JP2016104828A - 含フッ素共重合体フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性を有しかつ機械的強度および柔軟性を兼ね備えた含フッ素共重合体フィルムの提供。【解決手段】単量体(a)に由来する単位と単量体(b)に由来する単位と単量体(c)に由来する単位および単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する含フッ素共重合体を含むフィルムであり、25℃における引張破壊応力が30MPa以上であり、25℃における引張貯蔵弾性率が300MPa未満である。単量体(a):フルオロエチレン。単量体(b):CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH(X11〜X13:水素原子等、R1:2価の炭化水素基等、a:0または1、b:0または1)。単量体(c):CX21X22=CX23−R2(X21〜X23:水素原子等、R2:アルキル基等)。単量体(d):CX31X32=CX33−O−R3(X31〜X33:ハロゲン原子等、R3:フルオロアルキル基等)。【選択図】図1
Description
本発明は、含フッ素共重合体フィルムに関する。
膜構造施設(スポーツ施設(プール、体育館、テニスコート、サッカー場等)、倉庫、集会場、展示場、園芸施設(園芸ハウス、農業用ハウス等)等)における膜材(屋根材、外壁材等)としては、屋外での長期使用に耐え得るように、耐侯性および機械的強度が高いフィルムが求められている。
耐侯性および機械的強度が高いフィルムとしては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと記す。)フィルムが知られている。
しかし、ETFEフィルムは、柔軟性にやや欠けるため、膜構造施設の屋根、外壁等が曲面や複雑な形状とされている場合、屋根、外壁等に展張しにくいという問題がある。
しかし、ETFEフィルムは、柔軟性にやや欠けるため、膜構造施設の屋根、外壁等が曲面や複雑な形状とされている場合、屋根、外壁等に展張しにくいという問題がある。
ETFEフィルムの柔軟性を改善したフィルムとしては、下記の含フッ素共重合体フィルムが提案されている。
(i)テトラフルオロエチレンに由来する単位、エチレンに由来する単位およびプロピレンに由来する単位を特定の割合で特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献1、3、5)。
(ii)テトラフルオロエチレンに由来する単位、エチレンに由来する単位およびトリフルオロビニルアルキルエーテルに由来する単位を特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献2)。
(iii)(ペルフルオロアルキル)エチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)等から選ばれる1種以上の含フッ素単量体に由来する単位、テトラフルオロエチレンに由来する単位、プロピレンに由来する単位およびフッ化ビニリデンに由来する単位を特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献4)。
(i)テトラフルオロエチレンに由来する単位、エチレンに由来する単位およびプロピレンに由来する単位を特定の割合で特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献1、3、5)。
(ii)テトラフルオロエチレンに由来する単位、エチレンに由来する単位およびトリフルオロビニルアルキルエーテルに由来する単位を特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献2)。
(iii)(ペルフルオロアルキル)エチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)等から選ばれる1種以上の含フッ素単量体に由来する単位、テトラフルオロエチレンに由来する単位、プロピレンに由来する単位およびフッ化ビニリデンに由来する単位を特定の割合で有する含フッ素共重合体からなるフィルム(特許文献4)。
しかし、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度と柔軟性とは、トレードオフの関係にあるため、機械的強度および柔軟性の両方を充分に満足する含フッ素共重合体フィルムは、いまだ存在していない。
なお、イソタクチックポリプロピレンに、ヒドロキシヘキセンに由来する単位を導入することによって、機械的強度および柔軟性を兼ね備えたプロピレン共重合体からなるフィルムが得られることが報告されている(非特許文献1)。
しかし、この知見に基づき、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を導入しようとしても、含フッ素単量体とヒドロキシアルケンとの共重合性が悪いため、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を充分に導入できない。そのため、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を導入しても、機械的強度および柔軟性を兼ね備えた含フッ素共重合体フィルムを得ることはできない。
しかし、この知見に基づき、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を導入しようとしても、含フッ素単量体とヒドロキシアルケンとの共重合性が悪いため、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を充分に導入できない。そのため、含フッ素共重合体にヒドロキシアルケンに由来する単位を導入しても、機械的強度および柔軟性を兼ね備えた含フッ素共重合体フィルムを得ることはできない。
Macromolecules,2009年,第42巻,p.2321−2323
本発明は、耐候性を有し、かつ機械的強度および柔軟性を兼ね備えた含フッ素共重合体フィルムを提供する。
本発明は、以下[1]〜[8]の構成を有する含フッ素共重合体フィルムを提供する。
[1]下記単量体(a)に由来する単位と、下記単量体(b)に由来する単位と、下記単量体(c)に由来する単位および下記単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する含フッ素共重合体を含むフィルムであり、前記フィルムの25℃における引張破壊応力が、30MPa以上であり、前記フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率が、300MPa未満であることを特徴とする、含フッ素共重合体フィルム。
単量体(a):フルオロエチレン。
単量体(b):下式(1)で表される化合物。
CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH ・・・(1)
ただし、X11、X12およびX13は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、R1は、1個以上の水素原子が水酸基に置換されていてもよい2価の炭化水素基もしくは1個以上の水素原子またはフッ素原子が水酸基に置換されていてもよい2価のフルオロ炭化水素基、または前記炭化水素基もしくは前記フルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、aは、0または1であり、bは、0または1である。
単量体(c):下式(2)で表される化合物。
CX21X22=CX23−R2 ・・・(2)
ただし、X21、X22およびX23は、それぞれ水素原子またはメチル基であり、R2は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
単量体(d):下式(3)で表される化合物。
CX31X32=CX33−O−R3 ・・・(3)
ただし、X31、X32およびX33は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、
R3は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
[2]前記含フッ素共重合体が、下記単量体(e)に由来する単位をさらに有する、[1]の含フッ素共重合体フィルム。
単量体(e):エチレン。
[3]前記単量体(a)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、10〜90モル%であり、前記単量体(b)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、3〜40モル%であり、前記単量体(c)に由来する単位の割合と前記単量体(d)に由来する単位の割合との合計が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0.1〜40モル%であり、前記単量体(e)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0〜70モル%であり、前記単量体(b)に由来する単位の割合、前記単量体(c)に由来する単位および前記単量体(d)に由来する単位の割合の合計が、5モル%以上である、[1]または[2]の含フッ素共重合体フィルム。
[4]前記単量体(c)が、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、および下式(21)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−CnF2n+1 ・・・(21)
ただし、nは、1〜10の整数である。
[5]前記単量体(d)が、下式(31)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CF2=CF−O−R31・・・(31)
ただし、R31は、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
[6]前記単量体(b)が、下式(11)で表される化合物、下式(12)で表される化合物、下式(13)で表される化合物、下式(14)で表される化合物および下式(15)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−O−(C=O)b−(CH2)d−OH ・・・(11)
CH2=CH−(OCH2CH2)e−OH ・・・(12)
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)f−OH ・・・(13)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)g−OH ・・・(14)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)h−OH ・・・(15)
ただし、bは0または1であり、dは1〜20の整数であり、eは1〜10の整数であり、fは1〜10の整数であり、gは1〜9の整数であり、hは0〜9の整数である。
[7]前記含フッ素共重合体の230℃、2.16kg荷重でのメルトマスフローレートが、0.1〜1,000g/10分である、[1]〜[6]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
[8]膜構造施設用膜材である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
[1]下記単量体(a)に由来する単位と、下記単量体(b)に由来する単位と、下記単量体(c)に由来する単位および下記単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する含フッ素共重合体を含むフィルムであり、前記フィルムの25℃における引張破壊応力が、30MPa以上であり、前記フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率が、300MPa未満であることを特徴とする、含フッ素共重合体フィルム。
単量体(a):フルオロエチレン。
単量体(b):下式(1)で表される化合物。
CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH ・・・(1)
ただし、X11、X12およびX13は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、R1は、1個以上の水素原子が水酸基に置換されていてもよい2価の炭化水素基もしくは1個以上の水素原子またはフッ素原子が水酸基に置換されていてもよい2価のフルオロ炭化水素基、または前記炭化水素基もしくは前記フルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、aは、0または1であり、bは、0または1である。
単量体(c):下式(2)で表される化合物。
CX21X22=CX23−R2 ・・・(2)
ただし、X21、X22およびX23は、それぞれ水素原子またはメチル基であり、R2は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
単量体(d):下式(3)で表される化合物。
CX31X32=CX33−O−R3 ・・・(3)
ただし、X31、X32およびX33は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、
R3は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
[2]前記含フッ素共重合体が、下記単量体(e)に由来する単位をさらに有する、[1]の含フッ素共重合体フィルム。
単量体(e):エチレン。
[3]前記単量体(a)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、10〜90モル%であり、前記単量体(b)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、3〜40モル%であり、前記単量体(c)に由来する単位の割合と前記単量体(d)に由来する単位の割合との合計が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0.1〜40モル%であり、前記単量体(e)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0〜70モル%であり、前記単量体(b)に由来する単位の割合、前記単量体(c)に由来する単位および前記単量体(d)に由来する単位の割合の合計が、5モル%以上である、[1]または[2]の含フッ素共重合体フィルム。
[4]前記単量体(c)が、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、および下式(21)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−CnF2n+1 ・・・(21)
ただし、nは、1〜10の整数である。
[5]前記単量体(d)が、下式(31)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CF2=CF−O−R31・・・(31)
ただし、R31は、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
[6]前記単量体(b)が、下式(11)で表される化合物、下式(12)で表される化合物、下式(13)で表される化合物、下式(14)で表される化合物および下式(15)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−O−(C=O)b−(CH2)d−OH ・・・(11)
CH2=CH−(OCH2CH2)e−OH ・・・(12)
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)f−OH ・・・(13)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)g−OH ・・・(14)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)h−OH ・・・(15)
ただし、bは0または1であり、dは1〜20の整数であり、eは1〜10の整数であり、fは1〜10の整数であり、gは1〜9の整数であり、hは0〜9の整数である。
[7]前記含フッ素共重合体の230℃、2.16kg荷重でのメルトマスフローレートが、0.1〜1,000g/10分である、[1]〜[6]のいずれかの含フッ素共重合体フィルム。
[8]膜構造施設用膜材である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、耐候性を有し、かつ機械的強度および柔軟性を兼ね備える。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「含フッ素共重合体」とは、分子中にフッ素原子を有する共重合体を意味する。
「単量体」とは、炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物を意味する。
「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。
「フルオロエチレン」とは、エチレンの水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された化合物を意味する。フルオロエチレンは、フッ素原子以外のハロゲン原子を有していてもよい。
「フルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。
「フルオロアルキル基」とは、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。
「引張破壊応力」は、JIS K 7161:1994(ISO 5271:1993)にしたがい、25℃の条件で測定される。
「25℃における引張貯蔵弾性率」は、試験片の形状を幅:3mm、長さ:20mm、厚さ:100μmに変更した以外は、JIS K 7244:1998(ISO 6721:1994)にしたがい、周波数:0.05Hzの条件で測定された引張貯蔵弾性率における25℃の値である。
「メルトマスフローレート」は、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)にしたがい、230℃、2.16kg(21.18N)荷重の条件で測定される。
「全光線透過率」は、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)にしたがい測定される。
「含フッ素共重合体」とは、分子中にフッ素原子を有する共重合体を意味する。
「単量体」とは、炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物を意味する。
「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。
「フルオロエチレン」とは、エチレンの水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された化合物を意味する。フルオロエチレンは、フッ素原子以外のハロゲン原子を有していてもよい。
「フルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。
「フルオロアルキル基」とは、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を意味する。
「引張破壊応力」は、JIS K 7161:1994(ISO 5271:1993)にしたがい、25℃の条件で測定される。
「25℃における引張貯蔵弾性率」は、試験片の形状を幅:3mm、長さ:20mm、厚さ:100μmに変更した以外は、JIS K 7244:1998(ISO 6721:1994)にしたがい、周波数:0.05Hzの条件で測定された引張貯蔵弾性率における25℃の値である。
「メルトマスフローレート」は、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)にしたがい、230℃、2.16kg(21.18N)荷重の条件で測定される。
「全光線透過率」は、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)にしたがい測定される。
[含フッ素共重合体フィルム]
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、含フッ素共重合体(A)を含む。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、必要に応じて添加剤(B)を含んでいてもよい。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、含フッ素共重合体(A)を含む。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、必要に応じて添加剤(B)を含んでいてもよい。
(含フッ素共重合体(A))
含フッ素共重合体(A)は、下記単量体(a)に由来する単位と、下記単量体(b)に由来する単位と、単量体(c)に由来する単位および単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する。
含フッ素共重合体(A)は、必要に応じて単量体(e)に由来する単位をさらに有していてもよい。
含フッ素共重合体(A)は、必要に応じて単量体(f)に由来する単位をさらに有していてもよい。
含フッ素共重合体(A)は、下記単量体(a)に由来する単位と、下記単量体(b)に由来する単位と、単量体(c)に由来する単位および単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する。
含フッ素共重合体(A)は、必要に応じて単量体(e)に由来する単位をさらに有していてもよい。
含フッ素共重合体(A)は、必要に応じて単量体(f)に由来する単位をさらに有していてもよい。
<単量体(a)>
単量体(a)は、フルオロエチレンである。
含フッ素共重合体(A)が、単量体(a)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムが耐候性を有するものとなる。
単量体(a)は、フルオロエチレンである。
含フッ素共重合体(A)が、単量体(a)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムが耐候性を有するものとなる。
単量体(a)としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、1,1−ジクロロジフルオロエチレン、1,2−ジクロロジフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン等が挙げられる。
単量体(a)としては、耐侯性、汎用性、コスト等の点から、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニルが好ましい。
単量体(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<単量体(b)>
単量体(b)は、下式(1)で表される化合物である。
CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH ・・・(1)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(b)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムが機械的強度および柔軟性を兼ね備えたものとなる。
単量体(b)は、下式(1)で表される化合物である。
CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH ・・・(1)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(b)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムが機械的強度および柔軟性を兼ね備えたものとなる。
X11、X12およびX13は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子である。X11、X12およびX13としては、単量体(a)との共重合性がよい点から、水素原子またはフッ素原子が好ましく、コストおよび汎用性の点から、水素原子がより好ましい。
R1は、1個以上の水素原子が水酸基に置換されていてもよい2価の炭化水素基もしくは1個以上の水素原子またはフッ素原子が水酸基に置換されていてもよい2価のフルオロ炭化水素基、または前記炭化水素基もしくは前記フルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。エーテル性酸素原子は1個であっても複数個であってもよい。
2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基等が挙げられる。
2価のフルオロ炭化水素基としては、フルオロアルキレン基等が挙げられる。
2価の炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基としては、複数のアルキレン基の間が酸素原子によって連結された基、複数のアルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基の間が酸素原子によって連結された基等が挙げられる。
2価のフルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基としては、複数のフルオロアルキレン基の間が酸素原子によって連結された基等が挙げられる。
R1としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、水酸基を任意の割合で導入できる点から、炭素数1〜30のアルキレン基もしくは炭素数1〜20のフルオロアルキレン基が好ましく、コストおよび汎用性の点から、炭素数2〜18のアルキレン基が特に好ましい。
2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基等が挙げられる。
2価のフルオロ炭化水素基としては、フルオロアルキレン基等が挙げられる。
2価の炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基としては、複数のアルキレン基の間が酸素原子によって連結された基、複数のアルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基の間が酸素原子によって連結された基等が挙げられる。
2価のフルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基としては、複数のフルオロアルキレン基の間が酸素原子によって連結された基等が挙げられる。
R1としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、水酸基を任意の割合で導入できる点から、炭素数1〜30のアルキレン基もしくは炭素数1〜20のフルオロアルキレン基が好ましく、コストおよび汎用性の点から、炭素数2〜18のアルキレン基が特に好ましい。
aは、0または1である。aとしては、コストおよび汎用性の点から、1が好ましい。
bは、0または1である。
bは、0または1である。
単量体(b)としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、含フッ素共重合体フィルムの引張破壊応力を向上させる水酸基を任意の割合で導入できる点から、下式(11)〜(15)で表される化合物が好ましい。
CH2=CH−O−(C=O)b−(CH2)d−OH ・・・(11)
CH2=CH−(OCH2CH2)e−OH ・・・(12)
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)f−OH ・・・(13)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)g−OH ・・・(14)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)h−OH ・・・(15)
ただし、bは0または1であり、dは1〜20の整数であり、eは1〜10の整数であり、fは1〜10の整数であり、gは1〜9の整数であり、hは0〜9の整数である。
dは1〜10の整数が好ましく、2〜8の整数が特に好ましい。eは1〜8の整数が好ましく、1〜6の整数が特に好ましい。fは1〜8の整数が好ましく、1〜6の整数が特に好ましい。gは1〜7の整数が好ましく、1〜5の整数が特に好ましい。hは0〜7の整数が好ましく、0〜5の整数が特に好ましい。
CH2=CH−O−(C=O)b−(CH2)d−OH ・・・(11)
CH2=CH−(OCH2CH2)e−OH ・・・(12)
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)f−OH ・・・(13)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)g−OH ・・・(14)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)h−OH ・・・(15)
ただし、bは0または1であり、dは1〜20の整数であり、eは1〜10の整数であり、fは1〜10の整数であり、gは1〜9の整数であり、hは0〜9の整数である。
dは1〜10の整数が好ましく、2〜8の整数が特に好ましい。eは1〜8の整数が好ましく、1〜6の整数が特に好ましい。fは1〜8の整数が好ましく、1〜6の整数が特に好ましい。gは1〜7の整数が好ましく、1〜5の整数が特に好ましい。hは0〜7の整数が好ましく、0〜5の整数が特に好ましい。
式(11)で表される化合物としては、コストおよび汎用性の点から、下記化合物が好ましい。
CH2=CH−O−(CH2)2−OH、
CH2=CH−O−(CH2)4−OH、
CH2=CH−O−(CH2)8−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CH2)2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CH2)8−OH。
CH2=CH−O−(CH2)2−OH、
CH2=CH−O−(CH2)4−OH、
CH2=CH−O−(CH2)8−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CH2)2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CH2)8−OH。
式(12)で表される化合物としては、コストおよび汎用性の点から、下記化合物が好ましい。
CH2=CH−(OCH2CH2)2−OH、
CH2=CH−(OCH2CH2)6−OH。
CH2=CH−(OCH2CH2)2−OH、
CH2=CH−(OCH2CH2)6−OH。
式(13)で表される化合物としては、コストおよび汎用性の点から、下記化合物が好ましい。
CH2=CH−OCH2C6H10CH2−OH、
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)6−OH。
CH2=CH−OCH2C6H10CH2−OH、
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)6−OH。
式(14)で表される化合物としては、コストおよび汎用性の点から、下記化合物が好ましい。
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)5−OH。
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)5−OH。
式(15)で表される化合物としては、コストおよび汎用性の点から、下記化合物が好ましい。
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)5−OH。
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)5−OH。
単量体(b)としては、式(11)〜(15)で表される化合物以外に下記の化合物が挙げられる。
CH2=CH−OH、
CH2=CF−OH、
CHF=CF−OH、
CF2=CF−OH、
CH2=CF−O−(CH2)k−OH、
CHF=CF−O−(CH2)k−OH、
CF2=CF−O−(CH2)k−OH、
CH2=CH−O−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CHF=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CF2=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CHF=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CF2=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CHF=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CF2=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CH2=CH−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CH2=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CHF=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CF2=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CH2=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CHF=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CF2=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH。
kの好ましい範囲はdと同じである。mの好ましい範囲はeと同じである。pの好ましい範囲はfと同じである。qの好ましい範囲はgと同じである。rの好ましい範囲はhと同じである。
単量体(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
CH2=CH−OH、
CH2=CF−OH、
CHF=CF−OH、
CF2=CF−OH、
CH2=CF−O−(CH2)k−OH、
CHF=CF−O−(CH2)k−OH、
CF2=CF−O−(CH2)k−OH、
CH2=CH−O−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CHF=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CF2=CF−O−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−(CH2)k−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CHF=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CF2=CF−O−C(=O)−(CF2)k−CH2OH、
CH2=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CHF=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CF2=CF−(OCH2CH2)m−OH、
CH2=CH−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CH2=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CHF=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CF2=CF−(OCF2CF2)m−CH2OH、
CH2=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CHF=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CF2=CF−(OCH2C6H10CH2)p−OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)q−OH、
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2CH2(OCF2CF2)q−CH2OH、
CH2=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH、
CHF=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH、
CF2=CF−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)r−OH。
kの好ましい範囲はdと同じである。mの好ましい範囲はeと同じである。pの好ましい範囲はfと同じである。qの好ましい範囲はgと同じである。rの好ましい範囲はhと同じである。
単量体(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<単量体(c)>
単量体(c)は、下式(2)で表される化合物である。
CX21X22=CX23−R2 ・・・(2)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(c)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
単量体(c)は、下式(2)で表される化合物である。
CX21X22=CX23−R2 ・・・(2)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(c)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
X21、X22およびX23は、それぞれ水素原子またはメチル基である。X21、X22およびX23としては、単量体(a)との共重合性に優れる点から、水素原子が好ましい。
R2は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。R2としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、含フッ素共重合体フィルムを柔軟にする効果が高い点から、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数1〜10のフルオロアルキル基が好ましく、含フッ素共重合体フィルムの耐候性により優れる点から、炭素数1〜10のフルオロアルキル基が特に好ましい。
単量体(c)としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、含フッ素共重合体フィルムの引張貯蔵弾性率を下げて柔軟にする効果が高い点から、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、および下式(21)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
CH2=CH−CnF2n+1 ・・・(21)
ただし、nは、1〜10の整数である。
CH2=CH−CnF2n+1 ・・・(21)
ただし、nは、1〜10の整数である。
式(21)で表される化合物としては、下記化合物が挙げられる。
CH2=CH−CF3、
CH2=CH−CF2CF3、
CH2=CH−(CF2)3CF3、
CH2=CH−(CF2)5CF3、
CH2=CH−(CF2)9CF3。
単量体(c)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
CH2=CH−CF3、
CH2=CH−CF2CF3、
CH2=CH−(CF2)3CF3、
CH2=CH−(CF2)5CF3、
CH2=CH−(CF2)9CF3。
単量体(c)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<単量体(d)>
単量体(d)は、下式(3)で表される化合物である。
CX31X32=CX33−O−R3 ・・・ (3)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(d)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
単量体(d)は、下式(3)で表される化合物である。
CX31X32=CX33−O−R3 ・・・ (3)
含フッ素共重合体(A)が、単量体(d)に由来する単位を有することによって、本発明の含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
X31、X32およびX33は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子である。X31、X32およびX33としては、単量体(a)との共重合性に優れ、かつ、含フッ素共重合体フィルムの耐侯性がより高くなる点から、ハロゲン原子が特に好ましい。
R3は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。R3としては、単量体(a)との共重合性に優れ、かつ、含フッ素共重合体フィルムの耐侯性がより高くなる点から、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基が好ましい。
単量体(d)としては、単量体(a)との共重合性に優れ、また、含フッ素共重合体フィルムの引張貯蔵弾性率を下げて柔軟にする効果が高い点から、下式(31)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
CF2=CF−O−R31 ・・・(31)
ただし、R31は、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素を有する基である。
CF2=CF−O−R31 ・・・(31)
ただし、R31は、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素を有する基である。
式(31)で表される化合物としては、下記化合物が挙げられる。
CF2=CF−O−CF3、
CF2=CF−O−(CF2)2CF3、
CF2=CF−O−(CF2)6CF3、
CF2=CF−O−CF2OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2)2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2)8OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2)2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2)6OC3F7、
CF2=CF−O−CF2CF2CF2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)6OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2CF2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)3OC3F7、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))6OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))8OC3F7。
単量体(d)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(c)と単量体(d)は、単独で用いてもよく、併用してもよい。
CF2=CF−O−CF3、
CF2=CF−O−(CF2)2CF3、
CF2=CF−O−(CF2)6CF3、
CF2=CF−O−CF2OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2)2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2)8OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2)2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2)6OC3F7、
CF2=CF−O−CF2CF2CF2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)6OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF2CF2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF2CF2)3OC3F7、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))2OCF3、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))6OCF3、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))2OC3F7、
CF2=CF−(OCF2CF(CF3))8OC3F7。
単量体(d)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(c)と単量体(d)は、単独で用いてもよく、併用してもよい。
<単量体(e)>
単量体(e)は、エチレンである。
含フッ素共重合体(A)が、単量体(e)に由来する単位を有することによって、含フッ素共重合体(A)の成形性が優れる。
単量体(e)は、エチレンである。
含フッ素共重合体(A)が、単量体(e)に由来する単位を有することによって、含フッ素共重合体(A)の成形性が優れる。
<単量体(f)>
単量体(f)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)および単量体(e)以外の他の単量体である。
単量体(f)としては、ハロゲン化オレフィン(ただし、単量体(a)および単量体(c)を除く。)、(メタ)アクリレート、含フッ素(メタ)アクリレート、ビニルエステル誘導体(酢酸ビニル等)、スチレン、アクリロニトリル、ノルボルネン誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ノルボルネン酸無水物、ジビニル化合物、ジビニルエーテル化合物等が挙げられる。
単量体(f)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)および単量体(e)以外の他の単量体である。
単量体(f)としては、ハロゲン化オレフィン(ただし、単量体(a)および単量体(c)を除く。)、(メタ)アクリレート、含フッ素(メタ)アクリレート、ビニルエステル誘導体(酢酸ビニル等)、スチレン、アクリロニトリル、ノルボルネン誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ノルボルネン酸無水物、ジビニル化合物、ジビニルエーテル化合物等が挙げられる。
<各単量体に由来する単位の割合>
単量体(a)に由来する単位の割合は、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%が特に好ましい。単量体(a)に由来する単位の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの耐候性がさらに優れる。単量体(a)に由来する単位の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
単量体(a)に由来する単位の割合は、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%が特に好ましい。単量体(a)に由来する単位の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの耐候性がさらに優れる。単量体(a)に由来する単位の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
単量体(b)に由来する単位の割合は、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、3〜40モル%が好ましく、5〜30モル%が特に好ましい。単量体(b)に由来する単位の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度および柔軟性がさらに優れる。単量体(b)に由来する単位の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性が適度なものとなる。
単量体(c)に由来する単位の割合と単量体(d)に由来する単位の割合との合計は、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、0.1〜40モル%が好ましく、5〜30モル%が特に好ましい。単量体(c)に由来する単位の割合と単量体(d)に由来する単位の割合との合計が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。単量体(c)に由来する単位の割合と単量体(d)に由来する単位の割合との合計が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性が適度なものとなる。
単量体(b)に由来する単位の割合、単量体(c)に由来する単位の割合および単量体(d)に由来する単位の割合の合計は、5モル%以上が好ましく、8モル%以上が特に好ましい。単量体(b)に由来する単位の割合、単量体(c)に由来する単位の割合および単量体(d)に由来する単位の割合の合計が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性がさらに優れる。
単量体(e)に由来する単位の割合が、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、0〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。単量体(d)に由来する単位の割合が10モル%以上であれば、含フッ素共重合体(A)の成形性がさらに優れる。単量体(e)に由来する単位の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの耐候性の低下が抑えられる。
単量体(f)に由来する単位の割合は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、含フッ素共重合体(A)を構成する全単位(100モル%)のうち、0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%が特に好ましい。
本発明における最も好ましい含フッ素共重合体(A)は、下記の単量体に由来する単位の組み合わせである。
<組み合わせ1>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(c)に由来する単位:プロピレンに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<組み合わせ2>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(c)に由来する単位:CH2=CH−(CF2)3CF3またはCH2=CH−(CF2)5CF3に由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<組み合わせ3>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(d)に由来する単位:CF2=CF−OCF3またはCF2=CF−O(CF2)2CF3に由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<組み合わせ1>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(c)に由来する単位:プロピレンに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<組み合わせ2>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(c)に由来する単位:CH2=CH−(CF2)3CF3またはCH2=CH−(CF2)5CF3に由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<組み合わせ3>
単量体(a)に由来する単位:テトラフルオロエチレンに由来する単位の20〜60モル%、
単量体(b)に由来する単位:CH2=CH−O−(CH2)2−OH、CH2=CH−O−(CH2)4−OH、CH2=CH−(OCH2CH2)2−OHまたはCH2=CH−O−CH2C6H10CH2−OHに由来する単位の5〜30モル%、
単量体(d)に由来する単位:CF2=CF−OCF3またはCF2=CF−O(CF2)2CF3に由来する単位の5〜30モル%、
単量体(e)に由来する単位:エチレンに由来する単位の20〜50モル%。
<含フッ素共重合体(A)のメルトマスフローレート>
含フッ素共重合体(A)のメルトマスフローレートは、0.1〜1,000g/10分が好ましく、1〜500g/10分が特に好ましい。メルトマスフローレートが前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体(A)が成形加工性に優れる。メルトマスフローレートが前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度に優れる。
含フッ素共重合体(A)のメルトマスフローレートは、0.1〜1,000g/10分が好ましく、1〜500g/10分が特に好ましい。メルトマスフローレートが前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体(A)が成形加工性に優れる。メルトマスフローレートが前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度に優れる。
<含フッ素共重合体(A)の製造方法>
含フッ素共重合体(A)は、単量体(a)および単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)、必要に応じて単量体(e)、単量体(f)を重合することによって製造できる。
重合法としては、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等が挙げられ、得られる含フッ素共重合体フィルムの透明性に優れる点から、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法は、通常、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、重合媒体中で前記単量体を重合させることによって行われる。
含フッ素共重合体(A)は、単量体(a)および単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)、必要に応じて単量体(e)、単量体(f)を重合することによって製造できる。
重合法としては、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等が挙げられ、得られる含フッ素共重合体フィルムの透明性に優れる点から、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法は、通常、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、重合媒体中で前記単量体を重合させることによって行われる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)、非フッ素系ジアシルペルオキシド(イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等)、ペルオキシジカーボネート(ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等)、ペルオキシエステル(tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシアセテート等)、含フッ素ジアシルペルオキシド((Z(CF2)sCOO)2(ただし、Zは、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、sは、1〜10の整数である。)で表される化合物等)、無機過酸化物(過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等)等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、アルコール化合物類(メタノール、エタノール等)、クロロフルオロハイドロカーボン化合物類(1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等)、ハイドロカーボン化合物類(ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等)等が挙げられる。
連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合媒体としては、ペルフルオロカーボン化合物類、ヒドロフルオカーボン化合物類(以下、HFCとも記す。)およびヒドロフルオロアルキルエーテル化合物類(以下、HFEとも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これら重合媒体は、塩素原子を有しておらず、環境保全の側面で優れる。溶液重合法の場合、重合媒体としては、連鎖移動係数の小さな化合物が好ましい。
重合媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合媒体としては、HFC、HFEが好ましく、CF3(CF2)5H、CF3CH2OCF2CF2H、CF3(CF2)3CH2CH3がより好ましく、連鎖移動係数が小さい点、沸点が低く重合後の回収が容易な点、含フッ素単量体を溶解しやすい点等から、CF3(CF2)5H、CF3CH2OCF2CF2Hが特に好ましい。
各単量体は、重合槽に一括で仕込んでもよく、連続的または断続的に仕込んでもよい。反応系内の単量体の濃度を一定にして、生成する含フッ素共重合体の組成を均一化させる点からは、単量体を連続的に添加して連続的に反応させることが好ましい。
重合温度は、0℃〜100℃が好ましく、20〜90℃が特に好ましい。
重合圧力は、0.1〜10MPa(ゲージ圧)が好ましく、0.5〜3MPa(ゲージ圧)が特に好ましい。
重合時間は、1〜30時間が好ましい。
重合温度は、0℃〜100℃が好ましく、20〜90℃が特に好ましい。
重合圧力は、0.1〜10MPa(ゲージ圧)が好ましく、0.5〜3MPa(ゲージ圧)が特に好ましい。
重合時間は、1〜30時間が好ましい。
(添加剤(B))
添加剤(B)としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、難燃剤、難燃フィラー、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。
添加剤(B)の含有量は、本発明の含フッ素共重合体フィルム(100質量%)のうち、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
添加剤(B)としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、難燃剤、難燃フィラー、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。
添加剤(B)の含有量は、本発明の含フッ素共重合体フィルム(100質量%)のうち、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
(含フッ素共重合体フィルムの各特性)
本発明の含フッ素共重合体フィルムの引張破壊応力は、30MPa以上であり、35MPa以上が好ましい。引張破壊応力が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度が優れる。引張破壊応力は高ければ高いほどよく、引張破壊応力の上限値は特に限定はされない。
本発明の含フッ素共重合体フィルムの引張破壊応力は、30MPa以上であり、35MPa以上が好ましい。引張破壊応力が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体フィルムの機械的強度が優れる。引張破壊応力は高ければ高いほどよく、引張破壊応力の上限値は特に限定はされない。
本発明の含フッ素共重合体フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率は、300MPa未満であり、200MPa以下が好ましい。引張貯蔵弾性率が前記上限値以下であれば、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性に優れる。本発明の含フッ素共重合体フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率は、含フッ素共重合体フィルムの柔軟性を適度なものとする点からは、10MPa以上が好ましい。
本発明の含フッ素共重合体フィルムの全光線透過率は、農業用フィルムとして用いる場合、80%以上が好ましく、85%以上が特に好ましい。
(含フッ素共重合体フィルムの製造方法)
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、含フッ素共重合体(A)、必要に応じて添加剤(B)を含む組成物を公知の成形法によって成形することによって製造できる。
成形法としては、インフレーション法、押出成形法、溶液流延法、カレンダー成形法等が挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、含フッ素共重合体(A)、必要に応じて添加剤(B)を含む組成物を公知の成形法によって成形することによって製造できる。
成形法としては、インフレーション法、押出成形法、溶液流延法、カレンダー成形法等が挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体フィルムの厚さは、10〜300μmが好ましく、20〜200μmが特に好ましい。含フッ素共重合体フィルムの厚さが前記下限値以上であれば、機械的強度がさらに優れる。含フッ素共重合体フィルムの厚さが前記上限値以下であれば、透明性に優れ、また、柔軟性がさらに優れる。
(作用機序)
以上説明した本発明の含フッ素共重合体フィルムにあっては、含フッ素共重合体(A)が単量体(a)に由来する単位する単位を有する、すなわちフッ素原子を有するため、耐候性を有する。
また、含フッ素共重合体(A)が単量体(b)に由来する単位を有するため、機械的強度および柔軟性を兼ね備えたものとなる。すなわち、単量体(b)に由来する単位における水酸基がイオン結合で会合したり、イオン架橋を形成したりすることによって、機械的強度(特に引張破壊応力)が高くなる。また、単量体(b)に由来する単位における側基(−[O−(C(=O))b−R1]a−OH)よって含フッ素共重合体(A)の結晶性が崩れるため、含フッ素共重合体フィルムの引張貯蔵弾性率が低下し、その結果、含フッ素共重合体フィルムが柔軟になる。そして、単量体(b)であるビニルエーテルやビニルエステルは、単量体(a)との共重合性に優れるため、含フッ素共重合体(A)に単量体(b)に由来する単位を充分に導入でき、その結果、単量体(b)に由来する単位による機械的強度および柔軟性を充分に発揮できる。
以上説明した本発明の含フッ素共重合体フィルムにあっては、含フッ素共重合体(A)が単量体(a)に由来する単位する単位を有する、すなわちフッ素原子を有するため、耐候性を有する。
また、含フッ素共重合体(A)が単量体(b)に由来する単位を有するため、機械的強度および柔軟性を兼ね備えたものとなる。すなわち、単量体(b)に由来する単位における水酸基がイオン結合で会合したり、イオン架橋を形成したりすることによって、機械的強度(特に引張破壊応力)が高くなる。また、単量体(b)に由来する単位における側基(−[O−(C(=O))b−R1]a−OH)よって含フッ素共重合体(A)の結晶性が崩れるため、含フッ素共重合体フィルムの引張貯蔵弾性率が低下し、その結果、含フッ素共重合体フィルムが柔軟になる。そして、単量体(b)であるビニルエーテルやビニルエステルは、単量体(a)との共重合性に優れるため、含フッ素共重合体(A)に単量体(b)に由来する単位を充分に導入でき、その結果、単量体(b)に由来する単位による機械的強度および柔軟性を充分に発揮できる。
また、含フッ素共重合体(A)が単量体(c)に由来する単位および単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方を有するため、柔軟性がさらに優れる。すなわち、単量体(c)に由来する単位および単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方によって含フッ素共重合体(A)の結晶性がさらに崩れるため、含フッ素共重合体フィルムの引張貯蔵弾性率がさらに低下し、その結果、含フッ素共重合体フィルムがさらに柔軟になる。
また、含フッ素共重合体(A)が単量体(e)に由来する単位を有する場合、含フッ素共重合体(A)の成形性が優れる。
また、含フッ素共重合体(A)が単量体(e)に由来する単位を有する場合、含フッ素共重合体(A)の成形性が優れる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜2は実施例であり、例3〜9は比較例である。
例1〜2は実施例であり、例3〜9は比較例である。
[物性および評価]
(各単量体に由来する単位の割合)
含フッ素共重合体を100℃でシクロヘキサノンに溶解させたサンプルについて、内部標準として2,3,4−トリクロロベンゾトリフルオリドを用い、19F−NMRを測定した。また、含フッ素共重合体を100℃でペンタフルオロベンゾニトリルに溶解させたサンプルについて、内部標準としてフェノールを用い、1H−NMRを測定した。19F−NMRおよび1H−NMRの測定結果から、含フッ素共重合体における各単量体に由来する単位の割合を求めた。
(各単量体に由来する単位の割合)
含フッ素共重合体を100℃でシクロヘキサノンに溶解させたサンプルについて、内部標準として2,3,4−トリクロロベンゾトリフルオリドを用い、19F−NMRを測定した。また、含フッ素共重合体を100℃でペンタフルオロベンゾニトリルに溶解させたサンプルについて、内部標準としてフェノールを用い、1H−NMRを測定した。19F−NMRおよび1H−NMRの測定結果から、含フッ素共重合体における各単量体に由来する単位の割合を求めた。
(含フッ素共重合体のメルトマスフローレート)
メルトインデクサ(立山科学工業社製、L246、ダイ内径:2.1mm、ダイ長さ:8.0mm)を用いて、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)にしたがい、条件M、A法にて測定した。条件Mは、230℃、2.16kg荷重で試験を行う条件である。A法は、ある一定時間t(秒)内にシリンダーより押し出される試料の質量m(kg)と、基準時間tref(600秒)とを用いて下式からMFRを求める方法である。
MFR(試験温度、公称荷重)=tref×m/t
メルトインデクサ(立山科学工業社製、L246、ダイ内径:2.1mm、ダイ長さ:8.0mm)を用いて、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)にしたがい、条件M、A法にて測定した。条件Mは、230℃、2.16kg荷重で試験を行う条件である。A法は、ある一定時間t(秒)内にシリンダーより押し出される試料の質量m(kg)と、基準時間tref(600秒)とを用いて下式からMFRを求める方法である。
MFR(試験温度、公称荷重)=tref×m/t
(含フッ素共重合体フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率)
含フッ素共重合体を150℃で熱プレスし、厚さ100μmのフィルムを作製した。フィルムから幅:3mm、長さ:20mmの試験片を切り出し、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、EXSTAR TMA/SS7100にセットした。試験片の形状が異なる以外はJIS K 7244:1998(ISO 6721:1994)にしたがって引張貯蔵弾性率を求めた。具体的には、−50℃から60℃まで温度を変化させながら振動荷重(荷重:150mN、振幅:50mN、周波数:0.05Hz)を与え、その変位を測定することによって動的粘弾性測定を行った。引張貯蔵弾性率は、下式から求めた。
引張貯蔵弾性率(MPa)=(ひずみ0.25%時の応力(MPa)−ひずみ0.05%時の応力(MPa))/(0.0025−0.0005)
25℃における引張貯蔵弾性率を採用した。
含フッ素共重合体を150℃で熱プレスし、厚さ100μmのフィルムを作製した。フィルムから幅:3mm、長さ:20mmの試験片を切り出し、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、EXSTAR TMA/SS7100にセットした。試験片の形状が異なる以外はJIS K 7244:1998(ISO 6721:1994)にしたがって引張貯蔵弾性率を求めた。具体的には、−50℃から60℃まで温度を変化させながら振動荷重(荷重:150mN、振幅:50mN、周波数:0.05Hz)を与え、その変位を測定することによって動的粘弾性測定を行った。引張貯蔵弾性率は、下式から求めた。
引張貯蔵弾性率(MPa)=(ひずみ0.25%時の応力(MPa)−ひずみ0.05%時の応力(MPa))/(0.0025−0.0005)
25℃における引張貯蔵弾性率を採用した。
(含フッ素共重合体フィルムの25℃における引張破壊応力)
含フッ素共重合体を150℃で熱プレスし、厚さ100μmのフィルムを作製した。フィルムからダンベルカッター(ダンベル社製、SDMK10101)を用いて試験片を作製した。試験片について、テンシロン(オリエンテック社製、RTC−1210)を用い、JIS K 7161:1994(ISO 5271:1993)にしたがい25℃にて引張破壊応力を測定した。具体的には、25℃にて試験片に10mm/分の速度で変位を与え、その際の応力を記録し、試験片が破断した際の応力を引張破壊応力とした。N数(試験片数)=3の平均値を引張破壊応力とした。
含フッ素共重合体を150℃で熱プレスし、厚さ100μmのフィルムを作製した。フィルムからダンベルカッター(ダンベル社製、SDMK10101)を用いて試験片を作製した。試験片について、テンシロン(オリエンテック社製、RTC−1210)を用い、JIS K 7161:1994(ISO 5271:1993)にしたがい25℃にて引張破壊応力を測定した。具体的には、25℃にて試験片に10mm/分の速度で変位を与え、その際の応力を記録し、試験片が破断した際の応力を引張破壊応力とした。N数(試験片数)=3の平均値を引張破壊応力とした。
(含フッ素共重合体フィルムの耐候性)
促進耐候性試験機(岩崎電気社製、アイ スーパーUVテスター SUV−W231)を用いて1,000時間照射したフィルムの25℃における引張破壊応力と、照射前のフィルムの25℃における引張破壊応力とを比較し、下記の基準で評価した。
〇(良好):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力>0.9
△(可):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力>0.7
×(不良):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力≦0.7
促進耐候性試験機(岩崎電気社製、アイ スーパーUVテスター SUV−W231)を用いて1,000時間照射したフィルムの25℃における引張破壊応力と、照射前のフィルムの25℃における引張破壊応力とを比較し、下記の基準で評価した。
〇(良好):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力>0.9
△(可):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力>0.7
×(不良):照射後引張破壊応力/照射前引張破壊応力≦0.7
(含フッ素共重合体フィルムの全光線透過率)
ヘーズメータ(東洋精機社製、BYKガードナー・ヘイズ−ガード プラス)を用い、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)にしたがいD光源にて含フッ素共重合体フィルムの全光線透過率を測定した。
ヘーズメータ(東洋精機社製、BYKガードナー・ヘイズ−ガード プラス)を用い、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)にしたがいD光源にて含フッ素共重合体フィルムの全光線透過率を測定した。
[略号]
(単量体(a))
TFE:テトラフルオロエチレン、
VdF:フッ化ビニリデン。
(単量体(b))
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(CH2=CH−O−(CH2)4−OH)。
(単量体(c))
P:プロピレン(CH2=CH−CH3)、
PFBE:(ペルフルオロブチル)エチレン(CH2=CH−(CF2)3CF3)。
(単量体(d))
PPVE:ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CF−O−(CF2)2CF3)、
PAVE:CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF3、
TFVPE:トリフルオロビニルプロピルエーテル(CF2=CF−O−(CH2)2CH3)、
TFVHE:トリフルオロビニルヘキシルエーテル(CF2=CF−O−(CH2)5CH3)。
(単量体(e))
E:エチレン。
(単量体(a))
TFE:テトラフルオロエチレン、
VdF:フッ化ビニリデン。
(単量体(b))
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(CH2=CH−O−(CH2)4−OH)。
(単量体(c))
P:プロピレン(CH2=CH−CH3)、
PFBE:(ペルフルオロブチル)エチレン(CH2=CH−(CF2)3CF3)。
(単量体(d))
PPVE:ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CF−O−(CF2)2CF3)、
PAVE:CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF3、
TFVPE:トリフルオロビニルプロピルエーテル(CF2=CF−O−(CH2)2CH3)、
TFVHE:トリフルオロビニルヘキシルエーテル(CF2=CF−O−(CH2)5CH3)。
(単量体(e))
E:エチレン。
(ラジカル重合開始剤)
IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート。
(重合媒体)
HFC−52−13p:トリデカフルオロヘキサン(CF3(CF2)5H)、
HFE−347pc−f:CF3CH2OCF2CF2H。
IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート。
(重合媒体)
HFC−52−13p:トリデカフルオロヘキサン(CF3(CF2)5H)、
HFE−347pc−f:CF3CH2OCF2CF2H。
[例1]
脱気した撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブに、HFC−52−13pの653.6g、HFE−347pc−fの163.4g、HBVEの13.9g、IPPの0.2gを導入し、凍結脱気を1度行った。解凍後、オートクレーブに、TFEの165.0g、Eの29.4g、Pの7.6gを導入し、1分間に500回転で撹拌しながら50℃に昇温し、重合を開始した。この時の圧力は2.46MPa(ゲージ圧)であった。3.5時間後、圧力が2.43MPa(ゲージ圧)となった時点で20℃以下まで冷却し、オートクレーブ内の単量体をパージし、反応を停止させた。重合媒体を蒸発させ、含フッ素共重合体をイオン交換水にて充分洗浄し、100℃で12時間真空乾燥させることによって、白色の含フッ素共重合体の8.0gを得た。結果を表1に示す。
脱気した撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブに、HFC−52−13pの653.6g、HFE−347pc−fの163.4g、HBVEの13.9g、IPPの0.2gを導入し、凍結脱気を1度行った。解凍後、オートクレーブに、TFEの165.0g、Eの29.4g、Pの7.6gを導入し、1分間に500回転で撹拌しながら50℃に昇温し、重合を開始した。この時の圧力は2.46MPa(ゲージ圧)であった。3.5時間後、圧力が2.43MPa(ゲージ圧)となった時点で20℃以下まで冷却し、オートクレーブ内の単量体をパージし、反応を停止させた。重合媒体を蒸発させ、含フッ素共重合体をイオン交換水にて充分洗浄し、100℃で12時間真空乾燥させることによって、白色の含フッ素共重合体の8.0gを得た。結果を表1に示す。
[例2]
脱気した撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブに、HFC−52−13pの653.6g、HFE−347pc−fの163.4g、メタノールの12.3g、HBVEの13.9g、IPPの0.2gを導入し、凍結脱気を1度行った。解凍後、オートクレーブに、TFEの105.0g、Eの37.8g、Pの20.2gを導入し、1分間に500回転で撹拌しながら50℃に昇温し、重合を開始した。この時の圧力は2.67MPa(ゲージ圧)であった。4時間後、圧力が2.61MPa(ゲージ圧)となった時点で20℃以下まで冷却し、オートクレーブ内の単量体をパージし、反応を停止させた。重合媒体を蒸発させ、含フッ素共重合体をイオン交換水にて充分洗浄し、100℃12時間真空乾燥させることによって、白色の含フッ素共重合体の5.5gを得た。結果を表1に示す。
脱気した撹拌機付きの内容積1Lのステンレス製オートクレーブに、HFC−52−13pの653.6g、HFE−347pc−fの163.4g、メタノールの12.3g、HBVEの13.9g、IPPの0.2gを導入し、凍結脱気を1度行った。解凍後、オートクレーブに、TFEの105.0g、Eの37.8g、Pの20.2gを導入し、1分間に500回転で撹拌しながら50℃に昇温し、重合を開始した。この時の圧力は2.67MPa(ゲージ圧)であった。4時間後、圧力が2.61MPa(ゲージ圧)となった時点で20℃以下まで冷却し、オートクレーブ内の単量体をパージし、反応を停止させた。重合媒体を蒸発させ、含フッ素共重合体をイオン交換水にて充分洗浄し、100℃12時間真空乾燥させることによって、白色の含フッ素共重合体の5.5gを得た。結果を表1に示す。
[例3〜9]
下記に記載の方法にしたがって、含フッ素重合体を得た。結果を表1に示す。
例3:特許文献2の比較例2、
例4:特許文献2の実施例1、
例5:特許文献2の実施例2、
例6:特許文献4の例1、
例7;特許文献4の例7、
例8:特許文献4の例5、
例9:特許文献3の例2。
下記に記載の方法にしたがって、含フッ素重合体を得た。結果を表1に示す。
例3:特許文献2の比較例2、
例4:特許文献2の実施例1、
例5:特許文献2の実施例2、
例6:特許文献4の例1、
例7;特許文献4の例7、
例8:特許文献4の例5、
例9:特許文献3の例2。
実施例における含フッ素共重合体フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率と25℃における引張破壊応力との関係を図1に示す。
従来の含フッ素共重合体フィルム(例3〜9)のうち、柔軟性の高い(引張貯蔵弾性率が300MPa未満である)含フッ素共重合体フィルムは、機械的強度が低かった(引張破壊応力が30MPa未満であった)。逆に、機械的強度が高い(引張破壊応力が30MPa以上である)含フッ素共重合体フィルムは、柔軟性が低かった(引張貯蔵弾性率が300MPa以上であった)。
一方、本発明の含フッ素共重合体フィルム(例1、2)は、引張貯蔵弾性率が約125MPaと柔軟性が高いにも関わらず、引張破壊応力が30MPa以上と高い機械的強度を有していた。
従来の含フッ素共重合体フィルム(例3〜9)のうち、柔軟性の高い(引張貯蔵弾性率が300MPa未満である)含フッ素共重合体フィルムは、機械的強度が低かった(引張破壊応力が30MPa未満であった)。逆に、機械的強度が高い(引張破壊応力が30MPa以上である)含フッ素共重合体フィルムは、柔軟性が低かった(引張貯蔵弾性率が300MPa以上であった)。
一方、本発明の含フッ素共重合体フィルム(例1、2)は、引張貯蔵弾性率が約125MPaと柔軟性が高いにも関わらず、引張破壊応力が30MPa以上と高い機械的強度を有していた。
本発明の含フッ素共重合体フィルムは、膜構造施設(スポーツ施設(プール、体育館、テニスコート、サッカー場等)、倉庫、集会場、展示場、園芸施設(園芸ハウス、農業用ハウス等)等)における膜材(屋根材、外壁材等)として有用である。農業用ハウスの膜材として用いる場合、含フッ素共重合体フィルムの片面または両面、特に農業用ハウスの屋内側の表面には、流滴剤を塗工してもよい。
Claims (8)
- 下記単量体(a)に由来する単位と、下記単量体(b)に由来する単位と、下記単量体(c)に由来する単位および下記単量体(d)に由来する単位のいずれか一方または両方とを有する含フッ素共重合体を含むフィルムであり、
前記フィルムの25℃における引張破壊応力が、30MPa以上であり、
前記フィルムの25℃における引張貯蔵弾性率が、300MPa未満であることを特徴とする、含フッ素共重合体フィルム。
単量体(a):フルオロエチレン。
単量体(b):下式(1)で表される化合物。
CX11X12=CX13−[O−(C(=O))b−R1]a−OH ・・・(1)
ただし、X11、X12およびX13は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、
R1は、1個以上の水素原子が水酸基に置換されていてもよい2価の炭化水素基もしくは1個以上の水素原子またはフッ素原子が水酸基に置換されていてもよい2価のフルオロ炭化水素基、または前記炭化水素基もしくは前記フルオロ炭化水素基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、
aは、0または1であり、
bは、0または1である。
単量体(c):下式(2)で表される化合物。
CX21X22=CX23−R2 ・・・(2)
ただし、X21、X22およびX23は、それぞれ水素原子またはメチル基であり、
R2は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
単量体(d):下式(3)で表される化合物。
CX31X32=CX33−O−R3 ・・・(3)
ただし、X31、X32およびX33は、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であり、
R3は、アルキル基もしくはフルオロアルキル基、または前記アルキル基もしくは前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。 - 前記含フッ素共重合体が、下記単量体(e)に由来する単位をさらに有する、請求項1記載の含フッ素共重合体フィルム。
単量体(e):エチレン。 - 前記単量体(a)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、10〜90モル%であり、
前記単量体(b)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、3〜40モル%であり、
前記単量体(c)に由来する単位の割合と前記単量体(d)に由来する単位の割合との合計が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0.1〜40モル%であり、
前記単量体(e)に由来する単位の割合が、前記含フッ素共重合体を構成する全単位(100モル%)のうち、0〜70モル%であり、
前記単量体(b)に由来する単位の割合、前記単量体(c)に由来する単位および前記単量体(d)に由来する単位の割合の合計が、5モル%以上である、請求項1または2に記載の含フッ素共重合体フィルム。 - 前記単量体(c)が、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、および下式(21)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−CnF2n+1 ・・・(21)
ただし、nは、1〜10の整数である。 - 前記単量体(d)が、下式(31)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
CF2=CF−O−R31・・・(31)
ただし、R31は、フルオロアルキル基または前記フルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。 - 前記単量体(b)が、下式(11)で表される化合物、下式(12)で表される化合物、下式(13)で表される化合物、下式(14)で表される化合物および下式(15)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
CH2=CH−O−(C=O)b−(CH2)d−OH ・・・(11)
CH2=CH−(OCH2CH2)e−OH ・・・(12)
CH2=CH−(OCH2C6H10CH2)f−OH ・・・(13)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2CH2(OCH2CH2)g−OH ・・・(14)
CH2=CH−O−C(=O)−CH2C6H10CH2(OCH2C6H10CH2)h−OH ・・・(15)
ただし、bは0または1であり、dは1〜20の整数であり、eは1〜10の整数であり、fは1〜10の整数であり、gは1〜9の整数であり、hは0〜9の整数である。 - 前記含フッ素共重合体の230℃、2.16kg荷重でのメルトマスフローレートが、0.1〜1,000g/10分である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
- 膜構造施設用膜材である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の含フッ素共重合体フィルム。
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WO2018221518A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-06 | Agc株式会社 | 変性ポリテトラフルオロエチレンおよびその製造方法 |
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2014
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WO2018221518A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-06 | Agc株式会社 | 変性ポリテトラフルオロエチレンおよびその製造方法 |
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