JP2016101708A - 撥液性包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも少ない工程数で優れた撥液性と熱接着性とを両立し、なおかつ簡便なプロセスで製造できる撥液性包装材料を提供することを目的とする。【解決手段】基材12の一方の面にヒートシール層13と撥液層14とが順次積層されてなる撥液性包装材料11であって、前記撥液層14は、シリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物から形成され、かつ、該シリコン含有高分子が微細な粗密形態であることを特徴とする撥液性包装材料11である。【選択図】図1
Description
本発明は、主として食品の包装材料として用いられる、撥液性を有する包装材料に関わるものである。
食品の包装材料としては従来より種々の方式のものが知られており、またその内容物も、例えば飲料、調味料、ヨーグルト、カレールー、ゼリー、プリン、などのように液体、ゾル、ゲル、固体、などさまざまな形態のものがある。
このような食品の包装材料においては、開封時に内容物を速やかに取り出すことができ、なおかつその内容物が包装材料内部に残らないように、優れた撥液性を有することが好ましい。包装材料の撥液性が十分でないと、取り出し後に内容物が包装材料内部に残ってしまい無駄が生じる。また、包装材料の分別廃棄やリサイクルの際に、内容物が包装材料内部に残った状態では洗浄などの手間がかかる。さらに開封時および取り出しの際に、人体、衣服、食器、調理器具、家具などを汚損する可能性がある。
その一方で、このような包装材料は、包装材料どうしを熱接着で製袋して容器とする、あるいは紙または樹脂製の容器の蓋材として、包装材料と容器を熱接着で貼り合わせる、などのように使用されるため、優れた熱接着性を有することが好ましい。
しかしながら、優れた撥液性と熱接着性を両立することは容易ではない。例えば、包装材料の表面にフッ素樹脂やシリコーンを成膜することにより撥液性を付与できるが、このような場合には熱接着性が乏しくなる。
これに対して特許文献1の内容物付着防止蓋材においては、基材層の表面に中間樹脂層および熱封緘層が形成されている。熱封緘層の外面には多数の微小突起が形成されており、この微小突起を覆うように疎水性微粒子からなる付着防止層が形成されている。
特許文献1の内容物付着防止蓋材においては、疎水性微粒子が熱封緘層外面の微小突起を薄く覆う程度以下の量で均一に成膜されているため、熱封緘層の熱接着性を損なうことなく、かつ同時に優れた撥液性を発揮することが可能である。
しかしながらこの場合、疎水性微粒子を均一に成膜するため、いったん疎水性微粒子の分散液を熱封緘層外面の微小突起表面に過剰量塗布したのち、塗布された分散液の一部をドクターナイフで掻き取り除去している。したがって、疎水性微粒子を溶媒に溶解して分散させる工程と、疎水性微粒子の分散液を過剰量塗布する工程と、塗布された分散液の一部を掻き取り除去する工程、を含むため、製造工程が煩雑になることが懸念される。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、従来よりも少ない工程数で優れた撥液性と熱接着性とを両立できる撥液性包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、基材の一方の面にヒートシール層と撥液層とが順次積層されてなる撥液性包装材料であって、
前記撥液層は、シリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物から形成され、
かつ、該シリコン含有高分子が微細な粗密形態で形成されていることを特徴とする撥液性包装材料である。
前記撥液層は、シリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物から形成され、
かつ、該シリコン含有高分子が微細な粗密形態で形成されていることを特徴とする撥液性包装材料である。
本発明によれば、ヒートシール層の上に、撥液性を有するシリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物を用いて撥液層を形成することで、
撥液層中のシリコン含有高分子を微細に粗密化して凹凸形状に形成することができる。従って、ヒートシール加工して包装体を形成する際に、ヒートシール部に相当する領域では撥液層中のシリコン含有高分子の粗の部分に位置するシートシール層は、撥液性に阻害されることなく包装体として十分なヒートシール強度を付与することができる。
撥液層中のシリコン含有高分子を微細に粗密化して凹凸形状に形成することができる。従って、ヒートシール加工して包装体を形成する際に、ヒートシール部に相当する領域では撥液層中のシリコン含有高分子の粗の部分に位置するシートシール層は、撥液性に阻害されることなく包装体として十分なヒートシール強度を付与することができる。
一方、包装体の内面は撥液層中のシリコン含有高分子を微細に粗密化して凹凸形状に形成させているため、液状の内容物を充填する際の内容物の付着を防ぎ、また開封後に内容物を取り出す際にも包装体の内面への付着残留を抑制でき、またさらには蓋材として用いても、従来のような付着による諸問題を抑制することができる。
以下に、本発明の撥液性包装材料について具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の撥液性包装材料11は、基材12の一方の面にヒートシール層13、撥液層14を順次積層してなるものである。
本発明に係る基材12は、包装材料として求められる物理的強度及び化学的強度を備えているものであれば用いることができ、例えば紙、樹脂フィルム、金属箔を単体で用いても良く、またこれらの材料を積層して用いることもできる。
ヒートシール層13を形成する材料としては、公知のシーラント材、ホットメルト接着剤、熱可塑性樹脂など加熱、加圧により接着性を呈する材料及びそれを含有する組成物
であれば特に限定するものではなく、用途に応じて適宜用いることができる。
であれば特に限定するものではなく、用途に応じて適宜用いることができる。
ヒートシール層13を形成する方法としては、例えば熱可塑性樹脂など加熱、加圧により接着性を呈する材料を含有する組成物(いわゆる塗工液)も用いた場合には、前記基材12の表面にバーコート、スピンコート、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェットなどの公知の塗布方法を用いることができる。また、ホットメルト接着剤などの常温固体の材料を用いる場合には、加熱溶融させた状態で公知の方法にて塗布することができる。
次に、撥液層14について以下に説明する。
本発明に係る撥液層14は、包装体に充填される液体、ゾル、ゲル等の形態からなる内
容物が包装体に付着することを抑制する撥液する(前記内容物をハジク性質)性質を呈することを特徴としている。
容物が包装体に付着することを抑制する撥液する(前記内容物をハジク性質)性質を呈することを特徴としている。
具体的には、撥液層14はシリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物から形成され、かつ、該シリコン含有樹脂が微細な粗密形態であることを特徴とする。
前記シリコン含有高分子とは、上記で説明した撥液性を付与するものであり、分子構造の中にシリコン原子を含んだ高分子である。例えばシリコンエポキシ樹脂、シリコンアクリル樹脂、シリコンアルキド樹脂、などが挙げられる。
また、前記シリコン含有高分子に対して良溶媒とは親和性を有する溶媒であり、溶解度が高く前記シリコン含有高分子を溶解するか、または均一に安定して分散するかのいずれかの性質を有する。例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n‐ヘキサン、n‐ヘプタン、メチルエチルケトン、などのような無極性溶剤が挙げられる。
一方、前記シリコン含有高分子に対して貧溶媒とは親和性が極めて小さい溶媒であり、溶解度が低く前記シリコン含有高分子を安定して分散することのできない、すなわち前記シリコン含有高分子が凝集する性質を有する。例えば、メタノール、エタノール、グリセリン、水、などのような極性溶剤が挙げられる。
但し、実際には良溶媒と貧溶媒とが相互に溶解するような組み合わせ、例えばトルエンとメタノール、メチルエチルケトンと水、のような組み合わせを選択する必要がある。
シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物は、適正な良溶媒と貧溶媒との配合比を選定することにより、塗液としては安定した分散液として調整することができる。
この安定した分散液を前記ヒートシール層13上に塗布し乾燥することでシリコン含有高分子が微細に粗密化した凹凸形状が形成される。これにより従来よりも少ない工程で撥液層14を形成することができる。
撥液層14を形成するための前記分散液の塗布方法としては、バーコート、スピンコート、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェットなどの公知の技術を用いることができる。
このように本発明の撥液性包装材料は撥液性と熱接着性とを両立した上に、例えば特許文献1に記載の内容物付着防止蓋材の製造方法と比較して、塗布された溶液の掻き取りの工程を省くことができ、かつ原材料の使用量や製造コストの低減が期待できる。
本発明に係る撥液層14の特徴は上記で説明したように、撥液層14の微細な膜厚の粗密によりヒートシール層13の表面を完全に被覆するのではなく、図1に示すようにヒートシール層13の表面の一部を覆うように成膜されている。このような構造を有することによって、熱接着を行う際にヒートシール層13の材料が撥液層14の隙間から包装材料11の最外面に染み出してくる。これにより、ヒートシール層13による熱接着性と撥液層14が同時に発揮される。
撥液層14の成膜の際、適当なシリコン含有高分子を用いることによって撥液層14の撥液性を高めることができる。シリコン含有高分子を選定する方法として、例えば対象とする内容物が油分を含む食品である場合には、シリコン含有高分子を単独で塗布、乾燥さ
せて成膜し、その膜が対オレイン酸に高い撥液性を示す場合には有効であると判断でき、用いることが好ましい。
せて成膜し、その膜が対オレイン酸に高い撥液性を示す場合には有効であると判断でき、用いることが好ましい。
また、シリコン含有高分子の良溶媒と、シリコン含有高分子の貧溶媒との比率を適宜調整することにより、溶液中におけるシリコン含有高分子の凝集の度合いを制御できる。このような溶液を塗布することで、ヒートシール層13の表面上に撥液層14を、その凝集の度合いを制御して成膜できる。これにより熱接着性と撥液性のバランスを制御することが可能になる。例えば、ヒートシール層13の表面において撥液層14を構成するシリコン含有高分子の凝集の度合いが大きい場合には、熱接着の際にヒートシール層13の材料の包装材料11の最外面への染み出しが抑制されるため、包装材料11の撥液性は比較的強く、熱接着性は比較的弱くなる。逆に撥液層14を構成するシリコン含有高分子の凝集の度合いが小さい場合には、包装材料11の撥液性は比較的弱く、熱接着性は比較的強くなる。
さらに、シリコン含有高分子、シリコン含有高分子の良溶媒、シリコン含有高分子の貧溶媒、の組み合わせにより、これらを用いて成膜される撥液層14の撥液性を高めることが可能である。例えばシリコン含有高分子に疎水性の官能基と親水性の官能基の両方を含む高分子を、良溶媒にメチルエチルケトンを、貧溶媒に水を、それぞれ用いた場合、シリコン含有高分子が凝集を引き起こす際に水分子を核としてその周囲を親水性の官能基が取り囲み、一方で疎水性の官能基が凝集体の外側に配向した構造になる。このような構造のシリコン含有高分子の凝集体を含む溶液を塗布することで、ヒートシール層13の表面上に、疎水性の官能基が凝集体の外側に配向した構造を有する撥液層14を成膜することができ、撥液性の向上につながる。
また、ヒートシール層13の表面に撥液層14を成膜する際、図2に示すようにあらかじめヒートシール層13に微細な凹凸15が形成されていると、凹凸15の存在による物理的な撥液性の効果と、撥液層14の存在による化学的な撥液性の効果との組み合わせにより、包装材料として用いた際の撥液性がより高まるので好ましい。
微細な凹凸15を形成する際には、フォトリソグラフィー、エッチング、レーザー加工、切削加工、ブラスト、鋳型を用いた形状転写、などのような公知の技術を適宜用いてよい。また、図2に示したように基材12の表面に凹凸15を形成した後でヒートシール層13を成膜してもよいし、基材12の表面にヒートシール層13を成膜した後で凹凸15を形成してもよい。
また、微細な凹凸15の形状については、円錐、四角錐、四角柱などの規則的な構造を形成してもよいし、円形あるいは矩形の穴を形成してもよい。あるいは、適当な面粗さを持った不規則な凹凸面を形成してもよい。
また、ヒートシール層13の表面上に撥液層14を成膜する際、スプレーコート法を用いて成膜すると、シリコン含有高分子の溶液がスプレーコートのノズルから噴射されてからヒートシール層13の表面に着滴するまでの間に、シリコン含有高分子の良溶媒が揮発し、シリコン含有高分子とシリコン含有高分子の貧溶媒がヒートシール層13の表面に成膜される。このとき貧溶媒中でシリコン含有高分子は凝集しているため、ヒートシール層13の表面にシリコン含有高分子の凝集体からなる撥液層14を確実に成膜できるので好ましい。
本発明の技術を用いることで、優れた撥液性と熱接着性とを両立し、なおかつ製造プロセスが簡便であって、均一な撥液性を有する包装材料を製造できる。本発明に記載の撥液
性を有する包装材料は、飲料、調味料、ヨーグルト、カレールー、ゼリー、プリン、などの種々の食品の包装材料としての利用が期待できる。
性を有する包装材料は、飲料、調味料、ヨーグルト、カレールー、ゼリー、プリン、などの種々の食品の包装材料としての利用が期待できる。
11……包装材料
12……基材
13……ヒートシール層
14……撥液層
15……凹凸
12……基材
13……ヒートシール層
14……撥液層
15……凹凸
Claims (1)
- 基材の一方の面にヒートシール層と撥液層とが順次積層されてなる撥液性包装材料であって、
前記撥液層は、シリコン含有高分子と該シリコン含有高分子に対する良溶媒と貧溶媒とを含む組成物から形成され、
かつ、該シリコン含有高分子が微細な粗密形態で形成されていることを特徴とする撥液性包装材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014241260A JP2016101708A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 撥液性包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014241260A JP2016101708A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 撥液性包装材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016101708A true JP2016101708A (ja) | 2016-06-02 |
Family
ID=56088569
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JP2014241260A Pending JP2016101708A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 撥液性包装材料 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016101708A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022501273A (ja) * | 2018-08-03 | 2022-01-06 | クライオバック・エル・エル・シー | 包装用超疎水性熱可塑性フィルム |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014241260A patent/JP2016101708A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022501273A (ja) * | 2018-08-03 | 2022-01-06 | クライオバック・エル・エル・シー | 包装用超疎水性熱可塑性フィルム |
JP7253036B2 (ja) | 2018-08-03 | 2023-04-05 | クライオバック・エル・エル・シー | 包装用超疎水性熱可塑性フィルム |
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