JP2016102566A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動変速モードでの車両の走行時における駆動力不足の発生を抑制できる、無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】手動変速モードでは、シフト操作に応答して、1〜7速段間で変速比が変更される。手動変速モードにおいて、運転者によるシフト操作が行われないまま、車両の惰性走行が続けられ、プライマリ回転数が最低回転数ガード線L1,L2まで低下した場合には、プライマリ回転数が最低回転数ガード線L1,L2を下回らないように、変速比が連続的または段階的に上げられる。また、車両を加速させる加速要求が入力された場合には、最低回転数ガード線L1を最低回転数ガード線L2に引き上げる補正が行われる。
【選択図】図3

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関する。
車両に搭載される変速機として、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)が広く知られている。
CVTは、プライマリプーリとセカンダリプーリとにベルトを巻き掛けた構成を有している。CVTでは、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅を連続的に変化させて、ベルトのプライマリプーリおよびセカンダリプーリに対する巻き掛け径を変化させることにより、変速比を連続的に無段階で変化させることができる。
また、CVTでは、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅を段階的に変化させることも可能であり、変速比を連続的に無段階で変化させる無段変速モードに加えて、変速比を段階的に変化させる有段変速モードを設けることができる。この有段変速モードを設けることにより、無段変速機を搭載した車両においても、多段変速のシフトフィーリングを実現することができる。有段変速モードには、AT(Automatic Transmission:自動変速機)のように、車両の走行状態に応じた変速比に自動的に切り替える有段自動変速モードと、MT(Manual Transmission:手動変速機)のように、運転者のシフト操作により変速比を切り替える手動変速モード(マニュアルモード)とを設けることができる。
CVTが無段変速モード、有段自動変速モードおよび手動変速モードを有する場合、たとえば、シフトレバーのDポジション(前進レンジに対応する位置)の右側にSポジションが設けられ、そのSポジションの前側および後側にそれぞれ「+」ポジション(アップシフトポジション)および「−」ポジション(ダウンポジション)が設けられる。シフトレバーがDポジションに位置する状態では、無段変速モードが設定され、シフトレバーがDポジションからSポジションに操作されると、無段変速モードから有段自動変速モードに切り替えられる。そして、シフトレバーがSポジションから「+」ポジションまたは「−」ポジションに操作されると、有段自動変速モードから手動変速モードに切り替えられる。手動変速モードでは、シフトレバーがSポジションから「+」ポジションに1回操作されると、変速比が1段高い変速比に変更され、シフトレバーがSポジションから「−」ポジションに1回操作されると、変速比が1段低い変速比に変更される。
特開平8−82354号公報
手動変速モードでは、運転者のシフト操作による変速比の変更が優先され、変速比が車両の走行状態に適していなくても、原則として、変速比が変更されない。
そのため、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれても、駆動力不足により、車両の加速がもたつく場合がある。たとえば、変速比がATにおける5速段に相当する変速比であり、車速40km/h程度での惰性走行時に、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれても、変速比が5速段から変更されないため、駆動力不足により、運転者の要求に応じた加速が得られない。
本発明の目的は、手動変速モードでの車両の走行時における駆動力不足の発生を抑制できる、無段変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る無段変速機の制御装置は、入力軸の動力を無段階に変速して出力軸に伝達可能な無段変速機が搭載された車両に用いられ、無段変速機を制御する制御装置であって、シフト操作によらずに変速比を変更する自動変速モードと選択的に切り替えられる手動変速モードにおいて、シフト操作に応答して、段階的に設定された複数の固定変速比間で変速比を変更する手動変速手段と、手動変速モードにおいて、入力軸の最低回転数を設定し、入力軸の回転数が最低回転数を下回らないように変速比を変更する回転数ガード手段と、車両を加速させる加速要求が入力されたか否か判定する判定手段と、加速要求が入力された場合、最低回転数を引き上げる補正を行う補正手段とを含む。
この構成によれば、自動変速モードと手動変速モードとに選択的に切り替えられる。自動変速モードでは、シフト操作によらずに、変速比が車両の走行状態に応じた変速比に自動的に変更される。手動変速モードでは、シフト操作に応答して、段階的に設定された複数の固定変速比間で変速比が変更される。
手動変速モードでは、運転者のシフト操作による変速比の変更が優先されるので、現在の変速比が車両の走行状態に適していなくても、原則として、変速比は変更されない。そのため、手動変速モードにおいて、運転者によるシフト操作が行われないまま、車両の惰性走行が続けられると、車速の低下に伴って無段変速機の入力軸の回転数が低下し続け、無段変速機の構造や信頼性に影響する不具合を生じるおそれがある。そこで、入力軸の回転数が最低回転数まで低下した場合には、特別な処理として、入力軸の回転数が最低回転数を下回らないように、変速比が連続的または段階的に上げられる。これにより、かかる不具合の発生を抑制することができる。
ところが、入力軸の回転数が最低回転数を下回らないように、変速比を変更する処理が実行されているときに、車両を加速させる加速要求が入力された場合、その時点での変速比が高いため、駆動力が瞬時には立ち上がらず、運転者の要求に応じた加速が得られない場合がある。
そこで、車両を加速させる加速要求が入力された場合には、最低回転数を引き上げる補正が行われる。これにより、入力軸の回転数が補正後の最低回転数を下回らないように、変速比が下げられるので、加速要求に対する駆動力の立ち上がりが早くなり、駆動力不足が抑制されて、運転者の要求に応じた加速を得ることができる。
加速要求が入力されたか否かは、アクセル操作に応じて増減する物理量が所定値を超えたか否かにより判定されてもよい。
アクセル操作に応じて増減する物理量の例としては、アクセル開度(アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合)、スロットル開度(スロットルバルブの最大開量に対する現在の開量の割合)、アクセルペダルの操作量またはアクセル開度の変化速度、スロットルバルブの開量またはスロットル開度の変化速度などを挙げることができる。
また、最低回転数を引き上げる補正は、加速要求が入力された場合に必ず行われてもよいし、加速要求が大きい場合に行われてもよい。たとえば、加速要求に対して駆動力の不足が生じる状況であるか否かが判断されて、駆動力の不足が生じる状況である場合に行われてもよい。
駆動力の不足が生じる状況であるか否かは、たとえば、アクセル開度(スロットル開度)、車速およびエンジン回転数に基づいて、加速要求に応じた要求駆動力が算出され、アクセル開度、車速およびギヤ比に基づいて、ギヤ比が変更されない場合に実際に得られる実駆動力が算出されて、実駆動力からの要求駆動力の乖離量が所定量より大きい場合に、駆動力に不足が生じる状況であると判定されてもよい。
本発明によれば、手動変速モードでの車両の走行時における駆動力不足の発生を抑制でき、運転者の要求に応じた車両の加速を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 マニュアルモードにおける1〜7速段での車速とプライマリ回転数との関係を示すグラフである。 ガード補正処理の流れを示すフローチャートである。 駆動力改善実行フラグの状態、アクセル開度、エンジン回転数、駆動力および車速の時間変化の一例を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するためのスロットルバルブおよび燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU11およびCVTECU12が含まれる。エンジンECU11およびCVTECU12は、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
エンジンECU11には、アクセルセンサ13およびエンジン回転数センサ14などが接続されている。
アクセルセンサ13は、アクセルペダル(図示せず)の操作量に応じた信号をエンジンECU11に入力する。エンジンECU11は、アクセルセンサ13から入力される信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度を演算する。
エンジン回転数センサ14は、エンジン2の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号をエンジンECU11に入力する。エンジンECU11は、エンジン回転数センサ14から入力されるパルス信号の周波数をエンジン2の回転数(エンジン回転数)に換算する。
エンジンECU11は、各種センサから入力される信号から得られる数値および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、エンジン2に設けられたスロットルバルブや点火プラグなどを制御する。
CVTECU12には、車速センサ15、プライマリ回転数センサ16、セカンダリ回転数センサ17およびシフトポジションセンサ18などが接続されている。
車速センサ15は、たとえば、デファレンシャルギヤ36のリングギヤ37(図2参照)の回転に同期したパルス信号をCVTECU12に入力する。CVTECU12は、車速センサ15から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
プライマリ回転数センサ16は、たとえば、無段変速機4のプライマリプーリ43(図2参照)の回転に同期したパルス信号をCVTECU12に入力する。CVTECU12は、プライマリ回転数センサ16から入力されるパルス信号の周波数をプライマリ軸41(図2参照)の回転数(プライマリ回転数)に換算する。また、CVTECU12は、プライマリ回転数に前後進切換機構34(図2参照)の変速比を乗じることにより、トルクコンバータ3のトルコン出力軸22(図2参照)の回転数(タービン回転数)を算出する。
なお、トルコン出力軸22は、無段変速機4のCVT入力軸31(図2参照)と直結されているので、トルコン出力軸22の回転数は、CVT入力軸31の回転数と同じである。
セカンダリ回転数センサ17は、たとえば、無段変速機4のセカンダリプーリ44(図2参照)の回転に同期したパルス信号をCVTECU12に入力する。CVTECU12は、セカンダリ回転数センサ17から入力されるパルス信号の周波数をセカンダリ軸42(図2参照)の回転数(セカンダリ回転数)に換算する。
シフトポジションセンサ18は、シフトレバー(図示せず)の位置に応じた信号をCVTECU12に入力する。
CVTECU12は、各種センサから入力される信号から得られる数値および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、無段変速機4の変速比の制御のため、無段変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路に含まれる各種のバルブ(図示せず)などを制御する。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、トルコン入力軸21、トルコン出力軸22、ポンプインペラ23、タービンランナ24およびロックアップクラッチ25を備えている。トルコン入力軸21およびトルコン出力軸22は、エンジン2の出力軸と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。トルコン入力軸21には、エンジン2の出力軸が直結されている。ポンプインペラ23には、トルコン入力軸21が接続され、ポンプインペラ23は、トルコン入力軸21と一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ24には、トルコン出力軸22が接続され、タービンランナ24は、トルコン出力軸22と一体的に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ25が係合されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが直結され、ロックアップクラッチ25が解放されると、ポンプインペラ23とタービンランナ24とが分離される。
ロックアップクラッチ25が解放された状態において、エンジン2からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21およびポンプインペラ23が回転する。ポンプインペラ23が回転すると、ポンプインペラ23からタービンランナ24に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ24で受けられて、タービンランナ24が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ24には、トルコン入力軸21に入力される動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。そして、そのタービンランナ24の動力がトルコン出力軸22から出力される。
ロックアップクラッチ25が係合された状態では、エンジン2からトルコン入力軸21に動力が入力されると、トルコン入力軸21、ポンプインペラ23およびタービンランナ24が一体となって回転する。そして、タービンランナ24の回転による動力がトルコン出力軸22から出力される。
無段変速機4は、CVT入力軸31、CVT出力軸32、ベルト伝達機構33および前後進切換機構34を備えている。
CVT入力軸31は、トルコン出力軸22に直結されている。
CVT出力軸32は、CVT入力軸31と平行に設けられている。CVT出力軸32には、ファイナルギヤ35が相対回転不能に支持されている。ファイナルギヤ35は、デファレンシャルギヤ36のリングギヤ37と噛合している。
ベルト伝達機構33は、プライマリ軸41と、CVT出力軸32に直結されたセカンダリ軸42と、プライマリ軸41に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ43と、セカンダリ軸42に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ44と、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ44とに巻き掛けられたベルト45とを備えている。
プライマリプーリ43は、プライマリ軸41に固定された固定シーブ51と、固定シーブ51にベルト45を挟んで対向配置され、プライマリ軸41にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ52とを備えている。可動シーブ52に対して固定シーブ51と反対側には、プライマリ軸41に固定されたシリンダ53が設けられ、可動シーブ52とシリンダ53との間に、油室54が形成されている。油室54に供給される油圧を制御することにより、固定シーブ51と可動シーブ52との間隔を変更することができ、プーリ比を変更することができる。プーリ比の変更により、無段変速機4の変速比が変更される。
セカンダリプーリ44は、セカンダリ軸42に固定された固定シーブ55と、固定シーブ55にベルト45を挟んで対向配置され、セカンダリ軸42にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ56とを備えている。可動シーブ56に対して固定シーブ51と反対側には、セカンダリ軸42に固定されたシリンダ57が設けられ、可動シーブ56とシリンダ57との間に、油室58が形成されている。油室58に供給される油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。
前後進切換機構34は、CVT入力軸31とベルト伝達機構33のプライマリ軸41との間に介装されている。前後進切換機構34は、遊星歯車機構61、リバースクラッチCおよびフォワードブレーキBを備えている。
遊星歯車機構61には、キャリア62、サンギヤ63およびリングギヤ64が含まれる。
キャリア62は、CVT入力軸31に相対回転可能に支持されている。キャリア62は、複数のピニオンギヤ65を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ65は、円周上に等角度間隔で配置されている。
サンギヤ63は、CVT入力軸31に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ65により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ63のギヤ歯は、各ピニオンギヤ65のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ64は、その回転軸線がプライマリ軸41の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ64には、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41が連結されている。リングギヤ64のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ65を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ65のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチCは、キャリア62とサンギヤ63との間に設けられている。
フォワードブレーキBは、キャリア62とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられている。
車両1の前進時には、リバースクラッチCが解放されて、フォワードブレーキBが係合される。エンジン2の動力がCVT入力軸31に入力されると、キャリア62が静止した状態で、サンギヤ63がCVT入力軸31と一体に回転する。そのため、サンギヤ63の回転は、リングギヤ64に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ64が回転し、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41およびプライマリプーリ43がリングギヤ64と一体に回転する。プライマリプーリ43の回転は、ベルト45を介して、セカンダリプーリ44に伝達され、セカンダリプーリ44およびセカンダリ軸42を回転させる。そして、セカンダリ軸42と一体に、CVT出力軸32およびファイナルギヤ35が回転する。ファイナルギヤ35の回転がデファレンシャルギヤ36のリングギヤ37に伝達されると、デファレンシャルギヤ36から左右に延びるドライブシャフト71,72が回転し、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両が前進する。
一方、車両1の後進時には、リバースクラッチCが係合されて、フォワードブレーキBが解放される。エンジン2の動力がCVT入力軸31に入力されると、キャリア62およびサンギヤ63がCVT入力軸31と一体に回転する。そのため、サンギヤ63の回転は、リングギヤ64に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ64が車両1の前進時と逆方向に回転し、ベルト伝達機構33のプライマリ軸41およびプライマリプーリ43がリングギヤ64と一体に回転する。プライマリプーリ43の回転は、ベルト45を介して、セカンダリプーリ44に伝達され、セカンダリプーリ44およびセカンダリ軸42を回転させる。そして、セカンダリ軸42と一体に、CVT出力軸32およびファイナルギヤ35が回転する。ファイナルギヤ35の回転がデファレンシャルギヤ36のリングギヤ37に伝達されると、デファレンシャルギヤ36から左右に延びるドライブシャフト71,72が前進時と逆方向に回転し、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両が後進する。
<変速モード>
車両1では、無段変速機4の変速モードとして、シフトレバーの操作(シフト操作)によらずに、変速比が車両1の走行状態に応じた変速比に連続的に無段階で変更される無段自動変速モードと、シフト操作によらずに、変速比が車両1の走行状態に応じた変速比に7段階で変更される有段自動変速モードと、シフト操作により、変速比が7段階で変更されるマニュアルモード(手動変速モード)とが設定されている。
そして、シフトレバーのポジションとして、Pポジション(駐車レンジに対応する位置)、Rポジション(後進レンジに対応する位置)、Nポジション(中立レンジに対応する位置)およびDポジション(前進レンジに対応する位置)に加えて、Dポジションの右側にSポジションが設けられ、そのSポジションの前側および後側にそれぞれ「+」ポジション(アップシフトポジション)および「−」ポジション(ダウンポジション)が設けられている。
シフトレバーがDポジションに配置されると、無段自動変速モードが設定され、シフトレバーがDポジションからSポジションに操作されると、無段自動変速モードから有段自動変速モードに切り替えられる。そして、シフトレバーがSポジションから「+」ポジションまたは「−」ポジションに操作されると、有段自動変速モードからマニュアルモードに切り替えられる。マニュアルモードでは、シフトレバーがSポジションから「+」ポジションに1回操作されると、変速比が1段高い変速比に変更され、シフトレバーがSポジションから「−」ポジションに1回操作されると、変速比が1段低い変速比に変更される。マニュアルモードでは、そのシフトレバーの操作により、変速比をAT(Automatic Transmission:自動変速機)における1〜7速段の各変速段に相当する変速比に変更することができる。
なお、以下の説明では、ATにおける1〜7速段に相当する変速比をそれぞれ単に「1〜7速段」といい、「1〜7速段」を一括して「変速段」という。
<マニュアルモード>
図3は、マニュアルモードにおける1〜7速段での車速とプライマリ回転数との関係を示すグラフである。
マニュアルモードでは、運転者のシフト操作による変速段の変更が優先されるので、現在の変速段が車両の走行状態に適していなくても、原則として、現在の変速段から変更されない。そのため、マニュアルモードにおいて、運転者によるシフト操作が行われないまま、車両1の惰性走行が続けられ、車速の低下に伴って、プライマリ回転数が低下し続けると、無段変速機4の構造や信頼性に影響する不具合を生じるおそれがある。プライマリ回転数が低下すると、それに伴い、タービン回転数およびエンジン回転数が低下するので、たとえば、エンジンストールなどを生じるおそれがある。
そこで、CVTECU12では、図3に示される最低回転数ガード線L1が設定されており、車速をパラメータとするマップの形態でROMに格納されている。プライマリ回転数が最低回転数ガード線L1上の車速に応じた最低回転数まで低下した場合には、プライマリ回転数が最低回転数を下回らないように、無段変速機4の変速比を連続的に変更する変速比制御が実行される。これにより、運転者によるシフト操作が行われないまま、車両1の惰性走行が続けられても、プライマリ回転数が最低回転数以上に保持されるので、無段変速機4の構造や信頼性に影響する不具合の発生を抑制することができる。
なお、無段変速機4の前後進切換機構34は、CVT入力軸31の動力を一定の変速比で減速してプライマリ軸41に伝達するので、CVT入力軸31の回転数は、プライマリ軸41に前後進切換機構34の変速比を乗じた値となる。したがって、CVT入力軸31の回転数とプライマリ回転数とは等価に扱うことができ、CVT入力軸31の回転数に対して最低ガード線(最低回転数)が設定されていてもよい。また、ロックアップクラッチ25が係合された状態では、エンジン2の出力軸とトルコン入力軸21、トルコン出力軸22およびCVT入力軸31が一体に回転するので、エンジン回転数とプライマリ回転数とを等価に扱うことができ、エンジン回転数に対して最低ガード線(最低回転数)が設定されていてもよい。さらに、本発明では、前後進切換機構34が必須の構成ではないので、ベルト伝達機構33が本発明の「無段変速機」に相当し、プライマリ軸41がその「無段変速機」の「入力軸」に相当すると考えることもできる。
たとえば、無段変速機4の変速比が7速段である状態から、シフト操作が行われないまま、車両1の惰性走行が続けられることにより、プライマリ回転数を最低回転数以上に維持する変速比制御が実行されると、車速の低下に伴って、変速比が7速段から連続的に下げられる。車速が速度Aまで低下した時点では、変速比が5速段よりも低く、4速段よりも高い変速比まで低下している。この時点で、アクセルペダルが比較的浅くかつ緩やかに踏まれた場合、変速比が5速段に変更されて、車両1が5速段で緩やかに加速する。この場合、車両の加速は、運転者の加速要求に応じている。しかしながら、アクセルペダルが比較的深くかつ素早く踏み込まれた場合、5速段では、駆動力の不足が生じ、運転者の加速要求に応じた加速が得られない。
そこで、マニュアルモードでは、次に説明するガード補正処理が実行される。
<ガード補正処理>
図4は、ガード補正処理の流れを示すフローチャートである。図5は、駆動力改善実行フラグの状態、アクセル開度、エンジン回転数、駆動力および車速の時間変化の一例を示すグラフである。
車両1の走行中、CVTECU12により、無段変速機4の変速モードがマニュアルモードであるか否かが繰り返し判断される(ステップS1)。
変速モードがマニュアルモードである場合(ステップS1のYES)、CVTECU12により、まず、車両1の走行状態に関する各種の情報が取得される(ステップS2)。各種の情報には、たとえば、エンジン回転数、シフトレンジ、車速および無段変速機4のプーリ比が含まれる。
次に、CVTECU12により、アクセル開度が取得され、そのアクセル開度に応じた要求駆動力が算出される(ステップS3)。要求駆動力の算出のために、無段自動変速モードで変速比の決定に用いられるマップが参照されて、アクセル開度および車速に応じた無段自動変速モードでの変速比γが取得される。また、無段自動変速モードにおけるエンジントルク特性線が参照されて、アクセル開度およびエンジン回転数に応じたエンジントルク(エンジン2の発生トルク)Trが取得される。さらに、エンジン回転数およびタービン回転数に基づいて、トルクコンバータ3のトルク比Rが求められる。そして、デファレンシャルギヤ36のギヤ比(デフ比)をγとし、タイヤ径をRとし、車両1の駆動系統のトルク伝達効率をηとし、所定の係数をKとして、要求駆動力は、次式に従って算出される。
要求駆動力=Tr×R×γ×γ×η×K/R
また、CVTECU12により、現在のギヤ比で実際に得られる実駆動力が算出される(ステップS4)。実駆動力の算出のために、現在のギヤ比γが算出される。現在のギヤ比γは、無段変速機4のプーリ比に前後進切換機構34の変速比を乗じることにより算出される。また、マニュアルモードにおけるエンジントルク特性線が参照されて、アクセル開度およびエンジン回転数に応じた現在のエンジントルクTrが取得される。そして、所定の係数をKとして、次式に従って、実駆動力が算出される。
実駆動力=Tr×R×γ×γ×η×K/R
その後、CVTECU12により、アクセル開度が所定の閾値よりも大きいか否かが判定される(ステップS5)。
また、CVTECU12により、先に算出した要求駆動力から実駆動力が減算されて、実駆動力に対する要求駆動力の乖離量が求められる。そして、その乖離量が所定量よりも大きい状態が所定時間にわたって継続しているか否かが判定される(ステップS6)。
アクセル開度が所定の閾値よりも大きく(ステップS5のYES)、かつ、実駆動力に対する要求駆動力の乖離量が所定量よりも大きい状態が所定時間にわたって継続している場合には(ステップS6のYES)、駆動力に不足が生じる状況であり、図5に示されるように、CVTECU12により、RAMに設けられた駆動力改善実行フラグがセットされて、車速に応じた最低回転数を所定の補正量だけ引き上げる最低回転数ガード補正が行われる(ステップS7)。CVTECU12のROMには、車速およびアクセル開度に対応する補正量を定めたマップが格納されており、補正量は、そのマップに従って、現在の車速およびアクセル開度に基づいて取得される。
最低回転数ガード補正により、図3に示されるように、最低回転数ガード線L1が最低回転数ガード線L2に引き上げられる。そのため、車速が速度Aでアクセルペダルが比較的深くかつ素早く踏み込まれた場合、変速比が3速段と4速段との間の変速比に下げられる。その後は、プライマリ回転数が補正後の最低回転数(最低回転数ガード線L2上の車速に応じた最低回転数)を下回らないように、無段変速機4の変速比を連続的に変更する変速比制御が実行される。
その結果、図5に示されるように、最低回転数ガード補正が行われない場合(補正前)には、エンジン回転数の上昇が緩慢であるのに対し、最低回転数ガード補正が行われた場合(補正後)、エンジン回転数が速やかに上昇する。そのため、最低回転数ガード補正が行われない場合と比べて、最低回転数ガード補正が行われた場合には、実駆動力が要求駆動力に近くなり、運転者の加速要求に応じた車両1の加速を得ることができる。
アクセル開度が所定の閾値以下である場合(ステップS5のNO)、または、実駆動力に対する要求駆動力の乖離量が所定量よりも大きい状態が所定時間にわたって継続していない場合には(ステップS6のNO)、最低回転数ガード補正は行われず、図4に示される処理が終了される。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、プライマリ回転数が最低回転数ガード線L1,L2上の車速に応じた最低回転数まで低下した場合には、プライマリ回転数が最低回転数を下回らないように、車速の低下に伴って、無段変速機4の変速比が連続的に変更されるとしたが、変速比が段階的に下げられてもよい。すなわち、プライマリ回転数が最低回転数ガード線L1,L2上の車速に応じた最低回転数まで低下した場合には、現在の変速段よりも1段低い変速段に変更されてもよい。
ガード補正処理のステップS5では、アクセル開度が所定の閾値よりも大きいか否かが判定されるとしたが、この判定に代えて、アクセル開度の変化速度が所定の閾値よりも大きいか否かの判定が行われてもよい。また、アクセルペダルの操作量が所定の閾値よりも大きいか否かの判定に代えられてもよいし、アクセルペダルの操作量の変化速度が所定の閾値よりも大きいか否かの判定に代えられてもよい。
エンジン2のスロットルバルブの開度(スロットル開度)は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変化する値であり、アクセルペダルが踏み込まれていないときに0%となり、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときに100%となる百分率であるので、アクセル開度に代えて、スロットル開度が用いられてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
4 無段変速機
12 CVTECU(制御装置、手動変速手段、回転数ガード手段、判定手段、補正手段)
41 プライマリ軸(入力軸)

Claims (1)

  1. 入力軸の動力を無段階に変速して出力軸に伝達可能な無段変速機が搭載された車両に用いられ、前記無段変速機を制御する制御装置であって、
    シフト操作によらずに変速比を変更する自動変速モードと選択的に切り替えられる手動変速モードにおいて、シフト操作に応答して、段階的に設定された複数の固定変速比間で変速比を変更する手動変速手段と、
    前記手動変速モードにおいて、前記入力軸の最低回転数を設定し、前記入力軸の回転数が前記最低回転数を下回らないように変速比を変更する回転数ガード手段と、
    前記車両を加速させる加速要求が入力されたか否か判定する判定手段と、
    前記加速要求が入力された場合、前記最低回転数を引き上げる補正を行う補正手段とを含む、制御装置。
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