JP2016104729A - 湿製錠剤、及び湿製錠剤の製造方法 - Google Patents

湿製錠剤、及び湿製錠剤の製造方法 Download PDF

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【課題】ロスバスタチンカルシウムを安定させることができる湿製錠剤を提供する。【解決手段】ロスバスタチンカルシウムと、糖化合物と、結合剤と、を含有する湿製錠剤である。前記糖化合物が、乳糖、ショ糖、及びマンニトールから選択される少なくとも1種であり、前記結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種である態様、前記糖化合物の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、9質量%〜50質量%であり、前記結合剤の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、0.05質量%〜5質量%である態様、フィルムコーティングした態様などが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ロスバスタチンカルシウムを含有する湿製錠剤、及び湿製錠剤の製造方法に関する。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤であるロスバスタチンカルシウムは、生体内でコレステロールの生合成を阻害することができるため、高コレステロール血症治療剤として使用されている。前記ロスバスタチンカルシウムを含有する治療剤の剤形としては、経口投与によりコレステロールの生合成の阻害効果を発揮することから、錠剤が用いられている。しかし、前記ロスバスタチンカルシウムは、保存条件によって分解され、ラクトン体やケト体などの分解物が生成するという問題がある。また、光の照射によって着色し、不純物の増加、及び有効成分である前記ロスバスタチンカルシウムの含有量が低下するという問題がある。
そこで、ロスバスタチンカルシウム、及び多価カチオンである三塩基性リン酸塩を含有し、長期間にわたり安定している医薬組成物(例えば、特許文献1参照);ロスバスタチンカルシウム、及び多価カチオンの炭酸塩などを含有し、安定した医薬組成物(例えば、特許文献2参照);ロスバスタチンカルシウム、及びアルカリ土類金属塩化物を含有し、ラクトン体生成を抑制する医薬組成物(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、さらなる安定化技術が望まれている。
特許第3267960号明細書 特許第4800467号明細書 特開2012−144564号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ロスバスタチンカルシウムを安定させることができる湿製錠剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ロスバスタチンカルシウムと、糖化合物と、結合剤と、を含有する湿製錠剤が、保存条件によっても、ラクトン体やケト体などの分解物の生成を抑制することできることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ロスバスタチンカルシウムと、
糖化合物と、
結合剤と、を含有することを特徴とする湿製錠剤である。
<2> 前記糖化合物が、乳糖、ショ糖、及びマンニトールから選択される少なくとも1種であり、
前記結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の湿製錠剤である。
<3> 前記糖化合物の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、9質量%〜50質量%であり、
前記結合剤の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、0.05質量%〜5質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の湿製錠剤である。
<4> さらに、フィルムコーティングした前記<1>から<3>のいずれかに記載の湿製錠剤である。
<5> ロスバスタチンカルシウムと、糖化合物とを混合し、結合剤を溶解した、水及び水溶解性有機溶媒の少なくともいずれかを加えて混練し、湿製打錠することを特徴とする湿製錠剤の製造方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ロスバスタチンカルシウムを安定させることができる湿製錠剤を提供することができる。
(湿製錠剤)
本発明の湿製錠剤は、ロスバスタチンカルシウムと、糖化合物と、結合剤と、を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<ロスバスタチンカルシウム>
前記ロスバスタチンカルシウムは、化学名:Monocalcium bis ((3R,5S,6E)−7−{4−(4−fluorophenyl)−6−isopropyl−2−[methanesulfonyl (methyl) amino] pyrimidin−5−yl}−3,5−dihydroxyhept−6−enoate)であり、コレステロール生合成系の律速酵素であるHMG−CoA還元酵素を特異的・拮抗的に阻害することによる高脂血症、家族性高コレステロール治療剤である。
前記ロスバスタチンカルシウムとしては、従来公知の方法により製造することができ、市販品を使用してもよい。
前記ロスバスタチンカルシウムの含有量としては、湿製錠剤1錠に対して、2.0mg〜6mgが好ましく、2.6mg〜5.2mgがより好ましい。
<糖化合物>
前記糖化合物としては、例えば、乳糖、ショ糖、マンニトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、マンニトールが好ましい。
前記乳糖としては、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、噴霧乾燥乳糖、流動層造粒乳糖、異性化乳糖、還元乳糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マンニトールとしては、例えば、D体、L体、ラセミ体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、D体であるD−マンニトールが好ましい。
前記糖化合物の含有量としては、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、9質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。
<結合剤>
前記結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物である。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度、及びけん化度としては、原料となる酢酸ビニルを適宜調整することにより、前記平均重合度、及び前記けん化度を適宜調整することができる。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、200〜3,500が好ましく、300〜2,200がより好ましい。なお、前記平均重合度としては、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールのけん化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、65mоl%以上が好ましく、78mоl%以上がより好ましい。これらの中でも、前記けん化度が、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)、97mоl%以上(完全けん化物)がさらに好ましく、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)が特に好ましい。なお、前記けん化度としては、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記結合剤としては、公知の方法で製造することができ、また、市販品を用いることもできる。
前記結合剤の含有量としては、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、0.05質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、従来湿製錠剤に使用できるものであれば、特に制限はなく、水、水溶解性有機溶媒、賦形剤、矯味剤、崩壊剤、流動化剤、吸着剤、滑沢剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、湿潤剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶解性有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水とエタノールとの混合液が好ましい。
前記賦形剤としては、乳糖、ショ糖、及びマンニトール以外に、例えば、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース、トレハロース、ソルビトール、結晶セルロース、タルク、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤としては、例えば、l−メントール、白糖、D−ソルビトール、キシリトール、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記吸着剤としては、例えば、商品名:カープレックス(成分名:合成シリカ、DSL.ジャパン株式会社の登録商標)、商品名:アエロジル(日本アエロジル株式会社の登録商標)200(成分名:親水性フュームドシリカ)、商品名:サイリシア(成分名:非晶質二酸化ケイ素、富士シリシア化学株式会社の登録商標)、商品名:アルカマック(成分名:合成ヒドロタルサイト、協和化学株式会社の登録商標)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯臭剤としては、例えば、トレハロース、リンゴ酸、マルトース、グルコン酸カリウム、アニス精油、バニラ精油、カルダモン精油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80等のポリソルベート;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合物;ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、はっか油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、ビタミンEなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記隠蔽剤としては、例えば、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記静電気防止剤としては、例えば、タルク、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記湿潤剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜6質量%がより好ましい。
<剤形>
前記湿製錠剤の剤形としては、湿製打錠法により打錠された錠剤である。
前記湿製打錠法により打錠することにより、ロスバスタチンカルシウムが分解され、ラクトン体やケト体などの分解物が生成されることを抑制することができる。
<フィルムコーティング>
前記湿製錠剤としては、素錠のまま使用することができるが、フィルムコーティングすることができる。前記湿製錠剤をフィルムコーティングすることにより、より安定した湿製錠剤を得ることができる。
前記フィルムコーティングとしては、前記湿製錠剤をフィルムコーティング基剤を含有するコーティング液でコーティング被膜を施すことにより製造することができる。コーティング被膜を施すには、何ら特別な方法や装置等を用いることなく、例えば、第十六改正日本薬局方製剤総則に記載の公知の製剤技術を用いることができる。
前記フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートポリマー、メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
前記フィルムコーティング液としては、フィルムコーティング基剤の他に、例えば、可塑剤、遮光剤、着色剤、光沢化剤等を適宜含有することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記遮光剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記フィルムコーティング液に、遮光剤を含有させると、光の照射による着色を防止し、ロスバスタチンカルシウムが分解されラクトン体やケト体などの分解物の増加、及び有効成分である前記ロスバスタチンカルシウムの含有量の低下を抑制することができる。
前記可塑剤としては、例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、トリアセチン、ヒマシ油、プロピレングリコール、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等のマクロゴールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、褐色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フィルムコーティング基剤の含有量としては、湿製錠剤全量に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、1.5質量%〜10質量%が特に好ましい。
(湿製錠剤の製造方法)
前記湿製錠剤の製造方法としては、例えば、前記ロスバスタチンカルシウムと、前記糖化合物とを混合し、前記結合剤を溶解した、水及び前記水溶解性有機溶媒の少なくともいずれかを加えて混練し、湿製打錠することができる。具体的には、前記ロスバスタチンカルシウムと、前記糖化合物とを混合し、前記結合剤を溶解した、水及び前記水溶解性有機溶媒の少なくともいずれかを加えて混練した後、湿製打錠機(装置名:EMT−18及びETD−18、エーザイ株式会社製)を用いて湿式圧縮成型(打錠)して、素錠を得、前記素錠をそのまま錠剤にして使用してもよく、必要に応じてさらにコーティング基剤を用いて被覆してもよい。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ロスバスタチンカルシウム(商品名:Rosuvastatin Calcium、Kolon社製)13.0g、及びD−マンニトール(商品名:マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)534.8gを混合した。これにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールEG−05、日本合成化学工業株式会社製、ポリビニルアルコール部分けん化物、けん化度:86.5mol%〜89.0mol%)2.2gを溶解した25%(w/w)のエタノール水溶液を57.2g添加して混合した。次に、湿製錠用打錠機(装置名:EMT−18及びETD−18、エーザイ株式会社製)を使用して打錠し、直径7.0mm、厚み3.3mmの素錠である湿製錠剤(ロスバスタチンとして2.5mg含有、ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)を得た。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、10秒間(6錠の平均)であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして素錠である湿製錠剤を得た後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース35.0g、タルク5.0g、酸化チタン10.0g、及び黄色三二酸化鉄0.3gを水452.7gに溶解・分散したフィルムコーティング液を調製し、前記湿製錠剤にフィルムコーティング機(装置名:HC−LABO、フロイント産業株式会社製)内でフィルムコーティングを施し、フィルムコーティングした湿製錠剤(ロスバスタチンとして2.5mg含有、ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)を得た。
前記フィルムコーティング機の仕様は、コーティングパン形状を20型とし、スプレーするノズル口径を直径1.0mm、ノズルキャップ口径を直径1.3mmとした。また、フィルムコーティング液をスプレーする条件は、スプレーエアー流量を35L/min、スプレー速度は2.0g/min、給気温度は約70℃、給気風量を0.4m/min、排気温度を40℃〜50℃(目標値:50℃)にコントロールした。さらにフィルムコーティングによる前記湿製錠剤の質量増加は、110g(1錠あたりの質量は約110mg)の錠剤に対して、固形分として5.5g(1錠あたりのフィルムコーティング量は約5.5mg)とした。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、37秒間(6錠の平均)であった。
(実施例3)
実施例2において、コーティングフィルム液を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース28.0g、タルク14.0g、酸化チタン4.2g、マクロゴール6000 3.0g、及び黄色三二酸化鉄0.8gを水450.0gに溶解・分散したフィルムコーティング液に変更した以外は、実施例2と同様にして、フィルムコーテイングした湿製錠剤(ロスバスタチンとして2.5mg含有、ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)を得た。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、36秒間(6錠の平均)であった。
(比較例1)
市販の商品名:クレストール錠(成分名:ロスバスタチンカルシウム、Lot No.84725、アストラゼネカ株式会社製)2.5mgを用い、錠剤(ロスバスタチンとして2.5mg含有、ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)とした。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、55秒間(6錠の平均)であった。
得られた錠剤について、下記評価方法に基づいて、「保存安定性」を評価した。
<保存安定性>
実施例1〜3で得た湿製錠剤、及び比較例1で得た乾式錠剤について、アルミニウム包装の密封条件下又は開放条件下で、4℃、25℃/相対湿度75%、40℃/相対湿度75%、50℃/相対湿度90%、45℃、60℃、及び曝光量120万Lux/hr(25℃/相対湿度60%)で1ヶ月間、又は3ヶ月間保存した。その後、ロスバスタチンカルシウムのアンチアイソマー、ケト体、及びラクトン体の存在量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。結果を下記表1、及び表2に示す。なお、アンチアイソマー、ケト体、及びラクトン体の数値は、各化合物のピーク面積の主要ピーク面積に対する面積比を百分率(%)で表した。
また、保存条件における4℃については、常温条件下にプレハブ冷蔵庫(PANASONIC社製、冷却ユニット搭載)を設置し、前記冷蔵庫の設定温度を4℃にした庫内に保存した。45℃については、常温条件下に三洋電機株式会社製のインキュベーター(型式:MIR−552)を設置し、前記インキュベーターの設定温度を45℃にした庫内に保存した。60℃については、常温条件下にヤマト科学株式会社製の定温恒温器(型式:DNE910)を設置し、前記定温恒温器の設定温度を60℃にした庫内に保存した。
Figure 2016104729
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前記表1及び表2の結果から、実施例1〜3における湿製錠剤は、市販品である商品名:クレストール錠よりも安定であることが示唆された。また、前記表1の結果から、曝光量120万Lux/hr(25℃/相対湿度60%)で1ヶ月間曝光された実施例1〜3における湿製錠剤は、市販品である商品名:クレストール錠よりも光の照射に対して、分解物であるアンチアイソマー、ケト体、及びラクトン体の生成が抑制され、保存安定性に優れることが示唆された。さらに、実施例1〜3における湿製錠剤は、光の照射に対して、市販品である商品名:クレストール錠よりも着色が抑制されていた。
(実施例4)
ロスバスタチンカルシウム(商品名:Rosuvastatin Calcium、Kolon社製)2.6g、及びD−マンニトール(商品名:マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)106.96gを混合した。これにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールEG−05、ポリビニルアルコール部分けん化物、けん化度:86.5mol%〜89.0mol%、日本合成化学工業株式会社製)0.44gを溶解した25%(w/w)のエタノール水溶液を11.44g添加して混合した。次に、卓上形精密万能試験機(装置名:オートグラフAGS−X、株式会社島津製作所製)を使用して打錠し、棚式乾燥機(装置名:DEA20、三和化機工業株式会社製)を用いて、60℃で1時間乾燥し、直径7.0mm、厚み3.1mmの素錠である湿製錠剤(ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)を得た。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、13秒間(6錠の平均)であった。
(比較例2)
ロスバスタチンカルシウム(商品名:Rosuvastatin Calcium、Kolon社製)2.6g、及びD−マンニトール(商品名:マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)106.96gを混合した。これにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールEG−05、ポリビニルアルコール部分けん化物、けん化度:86.5mol%〜89.0mol%、日本合成化学工業株式会社製)0.44gを溶解した25%(w/w)のエタノール水溶液を11.44g添加して混合した。次に、棚式乾燥機(装置名:DEA20、三和化機工業株式会社製)を用いて、60℃で1時間乾燥し、乾燥物を850μmの篩で篩過した後、卓上形精密万能試験機(装置名:オートグラフAGS−X、株式会社島津製作所製)を使用して打錠し、直径7.0mm、厚み3.6mmの素錠である乾式錠剤(ロスバスタチンカルシウムとして2.6mg含有)を得た。なお、この錠剤の第13改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は、15秒間(6錠の平均)であった。
得られた錠剤について、下記評価方法に基づいて、「保存安定性」を評価した。
<保存安定性>
実施例4で得た湿製錠剤、及び比較例2で得た乾式錠剤について、アルミニウム包装の密封条件下又は開放条件下で、4℃、50℃/相対湿度90%、及び60℃で2週間、又は1ヶ月間保存した。その後、ロスバスタチンカルシウムのアンチアイソマー、ケト体、及びラクトン体の存在量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。結果を下記表3、及び表4に示す。なお、アンチアイソマー、ケト体、及びラクトン体の数値は、各化合物のピーク面積の主要ピーク面積に対する面積比を百分率(%)で表した。
また、保存条件における4℃については、常温条件下にプレハブ冷蔵庫(PANASONIC社製、冷却ユニット搭載)を設置し、前記冷蔵庫の設定温度を4℃にした庫内に保存した。60℃については、常温条件下にヤマト科学株式会社製の定温恒温器(型式:DNE910)を設置し、前記定温恒温器の設定温度を60℃にした庫内に保存した。
Figure 2016104729
Figure 2016104729
前記表3及び表4の結果から、実施例4における湿製錠剤及び比較例2における乾式錠剤の組成は同じであるが、実施例4における湿製錠剤は、比較例2における乾式錠剤と比較して、保存安定性に優れることが示唆された。

Claims (5)

  1. ロスバスタチンカルシウムと、
    糖化合物と、
    結合剤と、を含有することを特徴とする湿製錠剤。
  2. 前記糖化合物が、乳糖、ショ糖、及びマンニトールから選択される少なくとも1種であり、
    前記結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の湿製錠剤。
  3. 前記糖化合物の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、9質量%〜50質量%であり、
    前記結合剤の含有量が、ロスバスタチンカルシウム1質量%に対して、0.05質量%〜5質量%である請求項1から2のいずれかに記載の湿製錠剤。
  4. さらに、フィルムコーティングした請求項1から3のいずれかに記載の湿製錠剤。
  5. ロスバスタチンカルシウムと、糖化合物とを混合し、結合剤を溶解した、水及び水溶解性有機溶媒の少なくともいずれかを加えて混練し、湿製打錠することを特徴とする湿製錠剤の製造方法。
JP2015227555A 2014-11-21 2015-11-20 湿製錠剤、及び湿製錠剤の製造方法 Active JP6662614B2 (ja)

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