当り若しくは15R確変大当りAに係る大当り遊技の終了後において、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタの値が「30〜1」の場合(大当り遊技終了後、91回目〜120回目の特別図柄の変動表示が行われるとき)に、遊技状態が第2遊技状態Aに設定されることなるが、抽選に当選して「右打ち表示」がなされるケース(以下、ケースAという。)と、抽選に落選して「右打ち表示」がなされないケース(以下、ケースBという。)とを生ずることなる。また、15R確変大当りBに係る大当り遊技の終了後においては、遊技状態が第2遊技状態Aに設定されることがないため、「右打ち表示」がなされないケース(以下、ケースCという。)となる。そして、変形例3では、このような多様なケースを生ずるため、遊技性が更に広がることになる。
具体的に説明すると、ケースAにおいて「右打ち表示」がなされると、遊技者は確信を持って右打ちを行い、遊技球を第2始動口17bに向けて発射し、小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うという遊技を楽しむことができる。また、ケースB若しくはケースCにおいては、遊技者は、大当り遊技終了後に行われた特別図柄の変動表示回数を自身で正確に数えていれば、遊技状態が第2遊技状態Aに設定されているか否かを判断することができるものの、変動表示回数が報知されないと遊技者は大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数を認識することは困難なので、遊技状態が第2遊技状態Aに設定されているか否かを判断することも困難となる。この場合には、遊技者は第2始動口17bへの入球を狙わないか、感を頼りに第2始動口17bへの入球を狙うことになる。そして、このような多様なケースを生ずるため、遊技性が更に広がることになる。
更に、図41および図42を用いて実施例4の他の変形例(以下、変形例4と称する)について説明する。ここで、変形例4では、実施例4を「所謂、転落抽選機」に対して適用したものである。この変形例4は、第1当否判定の結果が大当りの場合と、第2当否判定の結果が大当りの場合の何れにおいても、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(大当り図柄A)」若しくは「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄(大当り図柄B)」に決定される。この変形例4においても、図41に示すように、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/20」とされる。
変形例4において発生する大当りは確変大当りのみであり、通常大当りを生ずることはない。そして、「15R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、何れの大当りを生じても、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「120」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「30」になると、遊技状態は第1遊技状態Aから第2遊技状態Aに移行する。この後、特別図柄の変動表示が実行される度に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると、遊技状態は「第2遊技状態A」から「第1遊技状態A」に移行する。
変形例4は、高確率状態での遊技(以下、確変遊技という。)が開始されると、確変遊技の継続の可否を抽選によって判断する遊技機であり、図42に基づいて当否判定処理(S320a、S320b)を行う。ここで、変形例4に係る遊技機(転落抽選機)では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づいて確変遊技の継続の可否の抽選を転落抽選として行い、転落抽選に当選すると確変遊技を終了させる遊技機である。この転落抽選機においては、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(図15のS303aを参照)と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(図15のS303bを参照)に転落抽選に使用する転落抽選乱数値が含まれ、図16のS316で読み出される判定用乱数値に、この転落抽選乱数値が含まれる。そして、第1当否判定処理(S320a)および第2当否判定処理(S320b)が、図42に基づいて実行される。なお、転落抽選を第1当否判定および第2当否判定のうちの一方のみで行ってもよい。
第1当否判定処理(S320a)若しくは第2当否判定処理(S320b)が起動すると、確変フラグが設定(ONに設定)されているか否かを判断する(S321c)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S321c;NO)、大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S321c;YES)、S316で読み出された転落抽選乱数値を用いて転落抽選を行う(S320e)。
このS320eの処理においては、S316で読み出された転落抽選乱数値と、転落抽選当選番号との比較を行い、両者が一致していれば、転落抽選の抽選結果が当選(つまり、高確率状態から低確率状態への転落)とされ、一致していなければ転落抽選の抽選結果が落選(つまり、高確率状態を維持)とされる。尚、転落抽選によって「当選」が得られる確率(通常確率状態へ転落する確率)を例えば、「1/30」とすることができる。
S320eに示す転落抽選の結果が「落選」の場合(S320f;NO)、大当り判定を高確率で行い(S320k)、S330の処理を行う。また、S320eに示す転落抽選の結果が「当選」の場合(S320f;YES)、確変フラグを解除した後(S320g)、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S320h)、解除されている場合には(S320h;NO)、大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。これに対して、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S320h;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)する処理と限定頻度カウンタの値を「ゼロ」とする処理を行い(S320i)、更に大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。そして、S330以降の処理に関しては、実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
ところで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、S320iを行ったところで、第2遊技状態A若しくは第1遊技状態Bが終了することを示すコマンド(若しくは、基本遊技状態が開始することを示すコマンド)をサブ制御基板220に向かって送信することとしてもよいし、送信しないこととしてもよい。例えば、第2遊技状態Aで遊技を実行しているとき、S320iが行われる際に上述の状態変化に係るコマンドを送信しないとすると、遊技者は、引き続き第2始動口17bを狙って右打ちを行うことになる。この場合、突然、第2特別図柄の変動時間が長くなることによって、大当り確率が低確率に転落したことを知ることになる。
また、第2遊技状態Bで遊技を実行しているとき、S320iが行われる際に上述の状態変化に係るコマンドを送信する場合、演出表示装置27aに大当り確率が低確率に転落したことを報知することとしてもよく、この場合、遊技者は、遊技者の発射態様を右打ちから左打ちに切り換えることになる。そして、変形例4においては、転落抽選において、高確率状態で当否判定を行う場合、毎回転落抽選を行い、第2遊技状態A若しくは第1遊技状態Aが終了するか否かを転落抽選として行う。このため、遊技者は、「ドキドキ感」をもって遊技を行うことになる。
また、実施例4の遊技機がST機であってもよく、この場合、「ST回数」が「限定頻度カウンタの上限値」と同じ、若しくは、多くされ、「限定頻度カウンタの上限値」が「所定回数」よりも多くされる。更に、実施例4においては通常大当りに係る大当り遊技終了後においても、「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)し、限定頻度カウンタに「120」やその他の値(100等の確変大当りに係る大当り遊技終了後よりも少ない数、若しくは、150等の確変大当りに係る大当り遊技終了後よりも多い数)をセットすることとしてもよい。この場合、限定頻度カウンタが所定数(例えば、30等)になると、遊技状態が「実施例1の第1遊技状態」から「実施例1の第2遊技状態」となり、限定頻度カウンタの値がゼロになると「実施例1の第1遊技状態(つまり、基本遊技状態)になってもよい。
次に、実施例5の遊技機について説明する。この実施例5は(a)大当り遊技終了後に大当り確率が高確率に変動する遊技機(確変機)への適用例を示す点と、(b)大当りの種類に確変大当りおよび通常大当りを含む点と、(c)大当り遊技終了後に大当り確率が高確率および低確率の何れになる場合にも「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)する点と、(d)大当り遊技終了後に実施例5の第1遊技状態を開始する点と、(e)「限定頻度設定フラグ」が解除(OFFに設定)されると実施例5の第2遊技状態を開始する点等が、実施例1および実施例2と異なる。また、実施例5の遊技機は、実施例3と同様に回数切り確変機(ST機)である。
この実施例5、後述する実施例6、変形例5〜7の遊技機は、第1遊技状態にて特別図柄の変動表示の回数が所定回数となり、遊技状態(大当り確率や入球頻度を規定する遊技状態)が変更されることにとって、第2遊技状態を設定するものである。ここで、実施例5の第1遊技状態を他の実施例の第1遊技状態と区別するために「第1遊技状態B」と称し、実施例5の第2遊技状態を他の実施例の第2遊技状態と区別するために「第2遊技状態B」と称する。なお、実施例5では、図2の代わりに図43、図6の代わりに図44、図7の代わりに図45、図8の代わりに図46、図12の代わりに図48、図13の代わりに図49、図17の代わりに図50、図20の代わりに図51(a)、図22(a)の代わりに図51(b)、図23の代わりに図52および図53を用いるとともに、図47が付加されている点と、図9を用いないことが実施例1と異なる。
また、第1遊技状態Bには「大当り確率が高確率(第2確率)」である旨の条件が付加されているが、第2遊技状態Bには「大当り確率が高確率(第2確率)」である旨の条件が付加されていない。そして、実施例5の遊技機も、前述の各実施例と同様に、第1特別図柄または第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を開放させる大当り遊技(第1特定遊技)が実行可能で、第2特別図柄(識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を大当り遊技(第1特定遊技)よりも短い開放時間で開放させる小当り遊技(第2特定遊技)が実行可能となる。
実施例5の遊技機は、図45および図46に示すように、「大当り確率が高確率(第2確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる第1遊技状態B」と、「大当り確率が低確率(第2確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第3時間;1秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも短くなる第2遊技状態B」とを備える。
また、実施例5の遊技機は、第1遊技状態Bおよび第2遊技状態Bの他に、第3遊技状態Bを備えている。この第3遊技状態Bは、大当り確率が低確率(第1確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる状態である。そして、第3遊技状態Bにて、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が100回(所定回数)行われると遊技状態は第2遊技状態Bになる。
更に、実施例5では、「大当り確率が低確率(第1確率)とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる基本遊技状態B」を備えている。この基本遊技状態Bは遊技機1に「ラムクリア処理」を行うと設定され、初めての大当り遊技を実行するまで継続される。そして、初めての大当り遊技を終了した後に、遊技状態が第1遊技状態B若しくは第3遊技状態Bとなり、遊技機1に再度「ラムクリア処理」を行うまで、当該遊技機1の遊技状態が基本遊技状態Bとなることはない。
実施例5の遊技機は図43に示す遊技盤10を備えている。この遊技盤10の前面部に形成される遊技領域11には、中央装置20と、2個の第1始動口17a、17Eと、第2始動口17bと、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47と、風車19等が設けられている。ここで、一方の第1始動口17aと、第2始動口17bは、実施例1と同様に非可変式の始動口であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させている。そして、第1始動口17aおよび第2始動口17bの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはなく、遊技球の入球可能性が変化しない。また、遊技領域11において中央装置20の左側に位置する部位(左領域11L)に普通図柄作動ゲート16が設けられ、他方の第1始動口17Eは一方の第1始動口17aの下方に設けられている。この他方の第1始動口17Eは遊技球の入球可能性が変化可能な始動口である。なお、中央装置20、第1始動口17a、第2始動口17b、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47、風車19等の構成は実施例1と同様である。また、後述する実施例6、および後述する変形例5〜7の遊技機は実施例5と同様な遊技盤10を備えている。
他方の第1始動口17Eは普通電動役物17Gとして設けられるものであり、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17f、17fが開閉するべく形成され、一対の可動翼片17f、17fを作動させるための普通電動役物ソレノイド(図示を省略)を備える。そして、他方の第1始動口17Eの内部には、当該第1始動口17Eに入球した遊技球を検知するための始動口入球検知スイッチ(図示を省略)を備える。ここで、実施例5、後述する実施例6、および後述する変形例5〜7では、他方の第1始動口17Eを可変式の第1始動口17Eと称し、一方の第1始動口17aを非可変式の第1始動口17aと称することで両者を区別することがある。
可変式の第1始動口17Eに設けられた普通電動役物ソレノイドに通電を行わないと、一対の可動翼片17f、17fが立設状態(図43の実線を参照)とされ、一対の可動翼片17f、17f間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、当該第1始動口17Eへの遊技球の入球可能性が低い閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、当該普通電動役物ソレノイドに通電を行うと、一対の可動翼片17f、17fが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し(図43の破線を参照)、遊技球の入球可能性が高くなる開放状態(第2の態様)となる。
ここで、実施例5の遊技機が開放延長機能を備えており、当該遊技機の遊技状態が、開放延長機能が作動する開放延長状態である場合、可変式の第1始動口17Eが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、開放延長機能が作動しない非開放延長状態である場合には、可変式の第1始動口17Eが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。開放延長機能が作動する場合(開放延長状態)は、作動しない場合(非開放延長状態)に比べて、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高くなる。ここで、開放延長機能が作動しない場合(非開放延長状態である場合)が第1入球状態の具体例を示し、開放延長機能が作動する場合(開放延長状態である場合)が第2入球状態の具体例を示す。なお、本実施例では、可変式の第1始動口17Eの上方に非可変式の第1始動口17aが設けられているため、可変式の第1始動口17Eが閉鎖状態(第1の態様)であるとき、非可変式の第1始動口17aが邪魔になり、可変式の第1始動口17Eに遊技球が入球することはできない(可変式の第1始動口17Eが開放状態になる場合に限って、可変式の第1始動口17Eに遊技球が入球することができる)。但し、非可変式の第1始動口17aと可変式の第1始動口17Eとを離間して配置することで(第1始動口17aが邪魔にならないようにすることで)、可変式の第1始動口17Eが閉鎖状態(第1の態様)であるときにも、可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球を可能としてもよい。
また、実施例5では、非可変式の第1始動口17a若しくは可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球に基づいて「第1特別図柄」の変動表示が行われ、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づいて「第2特別図柄」の変動表示が行われる。また、普通図柄作動ゲート16は、遊技盤10の前面部から突出する状態に配置され、普通図柄作動ゲート16に設けられた通過検知スイッチ(図示を省略)によって、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。
実施例5の情報表示装置60には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bの他に、普通図柄表示部等が設けられている。そして、普通図柄表示部も、「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄に関する当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、可変式の第1始動口17Eが開放状態(第2の態様)となる(開放延長機能作動時;5秒、開放延長機能未作動時;0.2秒)。また、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当し、第1始動口17Eが開放状態(第2の態様)とならない。
実施例5の遊技機においては、図44および図45に示すように、第1当否判定の結果が大当りとなる場合と、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の何れにおいても、確変大当りが発生する確率が「90%」とされており、高確率状態の設定率が高率となっている。但し、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/199」とされ、大当り確率が低確率(第1確率)および高確率(第2確率)の何れに設定されていても、大当り確率は略等しくされている。つまり、低確率(第1確率)であるときの「大当り確率」は約「0.5000%」とされ、高確率(第2確率)であるときの「大当り確率」は約「0.5025%」とされており、「低確率」を「高確率」で除した値は約「0.9950」となっている。このため、遊技者は現在の遊技機の確率状態が「低確率」および「高確率」のうちの何れであるかを把握することが困難である。なお、「低確率」を「高確率」で除した値は、実施例5に示すものに限定されず、例えば、「0.8000」〜「0.9990」のうちの何れかとすることもできる。
実施例5においても、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、図44に示すように、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変図柄A)」、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄(確変図柄B)」若しくは「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄B)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、「確変図柄A」、「確変図柄B」若しくは「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄A)」に決定される。ここで、実施例5(前述の実施例5や後述する実施例6においても同様)において、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、3個のセグメントを発光させたものが「確変大当り」を示し、「確変大当りの種類」を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。また、2個のセグメントを発光させたものが「通常大当り」を示し、「通常大当りの種類」を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。また、2個のセグメントを発光させたもののうち、「通常大当り」を示すものを除いたもののうちの1つによって、「小当り(後述する)」を示す。なお、「7セグメント表示体」のうち、1個のセグメントを発光させたものが「外れ」を示す。
図44に示すように、「15R確変大当り」、「15R確変大当りA」若しくは「15R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、図46に示すように、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「500」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になり、後述するように大当り確率が高確率から低確率となると、第1遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行する。
また、実施例5の遊技機では、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動し、大当り確率が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「500回」になるまで継続される。以下、図45〜図47を用いて、「15R確変大当り」を発生した場合と、「15R確変大当りA」を発生した場合とについて更に詳細に説明する。
「15R確変大当り」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動し、可変式の第1始動口17Eの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「500回」になるまで継続される。このように「15R確変大当り」を発生すると、図47(a)に示すように、対応する大当り遊技(j)を実行した後、確率変動手段および開放延長手段が作動を開始する(a1)。そして、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで(限定頻度カウンタのカウント値が「400」になるまで)、確率変動手段および開放延長手段の双方が作動する状態を継続する。
この累積回数が「101回」になると、確率変動手段および開放延長手段のうちの確率変動手段のみが作動する遊技状態(所謂「潜伏確変状態」)となる(a2)。この遊技状態は大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「500回」になるまで(限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで)継続し、当該累積回数が「500回」になると、遊技状態が第1遊技状態Bから第2遊技状態Bになる(t)。つまり、「15R確変大当り」を発生した場合には、大当り遊技の終了後に先ず、高確率の電チューサポート有りの状態(確率変動手段および開放延長手段の双方が作動する状態を指す)となる。そして、特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になると、高確率の電チューサポート無しの状態(確率変動手段のみが作動する状態を指す)となり、更に特別図柄変動遊技を「400回」行っても大当りを発生しない場合には、天井の状態(確率変動手段および開放延長手段の双方が作動せず、小当りを頻発させる状態を指す)となる。ここで、「100回」は「第1所定回数」の具体例を構成し、「400回」は「第2所定回数」の具体例を構成する。
「15R確変大当りA」を発生すると、図47(b)に示すように、対応する大当り遊技(j)を実行した後、確率変動手段および開放延長手段のうちの確率変動手段のみが作動する遊技状態(潜伏確変状態)となる(b)。この遊技状態は大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「500回」になるまで(限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで)継続する。そして、当該累積回数が「500回」になると、遊技状態が第1遊技状態Bから第2遊技状態Bになる(t)。つまり、「15R確変大当りA」を発生した場合には、大当り遊技の終了後に、いきなり高確率の電チューサポート無しの状態(確率変動手段のみが作動する状態)となり、特別図柄変動遊技を「500回」行っても大当りを発生しない場合には、天井の状態(確率変動手段および開放延長手段の双方が作動せず、小当りを頻発させる状態)となる。
「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生すると、図47(c)に示すように、対応する大当り遊技(j)を実行した後に確率変動手段が作動せず、大当り確率が低確率(第1確率)とされる「低確率状態」となるが、開放延長手段が作動し、可変式の第1始動口17Eの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となり、第3遊技状態Bを開始する(c)。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。
また、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「100」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」され(1デクリメントされ)、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると、遊技状態は第3遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行する{図47(c)中のtを参照}。つまり、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生すると、対応する大当り遊技終了後に、大当り確率が低確率で、電チューサポート有りの状態(確率変動手段が作動せず、開放延長手段が作動する状態)となる。そして、特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」行っても大当りを発生しない場合には前述の「天井の状態」となる。
このように、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生すると、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を発生させる場合よりも容易に天井の状態に到達させることができる。つまり、小当りを頻発させる状態に移行する上では、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」発生後の遊技状態(第3遊技状態B)は第1遊技状態Bに比べて有利な状態である。なお、本遊技機から通常大当りを排除してもよい。蓋し、大当り確率が高確率となっても、天井の状態(第2遊技状態B)に移行するためには、大当りを発生させることなく図柄動遊技を500回行わなければならず、通常大当りを設けなくても遊技者が過剰に有利となることはないからである。
また、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生した場合、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」よりも少ない回数「例えば、30回」に到達すると天井の状態としたり、対応する大当り遊技の終了すると直ちに(開放延長機能を生じさせずに)天井の状態とする変形例を例示することもできる。また、本実施例ではラムクリア処理を行った後に基本遊技状態Bに設定され、大当りを発生した後は次回のラムクリア処理を行うまで基本遊技状態Bに設定しない態様を例示した。但し、大当りとして、対応する大当り遊技の終了後に遊技状態が基本遊技状態Bに設定されるものを設けてもよい。
また、実施例5の遊技機においても、図45に示すように、遊技機の遊技状態が第1遊技状態B、第2遊技状態B、第3遊技状態B、および、基本遊技状態Bの何れであっても、第1当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「ゼロ」とされ、第2当否判定において小当りを示す判定結果が導出される確率は「198/200」とされている。そして、第2当否判定の結果が小当りの場合、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄が小当り図柄に決定される。
次に実施例5の遊技制御処理について説明する。実施例5の遊技制御処理は、図48に基づいて実行され、普通図柄遊技処理(S100)と、普通電動役物遊技処理(S200)が付加されている点が、実施例1の遊技制御処理と異なっている。つまり、実施例5の遊技制御処理では、遊技機1に電源投入されると(S5;YES)、先ず、電源投入処理(S8)を行う。この後、電源がOFFになるまでの間、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)と、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、小当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図48のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。ここで、普通図柄遊技処理(S100)は、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示と、普通図柄の停止表示(当り図柄若しくは外れ図柄の停止表示)とを行うための処理である。また、普通電動役物遊技処理(S200)は可変式の第1始動口17Eの開閉に関する処理である。以下、実施例5の電源投入処理(S8)と特別図柄遊技処理(S300)が以下のように行われる。
図49に示すように、実施例5の電源投入処理(S8)においても、S8fまでの処理の内容は実施例1の電源投入処理(S8)と同様であるが、S8gの処理の代わりにS8hの処理を行う点が実施例1の電源投入処理(S8)と異なる。つまり、RAM202を初期化する処理が行われると(S8f)、主制御基板200を構成するCPU201は「限定頻度設定フラグ」を解除(OFFに設定)する処理と、「限定頻度カウンタのカウント値」に「0(ゼロ)」をセットする処理と、基本変動設定フラグをセット(ONに設定)する処理を行う。ここで、基本変動設定フラグとは、当該遊技機1の遊技状態が基本遊技状態Bに設定されていることを示すフラグであり、このフラグがセット(ONに設定)されると、「第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる」ように特別図柄の変動時間が設定される。
次に実施例5の特別図柄遊技処理(S300)に関して実施例1の特別図柄遊技処理(S300)との相違点を中心に説明する。先ず、変動パターン振分処理(S510)が図51(a)に基づいて以下のように実行される。実施例5の変動パターンテーブル振分処理(S510A、S510B、S510C)が起動すると、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断し(S515)、解除(OFFに設定)されている場合には(S515;YES)、基本変動設定フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断する(S517)。
そして、基本変動設定フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S517;YES)、第2遊技状態用の変動パターンテーブルのうち、変動表示を開始する特別図柄に対応するものをセットする処理を行った後(S518)、S560の処理(図19)に移行する(S518)。つまり、第1特別図柄の変動表示を開始する場合には、第1特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブル)をセットし(S518)、第2特別図柄の変動表示を開始する場合には、第2特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブル)をセットする(S518)。
限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合(S515;NO)と、基本変動設定フラグがセット(ONに設定)されている場合(S517;NO)には、変動表示を開始する特別図柄に対応する第1遊技状態用変動パターンテーブルをセットする処理を行った後(S522)、S560の処理(図19)に移行する。つまり、第1特別図柄の変動表示を開始する場合には、第1特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブル)をセットし(S522)、第2特別図柄の変動表示を開始する場合には、第2特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブル)をセットする(S522)。なお、第1特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(特図1・第2遊技状態用変動パターンテーブル)、第2特別図柄用の第2遊技状態用変動パターンテーブル(特図2・第2遊技状態用変動パターンテーブル)、第1特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(特図1・第1遊技状態用変動パターンテーブル)、第2特別図柄用の第1遊技状態用変動パターンテーブル(特図2・第1遊技状態用変動パターンテーブル)の意義は実施例1と同様である(図21を参照)。
また、実施例5の特別図柄遊技処理(S300)において、「S352以降の処理」に関しては、図50に基づいて実行される。つまり、実施例5の特別図柄遊技処理(S300)においてS378の処理を行うと、S379の処理に移行し、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S379)、セットされていない場合は(S379;NO)、そのままS379dの処理に移行し、セットされている場合は(S379;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S379c)を行った後、S379dの処理に移行する。ここで、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること(確率変動機能が作動していること)を示すフラグである。
また、S379dの処理では、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S379d;NO)、そのままS380の処理に移行する。一方、S379dの処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S379d;YES)、変動短縮フラグおよび開放延長フラグを解除(OFFに設定)した後(S379e、S379f)、S380の処理に移行する。ここで、「変動短縮フラグ」は普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあること(時短機能が作動していること)を示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は可変式の第1始動口17E(普通電動役物17G)の開放時間が延長される状態にあること(開放延長機能が作動していること)を示すフラグである。
なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。このように短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。また、本遊技機において、「変動短縮フラグ」を特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態にあることを示すフラグとすることもできる。この場合、例えば、第1遊技状態Bであっても、非潜伏確変状態(開放延長機能が作動する高確率状態)での特別図柄の平均変動時間が、潜伏確変状態(開放延長機能が作動しない高確率状態)の特別図柄の平均変動時間よりも短くされてもよい。例えば、後者の第1遊技状態Bにおいて、第2特別図柄の平均変動時間が「200秒」とされ、第1特別図柄の平均変動時間は「13秒」とされる場合、前者の第1遊技状態Bにおいて第2特別図柄の平均変動時間が「180秒」とされ、第1特別図柄の平均変動時間は「11秒」とされてもよい。
S380の処理においては、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図48の遊技制御処理に復帰する。また、セットされている場合は(S380;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図48の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図48の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図52のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。ここで、大当り発生時の遊技状態が第2遊技状態B若しくは基本遊技状態Bである場合には、確変フラグおよび限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)された状態であるため、S379およびS380の処理で否定的な判断がされる。また、大当り発生時の遊技状態が第1遊技状態Bのうちの潜伏確変状態でないものである場合と、第3遊技状態Bである場合には、S379dの処理で肯定的な判断がなされる。なお、前述のように主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、具体的には「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ(現在の遊技状態を示すデータ)がセットされる。
また、図50のS352の処理で否定的な判断がなされる場合(S352;NO)と、「小当り遊技フラグ」をセットした場合(S360)の処理について説明する。これらの場合には、S384の処理に移行して確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S384)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S384;NO)、そのままのS389cの処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S384;YES)、確変カウンタの値を「−1」する処理(S386)を行った後、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S387)。ここで、「確変カウンタ」は高確率状態で行われる当否判定の実行回数(特別図柄の変動表示の実行回数)を計数するためのものであり、実行回数(特別図柄の変動表示の実行回数)が予め定められた回数(500回)になると、以後の当否判定が低確率で行われる。つまり、実施例5では大当り遊技の終了に伴い「確変カウンタ」に初期値(500)がセットされ、特別図柄の変動表示が1回行われる毎の「確変カウンタ」の値が「−1」され、この「確変カウンタ」の値が「ゼロ」になると、以後の当否判定が低確率で行われる。
この「確変カウンタ」の値が「ゼロ」になっていない場合(S387;NO)、そのままS389cの処理に移行し、確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S387;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S388)を行った後、S389cの処理に移行する。そして、S389cの処理では、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断され、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S389c;NO)、そのままS390の処理に移行する。これに対して、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S389c;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S389d)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S389e)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S389e;NO)、そのままS390の処理に移行し、「ゼロ」になったと判断される場合には(S389e;YES)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S389f)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S389g)とを行った後、S390の処理に移行する。
ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮機能を作動させつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の特別図柄の変動が開始すると、変動短縮機能は作動しない。なお、「変動短縮フラグ」が特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態にあることを示すフラグである場合には、「変動短縮カウンタ」の値が「ゼロ」になると、次回の特別図柄の変動は非短縮の状態で行われる。前述の具体例を用いて説明すると、「変動短縮カウンタ」の値が正数値のとき、第2特別図柄の平均変動時間が「180秒」とされ、第1特別図柄の平均変動時間が「11秒」とされていた場合、「変動短縮カウンタ」の値が「ゼロ」になり、「変動短縮フラグ」が解除(OFF)に設定されると、第2特別図柄の平均変動時間が「200秒」とされ、第1特別図柄の平均変動時間は「13秒」とされる。
S390の処理では限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S390)。そして、セットされていない場合は(S390;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図48の遊技制御処理に復帰する。これに対して、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S390;YES)、限定頻度カウンタの値を「−1」した後(S392)、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S394)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S394;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図48の遊技制御処理に復帰する。
また、S394の処理で限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S394;YES)、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)する処理を実行した後(S396)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図48の遊技制御処理に復帰する。このように、限定頻度設定フラグを解除することにより、遊技機の遊技状態が「第1遊技状態B」若しくは「第3遊技状態B」から「第2遊技状態B」に切り換わることになる。
次に、図51(b)を用いて第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)の概要を説明する。なお、第1遊技状態開始指定コマンド送信処理(S460)の内容は実施例1と同様である{図22(b)を参照}。また、第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)は、特別図柄遊技処理(S300)のサブルーチンとして、主制御部200A(主制御基板200に搭載されたCPU201)が行う処理である。
図51(b)に示すように第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)が起動すると、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断し(S451)、セット(ONに設定)されている場合(S451;NO)にはそのまま第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。一方、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S451;YES)、第2遊技状態Bの開始タイミングか否かを判断する(S454)。具体的には、図50のS396の処理が実行されると、第2遊技状態Bの開始タイミングとなる。
CPU201が第2遊技状態の開始タイミングでないと判断すると(S454;NO)、そのまま第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。これに対して、第2遊技状態の開始タイミングであると判断すると(S454;YES)、CPU201は第2遊技状態開始指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S456)、第2遊技状態開始指定コマンド送信処理(S450)を終了する。
また、実施例5の大当り遊技処理(S600)は図52に基づいて実行されるが、当該大当り遊技処理(S600)は、S612の処理で肯定的に判断された場合に図53の大当り遊技終了時処理(S800)を実行することを除いて、実施例1の大当り遊技処理(S600、図23を参照)と同様である。このため、以下、大当り遊技終了時処理(S800)についてのみ説明する。
大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図53に示すように、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図50のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。まず、今回の大当り図柄(図16のS344の処理で停止した図柄)が、確変大当り図柄であるか否かを判断する(S820)。ここで、本実施例において「確変大当り図柄」は「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄」若しくは「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄」である。
今回の大当り図柄が確変大当り図柄でない場合(S820;NO)、すなわち、今回の大当り図柄が通常大当り図柄である場合には、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理(S845)と、限定頻度カウンタに「100」をセットする処理(S848)と、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S850)と、変動短縮フラグをセットする処理(S860)と、開放延長フラグをセットする処理(S870)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「大当り確率が低確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第3遊技状態B)」となる。
今回の大当り図柄が確変大当り図柄である場合(S820;YES)には、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)と、限定頻度カウンタに「500」をセットする処理(S825)を行う。更に確変フラグをセット(ONに設定)する処理と確変カウンタに「500」をセットする処理を行った後(S830)、S832の処理に移行する。このS832の処理では、確変大当り図柄が潜伏確変図柄であるか否かが判断され(S832)、潜伏確変図柄である場合(S832;YES)、つまり、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄」である場合(S832;YES)にはそのまま大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態B)」となる。
今回の確変大当り図柄が潜伏確変図柄でない場合(S832;NO)、つまり、「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄」である場合(S832;NO)、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S850)と、変動短縮フラグをセットする処理(S860)と、開放延長フラグをセットする処理(S870)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「大当り確率が高確率とされるとともに第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態B)」となる。
実施例5の遊技機によると、第1遊技状態Bにおいて、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示される確率が高確率(第2確率)に設定され、大当りが僅かに発生し易い状態とされている。そして、遊技状態が第1遊技状態Bに設定されているときには、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなるため、第1遊技状態Bでは、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させるよりも、第1始動口17a、17Eに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させる方が、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を「変動表示させる遊技」を効率よく進めることができる。
一方、第1遊技状態Bにて特別図柄の変動表示回数が500回になり、大当り確率が低確率となったり、第3遊技状態Bにて特別図柄の変動表示回数が100回になり、開放延長状態が終了することに基づいて(確率変動手段や開放延長機能の作動停止によって遊技状態が変化すること)、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短くなる第2遊技状態Bを設定する。つまり、特別図柄が大当り図柄で停止され易い状態であったり、可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高い状態であるにも係わらず、特別図柄の変動表示を所定回数(500回若しくは100回)行っても、特別図柄が大当り図柄で停止表示されない状態を生じた場合に、遊技状態が第1遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行したり、第3遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行したりして、第2特別図柄および第1特別図柄の平均変動時間の大小関係が逆転する。これにより、第1始動口17a、17Eに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させるよりも、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させる方が「特別図柄を変動表示させる遊技」を効率よく進めることができるようになる。このように遊技状態が第1遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行したり、第3遊技状態Bから第2遊技状態Bに移行したりすることよって、変動表示の主体となる特別図柄の種類が第1特別図柄から第2特別図柄に変更されることとなる。
特に、実施例5の遊技機によると、変動表示の主体となる特別図柄の種類が第1特別図柄から第2特別図柄に変更された場合(第2遊技状態Bに変更された場合)、変更される前(第1遊技状態B若しくは第3遊技状態Bの場合)の第1特別図柄の変動頻度(平均変動時間)に比べて、変更された後の第2特別図柄の変動頻度(平均変動時間)が著しく短くなる。つまり、「第2遊技状態Bにおける第2特別図柄の平均変動時間」は、「第1遊技状態B若しくは第3遊技状態における第1特別図柄の平均変動時間」の「1/13」となる。よって、大当り遊技を終了した後に高確率状態となったり、可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高い状態となったが、大当りが発生しない状態がしばらく続くと、大当りを早期に発生させ易い状態となる(第2特別図柄の短変動による変動頻度アップ)。これにより、高確変状態や可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高頻度の状態で大当りがなかなか発生しない場合(所謂、「はまりを生じた場合」)に救済措置を図るといった遊技性を実現できる。
また、第2遊技状態Bに移行すると、大当り確率が僅かに低くなるが、第2当否判定の結果が小当りとなる確率が大当り確率よりも遙かに高くされている。このため、第2遊技状態Bにおいては、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度に行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。より具体的には、第2特別図柄の変動表示が約1秒で終了して小当り図柄が停止表示され、大入賞口31aの開放時間を1.8秒とする小当り遊技を連続的に行うことができるようになる。これにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口31aに2〜3個の遊技球を入球させ、「30〜45個」の賞球を連続して獲得することができるようになる。そして、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで第1始動口17a、17Eへの入球のみを狙い、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になった後は第2始動口17bへの入球のみを狙い、第2特別図柄の変動表示を実行する度に小当りが発生するものとすれば、遊技者は持ち球を増加させることができる。
つまり、第1当否判定と第2当否判定において大当り確率が同一であるため、大当りを発生させる上では、第1始動口17a、17Eおよび第2始動口17bのうちの何れを狙っても差異はないが、第2当否判定における小当り確率が大当り確率よりも高いため、遊技状態が第2遊技状態Bである場合には、右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させることで、大当りを狙いつつ小当りを頻発させることが得策である。逆に、遊技状態が第1遊技状態Bであったり、第3遊技状態Bであったりする場合には、第2始動口17bに遊技球を入球させると、第2特別図柄の変動時間が、遊技の進行が滞る程長くなり、しかも賞球量が最小量(1個)に止まる。このため、この状態で右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させたとしても遊技者にとってメリットはなく、この状態では、左打ちを行って遊技球を第1始動口17a、17Eに入球させて大当りのみの発生を目指した方が遊技効率も良く得策である。更に、実施例5の遊技機においても、第2遊技状態Bにて特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて、第1遊技状態B若しくは第3遊技状態Bが設定されるため、新たに第2遊技状態Bを開始することを目指して、第1遊技状態B若しくは第3遊技状態での遊技を新たに開始すること(仕切直しをすること)ができる。
また、実施例5の遊技機において第1始動口17a、17Eは、遊技盤10面上の左領域11Lを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられ、第2始動口17bは、遊技盤面10上の右領域11Rを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられる。つまり、第1始動口17a若しくは第1始動口17Eに入球する遊技球と、第2始動口17bに入球する遊技球は、遊技盤10面上の異なる領域11L、11Rを通過することになる。このため、遊技者は第1始動口17a若しくは第1始動口17Eへの遊技球の入球を狙う場合と、第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う場合とで、遊技球の発射態様(発射強度)を選択することが必要となる。このため、設定される遊技状態(第1遊技状態B、第2遊技状態B、第3遊技状態B、基本遊技状態B)に応じて、遊技球の発射態様(発射強度)の使い分けが必要となるという遊技性を実現できる。また、実施例5の遊技機では、第2始動口17bの下方に大入賞装置31を設け、右領域11Rを流下する遊技球のみが大入賞口31aに入球可能となるようになっているため、遊技状態が第2遊技状態Bとなった後は、その第2遊技状態Bが終了するまで、その間に小当りや大当りが発生した場合も含め、一貫して「右打ち」により遊技を進行させることができる。これにより、遊技状態(第1遊技状態B、第2遊技状態B、第3遊技状態B、基本遊技状態B)に応じた遊技球の発射態様(発射強度)の区別をより明確にすることができる。
更に、実施例5の遊技機においても、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づき付与される賞球量が、第1始動口17a若しくは第1始動口17Eへの遊技球の入球に基づき付与される賞球よりも少なくされている。このため、遊技状態が第1遊技状態Bに設定されているときには、第2始動口17bへ遊技球を入球させても、メリットが無いか若しくはデメリットが多くなる。このため、遊技状態を顧慮せずに、むやみやたらに「第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う行為(むやみやたらに、小当りを狙う行為)」を抑制することができる。
また、実施例5の遊技機では、第2遊技状態Bが設定されていることを示す第2遊技状態報知(右打ち表示RH)や、第2遊技状態Bが設定されていないことを示す第1遊技状態報知(左打ち表示LH)に基づいて、設定されている遊技状態を認識することが可能であるため(図11、図26を参照)、第1始動口17a、17E若しくは第2始動口17bのうち何れを狙って遊技球を発射すべきかを判断することが容易となる。つまり、第2遊技状態Bでは第2始動口17b(第2特別図柄の変動表示)や大入賞口31a(大当り遊技、小当り遊技)を狙って遊技を進めるための遊技球の発射方法(右打ち)が報知されるため、小当りの取りこぼしを生ずることを防止でき、これにより、小当り遊技を実行する可能性を高くし、持ち球を増加させることが容易とされる。このように実施例5の遊技機では、右打ち表示RH等にアシストされることで、「小当り遊技を集中的に実行しながら大当り遊技の実行を狙うという特徴的な遊技」を確実に行うことができる。
次に、実施例5の第1の変形例(以下、変形例5という。)について説明する。この変形例5では、実施例2と同様に、サブ制御基板220のCPU220aが「左打ち表示」を行わないとともに、「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する。そして、変形例5では、実施例2と同様に、図28(a)に基づいて右打ち表示開始処理(S1050)を実行し、図28(b)に基づいて右打ち表示終了処理(S1050)を実行する。この変形例5の遊技機によると、実施例5の効果に加えて実施例2と同様な効果を得ることができる。
また、図示を省略するが、変形例5においても、前述の変形例3(図40を参照)と同様に、発生する大当りの種類によって「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する場合と、「右打ち表示」を実行しない場合とを設けてもよい。例えば、図44に示す15R確変大当りに係る大当り遊技の終了後に「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定し、図44に示す15R確変大当りAに係る大当り遊技の終了後においては「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わないこととしてもよい(若しくは、当選率がゼロの抽選を行ってもよい。)。この場合、実施例5の効果に加えて前述の変形例3と同様な効果を得ることができる。
更に、実施例5の第2の変形例(以下、変形例6という。)について説明する。この変形例6では、実施例5を所謂「転落抽選機」に対して適用したものである。この変形例6は、図54に示すように、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変図柄A)」、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄(確変図柄B)」若しくは「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄B)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、「確変図柄A」、「確変図柄B」若しくは「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄A)」に決定される。
変形例6においても、「15R確変大当り」、「15R確変大当りA」若しくは「15R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されるが、限定頻度カウンタには「10,000」がセットされる。なお、変形例6においても、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/199」とされる点は実施例5と同様である。
また、変形例6の遊技機では、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動し、大当り確率が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。この高確率状態は、原則として大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。但し、高確率状態での遊技(以下、確変遊技という。)が開始されると、当否判定を行う度に確変遊技を終了させるか否かを抽選によって判断する。この抽選、つまり転落抽選に当選すると、大当り確率が高確率(第2確率)から低確率(第1確率)となる。
図55(a)に示すように、「15R確変大当り」を発生すると、対応する大当り遊技(j)の終了後に開放延長手段が作動し、可変式の第1始動口17Eの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる(a1)。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。そして、累積回数が「101回」になると、所謂「潜伏確変状態」となる(a2)。この場合、図55(b)に示すように、開放延長手段が作動する状態(非潜伏確変状態)で転落抽選に当選すると開放延長手段が作動する期間が終了したところで、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)され、遊技状態が第2遊技状態Bに移行する(t)。また、図55(c)に示すように、開放延長手段が作動を終了した期間(特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」を超えたとき)に転落抽選に当選すると、その時点で限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)され、遊技状態が第2遊技状態Bに移行する。
図56(a)に示すように、「15R確変大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技(j)の終了後に、開放延長手段が作動しない高確率状態(潜伏確変状態)となる(b)。この場合、図56(b)に示すように、転落抽選に当選すると、その時点で限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)され、遊技状態が第2遊技状態Bに移行する。つまり、変形例6では開放延長手段が作動しているときは、転落抽選に当選しても遊技状態が第2遊技状態Bに移行しないが、開放延長手段が作動していないきは、転落抽選に当選すると遊技状態が第2遊技状態Bに移行することになっている。
図56(c)に示すように、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生すると、対応する大当り遊技(j)の終了後に確率変動手段が作動せず、大当り確率が低確率(第1確率)とされる「低確率状態」となる。また、大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動し、可変式の第1始動口17Eの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる(c)。そして、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、遊技状態が第3遊技状態Bに移行する。また、開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。そして、開放延長手段が作動する期間が終了したところで、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)され、遊技状態が第2遊技状態Bに移行する。
また、変形例6の遊技機では図57に基づいて当否判定処理(S320a、S320b)を行う。ここで、変形例6に係る遊技機(転落抽選機)においても、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(図15のS303aを参照)と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(図15のS303bを参照)に転落抽選に使用する転落抽選乱数値が含まれ、図16のS316で読み出される判定用乱数値に、この転落抽選乱数値が含まれる。なお、第1当否判定処理(S320a)および第2当否判定処理(S320b)を図57に基づいて実行するが、転落抽選を第1当否判定および第2当否判定のうちの一方のみで行ってもよい。
変形例6においても、第1当否判定処理(S320a)若しくは第2当否判定処理(S320b)が起動すると、確変フラグが設定(ONに設定)されているか否かを判断する(S321c)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S321c;NO)、大当り判定を低確率で行った後(S321e)、S330の処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S321c;YES)、S316で読み出された転落抽選乱数値を用いて転落抽選を行う(S320e)。このS320eの処理においても、S316で読み出された転落抽選乱数値と、転落抽選当選番号との比較を行い、両者が一致していれば、転落抽選の抽選結果が当選(つまり、高確率状態から低確率状態への転落)とされ、一致していなければ転落抽選の抽選結果が落選(つまり、高確率状態を維持)とされる。尚、転落抽選によって「当選」が得られる確率(通常確率状態へ転落する確率)を「1/500」としている。
S320eに示す転落抽選の結果が「落選」の場合(S320f;NO)、大当り判定を高確率で行い(S322f)、S330の処理を行う。また、S320eに示す転落抽選の結果が「当選」の場合(S320f;YES)、確変フラグを解除した後(S320g)、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S320h)、解除されている場合には(S320h;NO)、大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。但し、確変フラグを解除する処理(S320g)を行う場合には、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているため、S320hの肯定判断を得て、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断する(S321c)。そして、セット(ONに設定)されている場合(S321c;NO)には、そのままS320jの処理に移行して、大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。
また、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S321c;YES)には、限定頻度設定フラグを解除(OFFに設定)する処理と限定頻度カウンタの値を「ゼロ」とする処理を行い(S321d)、更に大当り判定を低確率で行った後(S320j)、S330の処理に移行する。この場合、遊技状態が第2遊技状態Bとなる。そして、S330以降の処理に関しては、実施例1と同様であるため、その説明を省略する。また、S321cの処理で開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S321c)、開放延長フラグが解除されるときに、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)され、遊技状態が第2遊技状態Bとなる(図50のS389eの処理で肯定判断され、開放延長フラグが解除されるときに、限定頻度設定フラグが解除される(図50のS396)を参照)。
変形例6によると、実施例5の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、変形例6においては、高確率状態で当否判定を行う場合に、毎回転落抽選を行うが、低確率(第1確率)であっても高確率(第2確率)であっても、実際の大当り確率には殆ど差異が無い。しかも、転落抽選に当選すると、第2遊技状態B(天井の状態、つまり遊技者が期待する状態)への移行を早期に行うことができる。よって、転落抽選機では、本来、高確率状態において高確率からの転落を心配しつつ遊技を行うはずであるが、変形例6の遊技機では、転落することを期待して遊技を行うことになる。また、ST機であれば確変遊技(高確率状態での図柄変動遊技)の残り回数がはっきりしているが、転落抽選機への応用例を示す変形例6では、高確率状態からの転落時期が不確定であるため、遊技の意外性(天井の状態が突然始まるという意外性)を高くすることができる。
更に、実施例5の第3の変形例(以下、変形例7という。)について説明する。この変形例7では、実施例5をリミッタ機能を備える遊技機(以下、リミット機という。)に適用したものである。このリミット機は、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態に設定されると、リミット機能を作動する準備状態(以下、リミット準備状態という。)となる。そして、リミット準備状態となると、確変大当りの発生回数がリミット回数(上限回数)になるまで確変大当りが連続的に発生するように制御され、確変大当りの発生回数がリミット回数(上限回数)になったと判断されると、次回発生する大当りは通常大当りとなるように制御される遊技機である。
この変形例7の遊技機では、図58および図59に示すように、第1当否判定若しくは第2当否判定の結果が大当りの場合、大当り図柄が所定の大当り図柄に決定されるが、大当り発生時点におけるリミットカウンタの値に応じて、決定される大当り図柄の種類が異なったものとなる。ここで、リミットカウンタは、所謂「初当り」を確変大当りとして発生(大当り確率が低確率であるときに確変大当りを発生)した場合において、その後、通常大当りを間に挟むことなく発生する確変大当りの回数を規制するものである。また、後述する「リミットフラグ」は前述の「リミット準備状態」にあることを示すフラグである。
遊技機の遊技状態が低確率状態であるとき、リミットフラグが解除(OFFに設定)され、リミットカウンタの値は「ゼロ」とされる。そして、リミットフラグが解除(OFFに設定)されているときに、確変大当りを発生し、当該確変大当りに係る大当り遊技を終了すると、リミットフラグがセット(ONに設定)され、リミットカウンタに上限値「5」がセットされる。その後、発生する大当りの種類は確変大当りのみとされるが、確変大当りが発生する度にリミットカウンタの値は「−1」される。そして、リミットカウンタの値が「1」になったときに大当りを発生すると、当該大当りは通常大当りとされる。このとき、リミットカウンタの値は「ゼロ」とされ、リミットフラグが解除(OFFに設定)される。
変形例7においても、第1当否判定若しくは第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって大当り図柄が決定される。そして、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている場合には、乱数抽選(振分抽選)によって決定された大当り図柄が停止図柄とされるが、リミットフラグがセット(ONに設定)されている場合には、乱数抽選(振分抽選)によって決定された大当り図柄に係わらず所定の大当り図柄が停止図柄となる。
先ず、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている状態で第1当否判定の結果が大当りとなった場合、図58に示すように、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変図柄A)」、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄(確変図柄B)」、「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄B)」若しくは「8R通常大当りAの発生を示す大当り図柄(通常図柄D)」に決定される。また、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている状態で第2当否判定の結果が大当りとなった場合、図58に示すように、乱数抽選(振分抽選)によって、「確変図柄A」、「確変図柄B」、「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄A)」若しくは「15R通常大当りAの発生を示す大当り図柄(通常図柄C)」に決定される。
また、リミットフラグがセット(ONに設定)され、リミットカウンタの値が「2〜5」のとき、第1当否判定若しくは第2当否判定の結果が大当りとなった場合、図59の一番上の表に示すように、大当り図柄は「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変図柄A)」に決定される。つまり、大当り図柄を決定するための乱数抽選(以下、図柄抽選という。)の結果にかかわらず、停止表示される大当り図柄は「確変図柄A」となる。
更に、リミットフラグがセット(ONに設定)され、リミットカウンタの値が「1」のとき、第1当否判定の結果が大当りとなった場合、図59の真中の表に示すように、図柄抽選の結果にかかわらず、大当り図柄は「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄A(通常図柄B)」に決定される。また、リミットフラグがセット(ONに設定)され、リミットカウンタの値が「1」のとき、第2当否判定の結果が大当りとなった場合、図59の一番下の表に示すように、図柄抽選の結果にかかわらず、大当り図柄は「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄C(通常図柄C)」に決定される。なお、本実施例では、リミットフラグがセット(ONに設定)されているときに発生する大当りの種類を固定したが、大当り遊技の種類(大当り遊技A、大当り遊技B)を図柄抽選の結果に基づいて定めてもよい。
また、変形例7においても、「15R確変大当り」、「15R確変大当りA」、「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生し、対応する大当り遊技の終了後の遊技状態は、実施例5と同様である。また、「15R通常大当りA」若しくは「8R通常大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段および開放延長手段は作動せず、限定頻度設定フラグが解除(OFFに設定)された状態のままとなる。このため、大当り遊技の終了後に遊技状態が第2遊技状態Bに移行する(第3遊技状態Bを経ることなく第2遊技状態Bを開始する)。
変形例7の遊技機では、図60に示すように、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている状態で、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りとなり、大当り図柄が確変図柄(15R確変大当り図柄若しくは15R確変大当り図柄A)に決定されると、対応する大当り遊技の終了後に第1遊技状態Bを開始する。この場合、限定頻度カウンタの値が「500」とされ、大当り確率が「1/199」であるため、概ね、当該第1遊技状態Bに当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りとなる。この場合、大当り図柄は15R確変大当り図柄とされるため、対応する大当り遊技の終了後に第1遊技状態Bを開始する。
この場合、初当りの確変大当りを含め、5回の確変大当りを通常大当りを間に挟むことなく実行される。そして、5回の確変大当りを実行した後に、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りとなり、大当り図柄が通常図柄(15R通常大当りAの発生を示す大当り図柄若しくは8R通常大当りAの発生を示す大当り図柄)に決定される。この場合、対応する大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動しないため、当該大当り遊技の終了後にいきなり第2遊技状態Bを開始することになる。
次に変形例7の遊技制御処理の特徴を説明する。変形例7の遊技制御も、実施例1および実施例5の遊技制御処理と同様に図48に基づいて実行され、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)と、普通電動役物遊技処理(S200)と、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、小当り遊技処理(S700)等の各処理を繰り返し実行する。但し、変形例7においては、図柄変動開始処理(S500)を図61に基づいて実行する点が実施例1および実施例5と異なる。この変形例7の図柄変動開始処理(S500)においては、S502およびS503の処理(図19を参照)の代わりに「大当り図柄設定処理(S502)」を行う点が、実施例1および実施例5の遊技制御処理と異なる。また、変形例7においても、実施例5と同様に変動パターン振分処理(S510A、S510B、S510C)を図50(a)に基づいて実行する。次に、図62を用いて大当り図柄設定処理(S502)について説明する。
大当り図柄設定処理(S502)が起動すると、図15のS303a若しくはS303bの処理において取得した図柄決定乱数値を判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202b)から読み出して(S506)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄を乱数抽選(変形例7では、以下「図柄抽選」ということがある)によって決定する(S507)。そして、大当り図柄を図柄抽選によって決定すると、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S508c)。つまり、今回の大当りが初当りであるか(遊技機の遊技状態が低確率状態であるときに発生した大当りであるか)、高確率状態で発生した大当りであるかを判断する(S508c)。
確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S508c;NO)、つまり、初当りの場合(S508c;NO)、図柄抽選によって決定された大当り図柄を停止表示する大当り図柄に決定し、大当り図柄設定処理(S502)を終了する。具体的には、図柄抽選によって決定された大当り図柄が確変大当り図柄の発生を示す大当り図柄である場合には、対応する大当り遊技を終了すると、遊技状態が第1遊技状態Bに設定される。また、図柄抽選によって決定された大当り図柄が8R通常大当り若しくは15R通常大当りの発生を示す大当り図柄の場合、対応する大当り遊技を終了すると遊技状態が第3遊技状態Bに設定される。更に、図柄抽選によって決定された大当り図柄が8R通常大当りA若しくは15R通常大当りAの発生を示す大当り図柄の場合、対応する大当り遊技を終了すると遊技状態が、いきなり第2遊技状態Bに設定される。
これに対して、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S508c;YES)には、大当り発生時のリミットカウンタの値が1よりも大きな値(自然数2〜5のうちの何れか)であるか否かを判断する(S508e)。そして、リミットカウンタの値が1よりも大きな値である場合(S508e;YES)、リミットカウンタの値を「−1」した後、停止表示させる大当り図柄を「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄」に決定し、大当り図柄設定処理(S502)を終了する。
また、確変フラグがセット(ONに設定)され(S508c;YES)、大当り発生時のリミットカウンタの値が1である場合(S508e;NO)、リミットカウンタの値を「ゼロ」にする処理と、リミットフラグを解除(OFFに設定)する処理を行う(S508i)。そして、停止表示させる大当り図柄を8R通常大当りA(第1当否判定の場合)若しくは15R通常大当りA(第2当否判定の場合)の発生を示す大当り図柄に決定し、大当り図柄設定処理(S502)を終了する。
次に、変形例7の大当り遊技終了時処理(S800)について説明する。変形例7の大当り遊技終了時処理(S800)は、図63に示すように、S826の処理とS827の処理が付加されている点を除いて、実施例5の大当り遊技終了時処理(S800)と同様である。この変形例7の大当り遊技終了時処理(S800)では、S825の処理を行うと、リミットフラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断する(S826)。そして、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている場合(S826;YES)、リミットカウンタに「5」をセットする処理と、リミットフラグをセット(ONに設定)する処理を行った後(S827)、S830の処理に移行する。また、リミットフラグが解除(OFFに設定)されている場合(S826;NO)、そのままS830の処理に移行する。そして、S830以降の処理は実施例5と同様である。
変形例7の遊技機によると、実施例5の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、確変大当りを「初当り」として発生させた場合に、その後、確変大当りを4回発生させなければ(確変大当りを、初当りを含めて5回発生させなければ)、第1遊技状態Bから抜け出すことができなくなる。そして、リミッタ機能が作動し、次回の大当りを発生すると、対応する大当り遊技の終了後に直ちに第2遊技状態B(天井の状態)に到達するといった遊技を行うことができる。このように、高確率(第1遊技状態B)のところから、リミッタ機能が作動して低確率(第2遊技状態B)の図柄変動遊技に移行することで、天井の状態に移行することができる。なお、変形例7を転落抽選機に適用した変形例を例示することもできる。
次に、実施例6の遊技機について説明する。この実施例6は(a)大当り遊技終了後に大当り確率(当否判定の結果が大当りとなる確率)が高確率に変動する遊技機(確変機)への適用例を示す点と、(b)大当り遊技終了後に大当り確率が高確率になる場合に「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)する点と、(c)大当りの種類に確変大当りおよび通常大当りを含む点と、(d)確変大当りに係る大当り遊技終了後に実施例6の第1遊技状態若しくは実施例6の第3遊技状態を開始する点と、(e)通常大当りに係る大当り遊技終了後に実施例6の基本遊技状態を開始する点と、(f)「限定頻度設定フラグ」が解除(OFFに設定)されると実施例6の第2遊技状態を開始する点等が、実施例1および実施例2と異なる。そして、実施例6の遊技機は電チューサポート有りの高確率の状態が終わって電チューサポート無しの高確率になると、天井の状態となるものである。
また、実施例6の遊技機は、次回の大当りを得ることが実質的に保障された確変機(保障機)である点が実施例4と同様である。更に、実施例6の遊技機は、実施例5の遊技機と同様な遊技盤10(図43を参照)を備えている。ここで、実施例6の第1遊技状態を他の実施例の第1遊技状態と区別するために「第1遊技状態C」と称し、実施例6の第2遊技状態を他の実施例の第2遊技状態と区別するために「第2遊技状態C」と称する。また、実施例6の第3遊技状態を他の実施例の第3遊技状態と区別するために「第3遊技状態C」と称し、実施例6の基本遊技状態を他の実施例の基本遊技状態と区別するために「基本遊技状態C」と称する。なお、実施例5では、図2の代わりに図43、図6の代わりに図64、図7の代わりに図65、図8の代わりに図66、図12の代わりに図48、図13の代わりに図49、図17の代わりに図73、図20の代わりに図51(a)、図22(a)の代わりに図51(b)、図23の代わりに図52および図74を用いるとともに、図67〜図72が付加されている点と、図9を用いないことが実施例1と異なる。
また、「第1遊技状態C」、「第2遊技状態C」および「第3遊技状態C」には「大当り確率が高確率(第2確率)」である旨の条件が付加されているが、基本遊技状態Cには「大当り確率が高確率(第2確率)」である旨の条件が付加されていない。そして、実施例6の遊技機も、前述の各実施例と同様に、第1特別図柄または第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(第1特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を開放させる大当り遊技(第1特定遊技)が実行可能で、第2特別図柄(識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示されることに基づいて、大入賞口31a(可変入球口)を大当り遊技(第1特定遊技)よりも短い開放時間で開放させる小当り遊技(第2特定遊技)が実行可能となる。
実施例6の遊技機は、図65〜図67に示すように、「大当り確率が低確率(第1確率)とされ、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度とされるとともに第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる基本遊技状態C」と、「大当り確率が高確率(第2確率)とされ、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度よりも高い第2入球頻度とされるとともに、第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる第1遊技状態C」を備える。
また、「大当り確率が高確率(第2確率)とされ、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度とされるとともに、第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第3時間;1秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも短くなる第2遊技状態C」と、「大当り確率が高確率(第2確率)とされ、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第2入球頻度よりも低く、第1入球頻度よりも高い第3入球頻度とされるとともに、第2特別図柄(第2識別情報)の平均変動時間(例えば、第2時間;200秒)が第1特別図柄(第1識別情報)の平均変動時間(例えば、第1時間;13秒)よりも長くなる第3遊技状態C」とを備える。
また、実施例6の遊技機は、基本遊技状態Cを遊技機1に「ラムクリア処理」を行った場合と、通常大当りに係る大当り遊技の終了後に設定可能とされている。但し、大当りを発生したとき、この大当りが通常大当りである確率は「5%」とされ、確変大当りである確率は「95%」とされているため、ラムクリア処理の後であって初めての大当り遊技を終了した後においては、遊技状態が第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cとなる確率が高く、基本遊技状態Cとなる確率は低くなっている。
実施例6の遊技機においては、図64〜図66に示すように、第1当否判定の結果が大当りとなる場合と、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の何れにおいても、確変大当りが発生する確率が「95%」とされており、高確率状態の設定率が高率となっている。また、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/199」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/45」とされている。
実施例6においても、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、図64に示すように、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(確変図柄A)」、「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄(確変図柄B)」若しくは「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄B)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、「確変図柄A」、「確変図柄B」若しくは「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(通常図柄A)」に決定される。そして、図64に示すように、「15R確変大当り」、「15R確変大当りA」若しくは「15R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。
また、「15R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後に遊技状態が第1遊技状態Cとされ、「15R確変大当りA」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後に遊技状態が第3遊技状態Cとされる。そして、何れの場合も、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「100」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」される(1デクリメントされる)。そして、第1遊技状態Cおよび第3遊技状態Cの何れの場合も限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると、遊技状態は第2遊技状態Cに移行する。
図64に示すように、実施例6の遊技機では、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動し、大当り確率が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される(図64を参照)。
図68(a)および(b)に示すように「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を発生すると、対応する大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動し、可変式の第1始動口17Eの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる(a1)。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。つまり、「15R確変大当り」若しくは「15R確変大当りA」を生じた場合には、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段および開放延長手段が作動し、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで、確率変動手段および開放延長手段の双方が作動する状態を継続する(a1)。そして、累積回数が「101回」になると、開放延長手段が作動を停止し、確率変動手段のみが作動する遊技状態(所謂「潜伏確変状態」)となり、遊技状態が第2遊技状態Cに設定される(a2)。この第2遊技状態Cは大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるま(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
実施例6では、遊技状態が第1遊技状態Cである場合と第3遊技状態Cである場合に開放延長手段が作動するが、第1遊技状態Cと第3遊技状態Cとで第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が異なっている。つまり、基本遊技状態Cおよび第2遊技状態Cにおける第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度とされ、第1遊技状態Cにおける第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度よりも高い第2入球頻度とされている(図64の「開放延長の有無」の欄の「2重丸印」を参照)。また、第3遊技状態Cにおける第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1入球頻度よりも高く、第2入球頻度よりも低い第3入球頻度とされている(図64の「開放延長の有無」の欄の「三角印」を参照)。この点に関し、図69を用いて具体的に説明する。
図69は実施例6の遊技機における普通図柄の変動遊技の概略を示すものである。この普通図柄の変動遊技は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づき普通図柄表示部63において開始される(S1、S2)。この普通図柄の変動遊技は、普通図柄表示部63での普通図柄の変動表示によって構成され、変動表示の実行時間(変動時間)は、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるとき(所謂「電チューサポート」がないとき)よりも、第1遊技状態Cであるとき(所謂「電チューサポート」があるとき)の方が短くなる。具体的には、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるときに「15秒」とされ、第1遊技状態Cのときに「1秒」とされる。また、遊技状態が第3遊技状態Cであるときも、所謂「電チューサポート」があるときに該当するが「13秒」とされ、遊技者には普通図柄の変動時間が、基本遊技状態Cの場合の変動時間に比べて殆ど短縮されていない印象を与える。
遊技機の遊技状態が何れであっても、変動表示の実行時間が経過すると普通図柄表示部63の普通図柄の停止態様が表示され、普通図柄に関する当否判定の結果(普通図柄の変動表示の結果)を表示して普通図柄の変動表示を終了する。また、普通図柄に関する当否判定の結果が「当り」となる確率は、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるときよりも第1遊技状態Cであるの方が高くなる。具体的には、基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるときに「2/89(=1/44.5)」、第1遊技状態Cであるときに「86/89(≒1/1.035)」とされる。また、普通図柄に関する当否判定の結果が「当り」となる確率は、遊技状態が第3遊技状態Cであるときに、「3/89(≒1/26.7)」とされ、基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるときの確率に近くなっている。そして、普通図柄に関する当否判定の結果が「当り」の場合には、普通図柄の停止態様として「普通図柄の当り図柄」が表示され、当該当否判定の結果が「外れ」の場合には普通図柄の停止態様として「普通図柄の外れ図柄」が表示される。
普通図柄表示部63に当り図柄が表示されると(S3)、第1始動口17Eが所定時間に亘って1回だけ開放状態(第2の状態)となり(S4)、普通図柄表示部63に外れ図柄が表示されると(S5)、第1始動口17Eは閉鎖状態(第1の状態)を維持する(S6)。そして、普通図柄表示部63に当り図柄が表示されることに基づいて第1始動口17Eが開放状態となる場合、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cのときには第1始動口17Eの開放時間が短くされる(例えば、0.2秒)。また、遊技状態が第1遊技状態Cのときには第1始動口17Eの開放時間が長くされ(例えば、5秒)、遊技状態が第3遊技状態Cのときには第1始動口17Eの開放時間が、基本遊技状態Cよりも僅かに長くされる(例えば、0.3秒)。このように、遊技状態が第3遊技状態Cである場合にも開放延長手段が作動するが、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度の面から判断すると、第1遊技状態Cよりも基本遊技状態Cや第2遊技状態Cに近い状態である。
ここで、基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cのときには、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度となる状態(第1入球状態)となり、第1遊技状態Cのときには、この入球頻度が第1頻度よりも高い第2頻度となる状態(第2入球状態)となる。更に、第3遊技状態Cのときには、この入球頻度が第1頻度よりも高く第2頻度よりも低い第3頻度の状態(第3入球状態)となる。なお、第3入球状態における第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度と等しくしてもよい。
次に実施例6の遊技制御処理について説明する。実施例6の遊技制御処理も、図48に基づいて実行され、遊技機1に電源投入されると(S5;YES)、先ず、電源投入処理(S8)を行う。この後、電源がOFFになるまでの間、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)と、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、小当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図48のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。また、電源投入処理(S8)は実施例5と同様に図49を用いて行われる。
以下、実施例6の普通図柄遊技処理(S100)および普通電動役物遊技処理(S200)について説明する。なお、以下に示す普通電動役物遊技処理(S200)の内容は、実施例5の遊技制御処理においてもそのまま適用できる。また、賞球払出処理(S80)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、小当り遊技処理(S700)等の内容は実施例5と同様である。
先ず、図70及び図71を用いて、実施例6の普通図柄遊技処理(S100)について説明する。この普通図柄遊技処理(S100)が起動されると、CPU201は通過検知スイッチ16sの状態に基づいて普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かを判断する(S105)。このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否判定を行うための乱数値を取得して記憶した後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処理に移行する。なお、以下の説明において、普通図柄に関する当否判定を普図当否判定という。
S120の処理においては、普通電動役物17Gが作動中か否か(第1始動口17Eが開放状態であるか否か)が判断され(S120)、作動中の場合(S120;YES)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。一方、作動中でない場合(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中か否かが判断される(S125)。そして、S125の処理において変動表示されていないと判断される場合には(S125;NO)、普通図柄表示部63において、普通図柄が停止表示されているか否かが判断される(S130)。そして、普通図柄が停止表示されていると判断されると(S130;YES)、「普通図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したか否かが判断される(図71のS168)。そして、S168にて肯定判断されると(S168;YES)、S170の処理に移行し、S168にて否定判断されると(S168;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。
また、普通電動役物17Gが作動中でなく(図70のS120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく(S125;NO)、しかも、普通図柄の停止表示を実行中でないと判断されると(S130;NO)、普通図柄に関する保留数が「0」であるか否か判定される(S135)。そして、この保留数が「0」と判断されると(S135;YES)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。一方、この保留数が「0」でないと判断されると(S135;NO)、第1開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S138)。ここで、第1開放延長フラグは、遊技状態が第1遊技状態Cであるときの開放延長機能が作動していることを示すフラグである。また、後述する第1変動短縮フラグは、遊技状態が第1遊技状態Cであるときの変動短縮機能(普通図柄の変動時間を短縮する機能)が作動していることを示すフラグである。そして、後述するように第1開放延長フラグがセット(ONに設定)されると、第1変動短縮フラグもセット(ONに設定)される。
第1開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する当否判定(普図当否判定)を第1高確率(例えば、当選確率「86/89」)で行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行った後(S140)、停止図柄を設定する処理(普図当否判定の結果が当りの場合には「当り図柄」を設定する処理、普図当否判定の結果が外れの場合には「外れ図柄」を設定する処理)を設定する処理を行う(S147)。ここで、第1高確率は、遊技状態が第1遊技状態Cであるときの普図当否判定の当り確率(86/89)である。
そして、「普通図柄の変動時間」として「第1短縮変動時間」を設定した後(S148)、普通図柄の変動表示を開始させる(S166)。そして、S166の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。ここで、S148の処理では、「第1短縮変動時間」は、遊技状態が第1遊技状態Cであるときの普図図柄の変動時間(第1変動短縮フラグもセットされているときの変動時間)であり、「1秒」とされる。
第1開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)、第2開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S150)。ここで、第2開放延長フラグは、遊技状態が第3遊技状態Cであるときの開放延長機能が作動していることを示すフラグである。また、後述する第2変動短縮フラグは、遊技状態が第3遊技状態Cであるときの変動短縮機能(普通図柄の変動時間を短縮する機能)が作動していることを示すフラグである。そして、後述するように第2開放延長フラグがセット(ONに設定)されると、第2変動短縮フラグもセット(ONに設定)される。
第2開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S150;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する当否判定(普図当否判定)を第2高確率(例えば、当選確率「3/89」)で行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行った後(S151)、停止図柄を設定する処理(普図当否判定の結果が当りの場合には「当り図柄」を設定する処理、普図当否判定の結果が外れの場合には「外れ図柄」を設定する処理)を設定する処理を行う(S152)。ここで、第2高確率は、遊技状態が第3遊技状態Cであるときの普図当否判定の当り確率(3/89)である。そして、「普通図柄の変動時間」として「第2短縮変動時間」を設定した後(S153)、普通図柄の変動表示を開始させる(S166)。このS166の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。ここで、S148の処理では、「第2短縮変動時間」は遊技状態が第3遊技状態Cであるときの普図図柄の変動時間(第2変動短縮フラグがセットされているときの変動時間)であり、「13秒」とされる。
一方、第1開放延長フラグおよび第2開放延長フラグが解除(OFFに設定)されていると判断される場合(S138;NO、150;NO)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて普図当否判定を低確率(例えば、当選確率「2/89」で行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行った後(S154)、停止図柄(普図当否判定の結果が当りの場合には「当り図柄」、普図当否判定の結果が外れの場合には「外れ図柄」)を設定する処理を行う(S157)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間を設定した後(S164)、普通図柄の変動表示を開始させる(S166)。そして、S166の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。また、S164で設定される普通図柄の変動時間は、一般的な遊技機において「変動時間短縮機能未作動時用」の普通図柄の変動表示時間として設定される時間である。
また、普通電動役物17Gが作動中でなく(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中の場合(S125;YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(図71のS168)、経過していない場合(S168;NO)、普通図柄遊技処理を終了して、図48の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間が経過すると(S168;YES)、普通図柄の変動表示を停止させた後(S170)、普通図柄の停止図柄の表示時間(停止表示時間)が設定される(S172)。この後、「普通図柄の停止表示時間」が経過すると(S174;YES)、S176の処理に移行する。
S176の処理においては、普通図柄表示部63に停止表示された図柄が当り図柄(普通電動役物を作動させる図柄)であるか否か判定され(S176)、外れ図柄である場合(S176;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図14の遊技制御処理に復帰する。一方、当り図柄である場合(S176;YES)、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(第1開放延長フラグ若しくは第2開放延長フラグがセットされているか否か)が判断される(S178、S182)。
第1開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S178;YES)、第1始動口17Eの開放時間として「第1開放延長時間(5秒)」を設定する処理(S180)を行った後、この処理で設定した開放時間に基づいて普通電動役物を作動させて第1始動口17Eを開放状態とし(S198)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。ここで、「第1開放延長時間(5秒)」とは、遊技状態が第1遊技状態Cであるときの第1始動口17Eの開放時間である。また、第2開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S178;NO、S182;YES)、第1始動口17Eの開放時間として「第2開放延長時間(0.3秒)」を設定する処理(S184)を行った後、この処理で設定した開放時間に基づいて普通電動役物を作動させて第1始動口17Eを開放状態とし(S198)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。ここで、「第2開放延長時間(0.3秒)」とは、遊技状態が第3遊技状態Cであるときの第1始動口17Eの開放時間である。
第1開放延長フラグおよび第2開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S178;NO、S182;NO)、第1始動口17Eの開放時間として「通常開放延長時間(0.2秒)」を設定する処理(S184)を行った後、この処理で設定した開放時間に基づいて普通電動役物を作動させて第1始動口17Eを開放状態とし(S198)、普通図柄遊技処理を終了して図48の遊技制御処理に復帰する。ここで、「通常開放延長時間(0.2秒)」は、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cであるの第1始動口17Eの開放時間である。
次に、図72(a)を用いて普通電動役物遊技処理(S200)について説明する。図48の遊技制御処理(S200)を行う中で、普通電動役物遊技処理(S200)が起動されると、普通電動役物17Gが作動中であるか否か(第1始動口17Eが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第1始動口17Eが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17Gの作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。この作動時間は第1始動口17Eを開放状態に維持する開放時間であって、遊技状態が基本遊技状態C若しくは第2遊技状態Cである場合に「0.2秒」、第1遊技状態Cである場合に「5.0秒」、第3遊技状態Cである場合に「0.3秒」となる。
そして、作動時間(開放時間)が経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17Gの作動を停止させることで開放状態にある第1始動口17Eを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理(S200)を終了させる。但し、CPU201が、普通電動役物17G(第1始動口17E)の開放中に(S202;NO)、第1始動口17Eに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が経過していない場合でも、普通電動役物17Gの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
なお、第1始動口17Eに遊技球の入球頻度を向上させる手法として、第1始動口17Eの開放時間(第2の態様となる時間)を延長させる手法(以下、「手法1」という。)の他に、図71(b)に示す他の手法を用いることもできる。具体的には、(b)普通図柄の変動表示の実行時間を短縮化する手法(以下、「手法2」という。)と、(c)普通図柄の当否判定の結果を示す当り図柄や外れ図柄の停止表示時間を短縮化する手法(以下、「手法3」という。)と、(d)第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる回数を多くする手法(以下、「手法4」という。)、(e)普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなる確率を高くする手法(以下、「手法5」という。)の他に、(f)手法1〜手法5を2個以上組み合わせた手法を用いることもできる。そして、所定の手法若しくは所定の手法の組み合わせと、そのレベル(例えば、普通図柄の変動表示の実行時間を短縮化する程度、普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなる確率を向上する程度等)によって、前述の入球頻度を多段階(実施例6では3段階)に設定することができる。
実施例6の特別図柄遊技処理においては、図73に示すように以下の点が実施例5と異なっている。つまり、S379dの処理で変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S379d;YES)、セットされている変動短縮フラグおよび開放延長フラグを解除(OFFに設定)した後(S379e、S379g)、S380の処理に移行する。つまり、第1変動短縮フラグおよび第1開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合は(S379d;YES)、これらのフラグを解除(OFFに設定)した後(S379e、S379g)、S380の処理に移行し、第2変動短縮フラグおよび第2開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合は(S379d;YES)、これらのフラグを解除(OFFに設定)した後(S379e、S379g)、S380の処理に移行する。そして、S380以降の処理の内容は実施例5と同様である。
また、S389cの処理で変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断すると(S389c;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S389d)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S389e)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S389e;NO)、そのままS390の処理に移行し、「ゼロ」になったと判断される場合には(S389e;YES)、セットされている変動短縮フラグ(第1変動短縮フラグ若しくは第2変動短縮フラグ)を解除(OFFに設定)する処理(S389f)と、セットされている開放延長フラグ(第1開放延長フラグ若しくは第2開放延長フラグ)を解除(OFFに設定)する処理(S389g)とを行った後、S390の処理に移行する。
実施例6の大当り遊技処理(S600)は実施例5と同様に図52に基づいて実行されるが、当該大当り遊技処理(S600)は、S612の処理で肯定的に判断された場合に図74の大当り遊技終了時処理(S800)を実行する。この実施例6の大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図73のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(今回の当り図柄)の種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する処理等を行う。まず、今回の大当り図柄(図16のS344の処理で停止した図柄)が、確変大当り図柄であるか否かを判断する(S820)。ここで、本実施例において「確変大当り図柄」は「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄」若しくは「15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄」である。
今回の大当り図柄が確変大当り図柄でない場合(S820;NO)、すなわち、今回の大当り図柄が通常大当り図柄である場合には、基本変動設定フラグをセット(ONに設定)した後(S885)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「第1入球状態であるとともに、大当り確率が低確率とされ、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(基本遊技状態C)」となる。これに対して、今回の大当り図柄が確変大当り図柄である場合(S820;YES)、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)と、限定頻度カウンタに「100」をセットする処理(S825)を行う。更に確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S830)と、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S835)とを行った後、当該確変大当り図柄が15R確変大当りの発生を示す大当り図柄である否かを判断する(S836)。
15R確変大当りの発生を示す大当り図柄である場合(S836;YES)、第1変動短縮フラグをセットする処理(S871)と、第1開放延長フラグをセットする処理(S873)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「第2入球状態であるとともに、大当り確率が高確率とされ、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第1遊技状態C)」となる。一方、15R確変大当りAの発生を示す大当り図柄である場合(S836;NO)、第2変動短縮フラグをセットする処理(S864)と、第2開放延長フラグをセットする処理(S875)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。この場合、遊技機1の遊技状態は「第3入球状態であるとともに、大当り確率が高確率とされ、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなる状態(第3遊技状態C)」となる。
次に、図67を用いて実施例6の遊技機の遊技性について簡単に説明する。ここで、図67において図示する各遊技状態(基本遊技状態C、第1遊技状態C、第2遊技状態C、第3遊技状態C)の欄から引き出された実線の矢印は、当該遊技状態で大当りを発生した場合に、対応する大当り遊技後に設定可能な遊技状態を示すもの(実線の矢先の遊技状態に設定可能であることを示す矢印)である。また、実線の矢印に付加した率(%)は移行率を示している。また、破線の矢印は、図柄変動遊技を所定回数行う(所謂回数切りとなる)と、矢先の遊技状態に移行可能なことを示しており、破線の矢印に付加した回数は所定回数(回数切り回数)である。
実施例6の遊技機では、図67に示すように、(a)大当り確率が低確率(第1確率)で可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度(以下、単に「入球頻度」という。)が第1頻度の基本遊技状態Cと、(b)大当り確率が高確率(第2確率)で可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度よりも高い第2頻度の第1遊技状態Cと、(c)大当り確率が高確率(第2確率)で可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度よりも高く、第2頻度よりも低い第3頻度の第3遊技状態Cと、(d)大当り確率が高確率(第2確率)で可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度の第2遊技状態Cとを備える。なお、実施例5では、大当り確率が高確率(第2確率)で、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が第1頻度よりも高い状態を複数設けているが、当該入球頻度が第1頻度よりも高い状態を1種類とすることもできる。
この実施例6においては、大当りを発生し、対応する大当り遊技を終了すると、大当り遊技終了後の遊技状態が高い確率(95%の確率)で第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cとなる。具体的には、第1遊技状態Cとなる確率が15%であり、第3遊技状態Cとなる確率が80%の確率であるため、大当り確率が高確率で、入球頻度が第1頻度よりも高くなる確率が95%となっている。このため、大当り確率が低確率で入球頻度が第1頻度となる遊技状態、つまり、基本遊技状態Cへは、ラムクリア処理を行った後を除いて移行し難くなっている。
そして、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cで遊技を行っている場合、大当りを発生することなく図柄変動遊技が100回(所定回数)繰り返されると、入球頻度が第1頻度となり、遊技状態が第2遊技状態C(潜伏確変状態)となる。但し、大当りが高確率(第2確率)である場合(大当り確率;1/45)の場合、図柄変動遊技を100回(所定回数)行うまでに大当りを発生する可能性が高い。しかも、大当りを発生した場合には、対応する大当り遊技終了後の遊技状態が第3遊技状態Cとなる確率が高い(第3遊技状態Cへの移行率が80%)。よって、実施例6の遊技機では、遊技状態が一旦第3遊技状態Cに設定されると、図柄変動遊技を100回(所定回数)行うまでに大当りを発生し、対応する大当り遊技を終了した後に再び第3遊技状態Cに設定されるという「遊技ループ」を実行する可能性が高くなる。
また、大当り確率を高確率(第2確率)とする遊技状態として、入球頻度を第1頻度よりも遙かに高い第2入球頻度とする第1遊技状態C(所謂「電チューサポート有りの確変状態」)と、入球頻度を第1頻度とする第2遊技状態C(所謂「電チューサポート無しの確変状態」)の他に、入球頻度を第1頻度と殆ど差が無い(僅かに高い)第3入球頻度とする第3遊技状態Cを備えるため、遊技の多様化を図ることができる。つまり、「電チューサポート有りの確変状態」として、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高いため、持ち球を目減りさせずに図柄変動遊技を高頻度に行って、早期に、しかも高頻度に大当りを発生させることを可能とする第1遊技状態C(以下、連荘モードという。)の他に、「電チューサポート」が低レベルで行われ、持ち球は第1遊技状態Cに比べて目減りするが、大当り確率が高確率で、しかも滞在率が高い状態(以下、滞在モードという。)を設けている。つまり、「電チューサポート」が行われていることが、遊技者が直ちに実感できる第1遊技状態C(連荘モード)の他に、実感できない第3遊技状態C(滞在モード)を設けることで、遊技の多様化を図っている。
更に、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cで遊技を行っている場合、大当りを発生することなく図柄変動遊技を100回(所定回数)繰り返すと、入球頻度が第1頻度となり、遊技状態が第2遊技状態C(潜伏確変状態)となる。例えば、上述の「遊技ループ(滞在モードの繰り返し)」から抜け出すか、連荘モードで大当りを発生させることなく図柄変動遊技を100回(所定回数)繰り返すと、第2遊技状態C(潜伏確変状態)となる。この場合、大当り確率を高確率に維持しつつも、第2当否判定の結果が小当りとなる確率が大当り確率よりも遙かに高くされているため、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度に行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。この場合、第2始動口17bへの入球のみを狙い、第2特別図柄の変動表示を実行する度に小当りが発生するものとすれば、遊技者は持ち球を増加させつつ、大当りの発生を狙うという、遊技を行うことができる。
実施例6の遊技機によると、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cにおいて特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で停止表示される確率が高確率に設定され、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で停止表示され易いばかりか、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高くなっている。そして、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cでは第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長くなるため、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させるよりも、第1始動口17a、17Eに遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させる方が、効率よく遊技を進めることができる。
一方、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cにて特別図柄の変動表示回数が100回(所定回数)になり、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が低くなることに基づいて、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短くなる第2遊技状態Cを設定する。つまり、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で停止され易く、第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高い状態であるか(第1遊技状態C)、僅かに高い状態である(第3遊技状態C)にも係わらず、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を100回(所定回数)行っても、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で停止表示されない状態を生じた場合には、遊技状態が第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cから第2遊技状態Cに移行して、第2特別図柄および第1特別図柄の平均変動時間の大小関係が逆転する。これにより、第1始動口17a、17Eに遊技球を入球させて第特別図柄を変動表示させるよりも、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させる方が、効率よく進めることができるようになる。このように遊技状態が第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cから第2遊技状態Cに移行することよって、変動表示の主体となる識別情報の種類が第1特別図柄から第2特別図柄に変更されることとなる。
また、第2遊技状態Cに移行すると、前述のように、小当り遊技を集中的に実行しつつ、小当り遊技よりも遊技利益が大当り遊技の実行を狙うという、新たな遊技性を実現できる。つまり、第2遊技状態Cに移行すると、第2当否判定の結果が小当りとなる確率が大当り確率よりも遙かに高くされているため、第2遊技状態Cにおいては、第2始動口17bに遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度に行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。また、「第2遊技状態Cにおける第2特別図柄の平均変動時間」は、「第1遊技状態C、第3遊技状態Cおよび基本遊技状態Cにおける第1特別図柄の平均変動時間」の「1/13」となる。よって、大当り遊技を終了した後に高確率状態となったり、可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高い状態となったりした後、大当りが発生しない状態がしばらく続くと、大当りを早期に発生させ易い状態となる(第2特別図柄の短変動による変動頻度アップ)。これにより、高確変状態や可変式の第1始動口17Eへの遊技球の入球頻度が高頻度の状態で大当りがなかなか発生しない場合(所謂、「はまりを生じた場合」)に救済措置を図るといった遊技性を実現できる。
また、第1当否判定と第2当否判定において大当り確率が同一であるため、大当りを発生させる上では、第1始動口17a、17Eおよび第2始動口17bのうちの何れを狙っても差異はないが、第2当否判定における小当り確率が大当り確率よりも高いため、遊技状態が第2遊技状態Cである場合には、右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させることで、大当りを狙いつつ小当りを頻発させることが得策である。逆に、遊技状態が第1遊技状態Cであったり、第3遊技状態Cであったりする場合には、第2始動口17bに遊技球を入球させると、第2特別図柄の変動時間が、遊技の進行が滞る程長くなり、しかも賞球量が最小量(1個)に止まる。このため、これらの状態で右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させたとしても遊技者にとってメリットはなく、これらの状態では、左打ちを行って遊技球を第1始動口17a、17Eに入球させて大当りのみの発生を目指した方が遊技効率も良く得策である。更に、実施例6の遊技機においても、第2遊技状態Cにて特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cが設定されるため、新たに第2遊技状態Cを開始することを目指して、第1遊技状態C若しくは第3遊技状態Cでの遊技を新たに開始すること(仕切直しをすること)ができる。
また、実施例6の遊技機において第1始動口17a、17Eは、遊技盤10面上の左領域11Lを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられ、第2始動口17bは、遊技盤面10上の右領域11Rを流下する遊技球が入球可能な部位に設けられる。つまり、第1始動口17a若しくは第1始動口17Eに入球する遊技球と、第2始動口17bに入球する遊技球は、遊技盤10面上の異なる領域11L、11Rを通過することになる。このため、遊技者は第1始動口17a若しくは第1始動口17Eへの遊技球の入球を狙う場合と、第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う場合とで、遊技球の発射態様(発射強度)を選択することが必要となる。このため、設定される遊技状態(第1遊技状態C、第2遊技状態C、第3遊技状態C、基本遊技状態C)に応じて、遊技球の発射態様(発射強度)の使い分けが必要となるという遊技性を実現できる。また、実施例6の遊技機では、第2始動口17bの下方に大入賞装置31を設け、右領域11Rを流下する遊技球のみが大入賞口31aに入球可能となるようになっているため、遊技状態が第2遊技状態Cとなった後は、その第2遊技状態Cが終了するまで、その間に小当りや大当りが発生した場合も含め、一貫して「右打ち」により遊技を進行させることができる。これにより、遊技状態(第1遊技状態C、第2遊技状態C、第3遊技状態C、基本遊技状態C)に応じた遊技球の発射態様(発射強度)の区別をより明確にすることができる。
更に、実施例5の遊技機においても、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づき付与される賞球量が、第1始動口17a若しくは第1始動口17Eへの遊技球の入球に基づき付与される賞球よりも少なくされている。このため、遊技状態が第1遊技状態Cに設定されているときには、第2始動口17bへ遊技球を入球させても、メリットが無いか若しくはデメリットが多くなる。このため、遊技状態を顧慮せずに、むやみやたらに「第2始動口17bへの遊技球の入球を狙う行為(むやみやたらに、小当りを狙う行為)」を抑制することができる。
なお、実施例6が前述の変形例5と同様な変形例を備えてもよい。つまり、実施例2と同様に、サブ制御基板220のCPU220aが「左打ち表示」を行わないとともに、「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する。そして、実施例2と同様に、図28(a)に基づいて右打ち表示開始処理(S1050)を実行し、図28(b)に基づいて右打ち表示終了処理(S1050)を実行する。この変形例によると、実施例6の効果に加えて実施例2と同様な効果を得ることができる。また、この実施例6の変形例においても、前述の変形例3(図40を参照)と同様に、発生する大当りの種類によって「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定する場合と、「右打ち表示」を実行しない場合とを設けてもよい。例えば、図64に示す15R確変大当りに係る大当り遊技の終了後に「右打ち表示」を実行するか否かを抽選によって決定し、図64に示す15R確変大当りAに係る大当り遊技の終了後においては「右打ち表示」を実行するか否かの抽選を行わないこととしてもよい(若しくは、当選率がゼロの抽選を行ってもよい。)。この場合、実施例6の効果に加えて前述の変形例3と同様な効果を得ることができる。
なお、実施例6をST機に適用することもできる。この場合、対応する大当り遊技を終了した後に設定されるST回数を、当該大当り遊技を終了した後に実行可能な開放延長の回数によりも多くすることが必要とされる。この場合、開放延長が回数切りとなると、潜伏確変状態の間、第2遊技状態C(天井の状態)となる。更に、実施例6を高確率状態に関する転落抽選機であってもよいし、高確率状態に関するリミット機能を備える遊技機であってもよい。また、実施例6の遊技機が開放延長を終了するか否かの抽選を行う転落抽選機であってもよく、高確率かつ開放延長状態(第2入球頻度若しくは第3入球頻度の状態)で転落抽選に当選し、潜伏確変状態(第2遊技状態C)としてもよい。更に、実施例6の遊技機が開放延長機能を作動させてから発生させる大当りの回数を規制する入賞容易リミッタ機能を備えてもよく、この場合、リミッタ機能が作動すると、潜伏確変状態(第2遊技状態C)としてもよい。これらの場合には、第1遊技状態Cから第2遊技状態Cに移行することが容易である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、各実施例では、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値を、各判定用乱数値の記憶順に処理(始動入賞を生じた順に処理)する態様を例示した。但し、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(以下、前者という。)と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値(以下、後者という。)とが記憶された状況の下では、前者が優先的に処理される態様や後者が優先的に処理される態様を例示することもできる。
また、各実施例を、前者と後者を同時に処理する態様にも適用できる。つまり、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能としてもよい。各実施例のように、判定用乱数値を記憶順に処理する場合においては、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも長いときに、第2特別図柄の変動表示が開始してしまうと、次の変動表示(第1特別図柄、第2特別図柄)を開始できなくなり、遊技機の稼働効率を低くなる。これに対して、第2特別図柄が変動表示を行っているときにも、第1特別図柄の変動表示が可能であれば、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示よりも短時間で進行できるので、遊技機の稼働効率を低くすることはない。
また、図75の変形例8のように大当り発生時に決定される大当り図柄に基づいて、所定回数(第2遊技状態を開始させる限定頻度カウンタのカウント値)を予め定められた複数種の回数のうちの何れかに設定することとしてもよい。例えば、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「大当り図柄P」、「大当り図柄Q」、「大当り図柄R」若しくは「大当り図柄S」に決定されるものとする。この場合において、「大当り図柄P」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタのカウント値が「300〜51」のとき(大当り遊技終了後、1回目〜250回目の特別図柄の変動表示が行われる間)に「第1遊技状態」を実行し、同カウント値が「50」になると同カウント値が「ゼロ」になるまで(大当り遊技終了後、251回目〜300回目の特別図柄の変動表示が行われる間)「第2遊技状態」を実行する。また、「大当り図柄Q」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタのカウント値が「300〜76」のとき(大当り遊技終了後、1回目〜225回目の特別図柄の変動表示が行われる間)に「第1遊技状態」を実行し、同カウント値が「75」になると同カウント値が「ゼロ」になるまで(大当り遊技終了後、226回目〜300回目の特別図柄の変動表示が行われる間)「第2遊技状態」を実行する。また、「大当り図柄R」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタのカウント値が「300〜101」のとき(大当り遊技終了後、1回目〜200回目の特別図柄の変動表示が行われる間)に「第1遊技状態」を実行し、同カウント値が「100」になると同カウント値が「ゼロ」になるまで(大当り遊技終了後、201回目〜300回目の特別図柄の変動表示が行われる間)「第2遊技状態」を実行する。更に、「大当り図柄S」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタのカウント値が「300〜151」のとき(大当り遊技終了後、1回目〜150回目の特別図柄の変動表示が行われる間)に「第1遊技状態」を実行し、同カウント値が「150」になると同カウント値が「ゼロ」になるまで「第2遊技状態」を実行する。
この変形例8においては、「所定回数」を複数種の回数から決定し、第2遊技状態の開始時期と、第2遊技状態の継続期間(N値)の多様化を図ることができるため、より多様な遊技性を実現できる。この場合、第2遊技状態の継続期間(N値)が長く設定されると、小当り遊技を集中的に実行可能な期間が長くなるため、遊技興趣を更に高めることができる。
また、図76の変形例9のように大当り発生時に決定される大当り図柄に基づいて、限定頻度フラグをセット(ON設定)する際に限定頻度カウンタにセットする初期値を、予め定められた複数種の中から決定することとしてもよい。これによっても、所定回数(第2遊技状態を開始させる限定頻度カウンタのカウント値)を複数種の回数のうちの何れかに決定することとできる。例えば、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「大当り図柄V」、「大当り図柄W」、「大当り図柄X」若しくは「大当り図柄Y」に決定されるものとする。この場合において、「大当り図柄V」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には限定頻度カウンタに初期値「150」を、「大当り図柄W」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には限定頻度カウンタに初期値「200」を、「大当り図柄X」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には限定頻度カウンタに初期値「250」を、「大当り図柄Y」が停止表示されることに基づく大当り遊技を終了した場合には限定頻度カウンタに初期値「300」を、それぞれセットするものとする。そして、何れの場合も、特別図柄の変動表示開始時における限定頻度カウンタのカウント値が「初期値〜51」のときに第1遊技状態を実行し、限定頻度カウンタのカウント値が「50」になると同カウント値が「ゼロ」になるまで(限定頻度カウンタのカウント値が「50〜1」のときに)「第2遊技状態」を実行する。そして、同カウント値が「ゼロ」になると「第1遊技状態」を実行するものとする。この変形例9においても、「所定回数(大当り後に第2遊技状態を開始するまでに実行する変動表示の回数)」を複数種の回数から決定し、第2遊技状態の開始時期の多様化を図ることができるため、より多様な遊技性を実現できる。
なお、変形例9においては、大当り図柄の他に、大当りを発生させる際に変動表示していた特別図柄の種類(第1特別図柄であったか、第2特別図柄であったか)に基づいて所定回数を決定してもよい。
また、各実施例では、図77(a)に示すように大当り遊技を終了すると、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)して第1遊技状態を実行し、限定頻度カウンタのカウント値が所定値(「50」)になると、遊技状態を第2遊技状態に設定し、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると遊技状態を第1遊技状態に戻す態様を例示した。つまり、遊技状態を一旦第1遊技状態から第2遊技状態に移行させ、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になると遊技状態を第1遊技状態に戻す態様を例示したが、第2遊技状態の設定態様はこれに限定されない。例えば、図77(b)に示す変形例10のように、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されているときに、第1遊技状態と第2遊技状態とを繰り返して設定することとしてもよい。すなわち、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている間に、第2遊技状態となる期間を少なくとも1回設ければよいし、第2遊技状態となる期間を細分化してもよい。
また、図77(c)に示す変形例11および図77(d)に示す変形例12のように、大当り遊技が終了した直後の遊技状態を第1遊技状態とすることなく、第2遊技状態を設定してもよい。この場合、変形例11に示すように、限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されている間において、第2遊技状態を終了すると遊技状態を第1遊技状態に設定してもよいし、変形例12示すように、限定頻度カウンタのカウント値が「ゼロ」になるまで第2遊技状態を継続してもよい。なお、変形例12において、遊技状態を第2遊技状態に設定した後、所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に遊技状態を第1遊技状態に設定する場合には、当該設定された第1遊技状態をカウント値が「ゼロ」になるまで継続してもよいし、カウント値が「ゼロ」になる前に再度、遊技状態を第2遊技状態に設定してもよい。
更に、各実施例では演出表示装置27を液晶表示装置で構成する態様を例示したが、図78に示す「回転ドラムを用いた表示装置(以下、ドラム式表示装置27Gという。)」、図79(a)に示す「7セグメントLEDを用いた表示装置27H」、図79(b)に示す「LEDで構成されるドットをマトリックス状に並べて構成される表示装置(ドットマトリックスLED表示装置27I)」等の他の形式の表示装置によって演出表示装置27を構成してもよい。
ここで、ドラム式表示装置27Gとして略水平な回転軸を有する複数の回転ドラム27L、27M、27Rと、回転ドラム27L、27M、27R毎に設けられたモータ(例えば、ステッピングモータ)と、個々の回転ドラム27L、27M、27Rの内側に回転不能な状態に配置されるバックライト27Bと、を備える。また、個々の回転ドラム27L、27M、27Rの外周は「1」〜「9」の算用数字が、当該外周を周回(回転軸回りに周回)するように表示されている。そして、サブ制御基板220のCPU220aは図柄変動開始時コマンドを受信すると、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果を、受信した図柄変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドや特別図柄停止情報指定コマンド等)に基づいて判断し、回転ドラム27L、27M、27Rを用いた演出パターンを設定する。また、回転ドラム27L、27M、27Rを停止されて表示する停止図柄をセットする。そして、サブ制御基板220のCPU220aはモータを駆動して回転ドラム27L、27M、27Rの回転を開始させる。
回転を開始した回転ドラム27L、27M、27Rの回転位置は、それぞれに設けられたドラムセンサで把握され、残りの回転時間から「セットされた図柄」で停止させるために必要な回転数を算出し、回転ドラム27L、27M、27Lの回転速度を減速する。そして、主制御部200Aから送信される図柄停止コマンドを受信したと判断すると、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における演出図柄の変動表示を停止させ、図柄変動演出を終了させる。このとき、回転ドラム27L、27M、27Lに仮想的に設定される有効ラインL1上に大当り図柄(例えば、「7、7、7」)が表示されると大当りが、当該有効ラインL1上に小当り図柄(例えば、「1、2、3」)が表示されると小当りが、当該有効ラインL1上に外れ図柄(例えば、「5、2、3」)が表示されると外れが、それぞれ発生する。
また、図79(a)の表示装置27Hは、複数の7セグメント表示体27S、27T、27Uを横方向に並べて構成されている。そして、図77に示す「ドラム式表示装置G」、図79(a)に示す「7セグメントLEDを用いた表示装置27H」、図79(b)に示す「ドットマトリックスLED表示装置27I」の何れにおいても、その表示部(演出図柄の表示を行う部分)の周囲に、右打ち指示用LED27Vと、左打ち指示用LED27Wとを設け、右打ちを行うべきケースでは右打ち指示用LED27Vを点灯状態とし、左打ち指示用LED27Wを点灯状態とする。また、左打ちを行うべきケースでは左打ち指示用LED27Wを点灯状態とし、右打ち指示用LED27Vを点灯状態とすることとしている。なお、ドラム式表示装置では、バックライト27BをフルカラーLEDで構成し、フルカラーLEDの発光色によって、右打ち若しくは左打ちの指示を行うこと等としてもよい。なお、図78および図79に示すように、液晶表示装置以外の表示装置(液晶表示装置に比べて小型化が容易な表示装置)を用いる場合には、遊技盤10の空きスペースを拡大でき、大型の可動役物を遊技盤10に配置すること等が容易である。
更に、第2特別図柄が変動表示中に第2始動入賞を生じても、この第2始動入賞に基づく判定用乱数値を記憶しないこととしてもよい。これにより、第2始動口17bに遊技球を入球させることが望ましくない状態であるとき(遊技状態が第1遊技状態にあるとき)、遊技者が敢えて右打ちを行うことを抑制できる。また、各実施例では、遊技状態が第1遊技状態であるときに、第2特別図柄の平均変動時間を「200秒」に設定し、第2始動入賞に基づく判定用乱数値を処理する効率を低くすることで、遊技者が敢えて右打ちを行うことを抑制しているが、第1遊技状態であるときの第2特別図柄の平均変動時間を更に長い時間(例えば、1時間若しくは2時間等)としてもよい。この場合、左打ちすべき時期(第1遊技状態)に敢えて「右打ち」が行われることをより確実に防止できる。蓋し、この場合、左打ちすべき時期(第1遊技状態)において、敢えて「右打ち」を行うと、1回の第2特別図柄の変動表示が完了するのに、かなりの長時間(例えば、1時間若しくは2時間等)を要することとなる。このため、遊技が長時間に亘って停滞してしまうから、むやみやたらに「右打ち」を行うことができないと遊技者が実感するからである。
実施例1等では遊技状態に合わせて「左打ち表示」若しくは「右打ち表示」を行う態様を例示し、実施例2では「右打ち表示」のみを行う態様を例示したが、実施例1においても、第1遊技状態および第2遊技状態のうちの一方において遊技球の発射態様やその時点の遊技状態を報知してもよい。また、遊技球の発射態様やその時点の遊技状態を報知する態様は表示に限定されず、音声、振動等であってもよいし、表示、音声および振動のうちの2個以上あってもよい。更に、表示で報知する場合には各実施例に示すように「矢印」で表示する態様、LED等の発光体の点灯、点滅等で報知する態様、表示部(表示画面27a等)の背景色の相違に基づいて報知する態様等も例示できる。また、音声での報知として「左打ちしなさい」という音声、「右打ちしなさい」という音声の他に、遊技状態(遊技球の発射態様)に応じて異なる効果音(音楽)を出力する態様等を例示できる。
各実施例では、遊技状態が第2遊技状態に設定されると、第2遊技状態に設定されていること(右打ち表示)を継続的に報知する態様を例示したが、これらの報知を継続的に行わない態様も例示できる。例えば、第1遊技状態および第2遊技状態の間で状態が切り換わったタイミングで状態報知を行い、その他の期間は報知を行わないこととしてもよい。
また、本発明の遊技機は、遊技者が遊技状態に合致しないハンドル操作を行った場合に警告を発する警告手段を備えてもよい。例えば、遊技状態が第1遊技状態に設定されているときに右打ちが行われた場合、「ハンドルの操作量を少なくせよ」、「左打ちしてよ」等の警告表示を演出表示装置27等で行ったり、「ハンドルの操作量を少なくせよ」、「左打ちしてよ」等の警告音をスピーカSP1〜SP4から出力してもよい。また、遊技状態が第2遊技状態に設定されているとき、左打ちが行われた場合、「ハンドルの操作量を多くしろ」、「右打ちしてよ」等の警告表示を演出表示装置27等で行ったり、「ハンドルの操作量を多くしろ」、「右打ちしてよ」等の警告音をスピーカSP1〜SP4から出力してもよい。ここで、前述のように発射ハンドル9の右回転方向への回転量を少なくすると「左打ち」が実現され、右回転方向への回転量を多くすると「右打ち」が実現される。このため、発射ハンドル9の右回転方向への回転量(時計回りの回転量)が所定量以下の場合に「左打ち」が行われていると判断でき、所定量を超える場合に「右打ち」がされていると判断できる。そして、この判断の結果と、現在の遊技状態とに基づいて警告表示を行うか否かを判断したり、警告音を発声させるか否かを判断することができる。
各実施例では、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示されると、そのまま大当り遊技(特定遊技)を開始する態様を例示したが、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示され、更に所定の開始条件が成立することによって、大当り遊技(特定遊技)が開始される態様としてもよい。例えば、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、遊技領域に設けられた開始ゲートを遊技球が通過することによって大当り遊技を開始する遊技機も例示することができる。つまり、「識別情報が特定態様で表示されることに基づいて特定遊技が実行可能となる」ことには、「識別情報が特定態様で表示されるだけで特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものや、「識別情報が特定態様で表示されることに加え他の条件が成立することで、特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものが含まれる。
また、確変機の中には、大当り遊技の実行中に大入賞口31aに入球した遊技球が特定領域を通過することに基づいて、当該大当り遊技後の大当り確率を高確率に設定するものも含まれるが、当該遊技機に対しても実施例3を適用できる。
また、各実施例および変形例では、遊技領域11のうち右領域11R(第2始動口17bの下方)に1個の大入賞装置31(大入賞口31a)を設けていたが、大入賞装置31(大入賞口31a)を複数設けることもできる。例えば、遊技領域11のうち右領域11Rであって第2始動口17bの下方に、2個の大入賞装置(大入賞口)を上下方向に並べて配置し、大当り遊技で開放させる大入賞口と、小当り遊技で開放させる大入賞口とを異ならせてもよい。また、2個の大入賞装置(大入賞口)を配置する他の形態としては、2個のうち一方の大入賞装置(大入賞口)を第1始動口17aの下方に配置し、他方の大入賞装置(大入賞口)を第2始動口17bの下方に配置する形態や、2個の大入賞装置(大入賞口)を第1始動口17aの下方に上下方向(鉛直方向)あるいは左右方向(水平方向)に並べて配置する形態などを例示できる。このように大入賞装置(大入賞口)を複数設ける場合、少なくとも小当り遊技で開放させる大入賞口は、上述した各実施例および変形例と同様の遊技性を実現するために、遊技領域11の右領域11Rを流下する遊技球のみが入球可能となる大入賞口とするのが望ましい。また、大当り遊技(第1特定遊技)で開放される大入賞口31a(可変入球口)と、小当り遊技(第2特定遊技)で開放される可変入球口とを異なる可変入球口としてもよい。このように異なる可変入球口とする場合には、小当り遊技用の可変入球口を、右領域11Rにおいて大入賞口31aの周囲(例えば、上方の位置、下方の位置、左右何れかの位置等)に設けてもよい。また、大当り遊技用の可変入球口および大当り遊技用の可変入球口が同一であるか、異なるかを問わずに、可変入球口を各実施例若しくは各変形例に示すアタッカータイプとは異なるタイプの可変入球口を備えてもよい。例えば、一対の開閉羽根(可動翼片)を備えるチューリップタイプであってもいいし、一個の開閉羽根(可動翼片)を備える構成のもの、等であってもよい。
また、実施例1〜4および変形例1〜4では、普通電動役物に係る入球口としての可変始動口、普通図柄および普通図柄作動ゲートを備えない構成としていたが、実施例1〜4および変形例1〜4においても、可変始動口、普通図柄および普通図柄作動ゲートを備える構成とすることもできる。この場合、遊技球が普通図柄作動ゲートを通過することに基づいて普通図柄が変動表示し、該普通図柄が所定の当り態様で停止表示されると、可変始動口が所定の開放時間で開放するものとすることができる。そして、可変始動口に遊技球が入球し、その遊技球が可変始動口スイッチにより検知されることに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示を開始するものとすることができる。
このような可変始動口、普通図柄および普通図柄作動ゲートを備える構成では、可変始動口の開放時間として、少なくとも第1開放時間と該第1開放時間よりも長い第2開放時間とのうちの何れかを設定することができる。そして、第1開放時間の設定可能性(選択可能性)よりも第2開放時間の設定可能性(選択可能性)を高くする開放延長機能を設け、所定の開放延長機能作動条件が成立することに基づいて、開放延長機能を作動させることができる。開放延長機能が作動しているときには、開放延長機能が作動していないときに比べ、可変始動口への遊技球の入球頻度が高くなり、可変始動口への遊技球の入球に基づく特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示の実行頻度も高くなる(高頻度状態)。なお、開放延長機能作動条件としては、大当りの種類が複数設けられている場合、その大当りの種類に基づいて開放延長機能の作動有無を設定することができ、開放延長機能を作動させる場合には、大当り遊技が終了したことに基づいて、その作動を開始させるものとすることができる。また、開放延長機能の作動開始後、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われることで、開放延長機能の作動を終了させることができる。さらに、開放延長機能は、上述の確率変動機能を備えた遊技機に設けることもできる。この場合、確率変動機能とともに開放延長機能を作動させたり、確率変動機能を作動させずに開放延長機能を作動させたり、開放延長機能を作動させずに確率変動機能を作動させたりすることができる。以下、具体例(以下、「変形例13」という。)を用いて更に説明する。なお、この変形例13は実施例4の変形例である。
変形例13の遊技機は、図80に示す遊技盤10を備えている。そして、この遊技盤10の前面部に形成される遊技領域11には、中央装置20と、第1始動口17aと、第2始動口17bと、第3始動口17Bと、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47と、風車19等が設けられている。また、遊技領域11において中央装置20の左側に位置する部位(左領域11L)に普通図柄作動ゲート16が設けられ、第3始動口17Bは第1始動口17aの下方に設けられている。なお、中央装置20、第1始動口17a、第2始動口17b、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47、風車19等の構成は実施例1と同様である。
第3始動口17Bは普通電動役物17dとして設けられるものであり、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17e、17eが開閉するべく形成され、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図示を省略)を備える。また、第3始動口17Bの内部には、当該第3始動口17Bに入球した遊技球を検知するための第3始動口入球検知スイッチ(図示を省略)が配置されている。
普通電動役物ソレノイドに通電を行わないと、一対の可動翼片17e、17eが立設状態(図80の実線を参照)とされ、一対の可動翼片17e、17e間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、第3始動口17Bへの遊技球の入球可能性が低い閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、普通電動役物ソレノイドに通電を行うと、一対の可動翼片17e、17eが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し(図80の破線を参照)、遊技球の入球可能性が高くなる開放状態(第2の態様)となる。ここで、変形例13の遊技機が開放延長機能を備え、遊技状態が、開放延長機能が作動する開放延長状態である場合、第3始動口17Bが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、開放延長機能を作動しない非開放延長状態である場合には、第3始動口17Bが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。
なお、本実施例では、第3始動口17Bの上方に第1始動口17aが設けられているため、第3始動口17Bが閉鎖状態(第1の態様)であるとき、第1始動口17aが邪魔になり、第3始動口17Bに遊技球が入球することはできない(第3始動口17Bが開放状態になる場合に限って、第3始動口17Bに遊技球が入球することができる)。但し、第1始動口17aと第3始動口17Bとを離間して配置することで(第1始動口17aが邪魔にならないようにすることで)、第3始動口17Bが閉鎖状態(第1の態様)であるときにも、第3始動口17Bへの遊技球の入球を可能としてもよい。
また、変形例13では、第1始動口17aへの遊技球の入球に基づいて「第1特別図柄」の変動表示が行われ、第2始動口17b若しくは第3始動口17Bへの遊技球の入球に基づいて「第2特別図柄」の変動表示が行われる。また、普通図柄作動ゲート16は、遊技盤10の前面部から突出する状態に配置され、通過検知スイッチ(図示を省略)を備え、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。
変形例13の情報表示装置60は、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bの他に、普通図柄表示部等が設けられている。そして、普通図柄表示部も、「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄に関する当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、第3始動口17Bが開放状態(第2の態様)となる(開放延長時;5秒、通常開放時;0.2秒)。また、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当し、第3始動口17Bが開放状態(第2の態様)とならない。
変形例13は実施例4と同様に確変機への適用例を示しているが、大当り遊技終了後に大当り確率が潜伏確変状態である場合に限定して「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)し、その他の高確率状態の場合には「限定頻度設定フラグ」をセット(ONに設定)しない点が実施例4と異なる。
変形例13においても、図81に示すように、大当り確率が低確率(第1確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/200」とされ、大当り確率が高確率(第2確率)に設定されている場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は「1/20」とされる。
変形例13においては、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「2R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Cという。)」、「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」若しくは「15R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Aという。)」に決定される。また、第2当否判定の結果が大当りの場合も、乱数抽選によって、大当り図柄が「15R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」若しくは「通常図柄A」に決定される。
「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「15回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。また、「2R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「2回」の大当り遊技Dが実行されるが、大当り遊技Dにおいて各ラウンド大入賞口31aが開放状態となる時間は「0.2秒」とされている。このため、大当り遊技Dにおいて、大入賞口31aに遊技球を入球させることが困難である。
「15R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。また、大当り遊技の終了後には開放延長機能が作動し、第3始動口17Bの開放時間が延長された「開放延長状態」となるとともに、特別図柄および普通図柄の変動時間を短縮する変動短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が短縮化される変動短縮状態となる。この場合、第1特別図柄および第2特別図柄の平均変動時間が、例えば、3秒となる。そして、高確率状態、開放延長状態および変動短縮状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
また、「2R確変大当り」を生じた場合、大当り遊技Dの終了後には確率変動手段が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率(第2確率)とされる「高確率状態」となる。そして、高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。但し、この場合、開放延長機能および変動短縮機能は作動せず、所謂「潜伏確変状態」となる。
「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、変形例10の遊技機の確率状態が低確率状態とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長機能が作動し、第3始動口17Bの開放時間が延長される「開放延長状態」となるとともに、特別図柄に変動短縮機能が作動し、「変動短縮状態」となる。この開放延長機能および変動短縮機能は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。この場合も、第1特別図柄および第2特別図柄の平均変動時間が、例えば、3秒となる。
「2R確変大当り」を生じた場合、対応する大当り遊技の終了後に限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)され、限定頻度カウンタに上限値(初期値)の「120」がセットされる。そして、大当り遊技の終了後に特別図柄の変動表示が実行される度(変動表示が終了する度)に限定頻度カウンタのカウント値は「−1」される(1デクリメントされる)。そして、限定頻度カウンタのカウント値が「1」から「ゼロ」になる場合には、確変フラグがセット(ONに設定)されているため、遊技状態は「第2遊技状態A」から「第1遊技状態A」に移行する。なお、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」「15R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生じても、対応する大当り遊技の終了後には限定頻度設定フラグがセット(ONに設定)されることはない。
変形例13の大当り遊技処理(S600)は、前述の図40に基づいて実行されるが、当該大当り遊技処理(S600)は、S612の処理で肯定的に判断された後の処理が図82に基づいて実行される。つまり、S612の処理において「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合(S612;YES)、「大当り遊技フラグ」を解除(OFFに設定)した後(S620)、大当り発生時の状態を取得する(S622)。このS622の処理では、大当り遊技を終了するときに、「大当り遊技終了時参照用バッファ(図38のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(今回の大当り図柄)の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄、確変大当り図柄の種類)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態等を設定する処理を行う。
つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S636c)と、変動短縮フラグをセットする処理(S638)と、開放延長フラグをセットする処理(S640)とを行った後、変形例10の大当り遊技処理(S600)を終了する。また、S630の処理において、大当り図柄が「確変大当り図柄」であったと判断すると(S630;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S632)を行い、当該「確変大当り図柄」が「潜伏確変図柄」であるか否かを判断する(S634)。
当該「確変大当り図柄」が「潜伏確変図柄」でない場合には(S634;NO)、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S636)と、短縮変動フラグをセットする処理(S638)と、開放延長フラグをセットする処理(S640)とを行った後、変形例10の大当り遊技処理(S600)を終了する。
また、当該「確変大当り図柄」が「潜伏確変図柄」である場合には(S634;YES)、限定頻度設定フラグをセット(ONに設定)する処理(S650)と、限定頻度カウンタに「120」をセットする処理(S655)とを行った後、大当り遊技処理(S600)を終了する。この場合、限定頻度カウンタの値が「120」であるとともに、確変フラグセット(ONに設定)にされているため、遊技機の遊技状態は「第1遊技状態A」となる。そして、限定頻度カウンタの値が「30」になると遊技機の遊技状態は「第2遊技状態A」となり、更に、限定頻度カウンタの値が「ゼロ」になると遊技機の遊技状態は「第1遊技状態A」となる。ここで、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率(第2確率)に設定される「高確率状態」にあること(確率変動機能が作動していること)を示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される「短縮変動状態」にあること(時短機能が作動していること)を示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第3始動口17B(普通電動役物17d)の開放時間が延長される開放延長状態にあることを示すフラグである。また、変形例10では「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。このように短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。また、「変動短縮カウンタ」は変動短縮状態で行われる特別図柄の変動表示の上限実行回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動表示で短縮変動状態が終了して、次回の変動表示から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動表示は通常変動状態で行われる。
変形例13では、所謂「電チューサポート(例えば、可変式の始動口の開放時間を長くし、当該可変式の始動口への入球頻度を高めること)」機能が作動しない「潜伏確変状態」において、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも長い状態(第1遊技状態A)とする。そして、この長い状態(第1遊技状態A)で第1特別図柄が所定回数(例えば90回)変動表示すると、第2特別図柄の平均変動時間が第1特別図柄の平均変動時間よりも短い状態(第2遊技状態A)を設定可能とする。つまり、第1特別図柄を主体とする遊技で潜伏確変当りが発生すると、120回転の限定頻度カウンタが設定され、潜伏中に大当りが発生せずに第1特別図柄が90回変動すると、91回転目から第2特別図柄を短変動(短い時間で変動)させることが可能となる。
このように潜伏確変状態となった後、大当りが発生しない状態がしばらく続くと、大当りを早期に発生させ易い状態となる(第2特別図柄の短変動による変動頻度アップさせる)。これにより、潜伏確変状態で大当りがなかなか発生しない場合に救済措置を図るといった遊技性を実現できる。また、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示される確率(小当り確率)が、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率(大当り確率)よりも高くされているため(第2確率よりも高くされているため)、第1特別図柄が所定回数(例えば90回)変動表示すると、第2遊技状態Aにおいては、第2始動口17bに遊技球を入球させ、第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、小当り遊技の高頻度の実行を目指すことが望ましいこととなる。つまり、第2当否判定における小当り確率が大当り確率よりも高いため、遊技状態が第2遊技状態Aである場合には、右打ちを行って遊技球を第2始動口17bに入球させることで、大当りを狙いつつ小当りを頻発させることができる。
なお、変形例13は、電チューサポート機能が作動する高確率状態と、電チューサポート機能が作動しない高確率状態(潜伏確変状態)のうち、電チューサポート機能が作動しない確変状態(潜伏確変状態)に対して、本発明の構成を(第2識別情報の平均変動時間と第1識別情報の平均変動時間の長短を逆転する旨構成)適用している。電チューサポート機能が作動する高確率状態にあるときには、開放延長機能および変動短縮機能が作動するため、遊技者が当該遊技機での遊技を止めることは無いし、とりあえず出球が減ることがない(持ち球が減ることがない)。これに対して、電チューサポート機能が作動しない高確率状態(潜伏確変状態)のとき、内部的に高確率(第2確率)になっているが、なかなか大当りを発生しないときに、大当りが発生するようにしたい、というのが本願発明の趣旨であり、電チューサポート機能が作動する状態にあるとき、本発明の構成を適用する必要性が低い。つまり、元々と電チューサポート機能が作動しているときには、特別図柄の変動時間が短いので(変形例10では、第1特別図柄および第2特別図柄の平均変動時間を例えば、3秒とするので)、本発明の構成を用いても、あまり大きな効果が期待できないが、電チューサポート機能が作動しない状態のときには効果が期待できることになる。
また、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。