JP2016100180A - 発熱ユニット及びこれを備えたウエハ加熱ヒータ - Google Patents

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Keiji Kitabayashi
桂児 北林
成伸 先田
Shigenobu Sakita
成伸 先田
晃 三雲
Akira Mikumo
晃 三雲
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Abstract

【課題】 昇降温を繰り返してもシワが入りにくく且つ取扱いが容易な抵抗発熱体を提供する。【解決手段】 半導体ウエハの加熱に使用される例えば金属製の円板状部材とセラミックス製の円板状部材とを備えたウエハ加熱ヒータであって、ポリイミドシートに抵抗発熱体が付着した構成の発熱ユニット3と、その少なくとも前記抵抗発熱体が付着している側の面に付着することなく当接している絶縁シート9aとを有する。絶縁シート9aは熱伝導率が1W/m・K以上であるのが好ましく、また、抵抗発熱体とポリイミドシートとは互いに熱溶着されているのが好ましい。【選択図】 図1

Description

本発明は、ウエハ載置面に載置された半導体ウエハをその下面から加熱するウエハ加熱ヒータに設けられる発熱ユニットに関する。
LSIなどの半導体デバイスの製造工程では、半導体ウエハに対して成膜やエッチングなどの様々な処理が施される。これらの処理はウエハの加熱工程を伴うことが多く、その場合はウエハを載置面に載置してその下面側から加熱するサセプタとも称されるウエハ加熱ヒータが一般に用いられている。ウエハ加熱ヒータは、例えばウエハのフォトリソグラフィーに使用されるコータデベロッパ、半導体検査用に使用されるウエハプローバ、成膜に使用されるCVD装置等の半導体製造装置に搭載されている。
コータデベロッパでは、ウエハの表面にレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィー用のチャンバー内に搬送される。このチャンバー内にウエハ加熱ヒータが設置されており、ウエハ加熱ヒータを構成するウエハ載置台の上にウエハを搭載して下からの加熱によりレジスト膜を乾燥した後、露光や現像などの処理が施される。これによりレジスト膜のパターニングが行われる。
上記したウエハ処理では、ウエハ面の温度分布をできるだけ均一にした状態で処理が行われるのが望ましく、熱伝導率の高い金属板の内部に抵抗発熱体回路が埋設されたウエハ加熱ヒータが用いられていた。しかし、金属板は厚み方向に温度差が生じると反りやすいため、ウエハ載置面の平面度を維持するのが困難であるという問題をかかえていた。そこで、例えば特許文献1に示すように、シート状の抵抗発熱体回路を金属製のウエハ載置台とヤング率の高いセラミックス製の支持板とで挟み込んだ構造にすることでウエハ載置面の平面度を維持しつつウエハ載置面の面方向の温度分布を均一に保つ技術が提案されている。
特開2011−222257号公報
近年の電子機器の高機能化に伴ってウエハの微細加工技術は日々進化しており、上記したウエハ処理の際のウエハ面にはますます高い均熱性が求められている。そのため、上記したウエハ載置台と支持板とで挟持される抵抗発熱体にもより微細な回路パターンを有するものを用いる場合が多くなっている。しかし、抵抗発熱体は回路パターンが細かくなればなるほど昇降温を繰り返しているうちにシワが入りやすく、また、組み立てやメンテナンスの際の抵抗発熱体の取扱いに手間取っていた。本発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、昇降温を繰り返してもシワが入りにくく且つ取扱いが容易な抵抗発熱体を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明のウエハ加熱ヒータは、ポリイミドシートに抵抗発熱体が付着した構成の発熱ユニットと、その少なくとも前記抵抗発熱体が付着している側の面に付着することなく当接している絶縁シートとを有している。
本発明によれば、昇降温を繰り返してもシワが入りにくく且つ取扱いが容易になる。
本発明の発熱ユニットを有するウエハ加熱ヒータの一具体例を示す縦断面図である。 本発明の発熱ユニットを有するウエハ加熱ヒータの他の具体例を示す縦断面図である。 実施例で作製した図1のウエハ加熱ヒータのIII−III矢視図である。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の実施形態のウエハ加熱ヒータは、ポリイミドシートに抵抗発熱体が付着した構成の発熱ユニットと、その少なくとも前記抵抗発熱体が付着している側の面に付着することなく当接している絶縁シートとを有している。これにより、昇降温を繰り返しても抵抗発熱体にシワが入りにくく且つウエハ加熱ヒータの作製やメンテナンスの際の抵抗発熱体の取扱いが容易になる。
上記本発明の実施形態のウエハ加熱ヒータは、絶縁シートの熱伝導率が1W/m・K以上であるのが好ましい。これにより、ウエハ載置面において高い均熱性を確保することが可能になる。また、抵抗発熱体と前記ポリイミドシートとが互いに熱溶着されているのが好ましい。これにより、製品ごとのバラツキの少ないウエハ加熱ヒータを比較的低コストで作製することが可能になる。また、上記本発明の実施形態のウエハ加熱ヒータは、金属製の円板状部材とセラミックス製の円板状部材とを更に有し、これら両円板状部材によって発熱ユニット及び前記絶縁シートが挟持されているのが好ましい。これにより、半導体ウエハが載置される載置面の平面度をより高めることが可能になる。
次に、図1を参照しながら本発明の発熱ユニットを有するウエハ加熱ヒータの一具体例について説明する。この図1に示すウエハ加熱ヒータは、ウエハ載置面1aを上面に備えた金属製の円板からなるウエハ載置板1と、このウエハ載置板1の下面を略全面に亘って摺動自在に支持するセラミックス製の円板からなる支持板2と、この支持板2の下側に位置する金属製の保持部材7とを有している。そして、これらウエハ載置板1と保持部材7とは、ウエハ載置板1の載置面の周方向に略均等に配置された複数の第2結合部材8で互いに結合されている。
ここで略均等に配置あるいは後述する等配とは、厳密に等間隔に配置する場合のみならず本発明の効果を奏する範囲で概ね等間隔とみなされるように配置する場合を含むことを意味している。また、略全面に亘って支持とは、ウエハ載置板1の下面はできるだけ全面に亘って支持するのが好ましいが、ウエハ載置板1の下面に設けられるネジ穴や必要に応じて取り付ける温度センサ等の設置用ザグリ穴等は支持される面から除かれることを意味している。
支持板2の下側には、この支持板2と略同じ外径を有する金属製の円板からなる押え板4が設けられている。これら支持板2と押え板4とによって、円板状の発熱ユニット3及び該発熱ユニット3の上下面にそれぞれ付着することなく当接する1対の円板状の絶縁シート9a、9bが挟持されている。これら発熱ユニット3、1対の絶縁シート9a、9b及び押え板4には下から見た同じ位置に貫通孔が設けられており、この貫通孔に下側から挿通されるネジ等の第1結合部材5が、支持板2の下面側に設けられたネジ穴に螺合している。これにより支持板2と押え板4とが互いに結合されている。
支持板2において第2結合部材8が貫通している部分は、第2結合部材8の外径よりも大きな内径を有する貫通孔2aが設けられている。これにより、ウエハ加熱ヒータの昇温時や降温時にウエハ載置板1と支持板2との熱膨張係数の差に起因してウエハ載置板1と支持板2との対向面の方向に応力が働いた時に、当該対向面で摺動させることが可能になる。
発熱ユニット3、1対の絶縁シート9a、9b及び押え板4において第2結合部材8が貫通している部分は、上記の支持板2の貫通孔2aの内径よりも大きな内径を有する貫通孔が設けられている。このように、貫通孔の内径が異なることで下側に露出する支持板2の貫通孔2aの周縁部に、保持部材7の上面に設けられた筒状の柱状部材6の上端面が当接している。この柱状部材6の高さは、発熱ユニット3、1対の絶縁シート9a、9b及び押え板4を合計した厚みよりも大きく、そのため、保持部材7の上面と押え板4の下面とは離間している。
ウエハ載置板1の材質は金属であれば特にその種類を問わないが、100W/m・K以上の熱伝導率を持つ金属であることがより好ましい。例えばウエハ加熱ヒータを良好な昇温特性が必要とされる半導体製造装置のコータデベロッパに使用する場合は、ウエハ載置板1の材質に熱容量が比較的小さく且つ軽量で安価なアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することが好ましい。保持部材7は、このウエハ載置板1の材質が有する熱膨脹係数と略同等の熱膨張係数を有する材質で形成するのが好ましい。ウエハ載置板1と保持部材7の温度が大きく異なるような使用の場合、熱膨張量が略同等であるように材質を選ぶのがさらに好ましい。
支持板2を形成するセラミックスは、ウエハ載置面での高い平面度を担保するため高いヤング率を有しているのが好ましく、また、100W/m・K程度以上の高い熱伝導率を有しているのが好ましい。更に、5E−6/K程度以下の低い熱膨張率を有しているのが好ましい。これらの要件を満たす材料としては、例えば窒化アルミニウムや炭化ケイ素、あるいは、炭化ケイ素などのセラミックとシリコンとの複合体を挙げることができる。
第2結合部材8の材質は特に制約がなく、銅、コバール、ステンレス、チタン、タングステン等の金属を使用することができるが、その熱膨張係数が上記したウエハ載置板1及び保持部材7の熱膨張係数と略同等であるのが好ましい。これにより、温度変化が生じた時にウエハ載置板1や保持部材7に第2結合部材8から過大な軸力がかかることを避けることができ、ウエハ載置板1の載置面での反りを抑えることができる。
温度変化が生じてもウエハ載置面において高い平面度を維持するには、温度によるウエハ載置板1の反りを抑えることが必要であり、前述したようにウエハ載置板1と保持部材7とをウエハ載置板1の載置面の周方向に略均等に配置された複数の第2結合部材8で互いに結合することで、ウエハ載置板1に温度変化により厚み方向の応力がかかっても金属に比べて著しく平面度に優れたセラミックス製の支持板2の上面にウエハ載置板1の下面を密着させておくことが可能になる。
すなわち、支持板2がウエハ載置板1に対して互いの対向面に垂直な方向に押圧されていることで、温度変化による応力がかかった場合でも該対向面を密着させておくことが可能となる。この意味において結合部材の配置は上記の配置に限定されない。結合部材は載置面の周方向に均等に配置される方が、押圧力が均等にかかりやすい点で好ましい。さらに、ウエハ載置板1と保持部材7との材質を同程度の熱膨脹量を有する金属にすることで、加熱時に下に凸状に変形させるウエハ載置板1の応力を、上に凸状に変形させる保持部材7の応力で緩和することができる。
柱状部材6の材質は特に制約はないが、優れた断熱性と高い剛性を有するものがより好ましい。具体的には、熱伝導率が低く且つヤング率の高いステンレスやコバールなどの金属でもよいし、アルミナやムライトアルミナ、窒化ケイ素などのセラミックスでもよい。このように、断熱性に優れた材料で柱状部材6を形成することによって、ウエハ加熱ヒータを断熱性に優れたものにすることができる。
発熱ユニット3は、パターニングされた金属箔からなる抵抗発熱体回路がポリイミドシートの片面に付着した構成になっている。金属箔の材料には、ニッケル、ステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロムなどの金属やそれらの合金を使用することができるが、これら金属材料の中では、ステンレスまたはニクロムが好ましく、ステンレスが特に好ましい。ステンレスやニクロムは安価な上、耐酸化性を有するので使用温度が高温であっても長期間の使用に耐えることができるからである。
また、ステンレス箔やニクロム箔であれば、一般的なエッチングなどの手法により微細な抵抗発熱体回路のパターンを精度良く形成することができる。例えば、所定の大きさのポリイミドフィルムに同サイズのステンレス304箔を重ねて熱プレスすることでポリイミドを304箔に熱溶着させ、得られた2層一体化構造のフィルムのステンレス304箔側にフォトレジスト法により回路パターンを有するエッチングマスクを形成し、このエッチングマスクから露出するステンレス304箔のみをエッチングにより除去し、最後にボルト挿通孔等を有する所望の円板形状にプレスで打抜けばよい。そして、抵抗発熱体回路の両端部に通電用の引き出し線を取り付けることで発熱ユニット3を作製することができる。なお、上記した2層一体化構造のフィルムは、上記した熱プレスによる溶着のほか、接着剤を用いた接着で形成してもよいし、金属箔の表面にポリアミド酸溶液を塗布した後、イミド化することで形成してもよい。
この発熱ユニット3の抵抗発熱体回路への通電量は、ウエハ載置台に設けた熱電対などの温度センサと、該温度センサからの信号に基づいて最適な通電量を演算するコントローラとで構成される制御系によって制御することができ、これによりウエハ載置面の温度を良好に制御することが可能になる。また、ウエハ載置面1aの半径方向や周方向において区分された各ゾーンごとに1つの抵抗発熱体回路を有するようにパターニングしてもよい。
上記発熱ユニット3を上下から挟み込む1対の絶縁シート9a、9bの材質は、耐熱性を有し且つ電気的な絶縁性を有する部材であれば特に制約はなく、例えばマイカ、ポリイミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。1対の絶縁シート9a、9bは、特に熱伝導率が1W/m・K以上であるのが好ましく、3W/m・K以上であるのがより好ましく、5W/m・K以上であるのが最も好ましい。これによりウエハ載置面1aにおいてより高い均熱性を得ることが可能になる。また、昇降温速度を高めることができるので、温度制御におけるレスポンスを速めることも可能になる。なお、樹脂で抵抗発熱体を挟み込む場合、抵抗発熱体で発生した熱をよりスムースに支持板2に伝えるために、樹脂中にフィラーを分散させてもよい。このような熱伝導を高める役割を担うフィラーには、樹脂との反応性が無ければ種々のものを使用してよい。例えば、窒化硼素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカ、カーボンなどの物質を使用することができる。
このように、本発明の発熱ユニットは、パターニングされた金属箔からなる抵抗発熱体回路がポリイミドシートの片面に付着した構造になっているので、微細な抵抗発熱体回路において昇降温が繰り返されてもポリイミドシートがバックアップとなって抵抗発熱体回路を補強するのでシワが入りにくく、且つウエハ加熱ヒータの作製時やメンテナンス時において2層一体化構造のまま抵抗発熱体回路を取り扱うことができるので、極めて取扱いが容易になる。なお、発熱ユニットにおいて抵抗発熱体回路側の面は上を向いていてもよいし、下を向いていてもよい。また、上記したように絶縁シートを発熱ユニット3の上下面に当接させる代わりに、発熱ユニット3において抵抗発熱体が付着している側の面にのみ当接させてもよい。
次に、図2を参照しながら本発明の発熱ユニットを有するウエハ加熱ヒータの他の具体例について説明する。この図2のウエハ加熱ヒータは、発熱ユニット3が支持板2の下面側に位置している上記した図1のウエハ加熱ヒータの構造に代えて、発熱ユニット13が支持板12の上面側に位置している。すなわち、ウエハ載置板11と支持板12とによって、発熱ユニット13及びその上下面にそれぞれ付着することなく当接する1対の絶縁シート19a、19bが挟持されており、これにより上記した制御系によるウエハ載置面の温度制御の応答性をより高めることができる。
更に、この図2のウエハ加熱ヒータでは、図1に示す押え板4及びこれを支持板2に取り付ける第1結合部材5が不要になるので、ウエハ加熱ヒータの構成を簡素化してコストを抑えることも可能になる。ただし、発熱ユニット13を挟持する1対の絶縁シート19a、19bは比較的軟らかい材料で形成されているので、ウエハ載置板11のウエハ載置面11aでの平面度は、わずかではあるがこの1対の絶縁シート19a、19bの影響を受けるおそれがある。
以上、本発明の発熱ユニットについて、これを有する複数のウエハ加熱ヒータの具体例を挙げて説明したが、本発明はかかる具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で種々の代替例や変形例を考えることができる。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
図1及び図3に示すようなウエハ加熱ヒータを作製してウエハ載置面の均熱性を評価した。具体的には、先ずウエハ載置板1として、Cu製の外径300mm、厚み10mmの円板を用意し、図3に示すように、そのウエハ載置面となる上面とは反対側の下面のP.C.D.240mmの位置に12等配のM4タップを施し、更にP.C.D.100mmの位置に4等配のM4タップを施した。支持板2として、Si50SiC50(以下、SiSiCと称する)製の外径280mm、厚み5mmの円板を用意し、そのP.C.D.240mmの位置に12等配の内径8mmの貫通孔を穿設し、更にP.C.D.100mmの位置に4等配の内径8mmの貫通孔を穿設した。また、P.C.D.260mmの位置に12等配のM4タップを施し、P.C.D.150mmの位置に8等配のM4タップを施した。
次に、400mm□、厚み0.05mmのポリイミドフィルムに同サイズで厚み0.02mmのステンレス304箔を熱プレスにより一体化させたフィルムを準備し、そのステンレス箔側にフォトレジスト法により所定の回路パターンを有するエッチングマスクを形成し、一般的なエッチング液を用いてエッチングマスクから露出しているステンレス箔のみをエッチングした。その後、ボルト挿通孔及び測温センサの取り出し用孔を有する外径280mmの円板状になるようにプレス加工にて打抜いた。これにより、金属箔をパターニングしてなる抵抗発熱体回路がポリイミドシートの片面に付着した構造の発熱ユニット3を作製した。更に、1対の絶縁シート9a、9bとして、外径280mm、厚み0.5mmのシリコーン樹脂シートを2枚準備した。これら1対の絶縁シート9a、9bにはセラミックスフィラーが含浸されたタイプを使用し、熱伝導率が5W/m・Kになるようにした。これら1対の絶縁シート9a、9bを、上記発熱ユニット3のウエハ載置面側の上面と、該ウエハ載置面側とは反対側の下面とにそれぞれ付着することなく当接させることで重ね合わせた。
押さえ板4として、SUS304製の外径280mm、厚み2mmの円板を用意し、そのP.C.D.240mmの位置に12等配の内径14mmの貫通孔を穿設し、P.C.D.100mmの位置に4等配の内径14mm貫通孔を穿設し、P.C.D.260mmの位置に12等配の内径4.4mmの貫通孔を穿設し、P.C.D.150mmの位置に8等配の内径4.4mmの貫通孔を穿設した。第一結合部材5として、ステンレス製の首下6mmのM4ねじ20本を用意し、これらを発熱ユニット3およびこれを上下から挟持する1対の絶縁シート9a、9b、ならびに押さえ板4の各々の内径4.4mmの貫通孔に通して支持板2のM4タップにネジ止めした。
柱状部材6として、アルミナ製の外径12mm、内径8mm、高さ14mmのパイプを16本用意した。保持部材7としてA5052製の外径260mm、厚み3mmの円板を用意し、そのP.C.D.240mmの位置に12等配の内径4.4mmの貫通孔を穿設し、P.C.D.100mmの位置に4等配の内径4.4mmの貫通孔を穿設した。締結用ネジである第二結合部材8としてステンレス製の首下26mmのM4ネジ16本を用意した。これら第二結合部材8を支持板2、発熱ユニット3およびこれを上下から挟持する1対の絶縁シート9a、9b、押さえ板4、柱状部材6、ならびに保持部材7の各々の貫通孔に通して、ウエハ載置板1のM4タップにネジ止めした。また、発熱ユニット3の抵抗発熱体回路の両終端部に給電ケーブルを取り付け、さらにウエハ載置板1には、温度をモニタするための温度センサを埋設した。このようにして試料1のウエハ加熱ヒータを作製した。
比較のため、2層一体化構造の発熱ユニット3に代えて、厚み0.02mmのステンレス箔単体をエッチングして回路パターンを形成した抵抗発熱体を用いた以外は上記試料1と同様にして試料2のウエハ加熱ヒータを作製した。また、2層一体化構造の発熱ユニット3およびこれを上下から付着することなく当接させた状態で挟持するシリコーン樹脂に代えて、上記試料2と同様にして作製した抵抗発熱体を厚み0.05mmの2枚のポリイミドフィルムで挟持させて熱圧着したものを用いた以外は上記試料1と同様にして試料3のウエハ加熱ヒータを作製した。これら試料1〜3のウエハ加熱ヒータの構成を下記表1に示す。
Figure 2016100180
これら試料1〜3のウエハ加熱ヒータの各々についてヒータ作製時の作製誤差や組み立て時の位置ずれ等によって生じ得る性能のバラつきを調べるため、各ヒータは3台ずつ製作した。そして、各々を150℃まで昇温させた後、150℃で1時間の保持させた時の定常状態でのウエハ載置面の温度を複数の測温センサが埋設されたウエハ温度計を用いて計測し、その最大温度から最小温度の差を均熱レンジ(℃)として算出した。この結果を下記表2に示す。
Figure 2016100180
上記表2から分かるように、比較例である試料2はバラつきが一番大きくなったが、温度分布の詳細を確認するとウエハ加熱ヒータごとに分布が異なっており、3台目では給電部近傍の温度が特に高くなっていた。ウエハ加熱ヒータを解体して調査したところ、何れのヒータもステンレス箔に折れ目が入っていた。この折り目によって局所的に絶縁シートとの間に空隙が生じ、当該空隙部で熱がこもり分布に乱れが生じていたものと推定される。3台目は更に給電端子部のステンレス箔にも折れ目が認められた。これにより給電端子との良好な接触が得られなくなって接触抵抗による異状過熱が生じ、均熱分布を乱していたものと推測される。これら折れ目は、0.02mmという非常に薄いステンレス箔のハンドリング時に付いたものと推定される。
比較例である試料3は全体的に均熱レンジが大きめの結果となった他、バラつきは試料2の次に大きかった。ウエハ加熱ヒータを解体して調査したところ、発熱ユニットのPIフィルムの表面に局所的な擦り傷が認められた。この擦り傷は、3台全てに於いて確認されたが、面内で傷の付いた部位が各々異なっていた。その理由は、ポリイミド層と抵抗発熱体とを熱圧着した場合は、ポリイミド層側に抵抗発熱体の回路パターンによる凹凸が元々生じているが、これに加えて熱圧着した時に生ずる僅かな反りや、該ポリイミド層が当接する支持板や押さえ板の当接面の平面度等のバラつきにより、接触状態が局所的にバラついた結果によるものと推定される。なお、長期的にはこの擦り傷が絶縁シートの破壊に到る危険性も懸念される。
これらに対して本発明の実施例である試料1に於いては、比較例の試料1〜2に比べて均熱レンジが全て小さいうえに3台のバラつきも小さく、良好な温度分布の結果が得られた。試料1では抵抗発熱体の片面にポリイミドフィルムが圧着されているので、試料2において生じたハンドリング性の問題は生じず、抵抗発熱体に局部的な折れが発生しなかった。また、シリコーン樹脂からなる絶縁シートを発熱ユニットの上下に付着させずに当接させることにより柔軟なシリコーン樹脂を比較的自在に変形させることが可能になって、パターニングによる僅かな凹凸によって生じる空隙を、かかる柔軟なシリコーン樹脂によって埋めることができた。上記の理由によりウエハ面の全面に亘って良好な接触性を実現でき、その結果優れた均熱性が得られたと考えられる。
1、11 ウエハ載置板
1a、11a ウエハ載置面
2、12 支持板
3、13 発熱ユニット
4 押え板
5 第1結合部材
6、16 柱状部材
7、17 保持部材
8、18 第2結合部材
9a、9b、19a、19b 1対の絶縁シート

Claims (6)

  1. ポリイミドシートに抵抗発熱体が付着した構成の発熱ユニットと、その少なくとも前記抵抗発熱体が付着している側の面に付着することなく当接している絶縁シートとを有するウエハ加熱ヒータ。
  2. 前記絶縁シートは熱伝導率が1W/m・K以上である、請求項1に記載のウエハ加熱ヒータ。
  3. 前記抵抗発熱体と前記ポリイミドシートとが互いに熱溶着されている、請求項1又は請求項2に記載のウエハ加熱ヒータ。
  4. 金属製の円板状部材とセラミックス製の円板状部材とを更に有し、これら両円板状部材によって前記発熱ユニット及び前記絶縁シートが挟持されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウエハ加熱ヒータ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウエハ加熱ヒータに用いられる発熱ユニット。
  6. ポリイミドシートに抵抗発熱体が付着した構成を有する発熱ユニットを、前記発熱ユニットの少なくとも前記抵抗発熱体が付着している側の面に絶縁シートが付着することなく当接した状態で使用する発熱ユニットの使用方法。
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