JP2016102025A - エレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上昇運転時の過速度を検出する第1の調速機と下降運転時の過速度を検出する第2の調速機とを備え、クラッチを介して綱車の回転を第2の調速機に伝達又は解除するようにしたエレベータ装置において、クラッチの故障を検出する。【解決手段】故障検出用センサ24の出力信号に基づき、第2の調速機15の回転体18と同期して回転する回転検出板23が回転しているか否かの判定を行う。そして、その判定結果と、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号を元に算出される昇降体1の走行方向の情報とに基づいて、クラッチの正常/異常を判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、上昇運転時の過速度を検出する第1の調速機と下降運転時の過速度を検出する第2の調速機を備えたエレベータ装置に関する。
近年、ビルの高層化に伴うエレベータ装置の高速化及び長行程化が進んでおり、このようなエレベータ装置にあっては、かごの昇降による急激な気圧変化が発生し、乗客に耳がつんとなる耳閉感を与える。人間の耳は気圧が下がる側、即ちかごの上昇時の方が、気圧が上がる側、即ちかごの下降時より順応しやすい特性があるため、上昇方向の定格速度より、下降方向の定格速度を低く設定し、耳閉感の低減を図ったエレベータ装置が要求されている。そして、このようなエレベータ装置として、例えば特許文献1に記載されたエレベータ装置が開示されている。
特許文献1には、「昇降体に連結された調速用ロープと、水平軸に固定されて調速用ロープが巻き掛けられた綱車と、綱車の回転速度を調速し、上昇過速度を検出する第1の調速機と、水平軸とクラッチを介して連結され、昇降体の下降運転時、綱車の回転速度を調速し、下降過速度を検出する第2の調速機とを備え、クラッチは、昇降体の下降運転時、綱車の回転を第2の調速機の回転体に伝達し、昇降体の上昇運転時、第2の調速機への綱車の回転の伝達を解除するようにしたエレベータ装置において、昇降体の上昇運転時、第2の調速機の回転体の回転を阻止する回転阻止機構を備えたことを特徴とするエレベータ装置。」が記載されている。
国際公開第2014/125574号
特許文献1に記載されたエレベータ装置は、昇降体の運転方向(走行方向)に応じた過速度を設定及び検出することができる。しかし、特許文献1に記載されたエレベータ装置は、綱車の回転を第2の調速機の回転体に伝達又は解除するための機構であるクラッチの故障について十分な検討がなされていない。
本発明は、上昇運転時の過速度を検出する第1の調速機と下降運転時の過速度を検出する第2の調速機とを備え、クラッチを介して綱車の回転を第2の調速機に伝達又は解除するようにしたエレベータ装置において、クラッチの故障を検出することを目的とする。
本発明の一態様のエレベータ装置は、昇降体に連結された調速用ロープと、水平軸に固定されて調速用ロープが巻き掛けられた綱車と、綱車の回転速度を調速し、昇降体の上昇過速度を検出する第1の調速機と、昇降体の下降運転時に綱車の回転速度を調速し、昇降体の下降過速度を検出する第2の調速機と、水平軸と第2の調速機とを連結し、昇降体の下降運転時に綱車の回転を第2の調速機の回転体に伝達し、昇降体の上昇運転時に第2の調速機の回転体への綱車の回転の伝達を解除するクラッチとを備える。また、水平軸の回転を検出し、第1の検出信号を出力する回転検出用センサと、第2の調速機の回転体と同期した回転を行う回転検出板と、回転検出板の回転に応じて第2の検出信号を出力する故障検出用センサとを備える。さらに、回転検出用センサから出力された第1の検出信号を受信し、また故障検出用センサから出力された第2の検出信号を受信する制御部を備える。そして、制御部は、第2の検出信号を用いて回転検出板の回転/不回転を判定し、該判定の結果と第1の検出信号を元に算出される昇降体の走行方向とからクラッチの正常/異常を判定する制御部を備える。
本発明によれば、綱車の回転を第2の調速機に伝達又は解除するクラッチの故障を精度良く検出することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用されるエレベータ装置の構成例の概略を示す断面図である。 本発明が適用されるエレベータ装置の第1の実施の形態に係る調速機の断面図である。 図2に示した調速機の要部を示す側面図である。 図3に示した調速機の要部の平面図である。 図3に示した調速機の要部における誤動作発生の要因を示す平面図である。 本発明が適用されるエレベータ装置の下降運転時における検出板速度検出特性とエンコーダ速度検出特性を示す図である。 本発明が適用されるエレベータ装置の制御系の構成例の概略を示すブロック図である。 本発明が適用されるエレベータ装置の制御系による故障検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明が適用されるエレベータ装置の第2の実施の形態に係る調速機の要部の平面図である。 本発明が適用されるエレベータ装置の第3の実施の形態に係る調速機の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
1.第1の実施の形態(故障検出装置:半円形の回転検出板の回転を検出する例)
2.第2の実施の形態(回転検出板:円盤に半円形の孔部を形成した例)
3.第3の実施の形態(第2の調速機側の第2ローラにクラッチを設けた例)
<1.第1の実施の形態>
本発明の実施の形態に係るエレベータ装置は、後述する電子安全コントローラ200(図7参照)を用いた電子安全システムを導入している。また、エレベータ走行速度、より具体的には、乗りかごと呼称される昇降体の走行速度(移動速度/昇降速度)を検出するために、調速用ロープが巻き掛けられた綱車が固定される水平軸の回転を検出する回転検出用センサを備える。
本実施の形態に係るエレベータ装置の詳細について説明する前に、本発明が適用されるエレベータ装置の具体的な構成例について以下に説明する。
[エレベータ装置の構成]
図1は、本発明が適用されるエレベータ装置の構成例の概略を示す断面図である。
一般に、エレベータ装置は、建築物100に設けられた昇降路102内に、昇降体(乗りかご)1とつり合いおもり2とを主ロープ(主索)3によって連結し、昇降体1がガイドレール5a,5bに沿って昇降可能となるように構成されている。昇降路102の上部には、機械室101が設けられている。
機械室101内には、主ロープ3が巻き掛けられた巻上機4、この巻上機4等を制御する制御盤103および調速機10などが配置されている。調速機10は、昇降路102内における昇降体1の走行行程(昇降行程)の全域に亘って張られた無端状の調速用ロープ8を備えている。調速用ロープ8は、機械室101に設置された綱車9aと、昇降路102の下部に設置された調速機ウェートの綱車9bとに巻き掛けられている。綱車9aは、建築物100に対して回転自在に取り付けられている。調速機10の綱車9aは、昇降体1の走行に連動して回転する回転体である。昇降体1と調速用ロープ8は連結部材7により連結されている。
昇降体1には、非常時に楔によってガイドレール5a,5bを把持して昇降体1の走行を止める非常止め装置6と、この非常止め装置6を駆動する不図示の作動レバーとが設けられている。作動レバーは、昇降体1側に軸支され、調速用ロープ8に接した状態で設けられている。
[調速機の構成]
次に、本発明が適用されるエレベータ装置の第1の実施の形態に係る調速機の構成について説明する。
図2は、図1に示したエレベータ装置の調速機10の断面図である。
図2に示すように、昇降路102に配置されて昇降体1に連結された調速用ロープ8と、水平軸12に固定されて調速用ロープ8が巻き掛けられた綱車9aと、この綱車9aの回転速度を調速し、上昇過速度を検出する第1の調速機13と、水平軸12とクラッチ17を介して連結され、昇降体1の下降運転時、綱車9aの回転速度を調速し、下降過速度を検出する第2の調速機15と、水平軸12に取り付けられるロータリエンコーダ19とを備えている。第1の調速機13と第2の調速機15は、一例として特許文献1(特開2013−151337号公報)と同様の構成を採用することができる。
水平軸12は、例えば、機械室101と昇降路102との間の隔壁に設けた枠11R,11Lに軸受を介して支持されている。水平軸12の一方の側端付近に第1の調速機13の回転体16が固定して設けられ、水平軸12の他方の側端付近に第2の調速機15の回転体18がクラッチ17を介して取り付けられている。
クラッチ17は、例えばカム式ワンウェイクラッチ(力ムクラッチ)が用いられ、クラッチ17の内輪17aが水平軸12に固定され、外輪17bが回転体18に固定されている。クラッチ17により、昇降体1の下降運転時、綱車9aの回転を第2の調速機15の回転体18に伝達し、昇降体1の上昇運転時、第2の調速機15への綱車9aの回転の伝達を解除する。
また、水平軸12の他方の側端には、昇降体1の走行速度を電気的に計測する速度センサの一例であるロータリエンコーダ19が取り付けられている。ロータリエンコーダ19は、回転検出用センサの一例であり、水平軸12の回転方向の機械的な変位量をデジタル量に変換する。ロータリエンコーダ19の出力信号(第1の検出信号)は、制御盤103内に設けられた制御部である、後述する電子安全コントローラ200(図7参照)に供給される。
本実施の形態のエレベータ装置では、ロータリエンコーダ19を綱車9aに取り付ける構成としたが、これに限られるものではない。綱車9aと同様に、昇降体1の走行に連動して回転する回転体である調速機ウェートの綱車9bにロータリエンコーダ19を取り付ける構成であっても構わない。ただし、ロータリエンコーダ19を綱車9aに取り付ける方が綱車9bに取り付けるよりも、ロータリエンコーダ19の出力信号を制御盤103に伝送する配線を短くできるため、配線に対するノイズなどの影響を抑える上で有利である。
第1の調速機13は、水平軸12の一方の側端付近に固定された回転体16と、この回転体16に取り付けられ、回転体16の回転速度に応じて変位する振り子(図示省略)とを有している。第1の調速機13は、ロータリエンコーダ19により検出された昇降体1の昇降速度が定格速度の例えば1.3倍に達すると、振り子の変位により、第1の調速機13における昇降体停止用スイッチが投入されるように構成される。このような構成により、第1の調速機13において昇降体1の昇降速度が定格速度の1.3倍に達したことを検出する。
また、第2の調速機15は、水平軸12の他方の側端に固定されたクラッチ17を介して回転する回転体18と、この回転体18に取り付けられ、回転体18の回転速度に応じて変位する振り子(図示省略)とを有している。第2の調速機15も、ロータリエンコーダ19により検出された昇降体1の昇降速度が定格速度の例えば1.3倍に達すると、振り子の変位により、第2の調速機15における昇降体停止用スイッチが投入されるように構成される。このような構成により、第2の調速機15において昇降体1の昇降速度が定格速度の1.3倍に達したことを検出する。
このように、第1の調速機13における昇降体停止用スイッチ又は第2の調速機15における昇降体停止用スイッチの挿入によって、昇降体1の第1の定格速度又は第2の定格速度の1.3倍に達したことを知ることができる。第1の調速機13及び第2の調速機15としては、具体的には、例えば特開2000−327241号公報に記載のようなフライウェイ卜調速機構を用いることができるが、これに限定されるものではない。
本実施の形態のエレベータ装置は、昇降体1の昇降による急激な気圧変化により、乗客の耳がつんとなる耳閉感を低減するため、上昇方向の定格速度より、下降方向の定格速度を低く設定してある。これに応じて、上昇用となる第1の調速機13は、昇降体1の昇降速度が上昇方向の定格速度の1.3倍に達したことを検出すると、昇降体1を駆動する巻上機4の電源及びこの巻上機4を制御する制御盤103の電源をそれぞれ遮断する。
一方、下降用となる第2の調速機15は、昇降体1の昇降速度が下降方向の定格速度の1.3倍に達したことを検出すると、昇降体1を駆動する巻上機4の電源及びこの巻上機4を制御する制御盤103の電源をそれぞれ遮断する。また、第2の調速機15は、何等かの原因によって昇降体の下降速度が定格速度の1.4倍に達すると、昇降体1に設けられた非常止め装置6を動作させて、昇降体1を機械的に非常停止させる。すなわち、回転体18に取り付けられた振り子がさらに変位したことを検出すると、図示しない機構によって調速用ロープ8を挟み込んで調速用ロープ8の移動を停止させる。そして、移動を停止した調速用ロープ8に連結された不図示の作動レバーなどにより非常止め装置6を作動させて、非常止め装置6によりガイドレール5a,5bを把持して、昇降体1を機械的に非常停止させる。
このように上昇方向における所定の過速度を検出すると共に、下降方向における所定の過速度を検出するため、上昇用となる第1の調速機13及び下降用となる第2の調速機15の調速設定値は異なる値に設定されている。
[故障検出装置の構成]
次に、本発明が適用されるエレベータ装置の第2の調速機15に設けられたクラッチ17の故障を検出するための構成について説明する。
本実施の形態に係るエレベータ装置は、図2に示すように、ロータリエンコーダ19を用いた過速度監視による故障検出手段とは異なる、第2の調速機15のクラッチ17の故障を検出する故障検出装置30を備えている。
故障検出装置30は、第2の調速機15と同軸に設けられた第1ローラ20と、第2の調速機15の近傍で同一の仮想平面上で対向するように配置された第2ローラ21と、これら第1ローラ20と第2ローラ21とに巻き掛けられたベルトなどの伝達系22とを備えている。また、故障検出装置30は、第2ローラ21の平面部に取り付けられて第2ローラ21と同期した回転を行う回転検出板23と、回転検出板23の回転を検出する故障検出用センサ24とを備えている。
第1ローラ20は、回転体18またはクラッチ17の外輪17bに固定され、回転体18と一緒に回転する。第2ローラ21は、台座25に軸25aを介して回動可能に支持されている。台座25は、枠11Lに固定されている。第2ローラ21は、第1ローラ20が回転すると伝達系22を介してその回転が伝達され、第1ローラ20と同期して回転する。
[回転検出板23と故障検出用センサ24との配置関係]
次に、回転検出板23と故障検出用センサ24との配置関係を説明する。
図3は、図2に示した調速機10の要部を示す側面図である。
図4は、図3に示した調速機10の要部の平面図である。
図3に示すように、故障検出用センサ24は、ギャップを介在させて回転検出板23を挟み込むU字状の構造であり、開放側の両端部に出力側24aと入力側24bを有する。故障検出用センサ24は、出力側24aから入力側24bに向かう信号を、例えば回転検出板23が遮ったときに回転検出板23が回転状態であるとの検出を行うものである。故障検出用センサ24は、所定の周期(時間間隔)でデジタルの出力信号(第2の検出信号)を出力する。例えば出力信号は、入力側24bに信号が入力されているときはオン状態であり、信号が入力されていないときはオフ状態である。
図4に示すように、回転検出板23は半円(半円形状部の一例)である。半円の回転検出板23の直径の中心が回転中心であり、第2ローラ21の回転軸と一致している。なお、本実施の形態では、回転検出板23は半円形であるが、円の形状はこの例に限られない。例えば、円弧の長さが円の1/4である1/4円でもよい。回転検出板の形状は、故障検出用センサ24の出力側24aから射出された信号を、回転検出板の回転に応じて周期的に繰り返し検出できる構成であればよい。
故障検出用センサ24としては、種々の構成のものを採用することができる。例えば故障検出用センサ24が透過型の光電式として構成される場合には、出力側24aは投光部であり、入力側24bは受光部となる。回転検出板23が半回転(180度回転)する度に、投光部から受光部へ向けて射出された光が回転検出板23で遮られ、故障検出用センサ24が出力する信号のオン/オフが切り替わる。この出力信号の切り替え(オン/オフ)に基づいて、回転検出板23の回転を検出することができる。なお、故障検出用センサ24が反射型の光電式として構成される場合には、入力側24bに投光部と受光部が配置される。
また、故障検出用センサ24が近接式として構成される場合には、回転検出板23が磁性体で構成され、入力側24bにホールIC等の磁気センサが配置される。入力側24bの磁気センサが磁気の変化から回転検出板23の近接を感知することで、回転検出板23の回転を検出することができる。
また、故障検出用センサ24が変位式である場合には、例えば回転検出板23と接触する検出部材を設け、該検出部材と回転検出板23との接触の有無により距離の変位を検知し、回転検出板23の回転を検出することができる。
なお、図4において、故障検出用センサ24の検出点26は、実際に回転検出板23の検知が行われる位置であり、信号の入出力が行われる点、もしくは入力側24b等に配置されたセンサの中心に相当する。例えば、光電式の故障検出用センサ24では、検出点26は投光部から射出された光の光軸L、もしくは受光部の受光面の中心に相当する。また、接触式の故障検出用センサ24では、不図示の検出部材と回転検出板23との接触点に相当する。
電子安全システムが備える電子安全コントローラ200(図7参照)は、第2の調速機15の回転と同期して回転する第2ローラ21に固定された回転検出板23の回転を、故障検出用センサ24を用いて監視する。そして、電子安全コントローラ200は、故障検出用センサ24の出力信号(第2の検出信号)とロータリエンコーダ19の出力信号(第1の検出信号)を用いて、クラッチ17の正常/異常を検出する。
ところで、このような回転検出板23と故障検出用センサ24を用いた故障検出方法は、高い信頼性を有するが、昇降体1の停止位置によっては、故障検出用センサ24の出力信号が不安定になる。
図5は、図3に示した調速機10の要部における誤動作発生の要因を示す平面図である。
ここで、図5に示すように、回転検出板23の端部が、故障検出用センサ24の検出点26の近傍で停止した状態を想定する。図5に示す状態において、昇降体1等の振動が第2ローラ21に加えられたりすると、回転検出板23が揺れ、故障検出用センサ24の出力側24aから射出された信号を回転検出板23が断続的に遮る現象(以下「断続的遮蔽現象」と記す。)が発生してしまうことが考えられる。この断続的遮蔽現象が発生すると、故障検出用センサ24は回転検出板23が回転しているものとして検出してしまう恐れがある。そのため、故障検出装置30は、この断続的遮蔽現象を含む異常を検出できるようにすることが望ましい。
[検出板速度検出特性とエンコーダ速度検出特性]
図6は、本発明が適用されるエレベータ装置の下降運転時における検出板速度検出特性とエンコーダ速度検出特性を示す図である。図6において、横軸は昇降体1の下降方向の移動距離(m)、縦軸は走行速度(m/min)を示す。
図6において、検出板速度検出特性27は、故障検出用センサ24が回転検出板23の回転に応じて出力する信号を元に算出される、昇降体1の走行速度と移動距離との関係を示したものである。また、エンコーダ速度検出特性28は、ロータリエンコーダ19が出力するエンコーダ信号を元に算出される、昇降体1の走行速度と移動距離との関係を示したものである。
回転検出板23が回転することにより、相対的に故障検出用センサ24の検出点26が回転検出板23上を移動し、その軌跡は円弧となる。回転検出板23の回転中心から故障検出用センサ24の検出点26までの距離r(図5参照)によって、検出点26の軌跡である半円の円弧23Cの長さ(移動距離L0)が決まる。そして、円弧23Cの長さ、第2ローラ21と第1ローラ20の径などから、回転検出板23が半回転(180度回転)するときの第1ローラ20の回転数がわかり、調速用ロープ8(昇降体1)の移動距離が求められる。このように、円弧23Cの長さ(移動距離L0)が分かり、検出板速度検出特性27では、昇降体1が移動距離L0に対応する距離を移動するごとに走行速度の更新が発生する。
図6に示すように、昇降体1の走行速度が低いときは、検出板速度検出特性27とエンコーダ速度検出特性28との差(差分d)が大きい。他方、昇降体1の走行速度が高速になるにつれて故障検出用センサ24から出力される出力信号のオン/オフの切り替えが頻繁に発生するため、検出板速度検出特性27とエンコーダ速度検出特性28との誤差が小さくなり、検出精度が高まることが分かる。そこで、上述した故障検出装置30による故障検出は、エンコーダ速度検出特性28による走行速度が望ましい値、例えば200m/minとなったタイミングで行うようにすることが望ましい。しかし、この望ましい走行速度の値に限らず、望ましい走行速度を中心として所定幅の領域29内の他の走行速度を設定して、クラッチ17の正常/異常の判定を行うことができる。または、上述した走行速度よりも小さな任意の走行速度を設定してもよい。
[制御系の構成]
本発明が適用されるエレベータ装置の制御系の構成について説明する。
図7は、本発明が適用されるエレベータ装置の制御系の構成例の概略を示すブロック図である。
図7に示すように、本制御系は、本発明が適用されるエレベータ装置の全体の制御を担う制御部である電子安全コントローラ200を中心として構成されている。電子安全コントローラ200として、例えばマイクロコンピュータを用いることができる。電子安全コントローラ200には、ロータリエンコーダ19の出力信号(エンコーダ信号)、故障検出用センサ24の出力信号が入力される。
ロータリエンコーダ19は、昇降体1の走行速度を電気的に計測するために用いられる速度センサの一例であり、水平軸12の回転方向の機械的な変位量をデジタル量に変換したエンコーダ信号を出力する。このエンコーダ信号には、水平軸12の回転速度および回転方向の各情報が含まれている。
故障検出用センサ24は、出力側24aと入力側24bとの間における回転検出板23の有無に応じた出力信号、即ち回転検出板23の回転の状態に応じた出力信号を出力する。
図7では、電子安全コントローラ200について、電子安全コントローラ200が持つ各機能をブロック図化して機能ブロック図として示している。電子安全コントローラ200は、速度情報処理部201、回転検出カウンタ202、不回転検出カウンタ203、回転判定部204、及び故障判定部205を有している。また、電子安全コントローラ200は、メモリ206を備えている。メモリ206は不揮発メモリであり、例えばデータの書き込み及び読み出しが可能な半導体メモリを用いて構成される。
速度情報処理部201は、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号に含まれる水平軸12の回転速度および回転方向の各情報に基づいて、昇降体1の走行速度および走行方向を算出する。また、速度情報処理部201は、故障検出用センサ24の出力信号を所定の周期で受信する処理を行い、該出力信号に基づいて回転検出板23の回転/不回転を検出する。本明細書において、不回転とは、回転検出板23が停止状態又は極ゆっくり回転している状態をいう。回転検出板23がこのような状態にある場合には、故障検出用センサ24の受信信号(オン/オフの状態)に変化が現れないため、不回転と検出される。この回転検出板23の回転の情報は回転検出カウンタ202に供給され、不回転の情報は不回転検出カウンタ203に供給される。さらに、速度情報処理部201は、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号に基づいて昇降体1の走行速度を算出する。
また、速度情報処理部201は、故障検出用センサ24の出力信号を元に算出される昇降体1の現在(最新)の走行速度と、前回算出された昇降体1の走行速度とを比較し、現在の走行速度と前回算出された走行速度とが異なる場合に、回転検出板23が回転していると判定する。ここで、前回の走行速度とは、現在(最新)の走行速度が算出された回転検出板23の状態から半回転前の状態のときに得られた、過去の走行速度のことである。なお、以降の説明において、昇降体1の「現在の走行速度」を、「今回の走行速度」と記すことがある。
さらに、速度情報処理部201は、故障検出用センサ24の出力信号に基づき今回算出された昇降体1の走行速度と、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号に基づき算出される昇降体1の走行速度との差が、所定のしきい値以下であるかどうかを判定する。その判定結果は、回転検出カウンタ202又は不回転検出カウンタ203に供給される。
なお、電子安全コントローラ200では、速度情報処理部201がロータリエンコーダ19のエンコーダ信号及び故障検出用センサ24の出力信号のそれぞれを元に昇降体1の走行速度を算出しているがこの例に限られない。ロータリエンコーダ19用の速度情報処理部と故障検出用センサ24用の速度情報処理部を別に設けてもよい。
回転検出カウンタ202は、速度情報処理部201から回転の情報が供給された場合に、カウント値を1だけ増加させ(カウントアップ)、該カウント値を回転判定部204に供給する。回転検出カウンタ202は、カウント値が所定値(例えば8)以上となったらリセットする。
不回転検出カウンタ203は、速度情報処理部201から不回転の情報が供給された場合に、カウント値を1だけ増加させ(カウントアップ)、カウント値を回転判定部204に供給する。不回転検出カウンタ203は、カウント値が所定値(例えば8)以上となったらリセットする。回転検出カウンタ202と不回転検出カウンタ203は、他方の検出カウンタがリセット動作を行うときには自身の検出カウンタもリセットする。
回転判定部204は、回転検出カウンタ202又は不回転検出カウンタ203のいずれかのカウント値が所定値(例えば8)未満であるか否かを判定基準として、回転検出板23の回転又は不回転を判定する。判定結果は、故障判定部205に供給される。なお、上述した回転検出カウンタ202と不回転検出カウンタ203のリセット動作は、回転判定部204がリセット指令を出力することにより行われるようにしてもよい。
故障判定部205は、回転判定部204から供給される回転検出板23の回転又は不回転についての判定結果と、速度情報処理部201から供給される昇降体1の走行方向の情報とに基づいて、クラッチ17の正常/異常を判定する。具体的には、故障判定部205は、昇降体1が上昇かつ回転検出板23が回転している、又は昇降体1が下降かつ回転検出板23が不回転である場合には、クラッチ17は異常であると判定する。また、故障判定部205は、昇降体1が上昇かつ回転検出板23が不回転である、又は昇降体1が下降かつ回転検出板23が回転している場合には、クラッチ17は正常であると判定する。判定結果は、制御盤103に供給される。
上述した電子安全コントローラ200の各機能部201〜205については、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、ソフトウェアで実現することができる。このとき、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ206、もしくはハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に記録することができる。また、上記の各機能部201〜205などについては、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現することもできる。
[故障検出処理手順]
図8は、本発明が適用されるエレベータ装置の制御系による故障検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示す故障検出処理は、電子安全コントローラ200のプロセッサ(マイクロコンピュータ)が、メモリ206に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。本フローチャートの前提条件として、正常時におけるエレベータ装置の上昇運転時には第2の調速機15の回転体18への綱車9aの回転の伝達が解除され、回転検出板23は停止状態である。また、下降運転時には綱車9aの回転がクラッチ17を介して第2の調速機15の回転体18に伝達され、回転検出板23は回転する。
エレベータ装置が稼動し、制御盤103が昇降体1の走行を開始すると(ステップS1)、まず、速度情報処理部201は、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号から算出される走行速度(以下「ロータリエンコーダ19の速度検出値」と記す。)が、所定のしきい値、例えば200m/minに達したか否かを判定する(ステップS2)。そして、速度情報処理部201は、ロータリエンコーダ19の速度検出値が200m/minに達している場合には(ステップS2のYES)、ステップS3の処理に移行する。また、ロータリエンコーダ19の速度検出値が200m/minに達していない場合には(ステップS2のNO)、ロータリエンコーダ19の速度検出値が所定のしきい値に達するまで本ステップの判定処理を継続する。
次に、速度情報処理部201は、回転検出板23を用いた速度検出値が発生しているか否かを判定する(ステップS3)。即ち、速度情報処理部201は、故障検出用センサ24の出力信号を所定の周期で受信する処理を行い、故障検出用センサ24の出力信号に基づいて走行速度(以下「回転検出板23による速度検出値」と記す。)が算出できたかどうかを判定する。ここで、速度情報処理部201は、走行速度を算出できなかった場合には回転検出板23は不回転であると判定し(ステップS3のNO)、不回転検出カウンタ203をカウントアップする(ステップS4)。一方、速度情報処理部201は、走行速度が算出できた場合には回転検出板23は回転していると判定し(ステップS3のYES)、ステップS7へ移行する。
その後、回転判定部204は、不回転検出カウンタ203のカウント値が、所定値例えば8回未満か否かを判定し(ステップS5)、8回未満であれば(ステップS5のYES)、再びステップS3に戻って同じ処理を繰り返す。一方、回転判定部204は、不回転検出カウンタ203のカウント値が8回以上である場合には(ステップS5のNO)、回転検出板23が不回転であると判定する(ステップS6)。
上記ステップS3の判定処理で、回転検出板23による速度検出値が算出できた場合には(ステップS3のYES)、速度情報処理部201は、回転検出板23による今回(現在)の速度検出値が前回(半回転前)の速度検出値と異なるか否かを判定する(ステップS7)。その結果、速度情報処理部201は、今回の速度検出値と前回の速度検出値とが異なる場合には(ステップS7のYES)、ステップS8へ移行し、今回の速度検出値と前回の速度検出値とが同じ場合にはステップS3へ戻って同じ処理を繰り返す(ステップS7のNO)。
上記ステップS7の判定処理で、今回の速度検出値と前回の速度検出値とが異なる場合には(ステップS7のYES)、速度情報処理部201は、ロータリエンコーダ19の速度検出値と回転検出板23による速度検出値との差(図6の差分d)が所定のしきい値以下であるか否かを判定する(ステップS8)。所定のしきい値は、例えば30m/minである。両者の差分dが30m/min以下である場合には(ステップS8のYES)、速度情報処理部201は、回転検出カウンタ202をカウントアップさせる(ステップS9)。一方、両者の差分dが30m/minを超える場合には(ステップS8のNO)、速度情報処理部201は、ステップS4に移行して不回転検出カウンタ203をカウントアップさせる。
次に、回転判定部204は、回転検出カウンタ202のカウント値が、所定値例えば8回未満か否かを判定し(ステップS10)、8回未満であれば(ステップS10のYES)、再びステップS3に戻って同じ処理を繰り返す。一方、回転判定部204は、回転検出カウンタ202のカウント値が8回以上である場合には(ステップS10のNO)、回転検出板23が回転していると判定する(ステップS11)。
その後、ステップS6又はステップS11の判定結果を受けて、故障判定部205は、速度情報処理部201がロータリエンコーダ19のエンコーダ信号に基づいて算出した昇降体1の走行方向の情報に基づき、昇降体1の走行方向を判定する(ステップS12)。
そして、故障判定部205は、故障判定部205は、昇降体1が上昇かつ回転検出板23が不回転である、又は昇降体1が下降かつ回転検出板23が回転している場合には、クラッチ17は正常であるとして、本故障検出処理を終了する。また、故障判定部205は、昇降体1が上昇かつ回転検出板23が回転している、又は昇降体1が下降かつ回転検出板23が不回転である場合には、クラッチ17は異常であると判定し、その判定結果を制御盤103に出力する。制御盤103(電子安全システム)は、クラッチ17は異常であるという判定結果を受けて、昇降体1を最寄り階に休止させる等の適切な制御を行う。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るエレベータ装置では、故障検出装置30の第2の調速機15の回転体18と同期して回転する回転検出板23が回転しているか否かの判定を行っている。そして、回転/不回転の判定結果と、ロータリエンコーダ19のエンコーダ信号を元に算出される昇降体1の走行方向の情報に基づいて、クラッチの正常/異常を判定している。それにより、図6において説明した昇降体1等の振動による断続的遮蔽現象を排除して、第2の調速機15の回転体18に対して回転の伝達又は解除を行うクラッチ17の正常/異常、即ちクラッチ17の故障を精度良く検出することができる。
さらに、第1の実施の形態では、回転検出板23の回転/不回転の判定精度を高めるための処理を有する。例えば、回転検出板23による速度検出値とロータリエンコーダ19の速度検出値とを比較することにより、回転検出板23の回転/不回転の検出精度を高めることができる。特に、図6に示したように、回転検出板23による速度検出値が低いときは、ロータリエンコーダ19の速度検出値との差が大きいため、回転検出板23による速度検出値の誤差が大きくなる。そこで、回転検出板23による速度検出値とロータリエンコーダ19の速度検出値との差が小さくなるような所定のしきい値(例えば200m/min)を設定している(ステップS2参照)。ロータリエンコーダ19による速度検出値がこのしきい値に達したときに両者の比較を開始することで、回転検出板23の回転/不回転の検出精度が向上する。なお、ステップS2の処理は望ましい形態であるが、省略することができる。
また、第1の実施の形態では、回転検出カウンタ202(不回転検出カウンタ203)を8回カウントアップさせて判定精度を高めている(ステップS5,S10参照)。仮にステップS3で故障検出用センサ24から出力された出力信号にノイズが混入して回転検出板23による速度検出値を誤検出したとしても、判定を繰り返すうちに速度検出値が変化するため、「回転している」と判定させないようにすることができる。それゆえ、最終的に回転検出板23の回転の誤検出を防止できる。なお、ステップS4,S5,S9,S10の処理は望ましい形態であるが、省略することができる。
また、第1の実施の形態では、回転検出板23による今回の速度検出値が前回(半回転前)の速度検出値と異なるか否かを判定している(ステップS7参照)。このような構成により、回転検出板23の回転/不回転の検出精度を向上させることができる。なお、ステップS7の処理は望ましい形態であるが、省略することができる。
さらに、第1の実施の形態では、ロータリエンコーダ19の速度検出値と回転検出板23による速度検出値との差が所定のしきい値以下であるか否かを判定している(ステップS8参照)。このような構成により、回転検出板23の回転/不回転の検出精度を向上させることができる。なお、ステップS8の処理は望ましい形態であるが、省略することができる。
一般に、ロータリエンコーダは高価である。仮に、回転検出板23と故障検出用センサ24をロータリエンコーダに代えると、ロータリエンコーダ19と合わせて第2の調速機15側にロータリエンコーダが2個となりコストが増大する。しかし、本実施の形態では、回転検出板23と故障検出用センサ24を用いることにより、コストの増大を抑え安価な構成でクラッチ17の故障を検出することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明が適用されるエレベータ装置の故障検出装置に用いられる回転検出板の他の例を説明する。
図9は、本発明が適用されるエレベータ装置の第2の実施の形態に係る調速機10の要部の平面図である。
本実施の形態に係る回転検出板31は、円盤状の本体32を有し、本体32の一部に半円形の孔部33(半円形状部の一例)が形成されている。回転検出板31の回転中心は、第2ローラ21の回転軸と一致している。
このような構成とすることにより、回転検出板31が半回転(180度回転)する度に、故障検出用センサ24の出力側24aと入力側24bとの間を通過する本体32の位置(孔部33とそれ以外の部分)が切り替わる。よって、回転検出板31を用いた場合でも、回転検出板23の場合と同様に、回転検出板31が半回転する度に、故障検出用センサ24が出力する信号のオン/オフが切り替わる。また、回転検出板23の回転中心から故障検出用センサ24の検出点26までの距離rは、図5に示す回転検出板23及び故障検出用センサ24の場合と同じとすることができる。したがって、本実施の形態においても、距離rによって、回転検出板23上の検出点26の軌跡である半円の円弧の長さ(移動距離L0)が決まる。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、回転検出板23(図4参照)の場合と同様に、回転検出板31が半回転する度に、故障検出用センサ24の出力信号のオン/オフが切り替わる。また、回転検出板31の本体32の形状は円盤状であり、外周端に角部がない。そのため、回転検出板31が回転した場合における安全性が向上する。
なお、本実施の形態では、回転検出板31に形成した孔部の数は1つであるが、2以上の孔部を形成してもよい。回転検出板に形成する孔部の数や形状は、故障検出用センサ24の出力側24aから射出された信号を、回転検出板の回転に応じて周期的に繰り返し検出できる構成であればよい。
<3.第3の実施の形態>
図10は、本発明が適用されるエレベータ装置の第3の実施の形態に係る調速機10の断面図である。
図10に示すように、第2の調速機15側に設けられた故障検出装置30Aにおいて、台座25の軸25aと第2ローラ21との間に、クラッチ41が配置される。クラッチ41は、例えばカム式ワンウェイクラッチ(カムクラッチ)が用いられる。クラッチ41の外輪41bが第2ローラ21に固定され、クラッチ41の内輪41aが台座25の軸25aに固定される。
クラッチ41は、昇降体1の下降運転時、伝達系22の回転を第2ローラ21に伝達し、昇降体1の上昇運転時、第2ローラ21への伝達系22の回転の伝達を解除する。即ち、クラッチ41は、昇降体1の下降運転時、伝達系22即ち第1ローラ20と同じ方向に第2ローラ21が回転するようにし、昇降体1の上昇運転時、第2ローラ21が反対方向には回転しないようにする。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、昇降体1の上昇運転時、クラッチ41によって第2の調速機15の回転体18の回転を阻止することにより、誤検出を防ぎ、信頼性の向上を図ることができる。それ以外は、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。また、本実施の形態を、第2の実施の形態と組み合わせてもよい。
さらに、本発明は上述した各実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
1…昇降体、 7…連結部材、 8…調速用ロープ、 9a,9b…綱車、 10…調速機、 12…水平軸、 13…第1の調速機、 15…第2の調速機、 17…クラッチ、 18…回転体、 19…ロータリエンコーダ(回転検出用センサ)、 20…第1ローラ、 21…第2ローラ、 22…伝達系、 23,31…回転検出板、 23C…円弧、 24…故障検出用センサ、 24a…出力側、 24b…入力側、 27…エンコーダ速度検出特性、 28…検出板速度検出特性、 29…領域、 32…本体、 33…孔部、 41…クラッチ、 101…機械室、 102…昇降路、 103…制御盤、 200…電子安全コントローラ(制御部)、 201…速度情報処理部、 202…回転検出カウンタ、 203…不回転検出カウンタ、 204…回転判定部、 205…故障判定部、 206…メモリ

Claims (7)

  1. 昇降体に連結された調速用ロープと、
    水平軸に固定されて前記調速用ロープが巻き掛けられた綱車と、
    前記綱車の回転速度を調速し、前記昇降体の上昇過速度を検出する第1の調速機と、
    前記昇降体の下降運転時に前記綱車の回転速度を調速し、前記昇降体の下降過速度を検出する第2の調速機と、
    前記水平軸と前記第2の調速機とを連結し、前記昇降体の下降運転時に前記綱車の回転を前記第2の調速機の回転体に伝達し、前記昇降体の上昇運転時に前記第2の調速機の回転体への前記綱車の回転の伝達を解除するクラッチと、
    前記水平軸の回転を検出し、第1の検出信号を出力する回転検出用センサと、
    前記第2の調速機の回転体と同期した回転を行う回転検出板と、
    前記回転検出板の回転に応じて第2の検出信号を出力する故障検出用センサと、
    前記回転検出用センサから出力された前記第1の検出信号を受信し、また前記故障検出用センサから出力された前記第2の検出信号を受信する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第2の検出信号を用いて前記回転検出板の回転/不回転を判定し、該判定の結果と前記第1の検出信号を元に算出される前記昇降体の走行方向とから前記クラッチの正常/異常を判定する制御部と、を備える
    エレベータ装置。
  2. 前記制御部は、前記昇降体が上昇かつ前記回転検出板が回転、又は前記昇降体が下降かつ前記回転検出板が不回転の場合には異常と判定し、前記昇降体が上昇かつ前記回転検出板が不回転、又は前記昇降体が下降かつ前記回転検出板が回転の場合には正常と判定する
    請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記制御部は、前記回転検出用センサから出力された前記第1の検出信号を元に算出される前記昇降体の第1の走行速度が所定のしきい値以上である場合に、前記第2の検出信号を用いて前記回転検出板の回転/不回転の判定を行う
    請求項2に記載のエレベータ装置。
  4. さらに、前記回転検出板が回転と判定されたときにカウントアップする回転検出カウンタと、
    前記回転検出板が不回転と判定されたときにカウントアップする不回転検出カウンタと、を備え、
    前記制御部は、前記回転検出カウンタ又は前記不回転検出カウンタのカウント値が所定値以上である場合に、前記回転検出板が回転又は不回転であると判定する
    請求項2に記載のエレベータ装置。
  5. 前記制御部は、前記故障検出用センサから出力された前記第2の検出信号を元に算出される前記昇降体の今回の第2の走行速度と、前回算出された前記昇降体の第2の走行速度とを比較し、前記今回の第2の走行速度と前記前回算出された第2の走行速度とが異なる場合に、前記回転検出板が回転していると判定する
    請求項2に記載のエレベータ装置。
  6. 前記制御部は、前記故障検出用センサから出力された前記第2の検出信号に基づく前記昇降体の前記今回の第2の走行速度と、前記回転検出用センサから出力された前記第1の検出信号に基づく前記昇降体の前記第1の走行速度との差が、所定のしきい値以下であるかどうかを判定し、所定のしきい値以下である場合には前記回転検出板が回転していると判定し、前記所定のしきい値を超える場合には前記回転検出板は不回転であると判定する
    請求項4又は5に記載のエレベータ装置。
  7. 前記回転検出板は半円形状部を有し、前記故障検出用センサは前記半円形状部の有無を検知することにより前記第2の検出信号を出力する
    請求項1に記載のエレベータ装置。
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