JP2016103386A - レドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な構成で大容量化可能なレドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池を提供する。【解決手段】可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体、のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とを含み、水系電解液であるレドックスフロー電池用電解液を用いる。そして、可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体、のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とを含み、水系電解液であるレドックスフロー電池用電解液と、正極10と、負極20とを備え、前記レドックスフロー電池用電解液に含まれる有機分子、及び、錯体のうちの少なくとも一方が、正極10及び負極20で酸化還元反応を生じることで充放電が行われるレドックスフロー電池100とする。【選択図】図1

Description

本発明は、レドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池に関する。
近年、地球において資源の枯渇と環境破壊は大きな問題とされており、再生可能エネルギによるゼロエミッション型社会の構築が求められている。風力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギの発電所は、発電時にほとんど二酸化炭素を放出しないため、今後、これらの導入の大幅な伸びが予想される。
しかしながら、再生可能エネルギは不安定であるため、電力需要に応じた供給が難しい。また、出力変動が存在し、系統線に与える影響が大きい。これを解決するために、火力発電所や揚水発電等による電力需給ギャップの補填が行われているが、火力発電所は二酸化炭素を排出し、揚水発電は立地場所が限られる等、様々な課題がある。そこで、再生可能エネルギを平準化して供給するため、大規模に電力を貯蔵できる蓄電池が注目されている。
電力貯蔵用の蓄電池としては、NAS電池(登録商標)、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池、レドックスフロー電池等、構成部材や運転方法の異なる様々な種類が開発されている。また、家庭用、発電所用、事業所用、スマートグリッド等の貯蔵規模や瞬停対策、系統向け電力平準化、ロードレベリング(夜間電力利用)等の用途によっても、それぞれに適した装置構成、電気容量のシステムが提案されている。
これらの蓄電池のうち、例えばNAS電池は、大容量で長寿命とされている。そのため、NAS電池は、ウインドファームやメガソーラー等の大規模な再生可能エネルギ発電所にメガワット単位で導入され、系統連携用の平準化用途に利用するシステムが提案されている。また、リチウムイオン二次電池は、重量当たりの蓄電容量に優れ、充放電効率が高く、高出力化が可能である。そのため、家庭用のバックアップ用システムとして、特に東日本大震災を契機に各社から様々な容量のリチウムイオン二次電池を備える装置が市販化されている。さらに、鉛蓄電池は信頼性が高く、蓄電容量あたりのコストが低い。そのため、鉛蓄電池を備える蓄電システムは、家庭用や事業所用のロードレベリングや再生可能エネルギ発電所用の平準化等、幅広い用途に提案されている。
蓄電池の中でも、レドックスフロー電池は、前記の各種蓄電池とは装置構成が大きく異なる。具体的には、レドックスフロー電池では、充放電に関与する活物質(例えば金属イオン)は、液体の形態でタンクに貯蔵され、タンクに貯蔵された活物質の液体が電池に供給されることになる。そして、タンクから供給された活物質が、電極表面で酸化還元(レドックス)反応し、これにより、充放電が行われる。このように、レドックスフロー電池では、活物質が液体の形態でタンクに貯蔵されることから、大容量化が容易であり、事業所用のロードレベリング用途や再生可能エネルギ発電所における平準化用途としての活用が提案されている。
活物質としては、これまでにバナジウム系や鉄/クロム系等が提案されている。また、高起電力化を目的として、活物質としてマンガンを用いたレドックスフロー電池も提案されている。具体的には、特許文献1には、正極電極と、負極電極と、両電極間に介在される隔膜とを具える電池セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池が記載されている。このとき、正極電解液は、マンガンイオンを含有することが記載されている。
特開2011−210696号公報
前記したように、電力貯蔵用の蓄電池には様々な構成のものが存在し、それぞれの特性によって用途に適したシステムが提案されている。それらのうち、今後見込まれる再生可能エネルギ電力の大量導入には、特に大規模な電力貯蔵に適したNAS電池やレドックスフロー電池の利用が好ましい。
しかしながら、NAS電池では、ナトリウムが外気と接触することを避けるため、NAS電池の構造が複雑化することがある。また、レドックスフロー電池でも、有機溶媒にリチウム塩を含有させた有機系電解液を用いることがある。このような場合には、含まれるリチウムが外気と接触することを避けるため、同様にレドックスフロー電池の構造が複雑化することがある。さらに、例えばマンガンを含有させた水系電解液を用いる従来のレドックスフロー電池(特許文献1参照)では、単位当たりの電気容量が依然として低い。従って、これらの問題は装置コストの上昇要因となり、電力貯蔵の大容量化となる可能性がある。
一方で、風力発電設備や太陽光発電設備は大規模化が進んでいる。さらには、世界的にも、再生可能エネルギ由来の電力導入割合が増加する傾向にある。そのため、再生可能エネルギ由来電力の大規模に貯蔵し、電力の需給ギャップを調整するため、蓄電設備の大容量化に対する需要は今後急増すると考えられる。
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、簡便な構成で大容量化可能なレドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とを含む水系の電解液を用いることで前記課題を解決できることを見出した。
本発明によれば、簡便な構成で大容量化可能なレドックスフロー電池用電解液及びそれを用いたレドックスフロー電池を提供することができる。
本実施形態の電解液を用いたレドックスフロー電池の構成図である。 別の実施形態の電解液を用いたレドックスフロー電池の構成図である。 図2に示すレドックスフロー電池における隔壁近傍でのイオンの移動の様子を説明する図である。 (a)は界面活性剤を含む電解液を用いた実施例1の結果であり、(b)は界面活性剤を含まない電解液を用いた比較例1の結果である。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を、適宜図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の電解液を用いたレドックスフロー電池100の構成図である。レドックスフロー電池100では、充放電セル部50に設置された正極10(正極集電極)及び負極20(負極集電極)と、貯蔵タンクに電解液が循環されることで、充放電が行われる。図1において、ドット柄で示すものが電解液である。
本実施形態の電解液は、水系の電解液である。この電解液には、可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体、のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とが含まれる。本実施形態では、図1中、太線で囲まれた斜線で示される成分が、前記の有機分子や錯体である。そして、これらの有機分子や錯体を囲う太線で示される成分が、界面活性剤である。
なお、本実施形態では、説明の簡略のために、正極10においてのみ、本実施形態の電解液が供給されるようになっている。一方で、負極に供給される電解液は、亜鉛イオンを含む水系のレドックスフロー電池用電解液である。
はじめに、電解液について説明し、次いで、それを用いたレドックスフロー電池の全体構成(図1)について説明する。
電解液に含まれうる、可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子(以下、単に「有機分子」ということがある)は、酸化反応性及び還元反応性の双方を可逆的に示す有機分子である。この有機分子は、電解液中で電極活物質として機能するものである。即ち、有機分子は正極活物質として用いられてもよく、負極活物質として用いられてもよい。このような有機分子としては、例えば、分子内に非共有電子対を有する有機分子が挙げられる。このような有機分子は電子の授受によりプロトンとの結合及び脱離が生じるため、酸化還元反応によって良好に充放電を行うことができる。
このような有機分子のさらなる具体例としては、電子反応性を有するプロトンと結合(還元)するとともに、所定の条件下で当該プロトンが脱離する(酸化)有機分子が挙げられる。即ち、前記の可逆的な酸化還元反応がプロトンの授受によって生じるような有機分子が挙げられる。このような有機分子を用いることで、水系の電解液である水溶液中で電荷の移動(即ち、プロトンの移動)を効率よく行うことができ、高い充放電特性を得ることができる。
このような有機分子の具体例としては、高い電子反応性を示すキノン構造やインドール構造を有する有機分子、ピリジン等の非共有電子対を有する窒素原子を含む有機分子、テトラチアフルバレン等の硫黄原子を含む有機分子、テトラシアンオキノジメタン等のシアノ基を有する有機分子等が挙げられる。キノン構造を有する有機分子としては、例えば、ベンゾキノンやナフトキノン、アントラキノン等の一対のキノン構造を有する有機分子や、ペンタセンテトロン等の二対以上のキノン構造を有する有機分子等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
これらの中でも、有機分子としては、キノン構造を有する有機分子が好ましく、中でも一対のキノン構造を有する有機分子がより好ましく、一対のキノン構造を有する有機分子の中でも芳香環を一つのみ有するものがよりさらに好ましく、ベンゾキノンが特に好ましい。一対のキノン構造を有する有機分子の中でも芳香環を一つのみ有するものを用いることで、キノン構造に起因する電子反応性が特に十分に奏されるため、特に良好な電池性能が得られる。
また、電解液に含まれうる錯体も、前記の有機分子と同様に、電解液中で電極活物質として機能するものである。電解液に含まれ得る錯体としては、例えば、金属原子と配位して金属原子を取り込むことができるとともに、取り込まれた当該金属原子を所定条件下で脱離させることができる錯体が挙げられる。このような錯体としては、例えば、ポルフィリンやフェナントロリン、フェロセン等の有機錯体の他、ヘキサシアノ化合物(例えばフェロシアン化カリウム)、酸化グラフェン等の無機錯体等が挙げられる。
もよい。
これらの中でも、錯体としては、無機錯体が好ましく、ヘキサシアノ化合物がより好ましく、フェロシアン化カリウムが特に好ましい。フェロシアン化カリウム等の無機錯体は、有機錯体と比べて比較的水に溶解し易い傾向にある。そのため、無機錯体を用いることで、無機錯体の機能が特に十分に示され、特に良好な電池性能が得られる。
なお、電解液には、前記の有機分子と前記の錯体との双方が含まれてもよく、いずれか一方のみが含まれてもよい。
電解液に含まれる界面活性剤は、前記の有機分子や錯体を、水中に可溶化するものである。即ち、電極活物質として機能する有機分子や錯体には、水に難溶性のものが多い。そこで、水系の電解液中にこれらを可溶化(均一に分散)させることで、前記の有機分子や錯体を十分に含有させた電解液を得ることができるようになる。本実施形態では、界面活性剤による有機分子や錯体の可溶化機構は定かではない。ただし、本発明者らの検討によれば、例えば、界面活性剤がミセル等の構造体を形成し、これにより、水系の電解液中に難溶性の有機分子や錯体が一様に分散するものと考えられる。
なお、本実施形態の電解液では、難溶性の有機分子や錯体は、界面活性剤によって(例えばミセルが形成されて)、水に可溶化されている。この形態は、化学現象としての「溶解」とは、厳密には異なる可能性がある。しかし、本実施形態では、説明の便宜上、界面活性剤による可溶化も、このような「溶解」に含まれるものとする。従って、電解液における有機分子の「濃度」という場合には、「単位体積あたりの電解液中に分散している有機分子の含有量」をいうものとする。
界面活性剤の具体例は特に制限されず、カチオン系の界面活性剤、アニオン系の界面活性剤、ノニオン系の界面活性剤等、どのようなものであってもよい。従って、価格や、活物質として用いる有機分子や錯体の可溶化度合いを考慮して選択すればよい。
カチオン系の界面活性剤としては、例えば、アミンや4級アンモニウム塩を有する高分子、アンモニウム塩(例えばセチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩)等が挙げられる。また、アニオン系の界面活性剤としては、スルホン酸(例えばドデシル硫酸ナトリウム)やカルボン酸、リン酸を有する高分子等が挙げられる。さらに、ノニオン系の界面活性剤としては、エーテル(例えばポリエチレングリコールオクタデシルエーテル)等の高分子等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
これらの中でも、界面活性剤としては、カチオン系の界面活性剤が好ましく、アンモニウム塩がより好ましく、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩が特に好ましい。カチオン系の界面活性剤を用いることで、負電荷を有する電子が吸蔵放出され易くなる。そのため、反応に関与する電子の数が増加し、より多くの電流を通流させることができる。
なお、界面活性剤は、前記の有機分子や錯体に対して、可溶性官能基や界面活性剤分子を置換や導入したものを用いてもよい。この場合、一つの化合物が、例えば前記の有機分子や錯体、及び界面活性剤としての双方の機能を有することになる。
ここで、界面活性剤の使用による、前記の有機分子及び錯体の溶解量の増加について説明する。前記のように、電極活物質として機能する有機分子や錯体は水に難溶性のものが多く、これらの水への溶解度は極めて低い。従って、水系の電解液では、そのままの形態では、水層と油層との二層に分離してしまい、電解液としての機能が十分に果たされない。しかし、界面活性剤を使用することで、有機分子や錯体を水に対して十分に可溶化できるようになる。具体的には、界面活性剤を用いない場合と比べて、水に対する飽和溶解度の10000倍以上も多い量の有機分子や錯体を電解液に溶解させることができるようになる。
ただし、電解液の導電率や電極反応性の向上の観点からは、有機分子や錯体、界面活性剤は、バランスよく適度に含まれていることが好ましい。即ち、エネルギ密度と電解液導電率や電極反応性とのバランスを考慮して、溶解量を決定することが好ましい。具体的には、本実施形態の電解液に前記の有機分子が溶解している(含まれる)場合には、その有機分子の濃度(単位体積当たりの電解液に含まれる量)は、前記有機分子の水に対する飽和溶解度の2倍以上5000倍以下であることが好ましい。これにより、電極活物質である有機分子を電解液中に十分に含ませることができるようになり、充放電時の電流密度を高めることができる。
また、電解液に前記の錯体が溶解している(含まれる)場合にも同様であり、その錯体の濃度(単位体積当たりの電解液に含まれる量)は、前記錯体の水に対する飽和溶解度の2倍以上5000倍以下であることが好ましい。これにより、前記の有機分子と同様に、電極活物質である電解液中に錯体を十分に含ませることができるようになり、充放電時の電流密度を高めることができる。
レドックスフロー電池等の二次電池では、充放電は、正極及び負極において、それぞれの活物質が酸化還元反応することにより行われる。特に、レドックスフロー電池では、電解液中に含まれる活物質の濃度がエネルギ密度と密接に関係しているが、ほとんどの活物質は水溶液中の溶解度が低く、高濃度化できる反応系は限られる。また、有機溶媒を活物質とする場合、有機溶媒の取り扱いが煩雑になり易い。そこで、本実施形態の電解液のように、様々な難溶性の活物質を水溶液に可溶化することにより、利用可能な活物質の種類を増やし、高濃度に含有させて、かつ、高エネルギ密度なレドックスフロー電池とすることができる。
また、本実施形態の電解液には、前記の有機分子や錯体、界面活性剤以外にも、任意の成分が含まれていてもよい。例えば、電解液には、溶解析出反応によって充放電される、即ち、例えば電子を受け取ることで還元されて金属を生じる、任意の金属イオンが含まれていてもよい。例えば、正極及び負極のうちの一方の極の活物質を前記の有機分子や錯体とした場合には、他方の極の活物質としての金属イオンを含ませることができる。このような金属イオンとしては、他方の極の溶解析出電位との電位差が大きく、溶解及び析出速度が速いものが好ましい。これにより、高い充放電電圧が得られる。具体的には、亜鉛イオン、鉄イオン及び鉛イオンからなる群より選ばれる一種以上の金属イオンが好ましい。そして、活物質として金属イオンが電解液に含まれる場合には、電極は、当該金属イオンと同種の金属により構成されることが好ましい。
また、電解液には、電解質として支持塩を含ませることも好ましい。支持塩が含まれることで、電解液の電気伝導性が向上し、電池のエネルギ密度を向上させることができる。支持塩としては、例えば塩化ナトリウムが挙げられる。
図1に戻って、レドックスフロー電池100の全体構成について説明する。図1に示すように、レドックスフロー電池100は、ドット柄で示す電解液を用いた充放電が行われる充放電セル部50と、電解液を貯蔵する貯蔵タンク12,22(正極電解液タンク、負極電解液タンク)と、循環ポンプ13,23(正極電解液循環装置、負極電解液循環装置)とを備えている。また、充放電セル部50は、正極10(正極集電極)と、負極20(負極集電極)と、正極10と負極20とを仕切る隔壁30とを備えている。これらは、図示しない筐体に収容されている。正極10と負極20とには、一例として、レドックスフロー電池100を充電するための電源40が接続されている。そして、充放電セル部50と貯蔵タンク12とは、配管11により接続されて、電解液が循環するようになっている。また、充放電セル部50と貯蔵タンク22とは、配管21により接続されて、電解液が循環するようになっている。
正極10及び負極20は、それらの表面に接触した分散微粒子と通電する役割を有するため、導電性の高い金属により構成される。特に、本実施形態では、正極10及び負極20として、化学的に安定であり、界面活性剤によって影響を受けにくい材料が用いられる。さらには、本実施形態では、水系の電解液が使用されるため、水の電気分解の過電圧が大きい材料が好ましい。このような材料として、具体的には、銅、チタン、SUS、ニッケル、アルミニウム、銅、金等の金属やこれらの合金、又は、炭素材料(例えばグラッシーカーボン)等が挙げられる。正極10及び負極20を構成する材料は、各電極の活物質と同じ種類の材料であってもよい。
正極10及び負極20の形状は、界面活性剤により可溶化した前記の有機分子や錯体との接触機会の増加を図るため、比表面積が大きくなるようにすることが好ましい。具体的には、正極10及び負極20の形状は、例えば多孔体、メッシュ、エキスパンドメタル、繊維、フェルト、不織布のいずれかであることが好ましい。中でも、本実施形態では、電解液中の金属イオンが負極20に溶解析出することで充放電させるレドックスフロー電池であるから、析出の均一性と高比表面積化とのバランスを考慮し、負極20の形状は、メッシュ、エキスパンドメタル、不織布等の形状とすることが好ましい。
隔壁30は、正極1に供給される電解液(本実施形態の電解液)と、負極20に供給される電解液とが混ざらないように、充放電セル50の内部を仕切るものである。隔壁30の材質は、本実施形態では、充放電反応に寄与するイオンの移動を妨げず、充電した電解液が混合しない、即ち自然放電しないような材料である。具体的には、本実施形態では、ナフィオン(登録商標)等のイオン交換膜が隔壁30として用いられている。
また、配管11,21や貯蔵タンク12,22、筐体等の材質は、化学的に安定で、絶縁性を有し、十分な強度を有するものを用いることが好ましい。具体的には、これらの材質として、例えば樹脂を用いることが好ましい。
さらに、貯蔵タンク12,22には、充放電反応に伴って電解液からガスが発生した場合を考慮して、そのガスを外部に放出するための放出弁が備えられていることが好ましい。ガスは過充電時に所定の電圧を上回ると発生するため、電圧を厳密に制御できれば、放出弁は必要ない。しかしながら、電圧の厳密な制御には、高性能の制御機器が必要になることがある。特に、電力が変動する再生可能エネルギ発電設備では、電力の制御が困難なことが多い。そのため、システムコスト低減と制御アルゴリズムの容易性の観点から、貯蔵タンク12,22には放出弁が備えられることが好ましい。なお、電解液の漏えいを防ぐため、放出弁は、気液分離トラップを介して設置することが望ましい。
図2は、別の実施形態の電解液を用いたレドックスフロー電池200の構成図である。図2では、図1と同じものについては同様に示すものとし、以下では、図1とは異なるものについて主に説明する。
図2のレドックスフロー電池200では、正極10と貯蔵タンク12との間でのみ、本実施形態の電解液が循環している。そして、この電解液には、負極20おいて酸化還元反応が行われる充放電可能な金属イオン(電子を受け取ることで還元されるイオン、例えば亜鉛イオン)が含まれている。また、レドックスフロー電池200では、前記のレドックスフロー電池100とは異なり、隔壁30は、有機分子や錯体は透過せず、金属イオン及び水分子のみを透過させる多孔質膜60により構成されている。
図3は、図2に示すレドックスフロー電池200における多孔質膜60近傍でのイオンの移動の様子を説明する図である。亜鉛イオンや水分子(図示しない)は、有機分子や錯体よりも小さいため、多孔質膜60を透過して、負極20側に透過する。即ち、負極20側には、亜鉛イオンを含む水溶液が存在していることになる。一方で、電解液中の有機分子や錯体は大きいため多孔質膜60を透過できず、正極10側に残存する。
これらの結果、充電時、正極10(一方の側)では、有機分子や錯体が正極10に電子を放出することで、有機分子や錯体の酸化反応が生じる。さらに、負極20(他方の側)では、亜鉛イオンが負極20から電子を受け取って亜鉛となって析出し、還元反応が生じる。一方で、放電時、正極10(一方の側)では、有機分子や錯体が電子を受け取ることで、有機分子や錯体の還元反応が生じる。さらに、負極20(他方の側)では、亜鉛が電子を放出して亜鉛イオンとなって溶解し、酸化反応が生じる。これらのように、レドックスフロー電池200では、多孔質膜60によって電解液中の成分を選択的に負極20(他方の側)に到達させ、負極20の表面で亜鉛又は亜鉛イオンが溶解又は析出することで、充放電が行われている。
多孔質膜60は、担体微粒子(前記の有機分子や錯体、亜鉛イオン等)の循環によって破損しないだけの強度を有することが好ましい。また、多孔質膜60は、絶縁性で化学的に安定であることも好ましい。これらのことを勘案し、多孔質膜60としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の樹脂材料を多孔体化した材料が好ましい。
また、界面活性剤を含む電解液では、界面活性剤がミセル等の構造体を形成する場合がある。そこで、多孔質膜60を用いる場合、多孔膜の孔径を構造体のサイズ以下にすることで、イオンと水分子のみを透過させることができる。従って、多孔質膜60の有する孔径は、当該構造体の大きさ以下とするものとする。
図2に戻って、負極20側で用いられなかった亜鉛イオンは、配管21及び配管11を通じて、貯蔵タンク11に戻される。このような構成のレドックスフロー電池200とすることで、貯蔵タンク12及び送液ポンプ13をいずれも一台ずつ設置すればよいため、運転コストや設置面積の点で有利である。
以上、本実施形態について図面を適宜参照しながら説明したが、本実施形態は前記の例になんら限定されるものではない。
例えば、図1に示す例では、正極10の側にのみ本実施形態の電解液を供給したが、負極20の側にのみ本実施形態の電解液を供給してもよく、正極10の側及び負極20の側の双方に本実施形態の電解液が供給されるようにしてもよい。
さらに、図2に示す例では、正極10の側に本実施形態を供給したが、負極20の側に本実施形態の電解液が供給されるようにしてもよい。負極20の側(一方の側)に本実施形態の電解液が供給される場合、当該電解液に含まれる金属イオン及び水は、多孔質膜60を透過して正極10の側(他方の側)に供給されることになる。
また、例えば、図1に示す例では、レドックスフロー電池100を充電するために電源40が接続されていたが、放電時には、レドックスフロー電池100の正極10及び負極20には、図示しない外部負荷等が接続されるようにしてもよい。図2のレドックスフロー電池200においても同様である。
さらに、図2のレドックスフロー電池200では、亜鉛イオンが透過しているが、電解液に含まれる他のイオンが透過するようにしてもよい。
次に、実施例を挙げてより具体的に本発明を説明する。
<実施例1>
図1に示すレドックスフロー電池100を作製した。正極10及び負極20はいずれも棒状のグラッシーカーボン(BAS社製の電極)を用いた。電解液(水系電解液)に含まれる有機分子としては、正極活物質として、ベンゾキノン(アルドリッチ社製の試薬)を用いた。また、界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩(カチオン系の界面活性剤。アルドリッチ社製の試薬)を用いた。ベンゾキノンの濃度は、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩により可溶化されるため、その可溶化後のベンゾキノンの濃度として、1Mになるようにした。界面活性剤を含む電解液は、界面活性剤によってエマルジョンが形成されて、白濁していた。また、電解液には、支持塩としての塩化ナトリウムを、電解液における濃度として3質量%になるように添加した。
作製したレドックスフロー電池100について、性能評価を行った。性能評価は、サイクリックボルタンメトリ法を使用し、酸化方向への掃引において、ピーク電位での電流値で比較することで行った。測定装置は、北斗電工社製のポテンシオスタットを用いた。得られた結果(グラフ)を図4(a)に示す。
図4(a)に示すように、実施例1のレドックスフロー電池(界面活性剤あり)では、ピーク電流値は61mA(0.061A)であった。従って、界面活性剤によって有機分子を高濃度に可溶化することで、取り出せる電流が十分に大きいことが確認できた。また、界面活性剤は、グラッシーカーボン電極表面での酸化反応に影響を与えないことが確認できた。
<比較例1>
界面活性剤を用いないこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。界面活性剤を用いていないため、水に難溶性のベンゾキノンは、水系電解液に対して殆ど溶解しなかった。即ち、比較例1では、電解液に含まれるベンゾキノンの濃度は、水に対する飽和溶解濃度とした。
そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、図4(b)に示すグラフが得られた。図4(b)に示すように、比較例1のレドックスフロー電池におけるピーク電流値は0.059mA(0.000059A)であった。この値は、実施例1のレドックスフロー電池の値と比べて、約1/1000という小さな値であった。
<実施例2>
有機分子として、ベンゾキノンに代えてアントラキノン(有機分子。アルドリッチ社製の試薬)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は3.5mAであった。
<実施例3>
有機分子として、ベンゾキノンに代えてフェロシアン化カリウム(錯体。関東化学社製の試薬)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は20mAであった。
<実施例4>
有機分子として、ベンゾキノンに代えてフェロセン(錯体。関東化学社製の試薬)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は6mAであった。
<実施例5>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩(カチオン系の4級アンモニウム塩)に代えてドデシル硫酸ナトリウム(アニオン系の界面活性剤。関東化学社製の試薬)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は41mAであった。
<実施例6>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例5と同じドデシル硫酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は2mAであった。
<実施例7>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例5と同じドデシル硫酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例3と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は11mAであった。
<実施例8>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例5と同じドデシル硫酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例4と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は2mAであった。
<実施例9>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、ポリエチレングリコールオクタデシルエーテル(ノニオン系の界面活性剤。関東化学社製の試薬)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は15mAであった。
<実施例10>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例9のポリエチレングリコールオクタデシルエーテルを用いたこと以外は実施例2と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は0.8mAであった。
<実施例11>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例9のポリエチレングリコールオクタデシルエーテルを用いたこと以外は実施例3と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は3mAであった。
<実施例12>
界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩に代えて、実施例9のポリエチレングリコールオクタデシルエーテルを用いたこと以外は実施例4と同様にして、レドックスフロー電池を作製した。そして、実施例1と同様にしてピーク電流値を測定したところ、ピーク電流値は2mAであった。
<評価結果についてのまとめ>
実施例1〜12及び比較例1の結果を、以下の表1に示す。
Figure 2016103386
前記のように、有機分子及び錯体のうちの少なくとも一方と界面活性剤とを含む電解液を用いた実施例1〜12の電池は、良好な結果を示した。具体的には、これらを含まない比較例1の電解液と比べて、最大で1000倍程度(実施例1)、最低でも15倍程度(実施例10)も大きなピーク電流値が示された。
実施例1〜12のうち、界面活性剤としてセチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム及びポリエチレングリコールオクタデシルエーテルのいずれを用いた場合でも、正極活物質としてベンゾキノン(有機分子)を用いることで、全体的に特に良好になる傾向であった(実施例1、5及び9)。次いで、正極活物質としてフェロシアン化カリウム(錯体)を用いることでも、全体的に十分に良好になる傾向であった(実施例3、7及び11)。
これらの結果から、電極活物質が有機分子であっても錯体であっても、界面活性剤を含まない比較例1と比べて、十分に良好な結果が得られることがわかった。中でも、有機分子としてはベンゾキノンが好ましく(実施例1、5及び9)、錯体としてはフェロシアン化カリウムが好ましいことがわかった(実施例3、7及び11)。
また、正極活物質としてベンゾキノン、アントラキノン、フェロシアン化カリウム及びフェロセンのいずれを用いた場合でも、界面活性剤としてセチルトリメチルアンモニウムの硫酸塩(カチオン系)を用いることで、全体的に特に良好になる傾向であった(実施例1〜4)。また、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(アニオン系)を用いることでも、全体的に十分に良好になる傾向であった(実施例5〜8)。さらに、界面活性剤としてポリエチレングリコールオクタデシルエーテル(ノニオン系)を用いることでも、界面活性剤を含まない比較例1と比べて、15倍程度〜250倍程度も大きなピーク電流値が得られた(実施例9〜12)。
これらの結果から、界面活性剤としてカチオン系、アニオン系及びノニオン系のいずれを用いた場合でも、界面活性剤を含まない比較例1と比べて、十分に良好な結果が得られることがわかった。中でも、界面活性剤としては、カチオン系の界面活性剤を用いることが好ましく(実施例1〜4)、次いでアニオン系の界面活性剤を用いることが好ましい(実施例5〜8)ことがわかった。
10 正極(電極)
12 貯蔵タンク(正極電解液タンク、電解液タンク)
13 循環ポンプ(正極電解液循環装置、電解液循環装置)
20 負極(電極)
22 貯蔵タンク(負極電解液タンク)
23 循環ポンプ(負極電解液循環装置)
30 隔壁
40 電源
50 充放電セル部
60 多孔質膜(隔壁)
100 レドックスフロー電池
200 レドックスフロー電池
300 レドックスフロー電池

Claims (9)

  1. 可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体、のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とを含み、
    水系電解液であることを特徴とする、レドックスフロー電池用電解液。
  2. 前記有機分子を含む場合には、前記有機分子の濃度は、前記有機分子の水に対する飽和溶解度の2倍以上5000倍以下であり、
    前記錯体を含む場合には、前記錯体の濃度は、前記錯体の水に対する飽和溶解度の2倍以上5000倍以下であることを特徴とする、請求項1に記載のレドックスフロー電池用電解液。
  3. 前記有機分子を含む場合に、前記有機分子の可逆的な酸化還元反応は、プロトンの授受によるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池用電解液。
  4. レドックスフロー電池を構成する電極において電子を受け取ることで還元される金属イオンを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池用電解液。
  5. 電解質の支持塩を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池用電解液。
  6. 前記金属イオンは、亜鉛イオン、鉛イオン及び鉄イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項4に記載のレドックスフロー電池用電解液。
  7. 可逆的な酸化還元反応性を有する有機分子、及び、錯体、のうちの少なくとも一方と、界面活性剤とを含み、水系電解液であるレドックスフロー電池用電解液と、正極と、負極とを備え、
    前記レドックスフロー電池用電解液に含まれる有機分子、及び、錯体のうちの少なくとも一方が、前記電極で酸化還元反応を生じることで充放電が行われることを特徴とする、レドックスフロー電池。
  8. 前記レドックスフロー電池用電解液を貯蔵する正極電解液タンクと、
    前記正極電解液タンクと前記正極との間で前記レドックスフロー電池用電解液を循環させる正極電解液循環装置と、
    溶解析出により充放電反応を起こす金属イオンを含む水系電解液である負極電解液と、
    前記負極電解液を貯蔵する負極電解液タンクと、
    前記負極電解液タンクと前記負極との間で前記負極電解液を循環させる負極電解液循環装置と、
    前記正極と前記負極との間に設けられた隔壁と、を備えることを特徴とする、請求項7に記載のレドックスフロー電池。
  9. 前記レドックスフロー電池用電解液には、溶解析出により充放電反応を起こす金属イオンが含まれ、
    前記レドックスフロー電池用電解液を貯蔵する電解液タンクと、
    前記電解液タンクと、前記正極及び前記負極のうちの一方の電極と、の間で前記レドックスフロー電池用電解液を循環させる電解液循環装置と、
    前記正極と前記負極との間に設けられ、前記金属イオン及び水を透過させる多孔質膜とを備え、
    前記レドックスフロー電池用電解液に含まれる金属イオンが、前記水とともに前記多孔質膜を透過して、前記正極及び前記負極のうちの他方の電極に供給されることで、充放電が行われることを特徴とする、請求項7に記載のレドックスフロー電池。
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