JP2016094945A - エネルギー吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを調節できるエネルギー吸収部材を提供する。【解決手段】筒状に形成され、座屈することによって筒状の中心軸14の軸方向に加わった衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材11Aは、板状部材に複数の膨出部15が隣接又は近接した状態で形成される。エネルギー吸収部材11を構成する板状部材には、筒状の内方に向かって突出する膨出部15と前記筒状の外方に向かって突出する膨出部15とが混在して形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のバンパの構成部品等のエネルギー吸収部材に関する。
従来から、自動車には、衝突時に外部から加わる衝撃がボディに伝わるのを防ぐ機構が設けられる。このため、従来、自動車のフロントサイドメンバ前端やバンパステーに、アルミニウム、スチール等の板状部材の板面に複数の正面視略円形の凸部を設けて筒状に形成し、軸方向を前後方向に沿って設けたエネルギー吸収部材が知られている。
このエネルギー吸収部材は、筒状の軸方向に加わった力に対して座屈することで自動車が他の自動車等に衝突した際の衝突エネルギーを吸収する。ここで、座屈時にエネルギー吸収部材が筒状の軸方向に対して折れ曲がってしまうとエネルギー吸収効率が悪くなる。更に、エネルギー吸収部材は強度が確保されていることが望ましい。一般的なものは、プレスや、押出し等の工法で多角形化するなどして、軸抗力の向上に様々な工夫をしているが、筒状の部材が座屈変形する強度及び挙動は、壁の長さ、板厚、材質によって受動的に決まってしまうため、これらの最適化に配慮されたものが主流である。
また、エネルギー吸収総量を上げようとすると、衝突初期の軸抗力が上がってしまう傾向にあり、これが乗員への障害値を低減する上での足枷となってしまっていた。また、軽衝突においてメインフレームを損壊させ、補修費用増加を招いていた。従って、こうしたエネルギー吸収部材には、衝突初期は低く且つ、ストロークの全長に渡って十分な抗力を発揮し続けるような特性が求められる。
そこで、従来、筒状の部材の任意の場所に、破壊変形されやすい構成を設けることで、衝突時のエネルギー吸収の度合いを調節する構成が知られている。具体的には、筒状のエネルギー吸収部材に、軸方向に対して直交方向に沿って長い凹溝状に形成された、他の箇所よりも板厚の薄い「脆弱部」としてのクラッシュビードを複数設け、外部からの衝撃に対しクラッシュビードの破壊変形が起こり易くなるように構成することで、エネルギー吸収部材の座屈の方向や度合いを調節する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−1462号公報
しかし、特許文献1に記載の発明は、クラッシュビードが設けられた箇所以外の箇所は、単なる筒状のエネルギー吸収部材の構成と変わりはない。そのため、エネルギー吸収部材のエネルギー吸収効率を本質的に向上させることは難しい。そして、特許文献1に記載の発明においては、エネルギー吸収効率を向上させるためには、エネルギー吸収部材の形状や構造、エネルギー吸収部材が取り付けられる自動車のスペック等を考慮して、クラッシュビードの大きさや配設位置等を個別に調節して製造しなければならない。そのため、規格品として製造する場合にはエネルギー吸収の度合いを調節できず、クラッシュビードの大きさや配設位置を個別に調節する場合には製造コストの高騰や製造効率の低下を招くという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節でき、製造コスト高騰を抑止でき、良好な製造効率を得ることができるエネルギー吸収部材を提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、筒状に形成され、座屈することによって前記筒状の軸方向に加わった衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材であって、板状部材に複数の膨出部が隣接又は近接した状態で形成され、前記板状部材には、前記筒状の内方に向かって突出する前記膨出部と前記筒状の外方に向かって突出する前記膨出部とが混在して形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記板状部材は複数の側面部からなる角筒状に形成され、少なくとも一つの前記側面部には、前記角筒状の内方に向かって突出する前記膨出部と前記角筒状の外方に向かって突出する前記膨出部とが混在して形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記板状部材には、複数の前記膨出部が一直線状に配列されたものを一つの列として、該列が複数形成され、それぞれの前記列には、前記筒状の内方に向かって突出された前記膨出部のみ、又は、前記筒状の外方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記板状部材には、前記筒状の外方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されている前記列と、前記筒状の内方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されている前記列とが交互に形成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の構成に加え、前記列は、前記筒状の前記軸方向に対して略直交する方向に沿って形成されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、それぞれの前記膨出部は、外形が同一形状の正面視多角形に形成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、それぞれの前記膨出部の前記外形は、正面視正六角形に形成されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一つに記載の構成に加え、前記エネルギー吸収部材を構成する前記板状部材の略全面にわたって、前記膨出部が隙間なく隣接して形成されたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一つに記載の構成に加え、自動車の車体強度部材と車幅方向に沿うバンパ補強部材との間に配設されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、板状部材に複数の膨出部が隣接又は近接した状態で形成されていることにより、膨出部の形状や大きさを調節することで、エネルギー吸収部材が衝撃を受けた際の座屈状態や座屈強度が適切な状態になるように自在に調節できる。また、膨出部が隣接又は近接した状態で形成されていることにより、外部からの衝撃に対し、膨出部によって衝撃に対する高い抗力を奏すると共に、膨出部同士の境界において座屈が容易になる。このため、板状部材を所望の箇所で座屈させ、かつ、高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収させることができる。更に、板状部材には、筒状の内方に向かって突出する膨出部と筒状の外方に向かって突出する膨出部とが混在して形成されていることにより、エネルギー吸収部材が座屈した際に膨出部同士が干渉し合ってしまい、エネルギー吸収部材部材が軸方向に対して折れ曲がって座屈することを抑止できる。これにより、エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、角筒状に形成された板状部材の少なくとも一つの側面部には、角筒状の内方に向かって突出する膨出部と角筒状の外方に向かって突出する膨出部とが混在して形成されていることにより、エネルギー吸収部材の少なくとも一つの側面部において、衝撃エネルギーに対して高い抗力を奏させると共に板状部材を所望の箇所で座屈させ、高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収させることができる。また、側面部ごとに、板状部材の座屈の状態や衝撃エネルギーの吸収量に変化を持たせることもできる。そのため、エネルギー吸収部材の配設場所や配設状態や衝撃エネルギーの加わり方などを反映させつつ、エネルギー吸収部材を、軸方向に沿って一層均等に座屈させることができる。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、板状部材に形成された、複数の膨出部が一直線状に配列された列のそれぞれには、筒状の内方に向かって突出された膨出部のみ、又は、筒状の外方に向かって突出された膨出部のみが形成されていることにより、膨出部が配列された列を基準にエネルギー吸収部材の座屈の位置や座屈の方向を調節できる。即ち、エネルギー吸収部材における座屈の位置や座屈の方向を、膨出部が配列された列や列同士の境界の位置の設定によって調整することができるため、エネルギー吸収部材の設計や製造が容易になり、高いエネルギー吸収効率を容易に得ることが可能になる。これにより、設計や製造を簡易に行えて、一層高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収しうるエネルギー吸収部材を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、筒状の外方に向かって突出された膨出部のみが形成されている列と、筒状の内方に向かって突出された膨出部のみが形成されている列とが交互に形成されたことにより、エネルギー吸収部材が座屈した際に、膨出部同士が干渉し合って座屈に支障をきたす事態を確実に防止しつつ、膨出部が配列された列同士の境界を確実に座屈させることで、エネルギー吸収部材を、軸方向に対して均等に座屈させることができる。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、膨出部が配列された列は筒状の軸方向に対して略直交する方向に沿って形成されたことにより、軸方向に加わった衝撃エネルギーにより、膨出部の配列された列又は列同士の境界を基準に、膨出部同士が座屈の支障となることなく、板状部材を座屈させることができる。そして、膨出部の配列された列又は列同士の境界を基準に座屈させれば、おのずと板状部材は軸方向に沿って均等に座屈しながら衝撃エネルギーを吸収する。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、それぞれの膨出部は、外形が同一形状の正面視多角形に形成されたことにより、エネルギー吸収部材の板面方向に向けて外部から加わった衝撃に対する高い抗力を維持できる。また、エネルギー吸収部材の座屈時に、筒状の軸方向に対する折れ曲がりが起きにくくなる。更に、それぞれの膨出部は同一形状なので、製造が容易である。これにより、エネルギー吸収効率が高いエネルギー吸収部材を容易に形成できる。
請求項7に記載の発明によれば、膨出部は、外形が正面視略六角形に形成されたことにより、板状部材に膨出部を密集させて、ハニカム構造を容易に形成できる。そのため、エネルギー吸収部材の板面方向に加わった衝撃に対し、非常に高い抗力を持たせることができる。これにより、エネルギー吸収効率が高いエネルギー吸収部材を一層容易に提供できる。
請求項8に記載の発明によれば、エネルギー吸収部材は、略全面にわたって、膨出部が隙間なく隣接して形成されたことにより、エネルギー吸収部材の略全面に渡り、衝撃に対する抗力が高く、エネルギー吸収効率の調整が容易に形成できる。これにより、エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材を一層容易に提供できる。
請求項9に記載の発明によれば、車両衝突時にバンパに作用する衝撃力をエネルギー吸収部材により有効に吸収させることができ、車体強度部材に伝達される衝撃力を極力低減できる。
この発明の実施の形態1のエネルギー吸収部材の全体形状を示す図である。である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材の部分拡大図である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のA−A断面図である。である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のB−B断面図である。 この発明の実施の形態1のエネルギー吸収部材が適用される自動車の部分拡大図である。 この発明の実施の形態2のエネルギー吸収部材の全体形状を示す図である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のC−C断面図である。である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のD−D断面図である。 この発明の実施の形態3のエネルギー吸収部材の全体形状を示す図である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のE−E断面図である。である。 同実施の形態に係るエネルギー吸収部材のF−F断面図である。 この発明に係るエネルギー吸収部材、及び従来のエネルギー吸収部材のエネルギー吸収状態の実験結果を示す図である。 この発明に係るエネルギー吸収部材、及び従来のエネルギー吸収部材のエネルギー吸収状態の実験結果を示す図である。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図5に、この発明の実施の形態1を示す。
まず構成を説明すると、図1に示す、この実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aは、図5に示す、自動車100のバンパの衝撃吸収用に用いられている。具体的には、このエネルギー吸収部材11Aは、図5に示す通り、自動車100のエンジンルーム101の側部の下方に車両前後方向に延びる「車体強度部材」としてのサイドメンバ102とバンパ表皮103の内部に車幅方向に沿って延びるバンパ補強部材104との間に、車両前後方向に沿って配設されている。
なお、図5においては、エネルギー吸収部材11Aを自動車100のフロント側のサイドメンバ102とバンパ補強部材104との間に設ける構成を示しているが、エネルギー吸収部材11Aはリア側のサイドメンバ(図示せず)とバンパ補強部材(図示せず)との間に設けてもよい。
エネルギー吸収部材11Aは、剛性が高く、塑性変形することで外部から加わった運動エネルギーを吸収できる、「板状部材」としての金属の板材によって形成されている。この実施の形態1では、エネルギー吸収部材11Aは、厚さ約1.2〜2.0ミリメートルの鋼板によって形成される。ただし、エネルギー吸収部材11Aを構成する「板状部材」は、剛性と運動エネルギーの吸収特性の良好な性質を有するもの(塑性材)であれば、どのような材料で形成することもできる。例えば、鋼板、アルミメッキ鋼板、アルミニウム板と樹脂フィルム材とをラミネート構造にしたもの等、アルミニウム以外の金属、樹脂、およびそれらの合板等にて形成することもできる。
エネルギー吸収部材11Aは、図1に示す通り、角筒形に形成されている。具体的には、エネルギー吸収部材11Aは、平板形状の板材が3つの平行な折り線、即ち図1及び図4に示す折り線20(1),20(2),20(3)で略直角に折り曲げられて四角筒形に形成され、両側部をスポット溶接等で接合して折り線20(4)を形成している。但し、エネルギー吸収部材11Aは、これ以外のどのような製造方法で製造されていてもよい。これにより、エネルギー吸収部材11Aは、4つの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)を有する四角筒状の「板状部材」としての板材を備え、これらの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)に囲まれた内側が中空であり、両端に開口部13,13が形成されたものとなっている。
エネルギー吸収部材11Aは、図示せぬボルト等によって図5に示すサイドメンバ102とバンパ補強部材104に固着されている。これにより、中心軸14が自動車100の前後方向に向くように配設される。
なお、エネルギー吸収部材11Aは、四角筒形に限らず、平面視(即ち開口部13側から見た状態)で円形の筒状、五角形の筒状、六角形の筒状など、多角形の筒状であってもよい。また、エネルギー吸収部材11Aの内部が、軸方向に延びる仕切り部材によって仕切られていてもよい。更に、エネルギー吸収部材11Aは、どのような構成でサイドメンバ102及びバンパ補強部材104に固着されていてもよい。
ただし、エネルギー吸収部材11は、剛性と運動エネルギーの吸収特性の良好な性質を有するものであれば、四角筒状等の筒状に限らず、どのような形状、構造にすることもできる。例えば、両端に板材が設けられて内部空間が密閉された形状であってもよいし、内部にウレタン等の材料が充填されて四角筒形や円筒形等に形成された構成とすることもできる。
図1に示す通り、エネルギー吸収部材11Aの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)において、板面の略全面には、プレス加工により、複数の膨出部15が形成されている。
エネルギー吸収部材11Aの膨出部15は正面視多角形である。この実施の形態1においては、図2に示す通り、それぞれの膨出部15は、全て同一形状に形成されている。即ち、それぞれの膨出部15は外形が正面視正六角形の同一形状であって、膨出の大きさが同一である。
図2に示す通り、膨出部15の三組の対向する角を結ぶ線上には、図3及び図4に示す通り、膨出部15の突出方向に向けて傾斜する稜線16が形成されている。図3及び図4に示す通り、これら稜線16は膨出部15の突出方向に湾曲する曲線を形成し、稜線16の交点17は、膨出方向の最高点となっている。膨出部15の二つの稜線16,16と外形の一辺18で囲まれた面は平面を形成する。
膨出部15は、自動車100の衝突時に受ける衝突エネルギーの吸収が良好な形状及び大きさに形成されている。この実施の形態1においては、膨出部15の外形の一辺が12ミリメートル、高さが3ミリメートルに形成されている。ただし、膨出部15は、衝突エネルギーの吸収状態が良好であればどのような外形や高さに形成されていてもよい。
膨出部15は、エネルギー吸収部材11Aが座屈する際に、筒状の軸方向、つまり図1に示す中心軸14に沿う方向、に対して折れ曲がりにくい態様で配設されている。具体的には、図1に示す通り、エネルギー吸収部材11Aの全域にわたって配設されている。
全ての隣り合う膨出部15は、互いに隙間なく隣接しており、いわゆるハニカム構造を形成する。但し、全ての隣り合う膨出部15が、一定の間隙部を有して近接する構成(つまり、隣り合う膨出部15の外形の一辺18同士の間に、板材本来の平面部分が任意の幅だけ残存している構成)であってもよい。
そして、この実施の形態1において、エネルギー吸収部材11Aのそれぞれの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)において、膨出部15は、中心軸14に略直交する方向を一つの列として、複数列配列された構成となっている。具体的には、図1に示すように、中心軸14に略直交する方向に膨出部15(1),15(2),15(3)が配列された第一の列19(1)が形成され、第一の列19(1)の直下に膨出部15(4),15(5),15(6),15(7)が配列された第二の列19(2)が形成され、以下同様に第三の列19(3)、第四の列19(4)・・・がn列(n≧1)形成されている。
エネルギー吸収部材11Aのそれぞれの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)において、それぞれの列、例えば第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)は、それぞれ、エネルギー吸収部材11Aの四角筒状の外方に向かって突出された膨出部15のみが形成された列と、四角筒状の内方に向かって突出された膨出部15のみが形成された列とが、交互に形成されている。例えば、図1において、第一の列19(1)を形成する膨出部15(1),15(2),15(3)は、全て、エネルギー吸収部材11Aの四角筒状の内方に向かって突出されており、第二の列19(2)を形成する膨出部15(4),15(5),15(6),15(7)は、全て、エネルギー吸収部材11Aの四角筒状の外方に向かって突出されている。同様に、第三の列19(3)を形成する膨出部15は全てエネルギー吸収部材11Aの四角筒状の内側に向かって突出し、第四の列19(4)を形成する膨出部15は全てエネルギー吸収部材11Aの四角筒状の外方に向かって突出し、これらの構成が第nの列19(n)まで繰り返される。
なお、この実施の形態1においては、それぞれの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)において、対向面同士の膨出部15の同一列は突出方向が同じであり、隣接面の膨出部15の同一列は突出方向が反対であるように構成されている。例えば図4においては、側面部12(1)の第一の列19(1)、側面部12(3)の第一の列19(21)を形成する膨出部15は、エネルギー吸収部材11Aの四角筒状の内側に向けて突出し、側面部12(2)の第一の列19(11)、側面部12(4)の第一の列19(31)を形成する膨出部15は、エネルギー吸収部材11Aの四角筒状の外側に向けて突出するように構成されている。但し、全ての面の同一列に配列された膨出部15は、全て突出方向が同一であるように構成されていてもよい。
次に、このエネルギー吸収部材11Aの作用について説明する。
自動車100の前方からバンパ表皮103に衝撃荷重が作用すると、この衝撃荷重がバンパ補強部材104を介してエネルギー吸収部材11Aに伝達される。すると、エネルギー吸収部材11Aはサイドメンバ102よりも座屈荷重が小さく設定されているため、中心軸14の方向に座屈し、サイドメンバ102への荷重の伝達を抑制することができる。
ここで、エネルギー吸収部材11Aは、それぞれの側面部12(1),12(2),12(3),12(4)の略全面にわたって膨出部15が複数設けられているため、衝突初期の軸抗力を低減させることができる。即ち、それぞれの膨出部15が正面視略六角形で、それぞれの頂点部分と稜線16の交点17とが略三角形を形成し、かつ、複数の膨出部15がハニカム構造を形成しているため、側面部12(1),12(2),12(3),12(4)の面方向に沿って加わった力に対して高い抗力を奏する。また、膨出部15の外周部が座屈時の基準位置になる(つまり、エネルギー吸収部材11Aは、側面部12(1),12(2),12(3),12(4)の面方向に沿って加わった力に対し、一辺18の部分から座屈が起こり易いように構成されている)ため、全体が平板状に形成されたエネルギー吸収部材の場合と違い、膨出部15の大きさや配設位置等を調節することで、エネルギー吸収の度合いを、エネルギー吸収部材11Aの壁の長さ、板厚、材質のみに依存せずに調節することができる。
また、膨出部15はエネルギー吸収部材11Aの略全面に設けられているので、エネルギー吸収部材11Aの全面において、高いエネルギー吸収効率を得ることができ、かつ、側面部12(1),12(2),12(3),12(4)の全てにわたりほぼ等しい強度を有する。
また、エネルギー吸収部材11Aは、膨出部15の中央部分に比べて、隣接する複数の膨出部15の境界部分が座屈しやすいので、膨出部15の一辺18にあたる部分が折れ曲がる形で座屈が進行することになる。そして、座屈する地点(すなわち、エネルギー吸収部材11Aの座屈の数)が多いほど、衝撃エネルギーの吸収量が多くなる。従って、この実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aは、従来のクラッシュビードが設けられたエネルギー吸収部材(特許文献1参照)に比べ、高いエネルギー吸収効率で衝突エネルギーを吸収する。
さらに、エネルギー吸収部材11Aには、中心軸14に略直交する方向に、膨出部15が、第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)を形成しているため、中心軸14に沿って加わった衝撃エネルギーにより、エネルギー吸収部材11Aは、第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)を基準に座屈する。このとき、第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)が蛇腹状に折れ曲がる場合が多くなるが、その場合、隣り合う列の膨出部15(例えば第一の列19(1)の膨出部15(1)〜15(3)の突出方向と第二の列の膨出部15(4)〜15(7))の突出方向が、外方と内方とが交互に形成されているため、エネルギー吸収部材11Aが座屈した際に、隣り合う列の膨出部15同士が干渉しあって座屈を妨げることがない。そのため、エネルギー吸収部材11Aは、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)を基準に蛇腹状に座屈する。
このように、エネルギー吸収部材11Aは、衝撃が加わった際、エネルギー吸収部材11Aは、中心軸14に対して折れ曲がることが抑制されつつ、座屈前の中心軸14の軸方向に均等に座屈して、高いエネルギー吸収効率を得ることができる。
以上、この実施の形態1においては、エネルギー吸収部材11Aを構成する板材に複数の膨出部15が隣接又は近接した状態で形成されていることにより、膨出部15の形状や大きさを調節することで、エネルギー吸収部材11Aが衝撃を受けた際の座屈状態や座屈強度が適切な状態になるように自在に調節できる。また、膨出部15が隣接又は近接した状態で形成されていることにより、外部からの衝撃に対し、膨出部15によって衝撃に対する高い抗力を奏すると共に、膨出部15,15同士の境界において座屈が容易になる。このため、板状部材を所望の箇所で座屈させ、かつ、高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収させることができる。更に、エネルギー吸収部材11Aには、四角筒状の内方に向かって突出する膨出部15と四角筒状の外方に向かって突出する膨出部15とが混在して形成されていることにより、エネルギー吸収部材11Aが座屈した際に膨出部15同士が干渉し合ってしまい、エネルギー吸収部材11Aが中心軸14の軸方向に対して折れ曲がって座屈することを抑止できる。これにより、エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材11Aを提供できる。
この実施の形態1においては、四角筒状に形成されたエネルギー吸収部材11Aの少なくとも一つの側面部には、四角筒状の内方に向かって突出する膨出部15(例えば膨出部15(1))と四角筒状の外方に向かって突出する膨出部15(例えば膨出部15(4))とが混在して形成されていることにより、エネルギー吸収部材11Aの少なくとも一つの側面部例えば側面部12(1)において、衝撃エネルギーに対して高い抗力を奏させると共にエネルギー吸収部材11Aを所望の箇所で座屈させ、高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収させることができる。また、側面部12(1)〜12(4)ごとに、エネルギー吸収部材11Aの座屈の状態や衝撃エネルギーの吸収量に変化を持たせることもできる。そのため、エネルギー吸収部材11Aの配設場所や配設状態や衝撃エネルギーの加わり方などを反映させつつ、エネルギー吸収部材11Aを、中心軸14の軸方向に沿って一層均等に座屈させることができる。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材11Aを提供できる。
この実施の形態1においては、エネルギー吸収部材11Aに形成された、複数の膨出部15が一直線状に配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)のそれぞれには、四角筒状の内方に向かって突出された膨出部15のみ、又は、四角筒状の外方に向かって突出された膨出部15のみが形成されていることにより、膨出部15が配列された列を基準にエネルギー吸収部材11Aの座屈の位置や座屈の方向を調節できる。即ち、エネルギー吸収部材11Aにおける座屈の位置や座屈の方向を、膨出部15が配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)や第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)同士の境界の位置の設定によって調整することができるため、エネルギー吸収部材11Aの設計や製造が容易になり、高いエネルギー吸収効率を容易に得ることが可能になる。これにより、設計や製造を簡易に行えて、一層高いエネルギー吸収効率で衝撃を吸収しうるエネルギー吸収部材11Aを提供できる。
この実施の形態1においては、四角筒状の外方に向かって突出された膨出部15のみが形成されている列、例えば第二の列19(2)、第四の列19(4)と、四角筒状の内方に向かって突出された膨出部15のみが形成されている列、例えば第一の列19(1)、第三の列19(3)とが交互に形成されたことにより、エネルギー吸収部材11Aが座屈した際に、膨出部15同士が干渉し合って座屈に支障をきたす事態を確実に防止しつつ、膨出部15が配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)同士の境界を確実に座屈させることで、エネルギー吸収部材を11、中心軸14の軸方向に対して均等に座屈させることができる。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材11Aを提供できる。
この実施の形態1においては、膨出部15が配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)は四角筒状の中心軸14の軸方向に対して略直交する方向に沿って形成されたことにより、中心軸14の軸方向に加わった衝撃エネルギーにより、膨出部15の配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)又は第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)同士の境界を基準に、膨出部15同士が座屈の支障となることなく、板状部材を座屈させることができる。そして、膨出部15の配列された第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)又は第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)同士の境界を基準に座屈させれば、おのずとエネルギー吸収部材11Aは中心軸14の軸方向に沿って均等に座屈しながら衝撃エネルギーを吸収する。これにより、一層エネルギー吸収効率が高く、エネルギー吸収の度合いを自在に調節できるエネルギー吸収部材11Aを提供できる。
なお、この実施の形態1においては、側面部12(1)〜12(4)のそれぞれに、中心軸14の軸方向に略直交する方向に膨出部15を配列した列を形成し、この列ごとに、四角筒状の内方に向かって突出する膨出部15のみ、四角筒状の外方に向かって突出する膨出部15のみを交互に配列する構成としたが、このような構成が、側面部12(1)〜12(4)のうちの一部の面にのみ形成されている態様としてもよい。
[発明の実施の形態2]
図6乃至図8に、この発明の実施の形態2を示す。
この実施の形態2のエネルギー吸収部材11Bにおいては、第一の列19(1)、第二の列(2)・・・第nの列19(n)に配列された膨出部15の突出方向が実施の形態1と相違する。
即ち、図6に全体図を示す、実施の形態2のエネルギー吸収部材11Bは、図7に示すように、第一の列19(1)及び第二の列19(2)を形成する膨出部15は全てエネルギー吸収部材11の四角筒状の内方に向かって突出し、第三の列19(3)及び第四の列19(4)を形成する膨出部15は全てエネルギー吸収部材11の四角筒状の外方に向かって突出し・・・というように、2列ごとに、膨出部15が外方と内方に交互に突出する構成を備えている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
このように構成することで、エネルギー吸収部材11Bを、配設する自動車100の部位や形状、大きさに応じた強度やエネルギー吸収量に構成することができる。
なお、配設する自動車100の部位や形状、大きさによっては、エネルギー吸収部材11Bに替えて、エネルギー吸収部材を、3列ごとに、あるいは4列以上の列ごとに、膨出部15が外方と内方に交互に突出する構成とすることもできる。
[発明の実施の形態3]
図9乃至図11に、この発明の実施の形態3を示す。
この実施の形態3のエネルギー吸収部材11Cにおいても、第一の列19(1)、第二の列19(2)・・・第nの列19(n)に配列された膨出部15の突出方向が実施の形態1及び2と相違する。
即ち、図9に全体図を示す、実施の形態3のエネルギー吸収部材11Cは、図10に示すように、側面部12(3)において第一の列19(31)乃至第三の列19(33)を形成する膨出部15、第六の列19(36)及び第七の列19(37)を形成する膨出部15、第九の列19(39)を形成する膨出部15は全てエネルギー吸収部材11の四角筒状の外方に向かって突出し、第四及び第五の列19(34),19(35)、及び第八の列19(38)は全てエネルギー吸収部材11の四角筒状の内方に向かって突出する構成を備えている。即ち、エネルギー吸収部材11の四角筒状の外方に向かって突出する膨出部15が配列された列は3列ごと、2列ごと、1列ごとと変化する構成となっている。その他の構成は実施の形態1及び2と同じである。
このように構成することで、エネルギー吸収部材11Cを、配設する自動車100の部位や形状、大きさに応じた強度やエネルギー吸収量に構成することができる。
なお、配設する自動車100の部位や形状、大きさによっては、エネルギー吸収部材11Cの列の配列態様をさらに変化させ、異なる規則や、不規則な列態様とすることもできる。
なお、上記各実施の形態では、エネルギー吸収部材11A,11B,11Cは自動車100のサイドメンバ102とバンパ補強部材104との間に設ける構成としたが、これらエネルギー吸収部材11A,11B,11Cを車体の他の部位に設けることもできる。また、エネルギー吸収部材11A,11B,11Cを、自動車以外のものに適用することもできる。
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記各実施の形態に限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
[実施例]
ここで、図12及び図13に、この発明に係るエネルギー吸収部材のエネルギー吸収状態の実験結果を示す。この実施例においては、本発明の代表例として、実施の形態1におけるエネルギー吸収部材11Aによる実験の結果を示す。なお、図12において縦軸は反力(単位kN)、横軸はストローク(単位mm)であり、図13において縦軸は吸収EA量(単位J)、横軸はストローク(単位mm)である。即ち、図12は、エネルギー吸収部材の座屈に伴う長さの縮小と反力との関係を示したものであり、図13は、エネルギー吸収部材の座屈に伴う長さの縮小と吸収されたエネルギー量との関係を示したものである。
同図において、符号110は、本発明のエネルギー吸収部材11Aについて、一端を固定部材に取り付け、他端側から700kgの剛体を1.3mの高さから自由落下させ、初速18.2km/hで軸圧潰させたときの反力の変化、及び吸収エネルギーの変化の状態を示している。なお、実験で用いたこの実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aは、SPC440W/1.8t及び1.6t(YP:355MPa,TS:483MPa,El:33%)の鋼材によって形成されている。また、このエネルギー吸収部材11Aの一辺の長さは80mmである。
図12及び図13には、更に、比較例としてのエネルギー吸収部材のエネルギー吸収状態の実験結果を示す。
符号120は、第1の比較例としてのエネルギー吸収部材(図示せず)の実験結果である。当該エネルギー吸収部材の材質、形状、直径はこの実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aと同じだが、膨出部15のない平板で形成された点が相違する。
符号130は、第2の比較例としてのエネルギー吸収部材(図示せず)の実験結果である。当該エネルギー吸収部材の材質、形状、直径はこの実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aと同じだが、膨出部15に替えて、特許文献1に記載されたエネルギー吸収部材と同様にクラッシュビードが設けられたものである点が相違する。
第1及び第2の比較例に対する実験内容は、この実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aに対する実験内容と同じである。
図12の符号110の線に示す通り、実施の形態1のエネルギー吸収部材11Aが座屈したときは、初期抗力のピーク値(符号111に示す縦軸方向の位置)は低くなっている。一方、ピーク値の後の反力の値は、初期抗力とほぼ同等の値を示している。そして、図13において符号110が示す通り、本発明のエネルギー吸収部材11Aの吸収エネルギー総量(符号110の線と横軸との間の面積の値に等しい)は、大きな値を示している。
即ち、本願発明のエネルギー吸収部材11は、初期抗力を小さく押さえつつ、吸収エネルギー総量を大きくすることができることが判る。
これに対し、図12の符号120の線に示す通り、第一の比較例のエネルギー吸収部材が座屈したときは、初期抗力のピーク値121の値が大きく、その後の抗力の値が急激に小さくなっている。また、図13の符号120の線に示す通り、第一の比較例の吸収エネルギー総量は、最も小さいものとなっている。
即ち、第一の比較例のエネルギー吸収部材は、初期抗力が非常に大きく、吸収エネルギー総量が小さいものであることが判る。
また、図12の符号130の線に示す通り、第二の比較例のエネルギー吸収部材が座屈したときは、初期抗力のピーク値131の値は本発明の初期抗力のピーク値と同等だが、その後の抗力の値は急激に小さくなっている。また、図13の符号130の線に示す通り、第二の比較例のエネルギー吸収量は、第一の比較例とほぼ同等の小さいものとなっている。
即ち、第二の比較例のエネルギー吸収部材は、初期抗力は比較的小さく押さえられるものの、吸収エネルギー総量が小さいものであることが判る。
以上により、本発明のエネルギー吸収部材11は、初期抗力が小さく、吸収エネルギー総量の大きい、エネルギー吸収部材としての性能が高いものであることが確認された。
11A,11B,11C・・・エネルギー吸収部材
12(1),12(2),12(3),12(4)・・・側面部
14・・・中心軸(軸)
15,15(1),15(2),15(3),15(4),15(5),15(6),15(7),15(8),15(9)・・・膨出部
19,19(1),19(2),19(3),19(4),19(n)・・・列
100・・・自動車
102・・・サイドメンバ(車体強度部材)
104・・・バンパ補強部材

Claims (9)

  1. 筒状に形成され、座屈することによって前記筒状の軸方向に加わった衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材であって、
    板状部材に複数の膨出部が隣接又は近接した状態で形成され、
    前記板状部材には、前記筒状の内方に向かって突出する前記膨出部と前記筒状の外方に向かって突出する前記膨出部とが混在して形成されていることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  2. 前記板状部材は複数の側面部からなる角筒状に形成され、
    少なくとも一つの前記側面部には、前記角筒状の内方に向かって突出する前記膨出部と前記角筒状の外方に向かって突出する前記膨出部とが混在して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー吸収部材。
  3. 前記板状部材には、複数の前記膨出部が一直線状に配列されたものを一つの列として、該列が複数形成され、
    それぞれの前記列には、前記筒状の内方に向かって突出された前記膨出部のみ、又は、前記筒状の外方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエネルギー吸収部材。
  4. 前記板状部材には、前記筒状の外方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されている前記列と、前記筒状の内方に向かって突出された前記膨出部のみが形成されている前記列とが交互に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のエネルギー吸収部材。
  5. 前記列は、前記筒状の前記軸方向に対して略直交する方向に沿って形成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載のエネルギー吸収部材。
  6. それぞれの前記膨出部は、外形が同一形状の正面視多角形に形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載のエネルギー吸収部材。
  7. それぞれの前記膨出部の前記外形は、正面視正六角形に形成されたことを特徴とする請求項6に記載のエネルギー吸収部材。
  8. 前記エネルギー吸収部材を構成する前記板状部材の略全面にわたって、前記膨出部が隙間なく隣接して形成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載のエネルギー吸収部材。
  9. 自動車の車体強度部材と車幅方向に沿うバンパ補強部材との間に配設されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一つに記載のエネルギー吸収部材。
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