JP2016101888A - ワイパグロメット - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイパグロメットの種類を減少させることができるワイパグロメットを提供する。【解決手段】円筒部11は、ピボット軸6が挿通されピボット軸6の外周面に当接する。外側フランジ部12は、円筒部11から径方向外方に延出しリアガラス3の外側面に当接する。内側フランジ部13は、リアガラス3の内側面に当接し外側フランジ部12と協働してリアガラス3における挿通孔3aの周縁部を挟持する。連結部14は、外側フランジ部12と内側フランジ部13とを連結し挿通孔3aの内側に配置される。外側フランジ部12と内側フランジ部13との間には、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向の嵌入幅が異なる第1嵌入部15及び第2嵌入部16が径方向に並んで形成され、リアガラスの板厚に応じて異なる内径寸法に設定された挿通孔の周縁部が、第1嵌入部15及び第2嵌入部16の対応する1つに嵌入される。【選択図】図2
Description
本発明は、ワイパグロメットに関するものである。
一般に、車両の後端部には、リアガラスに付着した雨滴等の水滴を払拭するワイパ装置が搭載されている。このワイパ装置の駆動源であるワイパモータは、車室内側若しくは車体内部に配置されており、回転運動を出力するモータ本体とモータ本体に連結された減速部とを備え、そのモータ本体の回転運動は、減速部からピボット軸(ワイパモータの出力軸)の揺動運動に変換されて出力される。このピボット軸は、アウタパネル若しくリアガラスに形成された挿通孔から外側に突出しており、その先端部にワイパアームが固定される。そして、挿通孔には、ピボット軸と挿通孔の内周面との間からの車両内部への浸水を防止するための弾性部材よりなるグロメットが装着される。なお、挿通孔が形成されるアウタパネル若しくはリアガラスを取付け板とする。
例えば特許文献1に記載されたワイパグロメットは、ピボット軸が内挿される円筒部と、円筒部から延出し取付け板の外側面に当接する外側フランジ部と、外側フランジ部から延出し挿通孔に嵌合する嵌合部と、嵌合部から延出し取付け板の内側面に当接して外側フランジ部と協働して取付け板を挟持する内側フランジ部とを備えている。取付け板の外側面側から挿通孔内に内側フランジ部を弾性変形させながら挿入して嵌合部を挿通孔の内側に配置すると、外側フランジ部と内側フランジ部とが取付け板における挿通孔の周縁部を挟持するようになる。このように取付け板に装着されたワイパグロメットは、挿通孔の内周面とピボット軸との間を封止する。
ところで、ワイパグロメットは、ピボット軸と挿通孔の内周面との間からの車両内部への浸水を防止するために、外側フランジ部と内側フランジ部とが取付け板に密着するように形成される。即ち、外側フランジ部と内側フランジ部との間の間隔が、ワイパグロメットが装着される取付け板の板厚に応じて設定される。しかしながら、近年、車両の軽量化や強度の要件から、車種に応じて取付け板の板厚が異なるようになってきた。そのため、取付け板に装着されるワイパグロメットも、取付け板の板厚に応じて形状が変更されることになってしまう。従って、多種類のワイパグロメットを製造することになるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ワイパグロメットの種類を減少させることができるワイパグロメットを提供することにある。
上記課題を解決するワイパグロメットは、車両の取付け板に設けられた挿通孔の内周面と、前記挿通孔に挿通されワイパアームを揺動させるためのピボット軸との間を封止するワイパグロメットであって、前記ピボット軸が挿通され前記ピボット軸の外周面に当接する円筒部と、前記円筒部から径方向外方に延出し前記取付け板の外側面に当接する外側フランジ部と、前記取付け板の内側面に当接し前記外側フランジ部と協働して前記取付け板における前記挿通孔の周縁部を挟持する内側フランジ部と、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部とを連結し前記挿通孔の内側に配置される連結部と、を備え、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との間には、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との対向方向の嵌入幅が異なる複数の嵌入部が径方向に並んで形成され、前記取付け板の板厚に応じて異なる内径寸法に設定された前記挿通孔の周縁部が、前記複数の嵌入部の対応する1つに嵌入される。
この構成によれば、外側フランジ部と内側フランジ部との間に複数の嵌入部を有しており、この複数の嵌入部は、外側フランジ部と内側フランジ部との対向方向の嵌入幅が異なる。従って、外側フランジ部と内側フランジ部とは、嵌入部の数と同数の板厚の異なる複数種類の取付け板を挟持することができる。即ち、板厚の異なる複数種類の取付け板に対して当該ワイパグロメットを装着することができる。その結果、ワイパグロメットの種類を減少させることができる。
上記ワイパグロメットにおいて、外周側に位置する前記嵌入部ほど、前記嵌入幅が広いことが好ましい。
この構成によれば、複数の嵌入部に対応した板厚の異なる複数種類の取付け板のうち、どの取付け板にワイパグロメットを装着する場合であっても、取付け板における挿通孔の周縁部を嵌入部に嵌入し易くなる。そして、外側フランジ部と内側フランジ部とは、どの取付け板における挿通孔の周縁部も挟持し易い。
この構成によれば、複数の嵌入部に対応した板厚の異なる複数種類の取付け板のうち、どの取付け板にワイパグロメットを装着する場合であっても、取付け板における挿通孔の周縁部を嵌入部に嵌入し易くなる。そして、外側フランジ部と内側フランジ部とは、どの取付け板における挿通孔の周縁部も挟持し易い。
上記ワイパグロメットにおいて、前記外側フランジ部における前記内側フランジ部と対向する外側対向面、及び前記内側フランジ部における前記外側フランジ部と対向する内側対向面の何れか一方は、平面状をなすことが好ましい。
この構成によれば、外側対向面及び内側対向面の何れか一方には、ワイパグロメットを取付け板に装着する際に挿通孔の開口部が引っ掛かりやすい隣り合う嵌入部間の段差が形成されない。従って、外側フランジ部と内側フランジ部との対向方向の幅が異なる複数の嵌入部を形成したことによりワイパグロメットに形成される段差が外側対向面及び内側対向面の両方に形成される場合に比べて、ワイパグロメットを取付け板により適正に装着し易くなる。
上記ワイパグロメットにおいて、前記外側対向面は平面状をなすことが好ましい。
この構成によれば、取付け板に対して車室外側に配置される外側フランジ部の外側対向面が平面状をなしている。そのため、雨滴等の水滴が付着しやすい取付け板の外側面に、外側フランジ部が外側対向面においてより広い面積で密着できる。よって、挿通孔の内周面とグロメットとの間からの車室側への浸水を抑制し易い。
この構成によれば、取付け板に対して車室外側に配置される外側フランジ部の外側対向面が平面状をなしている。そのため、雨滴等の水滴が付着しやすい取付け板の外側面に、外側フランジ部が外側対向面においてより広い面積で密着できる。よって、挿通孔の内周面とグロメットとの間からの車室側への浸水を抑制し易い。
上記ワイパグロメットにおいて、前記外側フランジ部及び前記内側フランジ部の少なくとも一方は、前記嵌入部の外周縁に、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との対向方向に突出し前記取付け板に密着するリップ部を備え、隣り合う前記嵌入部のうち外周側に位置する一方の前記嵌入部の外周縁に設けられた前記リップ部は、隣り合う前記嵌入部間の段差の範囲内に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、隣り合う嵌入部のうち内周側に位置する他方の嵌入部に取付け板における挿通孔の周縁部を嵌入するときに、外周側に位置する一方の嵌入部に設けられたリップ部が挿通孔の開口部に引っ掛かることが抑制される。従って、ワイパグロメットを取付け板に更に装着し易くなる。また、リップ部が取付け板に密着するため、挿通孔の内周面とピボット軸との間からの車両内部への浸水をより抑制し易い。
本発明のワイパグロメットによれば、ワイパグロメットの種類を減少させることができる。
以下、ワイパ装置に搭載されたワイパグロメットの一実施形態について説明する。
図1に示すように、ワイパ装置1は、ワゴン車やワンボックス車等の車両の後端部に設けられた車両ドア2に搭載されている。車両ドア2は、車体(図示略)に対して上下方向に開閉するように組み付けられている。車両ドア2は、その外形を形成するアウタパネル(図示略)と、そのアウタパネルとの間に所定の間隙を設けて該アウタパネルの内側(車室内側)に配設されるインナパネル(図示略)と、アウタパネル及びインナパネルによって支持されたリアガラス3とを備えている。インナパネルには、該インナパネルとアウタパネルとの間に収容されるワイパ装置1の駆動源としてのワイパモータ4が固定される。
図1に示すように、ワイパ装置1は、ワゴン車やワンボックス車等の車両の後端部に設けられた車両ドア2に搭載されている。車両ドア2は、車体(図示略)に対して上下方向に開閉するように組み付けられている。車両ドア2は、その外形を形成するアウタパネル(図示略)と、そのアウタパネルとの間に所定の間隙を設けて該アウタパネルの内側(車室内側)に配設されるインナパネル(図示略)と、アウタパネル及びインナパネルによって支持されたリアガラス3とを備えている。インナパネルには、該インナパネルとアウタパネルとの間に収容されるワイパ装置1の駆動源としてのワイパモータ4が固定される。
ワイパモータ4は、モータ本体5と、モータ本体5の回転運動をピボット軸6(ワイパモータ4の出力軸)の揺動運動に変換するリンク機構や減速機構を収容した減速部7とが一体に組み付けられて構成されている。ピボット軸6は、リアガラス3に形成された円形の挿通孔3aから車室外側に突出し、その先端部にリアガラス3の外側面に付着した雨滴等の水滴を払拭するためのワイパアームWが固定される。
また、図2(a)に示すように、挿通孔3aには、該挿通孔3aの内周面とピボット軸6との間を封止し車両ドア2内への浸水を防止するためのワイパグロメット10が装着されている。ワイパグロメット10は、弾性材料よりなり、本実施形態ではEPDMにより形成されている。
ワイパグロメット10は、ピボット軸6を挿通すべく略円筒形状に形成されている。ワイパグロメット10は、ピボット軸6が挿通されピボット軸6の外周面に当接する円筒部11と、リアガラス3の外側面に当接する外側フランジ部12と、リアガラス3の内側面に当接し外側フランジ部12と協働してリアガラス3を挟持する内側フランジ部13と、外側フランジ部12と内側フランジ部13とを連結する連結部14とを備えている。
円筒部11は円筒状をなしている。円筒部11における軸方向の先端部寄りの内周面には、該内周面に沿った円環状をなす2つの環状突部11aが形成されている。各環状突部11aの内径は、ピボット軸6の直径よりも若干小さくなるように設定されている。つまり、円筒部11内にピボット軸6が挿通されると、各環状突部11aが径方向に僅かに伸ばされて変形し、その復元力でピボット軸6の外周面に対して密着するようになっている。従って、ワイパグロメット10とピボット軸6との間からの車両ドア2内への浸水が防止される。
また、円筒部11の軸方向の基端部には可撓部11bが形成されている。可撓部11bは、車両へのワイパモータ4の取付姿勢に基づくピボット軸6の傾きを許容すべく肉薄に形成されて撓み易くなっており、ピボット軸6の傾きに応じて円筒部11も傾き可能となっている。このとき、可撓部11bは、ピボット軸6とともに円筒部11が傾き姿勢となっても各環状突部11aのピボット軸6の外周面に対する密着状態を良好に維持するようになっている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、前記外側フランジ部12は、円筒部11の軸方向の基端部から径方向外方に延出し、略円環状の板状をなしている。また、外側フランジ部12は、内側フランジ部13よりも外径が若干大きく形成されている。外側フランジ部12の内側フランジ部13と対向する側の側面である外側対向面12aは、面一な平面状をなしている。そして、外側対向面12aの外周縁には、2つの第1リップ部12bが径方向に並んで形成されている。各第1リップ部12bは、外側対向面12aから内側フランジ部13側に突出するとともに、外側対向面12aの外周縁に沿った円環状をなしている。また、各第1リップ部12bの径方向断面は、先端に向かうに連れて径方向の幅が狭くなる三角形状をなしている。
図2(a)に示すように、前記連結部14は、ピボット軸6を挿通すべく円環状をなすとともに、外側フランジ部12の内周縁と内側フランジ部13の内周縁とを連結している。また、連結部14は、外側フランジ部12及び内側フランジ部13より外径が小さく形成されている。更に、連結部14は、挿通孔3aの内側に配置されるべく、その外径が挿通孔3aの内径寸法と等しくなるように形成されている。
前記内側フランジ部13は、略円環状の板状をなしている。内側フランジ部13における軸方向の先端部外周面には、先端(リアガラス3から離れる方向側)に向かって次第に径が小さくなるテーパ部13aが形成されている。このテーパ部13aにより、内側フランジ部13の先端部の外径は、リアガラス3の挿通孔3aの内径より小さくなっている。つまり、内側フランジ部13は、挿通孔3aに挿入しやすいように形成されている。
また、図2(b)及び図4に示すように、内側フランジ部13における外側フランジ部12と対向する内側対向面13bは、外側フランジ部12の外側対向面12aとの間の間隔(即ち、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向(矢印A参照)の間隔である嵌入幅)が異なる第1内側対向面13c及び第2内側対向面13dとから構成されている。第1内側対向面13cは、内側フランジ部13の内周縁側に設けられ、平面状をなしている。そして、第1内側対向面13cは、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向における外側対向面12aとの間の間隔、つまり嵌入幅D1が、リアガラス3の板厚T1と等しいか僅かに狭くなるように形成されている。また、第2内側対向面13dは、第1内側対向面13cよりも外周側に形成され、平面状をなしている。そして、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向における第2内側対向面13dと外側対向面12aとの間の間隔、つまり嵌入幅D2は、リアガラス3の板厚T1よりも広くなっている。即ち、第2内側対向面13dと外側対向面12aとの間の嵌入幅D2は、第1内側対向面13cと外側対向面12aとの間の嵌入幅D1よりも広い。従って、内側フランジ部13において、第1内側対向面13cと第2内側対向面13dとの間には、段差D3が形成されている。
図4に示すように、内側フランジ部13に第1内側対向面13c及び第2内側対向面13dが形成されることにより、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向の幅、即ち嵌入幅が異なるとともに径方向に並ぶ2つの嵌入部(即ち第1嵌入部15及び第2嵌入部16)を形成している。即ち、内側フランジ部13における第1内側対向面13cが形成された部分と当該部分と対向する外側フランジ部12とが第1嵌入部15を形成し、内側フランジ部13における第2内側対向面13dが形成された部分と当該部分と対向する外側フランジ部12とが第2嵌入部16を形成している。そして、第1嵌入部15及び第2嵌入部16は、外周側に位置する第2嵌入部16ほど、外側フランジ部12と内側フランジ部13との嵌入幅が広い。
また、第1内側対向面13cの外周縁には第2リップ部13eが形成されている。第2リップ部13eは、第1内側対向面13cから外側フランジ部12側に突出するとともに、第1内側対向面13cの外周縁に沿った円環状をなしている。また、第2リップ部13eにおける径方向断面は、先端に向かうに連れて径方向の幅が狭くなる三角形状をなしている。
また、第2内側対向面13dの外周縁には第3リップ部13fが形成されている。第3リップ部13fは、第2内側対向面13dから外側フランジ部12側に突出するとともに、第2内側対向面13dの外周縁に沿った円環状をなしている。また、第3リップ部13fにおける径方向断面は、先端に向かうに連れて径方向の幅が狭くなる三角形状をなしている。更に、第3リップ部13fは、該第3リップ部13fが形成された第2嵌入部16と第2嵌入部16の内周側に位置する第1嵌入部15との間の段差、即ち第1内側対向面13cと第2内側対向面13dとの段差D3の範囲内に形成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態のワイパグロメット10は、リアガラス3の外側から挿通孔3a内に内側フランジ部13を弾性変形させながら挿入し内側フランジ部13をリアガラス3の内側面側に配置することで、リアガラス3に対して装着される。このとき、図2(b)に示すように、第1嵌入部15にリアガラス3における挿通孔3aの周縁部が嵌入されるとともに、連結部14が挿通孔3aの内側に配置されて同挿通孔3aに嵌合される。更に、外側フランジ部12と内側フランジ部13とが協働して、第1嵌入部15に嵌入されたリアガラス3における挿通孔3aの周縁部を挟持する。また、図2(b)及び図4に示すように、嵌入幅D1がリアガラス3の板厚T1と略等しく設定されているため、外側フランジ部12から突出した第1リップ部12bは、リアガラス3の外側面にて圧縮変形し、該リアガラス3の外側面に対して密着する。更に、嵌入幅D1がリアガラス3の板厚T1と略等しく設定されているため、第1内側対向面13cから突出した第2リップ部13eは、リアガラス3の内側面にて圧縮変形し、該リアガラス3の内側面に対して密着する。従って、ワイパグロメット10と挿通孔3aの内周面との間からの車両ドア2内への浸水が防止される。なお、リアガラス3の挿通孔3aの形状は、連結部14の外周形状に対応する大きさの内周形状に形成されている。
図2(a)に示すように、本実施形態のワイパグロメット10は、リアガラス3の外側から挿通孔3a内に内側フランジ部13を弾性変形させながら挿入し内側フランジ部13をリアガラス3の内側面側に配置することで、リアガラス3に対して装着される。このとき、図2(b)に示すように、第1嵌入部15にリアガラス3における挿通孔3aの周縁部が嵌入されるとともに、連結部14が挿通孔3aの内側に配置されて同挿通孔3aに嵌合される。更に、外側フランジ部12と内側フランジ部13とが協働して、第1嵌入部15に嵌入されたリアガラス3における挿通孔3aの周縁部を挟持する。また、図2(b)及び図4に示すように、嵌入幅D1がリアガラス3の板厚T1と略等しく設定されているため、外側フランジ部12から突出した第1リップ部12bは、リアガラス3の外側面にて圧縮変形し、該リアガラス3の外側面に対して密着する。更に、嵌入幅D1がリアガラス3の板厚T1と略等しく設定されているため、第1内側対向面13cから突出した第2リップ部13eは、リアガラス3の内側面にて圧縮変形し、該リアガラス3の内側面に対して密着する。従って、ワイパグロメット10と挿通孔3aの内周面との間からの車両ドア2内への浸水が防止される。なお、リアガラス3の挿通孔3aの形状は、連結部14の外周形状に対応する大きさの内周形状に形成されている。
また、図5に示すように、本実施形態のワイパグロメット10は、板厚T2の厚さのリアガラス21にも対応している。リアガラス21に形成された円形状の挿通孔21aの内径寸法は、内側フランジ部13における第1嵌入部15と第2嵌入部16との間の段差が形成された部分の外径(第1内側対向面13cの外径若しくは第2内側対向面13dの内径に同じ)と等しいか僅かに小さく形成されている。即ち、挿通孔3a及び挿通孔21aは、リアガラス3,21の板厚に応じて異なる内径寸法に設定されている。また、嵌入幅D2は、リアガラス3の板厚T2と等しいか僅かに狭く形成されている。
そして、ワイパグロメット10は、リアガラス21の外側から挿通孔21a内に内側フランジ部13を弾性変形させながら挿入し内側フランジ部13をリアガラス21の内側面側に配置することで、リアガラス21に対して装着される。このとき、第2嵌入部16にリアガラス21における挿通孔21aの周縁部が嵌入されるとともに、連結部14が挿通孔21aの内側に配置される。更に、外側フランジ部12と内側フランジ部13とが協働して、第2嵌入部16に嵌入されたリアガラス21における挿通孔21aの周縁部を挟持する。また、嵌入幅D2がリアガラス21の板厚T2と略等しく設定されているため、外側フランジ部12から突出した第1リップ部12bは、リアガラス21の外側面にて圧縮変形し、該リアガラス21の外側面に対して密着する。更に、嵌入幅D2がリアガラス21の板厚T2と略等しく設定されているため、第2内側対向面13dから突出した第3リップ部13fは、リアガラス21の内側面にて圧縮変形し、該リアガラス21の内側面に対して密着する。従って、ワイパグロメット10と挿通孔21aの内周面との間からの車両ドア2内への浸水が防止される。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)外側フランジ部12と内側フランジ部13とが形成する2つの嵌入部(即ち第1嵌入部15及び第2嵌入部16)は、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向の幅がそれぞれ異なる嵌入幅D1と嵌入幅D2とを有している。従って、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、嵌入部の数と同数の板厚の異なる2種類のリアガラス3,21を挟持することができる。即ち、挿通孔3a,21aの内径寸法を変更するだけで、板厚の異なる2種類のリアガラス3,21に対して当該ワイパグロメット10を装着することができる。その結果、ワイパグロメット10の種類を減少させることができる。
(1)外側フランジ部12と内側フランジ部13とが形成する2つの嵌入部(即ち第1嵌入部15及び第2嵌入部16)は、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向の幅がそれぞれ異なる嵌入幅D1と嵌入幅D2とを有している。従って、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、嵌入部の数と同数の板厚の異なる2種類のリアガラス3,21を挟持することができる。即ち、挿通孔3a,21aの内径寸法を変更するだけで、板厚の異なる2種類のリアガラス3,21に対して当該ワイパグロメット10を装着することができる。その結果、ワイパグロメット10の種類を減少させることができる。
(2)第1嵌入部15及び第2嵌入部16は、外周側に位置する第2嵌入部16ほど、嵌入幅が広い(即ちD2>D1)。従って、第1嵌入部15及び第2嵌入部16に対応した板厚の異なる2種類のリアガラス3,21のうち、どのリアガラスにワイパグロメット10を装着する場合であっても、径方向外側ほど嵌入幅が広いためワイパグロメット10を装着し易くなる。即ち、リアガラス3にワイパグロメット10を装着する場合であっても、内側フランジ部13を挿通孔3aに挿入しリアガラス3における挿通孔3aの周縁部を第1嵌入部15に嵌入し易くなる。更に、リアガラス21にワイパグロメット10を装着する場合であっても、内側フランジ部13を挿通孔21aに挿入しリアガラス21における挿通孔21aの周縁部を第2嵌入部16に嵌入し易くなる。そして、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、リアガラス3における挿通孔3aの周縁部も、リアガラス21における挿通孔21aの周縁部も挟持し易い。
(3)外側対向面12a及び内側対向面13bのうち一方の外側対向面12aは平面状をなしている。即ち、外側対向面12aには、ワイパグロメット10をリアガラス3,21に装着する際に挿通孔3a,21aの開口部が引っ掛かりやすい隣り合う第1嵌入部15及び第2嵌入部16間の段差が形成されない。従って、外側フランジ部12と内側フランジ部13との対向方向の幅が異なる2つの嵌入部(即ち第1嵌入部15及び第2嵌入部16)を形成したことによりワイパグロメット10に形成される段差D3が外側対向面12a及び内側対向面13bの両方に形成される場合に比べて、ワイパグロメット10をリアガラス3,21により適正に装着し易くなる。
(4)リアガラス3に対して車室外側に配置される外側フランジ部12の外側対向面が平面状をなしている。そのため、雨滴等の水滴が付着しやすいリアガラス3の外側面に、外側フランジ部12が外側対向面12aにおいてより広い面積で密着できる。よって、挿通孔3aの内周面とワイパグロメット10との間からの車室側への浸水を抑制し易い。ワイパグロメット10がリアガラス21に装着された場合も同様に、挿通孔21aの内周面とワイパグロメット10との間からの車室側への浸水を抑制し易い。
(5)径方向に隣り合う第1嵌入部15及び第2嵌入部16のうち外周側に位置する第2嵌入部16の外周縁に設けられた第3リップ部13fは、隣り合う第1嵌入部15及び第2嵌入部16間の段差D3の範囲内に形成されている。そのため、隣り合う第1嵌入部15及び第2嵌入部16のうち内周側に位置する第1嵌入部15にリアガラス3における挿通孔3aの周縁部を嵌入するときに、外周側に位置する第2嵌入部16に設けられた第3リップ部13fが挿通孔3aの開口部に引っ掛かることが抑制される。従って、ワイパグロメット10をリアガラス3に更に装着し易くなる。また、第1リップ部12b及び第2リップ部13eがリアガラス3に密着するため、挿通孔3aの内周面とピボット軸6との間からの車両ドア2内への浸水をより抑制し易い。同様に、第1リップ部12b及び第3リップ部13fがリアガラス21に密着するため、挿通孔21aの内周面とピボット軸6との間からの車両ドア内への浸水をより抑制しやすい。
(6)外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、第1嵌入部15及び第2嵌入部16の2つの嵌入部を部分的に共用して形成している。従って、ワイパグロメット10の径方向の大型化を抑制しつつ、板厚の異なる複数種類のリアガラスに同ワイパグロメット10を装着可能とすることができる。更に、板厚T1のリアガラス3も板厚T2のリアガラス21も外側フランジ部12及び内側フランジ部13によって挟持し易い。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第2嵌入部16において第2内側対向面13dに設けられた第3リップ部13fは、内側フランジ部13における第1嵌入部15と第2嵌入部16との段差D3の範囲内に形成されている。しかしながら、第3リップ部13fは、段差D3よりも多く突出してもよい。
・上記実施形態では、第2嵌入部16において第2内側対向面13dに設けられた第3リップ部13fは、内側フランジ部13における第1嵌入部15と第2嵌入部16との段差D3の範囲内に形成されている。しかしながら、第3リップ部13fは、段差D3よりも多く突出してもよい。
・上記実施形態では、ワイパグロメット10は、第1リップ部12b、第2リップ部13e及び第3リップ部13fを備えている。しかしながら、ワイパグロメット10は、第1リップ部12b、第2リップ部13e及び第3リップ部13fのうちの何れか2つ若しくは何れか1つのリップ部を備えた構成であってもよい。また、ワイパグロメット10は、第1リップ部12b、第2リップ部13e及び第3リップ部13fを必ずしも備えなくてよい。
・上記実施形態では、外側対向面12aが段差の無い平面状をなす一方で、内側対向面13bが段差D3を有する形状となっている。しかしながら、内側対向面13bが面一な平面状をなし、外側対向面12aが、内側対向面13bとの間の間隔(嵌入幅)が異なる複数の平面から構成されるものであってもよい。この場合、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、外側対向面12aを構成する平面の数と同数の嵌入部を形成する。また、外側対向面12aと内側対向面13bとの両方に、複数の嵌入部を設けたことに伴う段差が形成されてもよい。
・上記実施形態では、外側フランジ部12と内側フランジ部13とは、第1嵌入部15及び第2嵌入部16の2つの嵌入部を形成している。しかしながら、外側フランジ部12と内側フランジ部13とが形成する嵌入部の数は、2つに限らず、3つ等、複数であればよい。
・上記実施形態では、取付け板としてリアガラス3,21にワイパグロメット10を装着している。しかしながら、ワイパグロメット10が装着される取付け板は、リアガラス3に限らず、車両ドア2のアウタパネルであってもよい。この場合、アウタパネルの板厚に応じて挿通孔3a若しくは挿通孔21aが形成される。
2…車両ドア、3,21…取付け板としてのリアガラス、3a,21a…挿通孔、6…ピボット軸、10…ワイパグロメット、11…円筒部、12…外側フランジ部、12a…外側対向面、12b…リップ部としての第1リップ部、13…内側フランジ部、13b…内側対向面、13e…リップ部としての第2リップ部、13f…リップ部としての第3リップ部、14…連結部、15…嵌入部としての第1嵌入部、16…嵌入部としての第2嵌入部、D1,D2…嵌入幅、D3…段差、T1,T2…板厚、W…ワイパアーム。
Claims (5)
- 車両の取付け板に設けられた挿通孔の内周面と、前記挿通孔に挿通されワイパアームを揺動させるためのピボット軸との間を封止するワイパグロメットであって、
前記ピボット軸が挿通され前記ピボット軸の外周面に当接する円筒部と、
前記円筒部から径方向外方に延出し前記取付け板の外側面に当接する外側フランジ部と、
前記取付け板の内側面に当接し前記外側フランジ部と協働して前記取付け板における前記挿通孔の周縁部を挟持する内側フランジ部と、
前記外側フランジ部と前記内側フランジ部とを連結し前記挿通孔の内側に配置される連結部と、
を備え、
前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との間には、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との対向方向の嵌入幅が異なる複数の嵌入部が径方向に並んで形成され、前記取付け板の板厚に応じて異なる内径寸法に設定された前記挿通孔の周縁部が、前記複数の嵌入部の対応する1つに嵌入されることを特徴とするワイパグロメット。 - 請求項1に記載のワイパグロメットにおいて、
外周側に位置する前記嵌入部ほど、前記嵌入幅が広いことを特徴とするワイパグロメット。 - 請求項1又は請求項2に記載のワイパグロメットにおいて、
前記外側フランジ部における前記内側フランジ部と対向する外側対向面、及び前記内側フランジ部における前記外側フランジ部と対向する内側対向面の何れか一方は、平面状をなすことを特徴とするワイパグロメット。 - 請求項3に記載のワイパグロメットにおいて、
前記外側対向面は平面状をなすことを特徴とするワイパグロメット。 - 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のワイパグロメットにおいて、
前記外側フランジ部及び前記内側フランジ部の少なくとも一方は、前記嵌入部の外周縁に、前記外側フランジ部と前記内側フランジ部との対向方向に突出し前記取付け板に密着するリップ部を備え、
隣り合う前記嵌入部のうち外周側に位置する一方の前記嵌入部の外周縁に設けられた前記リップ部は、隣り合う前記嵌入部間の段差の範囲内に形成されていることを特徴とするワイパグロメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014242208A JP2016101888A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | ワイパグロメット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014242208A JP2016101888A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | ワイパグロメット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016101888A true JP2016101888A (ja) | 2016-06-02 |
Family
ID=56088240
Family Applications (1)
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JP2014242208A Pending JP2016101888A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | ワイパグロメット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016101888A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017205443A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | 株式会社ニューギン | 遊技機 |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014242208A patent/JP2016101888A/ja active Pending
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JP2017205443A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | 株式会社ニューギン | 遊技機 |
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