JP2016097052A - 投薬制御方法、投薬制御プログラムおよび投薬システム - Google Patents

投薬制御方法、投薬制御プログラムおよび投薬システム Download PDF

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Abstract

【課題】投薬場所と生体情報の検出場所とが近くても、正しい生体情報の収集に寄与する
投薬制御方法を提供する。
【解決手段】投薬制御方法は、生体への投薬を指示する投薬指示工程と、投薬を要因とし
て変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する動作を指示する生体情報収
集指示工程と、生体情報収集指示工程に従って実施される生体情報の検出期間と、投薬指
示工程に従って実施される投薬が生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが重なる場合に、
投薬指示工程および生体情報収集指示工程の一方を禁止または延期する指示工程とを有す
る。
【選択図】図3

Description

本発明は、投薬制御方法、投薬制御プログラムおよび投薬システム等に関する。
特許文献1に開示されるように、薬剤注入装置は一般に知られる。薬剤注入装置は留置
針を備える。留置針から患者の体内にインスリンが投与される。投与に先立って血糖値の
濃度が計測される。濃度の計測にあたって留置針の側面に固定されたセンサーが用いられ
る。
特開2004−283378号公報
留置針から投与されたインスリンは細胞内でグルコースの消費を促す。その結果、イン
スリンの注入場所では注入時に局所的に血糖値が低下する。したがって、インスリンの注
入場所と血糖値の計測場所とが近いと、計測場所で局所的に血糖値が低下してしまい、血
糖値が正しく計測されることができない。こうしてインスリンを正しく投与できない恐れ
がある。
本発明の少なくとも1つの態様によれば、投薬場所と生体情報の検出場所とが近くても
、正しい生体情報の収集に寄与する投薬制御方法を提供することができる。
(1)本発明の一態様は、生体への投薬を指示する投薬指示工程と、投薬を要因として
変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する動作を指示する生体情報収集
指示工程と、前記生体情報収集指示工程に従って実施される前記生体情報の検出期間と、
前記投薬指示工程に従って実施される投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが
重なる場合に、前記投薬指示工程および前記生体情報収集指示工程の一方を禁止または延
期する指示工程とを有する投薬制御方法に関する。
投薬が指示されると、生体の投薬場所では局所的に生体情報は正常値に向かって変化す
る。生体情報の収集の動作が指示されると、生体の検出場所では生体情報は収集される。
本実施形態では、たとえ生体情報の検出期間と、投薬が生体情報の検出に影響を及ぼす期
間とが重なっても、投薬指示工程および生体情報収集指示工程の一方は禁止または延期さ
れるので、局所的な生体情報の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投
薬場所と生体情報の検出場所とが近くても、正しい生体情報に基づき投薬を実施すること
ができる。
(2)前記投薬指示工程に従って実施される投薬の影響を受ける期間として割り込み指
示を出す期間が定められ、投薬制御方法は、投薬開始時期に対する割り込み指示を出す期
間の始期と、投薬終了時期に対する割り込み指示を出す期間の終期とを設定してもよい。
こうして割り込み指示の期間は調整される。投薬指示工程と生体情報収集指示工程との重
なりは確実に回避される。割り込み指示に影響する条件に応じて、投薬開始に先立ってど
のくらい前から検出を禁止するかの時間を設定することができ、投薬後のどのくらい後ま
で禁止期間とするかの時間を設定することができる。正しい生体情報に基づき投薬を実施
できる。しかも、そうした効果に加えて、投薬の時期に対して生体情報収集のずれは、で
きるだけ縮小されることができる。
(3)前記指示工程は前記生体情報の検出を禁止してもよい。生体情報の検出が禁止さ
れると、局所的な生体情報の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投薬
場所と生体情報の検出場所とが近くても、正しい生体情報に基づき投薬を実施することが
できる。しかも、そうした効果に加えて、投薬の時期に変更が加えられないという効果が
ある。
(4)前記指示工程は、前記生体情報収集指示工程に従い検出された前記生体情報を前
記モニター情報として収集することを禁止してもよい。たとえ生体情報収集指示工程に従
って生体情報が検出されても、指示工程ではモニター情報の収集は禁止される。局所的な
生体情報の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投薬場所と生体情報の
検出場所とが近くても、正しい生体情報に基づき投薬を実施することができる。しかも、
そうした効果に加えて、生体情報収集の時期および投薬の時期に変更が加えられずに済む
という効果がある。
(5)前記割り込み指示工程は、前記投薬指示工程を前記生体情報の検出期間が終了す
るまで延期してもよい。たとえ生体情報の検出が設定どおりに繰り返し指示されても、投
薬指示工程は生体情報の検出期間に重ならない。こうして生体情報の収集時に投薬は回避
される。投薬は生体情報の検出に影響しない。局所的な生体情報の変化はモニター情報と
して収集されない。したがって、投薬場所と生体情報の検出場所とが近くても、正しい生
体情報に基づき投薬を実施することができる。しかも、そうした効果に加えて、生体情報
の検出動作に変更が加えられなくても済む。
(6)前記指示工程は、検出された前記生体情報の転送を受信するまで前記投薬指示工
程を延期し、かつ、前記生体情報の転送を受信後であって、前記投薬指示工程がないこと
の確認後または前記投薬指示工程に従って実施される投薬の影響を受ける期間の経過後ま
で、前記生体情報収集指示工程を延期してもよい。生体情報の転送を受信するまで投薬指
示工程は延期されることから、投薬指示工程と生体情報収集指示工程との重なりは確実に
回避される。その後、投薬指示工程がないことが確認され、または、生体情報の転送の受
信後に投薬の影響を受ける期間が経過すれば、投薬指示工程と生体情報収集指示工程との
重なりは回避される。局所的な生体情報の変化はモニター情報として収集されない。した
がって、投薬場所と生体情報の検出場所とが近くても、正しい生体情報に基づき投薬を実
施することができる。しかも、そうした効果に加えて、投薬の時期が任意に設定されても
、確実に投薬指示工程と生体情報収集指示工程との重なりは回避される。
(7)本発明の他の態様は、生体への投薬を指示する投薬指示手順と、投薬を要因とし
て変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する動作を指示する生体情報収
集指示手順と、前記生体情報収集指示工程に従って実施される前記生体情報の検出期間と
、前記投薬指示工程に従って実施される投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間と
が重なる場合時に、前記投薬指示手順および前記生体情報収集手順の一方を禁止または延
期する指示手順とをコンピューターに実施させる投薬制御プログラムに関する。
(8)本発明のさらに他の態様は、生体に向けて投薬を実施する投薬部と、投薬を要因
として変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する生体情報収集部と、前
記投薬、および、前記モニター情報を収集する動作を指示し、前記生体情報の検出期間と
、前記投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが重なる場合に、前記投薬の指示
および前記生体情報の検出のうち一方を禁止または延期する処理を実施する制御部とを有
する投薬システムに関する。
一実施形態に係る投薬システムの全体構成を概略的に示す外観図である。 投薬システムのブロック図である。 第1実施形態に係る投薬システムの動作を概略的に示すチャート図である。 投薬および血糖値の検出を概略的に示す皮下組織の模式図である。 第2実施形態に係る投薬システムの動作を概略的に示すチャート図である。 第3実施形態に係る投薬システムの動作を概略的に示すチャート図である。 第4実施形態に係る投薬システムの動作を概略的に示すチャート図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する本
実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、
本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(1)投薬システムの全体構成
図1は一実施形態に係る投薬システム11の全体構成を概略的に示す。投薬システム1
1はインスリンポンプ(投薬部)12を備える。インスリンポンプ12は留置針13を有
する。留置針13は例えば人体といった生体に挿入される。留置針13の先端は例えば皮
下組織間質液に達する。インスリンポンプ12が作動すると、皮下に向けて投薬は実施さ
れる。投薬によって間質液にはインスリンが供給される。
インスリンポンプ12の動作にはべーサル投与およびボーラス投与が含まれる。べーサ
ル投与では留置針13から継続的にインスリンが生体に注入される。インスリンは5分や
15分の間隔で周期的に続く限り途切れなく投与される。その一方で、ボーラス投与では
特定の時期にスポット的に留置針13からインスリンが生体に注入される。インスリンは
例えば予め決められた時刻やユーザーの指定に従って周期的に数分間にわたって生体に投
与される。
投薬システム11は血糖値計(生体情報収集部)14を備える。血糖値計14は例えば
1対の電極15を有する。電極15は例えば生体に挿入される。電極15の先端は例えば
皮下組織間質液中に浸される。血糖値計14は間質液内で血糖値すなわちグルコース濃度
(生体情報)を検出する。血糖値計14には例えばCGM(連続グルコースセンサー)が
用いられることができる。血糖値計14は3分や5分の間隔で定期的に血糖値のデータを
出力する。
投薬システム11はコントローラー(制御部)16を備える。コントローラー16はイ
ンスリンポンプ12の動作を制御する。動作の制御にあたってコントローラー16は血糖
値計14からモニター情報として血糖値のデータを収集する。血糖値のデータで血糖値の
過度の低下が予想されると、コントローラー16は、ユーザーに警告を発したり、投薬の
停止を指示したりする。コントローラー16には例えば携帯可能なノートパソコンやスマ
ートホン、タブレットパソコンその他の機器が用いられることができる。
図2に示されるように、インスリンポンプ12はタンク21を備える。タンク21には
インスリンが貯蔵される。タンク21は例えばカートリッジ式に構成することができる。
カートリッジの交換に応じてインスリンポンプ12にはインスリンを補充することができ
る。
インスリンポンプ12は加圧部22を備える。加圧部22にはタンク21が結合される
。加圧部22の働きでタンク21からインスリンは放出される。放出されたインスリンは
留置針13に供給される。加圧部22は例えばモーターを有する。モーターの駆動力に応
じて加圧部22では圧力が生成される。生成された圧力の働きでインスリンはタンク21
から留置針13まで流れる。モーターは例えば圧電モーターから構成することができる。
圧電モーターは圧電素子の働きで駆動力を生成する。
インスリンポンプ12は制御回路23を備える。制御回路23は加圧部22に接続され
る。制御回路23は加圧部22の動作を制御する。制御回路23は例えばCPU(中央演
算処理装置)やメモリー、クロック回路で構成することができる。CPUはメモリーに記
憶されるプログラムに従って動作する。CPUの動作はクロック回路で生成されるクロッ
クに同期する。ここでは、加圧部22の動作は例えば周期Rで繰り返される。
インスリンポンプ12は通信回路24を備える。通信回路24は制御回路23に接続さ
れる。通信回路24は例えば無線通信を通じて外部から制御信号を受信することができる
。制御回路23は通信回路24から受け取る制御信号に従って動作することができる。通
信回路24は例えばブルートゥース(登録商標)を利用すればよい。加えて、通信回路2
4は、外部に向けてエラーメッセージやステータスメッセージといった信号を送信しても
よい。
インスリンポンプ12は電源25を備える。電源25は制御回路23や加圧部22、通
信回路24に接続される。電源25は例えば電池で構成することができる。電源25から
供給される電力に応じて制御回路23や加圧部22、通信回路24は動作する。
血糖値計14は検出回路27を備える。検出回路27は電極15に接続される。検出回
路27は電極15間で生じる電流を測定する。ここで、検出回路27の原理の一例を挙げ
ると、皮下組織間質液中のグルコースがグルコースオキシダーゼ酵素膜を通過する際、グ
ルコースと酸素とからグルコン酸と過酸化水素とが生成される。生成された過酸化水素は
さらに電極面で水および酸素に分解される。その際、反応電流が電極15間で生じる。こ
の電流は過酸化水素量に比例する。過酸化水素量は間質液中のグルコース濃度に比例する
ことから、実測された反応電流値を間質液中のグルコース濃度に換算することができる。
血糖値計14は演算回路28を備える。演算回路28は検出回路27に接続される。演
算回路28は例えば5秒や10秒といった時間間隔で検出回路27の検出結果を取得する
。演算回路28は5分や10分といった周期Pで検出回路27の検出結果から平均値を算
出し、血糖値のデータとして出力する。演算回路28は例えばCPU(中央演算処理装置
)やメモリー、クロック回路で構成することができる。CPUはメモリーに記憶されるプ
ログラムに従って動作する。CPUの動作はクロック回路で生成されるクロックに同期す
る。
血糖値計14は通信回路29を備える。通信回路29は演算回路28に接続される。通
信回路29は例えば無線通信を通じて外部に血糖値のデータを送信することができる。通
信回路29は同様に無線通信を通じて外部から制御信号を受信することができる。演算回
路28は通信回路29から受け取る制御信号に従って動作することができる。制御信号に
は、血糖値の検出を禁止する禁止信号が含まれる。通信回路29は例えばブルートゥース
(登録商標)を利用すればよい。
血糖値計14は電源31を備える。電源31は演算回路28や検出回路27、通信回路
29に接続される。電源31は例えば電池で構成することができる。電源31から供給さ
れる電力に応じて演算回路28や検出回路27、通信回路29は動作する。
コントローラー16はCPU(中央演算処理装置)32を備える。CPU32にはメモ
リー33が接続される。CPU32はメモリー33に記憶されるプログラムに従って動作
する。CPU32の動作は例えばクロック回路34で生成されるクロックに同期すればよ
い。メモリー33には例えば投薬制御プログラム35が格納される。投薬制御プログラム
35は例えばウェブサイトからダウンロードされてメモリー33に格納されればよい。
コントローラー16は通信回路36を備える。通信回路36はCPU32に接続される
。CPU32は例えば無線通信を通じてインスリンポンプ12の通信回路24に制御信号
を送信することができる。同様に、CPU32は無線通信を通じて血糖値計14の通信回
路29から血糖値のデータを受信したり血糖値計14の通信回路29に向けて制御信号を
送信したりすることができる。
コントローラー16はディスプレイ37やスピーカー38といった出力機器やマイク3
9やタッチスクリーンパネル41といった入力機器を備えてもよい。コントローラー16
はディスプレイ37やスピーカー38を通じてユーザーに警告を発することができる。ユ
ーザーはマイク39やタッチスクリーンパネル41からコントローラー16に指示や設定
、データを入力することができる。
(2)第1実施形態に係る投薬システムの動作
次に投薬システム11の動作を説明する。コントローラー16で投薬制御プログラム3
5が実行されると、投薬制御方法は実施される。投薬制御方法の実施にあたってコントロ
ーラー16にはインスリンポンプ12および血糖値計14が関連づけられる。ここでは、
コントローラー16に無線でインスリンポンプ12および血糖値計14が接続される。ブ
ルートゥースを通じてコントローラー16とインスリンポンプ12および血糖値計14と
の間に無線回線が確立される。コントローラー16にはインスリンポンプ12および血糖
値計14が登録される。
血糖値計14の電源31が入れられると、血糖値計14は血糖値の計測を開始すること
ができる。図3に示されるように、コントローラー16は血糖値計14の制御信号を生成
する。コントローラー16は、制御信号に基づき、血糖値を検出しモニター情報として収
集する動作を血糖値計14に指示する。こうして生体情報収集指示工程は実現される。
血糖値計14はコントローラー16に血糖値のデータを供給する。血糖値計14は内部
クロックのクロックに応じて固有のタイミングで計測を実施する。すなわち、血糖値計1
4は周期Pで血糖値を検出しモニター情報として収集する動作を繰り返す。このとき、コ
ントローラー16は血糖値計14のタイムスタンプを取得する。タイムスタンプは血糖値
のデータに組み込まれればよい。こうしてコントローラー16は血糖値の検出期間を特定
する。コントローラー16には予め血糖値の検出の周期Pが登録されればよい。あるいは
、複数のデータの受信に応じて周期Pが特定されてもよい。
コントローラー16はインスリンポンプ12の制御信号を生成する。制御信号には投薬
の指示が特定される。制御信号の生成にあたってコントローラー16は投薬の周期Rを特
定する。インスリンポンプ12は制御信号の受信に応じて投薬を実施する。投薬は周期R
で繰り返される。生体への投薬を指示する投薬指示工程は実現される。患者の体内に留置
針13からインスリンが投与される。
投薬の周期Rが特定されると、コントローラー16は、投薬が血糖値の検出に影響を及
ぼす期間(以下「検出禁止期間」という)を特定する。検出禁止期間は、投薬されたイン
スリンが投薬場所の間質液で拡散し、投薬場所の局所的な血糖値が周囲の間質液の血糖値
に平衡する期間であればよい。こうした期間は、個人個人で実測されてカスタマイズされ
てもよく、多数のサンプルデータに基づき一般化されてもよい。一般に知られるように、
インスリンの投薬を要因として血糖値は変化する。
コントローラー16は皮下組織間質液中の血糖値をモニターする。コントローラー16
は、血糖値の過度の低下を予測すると、インスリンポンプ12からインスリンの注入を停
止する。コントローラー16はインスリンポンプ12に向けて加圧部22の動作を停止す
る制御信号を出力する。
コントローラー16は、血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なる場合には、投薬指
示工程および生体情報収集指示工程の一方を禁止または延期する割り込み指示を生成する
。ここでは、割り込み指示に基づき血糖値の検出は禁止される。割り込み指示を出す期間
は検出禁止期間に基づき定められる。言い換えると、投薬開始時期に対する割り込み指示
を出す期間の始期は検出禁止期間の始期に該当し、投薬終了時期に対する割り込み指示を
出す期間の終期は検出禁止期間の終期に該当する。期間の始期は、投薬開始に先立ってど
のくらい前から検出を禁止するかの時間(t1)を設定することができ、期間の終期は、
投薬後のどのくらい後まで禁止期間とするかの時間(t2)を設定することができる。前
述のように、予め血糖値計14のタイムスタンプが特定されていれば、コントローラー1
6は、血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なる際にだけ血糖値計14に検出禁止期間
の始期および終期を通知すればよい。その他、コントローラー16はインスリンポンプ1
2の制御信号を送信するたびに血糖値計14に検出禁止期間の始期および終期を通知して
もよい。
図4に示されるように、留置針13から皮下組織間質液にインスリンが供給されると、
インスリンは間質液から血管に染み入り運搬される。インスリンは細胞内でグルコースG
の消費を促す。血糖値は低下していく。インスリンの注入場所では注入時に局所的に血糖
値が低下する。局所的に血糖値は正常値に向かって変化する。このとき、本実施形態では
、たとえ血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なっても、生体情報収集指示工程は禁止
されるので、局所的な血糖値の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投
薬場所と血糖値の検出場所とが近くても、正しい血糖値に基づき投薬を実施することがで
きる。
グルコースGの消費に伴いインスリンは消費される。加えて、インスリンは血管に染み
入り運搬される。こうして投薬場所ではインスリンの濃度は低下していく。併せて、皮下
組織間質液には血管からグルコースGが染み出る。その結果、投薬場所での局所的な血糖
値の低下は解消される。局所的な血糖値の変化が解消されると、検出禁止期間は終了する
。こうして血糖値計14は血糖値の検出を再開する。
本実施形態では、投薬指示工程に従って実施される投薬の影響を受ける期間として割り
込み指示を出す期間が定められ、コントローラー16は、投薬開始時期に対する割り込み
指示を出す期間の始期と、投薬終了時期に対する割り込み指示を出す期間の終期とを設定
する。こうして割り込み指示の期間は調整される。投薬指示工程と生体情報収集指示工程
との重なりは確実に回避される。割り込み指示に影響する条件に応じて割り込み指示の期
間を変更することができる。例えば、コントローラー16は投薬量に応じて始期および終
期を変更することもできる。
(3)第2実施形態に係る投薬システムの動作
第2実施形態では、血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なる場合には、図5に示さ
れるように、コントローラー16は割り込み指示に基づき、検出された血糖値をモニター
情報として収集することを禁止する。血糖値計14からコントローラー16に血糖値のデ
ータは送られ続ける。コントローラー16はインスリンポンプ12に向かって制御信号を
送信すると同時に割り込み指示を生成しモニター情報の収集を禁止すればよい。モニター
情報の収集を禁止するとは、例えば受信した血糖値のデータを破棄したり内部メモリーに
蓄積しないことをいう。血糖値計14は周期的な動作を繰り返すだけでよく、血糖値計1
4の処理動作に変更が加えられなくても済む。この場合でも、前述と同様に、局所的な血
糖値の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投薬場所と血糖値の検出場
所とが近くても、正しい血糖値に基づき投薬を実施することができる。
(4)第3実施形態に係る投薬システムの動作
第3実施形態では、血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なる場合には、図6に示さ
れるように、コントローラー16は割り込み指示に基づき、投薬指示工程を生体情報の検
出期間が終了するまで延期する。血糖値計14からコントローラー16に血糖値のデータ
は送られ続ける。コントローラー16は投薬の周期Rに基づき検出禁止期間を予測し血糖
値の検出期間と検出禁止期間とが重ならないようにインスリンポンプ12に向かって制御
信号を送信すればよい。血糖値計14は周期的な動作を繰り返すだけでよく、血糖値計1
4の処理動作に変更が加えられなくても済む。この場合でも、前述と同様に、局所的な血
糖値の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投薬場所と血糖値の検出場
所とが近くても、正しい血糖値に基づき投薬を実施することができる。
(5)第4実施形態に係る投薬システムの動作
第4実施形態では、血糖値の検出期間と検出禁止期間とが重なる場合には、図7に示さ
れるように、コントローラー16は割り込み指示に基づき、検出された血糖値のデータを
受信するまで投薬指示工程を延期し、かつ、血糖値のデータを受信後であって、投薬指示
工程がないことの確認後または検出禁止期間の経過後まで、生体情報収集指示工程を延期
する。コントローラー16は投薬の周期Rに基づき検出禁止期間を予測し血糖値の検出期
間と検出禁止期間とが重ならないように血糖値計14に向かって制御信号を送信すればよ
い。血糖値のデータを受信後に投薬が開始され、投薬がないこと、または、検出禁止期間
の経過後まで血糖値の検出は延期されることから、血糖値の検出期間と検出禁止期間との
重なりは確実に回避されることができる。この場合でも、前述と同様に、局所的な血糖値
の変化はモニター情報として収集されない。したがって、投薬場所と血糖値の検出場所と
が近くても、正しい血糖値に基づき投薬を実施することができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効
果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるで
あろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれる。例えば、明細
書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語とともに記載
された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換え
られることができる。また、インスリンポンプ12や血糖値計14等の構成および動作も
本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能である。また、コントローラ
ー16の機能はインスリンポンプ12や血糖値計14のいずれかに含まれていてもよい。
11 投薬システム、12 投薬部(インスリンポンプ)、14 生体情報収集部(血
糖値計)、16 制御部(コントローラー)。

Claims (8)

  1. 生体への投薬を指示する投薬指示工程と、
    投薬を要因として変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する動作を指
    示する生体情報収集指示工程と、
    前記生体情報収集指示工程に従って実施される前記生体情報の検出期間と、前記投薬指
    示工程に従って実施される投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが重なる場合
    に、前記投薬指示工程および前記生体情報収集指示工程の一方を禁止または延期する指示
    工程と、
    を有することを特徴とする投薬制御方法。
  2. 請求項1において、
    前記投薬指示工程に従って実施される投薬の影響を受ける期間として割り込み指示を出
    す期間が定められ、投薬開始時期に対する割り込み指示を出す期間の始期と、投薬終了時
    期に対する割り込み指示を出す期間の終期とを設定することを特徴とする投薬制御方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記指示工程は前記生体情報の検出を禁止することを特徴とする投薬制御方法。
  4. 請求項1または2において、
    前記指示工程は、前記生体情報収集指示工程に従い検出された前記生体情報を前記モニ
    ター情報として収集することを禁止することを特徴とする投薬制御方法。
  5. 請求項1または2において、
    前記指示工程は、前記投薬指示工程を前記生体情報の検出期間が終了するまで延期する
    ことを特徴とする投薬制御方法。
  6. 請求項1または2において、
    前記指示工程は、検出された前記生体情報の転送を受信するまで前記投薬指示工程を延
    期し、かつ、前記生体情報の転送を受信後であって、前記投薬指示工程がないことの確認
    後または前記投薬指示工程に従って実施される投薬の影響を受ける期間の経過後まで、前
    記生体情報収集指示工程を延期することを特徴とする投薬制御方法。
  7. 生体への投薬を指示する投薬指示手順と、
    投薬を要因として変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する動作を指
    示する生体情報収集指示手順と、
    前記生体情報収集指示工程に従って実施される前記生体情報の検出期間と、前記投薬指
    示工程に従って実施される投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが重なる場合
    時に、前記投薬指示手順および前記生体情報収集手順の一方を禁止または延期する指示手
    順と、
    をコンピューターに実施させることを特徴とする投薬制御プログラム。
  8. 生体に向けて投薬を実施する投薬部と、
    投薬を要因として変化し得る生体情報を検出し、モニター情報として収集する生体情報
    収集部と、
    前記投薬、および、前記モニター情報を収集する動作を指示し、前記生体情報の検出期
    間と、前記投薬が前記生体情報の検出に影響を及ぼす期間とが重なる場合に、前記投薬の
    指示および前記生体情報の検出のうち一方を禁止または延期する処理を実施する制御部と

    を有することを特徴とする投薬システム。
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