JP7258350B2 - 規則構造を有する高水溶性、高エネルギー密度化有機系活物質を用いた電気化学デバイス - Google Patents

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本発明は、電気化学デバイスの技術分野に関し、より詳細には、規則構造を有し、高い水溶性を示す、エネルギー密度の高い有機系活物質を用いたレドックスフロー電池及びレドックスキャパシタに関する。
二酸化炭素等の温暖化ガスを発生しない、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用した発電システムが、欧米を中心に我国でも積極的に導入されるようになっている。このような再生可能な自然エネルギーを有効かつスムーズに使うためには、発電した電気を自由に出し入れできる蓄電池(二次電池)が合わせて必要になる。大容量蓄電池としては、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、NAS電池(ナトリウム硫黄電池)、鉛蓄電池及びレドックスフロー電池などが実用化されている。
鉛蓄電池は、古くから自動車用および自動二輪用のバッテリとして用いられており、小型蓄電池としての実績が豊富である。リチウムイオン電池は、電気自動車等へ搭載されており、小型電池として多くの実績を有する。NAS電池は、極めて高いエネルギー密度を有しており、その充放電効率の高さから、変電所における電力平準化の用途で導入されている。
レドックスフロー電池は、これらの蓄電池に比べてエネルギー密度が低く、かつ希少金属であるバナジウムを多く使用するために高コストであるが、「長寿命」、「高い設計自由度」、「高い安全性」および「常温運転」という長所を持つ。このような長所を持つレドックスフロー電池は、現在、世界中で、再生可能エネルギーの平準化手段の一つとして有力視されている。
レドックスフロー電池は、1974年頃にNASAが開発に成功した電池である。開発当初は、Fe/Cr系が主流であったが、正・負電解液が隔膜を通して混合することが電池の容量低下につながるという欠点を有しており、飛躍的な実用化には至っていなかった。1984年頃に、オーストラリアが正・負電解液の活物質にバナジウムイオンを用いたV/V系(バナジウム/バナジウム系)のレドックスフロー電池を発明した。これ以降、レドックスフロー電池が飛躍的に実用化され、現在に至る。
V/V系のレドックスフロー電池は、炭素繊維等から成る電極を正極液および負極液に入れ、正極液および負極液をともにバナジウム系の電解液とする電池である。正極側と負極側とは、両極側の電解液を通過させずに水素イオンのみを通過させる隔膜で仕切られている。充電時および放電時、正極液は、電池外部のタンクに接続され、電池外部のポンプによって正極とタンクとをつなぐ経路を循環させられる。負極液も正極液と同様のシステムにて循環させられる(特許文献1)。
しかし、バナジウムや臭素のような無機系の酸化還元活物質は、硫酸などの強酸性下で使用されるために電解液自体の危険性や毒性が高く、さらに地球上での存在量が限られているため、コストの変動が激しいという問題がある。そこで最近の動きとして、無機系の電解液の代わりに、腐食性がなく安全で低コストの有機化合物を用いる報告が数多くなされている。例えば、有機/無機レドックス材料を用いるフロー電池として最初に、負極活物質にカドミウムを用い、正極活物質としてテトラクロロ-p-ベンゾキノン(クロラニル、QCl4)を用いる、カドミウム/クロラニルフロー電池が報告された(非特許文献1)。また、鉄や銅、チタンや亜鉛、マンガンといった金属種と有機化合物からなる金属錯体を電解液として用いた水系フロー電池が報告されている(特許文献2~4)。
続いて、2,2,6,6-テトラメチルピペラジンオキシル(TEMPO)を含むリチウムとのハイブリッドフロー電池が報告されている(非特許文献2)。TEMPOは、安定なヘテロシクリルニトロオキシドラジカルであり、リチウムや亜鉛などの金属とのハイブリッド型のみならず、すべて有機化合物からなるレドックスフロー電池としても応用されており、例えば、正極活物質にTEMPOを用い、負極活物質としてN-メチルフタルイミドを用いる例がある(非特許文献3)。
近年では、有機活物質を用いた水系のフロー電池に関する多数の報告があり、例えば、正極活物質に水溶性TEMPO(トリメチルアンモニウム-TEMPO)を用い、負極活物質にビオローゲン誘導体である、1,1’-ビス(3-トリメチルアンモニオ)プロピル)4,4’ビピリジニウムテトラクロライド((NPr)2V)を用いたフロー電池では、塩化ナトリウム水溶液を電解液の溶媒として使用している(非特許文献4)。
このような水系電解液を用いた有機金属錯体を含む有機系フロー電池は、溶媒の種類が酸性以外にも適用可能であることから、上記の危険性や毒性の問題をクリアするが、一方で、バナジウムなどの無機系活物質を用いたフロー電池と比較すると、エネルギー密度が低く、充放電の効率や電圧の効率が低いという問題点がある。
エネルギー密度を向上させる方法としては、正・負極の両極でそれぞれ生じる酸化還元電位を広げることや、活物質の溶解度を向上させる必要があり、そのために様々な有機系活物質の設計がなされている。このような観点から、近年では、活物質を高分子化した電解液を用いることで、一分子当たりの反応点数を増やし、高エネルギー密度化を指向した新しいフロー電池が報告されている(非特許文献5,6)。分子サイズを大きくすることで、隔膜を介したクロスオーバーによる充放電効率の低下は避けられるために、クーロン効率が高くなる一方で、高分子化によって溶解度を向上させることは困難であり、結果的にバナジウムレドックスフロー電池のエネルギー密度を超えることは難しいのが現状である。
米国特許第4786567号明細書 国際公開2012/117543号 国際公開2013/164879号 国際公開2014/030231号
Electrochem. Commun. (2009) Vol.11, p.1422-1424. Adv. Mater. (2014) Vol.26, p.7649-7653. Electrochem. Solid-State Lett. (2011) Vol.14, p. A171-A173. Chem. Commun. (2018) Vol.54, p.6871-6874 Nature (2015) Vol.527,p.78-81. J. Power Sources (2018) Vol.378, p.546-554.
本発明は、一分子内に多数の反応サイトを有し、かつ溶解性に優れた有機分子を活物質とする高エネルギー密度化レドックスフロー電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に介在する隔膜と、を備える電気化学セルに、正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う電気化学デバイスである。前記正極電解液及び/又は前記負極電解液は、活物質として、下記活物質(A)を含む電気化学デバイスである。
活物質(A)は、ベンゼン環の1,3,5位のそれぞれに式(1)のアルキルビオローゲンユニットを結合させた化合物であるか、または、式(1)のアルキルビオローゲンユニットを第1世代とし、該第1世代アルキルビオローゲンユニットの両端にベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第2世代とし、該第2世代の各アルキルビオローゲンユニットの一端にそれぞれベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第3世代とし、これを繰り返して得られる化合物であって、終端がアルキルビオローゲンユニットである第i世代の構造を有し、第i世代の終端に存在する式(1)のアルキルビオローゲンユニットの数が2iであり、iが2以上4以下である、第i世代の構造を有する化合物である、ベーテ格子乃至ケイリー樹の一部を形成する化合物である。

Figure 0007258350000001
ここでRは炭素数が1~3個のアルキル基を表す。
本発明の好ましい実施形態における活物質(A)は、下記式(2)の、
Figure 0007258350000002
(式中X-がPF6 -、BF4 -、ClO4 -、Cl-、Br-のいずれか)
構造を含む活物質である。
好ましい実施形態における上記電気化学デバイスは、さらに以下の特徴を有する:
(a)負極電解液が、活物質として上記式(2)で示される有機分子を含み、かつX-がCl-を含む。
(b)負極電解液が、活物質として上記式(2)で示される有機分子を含み、かつ正極電解液が鉄、マンガン、ニッケル、バナジウムを含む化合物、ビオルル酸、インディゴ、TEMPO又は9-アミノアクリジン等を含む。
(c)電気化学デバイスが、レドックスフロー電池又はレドックスキャパシタである。
本発明の特に好ましい実施形態におけるレドックスフロー電池は、正極と、負極と、正極及び負極の間に介在する隔膜と、を備える電池セルと、正極電解液及び負極電解液のそれぞれを貯蔵する正極用及び負極用電解液タンクと、正極用及び負極用電解液タンクのそれぞれと電池セルとを連結して正極電解液及び負極電解液を循環させる正極用及び負極用電解液循環装置と、を備え、前記負極電解液は、活物質として上記式(2)で示される有機分子を含むことを特徴とする。
さらに好ましくは、隔膜が、アニオン交換膜、カチオン交換膜又は多孔質膜である。
本発明によれば、充放電効率、電圧効率に優れ、エネルギー密度が高く、さらに中性溶液中で作動する安全性の高いレドックスフロー電池を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態のレドックスフロー電池の構成図である。 図2は、本発明の他の実施形態にかかるレドックスフロー電池の小型試験セルの断面図である。 図3は、式(2)で示される活物質溶液(実施例1(1)の化合物5(第2世代)および化合物13(第3世代))について小型試験セルを用いて測定した電流-電位曲線の図である。 図4は、メチルビオローゲンユニットについて小型試験セルを用いて測定した電流-電位曲線の図である。 図5は、鉄錯体化合物について小型試験セルを用いて測定した電流-電位曲線の図である。 図6は、小型試験セルを用いて、鉄錯体化合物を0.15M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を正極電解液、メチルビオローゲンユニットを0.1M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を負極電解液として使用した際の充放電実験の結果を示す。 図7は、小型試験セルを用いて、鉄錯体化合物を0.1M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を正極電解液、第2世代を0.025M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を負極電解液として使用した際の充放電実験の結果を示す。 図8は、小型試験セルを用いて、鉄錯体化合物を0.1M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を正極電解液、第3世代を0.008M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を負極電解液として使用した際の充放電実験の結果を示す。 図9は、小型試験セルを用いて、5価のバナジウムを1.0M含んだ3.5M硫酸溶液を正極電解液、3価のバナジウムを1.0M含んだ3.5M硫酸溶液を負極電解液として使用した際の充放電実験の結果を示す。 図10は、小型試験セルを用いて、鉄錯体化合物を0.5M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を正極電解液、第2世代を0.15M含んだ2.0M塩化ナトリウム溶液を負極電解液として使用した際の充放電実験の結果を示す。 図11は、小型試験セルを用いて、酸化硫酸バナジウムを0.1M含んだ0.5M硫酸水溶液を正極電解液、第2世代を0.02M含んだ0.1M硫酸水溶液を負極電解液、隔膜にナフィオンNR212を使用した際の充放電実験の結果を示す。 図12は、小型試験セルを用いて、酸化硫酸バナジウムを0.1M含んだ0.5M硫酸水溶液を正極電解液、第3世代を0.008M含んだ0.1M硫酸水溶液を負極電解液とし、隔膜にナフィオンNR212を使用した際の充放電実験の結果を示す。 図13は、小型試験セルを用いて、酸化硫酸バナジウムを0.1M含んだ0.3M硫酸水溶液7mLを正極電解液、第3世代を0.04M含んだ水溶液7mLを負極電解液とし、隔膜にナフィオンNR212を使用し、電解液を毎分20mLの速度で流通させた際の充放電実験の結果を示す。
以下、図面を参照して、本発明の電気化学デバイスの一実施形態であるレドックスフロー電池の概要を説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態にかかるレドックスフロー電池の構成図である。図1に示すRed1及びRed2は還元型の活物質を示し、Ox1及びOx2は酸化型の活物質を意味する。イオン種は例示である。また、図1において、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
[レドックスフロー電池]
レドックスフロー電池11は、典型的には、交流/直流変換器を介して、発電所(例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他、一般の発電所など)と、電力系統や需要家などの負荷とに接続され、発電所を電力供給源として充電を行い、負荷を電力提供対象として放電を行う。上記充放電を行うにあたり、レドックスフロー電池11と、この電池11に電解液を循環させる循環機構(タンク、配管、ポンプ)とを備える以下の電池システムが構築される。
レドックスフロー電池11は、正極3を内蔵する正極セル4と、負極1を内蔵する負極セル2と、両セル2、4を分離すると共に適宜イオンを透過する隔膜5とを具える。正極セル4には、正極電解液用のタンク8が配管を介して接続される。負極セル2には、負極電解液用のタンク7が配管を介して接続される。配管には、電解液を循環させるためのポンプ9、10を備える。レドックスフロー電池11は、配管、ポンプを利用して、正極セル4(正極3)、負極セル2(負極1)にそれぞれタンク8の正極電解液、タンク7の負極電解液を循環供給して、各極の電解液中の活物質となる有機分子の酸化還元反応に伴って充放電を行う。
図2は、他の実施形態にかかるレドックスフロー電池の小型試験セル21の断面図を示す。セル21は、その略中央部において、カーボンフェルト製の負極30とカーボンフェルト製の正極31とを、陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜(以後、「隔膜」若しくは単に「膜」と称する)32を挟んで対向配置させた構造を有する。負極30は、その外側に樹脂とグラファイトを複合させて成るグラファイト複合集電板33を、そのさらに外側に負極端子37をそれぞれ配置する。同様に、正極31は、その外側に樹脂とグラファイトを複合させて成るグラファイト複合集電板34を、そのさらに外側に正極端子38をそれぞれ配置する。負極30、グラファイト複合集電板33および負極端子37は、互いに電気的に導通可能に接触している。同様に、正極31、グラファイト複合集電板34および正極端子38も、互いに電気的に導通可能に接触している。このため、負極端子37と正極端子38との間の電位差を測定することは、負極30と正極31との間の電位差を測定することと同一視できる。
グラファイト複合集電板33と隔膜32との間、およびグラファイト複合集電板34と隔膜32との間には、ガスケット35およびガスケット36が配置されている。負極30はガスケット35の内方に配置されている。同様に、正極31はガスケット36の内方に配置されている。ガスケット35,36は、負極30および正極31にしみ込んだ各電解液がセル21から外部へと漏れるのを有効に防止する機能を有する。負極端子37のさらに外側には、バックプレート39が配置されている。同様に、正極端子38のさらに外側には、バックプレート40が配置されている。バックプレート39とバックプレート40とは、例えばボルトとナット(不図示)とを用いて、両者の間隔を狭くする方向に型締めされている。
グラファイト複合集電板33、負極端子37およびバックプレート39は、それらを連通する2つの貫通孔を備える。1つの貫通孔にはチューブ41が挿入されている。もう1つの貫通孔には、チューブ42が挿入されている。チューブ41およびチューブ42は、グラファイト複合集電板33、負極端子37およびバックプレート39を連通する貫通孔と隙間のない状態にて、それぞれ負極30の外側表面に達している。また、グラファイト複合集電板34、正極端子38およびバックプレート40は、それらを連通する2つの貫通孔を備える。1つの貫通孔にはチューブ43が挿入されている。もう1つの貫通孔には、チューブ44が挿入されている。チューブ43およびチューブ44は、グラファイト複合集電板34、正極端子38およびバックプレート40を連通する貫通孔と隙間のない状態にて、それぞれ正極31の外側表面に達している。負極端子37と正極端子38との間に電源装置(抵抗回路を有する。不図示)を接続することにより充放電を行うことができる。
[活物質としての有機分子]
本発明に係るレドックスフロー電池は、活物質として特定の有機分子、活物質(A)を含む。
活物質(A)は、ベンゼン環の1,3,5位のそれぞれに式(1)のアルキルビオローゲンユニットを結合させた化合物であるか、または
式(1)のアルキルビオローゲンユニットを第1世代とし、該第1世代アルキルビオローゲンユニットの両端にベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第2世代とし、該第2世代の各アルキルビオローゲンユニットの一端にそれぞれベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第3世代とし、これを繰り返して得られる化合物であって、終端がアルキルビオローゲンユニットである第i世代の構造を有し、第i世代の終端に存在する式(1)のアルキルビオローゲンユニットの数が2iであり、iが2以上4以下である、第i世代の構造を有する化合物であり、
どちらもベーテ格子乃至ケイリー樹の一部を形成する化合物であることを特徴とする。

Figure 0007258350000003
ここでRは炭素数が1~3個のアルキル基を表す。
正極電解液および負極電解液に含まれる有機分子は、その種類を限定するものではないが、好ましくは、酸化還元応答を示すユニットを一分子内に内包し、そのユニットが一分子内に複数含まれており、かつ、少なくとも終端が有限世代の酸化還元応答を示すユニットである、ベーテ格子乃至ケイリー樹の一部を形成する構造を含んだ、対称性が高い構造を有することを特徴とする。対称性が高くなることで、分子量が大きくとも溶媒に溶かした場合、外側に位置する酸化還元応答を示すユニットは凝集しにくくなり、高濃度溶液状態の安定化効果を発揮する。
これによって、活物質が沈殿しにくいのでイオンの移動が妨げられず、各世代ユニット中の酸化還元が効率よく行われ、高エネルギー容量のレドックス電池を作製できる。使用する電解液中の活物質の濃度は0.1~3Mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5~1Mの範囲である。また、本発明では、前記有機分子を正極又は負極活物質とし、他の有機分子又は有機金属錯体を正極又は負極活物質とすることもできる。
本発明の一実施形態において用いられる有機分子は、下記式(2):
Figure 0007258350000004
(式中X-がPF6 -、BF4 -、ClO4 -、Cl-、Br-のいずれか)の構造を含む。
これらの中でも、上記式(2)で示される有機分子としては、X-はPF6 -あるいはCl-であることが好ましく、特に好ましいのはCl-である。
上記式(2)の有機分子を含んだ場合の酸化還元応答はエチルビオローゲンユニットの酸化還元反応を基本とするものであり、一般的なメチルビオローゲンの酸化還元反応は以下のとおりである。
Figure 0007258350000005
他の実施形態では、負極電解液に上記式(2)の有機分子を含み、正極電解液に他の有機分子、例えば、ビオルル酸、インディゴ、TEMPO又は9-アミノアクリジン等を含んでもよい。例えば、正極におけるTEMPOの酸化還元反応は以下のとおりである。
Figure 0007258350000006
また、電解液には、電解質として支持塩を含ませることが好ましい。支持塩が含まれることで、電解液の電気伝導性が向上し、電池のエネルギー効率、エネルギー密度を向上させることができる。支持塩としては、例えば塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸、および塩酸等が挙げられる。
正極セル及び負極セルを仕切る隔膜は、カチオン交換膜又はアニオン交換膜を使用することができ、この場合、充放電に伴って、例えば、水素イオンや塩素イオンが隔膜を介して移動し、正極での充電反応によって生じた有機分子内の正の電荷を補償することができる。さらに、隔膜を介して移動する化学種が支持電解質のみであれば、単なる多孔質膜を使用することができる。多孔質膜としては、例えば、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、フッ素含有ポリマー膜、セルロースアセテート膜、ニトロセルロース膜等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、上記有機分子と同様に、電解液には錯体が含まれてもよい。錯体もまた電解液中で電極活物質として機能するものである。電解液に含まれ得る錯体としては、例えば、金属原子と配位して金属原子を取り込み、酸化還元に対して安定な錯体が挙げられる。このような錯体としては、例えば、ポルフィリンやフェナントロリン、フェロセン、ヘキサシアノ化合物(例えばフェロシアン化カリウム)、キレート化合物(例えば鉄-エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)等の有機錯体の他、酸化グラフェン等の無機錯体等が挙げられる。なお、電解液には、前記の有機分子と前記の錯体との双方が含まれてもよく、いずれか一方のみが含まれてもよい。
電解液には、前記の有機分子や錯体を水溶液に可溶化するための界面活性剤が含まれてもよい。これにより、水系の電解液中に難溶性の有機分子や錯体が一様に分散するものと考えられる。界面活性剤の具体例は特に制限されず、カチオン系の界面活性剤、アニオン系の界面活性剤、ノニオン系の界面活性剤等、どのようなものであってもよい。従って、価格や、活物質として用いる有機分子や錯体の可溶化度合いを考慮して選択すればよい。
カチオン系の界面活性剤としては、例えば、アミンや4級アンモニウム塩(例えばテトラメチルアンモニウムクロリド)、さらには4級アンモニウム塩を含む高分子等が挙げられる。また、アニオン系の界面活性剤としては、スルホン酸(例えばドデシル硫酸ナトリウム)やカルボン酸、リン酸を有する高分子等が挙げられる。さらに、ノニオン系の界面活性剤としては、ジグライムなどのエーテル含有化合物やエーテル(例えばポリエチレングリコールオクタデシルエーテル)を含む高分子等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
また、本実施形態の電解液には、前記の有機分子や錯体、界面活性剤以外にも、任意の成分が含まれていてもよい。例えば、電解液には、溶解析出反応によって充放電される、即ち、例えば電子を受け取ることで還元されて金属を生じる、任意の金属イオンが含まれていてもよい。例えば、正極及び負極のうちの一方の極の活物質を前記の有機分子や錯体とした場合には、他方の極の活物質としての金属イオンを含ませることができる。このような金属イオンとしては、他方の極の溶解析出電位との電位差が大きく、溶解及び析出速度が速いものが好ましい。これにより、高い充放電電圧が得られる。具体的には、亜鉛イオン、鉄イオン及び鉛イオン、マンガンイオンからなる群より選ばれる一種以上の金属イオンが好ましい。そして、活物質として金属イオンが電解液に含まれる場合には、電極は、当該金属イオンと同種の金属により構成されることが好ましい。
[レドックスキャパシタ]
上述したレドックスフロー電池は、活物質を含む電解液をポンプでセルに送り、充電・放電時にはタンク内の電解液の酸化・還元により電気を貯め又は放出するシステムである。これに対し、電気二重層キャパシターは、蓄電デバイスの一つであって、蓄電容量という点では通常の二次電池より劣るが、パワー密度(瞬時に放電する能力)は、電気二重層キャパシターの方が二次電池よりも優れていると考えられている。通常の電気二重層キャパシターは大型化ができないこと、エネルギー密度が低いことなどの欠点があるが、数万サイクルも充放電が可能であるという利点を有する。上述した本発明のレドックスフロー電池は、電解液をフローせずに静止した状態でも、サイクル特性がよく、低コストで安全性が高いことから、電気二重層キャパシターと同様に機能することができるため、これをレドックスキャパシタ(レドックススーパーキャパシター)として使用することが可能である。本発明の有機分子を電極に修飾あるいは固定化し、表面積の大きなレドックスキャパシタを構成してもよい。このような電極は、通常、有機分子を含む酸化還元活物質と導電性カーボン粒子を混合し、必要に応じて結着剤(バインダー)を加えて集電体の表面に塗布することで作製することができる。
(エチルビオローゲンユニットを含む有機分子の電気化学特性)
酸化還元応答を示すエチルビオローゲンユニット式(1)を構成単位とし、ベンゼン環によって各エチルビオローゲンユニットは連結している。また、エチルビオローゲンユニットはそれぞれ一分子内に、3、5、13分子含まれており、高い対称性を有している。エチルビオローゲンユニットを結合させた対称性の高い規則構造を有する化合物を以下に示す。
Figure 0007258350000007
ここでX-はCl-を示す。
(1)エチルビオローゲンユニットを含む化合物の溶液調製と電気化学測定(サイクリックボルタモグラム測定)
終端エチルビオローゲンユニットを4および8含む化合物(以下、化合物5(第2世代)および化合物13(第3世代)という)を、2.0MのNaCl(塩化ナトリウム)を含む水溶液に、それぞれ0.025M、0.008Mの濃度となるように溶解させた。これらの所定の濃度に調製した第2世代および第3世代の溶液(2.0MのNaCl溶液)に、作用極としてカーボンフェルト電極(電極面積0.196cm2、東洋紡社製)、参照電極としてピーク樹脂で電極が覆われた銀塩化銀電極(Ag/AgCl(飽和KCl、WARNER INSTRUMENTS社製、型番W3 69-0053))、対極にカーボンフェルト電極(電極面積0.785cm2、東洋紡社製)、隔膜に陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)を使用し、図2の小型試験セルを構成した。電流と電位の関係を調査するために、測定前に十分にアルゴンガスで置換した溶液をセル内に充填し、作用極側に参照電極を配置(ここでは図2中43)することで、サイクリックボルタモグラム測定を行った。その結果を図3に示す。
図3中、実線で示しているのは化合物5(第2世代)、点線で示しているのは化合物13(第3世代)を示している。第2世代は電位を-0.3Vより負の方向に走査し(走査速度:0.001V/s)、-0.7Vで折り返して、正の方向に電位を走査、-0.3Vまで電位走査した結果である。第3世代は電位を-0.3Vから負の方向に走査し(走査速度:0.001V/s)、-0.6Vで折り返して、正の方向に電位を走査し-0.3Vまで電位走査した結果である。
第2世代は-0.49V付近に還元ピークを示し、-0.41V付近に酸化ピークを示すことが分かった。これらの電位で確認された酸化還元ピークは電位走査を繰り返しても変化することはなく、安定であることが確認された。
第3世代は-0.5V付近と-0.45V付近に還元ピークを示し、-0.49V、-0.44V付近と-0.41V付近に酸化ピークを示した。これらの電位で確認された酸化還元ピークは電位走査を繰り返しても変化することはなく、安定であることが確認された。
図4は、0.1Mのメチルビオローゲンユニットを2.0MのNaClに溶解させた溶液を用いて測定したサイクリックボルタモグラムである。測定条件は上記と同様である。-0.5Vより負の方向に走査し(走査速度:0.001V/s)、-0.8Vで折り返して、正の方向に電位を走査、-0.5Vまで電位走査した結果である。-0.63V付近に還元ピークを示し、-0.56V付近に酸化ピークを示した。これらの電位で確認された酸化還元ピークは電位走査を繰り返しても変化することはなく、安定であることが確認された。
メチルビオローゲンユニットの酸化還元電位における電流値は還元ピークにおいて、-0.004A、酸化ピークにおいて、0.003Aである。化合物5は還元ピークにおいて、-0.005A、酸化ピークにおいて、0.004Aである。化合物13は-0.45V付近の酸化還元ピークにおいて、それぞれ、-0.007A(還元側)、0.006A(酸化側)程度である。それぞれの測定に使用した電極面積は同一であり、同一の小型試験セルを使用しているので、上記の電流値の比較は、電極と分子の反応数に関係することになる。すなわち、第2世代および第3世代はメチルビオローゲンよりもそれぞれ1/4、1/13程度、濃度が低いにもかかわらず、電流値が大きいことは、一分子内のビオローゲンユニットのほぼすべてが効果的に電極と反応していることを示しており、このような化合物を電解液に用いれば、レドックスフロー電池の高エネルギー密度化が可能であると考えられる。また酸化還元電位がメチルビオローゲンユニットよりも正方向に現れているが、メチルビオローゲンユニットに電子供与性の置換基を導入することで、酸化還元電位の調製が可能であると考えられる。
(2)鉄イオンを含む錯体化合物の溶液調製と電気化学測定(サイクリックボルタモグラム測定)
硫酸鉄7水和物(FeSO4・7H2O)と1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン4塩酸(1,4,7,10-Tetraazcyclododecane Tetrahydrochloride, C82ON4・4HCl),をモル比で1:1.2となるように混合し、塩化ナトリウム水溶液を用いて、硫酸鉄が0.1Mとなるように調製した。最終的に0.1Mの鉄錯体化合物の2.0M塩化ナトリウム溶液を得た。この鉄錯体化合物の溶液(2.0MのNaCl溶液)に、作用極としてカーボンフェルト電極(電極面積0.196cm2、厚み約0.4cm、東洋紡社製)、参照電極としてピーク樹脂で電極が覆われた銀塩化銀電極(Ag/AgCl(飽和KCl、WARNER INSTRUMENTS社製、型番W3 69-0053))、対極にカーボンフェルト電極(電極面積0.785cm2、厚み約0.4cm、東洋紡社製)、隔膜に陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)を使用し、図2の小型試験セルを構成した。電流と電位の関係を調査するために、測定前に十分にアルゴンガスで置換した溶液をセル内に充填し、作用極側に参照電極を配置することで、サイクリックボルタモグラム測定を行った。その結果を図5に示す。
図5中、鉄錯体化合物は電位を0.3Vより正の方向に走査し(走査速度:0.001V/s)、0.7Vで折り返して、負の方向に電位を走査、0.3Vまで電位走査した結果である。鉄錯体化合物は0.51V付近に酸化ピークを示し、0.46V付近に還元ピークを示すことが分かった。これらの電位で確認された酸化還元ピークは電位走査を繰り返しても変化することはなく、安定であることが確認された。
上記メチルビオローゲン、第2世代、第3世代と上記鉄錯体化合物を組み合わせることで、レドックスフロー電池に適用できることが分かった。
(3)鉄錯体化合物を正極電解液、メチルビオローゲンを負極電解液として用いた、充放電実験
上記鉄錯体化合物の0.15M水溶液(2.0MのNaCl溶液)を正極電解液として、メチルビオローゲンの0.1M水溶液(2.0MのNaCl溶液)を負極電解液として調製し、充放電実験を行った。正極及び負極電解液をそれぞれアルゴンガスで置換し、溶存酸素を取り除いた。試験セルは図2に示した小型試験セルを用いた。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約0.4cm、直径1cm)を用い、隔膜として陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。鉄錯体化合物およびメチルビオローゲンの溶液は図2の溶液注入部(inと表示している41,43番)より、それぞれ正極および負極側に入れ、気泡が入らないようにしながら上部の溶液の出口までを満たすよう注入した。正極、負極とも溶液は外付けの溶液タンクを設置し、タンクから小型セルに溶液が入るようにそれぞれチューブ(タイゴンチューブ、酸性等でないので安価なものでよい)でつなぎ、ポンプ部にかかるところは一定流量で送り出すことができるようにファーメッドチューブ等を用いた。
正極、負極ともそれぞれ端子を外部電源装置(北斗電工社製、HZ-Pro)に接続し、8.9mA/cm2の定電流による充放電試験を行った。設定電位は充電1.4V,休止時間30秒、その後放電0.6Vに設定し、その間の電圧(セル電圧)と電流(充放電電流)を測定した。尚、この時、液は静止状態で行った。最初は自然電位からスタートし、設定した+1.4Vに電位が到達した後に、電流密度0mA/cm2の休止時間(30秒)を設定し、この後に放電側の0.6Vに設定した電圧まで到達するサイクルを繰り返した。測定データは2サイクル目のデータを用いた。
図6の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は放電時の容量と充電時の電気量の比に100を乗じることで見積もられる。また電圧効率(%)は放電時の平均電圧と充電時の平均電圧の比に100を乗じることで見積もられる。エネルギー効率(%)は上記の電流効率と電圧効率の積となる。メチルビオローゲンを負極電解液に使用した場合、電流効率は88%,電圧効率は93%となり、エネルギー効率は82%となる。
(4)鉄錯体化合物を正極電解液、第2世代を負極電解液として用いた、充放電実験
次に、0.1M鉄錯体化合物の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を正極電解液として、0.025Mの第2世代の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.4V、放電0.6Vとし、休止時間30秒、電流密度8.9mA/cm2で行った。その結果を図7に示す。
図7の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は98%、電圧効率(%)は92%となり、エネルギー効率(%)は90%に達した。
(5)鉄錯体化合物を正極電解液、第3世代を負極電解液として用いた、充放電実験
次に、0.1M鉄錯体化合物の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を正極電解液として、0.01Mの第3世代の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.4V、放電0.6Vとし、休止時間30秒、電流密度8.9mA/cm2で行った。その結果を図8に示す。
図8の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は88%、電圧効率(%)は89%となり、エネルギー効率(%)は78%であった。
(6)4価バナジウム溶液を正極電解液、3価バナジウム溶液を負極電解液として用いた、充放電実験
有機分子を活物質に用いた電解液の比較対象として、レドックスフロー電池として広く普及しているバナジウム溶液を用いて、小型試験セルによる充放電試験を行った。1.0M4価バナジウムの水溶液(3.0Mの硫酸)を正極電解液として、1.0Mの3価バナジウムの水溶液(3.0Mの硫酸)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陽イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.6V、放電1.1Vとし、休止時間30秒、電流密度55mA/cm2で行った。その結果を図9に示す。
図9の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は98%、電圧効率(%)は89%となり、エネルギー効率(%)は87%であった。また、放電容量と平均放電電圧の積(Wh)を電解液の体積(L)で除した値(正極および負極電解液の両方を合わせた体積)をエネルギー密度とすると、13Wh/Lとなった。
(7)高濃度の鉄錯体化合物を正極電解液、高濃度の第2世代を負極電解液として用いた、充放電実験
鉄錯体化合物を正極電解液に、メチルビオローゲンユニット、第2世代、第3世代をそれぞれ負極電解液として用いた充放電試験の結果から、第2世代を用いた充放電特性が特に良好であり、高いエネルギー効率が得られた。そこで、濃度を高くすることで、エネルギー密度の向上を図った。0.75M鉄錯体化合物の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を正極電解液として、0.15Mの第2世代の水溶液(2.0MのNaCl溶液)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陰イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.1V、放電0.6Vとし、休止時間30秒、電流密度8.9mA/cm2で行った。その結果を図10に示す。
図10の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は98%、電圧効率(%)は95%となり、エネルギー効率(%)は93%であった。また、放電容量と平均放電電圧の積(Wh)を電解液の体積(L)で除した値(正極および負極電解液の両方を合わせた体積)をエネルギー密度とすると、7.5Wh/L程度となった。
(8)4価バナジウム溶液を正極電解液、第2世代を負極電解液として用いた、充放電実験
実証レベルで検討されているバナジウム電解液との適合性の有無について、正極電解液に4価バナジウム硫酸水溶液、負極電解液に第2世代の硫酸水溶液を用いて、小型試験セルによる充放電試験を行った。0.1M4価バナジウムの水溶液(0.5Mの硫酸)を正極電解液として、0.02Mの第2世代の水溶液(0.1Mの硫酸)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陽イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.6V、放電1.0Vとし、休止時間30秒、電流密度3.8mA/cm2で行った。その結果を図11に示す。
図11の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は94%、電圧効率(%)は92%となり、エネルギー効率(%)は86%であった。
(9)4価バナジウム溶液を正極電解液、第3世代を負極電解液として用いた、充放電実験
正極電解液に4価バナジウム硫酸水溶液、負極電解液に第3世代の硫酸水溶液を用いて、小型試験セルによる充放電試験を行った。0.1M4価バナジウムの水溶液(0.5Mの硫酸)を正極電解液として、0.008Mの第3世代の水溶液(0.1Mの硫酸)を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、直径1cm)、隔膜として陽イオン交換膜(大きさ3cm×2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.6V、放電1.1Vとし、休止時間30秒、電流密度3.8mA/cm2で行った。その結果を図12に示す。
図12の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は93%、電圧効率(%)は93%となり、エネルギー効率(%)は86%であった。
(10)4価バナジウム溶液を正極電解液、第2世代を負極電解液として用いた、電解液流通下における充放電実験
正極電解液に4価バナジウム硫酸水溶液、負極電解液に第2世代の硫酸水溶液を用いて、小型試験セルによる充放電試験を行った。0.1M4価バナジウムの水溶液(0.3Mの硫酸)を正極電解液として、0.04Mの第2世代の水溶液を負極電解液として調製し、上記と同様の手順で小型試験セルを用いて充放電測定を行った。正極、負極ともカーボンフェルト電極(厚み約4mm、長さ5cm、幅1cm)、隔膜として陽イオン交換膜(長さ7cm×幅2cm、厚み0.05mm)、シリコーン製のガスケット(厚み3mm)を用いて小型セルを構成した。設定電圧(端子電圧)は、充電1.5V、放電0.8Vとし、休止時間150秒、電流密度7mA/cm2で行った。正極及び負極の電解液量はそれぞれ7mLとし、正極、負極共に一分間に20mLの流通速度で循環させた。その結果を図13に示す。
図13の縦軸はセル電圧を横軸は容量を示している。実線は充電曲線、破線は放電曲線を示している。充放電効率(%)は89%、電圧効率(%)は92%となり、エネルギー効率(%)は82%であった。また、放電容量と平均放電電圧の積(Wh)を電解液の体積(L)で除した値(正極および負極電解液の両方を合わせた体積)をエネルギー密度とすると、1.14Wh/L程度となった。
負極電解液にビオローゲンユニットを規則的に複数分子連結した化合物を用いることで、メチルビオローゲン分子単独に比べてエネルギー効率の飛躍的な向上が見られた。これらの化合物の溶解度は、2MのNaCl溶液でおよそ1~3M程度であり、レドックスフロー電池として利用する場合は0.5M~1M程度が好ましい。例えば第2世代の1.0Mの電解液では容量が134Ah/L、第3世代では0.5Mの電解液では容量が174Ah/Lに達する見込みであり、バナジウムレドックスフロー電池と同等もしくはそれ以上の高エネルギー密度化が可能であると考えられる。また、第2世代、第3世代については、正極電解液にバナジウム電解液、隔膜にバナジウムレドックスフロー電池と同様の陽イオン交換膜が使用できることから、既に市場導入されているバナジウムレドックスフロー電池以外の酸性電解液を正極に用いることができる。
ビオローゲンユニットを規則的かつ一定の分子数で連結した有機分子を用いたレドックスフロー電池に関するものであるが、負極電解液に限らない。例えば、TEMPOなど、安定な酸化還元特性を示し、水溶性のものを、同様に規則的かつ一定の分子数を連結した有機分子を活物質に用いても良い。
本発明は、高い水溶性を有し、エネルギー効率、エネルギー密度に優れた有機分子を活物質として用いるレドックスフロー電池を提供することができる。
1、30 負極
2 負極セル
3、31 正極
4 正極セル
5、32 隔膜
7 負極電解液用のタンク
8 正極電解液用のタンク
11 レドックスフロー電池
21 小型試験セル
33、34グラファイト複合集電板
35、36ガスケット
37 負極端子
38 正極端子
39、40バックプレート
41~44チューブ


Claims (9)

  1. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在する隔膜と、を備える電気化学セルに、正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う電気化学デバイスであって、
    前記負極電解液は活物質として、下記式(1)のアルキルビオローゲンユニットを含む下記活物質(A)を含むことを特徴とする電気化学デバイス。
    ここで、活物質(A)は、
    ベンゼン環の1,3,5位のそれぞれに式(1)のアルキルビオローゲンユニットを結合させた化合物であるか、または、
    式(1)のアルキルビオローゲンユニットを第1世代とし、該第1世代アルキルビオローゲンユニットの両端にベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第2世代とし、該第2世代の各アルキルビオローゲンユニットの一端にそれぞれベンゼン環を設け、それらベンゼン環の各メタ位置に式(1)のアルキルビオローゲンユニットをそれぞれ設けて第3世代とし、これを繰り返して得られる化合物であって、終端がアルキルビオローゲンユニットである第i世代の構造を有し、第i世代の終端に存在する式(1)のアルキルビオローゲンユニットの数が2iであり、iが2以上4以下である、第i世代の構造を有する化合物である、
    ベーテ格子乃至ケイリー樹の一部を形成する化合物である。
    Figure 0007258350000008
    ここでRは炭素数が1~3個のアルキル基を表す。
  2. 前記活物質(A)の式(1)アルキルビオローゲンユニットのアルキル基Rが、メチル基またはエチル基である、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記活物質(A)の対アニオンがPF6 -、BF4 -、ClO4 -、Cl-、Br-のいずれかの構造を含む、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記活物質(A)が、下記式(2)(式中X-は、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、Cl-、Br-のいずれか)の化合物の少なくとも1つである、請求項1ないし3のいずれかに記載の電気化学デバイス。
    Figure 0007258350000009
  5. 前記正極電解液が、鉄、マンガン、ニッケル、バナジウムを含む化合物、ビオルル酸、インディゴ、TEMPOまたは9-アミノアクリジン等の有機分子または有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の電気化学デバイス。
  6. 前記正極電解液および負極電解液が、水溶液またはジクロロメタン、ベンゾトリフルオリド、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、炭酸プロピレン、テトラヒドロフランのいずれかを含む非水溶液から構成される、請求項1ないし5のいずれかに記載の電気化学デバイス。
  7. 前記電気化学デバイスが、レドックスフロー電池またはレドックスキャパシタである、請求項1ないし6のいずれかに記載の電気化学デバイス。
  8. 正極と、負極と、前記正極及び負極の間に介在する隔膜とを備える電池セルと、
    正極電解液および負極電解液のそれぞれを貯蔵する正極用および負極用電解液タンクと、
    前記正極用および負極用電解液タンクのそれぞれと前記電池セルとを連結して前記正極電解液および負極電解液を循環させる正極用および負極用電解液循環装置とを備え、
    前記負極電解液は、活物質として、請求項1ないし5のいずれかに記載の活物質(A)を含むことを特徴とするレドックスフロー電池。
  9. 前記隔膜が、アニオン交換膜、カチオン交換膜または多孔質膜のいずれかである、請求項8に記載のレドックスフロー電池。

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