JP2016101745A - 画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置 Download PDF

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祥之 本田
史子 鈴木
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史子 鈴木
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Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
川床 徳宏
Norihiro Kawatoko
徳宏 川床
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【課題】 記録ヘッドの重複部からの吐出におけるインク滴の着弾位置ずれを抑制した記録を行う。【解決手段】 N個の吐出口列がX方向に並んで配置された2つの吐出口列群を有する記録ヘッドを用いて非重複部に対応する画像を記録する場合、一方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における他方の吐出口列群に近いK(K<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、残りのN−K個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高く、且つ、他方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における一方の吐出口列群に近いL(L<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、残りのN−L個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高くなるように、ドット記録用データを分配する。【選択図】 図8

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置に関する。
同じ色のインクを吐出するための複数の吐出口を所定方向に沿って配列した吐出口列を有する記録ヘッドを所定方向と交差する交差方向に走査させながら記録媒体にインクを吐出することにより記録媒体に画像を完成させる画像記録装置が従来より知られている。このような画像記録装置では、画質の低下を抑制するために記録媒体上の単位領域に対して複数回の走査を行う、いわゆるマルチパス記録方式が一般に用いられている。
一方、上述のような画像記録装置において、近年では同色のインクに対応する複数の吐出口列が交差方向に並んで配置された吐出口列群を有する記録ヘッドを用いることが知られている。このような画像記録装置によれば、異なる複数の吐出口によって記録媒体上の同一の領域を記録するため、マルチパス記録方式を用いることなく、1回の走査にてマルチパス記録方式と同様の画質低下を抑制する効果(以下、マルチパス効果とも称する)を奏する記録を行うことが可能となる。
更に近年では記録速度の向上が求められており、それに伴って記録ヘッドの長尺化が進んでいる。この記録ヘッドの長尺化のための手段として、同じ色のインクを吐出するための吐出口列群を複数有し、所定方向に隣接する二つの吐出口列群の端部同士に配列された所定数の吐出口で記録媒体上の同一の画素行を記録できる部分(以下、重複部と称する)を設けて、複数の吐出口列群を所定方向に沿って順次配列した記録ヘッド(以下、つなぎヘッドとも称する)を構成することが知られている。このつなぎヘッドによれば、短尺な吐出口列群を複数配列することで記録ヘッドの長尺化を達成することができる。
ここで、上述のような少なくとも1つの吐出口列群を有する記録ヘッドを用いる場合、記録媒体の搬送量が周期的に変動し、これに伴って異なる吐出口列から吐出されたインク滴の交差方向における着弾位置が周期的にずれてしまい、画質が低下する虞がある。なお、このインク滴の着弾位置のずれはインク滴間の着弾時間差が長いほど、すなわち吐出口列間の交差方向における距離が離れているほど大きなものとなる。これに対し、特許文献1には、インクを吐出する位置を示す2値データを各吐出口列に分配し、各吐出口列からインクを吐出するために用いる記録データを生成する際に、複数(例えば4列)の吐出口列のうち隣接する所定数(例えば2列)の吐出口列に対する分配率が他の吐出口列に対する分配率よりも高く設定することが開示されている。
特開2008−168629号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では上述のつなぎヘッドに関しては考慮されていない。ここで、つなぎヘッドの重複部では2つの吐出口列群が交差方向に並ぶことになるため、つなぎヘッドの重複部以外の非重複部よりも上述のインク滴の着弾ずれが顕著に発生してしまう。これにより、つなぎヘッドの重複部によって記録される領域には画質低下が生じ易くなる虞がある。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、つなぎヘッドの重複部で顕著に生じる虞のあるインク滴の着弾位置ずれを抑制した記録を行うことを目的とするものである。
そこで、本発明は、所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置された第1の吐出口列群と、前記所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が前記所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記交差方向に並んで配置された第2の吐出口列群と、を有し、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における一方の端部に配置された複数の吐出口と、前記第2の吐出口列群の前記所定方向における他方の端部に配置された複数の吐出口と、が前記交差方向に並び、記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部を形成するように、前記第1、第2の吐出口列群が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドと、前記記録媒体と、を前記交差方向に移動させながら、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置されたN個の吐出口列のそれぞれにおける前記記録媒体上の複数の画素相当の画素領域のそれぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める記録データにしたがってインクを吐出してドットを記録することにより前記記録媒体上に画像を記録するために、前記記録媒体上に記録する画像に対応する画像データを処理する画像処理装置であって、前記画像データに基づいて前記記録媒体上に記録するドットを定めるドット記録用データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれの前記N個の吐出口列に分配することにより前記記録データを生成する分配手段と、を有し、前記分配手段は、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データに関し、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第2の吐出口列群側のK(K<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記K個の吐出口列以外のN−K個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高く、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第1の吐出口列群側のL(L<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記L個の吐出口列以外のN−L個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置によれば、つなぎヘッドの重複部で顕著に生じる虞のあるインク滴の着弾位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
実施形態に係る画像記録装置の内部構成を示す模式図である。 実施形態に係るつなぎヘッドの模式図である。 実施形態に係る吐出口列群の模式図である。 実施形態に係る記録制御系を説明するための図である。 搬送量の周期的なずれに伴うインクの着弾位置ずれを説明するための図である。 搬送量の周期的なずれに伴うインクの着弾位置ずれを説明するための図である。 実施形態における画像処理の工程を示すブロック図である。 実施形態における画像処理の過程を説明するためのフローチャートである。 実施形態に係るドットパターンを示す模式図である。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態における分配処理を説明するための図である。 実施形態における分配処理を説明するための図である。 実施形態にて使用する吐出口列を模式的に示す図である。 搬送量の周期的なずれに伴うインクの着弾位置ずれを説明するための図である。 実施形態に係るマスクパターンを示す模式図である。 実施形態に係るマスクパターンの記録許容比率を模式的に示す図である。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態にて使用する吐出口列を模式的に示す図である。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態にて使用する吐出口列を模式的に示す図である。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態にて使用する吐出口列を模式的に示す図である。 実施形態における画像処理の過程を説明するためのフローチャートである。 実施形態における画像処理の過程を説明するためのフローチャートである。 実施形態におけるエッジ検出処理の過程を説明するためのフローチャートである。 実施形態におけるエッジ検出処理の過程を示す模式図である。 実施形態に係るマスクパターンを示す模式図である。
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を部分的に示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置(以下、プリンタ、画像記録装置とも称する)は、記録ヘッド101〜104を有する記録ユニット107を備えている。ここで、記録ヘッド101〜104は、それぞれブラックインク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、マゼンタインク(Mインク)、イエローインク(Yインク)を吐出するためのものである。また、記録ヘッド101〜104は、それぞれのY方向(所定方向)における長さが記録媒体106のY方向における幅よりも長くなるように形成されている。本実施形態における記録ユニット107は、これらの記録ヘッド101〜104がX方向(交差方向)に並ぶことにより構成される。
記録媒体106は、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)が搬送モータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、X方向に搬送(移動)される。この記録媒体106のX方向への搬送は、記録ユニット107のX方向への走査に実質的に相当する。記録媒体106が搬送される間に、記録ヘッド101〜104それぞれに配列された複数の吐出口から、後述する記録データに従ってインクの吐出動作が行われる。これにより、記録媒体106に対する1回の記録ヘッドのX方向への相対的な走査にて記録媒体106上に画像が形成される。
図2は、本実施形態に係るブラックインクを吐出するための記録ヘッド101の詳細な構成を示す模式図である。
記録ヘッド101は、後述する複数の吐出口列を有する4つの吐出口列群201〜204が、1つの吐出口列群のY方向における一方の端部と1つの吐出口列群のY方向における他方の端部とがY方向に同じ位置となるように、Y方向に沿って千鳥状に配置されることにより構成される。なお、それぞれの吐出口列群201〜204は互いに異なる記録素子基板(チップ)に配置されている。吐出口列群201、202を参照しながら詳細に説明すると、吐出口列群201におけるY方向下流側の端部に位置する吐出口と、吐出口列群202におけるY方向上流側の端部に位置する吐出口と、がX方向に並んで位置することにより記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部211を形成するように、吐出口列群201、202がY方向に沿って配置されている。同様にして、吐出口列群202、203により重複部212が、吐出口列群203、204により重複部213が形成されている。ここで、Y方向に互いに隣接する2つの吐出口列群は、X方向において約4.20mmだけ離間するように構成されている。なお、以下の説明では吐出口列群201、202、203、204それぞれにおける重複部211、212、213以外の領域をそれぞれ非重複部221、222、223、224と称する。以上の構成により、記録ヘッド101のY方向における長さは記録媒体106のY方向における幅よりも長尺なものとなっており、所謂つなぎヘッドの構成をとっている。
図3は、本実施形態に係る図2に示す吐出口列群201の詳細な構成を示す模式図である。吐出口列群201には、それぞれブラックインクを吐出する1280個の吐出口がY方向に1/1200インチの間隔(以下、1200dpiとも称する)にて配列された、8個の吐出口列201a、201b、201c、201d、201e、201f、201g、201hがX方向に並んで配置されている。また、X方向に互いに隣接する2つの吐出口列は約1.05mmだけ離間するように構成されている。したがって、吐出口列群201に配置された8個の吐出口列201a〜201hのうち、X方向における両端部に配置された吐出口列201a、201hの間の距離は約7.35mmとなる。また、8個の吐出口列201a〜201hそれぞれにおいてY方向下流側の端部に配置された1つの吐出口列当たり14個の吐出口が上述の重複部に相当する。なお、ここでは吐出口列群201について詳細に記載したが、吐出口列群202、203、204も同様の構成を有する。
図4は、本発明の一実施形態に係る記録システムを示すブロック図である。同図に示すように、この記録システムは、図1に示したプリンタ100と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、ホストPCと称する)300を有して構成される。
ホストPC300は、以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶手段であるRAM302やHDD303に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のストレージであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)304はプリンタ100との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ100は、以下の要素を有して構成される。CPU311は、RAM312やROM313に保持されているプログラムに従い、後述する各処理を実行する。RAM312は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のストレージであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。ヘッドコントローラ315は、図1に示したそれぞれの記録ヘッド101〜104に対して記録データを供給するとともに、記録ヘッドの吐出動作を制御する。具体的には、ヘッドコントローラ315は、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、ヘッドコントローラ315により処理が起動され、記録ヘッドからのインク吐出が行われる。
ここで、上述のように、記録媒体の搬送量のずれが周期的に変動した場合、吐出口列間においてインクの着弾位置のずれが生じる場合がある。更に、記録ヘッド101の非重複部221〜224ではそれぞれ8つの吐出口列で分担して記録を行うことに対し、重複部211〜213では2つの吐出口群によって記録可能なため、16個の吐出口列で分担して記録を行うことができる。このように重複部からの記録に用いる吐出口列の数を非重複部からの記録に用いる吐出口列の数よりも多くした場合、重複部211〜213から記録される領域には非重複部221〜224から記録される領域に比べて相対的に大きなインク着弾ずれが生じる虞がある。
以下、この現象について詳細に説明する。なお、ここでは簡単のため、ブラックインクを吐出するための記録ヘッド101内の吐出口列群201、202の重複部と、吐出口列群201の非重複部と、のそれぞれにおける搬送量ずれおよびインクの着弾位置ずれについて説明する。
図5(a)は吐出口列群201の非重複部221に対する記録媒体の搬送量の周期的な変動を模式的に示す図である。また、図5(b)は非重複部221に対する記録媒体のX方向における位置が0〜4mmの範囲である場合における図5(a)の拡大図である。また、図5(c)は非重複部221に対する記録媒体のそれぞれのX方向における位置での搬送量ずれの値を示す表である。
なお、ここではそれぞれの吐出口列が記録媒体に対して最初にインクを吐出する際の記録媒体のX方向における位置を0mmとして記載する。すなわち、X方向において最も上流側に位置する吐出口列201aに対して記録媒体のX方向における位置が0mmである場合、他の吐出口列201b〜201hは未だ記録媒体と対向する位置にはないことになる。また、吐出口列201bに対して記録媒体のX方向における位置が0mmである際には、吐出口列201aに対しての記録媒体のX方向における位置は1.05mmとなる。
まず、吐出口列201aからインクを吐出する場合における搬送量のずれについて以下に詳細に記載する。
吐出口列201aから記録媒体に対する記録を開始した際、すなわち記録媒体のX方向における位置が0mmの際には、吐出口列201aからはX方向への着弾位置ずれが生じることなくインクが吐出される(搬送量ずれ=0.0μm)。
その後、記録媒体のX方向への搬送が進むにつれて、吐出口列201aから吐出されるインク滴の着弾位置ずれは漸次的にX方向における正方向に大きくなり、記録媒体のX方向における位置が7mmに達した際にはX方向における正方向へ19.9μmの着弾位置ずれが生じる(搬送量ずれ=19.9μm)。これは、記録媒体への記録を開始してから記録媒体のX方向における位置が7mmとなるまで記録媒体を搬送する間においては搬送量が規定の量に比べて大となっているからであると考えられる。
更に記録媒体の搬送が進むと、吐出口列201aから吐出されるインク滴の着弾位置ずれはX方向における負方向へと大きくなり、記録媒体のX方向における位置が15mmに達した際にはX方向における負方向へ5.5μmの着弾位置ずれが生じる(搬送量ずれ=−5.5μm)。すなわち、記録媒体のX方向における位置が8mmとなってから15mmとなるまで記録媒体を搬送する間においては搬送量が規定の量に比べて小となっているためと考えられる。
このようにして記録媒体の搬送量の大と小が交互に繰り返し生じることによって、記録媒体の搬送量に周期的なずれが生じていると考えられる。このような搬送量の周期的な変動は種々の理由により発生する。例えば、搬送ローラに偏心が生じ、断面形状が楕円とってしまった場合、搬送ローラの回転位相に応じて上記のような搬送量が大となる領域と小となる領域が生じてしまう虞がある。
ここで、吐出口列201aは図3からわかるようにX方向において最も上流側に配置されているため、吐出口列201a〜201hの中で記録媒体に対して最初に記録が行われる。そのため、吐出口列201bから記録媒体に対して最初に記録を行うタイミングは、吐出口列201aから記録媒体に対して最初に記録を行うタイミングよりも僅かに後となる。したがって、吐出口列201bから記録媒体に対して記録を開始する(記録媒体のX方向における位置が0mmである)際には、X方向における正方向へのインクの着弾位置ずれが生じている(着弾位置ずれ=4.5μm)。
以下、吐出口列201bからインクを吐出する際には、吐出口列201aからインクを吐出する場合と記録媒体上の同じ位置に記録を行う場合であっても記録を行うタイミングがわずかに遅れる。そのため、記録媒体の位置が同じであっても、吐出口列201aから吐出されたインクと吐出口列201bから吐出されたインクの間で、異なる程度にてインクの着弾位置ずれが生じる。なお、吐出口列間の距離が長くなるほどインクの吐出タイミングの差が大きくなる。この結果、図5(a)に示すように吐出口列201a〜201hそれぞれにおいて搬送量の周期的な変動が互いにずれて生じることとなる。
この結果、図5(c)に示すように、吐出口列201a〜201h間のインクの着弾位置ずれの差分が記録媒体のX方向における位置に応じて異なる程度にて生じてしまう。
例えば、記録媒体のX方向における位置が0mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのが吐出口列201hからの吐出であり、正方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。また、吐出口列201a〜201hのいずれにおいてもX方向における負方向には着弾位置ずれが生じないため、負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列201aからの着弾位置ずれが生じない吐出とみなし、負方向へ0.0μmの着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が0mmである領域では、最大で20.0(=20.0−0.0)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
一方、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのが吐出口列201dからの吐出であり、正方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。また、吐出口列201a〜201hのいずれにおいてもX方向における負方向には着弾位置ずれが生じないため、負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列201hからの着弾位置ずれが生じない吐出とみなし、負方向へ−13.1μm(正方向へ13.1μm)の着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、最大で6.9(=20.0+(−13.1))μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
更に、記録媒体のX方向における位置が10mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのが吐出口列201aからの吐出であり、正方向へ16.9μmの着弾位置ずれとなる。また、X方向における負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列201hからの吐出であり、負方向へ10.7μmの着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が10mmである領域では、最大で27.6(=16.9+10.7)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
このように、記録媒体のX方向における位置に応じてインク着弾位置ずれの差分は異なってくる。記録媒体のX方向における位置が0mmから16mまでのそれぞれにおけるインク着弾位置ずれの差分の平均を算出すると、非重複部221では約19μmとなる。
一方、図6(a)は吐出口列群201および吐出口群202の重複部211に対する記録媒体の搬送量の周期的な変動を模式的に示す図である。また、図5(b)は重複部211に対する記録媒体のX方向における位置が0〜4mmの範囲である場合における図5(a)の拡大図である。また、図5(c)は重複部211に対する記録媒体のそれぞれのX方向における位置での搬送量ずれの差分を示す表である。
重複部211では、非重複部221に比べて記録に使用可能な吐出口列が多くなり、更に吐出口列群201、202間に4.20mmの間隔があるため、吐出口列間のX方向における距離は長くなる。このため、重複部211における吐出口列間のインクの吐出タイミングの差は非重複部221での吐出タイミングの差よりも大きくなる。
これにより、図6(a)に示すように、吐出口列群202に配置された吐出口202a〜202hにおける搬送量の周期的な変動は吐出口列群201に配置された吐出口201a〜201hにおける搬送量の周期的な変動とは異なる位相で生じることになる。この結果、記録媒体のX方向における同じ位置において、吐出口列201a〜201h、202a〜202hの16個の吐出口列間のインクの着弾位置ずれは比較的大きなものとなる。
例えば、記録媒体のX方向における位置が0mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群201に配置された吐出口列201hからの吐出であり、正方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。また、X方向における負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群202に配置された吐出口列202hからの吐出であり、負方向へ15.6μmの着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が0mmである領域では、最大で35.6(=20.0+15.6)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
また、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群201に配置された吐出口列201dからの吐出であり、正方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。また、X方向における負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群202に配置された吐出口列202gからの吐出であり、負方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、最大で40.0(=20.0+20.0)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
非重複部221と同様に、記録媒体のX方向における位置が0mmから16mまでのそれぞれにおけるインク着弾位置ずれの差分の平均を算出すると、重複部211では約38μmとなる。このように、重複部211では非重複部221よりも吐出口列間のインク着弾位置ずれの差分が大きくなるため、画質の低下が比較的目立ち易いものとなる。
以上の点を鑑み、本実施形態では、記録ヘッドの重複部211において、吐出口列群201に配置された8個の吐出口列のうち、X方向における吐出口列群202側の端部に位置するK(K<8)個の吐出口列のみを用いる。更に、重複部211において、吐出口列群202に配置された8個の吐出口列のうち、X方向における吐出口列群201側の端部に位置するL(L<8)個の吐出口列のみを用いて記録を行う。より詳細には、重複部211に関しては、吐出口列群201に配置された3個の吐出口列201f〜201h、吐出口列群202に配置された3個の吐出口列202a〜202cのみを用いて記録を行う(K=3、L=3)。
図7は本実施形態における画像処理の各工程を示したブロック図である。また、図8は図7に示すブロック図にしたがって実行される画像処理の過程を示すフローチャートである。
記録処理が開始されると、プリンタ100は画像入力部A01をおいて画像データを取得する(ステップB01)。なお、ここでは画像データは解像度600dpiでRGB各8bit256階調のカラー画像であるとして説明が、本実施形態はモノクロ画像の画像データであっても適用できる。
次に、色変換処理部A02によって色変換処理を行い、画像データを600dpiでCMYK各色8bit256階調のインク色データへ変換する(ステップB02)。色変換処理とは、R、G、Bの各階調値の組み合わせで表現されている画像データを、記録に使用される各色の階調値によって表現されたデータに変換する処理である。上述したように、プリンタ100はC、M、Y、Kの4色のインクを用いて画像を記録する。そこで、本実施形態の色変換処理部A02ではR、G、Bで表された画像データをC、M、Y、Kの各色の階調値によって表現されたインク色データに変換する処理を行う。
次に、量子化処理部A03によってインク色データに量子化処理を行い、量子化データを生成する(ステップB03)。ここで、量子化処理は、8bit256階調の階調数を持つインク色データを、プリンタ100で記録可能な階調(本実施形態ではLevel0〜4の5値とする)へ、適切に階調値を低減させる処理である。一般的に量子化処理としては誤差拡散法やディザ法が用いられることが多いが、その形態は特に限定されるものではない。
次に、ドット記録位置決定部A04においてドットパターンを用い、量子化データのドット記録位置を決定したドット記録用データを生成する(ステップB04)。本実施形態では、解像度が600dpiの5値の量子化データに対して解像度が1200dpiのドットパターンを適用することでドット記録用データを生成する。
図9は本実施形態で適用するドットパターンを示す図である。
例えば量子化データの値がLevel1の場合、ドットパターンC11、C12、C13、C14が順番に適用される。したがって、記録媒体上のある領域にLevel1の量子化データに対応する画像を記録する際には、600dpiの単位内に1つのドットのみが記録され、その単位内のドット記録位置は「左上(C11)」「左下(C12)」「右下(C13)」「右上(C14)」のローテーションを繰り返す。
また、例えば量子化データの値がLevel2である場合、ドットパターンC21、C22が順番に適用される。そのため、記録媒体上のある領域にLevel2の量子化データに対応する画像を記録する場合、600dpiの単位内に2つのドットが記録され、単位内におけるドット記録位置は「左上および右下(C21)」、「右上および左下(C22)」のローテーションを交互に繰り返す。
次に、記録吐出口列決定部A05によってドット記録用データのうち、記録ヘッドの重複部に対応するドット記録用データの検出を行う(ステップB05)。そして、非重複部に対応するドット記録用データと判定された(ステップB06)場合、吐出口列分配パターン記憶部A11から後述する第1の分配パターンを読み出し(ステップB09)、ドット記録用データを各吐出口列に分配して分配後データを生成し、その分配後データを記録データとする(ステップB10)。一方、重複部に対応するドット記録用データと判定された(ステップB06)場合、吐出口列分配パターン記憶部A11から後述する第2、第3の分配パターンを読み出し(ステップB07)、ドット記録用データを各吐出口列に分配して分配後データを生成する(ステップB08)。更に、後述するマスクパターンを用いることによって分配後データを重複部を形成する2つの吐出口群に分割し、記録データを生成する(ステップB11)。
本実施形態で実行するドット記録用データの分配処理について以下に詳細に記載する。なお、ここでは簡単のため、ドット記録用データのうち吐出口群201の非重複部221、吐出口群201、202の重複部211、吐出口群202の非重複部222に対応するドット記録用データのみについて記載する。
本実施形態では、予め吐出口列分配パターン記憶部A11に第1の分配パターンD01、第2の分配パターンD11および第3の分配パターンS21を記憶している。
図10(a)、(b)、(c)はそれぞれ第1の分配パターンD01、第2の分配パターンD11、第3の分配パターンを示す模式図である。なお、第1、第2、第3の分配パターンD01、D11、D21は、ドット記録用データと同じく、それぞれ1200dpiの解像度を有している。また、図10の画素に相当する各格子内の分配パラメータa〜hは、それぞれの画素に相当する(画素相当の)画素領域に対するインクの吐出を定める信号が入力された場合に吐出口列201a〜201h(または吐出口列202a〜202h)のいずれに該信号を分配するかを示している。例えば、第1の分配パターンD01において最も左上に位置する画素91にインクの吐出を定める信号が入力された場合、該信号は吐出口列201aに分配され、画素91に対応する記録媒体上の画素領域に吐出口列201aからインクが吐出される。同様に、第1の分配パターンD01において最も右上に位置する画素92にインクの吐出を定める信号が入力された場合、該信号は吐出口列201hへと分配され、画素92に対応する記録媒体上の画素領域に吐出口列201hからインクが吐出される。
ここで、図10(a)に示す第1の分配パターンD01には、分配パラメータa〜hがそれぞれほぼ同じ数だけ配置されている。すなわち、吐出口列201a〜201h(または吐出口列202a〜202h)のそれぞれに対するドット記録用データの分配率はいずれも約12.5(=100/8)%となり、互いにほぼ等しい。したがって、第1の分配パターンD01を用いることにより、吐出口列201a〜201h(または吐出口列202a〜202h)のそれぞれに対してほぼ同量ずつドット記録用データを分配することができる。
これに対し、図10(b)に示す第2の分配パターンD11には、分配パラメータa〜eは配置されておらず、分配パラメータf〜hが互いにほぼ同じ数となるように配置されている。すなわち、ドット記録用データの吐出口列201a〜201e(または吐出口列202a〜202e)に対する分配率は0であり、且つ、吐出口列201f〜201h(または吐出口列202f〜202h)それぞれに対する分配率は互いにほぼ等しい。したがって、第2の分配パターンD11を適用した場合、ドット記録用データは吐出口列201a〜201e(または吐出口列202a〜202e)には分配されず、互いに隣接する3つの吐出口列201f〜201h(または吐出口列202f〜202h)に対してほぼ同量ずつ分配される。
また、図10(c)に示す第3の分配パターンD21には、分配パラメータd〜hは配置されておらず、分配パラメータa〜cがほぼ同じ数となるように配置されている。すなわち、ドット記録用データの吐出口列201d〜201h(または吐出口列202d〜202h)に対する分配率は0であり、且つ、吐出口列201a〜201c(または吐出口列202a〜202c)それぞれに対する分配率は互いにほぼ等しい。したがって、第3の分配パターンD21を適用した場合、ドット記録用データは吐出口列201d〜201h(または吐出口列202d〜202h)には分配されず、互いに隣接する3つの吐出口列201a〜201c(または吐出口列202a〜202c)に対してほぼ同量ずつ分配される。
本実施形態では、ステップB05により非重複部に対応するドット記録用データであると判別された場合、ステップB09にて図10(a)に示す第1の分配パターンD01を読み出し、ステップB10にて非重複部を形成する8個の吐出口列201a〜201h(または吐出口列202a〜202h)に対してドット記録用データを分配する。また、重複部に対応するドット記録用データであると判別された場合、ステップB07にて図10(b)、(c)に示す第2、第3の分配パターンD11、D21を読み出し、ステップB08にて非重複部を形成する16個の吐出口列201a〜201hおよび吐出口列202a〜202hに対してドット記録用データを分配する。より詳細には、吐出口列群201に配置された吐出口列201a〜201hに対しては第2の分配パターンD11を適用し、吐出口列群202に配置された吐出口列202a〜202hに対しては第3の分配パターンD21を適用する。
ここで、重複部に対応するドット記録用データと非重複部に対応するドット記録用データがそれぞれ入力された際に生成される分配後データについて、ドット記録用データの一例を参照しながら以下に詳細に説明する。
図11(a1)〜(a3)は吐出口列群201の非重複部221に対応するドット記録用データが入力された際に生成される分配後データを説明するための図である。また、図11(b1)〜(b3)は吐出口列群201の重複部211に対応するドット記録用データが入力された際に生成される分配後データを説明するための図である。また、図12(a1)〜(a3)は吐出口列群202の非重複部222に対応するドット記録用データが入力された際に生成される分配後データを説明するための図である。また、図12(b1)〜(b3)は吐出口列群202の重複部211に対応するドット記録用データが入力された際に生成される分配後データを説明するための図である。
ここで、図11(a1)、(b1)、図12(a1)、(b1)はそれぞれ適用する分配パターンを示している。また、図11(a2)、(b2)、図12(a2)、(b2)はそれぞれ入力されるドット記録用データの一例を示している。なお、ここでは簡単のため、重複部211、非重複部221、222の3つに対して同じ位置にドットの記録を定めるドット記録用データD02、D03、D04が入力される場合について記載する。ここで、図11(a2)、(b2)、図12(a2)、(b2)それぞれにおいて黒塗りで示した箇所がインクの吐出が定められている画素を、また、白抜けで示した箇所がインクの非吐出が定められている画素をそれぞれ示している。また、図11(a3)、(b3)、図12(a3)、(b3)はそれぞれの分配パターンとドット記録用データに基づいて生成されるそれぞれの吐出口列用の分配後データを模式的に示す図である。
まず、吐出口列群201の非重複部221に関しては、図11(a1)に示す第1の分配パターンD01と図11(a2)に示すドット記録用データD02に基づいて、吐出口列群201の非重複部221に配置された吐出口列201a〜201h用の分配後データが生成される、ここで、第1の分配パターンは分配パラメータa〜hが互いに同じ数だけ配置されているため、図11(a3)からわかるように、吐出口列群201の非重複部221に配置された吐出口列201a〜201hからの吐出量がほぼ同量となるような分配後データD02a〜D02hが生成される。詳細には、分配後データD02a〜D02c、D02f〜D02hはそれぞれ記録比率が12.5%となる。また、分配後データD02d、D02eはそれぞれ記録比率が約7.8%、約9.4%となる。そして、これらの分配後データD02a〜D02hを記録データとする。
また、吐出口列群202の非重複部222に関しても、図12(a3)からわかるように、吐出口列群202の非重複部222に配置された吐出口列202a〜202hからの吐出量がほぼ同量となるような分配後データD04a〜D04hが生成される。詳細には、分配後データD04a〜D04c、D04f〜D04hはそれぞれ記録比率が12.5%となる。また、分配後データD04d、D04eはそれぞれ記録比率が約7.8%、約9.4%となる。そして、これらの分配後データD04a〜D04hを記録データとする。
このように、本実施形態によれば、記録ヘッドの非重複部からの記録においてはすべての吐出口列からほぼ同じ量のインクを吐出することができる。これにより、マルチパス効果を好適に奏した記録を行うことができる。
一方、吐出口列群201の重複部211に関しては、図11(b1)に示す第2の分配パターンD11と図11(b2)に示すドット記録用データD03に基づいて、吐出口列群201の重複部211に配置された吐出口列201a〜201h用の分配後データが生成される。ここで、上述したように、第2の分配パターンには分配パラメータa〜eは配置されておらず、分配パラメータf〜hが互いに同じ数だけ配置されている。そのため、図11(b3)からわかるように、吐出口列201a〜201eからは吐出を行わず、且つ、互いに隣接する吐出口列201f〜201hからの吐出量がほぼ同量となるような分配後データD03−1a〜D03−1hが生成される。詳細には、分配後データD03−1f、D03−1g、D03−1hの記録比率はそれぞれ約29.7%、約32.8%、約29.7%となる。
更に、吐出口列群202の重複部211に関しては、図12(b1)に示す第3の分配パターンD21と図12(b2)に示すドット記録用データD03に基づいて、吐出口列群202の重複部211に配置された吐出口列202a〜202h用の分配後データが生成される。ここで吐出口列群201、202の重複部211は互いにY方向において同じ位置に位置しているため、吐出口列群201、202の重複部211には同じドット記録用データD03が入力される。この結果、図12(b3)からわかるように、吐出口列202d〜202hからは吐出を行わず、且つ、互いに隣接する吐出口列202a〜202cからの吐出量がほぼ同量となるような分配後データD03−2a〜D03−2hが生成される。詳細には、分配後データD03−2a、D03−2b、D03−2cの記録比率はそれぞれ約29.7%、約32.8%、約29.7%となる。
このように、本実施形態によれば、非重複部よりも吐出口列間のインク着弾位置ずれの差分が大きい記録ヘッドの重複部において、記録に用いる吐出口列の数を少なくし、且つ、互いに隣接する吐出口列からインクを吐出することができる。
図13は本実施形態で使用する吐出口列を重複部211近傍に関して模式的に示した図である。
図13からもわかるように、本実施形態では吐出口列群201に配置された吐出口列201f〜201hおよび吐出口列群202に配置された吐出口列202a〜202cの合計6つの吐出口列を記録に用いる。これにより、重複部からの吐出における画質の低下を抑制する。
以下に本実施形態によって重複部からの吐出において画質低下を抑制するメカニズムについて詳細に説明する。
図14(a)は吐出口列201f〜201h、202a〜202cのみを用いる場合において、吐出口列群201および吐出口群202の重複部211に対する記録媒体の搬送量の周期的な変動を模式的に示す図である。また、図14(b)は重複部211に対する記録媒体のX方向における位置が0〜4mmの範囲である場合における図14(a)の拡大図である。また、図14(c)は重複部211に対する記録媒体のそれぞれのX方向における位置での搬送量ずれの差分を示す表である。
本実施形態によれば、図6に示したような重複部211のすべての吐出口列を使用する場合に比べて重複部211を記録する際に用いる吐出口列間のX方向における距離を短くすることができる。したがって、重複部211における吐出口列間のインクの吐出タイミングの差を比較的小さくすることができるため、吐出口列間のインク着弾位置ずれの差分を小さくすることが可能となる。
具体的には、例えば、図14(c)からわかるように記録媒体のX方向における位置が0mmである領域ではX方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群201に配置された吐出口列201hからの吐出であり、正方向へ20.0μmの着弾位置ずれとなる。また、X方向における負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群202に配置された吐出口列202cからの吐出であり、負方向へ−4.5μm(正方向へ4.5μm)の着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が0mmである領域では、最大でも15.5(=20.0+(−4.5)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
また、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、X方向における正方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群201に配置された吐出口列201fからの吐出であり、正方向へ18.4μmの着弾位置ずれとなる。また、X方向における負方向への最大のインク着弾位置ずれが生じるのは吐出口列群202に配置された吐出口列202cからの吐出であり、負方向へ11.8μmの着弾位置ずれとなる。したがって、記録媒体のX方向における位置が4mmである領域では、最大で30.2(=18.4+11.8)μmのインクの着弾位置ずれが生じる。
図5、図6と同様に、記録媒体のX方向における位置が0mmから16mまでのそれぞれにおけるインク着弾位置ずれの差分の平均を算出すると、重複部211では約21μmとなり、図6に示した場合における約38μmよりも小さくなることがわかる。これにより、本実施形態によれば、重複部における吐出口列間のインク着弾位置ずれの差分に由来する画質低下を抑制することができると考えられる。
なお、ここでは非重複部に対応する画像を記録する場合、マルチパス効果を得るために、複数の吐出口列それぞれにおける記録比率がほぼ同じとなるようにドット記録用データを分配する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、それぞれN個の吐出口列がX方向に並んで配置された2つの吐出口列群を有する記録ヘッド(つなぎヘッド)を用いて非重複部に対応する画像を記録する場合、一方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差が、該一方の吐出口列群の重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さくなるように、ドット記録用データを分配すれば良い。これにより、該一方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列において、マルチパス効果を奏する記録を行うことができる。また、他方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差が、該他方の吐出口列群の重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さくなるように、ドット記録用データを分配することにより、該他方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列においてもマルチパス効果を奏する記録を行うことができる。
本実施形態では、N=8であり、吐出口列群201(一方の吐出口列群)と吐出口列群202(他方の吐出口列群)それぞれの非重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率は、上述のように、最大で12.5%、最小で7.8%である。一方、吐出口列群201(一方の吐出口列群)と吐出口列群202(他方の吐出口列群)それぞれの重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率は、上述のように、最大で32.8%、最小で0%である。したがって、非重複部における記録比率の最大値と最小値との差は4.7(=12.5−7.8)%であり、重複部における記録比率の最大値と最小値との差は32.8(=32.8−0)%であるため、上述の条件を満たしている。
また、N=8である場合における他の例としては、吐出口群201の非重複部221に対応する画像を記録する際に吐出口列201a〜201dそれぞれの記録比率が約10%であり、吐出口列201e〜201hそれぞれの記録比率が約15%であるようにドット記録用データを分配し、吐出口群201の重複部211に対応する画像を記録する際には吐出口列201a〜201eそれぞれの記録比率が約20%であり、吐出口列201f〜201hそれぞれの記録比率が約0%であるようにドット記録用データを分配するような形態であっても良い。この場合、吐出口群201の非重複部に対応する画像を記録する際の記録比率の最大値と最小値の差は約5(=15−10)%であり、重複部に対応する画像を記録する際の分配率の最大値と最小値の差は約20(=20−0)%となるため、上記の条件を満たしている。
また、ここでは、重複部に対応する画像を記録する場合、重複部におけるインクの着弾位置ずれを抑制するために、記録に用いる吐出口列の数を少なくし、且つ、互いに隣接する吐出口列からインクを吐出する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。この点について、それぞれN個の吐出口列がX方向に並んで配置された2つの吐出口列群を有する記録ヘッド(つなぎヘッド)を用いて非重複部に対応する画像を記録する場合を例として以下に詳細に説明する。重複部におけるインク着弾位置ずれを抑制するためには、一方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における他方の吐出口列群に近い、すなわち他方の吐出口列群側のK(K<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、K個の吐出口列以外のN−K個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高く、且つ、他方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における一方の吐出口列群に近い、すなわち一方の吐出口列群側のL(L<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、L個の吐出口列以外のN−L個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高くなるように、ドット記録用データを分配すれば良い。
本実施形態では、N=8であり、吐出口列群201の8個の吐出口列のうちのX方向において吐出口列群202に近い3個(K個)の吐出口列201f〜201hの重複部の記録比率が29.7%または32.8%であり、他の5個(N−K個)の吐出口列201a〜201eの重複部の記録比率が0%である。また、吐出口列群202の8個の吐出口列のうちのX方向において吐出口列群201に近い3個(L個)の吐出口列202a〜202cの重複部の記録比率が29.7%または32.8%であり、他の5個(N−L個)の吐出口列202d〜202hの重複部の記録比率が0%である。したがって、上述の条件を満たしている。
また、N=8である場合における他の例としては、吐出口列群201の重複部に対応する画像を記録する際に、4個(K個)の吐出口列201e〜201hの重複部の記録比率が約20%となり、他の4個(N−K個)の吐出口列201a〜201dの重複部の記録比率が約5%となるようにドット記録用データを分配する。更に、吐出口列群202の重複部に対応する画像を記録する際に、5個(L個)の吐出口列202a〜202eの重複部の記録比率が約14%となり、他の3個(N−L個)の吐出口列202f〜202hの重複部の記録比率が約5%となるようにドット記録用データを分配する形態であれば、上述の条件を満たしているため、重複部におけるインク着弾位置ずれを抑制することができる。
ここで、図8に示すステップB08では、上述のように第2の分配パターンD11を用いて重複部211に対応するドット記録用データD03を吐出口列201の吐出口列201a〜201hに分配し、分配後データD03−1a〜D03−1hを生成する。同様に、第3の分配パターンD21を用いて重複部に対応するドット記録用データD03を吐出口列202の吐出口列202a〜202hに分配し、分配後データD03−2a〜D03−2hを生成する。このように、同じドット記録用データD03を2回用いて重複部に対応する吐出口列201a〜201h、202a〜202hに分配している。そのため、分配後データD03−1a〜D03−1h、D03−2a〜D03−2hにしたがって記録を行うと、吐出口列群201、202間で同じ画像を2回記録することになってしまう。
そこで、本実施形態では図8に示すステップB11にてマスクパターン処理を実行することにより、分配後データD03−1a〜D03−1h、D03−2a〜D03−2hを吐出口列群201と吐出口列群202に分割し、重複部に対応する記録データを生成する。
以下に本実施形態におけるマスクパターン処理について詳細に説明する。
図15は本実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。なお、図15(a)は吐出口列群202に配置された吐出口列202a〜202hのそれぞれに適用する第1のマスクパターンを示している。一方、図15(b)は吐出口列群201に配置された吐出口列201a〜201hのそれぞれに適用する第2のマスクパターンを示している。
ここで、マスクパターンはインクの吐出を許容する記録許容画素とインクの吐出を許容しない非記録許容画素が配置されることで構成されている。なお、図15(a)、(b)のそれぞれにおいて黒く塗りつぶされている箇所が記録許容画素を、白抜けで表されている箇所が非記録許容画素をそれぞれ示している。
重複部に対応する記録データは、重複部に対応する分配後データとマスクパターンの論理積をとることにより生成される。すなわち、記録許容画素ではドットの記録を示す分配後データが入力された場合、該分配後データをドットの記録を示す記録データに変換する。一方、非記録許容画素では、ドットの記録を示す分配後データが入力された場合であっても、該分配後データをドットの非記録を示す記録データに変換する。
ここで、第1、第2のマスクパターンには、記録許容画素が互いに排他的且つ補完的となる位置に配置されている。すなわち、第1、第2のマスクパターンは互いに排他的且つ補完的な関係を有する。
更に、図15(a)に示す第1のマスクパターンは、吐出口列群202に配置された吐出口列202a〜202hのY方向における吐出口列群201側に近くなるほど記録許容比率が低くなるように定められている。なお、本実施形態では記録許容画素の数と非記録許容画素の数の和に対する記録許容画素の数の比率を記録許容比率と称する。具体的には、第1のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群201側から最も遠い第1の位置71における記録許容比率は100%となり、Y方向における吐出口列群201側に最も近い第2の位置72における記録許容比率は0%となり、且つ、第1の位置から第2の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。
一方、図15(b)に示す第2のマスクパターンは、吐出口列群201に配置された吐出口列201a〜201のY方向における吐出口列群202側に近くなるほど記録許容比率が低くなるように定められている。具体的には、第2のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群202側から最も遠い第2の位置72における記録許容比率は100%となり、Y方向における吐出口列群202側に最も近い第1の位置71における記録許容比率は0%となり、且つ、第2の位置から第1の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。
図16は図15に示したマスクパターンを適用して生成された記録データにおける記録比率を模式的に示す図である。なお、図16における実線93が第2の吐出口列群202に対応する記録データの記録比率の変化を、破線94が第1の吐出口列群201に対応する記録データの記録比率の変化をそれぞれ示している。
図16からわかるように、図15に示したマスクパターンを適用することによって、重複部における吐出口列群201、202それぞれに対応する記録データの記録比率の和を非重複部221における吐出口列群201に対応する記録データの記録比率および非重複部222における吐出口列群202に対応する記録データの記録比率とほぼ同じにすることができる。
更に、吐出口列の端部に対応する記録データの記録比率を比較的小さくすることができる。これにより、吐出口列の端部からの吐出によって生じ得る気流によるインクの着弾位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、重複部で用いる吐出口列の数を非重複部で用いる吐出口列の数よりも少なくする(K+L<N)形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、重複部で用いる吐出口列の数を非重複部で用いる吐出口列の数と等しくする(K+L=N)形態について記載する。
なお、前述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すステップB07において、第2の分配パターンD11の代わりに第4の分配パターンD12を、第3の分配パターンD21の代わりに第5の分配パターンD22をそれぞれ用いて重複部に対応するドット記録用データを分配する。
図17(a)は第4の分配パターンD12を模式的に示す図である。また、図17(b)は第5の分配パターンを模式的に示す図である。
ここで、図17(a)に示す第4の分配パターンD12には、分配パラメータa〜dは配置されておらず、分配パラメータe〜hが互いにほぼ同じ数となるように配置されている。これにより、吐出口列群201の重複部に配置された吐出口列のうち、吐出口列201a〜201dの記録比率は0%であり、且つ、互いに隣接する4つの吐出口列201e〜201hの記録比率は互いにほぼ等しく約25%となるような分配後データが生成される。
また、図17(b)に示す第5の分配パターンD22には、分配パラメータe〜hは配置されておらず、分配パラメータa〜dが互いにほぼ同じ数となるように配置されている。これにより、吐出口列群202の重複部に配置された吐出口列のうち、吐出口列202e〜202hの記録比率は0%であり、且つ、互いに隣接する4つの吐出口列202a〜202dの記録比率は互いにほぼ等しく約25%となるような分配後データが生成される。
図18は本実施形態で使用する吐出口列を重複部211近傍に関して模式的に示した図である。
図18からもわかるように、本実施形態では吐出口列群201に配置された吐出口列201e〜201hおよび吐出口列群202に配置された吐出口列202a〜202dの合計8つの吐出口列を記録に用いる。このように、本実施形態によれば、非重複部からの記録にて用いる吐出口列の数を重複部からの記録にて用いる吐出口列の数を等しくすることができる。これにより、重複部と非重複部において同等のマルチパス効果を得た記録を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、重複部で用いる吐出口列のうちのX方向に最も離間した位置にある吐出口列間のX方向における距離が、非重複部で用いる吐出口列のうちのX方向に最も離間した位置にある吐出口列間のX方向における距離と等しくする形態について記載する。
なお、前述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すステップB07において、第3の分配パターンD21の代わりに第6の分配パターンD23をそれぞれ用いて重複部に対応するドット記録用データを分配する。
図19は第6の分配パターンD23を模式的に示す図である。
ここで、図19に示す第6の分配パターンD23には、分配パラメータc〜hは配置されておらず、分配パラメータa、bが互いにほぼ同じ数となるように配置されている。これにより、吐出口列群202の重複部に配置された吐出口列のうち、吐出口列202c〜202hの記録比率は0%であり、且つ、互いに隣接する2つの吐出口列202a、202bの記録比率は互いにほぼ等しく約50%となるような分配後データが生成される。
図20は本実施形態で使用する吐出口列を重複部211近傍に関して模式的に示した図である。
図18からもわかるように、本実施形態によれば、重複部からの記録において吐出口列群201に配置された吐出口列201f〜201hおよび吐出口列群202に配置された吐出口列202a、202bの合計5つの吐出口列を用いる。
ここで、図2に示したように、X方向に互いに隣接する2つの吐出口列の間の距離は1.05mmであり、X方向における吐出口列201、202の間の距離は4.20mmである。そのため、本実施形態において重複部で用いる吐出口列のうち、X方向に最も離間した位置にある吐出口列201f、202b間の距離は7.35(=1.05×2+4.20+1.05×1)mmとなる。一方で、吐出口群201の非重複部で用いる吐出口列201a〜201hのうち、X方向に最も離間した位置にある吐出口列201a、201h間の距離は7.35(=1.05×7)mmとなる。このように、本実施形態によれば、非重複部におけるX方向に最も離間した位置にある吐出口列間の距離と重複部におけるX方向に最も離間した位置にある吐出口列間の距離が互いに等しくなるように、ドット記録用データを分配することができる。
このように、使用する吐出口列間のX方向における最大距離を重複部と非重複部で同じにすることで、周期的な搬送量ずれによって生じるインク着弾位置ずれ量を重複部と非重複部でほぼ同等に近づけることが可能になる。これにより、重複部と非重複部のそれぞれで記録された領域で画像の品位が異なってしまうことを抑制できる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、非重複部で用いる吐出口列の数を制限することにより、重複部で用いる複数の吐出口列の位置関係と非重複部で用いる複数の吐出口列の位置関係を同じとする形態について記載する。
なお、前述した第1から第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すステップB09において、第1の分配パターンD01の代わりに第7の分配パターンD41を用いて非重複部に対応するドット記録用データを分配する。また、図8に示すステップB07において、第3の分配パターンD21の代わりに前述した第6の分配パターンD23を用いて重複部に対応するドット記録用データを分配する。
図21は第7の分配パターンD41を模式的に示す図である。
ここで、図21に示す第7の分配パターンD41には、分配パラメータd〜fは配置されておらず、分配パラメータa、b、c、g、hが互いにほぼ同じ数となるように配置されている。これにより、吐出口列群201の非重複部に配置された吐出口列のうち、吐出口列201d〜201fの記録比率は0%であり、且つ、5つの吐出口列201a、201b、201c、201g、201hの記録比率が互いにほぼ等しく約20%となるような分配後データが生成される。
図22は本実施形態で使用する吐出口列を重複部211近傍に関して模式的に示した図である。
本実施形態では、重複部211に関しては前述した第3の実施形態と同様に、吐出口列群201に配置された吐出口列201f〜201hおよび吐出口列群202に配置された吐出口列202a、202bの合計5つの吐出口列を用いるようにドット記録用データを分配する。一方、吐出口群201の非重複部221に関しては、上述のように5つの吐出口列201a、201b、201c、201g、201hを用い、中央側の3つ(所定数)の吐出口列201d〜fは用いないようにドット記録用データを分配する。
本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、非重複部におけるX方向に最も離間した位置にある吐出口列間の距離と重複部におけるX方向に最も離間した位置にある吐出口列間の距離が互いに等しくなるようにドット記録用データを分配することができる。
更に、本実施形態によれば重複部で用いる複数の吐出口列の位置関係と非重複部で用いる複数の吐出口列の位置関係を同じとすることができる。具体的には、非重複部ではX方向における吐出口列の使用範囲において、最もX方向上流側端部の2.10mmの範囲にある3つの吐出口列201a〜201cを使用し、下流側端部の1.05mmの範囲にある2つの吐出口列201g、hを使用し、且つ、中間にある吐出口列201d〜201fは使用しない。一方で、重複部ではX方向における吐出口列の使用範囲において、最もX方向上流側端部の2.10mmの範囲にある3つの吐出口列201f〜201hを使用し、下流側端部の1.05mmの範囲にある2つの吐出口列202a、bを使用する。そして、中間にある吐出口列群201、202間の隙間からは記録は行われない。このように、本実施形態によれば重複部、非重複部それぞれで用いる複数の吐出口列の位置関係を互いに同じとなるようにドット記録用データを分配できるため、重複部と非重複部のそれぞれで記録された領域における画像の品位の異なりをより好適に抑制した記録を行うことが可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、記録モードに応じて異なる分配処理を実行する形態について記載する。
なお、前述した第1から第4の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
前述した第4の実施形態での使用する吐出口列の限定方法は、前述した重複部と非重複部の間で搬送ずれ量を同一にすることで画像の品位の向上させることが可能になる一方で、重複部と非重複部でのインクの着弾時間差ムラを抑制する効果もある。
着弾時間差ムラとは、本実施形態で想定する記録ヘッドのように複数の吐出口列から吐出された同色のインクドットで一つの画像を形成する際に生じる色ムラである。発生要因としては、重複部では2つの吐出口列群の間に間隔があるため、非重複部と比較して同じ画像を記録するにもインクの着弾時間に差が生じることになる。よって同じ数のインクドットを吐出しても、インクドット同士が記録媒体上で結合してから浸透する場合と結合せずに単ドットで浸透してしまう場合が存在してしまい、結果として記録媒体上での色が重複部と非重複部で異なってしまいムラが生じてしまうことになる。ここで、重複部と非重複部に着弾時間差ムラに対して第4の実施形態で示した分配パターンを適用した場合、重複部と非重複部でインドットの着弾時間差が同程度となるので、着弾時間差ムラを抑制することが可能となる。
ここで、着弾時間差ムラはインクの着弾時間差によって記録媒体上で結合の有無を起こすことが要因であり、記録媒体であるメディアのインク浸透時間がその着弾時間差によらずに単ドットのまま浸透するほど早い、あるいは常にメディア上で結合するほど遅ければ着弾時間差ムラは発生しないからである。
一方で、着弾時間差ムラが然程生じない場合、第1の実施形態で示した分配パターンを適用した場合の方が非重複部からの記録においてマルチパス効果を好適に得ることができる。
以上の点を鑑み、本実施形態では、2種類の記録媒体に記録可能な記録装置を用い、浸透性が比較的低い第1の記録媒体を用いる場合には第1の実施形態で示した分配パターンを適用し、浸透性が比較的高い第2の記録媒体を用いる場合には第4の実施形態で示した分配パターンを適用する。
図8は本実施形態における画像処理の過程を示すフローチャートである。
記録ジョブを受信すると、まず、ステップC00にて記録媒体の種類に関する情報が取得される。これにより、記録を行う記録媒体が浸透性の比較的低い第1の記録媒体か、浸透性の比較的高い第2の記録媒体か、を判別することができる。
ステップC01〜C04は図8に示すステップB01〜B04と同じである。
ステップC05では、記録を行う記録媒体が第1の記録媒体か否かが判別される。第1の記録媒体であると判別された場合、ステップC12に進み、第1の実施形態における図8に示すステップB06〜B11における処理と同様の処理が実行される。一方、第1の記録媒体ではなく第2の記録媒体であると判別された場合、ステップC06へと進み、第4の実施形態におけるステップB06〜B11における処理のうちの第1、第3の分配パターンをそれぞれ第7、第6の分配パターンに置き換えた処理が行われる。そして、ステップC18にて上述のような処理によって生成されたデータに基づいて記録が実行される。
以上記載したように、本実施形態によれば、記録媒体の種類に応じて適正な分配処理を実行することが可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、画像のエッジ部と非エッジ部を判別し、重複部から画像のエッジ部を記録する場合にのみ記録に使用する吐出口列の数を少なくする形態について記載する。
なお、前述した第1から第5の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
画像のエッジ部を記録する場合、エッジ部は隣接する位置にインクが吐出されない領域であるため、搬送量ずれに由来するインク滴の着弾位置ずれが生じると画質の低下が特に顕著なものとなる。一方で画像のエッジ部以外の非エッジ部を記録する場合、インク滴の着弾位置ずれが生じたとしても画質の低下は比較的視認されにくい。
そこで、本実施形態では、記録ヘッドの重複部から画像のエッジを記録する場合に記録に用いる吐出口列の数が少なくなるように、ドット記録用データの分配処理を実行する。
図24は本実施形態における画像処理の過程を示すフローチャートである。
ステップSY01〜SY05は図8に示すステップB01〜B05と同じである。
ステップSY06では、ドット記録用データに基づいて画像のエッジ部の検出を行う。ここで、本実施形態におけるエッジ検出処理を以下に詳細に説明する。
図25は本実施形態におけるエッジ検出処理のフローを示すフローチャートである。また、図26はある画像に対して図25に示すエッジ検出処理を実行した際の過程を模式的に示す図である。
まず、ステップSX01でドット記録用データの読み込みを行う。
次に、ステップSX02にてドット記録用データに基づいてブラックインクのドット記録用データ(ブラックドット記録用データ)を抽出する。明度の低いブラックインクで記録される画像においてエッジ部におけるインクの着弾位置ずれが顕著に視認されるため、本実施形態ではブラックインクのドット記録用データのみに関してエッジ検出処理を行う。図26(a)はステップSX02にて抽出されたブラックインクのドット記録用データの一例を模式的に示す図である。ここでは、図26(a)に示すようにX方向上流側にブラックインクのドットが記録され、X方向下流側にはブラックインクが記録されない(以下、ブランクとも称する)画像についてエッジ検出処理を実行する場合について説明する。
次に、ステップSX03にてブラックドット記録用データに対して反転処理を行い、ブラック反転データを生成する。すなわち、ブラックドット記録用データのうち、インクの吐出を定める信号をインクの非吐出を定める信号へと変換し、同時にインクの非吐出を定める信号をインクの吐出を定める信号へと変換する。図26(b)は図26(a)に示したブラックインクのドット記録用データに対して反転処理を行った際に生成されるブラック反転データを模式的に示す図である。図26(b)からわかるようにX方向上流側はブランクであり、X方向下流側にブラックインクの吐出が定められたデータが生成される。
次に、ステップSX04にてブラック反転データにボールド処理を行い、ブラックボールドデータを生成する。ここで、ボールド処理とは、特定データのアドレスを所定方向に所定量だけシフトし、シフト前の特定データとシフト後の特定データの論理和(OR)処理を行うことにより、特定データを膨らませる処理のことである。本実施形態ではボールド処理の一例として、ブラック反転データをX方向に1画素分だけシフトさせる処理を行い、ブラックボールドデータを生成する。図26(c)は図26(b)に示すブラック反転データに対してボールド処理を実行することにより生成されるブラックボールドデータを模式的に示す図である。図26(c)からわかるように、ブラックボールドデータは図26(b)に示すブラック反転データに比べてX方向に1画素分だけ膨らんだデータとなる。なお、ここでは簡単のためX方向に1画素だけシフトさせる場合について記載したが、Y方向に1画素シフトさせても良い。更に、シフトさせる量も適宜設定することができ、例えばX方向に3画素、Y方向に3画素シフトさせる場合であっても良い。
次に、ステップSX05にて、ステップSX02で取得されたブラックドット記録用データとステップSX04で生成されたブラックボールドデータの論理積(AND)処理を行い、ブラックインクのエッジデータ(ブラックエッジデータ)を生成する。図26(d)は図26(a)に示すブラックドット記録用データと図26(c)に示すブラックボールドデータの論理積処理を行うことにより得られるブラックエッジデータを模式的に示す図である。図26(d)より、本実施形態によれば、図26(a)に示したブラックドット記録用データにおけるエッジ部に相当する画素列90を抽出できることがわかる。
その後、それぞれX方向に8画素(8ラスター)、Y方向に192画素(192カラム)からなる複数の判別領域のそれぞれにおけるブラックエッジデータの数をカウントする。そして、ブラックエッジデータの数が所定の閾値以上である判別領域をエッジ部に対応する判別領域にとする。また、ブラックエッジデータの数が所定の閾値未満である判別領域を非エッジ部に対応する判別領域とする。なお、本実施形態では所定の閾値を16画素としている。
このようにして生成されたエッジ部および非エッジ部に関する情報は、ステップSX06にてRAMに記憶され、後述するドット記録用データの分配処理を実行する際に用いられる。
次に、ステップSY07では、上述した判別領域ごとにドット記録用データがエッジ部データであり、且つ、重複部に対応するデータであるか否かを判別する。エッジ部データであり、且つ、重複部に対応するデータであると判別された場合、ステップSY08へと進み、第1の実施形態における図8に示すステップB07、B08、B11における処理と同様の処理が実行される。一方、非エッジ部である、または、非重複部に対応すると判別された場合、ステップSY10へと進み、第1の実施形態におけるステップB09、B10における処理と同様の処理が行われる。そして、ステップSY13にて上述のような処理によって生成されたデータに基づいて記録が実行される。
以上記載したように、本実施形態によれば、画像のエッジ情報に応じて適正な分配処理を実行することが可能となる。
(第7の実施形態)
本実施形態では、同じ吐出口群に配置された吐出口列のうちの記録に使用する複数の吐出口列に対して異なるマスクパターンを適用する形態について記載する。
なお、前述した第1から第6の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図27は本実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。
本実施形態では、図8に示すステップB11において、吐出口列群201の吐出口列201fに対して図15(b)に示す第2のマスクパターンを適用する。また、吐出口列群201の吐出口列201gに対して図27(b)に示す第4のマスクパターンを適用する。また、吐出口列群201の吐出口列201hに対して図27(d)に示す第6のマスクパターンを適用する。また、吐出口列群202の吐出口列202aに対して図15(a)に示す第1のマスクパターンを適用する。また、吐出口列群202の吐出口列202bに対して図27(a)に示す第3のマスクパターンを適用する。また、吐出口列群202の吐出口列202cに対して図27(c)に示す第5のマスクパターンを適用する。
ここで、図27(a)に示す第3のマスクパターンと、図27(b)に示す第4のマスクパターンと、は互いに排他的且つ補完的な関係を有している。また、図27(c)に示す第5のマスクパターンと、図27(d)に示す第6のマスクパターンと、は互いに排他的且つ補完的な関係を有している。
また、図27(a)、(c)にそれぞれ示す第3、第5のマスクパターンは、それぞれY方向における吐出口列群201側に近くなるほど記録許容比率が低くなるように定められている。具体的には、第3のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群201側から最も遠い第1の位置71における記録許容比率は100%となり、Y方向における吐出口列群201側に最も近い第2の位置72における記録許容比率は25(=2/8×100)%となり、且つ、第1の位置から第2の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。更に、第5のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群201側から最も遠い第1の位置71における記録許容比率は75(=6/8×100)%となり、Y方向における吐出口列群201側に最も近い第2の位置72における記録許容比率は0%となり、且つ、第1の位置から第2の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。
一方、図27(b)、(d)にそれぞれ示す第4、第6のマスクパターンは、それぞれY方向における吐出口列群202側に近くなるほど記録許容比率が低くなるように定められている。具体的には、第4のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群202側から最も遠い第2の位置72における記録許容比率は75(=6/8×100)%となり、Y方向における吐出口列群202側に最も近い第1の位置71における記録許容比率は0%となり、且つ、第2の位置から第1の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。更に、第6のマスクパターンは、Y方向における吐出口列群202側から最も遠い第2の位置72における記録許容比率は100%となり、Y方向における吐出口列群202側に最も近い第1の位置71における記録許容比率は25(=2/8×100)%となり、且つ、第2の位置から第1の位置に向かうにしたがって記録許容比率が漸次的に低下するように定められている。
更に、図15(a)に示す第1のマスクパターン、図27(a)に示す第3のマスクパターン、図27(c)に示す第5のマスクパターンはそれぞれY方向に沿った記録許容比率の低下率が互いに異なるように定められている。同様に、図15(b)に示す第2のマスクパターン、図27(b)に示す第4のマスクパターン、図27(d)に示す第6のマスクパターンもそれぞれY方向に沿った記録許容比率の低下率が互いに異なるように定められている。
ここで、図11(b3)、図12(b3)からわかるように、本実施形態においては吐出口列201fにおける分配後データD03−1fと吐出口列202aにおける分配後データD03−2aは同じ位置にドットの記録を定めるデータである。これらの分配後データD03−1f、D03−2aのそれぞれに対し、互いに排他的且つ補完的な関係を有する第1、第2のマスクパターンをそれぞれ適用することにより、ドットの記録を定めるデータを余剰なく吐出口列201f、202aに分割することができる。吐出口列201g、吐出口列202bの組み合わせ、および吐出口列201h、吐出口列202cの組み合わせについても同様である。
また、このようなマスクパターンを適用することにより、吐出口列群201、202がY方向にずれて配置された場合であっても、記録許容比率の変化が吐出口列間によって異なるため、画質の低下が生じにくいという利点がある。
更に、吐出口列の端部に対応する記録データの記録比率をいずれの吐出口列においても比較的小さくすることができるため、吐出口列の端部からの吐出によって生じ得る気流によるインクの着弾位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
なお、以上に説明した各実施形態では、重複部に対応する画像を記録する場合、記録に用いる吐出口列の数を少なくし、且つ、互いに隣接する吐出口列からインクを吐出する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えばN個の吐出口列がX方向に並んで配置された2つの吐出口列群を有する記録ヘッド(つなぎヘッド)を用いて非重複部に対応する画像を記録する場合、一方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における他方の吐出口列群に近いK(K<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、残りのN−K個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高く、且つ、他方の吐出口列群のN個の吐出口列のうちのX方向における一方の吐出口列群に近いL(L<N)個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率が、残りのN−L個の吐出口列それぞれの重複部での記録比率よりも高くなるように、ドット記録用データを分配すれば良い。これにより、重複部におけるインクの着弾位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
また、以上に説明した各実施形態では、非重複部に対応する画像を記録する場合、複数の吐出口列それぞれにおける記録比率がほぼ同じとなるようにドット記録用データを分配する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、それぞれN個の吐出口列がX方向に並んで配置された2つの吐出口列群を有する記録ヘッド(つなぎヘッド)を用いて非重複部に対応する画像を記録する場合、一方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差が、該一方の吐出口列群の重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さくなるように、ドット記録用データを分配すれば良い。これにより、該一方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列において、マルチパス効果を奏する記録を行うことができる。また、他方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差が、該他方の吐出口列群の重複部におけるN個の吐出口列それぞれの記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さくなるように、ドット記録用データを分配することにより、該他方の吐出口列群の非重複部におけるN個の吐出口列においてもマルチパス効果を奏する記録を行うことができる。
106 記録媒体
101〜104 記録ヘッド
201、202 吐出口列群
201a〜201h 吐出口列
211 重複部
221、222 非重複部
313 ROM

Claims (15)

  1. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置された第1の吐出口列群と、前記所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が前記所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記交差方向に並んで配置された第2の吐出口列群と、を有し、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における一方の端部に配置された複数の吐出口と、前記第2の吐出口列群の前記所定方向における他方の端部に配置された複数の吐出口と、が前記交差方向に並び、記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部を形成するように、前記第1、第2の吐出口列群が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドと、前記記録媒体と、を前記交差方向に移動させながら、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置されたN個の吐出口列のそれぞれにおける前記記録媒体上の複数の画素相当の画素領域のそれぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める記録データにしたがってインクを吐出してドットを記録することにより前記記録媒体上に画像を記録するために、前記記録媒体上に記録する画像に対応する画像データを処理する画像処理装置であって、
    前記画像データに基づいて前記記録媒体上に記録するドットを定めるドット記録用データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれの前記N個の吐出口列に分配することにより前記記録データを生成する分配手段と、を有し、
    前記分配手段は、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データに関し、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第2の吐出口列群側のK(K<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記K個の吐出口列以外のN−K個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高く、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第1の吐出口列群側のL(L<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記L個の吐出口列以外のN−L個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記分配手段は、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データを、前記第1の吐出口列群に配置された前記N−K個の吐出口列および前記第2の吐出口列群に配置された前記N−L個の吐出口列に分配しないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記分配手段は、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうち、前記重複部以外の非重複部における前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率のうちの最大値と最小値との差が、前記重複部における前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さく、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうち、前記重複部以外の非重複部における前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率のうちの最大値と最小値との差が、前記重複部における前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率のうちの最大値と最小値との差よりも小さくなるように、前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれの前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記分配手段は、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記非重複部において、前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率が互いにほぼ等しくなり、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記非重複部において、前記N個の吐出口列それぞれにおける記録比率が互いにほぼ等しくなるように、前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれの前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. N=K+Lであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の吐出口列群と前記第2の吐出口列群とは前記交差方向に互いに所定の距離だけ離間して配置されており、
    前記K個の吐出口列のうちの前記第2の吐出口列群から前記交差方向に最も遠い吐出口列と、前記L個の吐出口列のうちの前記第1の吐出口列群から前記交差方向に最も遠い吐出口列と、の前記交差方向における間の距離は、前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向における一方の端部に配置された吐出口列と、他方の端部に配置された吐出口列と、の前記交差方向における間の距離とほぼ等しくなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の吐出口列群と前記第2の吐出口列群とは前記交差方向に互いに所定の距離だけ離間して配置されており、
    前記分配手段は、前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうち、前記重複部以外の非重複部において、前記ドット記録用データを前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向における中央側に配置された所定数の吐出口列に分配せず、
    前記所定数の吐出口列のうちの前記交差方向における一方の端部に配置された吐出口列と、他方の端部に配置された吐出口列と、の前記交差方向における間の距離は、前記所定の距離とほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記分配手段は、
    前記ドット記録用データを前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列に分配することにより第1の分配後データを生成し、且つ、前記ドット記録用データを前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列に分配することにより第2の分配後データを生成する第1の分配手段と、
    前記第1の分配手段により生成された前記第1の分配後データのうち、前記重複部に対応する前記第1の分配後データを前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のそれぞれに分配することにより、前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列それぞれの前記重複部に対応する前記記録データを生成し、且つ、前記第1の分配手段により生成された前記第2の分配後データのうち、前記重複部に対応する前記第2の分配後データを前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のそれぞれに分配することにより、前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列それぞれの前記重複部に対応する前記記録データを生成する第2の分配手段と、からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1の分配手段は、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記K個の吐出口列それぞれに対する分配率がいずれも前記N−K個の吐出口列それぞれに対する分配率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列に分配し、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記L個の吐出口列それぞれに対する分配率がいずれも前記N−L個の吐出口列それぞれに対する分配率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記第2の分配手段は、前記画素領域に対する記録を許容する記録許容画素と、前記画素領域に対する記録を許容しない非記録許容画素と、がそれぞれ配置された複数のマスクパターンを用いることにより、前記第1、第2の分配後データのそれぞれを分配することを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1の吐出口列群に配置された前記K個の吐出口列は、第1の吐出口列を少なくとも含み、
    前記第2の吐出口列群に配置された前記L個の吐出口列は、第2の吐出口列を少なくとも含み、
    前記第2の分配手段は、前記複数のマスクパターンのうちの第1のマスクパターンを用いて前記重複部に対応する前記第1の分配後データを前記第1の吐出口列に分配し、且つ、前記複数のマスクパターンのうちの第2のマスクパターンを用いて前記重複部に対応する前記第2の分配後データを前記第2の吐出口列に分配し、
    前記第1のマスクパターンの前記所定方向における第1の位置での記録許容比率は、前記第1のマスクパターンの前記所定方向における前記第1の位置よりも前記第2の吐出口列群側の第2の位置での記録許容比率よりも高く、且つ、前記第2のマスクパターンの前記所定方向における前記第1の位置での記録許容比率は、前記第2のマスクパターンの前記所定方向における前記第2の位置での記録許容比率よりも低いことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1、第2のマスクパターンは、前記記録許容画素が互いに排他的且つ補完的な関係を有するように配置されていることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置された第1の吐出口列群と、前記所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が前記所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記交差方向に並んで配置された第2の吐出口列群と、を有し、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における一方の端部に配置された複数の吐出口と、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における他方の端部に配置された複数の吐出口と、が前記交差方向に並び、記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部を形成するように、前記第1、第2の吐出口列群が前記所定方向に配置された記録ヘッドと、前記記録媒体と、を前記交差方向に移動させながら、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置されたN個の吐出口列のそれぞれにおける前記記録媒体上の複数の画素相当の画素領域のそれぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める記録データにしたがって、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列からインクを吐出してドットを記録することによって前記記録媒体上に画像を記録するために、前記記録媒体上に記録する画像に対応する画像データを処理する画像処理装置であって、
    前記画像データに基づいて前記記録媒体上に記録するドットを定めるドット記録用データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列それぞれに分配することにより前記記録データを生成する分配手段と、を有し、
    前記分配手段は、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データに関し、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうち前記交差方向において前記第2の吐出口列群に近いK(K<N)個の吐出口列のみに前記ドット記録用データを分配し、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第1の吐出口列群に近いL(L<N)個の吐出口列のみに前記ドット記録用データを分配することを特徴とする画像処理装置。
  14. 所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置された第1の吐出口列群と、前記所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が前記所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記交差方向に並んで配置された第2の吐出口列群と、を有し、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における一方の端部に配置された複数の吐出口と、前記第2の吐出口列群の前記所定方向における他方の端部に配置された複数の吐出口と、が前記交差方向に並び、記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部を形成するように、前記第1、第2の吐出口列群が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドと、前記記録媒体と、を前記交差方向に移動させながら、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置されたN個の吐出口列のそれぞれにおける前記記録媒体上の複数の画素相当の画素領域のそれぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める記録データにしたがってインクを吐出してドットを記録することにより前記記録媒体上に画像を記録するために、前記記録媒体上に記録する画像に対応する画像データを処理する画像処理方法であって、
    前記画像データに基づいて前記記録媒体上に記録するドットを定めるドット記録用データを取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれの前記N個の吐出口列に分配することにより前記記録データを生成する分配工程と、を有し、
    前記分配工程は、前記取得工程により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データに関し、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第2の吐出口列群側のK(K<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記K個の吐出口列以外のN−K個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高く、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第1の吐出口列群側のL(L<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記L個の吐出口列以外のN−L個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする画像処理方法。
  15. 画像を記録する画像記録装置であって、
    所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記所定方向と交差する交差方向に並んで配置された第1の吐出口列群と、前記所定の色のインクを吐出するための複数の吐出口が前記所定方向に配列されたN個の吐出口列が前記交差方向に並んで配置された第2の吐出口列群と、を有し、前記第1の吐出口列群の前記所定方向における一方の端部に配置された複数の吐出口と、前記第2の吐出口列群の前記所定方向における他方の端部に配置された複数の吐出口と、が前記交差方向に並び、記録媒体上の同一の領域に記録可能な重複部を形成するように、前記第1、第2の吐出口列群が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドと、
    前記記録媒体上に記録する画像に対応する画像データに基づいて前記記録媒体上に記録するドットを定めるドット記録用データを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列それぞれに分配することにより、前記第1、第2の吐出口列群それぞれのN個の吐出口列における前記記録媒体上の複数の画素相当の画素領域のそれぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める記録データを生成する分配手段と、
    前記記録媒体と、を前記交差方向に移動させながら、前記分配手段によって生成された記録データにしたがって、前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列からインクを吐出する制御手段とを有し、
    前記分配手段は、前記取得手段により取得された前記ドット記録用データのうちの前記重複部に対応する前記ドット記録用データに関し、(i)前記第1の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第2の吐出口列群側のK(K<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記K個の吐出口列以外のN−K個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高く、且つ、(ii)前記第2の吐出口列群に配置された前記N個の吐出口列のうちの前記交差方向において前記第1の吐出口列群側のL(L<N)個の吐出口列それぞれにおける記録比率が、いずれも前記L個の吐出口列以外のN−L個の吐出口列それぞれにおける記録比率よりも高くなるように、前記重複部に対応する前記ドット記録用データを前記第1、第2の吐出口列群それぞれに配置された前記N個の吐出口列に分配することを特徴とする画像記録装置。
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