JP2016102973A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリンタ、プリントサーバの双方のキャリブレーションに対するユーザの実行指示作業を簡略化し、画質を維持しつつユーザの作業負荷を軽減する画像処理装置を提案する。【解決手段】 本発明の画像形成装置は、第1キャリブレーションの実行を制御する制御手段を有する画像形成装置であって、第1キャリブレーションとは異なる第2キャリブレーションの実行指示を受けた画像処理装置から第2キャリブレーションに関する情報を受信する受信手段、受信した情報を基に第1キャリブレーションにて用いられるチャートを形成する用紙の給紙段と第1キャリブレーションの対象となる用紙種とを決定する決定手段と、決定された給紙段から給紙された用紙を用いて決定された用紙種の補正値を取得するために第1キャリブレーションが実行されると、第2キャリブレーションを開始させるための通知を画像処理装置に送信する通知手段とを有することを特徴とする。【選択図】 図9
Description
本発明は、画像形成装置および画像形成装置に接続されるプリントサーバである画像処理装置のキャリブレーション機能の実行指示を簡略化するための方法に関する。
一般に、画像形成装置であるプリンタにおいて、プリンタが設置される環境の影響により印刷特性が変化することが知られている。主に、設置環境の温度や湿度の変化、またプリンタを使用し続けることによる経年変化、部品交換などが原因となる。印刷特性が変化することで出力される印刷物の濃度や色味が変化してしまい、安定した印刷結果を得られないという問題が発生する。例えば、印刷物が商品となるプロダクション市場において、安定した印刷結果を得ることは非常に重要な課題となっている。そのため、変化する印刷特性を一定に保つために、キャリブレーション処理が行われる。キャリブレーション処理を実施することで、印刷物の濃度や色味を予めプリンタ内部で定められたターゲットの特性に合わせるよう補正がなされる。
プリンタおよびプリンタに接続されるプリントサーバを用いて印刷を行うシステムでは、それぞれの装置で独立したキャリブレーション処理を実施することが可能となっている。このどちらのキャリブレーション処理もプリンタの印刷特性を補正するために行われる。しかし、後述する印刷データの画像処理フローとの関係性において、プリントサーバのキャリブレーション処理は、プリンタ側の印刷特性が一定の状態に保たれていないと適切な効果を奏しない。そのため、最適な画質を実現するためには、初めにプリンタにおけるキャリブレーション処理、続いてプリントサーバにおけるキャリブレーション処理を実行する必要がある。よって、異なる種類のキャリブレーション処理の指示が必要なため、オペレータの作業の負荷が大きいという問題がある。
キャリブレーション処理の指示を簡略化する手法は、特許文献1で開示されている。
特許文献1では、複数の動作モードのそれぞれに対応してキャリブレーション処理を行う画像形成装置にて、1つの動作モードに対応するキャリブレーション処理の結果に応じて、他の動作モードに対応するキャリブレーション処理の実行を省略可能か否か判定する。
上記技術では、単一装置内で実行されるキャリブレーション処理の簡略化は可能である。しかし、プリンタとプリントサーバとの独立した別々の装置にて実行される異なるキャリブレーション処理を行う際のユーザの作業負荷を軽減させる構成については開示されていない。つまり、オペレータは、プリンタとプリントサーバとの独立した別々の装置の双方に対しキャリブレーション処理の実行指示をしなくてはならない。
上記の課題を解決すべく、本発明の画像形成装置は、画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションの実行を制御する制御手段を有する画像形成装置であって、前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションの実行指示を受けた画像処理装置から該第2キャリブレーションに関する情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した情報を基に、前記第1キャリブレーションにて前記出力特性を取得するために用いられるチャートを形成する用紙を給紙する給紙段と前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種とを決定する決定手段と、前記決定手段により決定された給紙段から給紙された用紙を用いて、前記決定手段により決定された用紙種の補正値を取得するために前記制御手段により第1キャリブレーションが実行されると、前記画像処理装置で前記第2キャリブレーションを開始させるための通知を前記画像処理装置に送信する通知手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、プリンタとプリントサーバとの独立した別々の装置にて実行される異なるキャリブレーションを実行指示するためのユーザの作業負荷を簡略化することができる。
それにより、適切な画質を維持しつつ、オペレータの作業負荷を軽減することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示すブロック図である。プリントサーバ101とプリンタ111は専用I/F部を介して直接接続されており、さらにプリントサーバ101は、ネットワーク140を介してクライアントPC130と接続されている。
クライアントPC130は、ユーザからの指示を受け付けるキーボードやマウスなどの入力部(不図示)、ディスプレイなどの出力部(不図示)、汎用的な処理を実行制御するPCコントローラ部(不図示)を備えている。通常、プリントサーバ101からプリンタ管理アプリケーションが提供されており、それをクライアントPC130にインストールすることで、ユーザは、プリンタ管理アプリケーションから印刷ジョブの投入や各種設定を実行できる。
プリントサーバ101は、プリントサーバコントローラ102を備えている。ネットワーク部I/F部103は、ネットワークを介して外部接続されているクライアントPC130との通信制御を行う。制御部104は、CPU、HDD、メモリ(不図示)で構成され、投入された印刷ジョブの解析、画像データへの展開処理などプリントサーバ101における印刷処理実行に必要な処理を行う。さらに、プリンタ111での印刷制御に必要な情報を、制御系I/F部107を介してプリンタ111へ送信する。また、展開した画像データを順次画像圧縮伸長処理部105へ送信する。また、制御部104は、キャリブレーション実行の制御処理を行う。画像圧縮伸長処理部105は、制御部104にて展開された画像データを必要に応じて圧縮し、画像メモリ106へ保存する。さらに画像メモリ106に保存された画像データを伸長し、プリンタ111へ送信するため画像系ビデオI/F部108へ送信する。送信された画像データは、制御部104からの制御指示に従い、プリンタ111へ送信される。また、本実施形態では、制御部104は、USBI/F部109を介して外部の測定装置110と接続されている。
プリンタ111は、プリンタコントローラ112、プリンタ部120、スキャナ装置121、および操作部122を備えている。プリンタコントローラ112は、プリントサーバ101から送信される印刷ジョブを受け付け、プリンタ部120から印刷出力するための処理を行う。制御系I/F部113は、プリントサーバ101の制御系I/F部107から印刷ジョブに関係する制御情報を送受信する。画像系ビデオI/F部114は、プリントサーバ101の画像系ビデオI/F部108から画像データを送受信する。制御部115は、制御系I/F部113および画像系ビデオI/F部114からのデータを受け取り、プリンタ部120から出力可能なデータへ変換する処理などプリンタ部120における印刷処理実行に必要な処理を行う。制御部115は、CPU、HDD、メモリ(不図示)で構成される。画像系ビデオI/F部114から送信された画像データを、制御系I/F部113から送信された制御情報およびプリンタ111内部で保持している設定情報を基に、画像データを加工し、画像圧縮伸長処理部116へ送信する。画像圧縮伸長処理部116は、制御部115から送信された画像データを必要に応じて圧縮し、画像メモリ117へ保存する。さらに画像メモリ117に保存された画像データを伸長し、プリンタI/F部118へ送信する。プリンタI/F部118は、プリンタ部120と接続されており、画像データをプリンタ部120へ送信する。スキャナI/F部119は、スキャナ装置121と接続されており、スキャナ装置121からスキャンされた画像データを、画像圧縮伸長処理部116へ送信する。操作部122は、ユーザからの印刷設定やキャリブレーション実施の指示を受け付ける入力部123と、ユーザへ情報を提示する表示部124から成り、制御部115と接続されている。制御部115は、操作部122から送信される情報に応じて必要な処理を実行し、また操作部122に対してユーザに提示する必要な情報を送信する。
以下では、印刷に使用する用紙の情報に応じて、複数種類ある画像形成モードを切り替えるプリンタ111における実施形態を説明する。画像形成モードの切り替えとは、例えば、画像形成速度や、画像形成プロセスに関連して転写電圧や定着温度などの係数を変更することにより実現される。プリンタ111の制御部115は画像形成モードを決定するために、例えば、用紙の坪量の情報を参照する。また、以下の実施例では述べないが、参照する用紙に関する情報として、用紙の白色度などのその他の用紙に関する情報を参照しても良い。
図2は、本実施形態におけるプリントサーバ101のソフトウェアモジュール構成に関するブロック図である。これらのソフトウェアモジュールは、プリントサーバ101のプリントサーバコントローラ102に配置されている。通常、制御部104のHDD内に記憶されており、必要に応じてメモリに読み出されてCPUによって処理が行われる。
印刷ジョブ解析部201は、クライアントPC130からネットワークI/F部103を介してユーザからの印刷指示を受け取り、制御部104において印刷ジョブを解析し、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を読み出す。ここで言う印刷設定情報とは、主に印刷に使用される用紙情報に関する設定や、ユーザの好みに応じた出力を実現するための画像処理や印刷プロファイルなどの画像機能に関する設定や、印刷フィニッシング処理に関する情報などを指す。印刷データ処理部202は、制御部104において印刷ジョブ解析部201によって読み出された各設定に応じて、プリントサーバ側で必要な印刷データの処理を行う。印刷データ転送部203は、印刷データ処理部202において処理された印刷データを、プリンタ111へ転送する。画像データは、画像圧縮伸長処理部105、画像メモリ106、画像系ビデオI/F部108を介して、また印刷処理のための制御情報は、制御系I/F部107を介してプリンタ111へ送信される。
第2キャリブレーション制御部204は、プリントサーバ101におけるキャリブレーション処理を制御実行する。第2キャリブレーション処理の詳細は後述する。
図3は、本実施形態におけるプリンタ111のソフトウェアモジュール構成に関するブロック図である。これらのソフトウェアモジュールは、プリンタ111のプリンタコントローラ112に配置される。通常、制御部115のHDD内に記憶されており、必要に応じてメモリに読み出されてCPUによって処理が行われる。
印刷データ受信部301は、プリントサーバ101の印刷データ転送部203より送られた印刷データを受信する。プリントサーバ101から、制御系I/F部113および画像系ビデオI/F部114を介して制御部115にて受信する。印刷データ処理部302は、制御部115において、プリンタ111側で必要な印刷処理を行う。続いてビットマップデータ展開部303にて、プリンタ111が印刷可能なビットマップデータに展開する。この処理は制御部115において実行される。ビットマップデータ転送部304は、ビットマップデータ展開部303で展開した印刷データをプリンタ部120へ転送する。印刷データは、制御部115から画像圧縮伸長処理部116、画像メモリ117、プリンタI/F部118を介してプリンタ部120へ転送され、印刷が行われる。
第1キャリブレーション制御部305は、プリンタ111におけるキャリブレーション処理を制御実行する。第1キャリブレーション処理の詳細は後述する。
ここで、プリンタ111で行われる第1キャリブレーション処理について、図4および図6を用いて説明する。図4は、第1キャリブレーション処理のフローを表すフローチャートである。本フローチャートは、プリンタ111のROM(不図示)に格納されたプログラムに従ってプリンタ111の第1キャリブレーション制御部305が実行することによって実現される。第1キャリブレーション処理の実行は、プリンタ111の操作部122より、ユーザによって後述のキャリブレーション開始ボタン722が押下されることで開始される。
S401で、第1キャリブレーション制御部305はテストプリント1を印刷出力する。ユーザによってテストプリント1出力ボタンが押下されると、操作部122から制御部115にテストプリント1の実行情報が送られる。そして、プリンタコントローラ112に保存されているテストプリント1の画像データを、画像圧縮伸長処理部116、プリンタI/F部118を介してプリンタ部120から出力する。ここで、テストプリント1は、プリンタ111で使用される4色のトナー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の最大ベタ(入力データ8ビットでは255)のパッチが印字されたチャートである。
S402で、第1キャリブレーション制御部305は、S401で出力したチャートをプリンタ111に接続されているスキャナ装置121で読み込む。ユーザによってスキャナ装置121に出力したチャートが置かれ、操作部122よりスキャンボタンが押下されると、スキャナ装置121はチャートを光学的に読み込みデジタルデータへ変換する。さらに、スキャナI/F部119、画像圧縮伸長処理部116を介して制御部115へ読み込んだデータを送信する。ここで、読み込む装置はスキャナ装置121に限らず、プリンタ部120内部でカラーデータもしくは濃度を読み込むセンサが搭載されている場合には、そのセンサを用いても良い。なお、読み込み装置の性能によって、第1キャリブレーション処理のチャート印刷に使用可能な用紙種は制限される場合がある。たとえば、光沢度の高い用紙の反射光が原因で、読み取り精度に影響を受ける読み取り装置であれば、第1キャリブレーション処理の対象用紙として、コート紙は除外される。この場合、コート紙を使用する印刷ジョブに対しては、コート紙と特徴が類似する非コート紙用の画像形成モードに対して実行される第1キャリブレーション処理の結果が適用される。「コート紙と特徴が類似する」とは、例えば、特徴として用紙坪量や表面性などの情報でもって決定される。
さらに、第1キャリブレーション制御部305は、S403において、スキャナ装置121によって読み込まれたチャートから、現在のプリンタ部120から出力される最大濃度を取得する。
そして、この取得された最大濃度値が予めプリンタ111内部に記憶されている濃度ターゲットの値に近づくように(差分が小さくなるように)求められた補正値を用いて補正を行う。補正手段としては、例えばプリンタ部120のデバイスの一部であるレーザー強度を補正値で調整する方法などがある。
続いて、S404で、ユーザによってテストプリント2出力ボタンが押下されると、第1キャリブレーション制御部305はテストプリント2を出力する。操作部122から制御部115にテストプリント2の実行情報が送られ、プリンタコントローラ112に保存されているテストプリント2の画像データを、画像圧縮伸長処理部116、プリンタI/F部118を介してプリンタ部120から出力する。ここで、テストプリント2は、4色のトナーの階調データが並べられたパッチが印字されたチャートである。
S405で、第1キャリブレーション制御部305は、S402と同様に、S404で出力したチャートをプリンタ111に接続されているスキャナ装置121を用いて読み込む。読み込む装置はスキャナ装置121に限らず、プリンタ部120内部でカラーデータもしくは濃度を読み込むセンサが搭載されている場合には、そのセンサを用いても良い。
S406において、第1キャリブレーション制御部305は、S405で読み込まれたプリンタ部120の濃度階調データを演算する。そして、プリンタ部120から出力される画像の濃度階調値が予めプリンタ111内部に記憶されている濃度階調ターゲットの値に近づくように(差分が小さくなるように)求められた補正値を用いて補正を行う。補正手段としては、デジタル入力値に対する濃度の出力が濃度階調特性ターゲットに合うようにLUT(ルックアップテーブル)を生成する。ここで生成されたLUTは、印刷ジョブが実行される時、プリンタ111側の印刷データ処理部302において使用される。図6(a)は、濃度階調ターゲットとS405で読み込まれた濃度階調データの関係を表す一例である。図中の点線で示した曲線は、入力信号値とそれぞれの階調において目標値となる出力濃度の関係を表す濃度階調ターゲットデータである。同じく実線で示した曲線は、S405において読み込まれた時点でのエンジンの濃度階調データを表している。また、図6(b)は、S406において演算される入出力信号値の関係を表した一例である。この関係に対応させて、入力信号値に対して目標値となる濃度が出る出力値となるよう信号値を変換するための補正LUTが生成される。
複数種類の画像形成モードを切り替えるプリンタ111においては、上記の第1キャリブレーション処理を、各画像形成モードに対して実行する。図7は、第1キャリブレーション処理の実行指示をユーザから受け付けるUI画面の例であり、プリンタ111の表示部124に表示される。
このように、対象となる用紙種ごとに出力される画像の濃度が目標値に近づくように用いられる補正値を取得する。この取得された補正値は、対象となる用紙種の用紙を用いて出力が行われる際に、出力される画像の濃度を補正するために用いられる。
図7(a)は、コート紙に対応可能な第1キャリブレーション処理により補正値を取得する対象となる用紙種(キャリブレーション対象用紙種)の設定を行うための用紙種設定UI画面700を示す。当該UI画面700は、キャリブレーション対象用紙種の選択部701を含んでおり、「普通紙」、「厚紙」、「コート紙」などの選択肢ボタンが表示される。各キャリブレーション対象用紙種は、上述の画像形成モードに対応している。ユーザはこの選択部701から所望のキャリブレーション対象用紙種を選択する。
一方、図7(b)は、コート紙非対応の第1キャリブレーション処理の用紙種設定UI画面である。当該UI画面710は、コート紙対応時と同様に、キャリブレーション対象用紙種の選択部711を含む。しかし、選択部711には、「コート紙」、「厚口コート紙」の選択肢は表示されない。ユーザが「コート紙」を使用する印刷ジョブに対してキャリブレーションを適用したい場合、「コート紙」に近い画像形成モードの用紙種を選択する必要がある。図7(b)であれば、「コート紙」に等しい、あるいは、近似する紙坪量範囲が定義される「厚紙」を選択する。
ユーザがキャリブレーション対象用紙種を選択後、「テストプリント用紙設定」ボタン702、712を押下すると、制御部115は、第1キャリブレーション処理のテストプリント(チャート)用紙設定UI画面720をプリンタ111の表示部124に表示する。当該UI画面720は、テストプリント印刷用紙の選択部721を含んでおり、プリンタ部120の各給紙段(不図示)と給紙段に格納されている用紙種情報が表示される。ユーザは表示された複数の給紙段の中から、テストプリントに使用する用紙が格納された給紙段のボタンを押下した後に、「キャリブレーション開始」ボタン722を押下する。「キャリブレーション開始」ボタン722が押下されると、第1キャリブレーション制御部305は、ユーザによって指定された、キャリブレーション対象用紙種と給紙段の情報に基づき、上述の第1キャリブレーション処理を実行する。なお、S403の濃度補正処理やS406の階調補正処理による補正は、第1キャリブレーション処理の実行対象となった用紙種に対応する画像形成モードに対して適用される。
次に、プリントサーバ101で行われる第2キャリブレーション処理について、図5を用いて説明する。図5は、第2キャリブレーション処理のフローを表すフローチャートである。本フローチャートは、プリントサーバ101のROM(不図示)に格納されたプログラムに従ってプリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204が実行することによって実現される。クライアントPC130の出力部に表示されるプリンタ管理アプリケーションUI上で、後述の「キャリブレーション実行ボタン」812がユーザにより押下されると、プリントサーバ101は第2キャリブレーション処理の実行を開始する。
S501で、ユーザによってキャリブレーションチャート出力ボタンが押下されると、第2キャリブレーション制御部204はキャリブレーションチャートの印刷データをプリンタ111へ転送し印刷する。クライアントPC130からネットワークI/F部103を介して制御部104にキャリブレーションチャートの実行情報が送られる。次に、プリントサーバコントローラ102に保存されているキャリブレーションチャートの画像データを、画像圧縮伸長処理部105、画像系ビデオI/F部108を介してプリンタ111に送信する。さらに、プリンタ111は画像系ビデオI/F部114を介して制御部115にて受信したキャリブレーションチャートの画像データを、画像圧縮伸長処理部116、プリンタI/F部118を介してプリンタ部120に送信し、印刷出力する。この、キャリブレーションチャートには、4色のトナーの最大ベタを含む階調データに対応するパッチ配列が印字されている。
S502で、第2キャリブレーション制御部204は、S501で出力されたキャリブレーションチャートをプリントサーバ101に接続されている測定装置110で読み込む。ここで使用する測定装置110は、例えば印刷物の濃度を計測可能な測色機器である。出力されたキャリブレーションチャートは、ユーザによって操作される測定装置110からUSBI/F部109を介して制御部104へ濃度情報が読み取られる。本実施例では、プリントサーバ101に接続される測定装置110は、分光測色器とする。分光測色器の読み取り精度は、測定対象の用紙の光沢性によって大きな影響を受けることは無い。したがって、以下の説明では、第2キャリブレーション処理に対しては、コート紙を使用可能であるものとする。
S503で、第2キャリブレーション制御部204は、S502で読み込まれたプリンタ部120の階調データ値を取得する。そして、予めプリントサーバ101内部に記憶されているプリントサーバ101の濃度階調ターゲットの値とプリンタから出力される階調データ値が近づくように(差分が小さくなるように)求められた補正値を用いて補正を行う。補正手段としては、デジタル入力値に対する濃度の出力値が濃度階調ターゲットの値に近づくように(差分が小さくなるように)LUT(ルックアップテーブル)を生成する。ここで生成されたLUTは、印刷ジョブが実行される時、プリントサーバ101側の印刷データ処理部202において使用される。
プリントサーバ101の第2キャリブレーション処理は、プリンタ111の第1キャリブレーション処理と同様に、複数のキャリブレーション対象用紙種を用いることが可能である。さらに、用紙種や、ハーフトーンスクリーンなどの画像処理条件をユーザが自由に設定することができ、カスタムキャリブレーション設定として登録・管理することが可能である。
図8は第2キャリブレーション処理の実行指示をユーザから受け付けるUI画面の例であり、クライアントPC130の出力部に表示される。当該UI画面800は、キャリブレーション対象用紙種の選択部801を含んでおり、「普通紙」、「厚紙」、「コート紙」など、出荷時に予め登録されている用紙種の選択肢ボタンが表示される。さらに、ユーザが登録したカスタムキャリブレーション設定に対応する選択肢ボタンも表示される。例えば、図8(a)における「普通紙(カスタム1)」、「普通紙(カスタム2)」、「コート紙(カスタム1)」が、カスタムキャリブレーション設定に対応する。ユーザはこの対象用紙種選択部801から所望のキャリブレーション対象用紙種を選択する。
ユーザがキャリブレーション対象用紙種を選択後、「チャート印刷用紙設定」ボタン802を押下すると、制御部104は、図8(b)の第2キャリブレーション処理のチャート用紙設定画面810をクライアントPC130の出力部に表示する。当該チャート用紙設定画面810は、キャリブレーションチャート印刷用紙の選択部811を含んでおり、プリンタ部120の各給紙段(不図示)と給紙段に格納されている用紙種情報が表示される。ユーザは表示された複数の給紙段の中から、使用する給紙段のボタンを押下した後に、「キャリブレーション開始」ボタン812を押下する。「キャリブレーション開始」ボタン812が押下されると、第2キャリブレーション制御部204は、ユーザによって指定されたキャリブレーション対象用紙種と給紙段の情報に基づき、上述の第2キャリブレーション処理を実行する。なお、S503の濃度階調補正処理により生成されるLUTは、第2キャリブレーション処理の対象用紙種ごとに管理され、対象用紙種を使用する印刷ジョブの実行時に適用される。
ここで、プリンタ111で実行される第1キャリブレーション処理とプリントサーバで実行される第2キャリブレーション処理の違いについて説明する。第1キャリブレーション処理及び第2キャリブレーション処理共に、現在のエンジン特性(プリンタ部120から出力される画像の出力特性)を取得し、この特性が目標値に近づくように補正し、印刷物の出力を常に安定した状態に保つことを目的としている。ただし、それぞれ、目標値とする濃度階調ターゲットおよび前提条件が異なる。
第1キャリブレーション処理はプリンタ111で実行されるキャリブレーションであり、プリンタメーカーが各社の設計思想に基づき、対象プリンタの最大濃度および濃度階調ターゲットを規定している。例えば、濃度がリニアに変化する階調、また明度がリニアに変化する階調などのターゲットを採用することが一般的に知られている。また、第1キャリブレーション処理による補正は、プリントサーバ101からの印刷やプリントサーバ101を介さないプリンタドライバからの印刷、そして、コピー、FAX等、プリンタ部120から印字出力されるあらゆる印刷ジョブの処理に適用される。
一方、第2キャリブレーション処理はプリントサーバ101で実行されるキャリブレーションである。第1キャリブレーション処理と異なり、プリントサーバメーカーが各社の設計思想に基づき、濃度階調ターゲットを規定している。第2キャリブレーション処理による補正は、プリントサーバ101からの印刷ジョブに対してのみ適用されるため、第1キャリブレーション処理と同じターゲットにする必要性はない。ここで注目すべきは、プリントサーバ101からの印刷ジョブは、まずプリントサーバ101内での印刷データ処理時に第2キャリブレーション処理の補正が為される点である。さらにプリンタ111にデータが転送されてからプリンタ111内での印刷データ処理時に第1キャリブレーション処理の補正がさらに為される。また、S501にて出力されるキャリブレーションチャートは、第1キャリブレーション処理の補正が施された状態で出力される。つまり、第2キャリブレーション処理による補正が行われる前提条件として、第1キャリブレーション処理が既に実施されておりプリンタ部120の状態が安定していることが必要となる。
次に、本実施例における、プリントサーバ101の第2キャリブレーション処理の実行指示をユーザから受け付けた際に、プリンタ111の第1キャリブレーション処理に対するユーザの実行指示作業を簡略化する処理について、図9のフロー図を用いて説明する。本実施例では、プリンタ111の第1キャリブレーション処理がコート紙を対象としているものとして説明する。本フローチャートは、プリンタ111、および、プリントサーバ101のROMに格納されたプログラムに従って、各々のCPUが実行することによって実現される。
まず、S901にて、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204が、ユーザから第2キャリブレーション処理の実行指示を受け付ける。
次にS902にて、第2キャリブレーション制御部204は、受け付けた実行指示情報から、第2キャリブレーション処理の対象用紙種情報と、給紙段情報を、プリンタ111に送信する。
S903にて、プリンタ111の第1キャリブレーション制御部305は、受信した第2キャリブレーション処理の対象用紙種情報と、「キャリブレーション間の関連性情報」とを用いて、第1キャリブレーション処理の対象用紙種を決定する。
キャリブレーション間の関連性情報は、プリンタ111のHDDに記録されており、プリンタ制御部115によって読み出される。図10(a)は、本実施例における、キャリブレーション間の関連性情報1000を示すものである。
例えば、第2キャリブレーション処理の対象用紙種として「厚紙」が指定された場合は、第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の対象用紙種を「厚紙」と決定する。また、第2キャリブレーション処理の対象用紙種として、ユーザが登録したカスタムキャリブレーション設定に対応する用紙種が選択された場合も、この関連性情報1000が参照される。例えば、第2キャリブレーション処理の対象用紙種として「普通紙(カスタム1)」が指定された場合は、第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の対象用紙種を「普通紙」と決定する。
次に、S904にて、第1キャリブレーション制御部305が、S903で決定された対象用紙種に対して、第1キャリブレーション処理の実行が必要かどうかを判定する。第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の実行履歴をプリンタ111のHDDに記録している。第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の実行履歴を参照し、対象用紙種に対する前回の第1キャリブレーション処理の実行日時を特定する。そして、前回実行時から現時点までの経過時間を算出し、予め定義される実行間隔の閾値と比較する。実行間隔の閾値はプリンタ部120の経時変動性能に従って定義されるものであり、例えば、6時間、12時間、あるいは、1日といった値が設定される。この閾値よりも経過時間の方が長ければ、第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の実行が必要と判断し、S905へと処理を進める。
前回の第1キャリブレーション処理の実施時から大きな時間間隔が無い場合は、第1キャリブレーション処理による効果は少ない。つまり、第1キャリブレーション処理を実行することにより、ユーザの手間やキャリブレーション終了までの待機時間、さらには、トナーや用紙などの消費が増えてしまう。これらの不都合を回避するために、上述の時間間隔の判定処理を行う。
一方、閾値よりも経過時間の方が短ければ、第1キャリブレーション制御部305は、制御系I/F部113を介して、プリントサーバ101に第1キャリブレーション処理が不要である旨を通知する。この通知を受け、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204は、S907にて、S901でユーザより受け付けた実行指示に従い、第2キャリブレーション処理を実行し、フローを終了する。
S905で、第1キャリブレーション制御部305は、S903で決定した第1キャリブレーション処理の対象用紙種情報と、S902でプリントサーバ101より受信した給紙段情報から、第1キャリブレーション処理の実行指示情報を生成する。
そして、S906にて、S905で生成した実行指示情報に従い、第1キャリブレーション制御部305は第1キャリブレーション処理を実行する。第1キャリブレーション処理を終えると、第1キャリブレーション制御部305は制御系I/F部113を介して、プリントサーバ101に第1キャリブレーション処理の完了を通知する。
第1キャリブレーション処理の完了通知を受けると、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204は、S907にて、S901でユーザより受け付けた実行指示に従い、第2キャリブレーション処理を実行しフローを終了する。
本実施例により、プリンタ111、プリントサーバ101の双方のキャリブレーションに対するユーザの実行指示作業を簡略化することができる。その結果、ユーザの作業負荷を軽減しつつ、最適な画質を維持することができる。
また、本実施例により、第1キャリブレーション処理の実行履歴を参照し、第1キャリブレーション処理の実行の是非を判定するため、不要な第1キャリブレーション処理の実行を回避することが可能である。その結果、システム全体としてのキャリブレーションフローを短縮し、画像形成システムのダウンタイムを軽減することができる。
実施例1では、プリンタ111の第1キャリブレーション処理がコート紙を対象としているものとして説明したが、その限りではない。上述のとおり、プリンタ111が備える読み込み装置の性能によっては、コート紙に対応できない場合がある。
その場合、第1キャリブレーション処理には、非コート紙しか使用することができない。そして、コート紙を使用する印刷ジョブに対しては、コート紙と特徴(例えば用紙坪量範囲)が近似する非コート紙用の画像形成モードに対するキャリブレーション結果が適用されることは、先に説明したとおりである。
そのため、キャリブレーション間の関連性情報は、図10(b)に示すとおりとなる。「普通紙」、「厚紙」などの非コート紙は、実施例1と同じく第2キャリブレーション処理で指定された用紙種が、そのまま第1キャリブレーション処理の対象用紙種となる。一方で、第2キャリブレーション処理で「コート紙」、「厚口コート紙」などのコート紙が指定された場合は、それぞれ用紙坪量範囲が等しい、あるいは、近似する「厚紙」、「最厚紙」が第1キャリブレーション処理の対象用紙種となる。
このように、第1キャリブレーション処理と第2キャリブレーション処理とで、対象用紙種に差異がある場合に、いくつか問題が発生する。
1つは、第2キャリブレーション処理に対しユーザが指摘した給紙段情報が、第1キャリブレーション処理にとっては無効となる点である。
さらに、例えば、ユーザが第2キャリブレーション処理の対象用紙種に「コート紙」を指定したとする。このとき、ユーザは第2キャリブレーションの実行指示の前に、プリンタ111の給紙部にコート紙を給紙していると考えられるが、第1キャリブレーション処理に使用する「厚紙」は給紙していない可能性がある。その結果、第1キャリブレーション処理を完遂できず、ユーザが厚紙を給紙するまでキャリブレーションフローが中断してしまう虞がある。
本実施例は、これらを解決すべく、第2キャリブレーション処理の指示から特定した第1キャリブレーション処理の対象用紙種情報を参照し、給紙段情報をユーザに別途指定させる。また、第1キャリブレーション処理の対象用紙種が給紙段に格納されていない場合、キャリブレーションフローが中断しないための処理を制御する。
本実施例における、プリントサーバ101の第2キャリブレーション処理の実行指示をユーザから受け付けた際に、プリンタ111の第1キャリブレーション処理に対するユーザの実行指示作業を簡略化する処理について、図11のフロー図を用いて説明する。本フローチャートは、プリンタ111、および、プリントサーバ101のROMに格納されたプログラムに従って、各々のCPUが実行することによって実現される。
まず、S1101にて、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204が、ユーザより第2キャリブレーション処理の実行指示を受け付ける。ここでは、第2キャリブレーション処理に対し、図8(a)のUI画面800にて、「コート紙」がユーザにより指定されたものとする。
S1102、S1103、S1104は、それぞれ実施例1のS902、S903、S904と同じ処理のため、説明を省略する。なお、S1103で決定される第1キャリブレーション処理の対象用紙種は、図10(b)に示されるとおり、「厚紙」となる。
S1105にて、プリンタ111は、特定された第1キャリブレーション処理の対象用紙種、すなわち、「厚紙」が格納されている給紙段を探索し、プリントサーバ101に探索結果を送信する。
S1106でプリントサーバ101は、プリンタ111から受信した給紙段探索結果情報から、第1キャリブレーション処理の対象用紙種が格納されている給紙段があるどうかを判定する。対象用紙種が格納されている給紙段がある場合、プリントサーバ101はS1107へと処理を進める。
S1107で、プリントサーバ101はプリンタ111から受信した給紙段の探索結果情報をクライアントPCの出力部に表示し、使用する給紙段の選択をユーザから受け付ける。該当する給紙段が複数ある場合は全ての給紙段情報を表示し、その中から所望の給紙段をユーザに選択させる。図12は、給紙段の探索結果を表示するUI画面1200の一例である。ユーザが給紙段選択部1201内のいずれかの選択肢のチェックボックスをOnとし、「進む」ボタン1202を押下すると、プリントサーバ101はユーザの選択結果をプリンタ111へ送信する。
S1110で、プリンタ111は、S1103で決定した対象用紙種情報と、S1107でプリントサーバ101から受信した給紙段情報に従い、第1キャリブレーション処理を実行する。そして、S1111の処理の後に、フローを終了する。なお、S1111は、実施例1のS907と同じ処理であるため説明を省略する。
ここでS1106の判定処理に説明を戻す。S1106にて、第1キャリブレーション処理の対象用紙種が格納されている給紙段が無いと判定した場合、プリントサーバ101はS1108へと処理を進める。
S1108では、プリントサーバ101は、クライアントPC130の表示部に複数の処理の選択肢を表示し、その中から所望の処理をユーザに選択させる。図13は、本実施例における処理選択UI画面1300の例である。ユーザが処理選択部1301内のいずれかの選択肢のチェックボックスをOnとし、「進む」ボタン1302を押下すると、プリントサーバ101はユーザの選択に従い、以降の処理を進める。以下は、ユーザに選択肢として提示する複数の処理の詳細である。
第一の処理は、「用紙レス‐プリンタキャリブレーションの実行」(S1109)である。「用紙レス‐プリンタキャリブレーション」とは、プリンタ部120内の中間転写体(不図示)の表面上に形成されたパッチ画像の濃度を測定するキャリブレーション処理である。このキャリブレーション処理によって、プリンタ111の印刷データ処理部302が使用する濃度階調補正LUTや、プリンタ部120内の画像形成部の各画像形成条件が更新される。ユーザが実際に使用する用紙上の濃度情報を使用しないため、第1キャリブレーション処理と比べ精度は劣るものの、第1キャリブレーション処理を実施しない状態と比べれば幾らかの効果がある。
第二の処理は、「普通紙による第1キャリブレーション処理の実行」である。
先に述べたように、プリンタ111は複数種類ある画像形成モードを備えており、各画像形成モードに対して、それぞれ異なる用紙を用いた第1キャリブレーション処理を要する。しかし、複数種の用紙種全てを対象とした第1キャリブレーション処理を実施するのは、ユーザの作業負荷となる。これを解消するために、プリンタ111は簡易的なキャリブレーションモードとして、普通紙のみを対象としたャリブレーション機能を備えている場合がある。このキャリブレーション処理によれば、ユーザは普通紙に対してのみ第1キャリブレーション処理を実行する(S1110)。そして、プリンタ111は、普通紙によるキャリブレーション結果(補正LUT)と、予め保持してある普通紙と他の用紙種の用紙との相関情報をもとに、厚紙などのその他の用紙種に対する補正LUTを予測演算する。相関関係とは普通紙の濃度特性と他用紙種の用紙の濃度特性との関係性を示すものである。
なお、本キャリブレーション処理は、プリンタ111のいずれかの給紙段に普通紙がセットされていることが前提となる。したがって、プリンタ111の給紙状態を確認した結果、普通紙がセットされていない場合は、プリントサーバ101はこの第二の処理に対応する選択肢を処理選択部1301に表示しないように制御してもよい。
第三の処理は、「対象用紙種を給紙し、第1キャリブレーション処理を実行」である。この処理を選択した場合は、ユーザは自らがプリンタ111の給紙段に対象となる用紙をセットする必要がある。この場合、プリントサーバ101から給紙段情報を送信する必要はない。ユーザが用紙をセットした給紙段をプリンタ111が検知し、当該トレイを給紙段として、第1キャリブレーション制御部305は第1キャリブレーション処理を実行する(S1110)。
第四の処理は、「第1キャリブレーション処理を実行しない」である。この処理が選択されると、プリントサーバ101は、第1キャリブレーション処理を実行しない旨をプリンタ111に通知する。
S1108におけるユーザの選択に従い、上記の第一から第四のいずれかの処理を終えると、第2キャリブレーション制御部204はS1111にて、S1101でユーザから受け付けた指示に従い第2キャリブレーション処理を実行し、フローを終了する。
本実施例により、第1キャリブレーション処理と第2キャリブレーション処理とで、対応用紙種に差異がある場合でも、両キャリブレーション処理に対して適切な給紙指示が容易に可能となる。また、第1キャリブレーション処理に要する用紙が給紙されていない状態であっても、キャリブレーション処理を中断することなく完遂することが可能となる。
実施例1にて、第1キャリブレーション処理と第2キャリブレーション処理の双方を実施するために必要な枚数の用紙が、給紙段に格納されていない場合が想定される。例えば、第1キャリブレーション処理には10枚の用紙、第2キャリブレーション処理には1枚の用紙が必要であるとする。ユーザが指定した給紙段に5枚しか用紙が格納されていない場合は、第1キャリブレーション処理が開始できない。あるいは、第1キャリブレーション処理の途中で、用紙切れとなり処理が中断してしまう。
この問題を解消するために、本実施例では、ユーザが指定した給紙段の用紙残量と、第1キャリブレーション処理、第2キャリブレーション処理の双方に必要な総用紙枚数とを比較する。そして、用紙が不足していると判定された場合には、キャリブレーション処理を中断せずに完遂するための処理を制御する。なお、本実施例では、プリンタ部120の各給紙段に用紙残量検知センサ(不図示)が備わっているものとする。プリンタ111の制御部115は、任意のタイミングでプリンタI/F部118を介して、用紙残量検知センサから用紙残量情報を取得可能であるものとする。
以下、本実施例の詳細を、実施例1と同じ図9のフロー図を用いて説明する。なお、実施例1と重複する処理については、以下での説明は省略する。
S905にて第1キャリブレーション処理の実行指示情報が生成されると、第1キャリブレーション制御部305は、用紙残量検知センサから指定給紙段の用紙残量情報を取得する。そして、予めHDDに記録してあるキャリブレーション用紙枚数情報を読み出し、キャリブレーション処理に必要な用紙の総枚数と、指定給紙段の用紙残量とを比較する。
指定給紙段に、両キャリブレーション処理に必要な総枚数の用紙が格納されている場合は、第1キャリブレーション制御部305は、S906にて第1キャリブレーション処理を実行し、以降の処理へと進む。
一方で、指定給紙段に、両キャリブレーションに必要な総枚数の用紙が格納されていない場合は、プリントサーバ101は、クライアントPC130の表示部に複数の処理の選択肢を表示し、その中から所望の処理をユーザに選択させる。図14は、本実施例における処理選択UI画面1400の例である。ユーザが処理選択部1401内のいずれかの選択肢のチェックボックスをOnとし、「進む」ボタン1402を押下すると、プリントサーバ101はユーザの選択に従い、以降の処理を進める。以下は、ユーザに選択肢として提示する複数の処理の詳細である。
第一の処理は、「用紙レス‐プリンタキャリブレーションの実行」である。
処理の内容は、実施例2のS1108で説明済みの第一の処理と同じため省略する。この処理の後、S906の第1キャリブレーション処理は実施されず、S907の第2キャリブレーション処理が第2キャリブレーション制御部204により実行され、フローを終了する。
第二の処理は「対象用紙種を補給し、第1キャリブレーション処理を実行」である。この処理を選択した場合は、ユーザは自らがプリンタ111の給紙段に対象となる用紙をセットする必要がある。ユーザが用紙を補給したことを検知すると、第1キャリブレーション制御部305がS906で第1キャリブレーション処理を実行し、S907へと処理を進める。
第三の処理は、「プリントサーバ101のキャリブレーションのみを実行」(S907)である。
この処理が選択された場合は、S906の第1キャリブレーション処理は実施されず、S907の第2キャリブレーション処理が第2キャリブレーション制御部204により実行され、フローを終了する。
本実施例により、指摘給紙段に、第1キャリブレーション処理と第2キャリブレーション処理の双方を実施するために必要な枚数の用紙が無い場合であっても、キャリブレーション処理を中断することなく完遂することが可能となる。
上記の実施例では、ユーザからプリントサーバ101の第2キャリブレーション処理の実行指示を受け付け、受け付けた実行指示情報を参照してプリンタ111の第1キャリブレーション処理の実行指示を生成したが、その限りではない。ユーザから、プリンタ111の第1キャリブレーション処理の実行指示を受け付け、受け付けた実行指示情報を参照して、プリントサーバ101の第2キャリブレーション処理の実行指示情報を生成することも可能である。
以下では、プリンタ111の第1キャリブレーション処理の実行指示をユーザから受け付けた際に、プリントサーバ101の第2キャリブレーション処理に対するユーザの実行指示作業を簡略化する処理について、図15のフロー図を用いて説明する。本フローチャートは、プリンタ111、および、プリントサーバ101のROMに格納されたプログラムに従って、各々のCPUが実行することによって実現される。
まず、S1501にて、プリンタ111の第1キャリブレーション制御部305が、ユーザからの実行指示に従い、第1キャリブレーション処理を実行する。
次に、S1502にて、第1キャリブレーション制御部305は、第1キャリブレーション処理の対象用紙種情報をプリントサーバ101に送信する。
S1503にて、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204は、受信した第1キャリブレーション処理の対象用紙種情報と、「キャリブレーション間の関連性情報」とを用いて、第2キャリブレーション処理の対象用紙種の候補を抽出する。候補を抽出するのは、先に述べたとおり、第2キャリブレーション処理に対してユーザが任意のカスタム設定を追加可能であるため、一意に対象用紙種が決まらない場合があるためである。
本実施例におけるキャリブレーション間の関連性情報は、プリントサーバ101のHDDに記録されており、第2キャリブレーション制御部204によって読み出される。図16は、本実施例における、キャリブレーション間の関連性情報1600を示すものである。例えば、第1キャリブレーション処理の対象用紙種として「普通紙」が指定されたとする。この場合、第2キャリブレーション制御部204は、第2キャリブレーション処理の対象用紙種として「普通紙」、「普通紙(カスタム1)」、「普通紙(カスタム2)」を候補として抽出する。そして、プリントサーバ101は抽出したこれら対象用紙種の候補の情報をプリンタ111に送信する。
S1504では、プリンタ111はプリントサーバ101から受信した第2キャリブレーション処理の対象用紙種の候補情報を表示部124に表示する。図17は、本実施例における第2キャリブレーション処理の対象用紙種選択UI画面1700の一例である。第2キャリブレーション処理の対象用紙種の候補情報は、対象用紙種候補選択部1701に表示される。
S1505にて、ユーザが対象用紙種候補選択部1701内のいずれかの「対象用紙種」を選択後、「印刷用紙設定へ進む」ボタン1702を押下したことを検知すると、プリンタ111は図8(b)のチャート用紙設定画面810を表示部124に表示する。なお、ユーザにより「終了」ボタン1703が押下された場合は、第2キャリブレーションを実行せずに、フローを終了する。
ユーザはチャート用紙設定画面810に表示された複数の給紙段の中から、使用する給紙段のボタンを押下した後に、「キャリブレーション開始」ボタン812を押下する。「キャリブレーション開始」ボタン812が押下されると、プリンタ111は、ユーザが指定した第2キャリブレーション処理の対象用紙種情報と、給紙段情報をプリントサーバ101に送信する。
そして、S1506にて、プリントサーバ101の第2キャリブレーション制御部204は、S1505でプリンタ111から受信した情報に従い、第2キャリブレーション処理を実行し、処理を終了する。
本実施例により、ユーザからプリンタ111の第1キャリブレーション処理を受け付けた場合であっても、第2キャリブレーション処理の実行指示の簡略化が可能となる。その結果、ユーザはプリンタ111のUIから操作のみで、システム全体のキャリブレーションの実行指示が可能となり、ユーザの作業負荷を軽減することが可能となる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (15)
- 画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションの実行を制御する制御手段を有する画像形成装置であって、
前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションの実行指示を受けた画像処理装置から該第2キャリブレーションに関する情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した情報を基に、前記第1キャリブレーションにて前記出力特性を取得するために用いられるチャートを形成する用紙を給紙する給紙段と前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種とを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された給紙段から給紙された用紙を用いて、前記決定手段により決定された用紙種の補正値を取得するために前記制御手段により第1キャリブレーションが実行されると、
前記画像処理装置で前記第2キャリブレーションを開始させるための通知を前記画像処理装置に送信する通知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記受信手段により前記情報を受信した際に、
前記受信手段による前記情報の受信をするまでに実行された前記第1キャリブレーションの実行履歴を用いて、前記第1キャリブレーションの実行が必要ではないと判定された場合、前記制御手段により前記第1キャリブレーションを実行せずに、前記通知手段による通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段により決定される前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種は、
前記受信手段により受信した第2キャリブレーションに関する情報に含まれ、前記第2キャリブレーションの実行により補正値を取得する対象となる用紙種の情報により決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第2キャリブレーションの実行により補正値を取得する対象となる用紙種と前記第1キャリブレーションの実行により補正値を取得する対象となる用紙種との関連性情報を保存し、前記決定手段は該関連性情報を参照することで、前記第1キャリブレーションの実行により補正値を取得する対象となる用紙種を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記決定手段により決定された用紙種の用紙が給紙段に給紙されているか否か判定する判定手段を有し、
前記用紙種の用紙が給紙段に給紙されていないと判定された場合は、前記第1キャリブレーションを実行しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段により決定された用紙種の用紙が給紙段に給紙されているか否か判定する判定手段を有し、
前記用紙種の用紙が給紙段に給紙されていないと判定された場合は、前記第1キャリブレーションを実行せずに、中間転写体に形成されたパッチ画像を測定した結果を用いて前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を目標値に近づけるために用いられる補正値を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段により決定された用紙種の用紙が給紙段に給紙されているか否か判定する判定手段を有し、
前記用紙種の用紙が給紙段に給紙されていないと判定された場合は、前記決定された用紙種の用紙を給紙段に給紙するようユーザに促すための表示を表示部にすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段により決定された用紙種の用紙が給紙段に給紙されているか否か判定する判定手段を有し、
前記用紙種の用紙が給紙段に給紙されていないと判定された場合は、普通紙を用いてチャートを形成し、該普通紙を対象とした補正値を取得するために前記制御手段により第1キャリブレーションを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記取得した普通紙を対象とした補正値と前記普通紙の表面性と前記決定手段により決定された用紙種との表面性との相関関係とを用いて、前記決定手段により決定された用紙種を対象とした補正値を取得することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記給紙段は用紙残量を検知するセンサを備えており、
前記第1キャリブレーションと前記第2キャリブレーションとを実行した場合に、
前記決定手段により決定された用紙種の用紙が足りるか否か前記判定手段が判定することを特徴とする請求項5乃至8に記載の画像形成装置。 - 画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションの実行指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した実行指示をもとに、前記第1キャリブレーションの実行を制御する制御手段と、
前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種についての情報を前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションを実行する画像処理装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段により用紙種についての情報を送信された画像処理装置から、
前記画像処理装置で前記第2キャリブレーションを実施する際に補正値を取得する対象となる用紙種についての情報を受信し、該受信した用紙種から第2キャリブレーションに用いる用紙種を選択して前記第2キャリブレーションの実行指示を前記画像処理装置に対して行うことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションを実行する画像形成装置と前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションを実行する画像処理装置とで構成される画像形成システムであり、
前記第2キャリブレーションの実行指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した情報を基に、前記第1キャリブレーションにて前記画像形成装置の出力特性を取得するために用いられるチャートを形成する用紙を給紙する給紙段と前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種とを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された給紙段から給紙された用紙を用いて、前記決定手段により決定された用紙種の補正値を取得するために前記第1キャリブレーションを実行する第1の実行手段と、
前記第1の実行手段により第1キャリブレーションが実行されてから、前記第2キャリブレーションを実行する第2の実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。 - 画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションの実行を制御する制御手段を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションの実行指示を受けた画像処理装置から該第2キャリブレーションに関する情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した情報を基に、前記第1キャリブレーションにて前記出力特性を取得するために用いられるチャートを形成する用紙を給紙する給紙段と前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種とを決定する決定ステップと、
前記決定ステップにて決定された給紙段から給紙された用紙を用いて、前記決定手段により決定された用紙種の補正値を取得するために前記制御手段により第1キャリブレーションが実行されると、
前記画像処理装置で前記第2キャリブレーションを開始させるための通知を前記画像処理装置に送信する通知ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。 - 画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正するための補正値を用紙種に対応させて取得する第1キャリブレーションの実行指示を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した実行指示をもとに、前記第1キャリブレーションの実行を制御する制御ステップと、
前記第1キャリブレーションにて補正値を取得する対象となる用紙種についての情報を前記第1キャリブレーションとは異なり前記画像形成手段が形成する画像の色の出力特性を補正する第2キャリブレーションを実行する画像処理装置へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップにて用紙種についての情報を送信された画像処理装置から、
前記画像処理装置で前記第2キャリブレーションを実施する際に補正値を取得する対象となる用紙種についての情報を受信し、該受信した用紙種から第2キャリブレーションに用いる用紙種を選択して前記第2キャリブレーションの実行指示を前記画像処理装置に対して行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法。 - コンピュータに請求項13又は14に記載の画像形成装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
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