JP2016098466A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】分子内にエステル基を有する化合物を柔軟基剤として含有し、繊維製品に対する高い柔軟性付与効果を維持でき、取り扱いに適した粘度を有する液体柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】特定の4級アンモニウム塩を特定条件で含有する(A)成分を1質量%以上、20質量%以下、グリセリンと炭素数10以上、22以下の脂肪酸とのエステル化合物を特定条件で含有する(B)成分を0.1質量%以上、4質量%未満、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が2以上、50であり、30℃でのpHが2.0以上、4.0以下である、液体柔軟剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、家庭での使用に適した繊維製品に柔らかさを付与するための液体柔軟剤組成物に関する。
洗濯は家庭生活に欠くことができない家事の1つであり、洗浄処理後に繊維製品の風合いを整えるための仕上げ剤として柔軟剤がよく使用されている。現在の柔軟剤に用いられる基材として、環境中に排出されても速やかに分解し、環境への負荷を低減することを目的に分子内エステル基を有する柔軟基剤が使用されている。エステル基が水中で加水分解し易いことは周知であり、液体柔軟剤組成物中でエステル基を有する柔軟基剤が加水分解すると、柔軟性能や貯蔵安定性等の品質が悪化し易いことも周知である。
特許文献1には、分子内にエステル基を有する、迅速生物分解性四級アンモニウム柔軟化剤を含有した柔軟剤組成物が開示されている。該柔軟剤組成物のpHを調整することで、柔軟基剤のエステル基の加水分解性が抑制されることが開示されている。特許文献2には、分子内にエステル基を有する柔軟基剤に、アルキレンオキシドの付加モル数が比較的大きい高級アルコールアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤と、脂肪酸エステルとを含ませた上、二者の質量比を規定することにより、柔軟基剤のエステル基の加水分解性が抑制されることが開示されている。特許文献3には、分子内にエステル基を有する柔軟基剤に、ある特定の脂肪酸エステルとある特定の香料を含有することにより、柔軟基剤のエステル基の加水分解性が抑制されることが開示されている。特許文献4には、分子内にエステル基を有する柔軟基剤に、脂肪酸トリグリセリドを含有することにより、可燃性溶媒の低い含有量、低い融解粘度、及び融解状態における高い安定性を有する、柔軟仕上げ剤活性組成物が開示されている。特許文献5には、分子内にエステル基を有する柔軟基剤に、脂肪酸グリセリドを多く含有させることにより、より優れた布地の感触が提供されることが開示されている。
特開昭63−6168号公報 特開2012−82538号公報 特開2012−233281号公報 特表2013−524033号公報 特表2014−503701号公報
特許文献1、2、3の柔軟剤組成物では、分子内にエステル基を有する柔軟基剤の加水分解の抑制効果は十分ではなく、特許文献4、5の柔軟剤組成物には、柔軟基剤の加水分解に関する課題は記載されていない。
本発明は、柔軟基剤として含有される、分子内エステル基を有する化合物のエステル基の加水分解を抑制することで、繊維製品に対する高い柔軟性付与効果を維持でき、取り扱いに適した粘度を有する液体柔軟剤組成物を提供する。
本発明は、下記(A)成分を1質量%以上、20質量%以下、(B)成分を0.1質量%以上、4質量%未満、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が2以上、50以下であり、30℃でのpHが2.0以上、4.0以下である、液体柔軟剤組成物に関する
<(A)成分>
下記(A−1)成分及び(A−2)成分から選ばれる成分。
(A−1)成分:下記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
一般式(1)中のRがアシル基であり、R及びRが水素原子である化合物(a1)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上、45質量%以下、
一般式(1)中のR及びRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a2)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上、70質量%以下、
一般式(1)中のR、R及びRがアシル基である化合物(a3)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上、40質量%以下、
である成分
Figure 2016098466
〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基という)、又は水素原子であり、R、R及びRが同時に水素原子ではなく、Rは炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
(A−2)成分:下記一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
一般式(2)中のRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a4)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、1質量%以上、40質量%以下、
一般式(2)中のR及びRが前記アシル基である化合物(a5)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、60質量%以上、99質量%以下、
である成分。
Figure 2016098466
〔式中、Rは、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基という)であり、Rは、前記アシル基又は水素原子であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Qはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは陰イオンである。〕
<(B)成分>
グリセリンと炭素数10以上、22以下の脂肪酸とのエステル化合物の複数からなる成分であって、
脂肪酸モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中、65質量%以下、
脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計の割合が、前記エステル化合物の全量中、35質量%以上、100質量%以下
である成分
本発明の液体柔軟剤組成物によれば、柔軟基剤となる(A)成分の化合物中のエステル基の加水分解が抑制されるため、繊維製品に対する高い柔軟性付与効果を安定して維持することができる。また、本発明の液体柔軟剤組成物は、取り扱いに適した粘度を有する。
<液体柔軟剤組成物>
<(A)成分>
(A)成分のうち、(A−1)成分は、下記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
一般式(1)中のRがアシル基であり、R及びRが水素原子である化合物(a1)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上、45質量%以下、
一般式(1)中のR及びRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a2)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上、70質量%以下、
一般式(1)中のR、R及びRがアシル基である化合物(a3)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上、40質量%以下、
である成分である。
Figure 2016098466
〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(当該残基をアシル基という場合がある)、又は水素原子であり、R、R及びRが同時に水素原子ではなく、Rは炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
本発明の(A−1)成分中の化合物(a1)、化合物(a2)、及び化合物(a3)の割合は、繊維製品に付与される柔軟効果のみならず(B)成分を含有する本発明の液体柔軟剤組成物の保存安定性にもまた影響する。
(A−1)成分中の化合物(a1)の割合は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
(A−1)成分中の化合物(a2)の割合は、より好ましくは30質量%以上、好ましくは35質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
(A−1)成分中の化合物(a3)の割合は、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
化合物(a2)と化合物(a3)は柔軟効果に有効な成分であるが、(B)成分を含有する場合に、液体柔軟剤組成物の保存安定性に影響を与える。そのために、(A−1)成分は、化合物(a1)を適度に残した組成であることが好ましい。更には、前記の割合を満たした上で、(A−1)成分中の化合物(a2)の含有量が化合物(a3)よりも多いこと、より好ましくは化合物(a2)の含有量(質量%)と化合物(a3)の含有量(質量%)との差が、15質量%以上(15ポイント以上)あることである。
一般式(1)において、アシル基としては、炭素数16以上、18以下の脂肪酸からOH(水酸基)を除いた残基が好ましい。R、R、Rは、それぞれ独立して、RCO(ここでRは炭素数15以上、21以下、好ましくは17以下の炭化水素基)であってよい。一般式(1)中、R、R、Rは、少なくとも1つがアシル基である。
また、脂肪酸としての具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、パーム油脂肪酸、ひまわり油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸が挙げられる。
一般式(1)中、Rはメチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(1)中、Xは、有機又は無機の陰イオンが挙げられ、ハロゲンイオン、好ましくはクロロイオン、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数12以上、18以下の脂肪酸イオン、及び炭素数1以上、3以下のアルキル基が1個以上、3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンから選ばれる陰イオンが好ましく、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオンがより好ましく、メチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンがより好ましい。
本発明に用いる(A−1)成分は、脂肪酸とトリエタノールアミンを脱水エステル化反応させる方法(脱水エステル化法という)、又は脂肪酸低級アルキルエステル(低級アルキルはメチル基、エチル基、プロピル基)とトリエタノールアミンをエステル交換反応させる方法(エステル交換法という)により得られたエステル化反応物を、アルキル化剤で4級化反応させることで得ることができる。本発明の(A−1)成分の化合物(a1)、化合物(a2)、化合物(a3)の割合を満たす混合物を得るには、例えば、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステル:トリエタノールアミンのモル比を1.3:1以上、好ましくは1.5:1以上、そして、2.0:1以下、好ましくは1.9:1以下の比率で反応させたトリエタノールアミン脂肪酸エステルの混合物を4級化反応させる。
脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは、牛脂、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好適であり、柔軟効果の点から牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られる脂肪酸組成のものが良好である。また、これらは炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析や、特開平6−41578号公報に記載されているようにメチルエステルを減圧蒸留する方法、あるいは特開平8−99036号公報に記載の選択水素化反応を行うことで炭素−炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御する方法などにより製造することができる。例えば硬化牛脂は牛脂由来の脂肪酸を水素添加により飽和にしたものであり、一部を硬化させたものとして半硬化という表現をする場合もある。またこれら硬化の程度を調製したものと硬化処理をしていない脂肪酸とを任意に混合することで、適宜、柔軟効果のみならず製造上低粘度等の使用勝手に優れる脂肪酸及び(A)成分を調製して用いてもよい。
なお、選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が形成するが、本発明ではトランス/シスのモル比が、好ましくは0/100以上、より好ましくは5/95以上、そして、好ましくは75/25以下、より好ましくは50/50以下である。
脱水エステル化法においてはエステル化反応温度を140℃以上、230℃以下で縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸、燐酸などの無機酸、酸化錫、酸化亜鉛などの無機酸化物、テトラプロポキシチタンなどのアルコラートなどを選択することができる。反応の進行はJISK0070−1992に記載の方法で酸価(AV)及び鹸化価(SV)を測定することで確認を行い、好適にはAVが10mgKOH/g以下、好ましくは6mgKOH/g以下となった時、エステル化反応を終了する。得られるエステル化合物の混合物は、SVが好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
エステル交換法においては、反応は好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下の温度で生成する低級アルコールを除去しながら行う。反応促進のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリや、メチラート、エチラートなどのアルコキシ触媒を用いることも可能である。反応の進行はガスクロマトグラフなどを用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好適であり、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフチャート上で10面積%以下、特に6面積%以下で反応を終了させることが好ましい。得られるエステル化合物の混合物は、SVが好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
次にこのようにして得られたエステル化合物の4級化を行うが、4級化に用いられるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が好適である。アルキル化剤として、メチルクロリドを用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合は、エタノールやイソプロパノールなどの溶媒を、エステル化合物に対して10質量%以上、50質量%以下程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブなどの加圧反応器に仕込み、密封下30℃以上、120℃以下の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このときメチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、アルカリ剤を少量加えることで反応が効率よく進むため好適である。メチルクロリドとエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを1倍当量以上、1.5倍当量以下用いることが好適である。
ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸とエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を好ましくは0.9倍当量以上、より好ましくは0.95倍当量以上、そして、好ましくは1.1倍当量以下、より好ましくは0.99倍当量以下用いる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(A−1)成分の製造時に生成されるその他反応生成物を含有してもよい。例えば、4級化されなかった未反応アミンとして、具体的には脂肪酸トリエステル構造体のアミンと脂肪酸ジエステル構造体のアミンがあり、製法によっては、脂肪酸トリエステル構造体のアミンと脂肪酸ジエステル構造体のアミンとを合計して、(A−1)成分100質量部に対して5質量部以上、30質量部以下含む反応生成物が得られる。一方、脂肪酸モノエステル構造体のアミンは4級化し易いことから、通常、反応生成物中の含有量は(A−1)成分100質量部に対して0.5質量部以下である。更には脂肪酸エステル化されなかったトリエタノールアミン及びトリエタノールアミンの4級化物は合計で(A−1)成分100質量部に対して0.5質量部以上、3質量部以下含有され、このうち90質量%以上は4級化物である。また未反応脂肪酸が含まれることもある。(A−1)成分を含む反応生成物を用いる場合は、本発明の効果を損なわない限り、このような未反応成分や副反応成分が液体柔軟剤組成物中に取り込まれてもよい。
(A−1)成分として化合物(a1)、化合物(a2)及び化合物(a3)成分を含む混合物を用いる場合、該混合物中の化合物(a1)、化合物(a2)、化合物(a3)、アミン化合物の割合等は、高速液体クロマトグラフ(HPLCと言う場合もある)を用い、検出器として荷電化粒子検出器(Charged Aerosol Detection、CADと言う場合もある)を使用して求めることができる。CADを用いた測定方法については「荷電化粒子検出器Corona CADの技術と応用」(福島ら Chromatography, Vol.32 No.3(2011))を参考にすることができる。
例えば、HPLC条件として
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm)
移動相:0.05質量/容量%TFAヘキサン:MeOH:THF=85:10:5(容量比)
流速:測定開始から10分までは0.8mL/min、測定開始から10分超11分までは均一に1.2mL/minまで速度を上げ、11分超55分までは1.2mL/min、測定開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
温度:25℃
検出:CAD
で測定することができる。
(A)成分のうち、(A−2)成分は、下記一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
一般式(2)中のRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a4)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、1質量%以上、40質量%以下、
一般式(2)中のR及びRが前記アシル基である化合物(a5)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、60質量%以上、99質量%以下、
である成分である。
Figure 2016098466
〔式中、Rは、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(当該残基はアシル基という場合がある)であり、Rは、前記アシル基又は水素原子であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Qはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは陰イオンである。〕
化合物(a4)は、Rが前記アシル基であり、Rが水素原子である化合物であって、(A−2)成分中に1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、そして、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下含まれる。
化合物(a5)は、R及びRが前記アシル基である化合物であって、(A−2)成分中に60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、そして、99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下含まれる。
一般式(2)におけるアシル基としては、炭素数16以上、18以下の脂肪酸からOHを除いた残基が好ましい。
前記脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、パーム油脂肪酸、ひまわり油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、及び硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
、Rは、炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基である。
Qは好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。
は、有機又は無機の陰イオンが挙げられ、好ましくはハロゲンイオン、より好ましくはクロロイオン、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数12以上18以下の脂肪酸イオン、炭素数1以上3以下のアルキル基が1個以上3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンであり、これらの中ではクロロイオンが好ましい。
(A−2)成分は脂肪酸と低級アルキルジエタノールアミン又は低級アルキルジプロパノールアミン(以下、低級アルキルはメチル基、エチル基又はプロピル基を意味する)、好ましくはメチルジエタノールアミンとを脱水エステル化反応させる方法(脱水エステル化法という)、又は脂肪酸低級アルキルエステルと低級アルキルジエタノールアミン又は低級アルキルジプロパノールアミン、好ましくはメチルジエタノールアミンとをエステル交換反応させる方法(エステル交換法という)により得られたエステル化物を、アルキル化剤で4級化反応させることで得ることができる。
エステル化物を得る反応における低級アルキルジエタノールアミン又は低級アルキルジプロパノールアミン、好ましくはメチルジエタノールアミンに対する脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルのモル比は、好ましくは1.2/1以上、より好ましくは1.3/1以上、更に好ましくは1.4/1以上であり、そして、好ましくは1.85/1以下、より好ましくは1.8/1以下、更に好ましくは1.7/1以下である。
脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルとしては、牛脂、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、及びオリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好ましく、柔軟効果の観点から、牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られるものがより好ましい。
これらは炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析や、特開平6−41578号公報に記載されているメチルエステルを減圧蒸留する方法、あるいは特開平8−99036号公報に記載されている選択水素化反応を行うことにより炭素−炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御する方法等により製造することができる。
なお、選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が得られるが、脂肪酸の幾何異性体のシス/トランス比(モル比)は、トランス/シスのモル比が、好ましくは0/100以上、より好ましくは5/95以上、そして、好ましくは75/25以下、より好ましくは50/50以下である。
(A−2)成分の調製は、(A−1)成分の脱水エステル化法及びエステル交換法と同様に行うことができる。
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、
グリセリンと炭素数10以上、22以下の脂肪酸とのエステル化合物の複数からなる成分であって、
脂肪酸モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中、65質量%以下、
脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計の割合が、前記エステル化合物の全量中、35質量%以上、100質量%以下
である成分である。
(B)成分を用いることで、(A)成分の加水分解を抑制することができる。(A)成分と(B)成分が水中で共存することで、(A)成分の加水分解が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は以下のように考えている。
本発明者は柔軟剤組成物中に(B)成分が存在する場合、(B)成分は、(A)成分が形成する会合体の間に整列し、疎水性部分は詰まった状態で(A)成分が有する親水基である第3級アミノ基又は第4級アンモニウム基間の距離を広げることを確認している。そしてその際に水和水の量が低減することも確認している。そのため、(A)成分の親水基に近いエステル基の周りの水が減少し、エステル基の加水分解が抑制されると考えている。
なお、(B)成分を構成するグリセリンと炭素数12以上、22以下の脂肪酸とのエステル化合物には、エステル化度の異なる3つの化合物がある。
(B)成分を構成するエステル化合物のうち、脂肪酸モノエステル構造体は、グリセリンの3つの水酸基のうち、1つが脂肪酸とエステルになっている化合物である。この化合物は(B)成分の制限下において、脂肪酸モノエステル構造体という場合もある。
また、(B)成分を構成するエステル化合物のうち、脂肪酸ジエステル構造体は、グリセリンの3つの水酸基のうち、2つが脂肪酸とエステルになっている化合物である。この化合物は(B)成分の制限下において、脂肪酸ジエステル構造体という場合もある。
また、(B)成分を構成するエステル化合物のうち、脂肪酸トリエステル構造体は、グリセリンの3つの水酸基のうち、3つが脂肪酸とエステルになっている化合物である。この化合物は(B)成分の制限下において、脂肪酸トリエステル構造体という場合もある。
脂肪酸は、12以上、18以下の脂肪酸が好ましい。脂肪酸の具体的例としてはステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸が挙げられる。硬化パーム油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等の飽和脂肪酸が好適である。
(B)成分中の脂肪酸モノエステル構造体の割合は、加水分解抑制効果付与の観点から、好ましくは0質量%以上、より好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、加水分解抑制効果向上の観点から、65質量%以下、好ましくは63質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
(B)成分中の脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計の割合は、加水分解抑制効果の向上の観点から、35質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、組成物の安定性の観点から、100質量%以下、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下である。
本発明の(B)成分となるエステル混合物を得る方法としては、特開平5−140037号公報、特開平5−140038号公報などを参考にすることができる。
エステル化度の異なるグリセリン脂肪酸エステルの比率は、高速液体クロマトグラフにより測定することができる。
例えば、高速HPLC装置ultiMate3000(Dionex社製)を用いて、下記HPLC条件で測定する方法(逆グラジエント法)が挙げられる。
カラム:L−columnODS 5μm、150mm×4.6mm
移動相:
A;水
B;アセトン
グラジエント条件:A/B(容量比)=30/70(0min−2min)−A/B=7/93(8−18min)−A/B=0/100(23−27min)−A/B=30/70(28min−38min)
流量:1.0ml/min
カラム温度:35℃
検出器:CAD ultra
試料濃度及び注入量:1mg/mlアセトン溶液、20μl
本発明の(B)成分は、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、又はグリセリンと脂肪酸低級アルキルエステル(低級アルキルはメチル基、エチル基、プロピル基)、油脂とのエステル交換反応で製造することが好ましく、(B)成分の条件を満たす混合物を得るためには、グリセリン1モルに対して脂肪酸が、好ましくは0.7モル以上、より好ましくは1.0モル以上、より好ましくは1.5モル以上、そして、好ましくは3.5モル以下、より好ましくは3.3モル以下、より好ましくは3.0モル以下の割合になるようにエステル化反応、又はエステル交換反応させることが好ましい。エステル化反応触媒又はエステル交換反応触媒としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどの苛性アルカリ、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムなどの酸化物、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラートなどのアルコラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの脂肪酸石鹸から選ばれるアルカリ触媒、リン酸、亜燐酸、次亜リン酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの酸触媒を用いることができる。反応温度は触媒の種類などにより50℃以上、260℃以下の範囲内で適宜選択することができる。アルカリ触媒を用いる場合には反応温度は好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上、そして、好ましくは260℃以下、より好ましくは240℃以下であり、酸触媒を用いる場合には反応温度は好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下である。反応時間は長くなるが、触媒除去などの後処理工程を省くことが出来る事から、無触媒で反応する場合もある。
反応は、攪拌下、反応速度向上のために、通常0.01MPa以上、0.09MPa以下程度の減圧下、又は常圧で反応系内に窒素を導入し、生成する水、或は低級アルコールを系外に除去しながら行うことが好ましい。また、純分の高い(B)成分を得るために、グリセリン1モルに対する脂肪酸を0.7モル以上、3.0モル以下で反応する場合、エステル化反応後に脱グリセリン工程を実施することが好ましい。グリセリン1モルに対する脂肪酸を、3.0モルを越え、3.5モル以下で反応する場合、脱脂肪酸工程を行うことが好ましい。
脱水エステル化反応の場合には反応の進行はJISK0070−1992に記載の方法で酸価(AV)、もしくは水酸基価(OHV)を測定することで確認を行う。グリセリン1モルに対する脂肪酸を0.7モル以上、3.0モル以下で反応する場合、好適にはAVが10mgKOH/g以下、好ましくは6mgKOH/g以下となった時、特に6mgKOH/g以下になった時にエステル化反応を終了する。グリセリン1モルに対する脂肪酸、又は脂肪酸低級アルキルエステルを3.0モルを超え、3.5モル以下で反応する場合、好適にはOHVが10mgKOH/g以下、好ましくは5mgKOH/g以下となった時にエステル化反応を終了する。また、エステル交換反応の場合にはガスクロマトグラフや液体クロマトグラフを用いて確認することができ、これらクロマトグラフの条件は多価アルコールや脂肪酸の種類で異なり、適宜公知の条件で最適な条件を選択することができる。
反応終了後は、触媒を中和や吸着除去などの不活性化した後、未反応のグリセリンや脂肪酸を減圧留去することができる。
(B)成分は、グリセリンと脂肪酸の反応物としてだけではなく、天然の油脂をそのまま用いても良い。例えば、ヤシ油、パーム油、硬化パーム油、牛脂、半硬化牛脂、硬化牛脂などを(B)成分として用いることができる。
〔(A)成分と(B)成分の含有量等〕
本発明の液体柔軟剤組成物中の(A)成分の含有量は1質量%以上、20質量%以下である。洗濯1回当たりの使用量を少なくできる点から、本発明の液体柔軟剤組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましく8質量%以上であり、そして、好ましくは18質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
本発明の液体柔軟剤組成物中の(B)成分の含有量は、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上であり、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下である。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(A)成分の加水分解抑制と組成物に適切な粘度と好ましい外観を付与する点から、(A)成分と(B)成分の質量比は、(A)成分/(B)成分で2以上、50以下である。(A)成分/(B)成分の質量比は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下である。
〔pH〕
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは、(A)成分の加水分解安定性の点から、25℃で、2以上であり、好ましくは2.2以上、そして、4以下であり、好ましくは3.8以下である。pHはJIS K 3362;2008の項目8.3に従って25℃において測定する。
〔粘度〕
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は、使用時の取り扱い性の点から、30℃で、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは45mPa・s以下、より好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは35mPa・s以下である。更に粘度は5mPa・s以上であることが好ましい。粘度は、30℃の液体柔軟剤組成物を、B型粘度計(型番;TVB−10東機産業株式会社製、No.2のローターを使用、60r/min)で測定したものであり、攪拌開始から1分後の値を採用する。
〔任意成分〕
本発明の液体柔軟剤組成物は、任意成分として、(B)成分以外の油剤〔以下、(C)成分という〕、(A)成分以外の界面活性剤〔以下、(D)成分という〕、キレート剤〔以下、(E)成分という〕、無機電解質〔以下、(F)成分という〕、水溶性有機溶剤〔以下、(G)成分という〕及び香料組成物〔以下、(H)成分という〕から選ばれる1種以上の成分を含有することが好ましい。
また、本発明の液体柔軟剤組成物は、任意成分として、酸化防止剤、染料、防腐剤、シリコーン化合物、ポリマー、(A)成分の安定化に好適なpHに調整するためのpH調製剤を含有することが出来る。
[(C)成分:油剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(C)成分として、(B)成分以外の油剤を含有することが好ましい。本発明において用いられる油剤は、維製品に更に優れた柔軟性能を付与するために用いられ、また(A)成分の加水分解抑制にも効果を有する。例えば、炭素数14以上の炭化水素や脂肪族アルコールが挙げられ、好ましくはオクタデカン、流動パラフィン、ステアリルアルコール等が挙げられる。また、多価アルコールと脂肪酸のエステル化物等が挙げられ、好ましくは、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。柔軟性能向上の点から、脂肪酸の種類としては、パルミチン酸、ステアリン酸、及びその混合物が好ましい。(C)成分の油剤の配合量は、組成物中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
[(D)成分:界面活性剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(D)成分として、(A)成分以外の界面活性剤を含有することが好ましく、非イオン界面活性剤〔〔以下、(D1)成分という〕及び(A)成分以外の陽イオン界面活性剤(D2)〔〔以下、(D2)成分という〕から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有することがより好ましい。
(D1)成分の非イオン界面活性剤としては、下記(D11)及び(D12)から選ばれる1種以上が挙げられる。
(D11):下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤
1g−O−[(CO)(CO)]−H (3)
〔式中、R1gは、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基である。s及びtは平均付加モル数であって、sは2以上、好ましくは10以上、そして、50以下、好ましくは40以下の数、tは0以上、好ましくは1以上、そして、5以下、好ましくは3以下の数である。(CO)と(CO)はランダム重合体又はブロック重合体であってもよい。〕
(D12):下記一般式(4)で表される非イオン界面活性剤
Figure 2016098466
〔式中、R1gは前記の意味を示す。Aは−N<又は−CON<であり、u及びvはそれぞれ独立に0以上、40以下の数であり、u+vは5以上、そして、60以下、好ましくは40以下の数である。R2g、R3gはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上、3以下のアルキル基である。〕
(D2)成分の陽イオン界面活性剤としては、下記(D21)〜(D23)から選ばれる1種以上が好ましく、(D22)から選ばれる1種以上がより好ましい。塩は塩素塩が好ましい。
(D21):アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のジ長鎖アルキル又はアルケニルジメチルアンモニウム塩
(D22):アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のモノ長鎖アルキル又はアルケニルトリメチルアンモニウム塩
(D23):アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上、22以下のモノ長鎖アルキル又はアルケニルベンジルジメチルアンモニウム塩
本発明の柔軟剤組成物は、(D)成分として、(D1)成分を含有することが好ましく、前記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤(D11)を含有することがより好ましい。
(D)成分の界面活性剤の組成物中の含有量は0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、そして10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。この(D)成分の濃度制限において、一般式(3)で表される非イオン界面活性剤(D11)の含有量は、本発明の柔軟剤組成物中に0.5質量%以上、更には1質量%以上が好ましい。
[(E)成分:キレート剤]
本発明の液体柔軟剤組成物は、水中の銅や鉄などの金属イオンやアルカリ土類金属イオンを捕捉するために、(E)成分として、キレート剤を含有することが好ましい。
本発明において用いられるキレート剤は、水中の銅や鉄などの金属イオンやアルカリ土類金属イオンを捕捉する目的以外に、本発明の液体柔軟剤組成物の保存安定性を向上させるためや柔軟剤組成物の変色や染料の褪色を抑制するためにも用いられる。
(E)成分としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸やヒドロキシエチリデンジホスホン酸やこれらに比較して生分解性に優れるL−アスパラギン酸二酢酸、S,S−エチレンジアミン二コハク酸、N−2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、L−グルタミン酸−N,N−二酢酸、メチルグリシン二酢酸を用いることが出来る。(E)成分としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、及びそれらの塩から選ばれる化合物がより好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(E)成分を、酸型化合物の換算で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.005質量%超、より更に好ましくは0.0075質量%以上、そして、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下含有する。
[(F)成分:無機電解質]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(F)成分として、無機電解質を含有することが好ましい。(F)成分の無機電解質は、20℃の水100gに5g以上、溶解するものが好ましい。
(F)成分の無機電解質は、柔軟剤組成物を使用に適した粘度に調整するのに好ましく用いられる。例えば、(F)成分としては、陽イオンが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる物質のイオンであり、陰イオンが、ハロゲン化合物及び硫酸塩から選ばれる物質のイオンである無機塩が挙げられる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、が挙げられる。
(F)成分の無機電解質は、具体的には、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムから選ばれる1種以上の無機電解質が挙げられる。
無機電解質(F)の組成物中の含有量は0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、そして1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
[(G)成分:水溶性有機溶剤]
本発明の柔軟剤組成物は、組成物の安定性や粘度の観点から、(G)成分として、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。(G)成分としては、柔軟剤に配合することが知られている水溶性の有機溶剤が挙げられる。(G)成分について「水溶性有機溶剤」とは100gの20℃の脱イオン水に対して20g以上溶解することをいう。(G)成分としては、具体的には、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、エタノール等を挙げることができる。好ましくはエチレングリコール及びエタノールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤である。液体柔軟剤組成物の粘度が高い場合や相安定性を調整したいときは水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。本発明の液体柔軟剤組成物は、(G)成分を、好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下含有する。
[(H)成分:香料組成物]
本発明の柔軟剤組成物は、組成物自体の賦香のためのみならず、繊維製品への賦香目的のために(H)成分として、香料組成物を含有することが好ましい。(H)成分の香料は、通常、液体柔軟剤組成物の液体部分に溶解又は分散して存在する。(H)成分として、香料を内包したマイクロカプセルを含有することもできる。
(H)成分の香料としては、柔軟剤組成物や繊維製品処理剤組成物に一般に使用されている種々の天然あるいは合成香料が挙げられる。例えば、
(H1)脂肪酸エーテル、芳香族エーテル(フェノールエーテルを除く)等のエーテル、
(H2)脂肪酸オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド、
(H3)アセタール、
(H4)ケタール、
(H5)フェノール、
(H6)フェノールエーテル、
(H7)脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸、
(H8)酸アマイド、ニトロムスク、ニトリル、アミン、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール等の含窒素化合物
等の合成香料が挙げられる。また、動物、植物からの天然香料が挙げられる。また、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられる。(G)成分として、これらの1種又は、2種以上を混合して使用することができる。
(H)成分としては、例えば、1969年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR, N. J.刊STEFFEN ARCTANDER著‘Perfume and Flavor Chemicals’等に記載の香料成分が使用出来る。
また、(H)成分の香料として、香りの持続性、残香性を目的として、ヒドロキシ基を有する香料成分をケイ酸エステル(例えば、特開2009−256818号記載)体として併用することが出来る。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(H)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下含有する。
<(I)pH調整剤>
本発明の液体柔軟剤組成物は、(A)成分の第4級アンモニウム化合物の加水分解による分解を抑制する上で、原液のpHを30℃で2.0以上、4.0以下に調整する。そのために、本発明の液体柔軟剤組成物は、(I)成分としてpH調整剤を配合することが好ましい。pH調整剤として、酸剤及びアルカリ剤から選ばれる成分が挙げられる。
酸剤としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。無機酸の具体例としては、塩酸、硫酸が使用できる。(I)成分の有機酸は(E)成分以外の有機酸である。(I)成分の有機酸の具体例としては、炭素数1以上、10以下の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1以上、20以下の1価又は多価のスルホン酸が挙げられる。より具体的にはメチル硫酸、エチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、(o−、m−、p−)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸が挙げられる。
アルカリ剤としては、無機塩基又は有機塩基が挙げられる。無機塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが使用できる。有機塩基の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
酸剤やアルカリ剤の(I)成分は、組成物のpHが前記範囲になる量で配合され、安定性を損なわない程度の量に制限される。
[その他任意成分]
本発明の柔軟剤組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、例えば、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤である。分子内にフェノール基を有する酸化防止剤は、香料の臭いの変化を抑制する為に用いられる。酸化防止剤を香料と併用すると、臭いの変化を抑制できるが、酸化を受けたフェノール基を有する酸化防止剤が着色されることで、柔軟剤組成物の変色が促進されることから、酸化防止剤の配合量は、酸化の影響を受けやすい香料成分とその含有量とともに、十分に確認した上で使用される。
入手の容易性の点から、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が好ましい。変色抑制の点から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤は(A)成分などの他の基材の保存安定性のために配合されていることがあり(A)成分を配合することで、本発明の柔軟剤組成物に混入することもある。
本発明の柔軟剤組成物には、美観のため、或いは基材由来の色や着色のマスキングのための染料を含有してもよい。染料は、柔軟剤組成物に対して消費者に高い嗜好性を与えるために用いられる。例えば、カラーインデックス酸性赤色染料、カラーインデックス酸性黄色染料及びカラーインデックス酸性青色染料から選ばれる1種又は2種以上の染料である。
カラーインデックス酸性赤色染料の具体例としては、C.I.Acid Red 18 C.I.Acid Red 27、C.I.Acid Red 52、C.I.Acid Red 82、C.I.Acid Red 114、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Red 186が挙げられる。
カラーインデックス酸性黄色染料の具体例としては、C.I.Acid Yellow 1 、C.I.Acid Yellow 7、C.I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 141が挙げられる。
カラーインデックス酸性青色染料の具体例としては、C.I.Acid Blue 5、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 74が挙げられる。
なお、本発明では、これら以外の染料を使用することもできる。それらの染料としては、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤、アルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤、アルコキシル化チオフェン高分子着色剤があげられる。
染料はキレート剤と併用することで、香料又は香料及び酸化防止剤を含有する柔軟剤組成物の変色を抑制することが出来る。変色抑制の点で、カラーインデックス酸性赤色染料、及びカラーインデックス酸性黄色染料から選ばれる1種又は2種以上の染料が好ましい。
本発明において用いられる防腐剤は、柔軟剤組成物に防腐性を与えるために用いられる。例えば、ビグアニド系化合物、イソチアゾリン系化合物、イソチアゾリノン系化合物が挙げられる。具体例としては、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが挙げられ、それぞれ市販品として、「プロキセルIB」、「ケーソンCG」、「プロキセルBDN」を用いることもできる。
本発明には場合により、或いは繊維製品への触感に新たな印象を加えるためにシリコーン化合物を含有することができる。シリコーン化合物は、繊維製品に更に優れた柔軟性能を付与するために用いられる。例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。柔軟効果の観点から、中でもジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンがより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
本発明には重合性モノマーを重合してなる構成単位を有する、ポリマー化合物を含有することができる。ポリマー化合物は、柔軟剤組成物の粘度調整や、柔軟剤仕上げ時の残存洗剤成分を捕捉するために用いられる。具体例としては、カチオン性ポリマーとして、特に制限されるものではないが、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、又はジエチルアミノプロピルメタクリルアミド等をモノマーとして重合し、それらを酸により中和した酸中和物、若しくは4級化剤により4級化した4級アンモニウム塩が挙げられる。
カチオン性ポリマーの中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸などの有機酸が挙げられる。
カチオン性ポリマーの4級化剤としては、特に制限されるものではないが、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル硫酸一般的なアルキル化剤が挙げられる。
ポリマーとしては、ホモポリマー、コポリマー、ブロックポリマー等、制限されるものではない。
本発明の液体柔軟剤組成物の残部は、水である。水は、脱イオン水、脱イオン水に次亜塩素酸塩を少量配合した滅菌した水、水道水などを用いることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、乳濁状態であってよい。本発明において、乳濁状態の液体柔軟剤組成物とは、配合成分が液体柔軟剤組成物中で可視光を散乱する程度の大きな粒子を形成することで、可視光を散乱し、目視上濁った状態の液体柔軟剤組成物を表す。具体的には、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた際に、紫外可視分光光度計を用いて測定された、試料の可視光線透過率(波長660nm)が25%未満である液体柔軟剤組成物を表す。
本発明の液体柔軟剤組成物は、衣料、寝具、布帛、その他の布製品などの繊維製品用として好適である。
以下、実施例及び比較例で用いた成分を示す。
<合成例1> (a−1)成分の合成
パーム油を原料とした酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを、反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で、脱水縮合反応させて、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。
次にこの縮合物のアミン価を測定し、該縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、4級化を行ない、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノール10質量%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(a−1)という)。但し、ここでいう“アルカノイル”の用語には、アルカノイルがパーム油原料の脂肪酸残基であるため、飽和脂肪酸以外に不飽和脂肪酸由来の残基、例えばアルケノイル等も含むものとする。また、前記縮合物及び(a−1)を得るための調製手順や反応条件は、特開2010-209493号公報の合成例2に従って行った。
(a−1)が含む第4級アンモニウム塩中、(a1)成分の割合は30質量%、(a2)成分の割合は55質量%、(a3)成分の割合は15質量%であった。(a−1)は、4級化率が92質量%であり、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、エタノール以外に、ジエステル構造体及びトリエステル構造体の3級アミン化合物、微量のトリエタノールアミン及びその4級化物、並びに微量の脂肪酸を含んでいた。
<合成例2> (a−2)成分の合成
酸価205.8mgKOH/gの脂肪酸(パルミチン酸/ステアリン酸/オレイン酸/その他=11質量%/66質量%/20質量%/3質量%)とメチルジエタノールアミンとを、反応モル比1.7/1(脂肪酸/メチルジエタノールアミン)で、脱水縮合反応させて、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−メチルアミンを主成分とする縮合物を得た。次にこの縮合物のアミン価を測定し、該縮合物に対してメチルクロライドを0.97等量用い、4級化を行い、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライドを主成分とし、エタノールを10質量%含有する4級アンモニウム塩化合物を得た(以下、(a−2)という)。(a−2)が含む第4級アンモニウム塩中、(a4)成分の割合は21質量%、(a5)成分の割合は79質量%であった。(a−2)は、4級化率が95質量%であり、(a4)成分、(a5)成分、エタノール以外に、ジエステル構造体の3級アミン化合物、微量のジエタノールアミン及びその4級化物、並びに微量の脂肪酸を含んでいた。
なお、(a−1)、(a−2)について、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分、(a5)成分の割合、並びにその他成分の分析はHPLCを用い下記条件により測定した。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm) 室温(25℃)
移動相:0.05質量/容量%TFA(トリフルオロ酢酸) ヘキサン:MeOH(メタノール):THF(テトラヒドロフラン)=85:10:5(容量比)
流速:測定開始から10分までは0.8mL/min、測定開始から10分超11分までは均一に1.2mL/minまで速度を上げ、11分超55分までは1.2mL/min、測定開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
検出:CAD
<合成例3> (b−2)成分の合成
グリセリン158g、脂肪酸(ラウリン酸/ミリスチン酸/パルミチン酸/ステアリン酸/その他=51質量%/23質量%/7質量%/17質量%/2質量%)932g(グリセリン1モルに対して脂肪酸2.44モル)、NaOH1.7gを、4つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを導入しながら加熱し、反応で生成する水を除去しながら、220℃で5時間反応させた。反応物の酸価が0.3mgKOH/g以下、水酸基価が32〜38mgKOH/gの間になったことを確認し、(b−2)成分を合成した。(b−2)は、モノエステル構造体の割合が、(b−2)全量中7質量%、脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計が93質量%であった。
<合成例4>(c−1)成分の合成
ペンタエリスリトール180g、ステアリン酸565g(ペンタエリスリトール1モルに対して脂肪酸1.5モル)、NaOH0.27gを、4つ口フラスコに仕込んだ。4つ口フラスコに窒素ガスを導入しながら加熱し、反応で生成する水を除去しながら、235℃で5時間反応させた。反応物の酸価が1mgKOH/g以下になったことを確認し、70℃に冷却後、析出した未反応のペンタエリスリトールを同温度で加圧ろ過することにより取り除き、(c−1)成分を得た。
得られた(c−1)成分は、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの混合物であり、各エステル化合物の割合は、脂肪酸モノエステル29質量%、脂肪酸ジエステル43質量%、脂肪酸トリエステル23質量%、脂肪酸テトラエステル5質量%であった。
脂肪酸モノエステル、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステル、及び脂肪酸テトラエステルの割合は、高速GPC装置 HCL−8220GPC(東ソー株式会社製)を用いて下記条件で測定した。
<HPLC条件>
カラム:TSKgel G1000HXL+G2000HXL(直列連結)
移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流速:0.7ml/min
温度:25℃
検出器:RI
試料濃度及び注入量:1%THF溶液、20μl
〔(A)成分〕
(a−1):上記合成例1で製造した、4級アンモニウム塩混合物を含む反応生成物。表に示した(a−1)の数値は、(a−1)の有姿での含有濃度である。(a−1)中の(A)成分濃度は80質量%である。
(a−2):上記合成例2で製造した、4級アンモニウム塩混合物を含む反応生成物。表3に示した(a−2)の数値は、(a−2)の有姿での含有濃度である。(a−1)中の(A)成分濃度は85質量%である。
〔(B)成分〕
(b−1):エキセルP−40S(花王(株)製:モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中60質量%、脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計が40質量%)
(b−2):上記合成例3で製造した、グリセリンと脂肪酸のエステル化合物を含む反応生成物。
(b−3):トリステアリン(和光純薬(株)製:モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中0質量%、脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計が100質量%)
〔(B’)成分〕
(b’−1):エキセルS−95(モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中90質量%、脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計が10質量%)
〔(C)成分〕
(c−1):上記合成例4で製造した、ペンタエリスリトールステアレート(アシル化度1.5)
〔(D)成分〕
(d−1):非イオン界面活性剤(オキシエチレン基の平均付加モル数が30モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル)
〔(E)成分〕
(e−1):トリロンMリキッド(BASFジャパン(株)製、メチルグリシン二酢酸3Na含有量40質量%)
(e−2):キレストPH−214(キレスト(株)製、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸4Na含有量27質量%)
表3に示した(e−1)、(e−2)の数値は、有効分の含有濃度である。
〔(F)成分〕
(f−1):塩化カルシウム
〔(G)成分〕
(g−1):エチレングリコール
〔(H)成分〕
(h−1):表1に示される香料組成物h1
(h−2):表1に示される香料組成物h2
〔その他の成分〕
(j−1):1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(プロキセルBDN(アーチ・ケミカル・ジャパン(株)製))
(k−1):高重合ジメチコンエマルジョン:25℃における動粘度が500,000mm/sのジメチルポリシロキサン60質量%、オキシエチレン基の平均付加モル数(以下、平均EO付加モル数、という)が5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5質量%、平均EO付加モル数23モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル4.5質量%、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩0.1質量%、水 残部のエマルジョン、分散粒子の平均粒子径500nm(有効分のジメチルポリシロキサンが表2の値となるように用いた。)
<乳濁状態の液体柔軟剤組成物の製造方法>
表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、乳濁状態の液体柔軟剤組成物を調製した。具体的には、以下の通りである。
300mLビーカーに、乳濁状態の液体柔軟剤組成物のでき上がり質量が200gとなるのに必要な量の90質量%相当量のイオン交換水と、(G)成分、(E)成分、(j−1)を入れ、ウォーターバスを用いてイオン交換水の温度を60±2℃に調温した。これらの成分がイオン交換水中に均一に溶解するように、必要に応じて下記の攪拌羽根を用いて攪拌した。
60±2℃の温度に調温した上記成分を含むイオン交換水を、直径が5mmの攪拌棒の回転中心軸を基準として、長辺が90度方向になるように配置された撹拌羽根(羽根の数:3枚、羽根の長辺/短辺:3cm/1.5cm、羽根の設置:回転面に対して45度の角度)で撹拌(300r/m)しながら、65℃で(B)成分又は(B’)成分、(C)成分、(D)成分とともに加熱溶解させた(A)成分を3分間掛けて投入した。投入終了後に15分間撹拌した。
(F)成分の10質量%水溶液を投入し、10分間攪拌した。5℃のウォーターバスを用いて、内容物の温度が30±2℃になるまで冷却した。
(H)成分を投入し5分間攪拌した。次いで(k−1)成分を投入し5分間攪拌した。出来上がり質量(200g)となるようにイオン交換水を加え、5分間攪拌した。
なお、表2では、便宜的に(B’)成分を(B)成分として(A)/(B)質量比を示した。またpHは塩酸水溶液で最終調整した。
<評価方法>
(1)粘度
表2に示す液体柔軟剤組成物30gを、容器(ガラス製広口規格ビンNo.6)に充填し、組成物の温度を30℃に調整した。B型粘度計(型番;TVB−10東機産業株式会社製、No.2のローターを使用、60r/min)を用いて、前記温度で液体柔軟剤組成物の粘度測定を開始し、1分後の値を読み取った(粘度の単位は「mPa・s」)。結果を表2に示す。この評価では、粘度は50mPa・s以下が好ましい。
(2)(A)成分残存率
〔液体柔軟剤組成物の保存方法〕
表2に示す液体柔軟剤組成物30gを、保存容器(ガラス製広口規格ビンNo.6)に充填した。液体柔軟剤組成物を充填した保存容器を、50±2℃で2ヶ月静置保存した。次いで、25±2℃の部屋で24時間静置したサンプルを評価用サンプルとした。
〔エステル基の加水分解率の測定方法〕
(A)成分の経時的な加水分解率を評価するために、液体柔軟剤組成物中のカチオン残存率を下記の方法で測定した。
上記に記した保存容器にて、−5℃で2ヶ月静置保存したサンプルを参照用のサンプルとした。これらのサンプル中の(A)成分(モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体)の残存率を測定した。測定は、島津製作所LCMS−2010EVを用いて行った。測定条件は以下の通りである。
*測定条件
カラム:島津製作所製Shim-pack XR-ODS 2.2μm、50mm×2.0mm
溶離液:
A;10mM酢酸アンモニウム添加メタノール
B;10mM酢酸アンモニウム添加メタノール(50%)エタノール(50%)
グラジエント条件:A/B(容量比)=50/50(0min)−A/B=0/100(3−10min)−A/B=50/50(10−15min)
流量:0.4ml/min
注入量:5μL
カラム温度:40℃
検出器:MS
(A)成分には、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、トリエタノールアミンの4級化物が含まれているが、エステル体はそれぞれが加水分解してしまうため、参照用サンプルから純粋に加水分解率を測定できるのはトリエステル体のみであり、これの残存率を調べた。参照用サンプル中のトリ体成分量を100%とし、評価用サンプル中のトリ体の残存量の割合を残存率とした。商品価値上、保存後のトリ体残存率60%以上であるものを合格とする。結果を表2に示す。
Figure 2016098466
Figure 2016098466
* 比較例4、5は粒子の析出が認められた。

Claims (6)

  1. 下記(A)成分を1質量%以上、20質量%以下、(B)成分を0.1質量%以上、4質量%未満、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が2以上、50以下であり、30℃でのpHが2.0以上、4.0以下である、液体柔軟剤組成物。
    <(A)成分>
    下記(A−1)成分及び(A−2)成分から選ばれる成分。
    (A−1)成分:下記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
    一般式(1)中のRがアシル基であり、R及びRが水素原子である化合物(a1)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上、45質量%以下、
    一般式(1)中のR及びRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a2)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上、70質量%以下、
    一般式(1)中のR、R及びRがアシル基である化合物(a3)の割合が、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上、40質量%以下、
    である成分
    Figure 2016098466
    〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基という)、又は水素原子であり、R、R及びRが同時に水素原子ではなく、Rは炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
    (A−2)成分:下記一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の複数からなる成分であって、
    一般式(2)中のRがアシル基であり、Rが水素原子である化合物(a4)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、1質量%以上、40質量%以下、
    一般式(2)中のR及びRが前記アシル基である化合物(a5)の割合が一般式(2)で表される4級アンモニウム塩の全量中、60質量%以上、99質量%以下、
    である成分。
    Figure 2016098466
    〔式中、Rは、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基という)であり、Rは、前記アシル基又は水素原子であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Qはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは陰イオンである。〕
    <(B)成分>
    グリセリンと炭素数10以上、22以下の脂肪酸とのエステル化合物の複数からなる成分であって、
    脂肪酸モノエステル構造体の割合が、前記エステル化合物の全量中、65質量%以下、
    脂肪酸ジエステル構造体と脂肪酸トリエステル構造体との合計の割合が、前記エステル化合物の全量中、35質量%以上、100質量%以下
    である成分。
  2. 更に(C)成分として、(B)成分以外の油剤を含有する、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (C)成分が、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルである請求項2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. 更に(D)成分として、非イオン界面活性剤(D1)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  5. 更に(F)成分として、無機電解質を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  6. (F)成分が、陽イオンが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる物質のイオンであり、陰イオンが、ハロゲン化合物及び硫酸塩から選ばれる物質のイオンである無機塩である、請求項5記載の液体柔軟剤組成物。
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